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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 C02F |
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管理番号 | 1335174 |
異議申立番号 | 異議2017-700804 |
総通号数 | 217 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-01-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-08-22 |
確定日 | 2017-12-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6084745号発明「泥水式シールド工法で発生する泥土の処理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6084745号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6084745号の請求項1?8に係る特許についての出願は、平成28年9月7日に特許出願され、平成29年2月3日に特許の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人一條淳(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第6084745号の請求項1?8の特許に係る発明(以下「本件特許発明1」?「本件特許発明8」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定されるとおりのものである。そのうち、本件特許発明1は以下のとおりのものであり、本件特許発明2?8はすべて、その本件特許発明1に従属するものである。 「【請求項1】 泥水式シールド工法で発生する泥土に、カチオン性高分子凝集剤を添加することなく、アニオン性高分子凝集剤、および、固化不溶化材を添加して、粉砕および混合処理を行ない、処理済みの泥土を形成させる混合工程、 を含む、泥水式シールド工法で発生する泥土の処理方法であって、 上記固化不溶化材が、固化作用を有するマグネシウム成分および/またはカルシウム成分、並びに、金属硫酸塩および/または金属塩化物からなる金属塩を含むものであり、 上記粉砕が、上記アニオン性高分子凝集剤および固化不溶化材を含む泥土の、50%通過質量百分率が18mm以下、80%通過質量百分率が40mm以下になるまで行なわれることを特徴とする泥水式シールド工法で発生する泥土の処理方法。」 第3 申立理由の概要 申立人は、証拠として、次の甲第1号証?甲第16号証(以下「甲1」?「甲16」という。)を提出し、本件特許発明1?本件特許発明8は、甲1に記載された発明(以下「甲1発明」という。)及び甲2?16に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである旨主張している。 特に、本件特許発明1については、甲1発明及び甲2?7に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるとしている。 甲1:特許2603401号公報 甲2:特開2006-265885号公報 甲3:特開2013-144269号公報 甲4:特開2001-254393号公報 甲5:特開2005-28343号公報 甲6:特開2016-98608号公報 甲7:二宮康治「回転式破砕混合工法による建設発生土の有効利用技術(ツイスター工法)」土地改良 255号、平成18年11月15日 社団法人土地改良建設協会発行、57-59頁 甲8:特開2013-128891号公報 甲9:特開2010-207784号公報 甲10:特開平9-168800号公報 甲11:特開2001-121159号公報 甲12:特開平5-7706号公報 甲13:特開2011-79919号公報 甲14:特開2012-177051号公報 甲15:特開2012-92180号公報 甲16:特開2010-131535号公報 第4 甲号証の記載事項 1 甲1について (1)甲1には、以下の事項が記載されている。 (甲1ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】泥水シールド機械で掘削された掘削土を利用する工法において、泥水シールド機械からの排泥をふるいで細粒分と粗粒分とに分離し、前記粗粒分を残土改質装置に送り、前記細粒分を凝集剤により凝集させた後にプレスしてベルトコンベアを介して前記残土改質装置に送り、前記残土改質装置において固化剤と水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作り、その注入材料を一次覆工したトンネルセグメントの半径方向内方に注入することを特徴とする泥水シールド機の掘削土の利用工法。」 (甲1イ)【0004】 【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目的は、泥水シールド工法に掘削した土砂を有効にシールド工法に利用できる工法を提供するにある。 (甲1ウ)「【0009】 【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明する。 【0010】図1には本発明を実施する泥水シールド機Aの掘削残土利用の設備が示されており、同時に土圧シールド機Bからの掘削土も利用できるようになっている。 【0011】泥水シールド機Aで掘削する場合、泥水を切羽全面にポンプ圧送(送泥)し、その水圧により切羽を安定させて掘削を行い、地山の土砂を含んだ泥水を排泥する。この排泥されたものは、粗粒分の土砂を含んでいるため、一般にそのままの状態では送泥できないので、振動ふるい1で土砂を細粒分Cと粗粒分Dとに分離される。 【0012】その細粒分Cは、一部が調整槽2から泥水タンク3を介して送泥され、他部はスラリー槽4において、凝集剤タンク5の凝集剤により凝集され、フィルタプレス6でプレスされ、ベルトコンベア7を介して残土改質装置10に送られる。また、粗粒分Dは、ベルトコンベア8を介して残土改質装置10に送られる。 【0013】なお、例えば他の現場の土圧シールド機Bの掘削土砂Eを用いる場合には、土圧シールド機Bのスクリューコンベヤ9で送られる土砂を直接に残土改質装置10に入れればよい。 【0014】前記泥水シールド機Aの残土処理系において、細粒分Cをスラリー化して注入充填する場合は、充填効果を良くするために、流動化剤タンク11の流動化剤、水タンク12の水及び固化材タンク13の固化材(例えばセメント)を添加する。そして、残土改質装置10で攪拌混合してスラリー化し、スラリー化した注入材料Gをストックタンク14を介し注入ポンプ15により、例えばインバートFに注入充填する。」 (甲1エ)「【0019】次に、施工の態様について説明する。 【0020】図2及び図3において、一時覆工したトンネルセグメント20の半径方向内方にスチールフォーム21により二次覆工空間22を画成し、その空間22に注入材料Gを注入し充填する。 【0021】図4ないし図6は、本発明の別の実施例を示し、二次覆工空間22を、複数の薄肉パネル23で画成し、その空間22に注入材料Gを注入し充填する。このパネル23は繊維補強コンクリート製で、円周方向及び軸方向に相互に係合する突部23a、凹部23bが形成され、注入孔23cが設けられており、複数の自立ボルト24によりセグメント20に取付けられている。 【0022】図7及び図8は、本発明の別の実施例を示し、トンネルセグメント25を、中空部を備えたセグメント26で形成した例である。このセグメント26は、スキンプレート27と、その円周方向及び軸方向両端の継手板28及び主桁29と、継手板28、28の半径方向内方の端部間に張設されたコンクリート板30と、スキンプレート27に立設された複数の縦リブ31とからなり、内周空間32へ注入パイプ33と、裏込め注入パイプ34とが設けられている。そして、トンネルセグメント25の各内周空間32に、注入パイプ33から注入材料Gを注入し充填する。 【0023】図9ないし図11はセグメントの別の実施例を示し、それぞれのセグメント26a?26cには、内部空間32と注入パイプ33が設けられている。 【0024】図12は、本発明の参考例を示し、覆工したトンネルセグメント35の所定箇所の両側に、支持ハンチ36を取付け、これらハンチ36、36上にプレキャスト板37を載置し、注入孔38から注入材料Gを注入してインバートFを築造している。」 (甲1オ)注入材料を製造する設備として以下の図1が、そして、その注入材料を施工する態様を示す図として以下の図2?4が記載されている。 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 (2)甲1発明について 甲1には、その摘記(甲1ア)?(甲1オ)の記載を参酌するに、上記摘記(1ア)の特許請求の範囲の請求項1に記載されている、以下の発明が記載されていると認められる。 「泥水シールド機械で掘削された掘削土を利用する工法において、泥水シールド機械からの排泥をふるいで細粒分と粗粒分とに分離し、前記粗粒分を残土改質装置に送り、前記細粒分を凝集剤により凝集させた後にプレスしてベルトコンベアを介して前記残土改質装置に送り、前記残土改質装置において固化剤と水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作り、その注入材料を一次覆工したトンネルセグメントの半径方向内方に注入する、泥水シールド機の掘削土の利用工法。」(「甲1発明」) 2 甲2について 甲2には、以下の事項が記載されている。 (甲2ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は気泡シールド工法で発生する建設排泥の処理方法に関する。」 (甲2イ)「【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明は、気泡シールド工法で発生する建設排泥に、アニオン性高分子凝集剤を添加混合し、造粒した後、無機系固化材を添加混合して固化することを特徴とする気泡シールド工法で発生する建設排泥の処理方法に関する。 