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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
管理番号 1335339
審判番号 訂正2017-390097  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-09-25 
確定日 2017-11-16 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6119085号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6119085号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6119085号(以下「本件特許」という。)は、平成27年7月15日の出願であって、平成29年4月7日にその特許権の設定登録がなされ、平成29年9月25日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右上側通路」とあるのを、
「前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右下側通路」に訂正する。(下線部は訂正箇所を表す。以下も同様。)

2 訂正事項2
明細書の段落【0006】に
「前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右上側通路」とあるのを、
「前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右下側通路」に訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には、
「前記右打導入通路は、左右方向に延びて前記減速屈曲部の左側部分を構成する左上側通路と、前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右上側通路と、前記左上側通路と前記右下側通路との間を連絡して前記減速屈曲部の途中部分を構成する中間通路とを有し」との記載があり、この記載によれば、「減速屈曲部」は、左側部分を「左上側通路」によって、右側部分を「右上側通路」によって、途中部分を「中間通路」によって構成される構造であり、「右上側通路」は、「前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて」いる構造である。
よって、減速屈曲部の右側部分を構成する「右上側通路」は、減速屈曲部の左側部分を構成する左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びている構造であるので、位置的関係でいうと「右上側通路」は、減速屈曲部の右側部分であって下側に位置する通路であるといえる。
また、訂正前の請求項1に「前記左上側通路と前記右下側通路との間を連絡して前記減速屈曲部の途中部分を構成する中間通路とを有し」と記載されていたが、この記載よりも前に「前記」にあたる「右下側通路」という記載はない。
次に、訂正前の明細書の段落【0044】「右打導入通路Rcは、その左端部を上下方向にクランク状に屈曲させてなる減速屈曲部42を備えている。詳細には、右打導入通路Rcは、上側流下規制部24Aの頂上部24T上の左上側通路45と、左上側通路45の右方で左上側通路45から遊技球1球分下方にずれて延びた右下側通路46と、左上側通路45と右下側通路46との間を連絡する中間通路43とを有している」との記載から、訂正前の明細書には、左上側通路45の右方で左上側通路45から遊技球1球分下方にずれて延びた通路とは、右下側通路46のことであることが記載されているといえ、【図5】及び【図6】からも、上記のことが看取できる。
なお、願書に最初に添付した明細書には、「右上側通路」という記載はない。
そうすると、訂正前の請求項1に記載される「前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右上側通路」の「右上側通路」との記載は、「右下側通路」の誤記であると認められる。
以上のことから、当該訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
願書に最初に添付した明細書の段落【0044】の記載も上記(1)に示した段落【0044】の記載のとおりであって、上記訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に最初に添付した明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
また、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

2 訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、上記訂正事項1にかかる訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の【0006】の記載を訂正後の請求項1の内容に合わせて訂正するものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2は、上記1(2)で検討したのと同様の理由により、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。また、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をもたらすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

第5 独立特許要件について
訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲に記載された事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
なお、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号の「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同法同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。また、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同法同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域の右側流下エリアに遊技球を案内可能な右打導入通路を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、この種の遊技機は、右打導入通路を通過する遊技球が、包囲壁に案内されて右方へ進むように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-97647号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の遊技機においては、右打導入通路における遊技球の動きが新鮮味に欠けていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、右打導入通路における遊技球の動きを斬新にすることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、遊技球が流下可能な遊技領域を前面に備えた遊技板と、前記遊技領域を囲む包囲壁と、前記遊技領域の左上縁部側に設けられ、遊技球を前記遊技領域に打ち込むための進入口と、前記進入口から前記包囲壁に沿って前記遊技領域の右側流下エリアに遊技球を案内する右打導入通路と、を備えた遊技機において、前記右打導入通路を屈曲させてなる減速屈曲部と、前記減速屈曲部に設けられて前記包囲壁に下方から隣接し、前記進入口から前記包囲壁に沿って進んできた遊技球が衝突可能な緩衝部材を設け、前記右打導入通路は、左右方向に延びて前記減速屈曲部の左側部分を構成する左上側通路と、前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右下側通路と、前記左上側通路と前記右下側通路との間を連絡して前記減速屈曲部の途中部分を構成する中間通路とを有し、前記緩衝部材は、弾性部材で構成されて、前記右下側通路と前記包囲壁との間でかつ前記左上側通路の延長線上に位置し、前記中間通路のうち前記左上側通路の延長領域より下側部分に、前後方向に傾斜した傾斜付きの前後段差部を設けたことを特徴とする遊技機である。
【0007】