【0012】 本発明においては、無機系固化材としては、カルシウムまたはマグネシウムの酸化物を含む粉末を使用することが好ましい。特に固化物を建設・土木資材として使用するのであれば、無機系固化材としては、pHが中性域の固化処理排泥が得られるように、石膏を用いることが好ましい。 【0013】 さらに、天然高分子がグアーガムまたはメチルセルロースであることが好ましい。 【発明の効果】 【0014】 本発明の気泡シールド工法で発生する建設排泥の処理方法によれば、建設排泥を施工性の優れた十分な強度を有する粒状固化物とすることができ、運搬性が格段に向上するうえ、かくして得られた該固化物を建設・土木資材として、都市等における舗装材料や埋立材料等に使用しても、環境を汚染する心配はなく、有効活用することが可能となる。」 (甲2ウ)「【0028】 本発明で得られる固化物は、コーン指数として100kN/m^(2)以上、特に石膏を使用した場合には600kN/m^(2)以上の十分な強度を得ることができる。 【0029】 こうして得られた固化物は十分な強度を有する粒状物となっているため、トラック等による運搬が極めて容易となり、そのまま埋め立て用資材として使用しても良いし、また、その後成分を調整し、焼成して煉瓦等の建設用資材として有効活用しても良い。 【0030】 本発明においては、気泡シールド工法から発生する建設排泥にアニオン性高分子凝集剤を添加すると、塑性流動性状態の排泥のコンシステンシーを改質し、気泡の効果を低減するとともに、造粒作用により、汚泥の自由水を土粒子に取り込み、見掛け上の含水比を低下させる。その結果、排泥を固化に適した状態に改質し、かつ、無機系固化材の添加量を低減する。」 3 甲3について 甲3には、以下の事項が記載されている。 (甲3ア)「【0001】 本発明は、主に製鉄所内で発生するスラグ混じり土の処理方法に関するものである。」 (甲3イ)「【発明を実施するための形態】 【0016】 以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。 本実施形態の処理方法では、図1に示すように、製鉄所などで発生するフッ素を含有するスラグ混じり土Mをベルトコンベア1で搬送し、不溶化剤としてセメントCを粉体のままあるいはスラリー状にして添加しながら、回転式破砕混合装置(ツイスター混合装置)10に投入し、回転式破砕混合装置10によりスラグ混じり土Mを破砕し細粒化すると共に添加したセメントと混合し、路盤材として利用できる状態にする。 ・・・ 【0019】 その際のスラグ混じり土の破砕前と破砕後の粒度について調べたところ、図5に示すような結果が得られた。水砕スラグを添加する場合もあるので一緒に掲載した。破砕後のスラグ混じり土は、最大粒径も小さくなり、礫分が少なく砂分や細粒分が増えた。これらの使用材料の粒径加積曲線(粒径の対数を横軸に、粒径以下のものの重量を縦軸に全重量の百分率にとって表わした曲線)は、図6に示すようになった。水砕スラグは砂状のもので粒径が比較的そろっているが、スラグ混じり土は破砕前も破砕後も粒径が分散している。」 (甲3ウ)図6として、以下の図面が記載されている。 【図6】 (甲3エ)「【0025】 以上説明したように、本実施形態のような処理方法を実施することにより、細粒化による表面積の増加により、スラグ混じり土とセメントの混練性を高めることができ、フッ素の溶出基準を満たすために必要なセメント添加量を減らすことができて、ランニングコストの低減に寄与することができる。また、フッ素の溶出を抑えることができることにより、路盤材としてのスラグ混じり土の再生利用が可能となる。特にインパクトチェーン13の打撃により、スラグ混じり土を短時間に粉砕して微細化することができ、同時に添加したセメントと効率よく混合することができる。」 4 甲4について 甲4には、以下の事項が記載されている。 (甲4ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、残土に一定比率の土質改良剤を添加し、且つ均質な改良土を製造する技術及びこれを用いた土木建設工事方法に関するものである。」 (甲4イ)「【0015】請求項5記載の発明に係る均質な改良土は、残土及び土質改良剤を、当該残土に対する当該土質改良剤の添加比率が一定になるように秤量機で計量し、こうして計量された当該残土及び当該土質改良剤を混合機能を有する装置又は混合・解砕機能を有する装置に供給し、こうして得られた改良土に分級処理を施して、粒径が20mm未満に調整されていることに特徴を有するものである。」 (甲4ウ)「【0025】なお、本発明において、均質な改良土を製造するに当たり、供する残土として特に制限はなく、例えば、シルト質土、粘性土、砂質粘性土、砂礫質粘性土、ローム、火山灰質粘性土、砂質土及砂礫等、建設現場その他各種の残土を対象とするものであり、特に、水分含有率が高く、付着性の大なるものにおいて効果が発揮される。また、土質改良剤としては、生石灰(生石灰、消石灰を多く含むもの)、セメント系(セメントを多く含むもの)、及び高分子系等が適しており、特に粉状のものを用いる場合に効果が発揮される。」 (甲4エ)「【0030】表2及び図6の結果より、改良土の粒度を20mm未満に整粒すると、その一軸圧縮強度は著しく向上し、安定することがわかる。」 5 甲5について 甲5には、以下の事項が記載されている。 (甲5ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、重金属類に代表される有害金属で汚染された焼却灰、汚泥、土壌、底質、石粉、再生粉等の廃棄物から、有害金属の溶出を極力低減することを可能にする有害金属汚染廃棄物からの有害金属の溶出防止方法に関する。」 (甲5イ)「【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、有害金属で汚染された焼却灰、汚泥、土壌、底質、石粉、および再生粉からなる群から選ばれる少なくとも一種の有害金属汚染廃棄物に、酸化マグネシウムを有効成分として含む処理材を5?20質量%添加し、次いで解砕機能を有する攪拌造粒機により混合造粒して、酸化マグネシウムを内部または表面に含有する粒状物を製造する工程、前記攪拌造粒機により、該粒状物の表面を酸化マグネシウムを有効成分として含む処理材で被覆して0.3?10mmの粒状物が75質量%以上である酸化マグネシウム被覆粒状物を製造する工程、そして該酸化マグネシウム被覆粒状物を養生する工程からなる、有害金属汚染廃棄物から有害金属の溶出を防止する方法にある。」 6 甲6について 甲6には、以下の事項が記載されている。 (甲6ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、掘削残土処理システム及びシールド掘削機に関する。」 (甲6イ)「【課題を解決するための手段】 【0007】 請求項1記載の掘削残土処理システムは、土層を掘削する際に発生した掘削残土を破砕すると共に前記掘削残土に薬剤を添加可能に構成された掘削残土処理機構を備えていることを特徴とする。 上記掘削残土処理システムによれば、掘削残土が掘削残土処理機構に導入された際に、掘削残土が確実に破砕されて細粒状になる。このような掘削残土に、掘削残土中に存在する処理対象物質の掘削残土からの溶出を抑制する薬剤が添加されることで、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透する。なお、「細粒状」とは含水率によって乾燥した状態から液体に近い泥状まで変化するすべての状態を示す。」 (甲6ウ)「【0023】 容器31には掘削残土中に存在するヒ素の掘削残土からの溶出を抑制可能な薬剤が収容されている。本実施形態ではこのような薬剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)が用いられている。PACはpHの変化や海水中等における外的環境変化の影響を受け難く、ヒ素の掘削残土からの溶出を抑制する効果を安定的に発揮する。従って、ヒ素の不溶化処理後の掘削残土を例えば海洋中に埋めることも可能になり、掘削残土の後処理方法の選択幅が拡がる。また、PACはヒ素の不溶化以外の用途でも建設現場等で使用されており、広く一般に普及し、入手し易い安価な物質である。従って、PACを薬剤に使用することで本実施形態における掘削残土からのヒ素の不溶化処理が経済的に行われる。」 7 甲7について 甲7には、以下の事項が記載されている。 (甲7ア)「5.農業農村事業での用途 本技術は建設発生土を利用して高機能の材料製造が可能なことから、調整池の遮水土に用いることができる。この場合には、製造する材料の性能確保は礫質土等と粘性土あるいは耕土との配合比が重要であり、予め配合試験を行いその性能を確認する必要がある。 図-2、写真-1、2に示す「調整池法面保護材料の製造」(東北農政局金沢調整池)では、用地内で発生した最大粒径300mmの風化花崗岩とまさ土をセメント安定処理(qu≧1,000kN/m^(2))して調整池内法面の保護工材料として約28千m^(3)使用した。 また図-3、写真-3、4、5「調整池遮水材料の製造」では、建設発生土の礫質土と粘性土を8対2の割合で混合し、調整池の遮水材料としての施工性(qc≧400kN/m^(2))、遮水性(k≦1×10^(-7)cm/sec)を確保した例を示す。本技術では写真-3、4の礫質土(最大粒径150mm)と粘性土が瞬時かつ連続・大量に写真-5の混合土に変換される。混合土は大径礫が破砕されると同時に粘性土と極めて均質に混合されていることが分かる。 このように本技術は建設発生土の現場内処理に極めて有効であり、これまで材料として使用不可能であった建設発生土を材料として有効利用できる。 本技術のその他の用途として汚染土壌浄化工事への適用例が増加している。農業農村事業においても自然由来や農薬による汚染土壌に遭遇することが想定される。この場合においても本技術は、汚染土壌の不溶化または固化等の原位置処理封じ込めが確実かつ経済的に行えることから土壌汚染対策に極めて有効な手段となる。」 (甲7イ)図-2「調整池法面保護材料の製造」の図面として、以下の図面が記載されている。 8 甲8について 甲8には、以下の事項が記載されている。 (甲8ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、玉石、花崗岩、礫混じり泥土、廃木材等の原料を粉砕する竪型粉砕機に関し、粉砕機機函の内壁に付着する泥土等の付着物を除去する竪型粉砕機の付着物除去装置に関するものである。」 (甲8イ)竪型粉砕機の平面図として、図2には以下の図面が記載されている 【図2】 9 甲9について 甲9には、以下の事項が記載されている。 (甲9ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、粒状改良土の製造方法及び粒状改良土に関する。 【背景技術】 【0002】 建設現場で発生する建設発生土のうち、砂礫土(粗粒土)は有効利用されている。しかし、細粒分を多く含む土は、取り扱いのしにくさから利用が進んでいない。このため、細粒分を多く含む土を、砂礫土と同等の性状を有する改良土に改質する技術が求められている。」 (甲9イ)「【課題を解決するための手段】 【0011】 請求項1に記載の発明に係る粒状改良土の製造方法は、建設発生土の含水比を調整する含水比調整工程と、含水比が調整された前記建設発生土にセメントを添加するセメント添加工程と、セメントが添加された前記建設発生土を、破砕しながら前記セメントと混合し粒状改良土とする混合工程と、前記粒状改良土を養生する養生工程と、を有することを特徴としている。」 10 甲10について 甲10には、以下の事項が記載されている。 (甲10ア)「【0007】本発明の目的は、以上の欠点を克服し、湖沼や河川、港岸などの底にたまった大量の高含水汚泥を、迅速に、かつ経済的に処理する方法を提供し、また、透水性が高く、地盤沈下の恐れがない造成地をつくることで、埋立地の用途が限定されない処理方法を提供することにある。 (甲10イ)「【0013】本発明で用いる凝集剤としては、アニオン系またはノニオン系凝集剤と、カチオン系凝集剤との組み合わせ、アニオン系またはノニオン系凝集剤と、無機塩類との組み合わせ、アニオン系またはノニオン系凝集剤と、カチオン系凝集剤と、無機塩類との組み合わせのいずれかによるのがよい。」 11 甲11について 甲11には、以下の事項が記載されている。 (甲11ア)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ボーリング廃泥水の処理方法に関し、特に、濃度の高いボーリング廃泥水を環境に害のないような形で処理するボーリング廃泥水の処理方法に関する。」 (甲11イ)「【0031】 【実施例】本発明の実施の形態を実施例をあげて説明するが、本発明はこれに限定される ものではない。 実施例1 含水比312%の石油掘削ボーリングからの廃泥水1.0リットルを卓上型ミキサーにとり入れ、はじめに、ポリアクリルアミド・アクリル酸の共重合物の逆相エマルジョン液(三井サイテック製、濃度40%、比重1.05)を6mL添加して1分間混合し、次に塩化第二鉄水溶液(濃度38%、比重1.38)を12g添加して1分間混合した。処理物の外見等を表1に示す。さらに、得られたボーリング廃泥水を、卓上型圧搾機にかけ、15kg/cm^(2)の圧力で3分間脱水し、性状試験に供した。」 12 甲12について 甲12には、以下の事項が記載されている。 (甲12ア)「【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、泥水式シールド工事、地下連続壁工事、安定液掘削工事等で生成する含水泥土泥水の処理に用いる凝集剤に関する。」 (甲12イ)「【0016】 【実施例】次に本発明を実施例によって、具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しな い限り本発明はこの実施例に限定されるものではない。 (試料調整)逆相乳化重合により分子量750万アニオン化率30モル%のアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物の油中水型エマルジョンを得た。ポリマー濃度は30重量%であり沸点220℃?250℃の鉱物油中に分散している。これを樹脂Aと呼ぶ。分子量が180万である以外は樹脂Aと同じ組成の油中水型エマルジョンを樹脂Bと呼ぶ。分子量9000のマレイン酸ナトリウムとイソプレンの等モル共重合物の30重量%水溶液を樹脂Cとよぶ。分子量17000のポリアクリル酸ナトリウムの30重量%水溶液を樹脂Dと呼ぶ。分子量15万のポリアクリル酸ナトリウムの30重量%水溶液を樹脂Eと呼ぶ。表-1に各樹脂を混合した各試料の組成を示す。各試料には各樹脂混合物に対して15重量%の鉱物油を加え分散性を良好にした。 注:鉱物油とは、沸点が220?250℃の留分の市販品である。」 13 甲13について 甲13には、以下の事項が記載されている。 (甲13ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、重金属類等を含む汚染土壌等から当該重金属等が溶出するのを抑制したり、あるいは、重金属類等を含む排水中の当該重金属等を不溶化することのできる不溶化材に関する。」 (甲13イ)「【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、軽焼マグネシアの一部を水和してなる軽焼マグネシア部分水和物を含む不溶化材によれば、本発明の上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、以下の[1]?