請求項1の構成では、包囲壁に沿って進んできた遊技球が右打導入通路における減速屈曲部で屈曲されるので、右打導入通路を通過する遊技球が包囲壁に案内されて進んでいく構成であった従来の遊技機よりも、右打導入通路における遊技球の動きを斬新にすることが可能となる。また、包囲壁に沿って進んできた遊技球が緩衝部材と減速屈曲部とにより減速されるので、その後の右打導入通路における遊技球の動きは、包囲壁に案内される形態ではなく、転動する形態となり、右打導入通路における遊技球の動きをより斬新にすることが可能となる。
【0008】
また、前後段差部により遊技球の勢いが緩和される。
【発明の効果】
【0028】
本発明の遊技機では、包囲壁に沿って進んできた遊技球が右打導入通路における減速屈曲部で屈曲されるので、右打導入通路を通過する遊技球が包囲壁に案内されて進んでいく構成であった従来の遊技機よりも、右打導入通路における遊技球の動きを斬新にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図
【図2】遊技板の正面図
【図3】窓内装飾部材が下端位置に配置された遊技板の正面図
【図4】右打導入通路の拡大図
【図5】表示装飾枠の斜視図
【図6】減速屈曲部の拡大図
【図7】(A)減速屈曲部の拡大斜視図(B)緩衝部材の斜視図
【図8】減速屈曲部の断面図
【図9】樋屈曲部の斜視図
【図10】樋屈曲部の分解斜視図
【図11】樋屈曲部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態を図1?図11に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の遊技機10はパチンコ遊技機であって、前側が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
【0031】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿27Aと下皿27Bが上下2段にして設けられ、下皿27Bの右側には操作ハンドル28が設けられている。操作ハンドル28を回動操作すると、上皿27Aに収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。図2に示すように、遊技領域R1には、始動入賞口14A,14B、大入賞口30が備えられている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、当否判定が行われて、判定結果が当りであれば、大入賞口30が開放状態となる「大当り遊技」が実行され、外れであれば大入賞口30が閉じたままとなる。
【0032】
図2に示すように、遊技板11は、全体が略四角形をなし、その上部の両角部は、斜めにカットされている。この遊技板11の前面から突出した第1及び第2のガイドレール12A,12Bと区画レール16が、本発明に係る「包囲壁」となって遊技領域R1を囲んでいる。具体的には、第1及び第2のガイドレール12A,12Bは帯板状をなして、その帯幅方向を遊技板11の前後方向に向けた状態で遊技板11の前面に取り付けられている。また、第1ガイドレール12Aは、遊技板11の外縁部における下辺の左端部寄り位置と、左辺と、上辺と、右上角部近傍の右辺寄り位置と、を繋げる円弧状をなして延びている。また、第2ガイドレール12Bは、遊技板11の外縁部の下辺中央部より上方に離れた位置から遊技板11の左上角部近傍で第1ガイドレール12Aより内側に遊技球1つ分ずれた位置まで、第1ガイドレール12Aに沿った円弧状をなして延びている。この第2ガイドレール12Bの上端と第1ガイドレール12Aとの間に本発明の進入口19が設けられている。(第1ガイドレール12Aは第2ガイドレール12Bの外側にあることから外レールとなり、第2ガイドレール12Bを含んだレールが内レールとなっている。)
【0033】
また、区画レール16は、遊技板11の外縁部の下辺と右辺とに沿って延びて、その下辺に沿った部分の先端が第2ガイドレール12Bの始端部近傍に位置する一方、右辺に沿った部分の上側が第1ガイドレール12Aの終端部近傍に位置している。
【0034】
また、遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、中央開口部11A(図4参照)が貫通形成されていて、中央開口部11Aには、表示装飾枠23が取り付けられている。詳細には、表示装飾枠23は、中央開口部11Aの内側に受容される受容部23Kと、受容部23Kから側方に張り出して遊技板11の前面より僅かに前方で延びた前面を有する張出し部23Fと、を備え、遊技板11の中央開口部11Aに前方から嵌め込まれている。この表示装飾枠23の内縁部に囲まれた領域が本発明の表示窓23Aに相当する。なお、張出し部23Fの前面側は遊技球が流下可能に構成される。また、表示装飾枠23は、張出し部23Fの一部が遊技板11の前面に重なられた状態でビス止めされることにより固定されている。
【0035】
遊技板11の後方には、表示画面13Gを備えた表示装置13が取り付けられている。表示装置13の表示画面13Gは、表示窓23Aを通して前方に臨んでいる。なお、表示画面13Gには、上述した当否判定の結果等が表示される。なお、表示装置13に限らず駆動物など演出に絡めた演出装置であってもよい。
【0036】
図2に示すように、表示窓23Aの内側には、左右方向に延びた窓内装飾部材80が備えられている。この窓内装飾部材80は、常には、図2に示される上端位置に配され、上述した大当り遊技が開始されるなど遊技状況に応じて、図3に示される下端位置まで落下して、遊技を盛り上げる。つまり、窓内装飾部80は上端位置と下端位置との間を移動可能(上端位置と下端位置との間の途中で停止する場合があるのも含む)に構成されている。
【0037】
表示装飾枠23のうち表示画面13Gより上方部分と両側方部分は、前記したガラス窓10Wのガラス板に隣接する位置まで突出した流下規制突部24となっていて、遊技球の流下方向を規制している。
【0038】
流下規制突部24のうち表示画面13Gより上方の上側流下規制部24Aは、上方に膨らんだ形状をなし、遊技領域R1に打ち込まれた遊技球を、遊技領域R1の左側流下エリアRaと、右側流下エリアRbとに振り分ける。左側流下エリアRaは、流下規制突部24のうち表示画面13Gより左方の左側流下規制部24Lと第2ガイドレール12Bとの間を含んだ左側の領域に形成され、右側流下エリアRbは、流下規制突部24のうち表示画面13Gより右方の右側流下規制部24Rと区画レール16との間を含んだ右側の領域に形成されている。なお、遊技球は遊技状況に応じて左側流下エリアRaと右側流下エリアRbとに打ち分けられる。
【0039】
上側流下規制部24Aの上面のうち左右方向の中央部は、第1ガイドレール12Aと遊技球1球の幅で対向した頂上部24Tとなっている。また、上側流下規制部24Aの上面の左側部分は、頂上部24Tの左端部から左下がりに傾斜した左上傾斜部24Bになっている。そして、比較的弱い発射強度で発射された遊技球は、左上傾斜部24B又は障害釘に当接して、左側流下エリアRaに向かう。
【0040】
また、遊技領域R1の上縁部には、第1ガイドレール12Aの右上縁部に沿って延びた右打導入通路Rcが設けられている。比較的強い発射強度で発射された遊技球は、この右打導入通路Rcを通過して右側流下エリアRbに案内される。右打導入通路Rcは、上側流下規制部24Aの頂上部24Tの左端部から上側流下規制部24Aの右端部まで、遊技球が1球ずつ通過可能な幅をなして延びている。右打導入通路Rcについては、後に詳説する。
【0041】
図2に示すように、区画レール16の上端側には、第1ガイドレール12Aの終端下方に隣接配置された垂直面16Dが備えられている。また、垂直面16Dには、右打導入通路Rcを通過してきた遊技球が衝突する弾性部材(エラストマー製)の終端緩衝部材16Kが備えられている。この終端緩衝部材16Kと上側流下規制部24Aの右側端部との間に、遊技球が1つずつ通過可能な右上部関所24Yが形成されている。なお、この右上部関所24Yは、右側流下エリアRbの上端側に位置している。
【0042】
右側流下エリアRbのうち右上部関所24Yに下方から隣接する部分には、遊技球1つ通過できる分の幅をなし、カバー片61によって前方から覆われたサイド進入路60が備えられている。サイド進入路60は、右上部関所24Yを通過した遊技球を受け入れて遊技球1球分左方へ屈曲させた後、遊技球2?3球分下方へ移動させ、そこから僅かに右方へ屈曲させ、下流側へ排出する。また、カバー片61の上下方向の中央には後方に突出した突部(図示せず)が形成されていて、サイド進入路60のうち上下方向に遊技球2?3球分延びた部分は、後方へ向けてU字状に屈曲している。そして、右打導入通路Rcの下方(頂上部の下方)に窓内装飾部材80が配置されている。
【0043】