[5]を提供するものである。 [1]炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムを主成分とする鉱物を550?1,400℃で焼成して得た軽焼マグネシアの一部を水和してなる軽焼マグネシア部分水和物であって、該軽焼マグネシア部分水和物中、酸化マグネシウムの含有率が50?96.5質量%、水酸化マグネシウムの含有率が3.5?50質量%であり、カルシウムの含有率が酸化物換算で5.0質量%以下である軽焼マグネシア部分水和物を含むことを特徴とする不溶化材。」 14 甲14について 甲14には、以下の事項が記載されている。 (甲14ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、(1)高濃度の重金属等を含む汚染土壌などから、重金属等の溶出を抑制することができるとともに、(2)高濃度の重金属等を含む汚染水などから、重金属等を除去することができる重金属等処理材に関する。」 (甲14イ)「【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の水溶性塩類と、特定のマグネシア類を、特定の割合で含む重金属等処理材は、少ない添加量でも、重金属等の溶出抑制効果等が高く、処理物のpHが排水基準値を満たすことを見い出し、本発明を完成した。 【0010】 すなわち、本発明は、以下の[1]?[4]を提供するものである。 [1]金属硫酸塩および金属塩化物から選ばれる、少なくとも1種以上の水溶性塩類(A)100質量部に対し、下記(B1)?(B3)の条件をすべて満たすマグネシア類(B)を5?50質量部含む、重金属等処理材。 (B1)炭酸マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウムを主成分とする固形物を、650?1000℃で焼成して、酸化マグネシウムを含む焼成物を得た後、該焼成物を部分的に水和させて生成した水酸化マグネシウムを一部に含むマグネシア類 (B2)1000℃における強熱減量率が、1.5?12.0質量%であるマグネシア類(B3)カルシウムの含有率が、CaO換算で3.0質量%以下であるマグネシア類」 15 甲15について 甲15には、以下の事項が記載されている。 (甲15ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、重金属類を含む土壌等を固化して、重金属類の溶出を抑制することができる中性固化材用の添加材、中性固化材および重金属類の溶出抑制方法に関する。」 (甲15イ)「【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定量の酸性硫酸塩および 特定量の炭酸カルシウム含有物を含む中性固化材用の添加材と、特定量の軽焼マグネシア または軽焼マグネシア部分水和物とを含有する中性固化材は、前記本発明の目的を達成で きることを見出し、本発明を完成した。 【0011】 すなわち、本発明は、以下の[1]?[3]を提供する。 [1]酸性硫酸塩100質量部に対し、炭酸カルシウム含有物を、炭酸カルシウム換算で3?42質量部含む中性固化材用の添加材。」 16 甲16について 甲16には、以下の事項が記載されている。 (甲16ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、重金属類等を含む汚染土壌等から、当該重金属等が溶出するのを抑制することのできる不溶化材に関する。」 (甲16イ)「【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、軽焼マグネシアの一部を水 和してなる軽焼マグネシア部分水和物と、炭酸カルシウムとを特定の割合で含む不溶化材 によれば、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。 【0005】 すなわち、本発明は、以下の[1]?[4]を提供するものである。 [1]下記(A)成分100質量部に対して、下記(B)成分を20?70質量部含むことを特徴とする不溶化材。 (A)炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムを主成分とする鉱物を650?1,000℃で焼成して得た軽焼マグネシアの一部を水和してなる軽焼マグネシア部分水和 物であって、該軽焼マグネシア部分水和物中、酸化マグネシウムの含有率が65?96.5質量%、水酸化マグネシウムの含有率が3.5?30質量%であり、カルシウムの含有率が酸化物換算で3.0質量%以下である軽焼マグネシア部分水和物からなる粉末 (B)炭酸カルシウムを主成分とする粉末」 第5 申立理由についての判断 1 本件特許発明1について (1)対比 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「泥水シールド機械で掘削された掘削土」は、「泥水シールド機械からの排泥」でもあることから「泥土」であり、本件特許発明1の「泥水式シールド工法で発生する泥土」に相当する。 イ 甲1発明の「泥水シールド機械からの排泥をふるいで細粒分と粗粒分とに分離し、前記粗粒分を残土改質装置に送り、前記細粒分を凝集剤により凝集させた後にプレスしてベルトコンベアを介して前記残土改質装置に送り、前記残土改質装置において固化剤と水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作り、その注入材料を一次覆工したトンネルセグメントの半径方向内方に注入する」ことと、 本件特許発明1の「カチオン性高分子凝集剤を添加することなく、アニオン性高分子凝集剤、および、固化不溶化材を添加して、粉砕および混合処理を行ない、処理済みの泥土を形成させる混合工程、を含む、泥水式シールド工法で発生する泥土の処理方法であって、上記固化不溶化材が、固化作用を有するマグネシウム成分および/またはカルシウム成分、並びに、金属硫酸塩および/または金属塩化物からなる金属塩を含むものであり、上記粉砕が、上記アニオン性高分子凝集剤および固化不溶化材を含む泥土の、50%通過質量百分率が18mm以下、80%通過質量百分率が40mm以下になるまで行なわれること」とは、 両者は「凝集剤」を添加し、「固化材」を添加し、「混合」するという限りにおいて共通しているといえる。 ウ 甲1発明の「泥水シールド機の掘削土の利用工法」は、「掘削土」に対して上記イで記載したような処理を施して利用していることから、本件特許発明1の「泥水式シールド工法で発生する泥土の処理方法」に相当しているといえる。 エ してみれば、本件特許発明1と甲1発明とは、 (一致点) 「泥水式シールド工法で発生する泥土に対して、 凝集剤を添加し、固化材を添加し、及び、混合する、 泥水式シールド工法で発生する泥土の処理方法。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 凝集剤を添加し、固化材を添加し、及び、混合することについて、 本件特許発明1では、泥水式シールド工法で発生する泥土に対して「凝集剤、および、固化不溶化材を添加して、粉砕および混合処理を行ない、処理済みの泥土を形成させる混合」であって「上記粉砕が、上記アニオン性高分子凝集剤および固化不溶化材を含む泥土の、50%通過質量百分率が18mm以下、80%通過質量百分率が40mm以下になるまで行なわれる」のに対し、 甲1発明では、「ふるいで細粒分と粗粒分とに分離し、前記粗粒分を残土改質装置に送り、前記細粒分を凝集剤により凝集させた後にプレスし」た泥水シールド機械からの排泥を「ベルトコンベアを介して前記残土改質装置に送り、前記残土改質装置において固化剤と水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作」ることである点。 (相違点2) 凝集剤及び固化剤について、 本件特許発明1では、前者について、「カチオン性高分子凝集剤を添加することなく、」添加される「アニオン性高分子」凝集剤であり、後者について、重金属等を「不溶化」する固化剤であり、「固化作用を有するマグネシウム成分および/またはカルシウム成分、並びに、金属硫酸塩および/または金属塩化物からなる金属塩を含むもの」であるのに対し、甲1発明では、前者及び後者とも、具体的にどのようなものを用いるのか不明である点。 (2)相違点の判断 まず、相違点1について検討する。 ア 甲1発明は「スラリー化した注入材料を作り、その注入材料を一次覆工したトンネルセグメントの半径方向内方に注入する」と特定されており、また、摘記(甲1イ)?(甲1オ)に記載されているように、「泥水シールド機械で掘削された掘削土」を「一次覆工したトンネルセグメントの半径方向内方に注入する」「注入材料を作」る発明であることからして、利用されるものは、「水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化」されたものである。 一方、本件特許発明1は、本件特許明細書に 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明の目的は、泥水式シールド工法で発生する泥土に関して、大きいコーン指数(400kN/m^(2)以上)を有する固化体(処理済みの泥土)を形成させ、かつ、該固化体からの重金属等の有害物質の溶出量を低減させることができる泥土の処理方法を提供することである。」と記載されている課題を解決しようとしたものであり、 「【0036】 表4から、実施例1?9では、短時間(6時間)で431kN/m^(2)以上のコーン指数が得られているため、処理済みの泥土の取扱い(運搬等)が容易になり、かつ、処理済みの泥土の運搬等を早期に始めることができる。また、得られた処理済みの泥土は十分な強度を有しているため、盛土用材料や埋立用材料として利用できる。」と記載されているように、利用されるものは、固化されたものである。 してみれば、本件特許発明1の固化したものを利用することと、甲1発明の「水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作」り(一般に泥土のコーン指数は200kN/m^(2)以未満であり、スラリー化したものはさらに低いものである)、これを利用することとは相反することであり、本件特許発明1は、「水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した」ものを含むとはいえない。 