ところで、従来の遊技機では、右打導入通路Rcが、遊技球が第1ガイドレール12Aに案内されて勢いよく通過するだけの構成にすぎず、右打導入通路Rcにおける遊技球の動きが新鮮味に欠けていた。これに対し、本実施形態の右打導入通路Rcは以下のようになっている。
【0044】
即ち、右打導入通路Rcは、その左端部を上下方向にクランク状に屈曲させてなる減速屈曲部42を備えている。詳細には、右打導入通路Rcは、上側流下規制部24Aの頂上部24T上の左上側通路45と、左上側通路45の右方で左上側通路45から遊技球1球分下方にずれて延びた右下側通路46と、左上側通路45と右下側通路46との間を連絡する中間通路43とを有している。
【0045】
また、上側流下規制部24Aの外側面のうち中間通路43の左方部には、頂上部24Tの右端から略直交して下方に僅かに延びた逆流規制部24Cと、逆流規制部24Cの下端部から下方に向かうに従って右側に向かうように傾斜して、上下方向及び左右方向で遊技球1球分延びた誘導傾斜部24Dとが備えられている。なお、逆流規制部24Cと誘導傾斜部24Dとを合わせたものが本発明の「傾斜部」に相当する。
【0046】
なお、中間通路43の上下方向の中間部分には、遊技板11と表示装飾枠23の張出し部23Fとによって形成された前後段差部23Dが設けられている。前後段差部23Dは、下方に向かうに従って前側に向かうように傾斜している。
【0047】
また、減速屈曲部42には、緩衝部材41が設けられている。緩衝部材41は、右下側通路46と第1ガイドレール12Aとの間でかつ左上側通路45の延長線上に、第1ガイドレール12Aに下方から隣接し、進入口19から第1ガイドレール12Aに沿って進んできた遊技球が衝突する構成となっている。なお、この緩衝部材41の左端面近傍が本発明の「衝突部」に相当する。
【0048】
図7に示すように、緩衝部材41は、エラストマー(本発明の「弾性部材」に相当する)製のブロック形状をなし、そのブロック形状のうち遊技球が衝突する衝突面41M(左端面)は、下方に向かうに従って左上側通路45の延長方向の前方に向かうように傾斜する第1傾斜と、遊技板11側に向かうに従って左上側通路45の延長方向の前方に向かうように傾斜する第2傾斜とを備えた傾斜部41Kを有している。また、緩衝部材41は、ブロック形状における左上側通路45の延長方向の寸法が、前端部から遊技板11側に向かうに従って徐々に小さくなるように窄んでいる。
【0049】
図6に示すように、緩衝部材41は、遊技板11の前面と、表示装飾枠23に一体形成されて遊技板11の前面と対向した前面支持部材26との間に固定されている。詳細には、緩衝部材41には前後に貫通した一対の支持孔41A,41Aが横並びに形成されている。また、また、図8で示すように、前面支持部材26には、後方に突出し、遊技板11の前面と前面支持部材26との間の中間位置まで延びた一対の支持シャフト26S,26Sが横並びに形成されている。この前面支持部材26の支持シャフト26S,26Sが緩衝部材41の支持孔41A,41Aに中間位置まで挿入されることで、緩衝部材41が固定されている。なお、前面支持部材26の遊技板11側面が本発明の「前面支持部」に相当する。
【0050】
また、右打導入通路Rcのうち減速屈曲部42の下流側部分には、前後方向に屈曲した屈曲通路50Rが設けられている。以下に詳細を説明する。
【0051】
図9に示すように、右打導入通路Rcにおける減速屈曲部42の右方部分には、前面カバー55を有した樋構造をなし、内側を遊技球が通過する樋部47が備えられている。なお、前面カバー55は、透明樹脂で構成され、樋部47内を通過する遊技球が視認可能となっている。また、前面カバー55は、図10に示すように、別体形成され、装飾枠本体23Hに対して後付け可能に構成されている。
【0052】
図4に示すように遊技板11の中央開口部11Aの右上角部には中央開口部11Aを外側に拡張した樋収容部11Kが形成されている。そして、樋部47をこの樋収容部11Kに収容されるように後方に屈曲することで樋屈曲部50が形成され(図9参照)、この樋屈曲部50の内部が屈曲通路50Rとなっている。つまり、樋収容部11Kを設けることで樋屈曲部50を遊技板11側に屈曲させて配置することができるように構成されている。
【0053】
図9に示すように、樋屈曲部50の上流側端部と下流側端部には、導入部50Dと導出部50Eとが設けられている。これら導入部50D及び導出部50Eの後側内側面は、張出し部23Fの前面と同じ面により構成されている。即ち、樋屈曲部50における遊技球の出入り口は、遊技板11の前面の前方に配されている。なお、前面カバー55の上流側端部と下流側端部とには、遊技球が屈曲通路50Rをスムーズに出入りするための傾斜部55Kが形成されている。