そして、甲1発明は「水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作」るものであるから、そもそも、本件特許発明1の固化したものを利用することを導き出すことについて、阻害要因があるといえる。 イ さらに、甲1発明は、「ふるいで細粒分と粗粒分とに分離し、前記粗粒分を残土改質装置に送り、前記細粒分を凝集剤により凝集させた後にプレスしてベルトコンベアを介して前記残土改質装置に送り、前記残土改質装置において固化剤と水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作」るものであり、細粒分を粗粒化させるものであるから、泥水シールド機械で掘削された掘削土を「粉砕」して細粒化するということを想定するものではない。 それに対し、本件特許発明1は、「粉砕」および混合処理を行ない、「上記粉砕が、上記アニオン性高分子凝集剤および固化不溶化材を含む泥土の、50%通過質量百分率が18mm以下、80%通過質量百分率が40mm以下になるまで行なわれる」もの、つまり、固化する前において、「粉砕」して細粒化するものである。 してみれば、甲1発明において、「混合攪拌」する際に「粉砕」を行うことは導出されず、阻害要因があるといえることであり、「粉砕」が行われない以上、「粉砕が50%通過質量百分率が18mm以下、80%通過質量百分率が40mm以下になるまで行なわれる」こともない。 ウ したがって、上記ア及びイの点で、甲1発明の「ふるいで細粒分と粗粒分とに分離し、前記粗粒分を残土改質装置に送り、前記細粒分を凝集剤により凝集させた後にプレスしてベルトコンベアを介して前記残土改質装置に送り、前記残土改質装置において固化剤と水と流動化剤とを入れて混合攪拌してスラリー化した注入材料を作」るという工程を「凝集剤、および、固化不溶化材を添加して、粉砕および混合処理を行ない、処理済みの泥土を形成させる混合」であって「上記粉砕が、上記アニオン性高分子凝集剤および固化不溶化材を含む泥土の、50%通過質量百分率が18mm以下、80%通過質量百分率が40mm以下になるまで行なわれる」ことにするのは、甲1発明において、阻害要因があるといわざるをえない。 エ 加えて、上記第4の甲2?16の摘記事項をみても、甲2?16には、「凝集剤、および、固化不溶化材を添加して、粉砕および混合処理を行ない、処理済みの泥土を形成させる混合」であって「上記粉砕が、上記アニオン性高分子凝集剤および固化不溶化材を含む泥土の、50%通過質量百分率が18mm以下、80%通過質量百分率が40mm以下になるまで行なわれる」ことを一括りの技術として記載しているものはなく、これが本件出願前の周知技術であるともいえない。 そして、甲2?16は、トンネルセグメントに注入する注入材料に関するものではないことから、甲1発明に甲2?16に記載されている技術的事項を組み合わせる動機もなく、仮に、甲1発明に甲2?16に記載されている技術的事項を組み合わせたとしても、上記技術が記載されていないのであるから、本件特許発明1を導き出すことはできない。 (3)小括 したがって、本件特許発明1は、相違点2について検討するまでもなく、甲1発明及び甲2?16に記載されている周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 2 本件特許発明2?8について 本件特許発明2?8は、本件特許発明1を引用してさらに発明特定事項を追加した発明であるから、本件特許発明1が当業者が容易に発明することができたものとはいえない以上、本件特許発明2?8についても、上記本件特許発明1についての判断と同様の理由により、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?8に係る特許が、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとはいえないことから、特許法第113条第2号の規定に該当するものとして取り消すことはできない。 また、他に請求項1?8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2017-11-27 |
出願番号 | 特願2016-174679(P2016-174679) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(C02F)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 富永 正史 |
特許庁審判長 |
豊永 茂弘 |
特許庁審判官 |
三崎 仁 瀧口 博史 |
登録日 | 2017-02-03 |
登録番号 | 特許第6084745号(P6084745) |
権利者 | 太平洋シールドメカニクス株式会社 株式会社冨士機 太平洋セメント株式会社 |
発明の名称 | 泥水式シールド工法で発生する泥土の処理方法 |
代理人 | 衡田 直行 |
代理人 | 衡田 直行 |
代理人 | 衡田 直行 |