【0054】
樋屈曲部50のうち導入部50Dと導出部50Eとの間に、本発明の干渉回避部50Aが形成されている。干渉回避部50Aは、樋収容部11Kの内側に配置され(図11参照)、遊技板11と略平行、或は遊技板11の裏面より少し突出した形で延びている。また、前面カバー55のうち干渉回避部50Aを前方から覆う干渉回避カバー部55Aは、遊技板11の前面と略面一となっている。そして、樋屈曲部50よりも前方の通路と窓内装飾部材80の前方への突出量がほぼ同じ高さに構成されていることから図5に示すように、窓内装飾部材80のうち右上部を拡張した装飾拡張部80Kがこの干渉回避部50Aの前方に配置可能に構成されている。
【0055】
また、樋屈曲部50には、導入部50D及び導出部50Eと干渉回避部50Aとの間を連絡し、遊技板11の前面に対して傾斜した1対の傾斜屈曲部50B,50Cが形成されていて、導入部50Dから干渉回避部50Aへ向かう遊技球及び干渉回避部50Aから導出部50Eへ向かう遊技球をスムーズに通過させることができ、樋屈曲部50内での球詰まりが防がれる。なお、前面カバー55のうち導出部50Eの前方に位置する部分は導出部カバー55Eとなっていて、干渉回避部50Aから導出部50Eへ移動する遊技球がガラス窓10Wに衝突することが防がれる。また、導出部50Eは干渉回避部50Aよりも前後方向と交差する方向の幅で幅広になっている。
【0056】
なお、上述した構成により、比較的強く打ち込まれた遊技球が通過する領域は、進入口19から第1ガイドレール12Aに沿って緩衝部材41まで延びた第1領域T1と、緩衝部材41に衝突することで減速され、第1領域T1よりも小さい(遅い)速度で遊技球が通過する第2領域T2と、終端緩衝部材16Kによって減速され、第2領域T2よりも(遅い)小さい速度で進入した遊技球が流下する第3領域T3(右側流下エリアRb)と、に分かれている。
【0057】
次に、遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、遊技球を右側流下エリアRbを目指して勢いよく打ち込むと、進入口19から飛び出した遊技球は、第1ガイドレール12Aに案内されて右上方に向かい、右打導入通路Rcに進入する。
【0058】
右打導入通路Rcに進入した遊技球は、まず減速屈曲部42を通過する。減速屈曲部42では、左上側通路45を右方へ移動する遊技球が緩衝部材41に衝突して減速され、その下方に配された右下側通路46へ案内される。なお、比較的緩やかに右打導入通路Rcに進入した遊技球は、緩衝部材41に衝突せずに右下側通路46に向かう場合もある。
【0059】
右下側通路46へ案内された遊技球はさらに右方へ向けて転動して樋屈曲部50の導入部50Dへと突入し、傾斜屈曲部50Bによって導入部50Dより後方に位置する干渉回避部50Aへ案内される。このとき、上流側に設けられた減速屈曲部42で遊技球の速度が減速されているので、前面カバー55の上流側部分に遊技球が衝突したときの衝撃が抑えられ、前面カバー55にかかる負担が軽減される。その後、遊技球は、干渉回避部50Aを通過して、傾斜屈曲部50Cを通り導出部50Eから抜け出す。
【0060】
樋屈曲部50を抜けた遊技球は、右上部関所24Yに到達し、終端緩衝部材16Kに衝突して減速された状態で右側流下エリアRbに流入する。なお、右側流下エリアRbの上端部には左右方向及び前後方向で屈曲したサイド進入路60が備えられているので、遊技球の速度がさらに減速され、右側流下エリアRbに配設された誘導釘へ勢いよく遊技球が落下して衝突することで発生する場合がある釘折れを抑制することができる。
【0061】
このように、本実施形態の遊技機10では、第1ガイドレール12Aに案内されて進んできた遊技球が減速屈曲部42で屈曲されるので、右打導入通路を通過する遊技球が包囲壁に案内されて進んでいくだけの構成であった従来の遊技機よりも、右打導入通路Rcにおける遊技球の動きを斬新にすることができる。また、第1ガイドレール12Aに沿って進んできた遊技球が緩衝部材41と減速屈曲部42とにより減速されるので、その後の右打導入通路Rcにおける遊技球の動きは、第1ガイドレール12Aに案内される形態ではなく、転動する形態となり、右打導入通路Rcにおける遊技球の動きをより斬新にすることができる。
【0062】
また、緩衝部材41が包囲壁の第1ガイドレール12Aの中央部の右側近傍に配置されているので、右打導入通路Rcにおける遊技球を転動させる部分を長くとることができ、右打導入通路Rcにおける斬新な遊技球の動きをより長く遊技者に見せることができる。
【0063】
さらに、右打導入通路Rcのうち緩衝部材41と終端緩衝部材16Kとの間に、後方に屈曲した樋屈曲部50が備えられているので、減速屈曲部42で屈曲されて転動する遊技球が樋屈曲部50によりさらに屈曲され、遊技球の動きをより斬新にすることができる。
【0064】
しかも、樋屈曲部50が後方に屈曲しているので、その前方に窓内装飾部材80を配置することが可能となる。これにより、表示窓23Aの上端部の左端から右端まで延びた窓内装飾部材80を右方へ拡張することができるので、遊技者にインパクトを与えることが可能となる。さらに、干渉回避部50Aの前面が遊技板11の前面と略面一となる位置まで樋屈曲部50が屈曲しているので、窓内装飾部材80に厚みを持たせても干渉回避部50Aの前面との接触を回避することが可能となる。また、干渉回避部50Aを設けたことにより、窓内装飾部材80が上端位置と下端位置との間を移動する構成であっても、右打導入通路Rcに窓内装飾部材80が接触することを回避することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の緩衝部材41では、衝突面41Mに衝突した遊技球は、傾斜部41Kの第1傾斜により右下側通路46側へと誘導されると共に、第2傾斜により遊技板11側へと誘導され、遊技球が前面に飛び出してガラス窓10Wを傷つけることが抑制される。
【0066】
さらに、緩衝部材41は、支持シャフト26S,26Sが緩衝部材41の支持孔41A,41Aに中間位置まで挿入されることで、固定されている。つまり、緩衝部材41の支持孔41Aのうち遊技板11側部分に空洞部41Hが形成されている。これにより、緩衝部材41に遊技球が衝突したときに、緩衝部材41における前面支持部26側よりも遊技板11側が弾性変形しやすく、遊技球を遊技板11側に誘導させやすくなり、遊技球が前面に飛び出してガラス窓10Wを傷つけることがより一層防がれる。また、緩衝部材41は、ブロック形状における左上側通路45の延長方向の寸法が、前端部から遊技板11側に向かうに従って徐々に小さくなるように窄んでいるため、緩衝部材41に遊技球が衝突したときに、遊技板側がより弾性変形しやすくなる。さらに、緩衝部材41と遊技板11との間にも隙間41Sが設けられている。これにより遊技球の衝撃により緩衝部材41が弾性変形するときに、緩衝部材41の後面41Bと遊技板11との接触による摩擦を抑制することが可能となり、スムーズな弾性変形及び弾性復帰が可能となる。
【0067】
また、中間通路43の左側内側面に、下方に向かうに従って右側に向かうように傾斜した誘導傾斜部24Dが備えられているので、緩衝部材41に衝突した遊技球が誘導傾斜部24Dに受け止められ、右方へスムーズに誘導される。また、中間通路43には前後段差部23Dが設けられているので、中間通路43を通過する遊技球は、勢いが緩和された状態で誘導傾斜部24Dに受け止められるので、誘導傾斜部24Dの負荷が軽減される。また、本実施形態の遊技機10には、緩衝部材41と終端緩衝部材16Kとの2つの緩衝部材が設けられ、遊技球の勢いを低下させるので、各種部品の破損が減少すると思われる。
【0068】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0069】
(1)上記実施形態では、減速屈曲部42が上下方向で屈曲していたが、前後方向で屈曲していてもよい。
【0070】
(2)上記実施形態では、樋屈曲部50は遊技球が1個ずつ通過可能な幅で形成されたが、遊技球が複数個並んだ状態で通過可能な幅に形成してもよい。
【0071】
(3)上記実施形態では、樋屈曲部50が、右打導入通路Rcを通過する遊技球の全てが通過する構成であったが、右打導入通路Rcを流下する遊技球の一部のみが通過する構成であってもよい。例えば、右打導入通路Rcの幅を遊技球2球分以上として、その右打導入通路Rcに遊技球1球分の樋屈曲部50を設ける構成であってもよい。
【0072】
(4)上記実施形態では、樋屈曲部50は1カ所にのみ形成されていたが、複数個所に形成してもよい。
【0073】
(5)上記実施形態では、窓内装飾部材80が可動式であったが、移動不能に固定されていてもよい。
【0074】
(6)上記実施形態では、窓内装飾部材80が通常時に右打導入通路Rcの前方(上端位置)に配置されて大当りとなったことを起因に右打導入通路Rcの前方から外れる(下端位置に向かって移動する)構成であったが、通常時に右打導入通路Rcの前方から外れた位置(下端位置)に配されて、大当り遊技中に右打導入通路Rcの前方に移動(上端位置に向かって移動)する構成であってもよい。この場合、窓内装飾部材80が右打導入通路Rcと重なる位置まで移動できなかった従来のものと比較して、窓内装飾部材80の可動範囲を大きくすることが可能となる。
【0075】
(7)また、窓内装飾部材80が移動する演出が行われるのは、大当り遊技中でなくてもよい。例えば、当りの判定結果が報知されたときであってもよいし、所謂確変遊技中や予告時やリーチ時やリーチ演出等の遊技状態に応じて移動する構成であってもよい。
【0076】
(8)上記実施形態では、緩衝部材41がエラストマー製であったが、バネ等の他の弾性部材であってもよい。
なお、上記実施形態及び他の実施形態(1)?(8)には、以下の[1]?[11]の構成が含まれている。
[1]
遊技球が流下可能な遊技領域を前面に備えた遊技板と、
前記遊技領域を囲む包囲壁と、
前記遊技領域の左上縁部側に設けられ、遊技球を前記遊技領域に打ち込むための進入口と、
前記進入口から前記包囲壁に沿って前記遊技領域の右側流下エリアに遊技球を案内する右打導入通路と、を備えた遊技機において、
前記右打導入通路を屈曲させてなる減速屈曲部と、
前記減速屈曲部に設けられて前記包囲壁に下方から隣接し、前記進入口から前記包囲壁に沿って進んできた遊技球が衝突可能な緩衝部材を設けたことを特徴とする遊技機。
[1]の構成では、包囲壁に沿って進んできた遊技球が右打導入通路における減速屈曲部で屈曲されるので、右打導入通路を通過する遊技球が包囲壁に案内されて進んでいく構成であった従来の遊技機よりも、右打導入通路における遊技球の動きを斬新にすることが可能となる。また、包囲壁に沿って進んできた遊技球が緩衝部材と減速屈曲部とにより減速されるので、その後の右打導入通路における遊技球の動きは、包囲壁に案内される形態ではなく、転動する形態となり、右打導入通路における遊技球の動きをより斬新にすることが可能となる。
[2]
前記右打導入通路は、前記減速屈曲部に設けられた段差部より左側の左上側通路と、右側の右下側通路と、前記左上側通路と前記右下側通路との間を連絡する中間通路とを有し、
前記緩衝部材は、弾性部材で構成されて、前記右下側通路と前記包囲壁との間でかつ前記左上側通路の延長線上に位置していることを特徴とする[1]に記載の遊技機。
減速屈曲部は、前後方向で屈曲していてもよいし、[2]の構成のように、上下方向で屈曲していてもよい。
[3]
前記緩衝部材のうち遊技球が衝突する衝突面は、下方に向かうに従って前記左上側通路の延長方向の前方に向かうように傾斜した第1傾斜を有することを特徴とする[2]に記載の遊技機。 [3]の構成では、緩衝部材における衝突面が下方へ向かうに従って左上側通路の延長方向の前方に向かうように傾斜しているので、衝突面に衝突した遊技球を右下側通路へ誘導させることが可能となる。
[4]
前記緩衝部材のうち遊技球が衝突する衝突面は、前記遊技板側に向かうに従って前記左上側通路の延長方向の前方に向かうように傾斜した第2傾斜を有することを特徴とする[2]又は[3]に記載の遊技機。
[4]の構成では、緩衝部材における衝突面が遊技板側に向かうに従って左上側通路の延長方向の前方に向かうように傾斜しているので、衝突面に衝突した遊技球を遊技板側に誘導させることができ、遊技球が前方へ飛び出すことを抑制することが可能となる。
[5]
前記中間通路のうち前記左上側通路の延長領域より下側部分に傾斜付きの前後段差部を設けたことを特徴とする[2]乃至[4]の何れか1に記載の遊技機。
[5]の構成では、前後段差部により遊技球の勢いが緩和される。
[6]
前記遊技板に取り付けられ、前記遊技板の前面との間で前記緩衝部材を挟持する前面支持部を有する支持部材と、
前記緩衝部材を前後に貫通した支持孔と、
前記前面支持部から後方に突出し、前記支持孔の中間位置まで嵌合された支持シャフトとを備えた[2]乃至[5]の何れか1に記載の遊技機。
[6]の構成では、前面支持部から後方に突出した支持シャフトが緩衝部材を前後に貫通した支持孔の中間位置まで貫通しているため、緩衝部材の支持孔のうち遊技板側部分は空洞になっている。このため、緩衝部材に遊技球が衝突したときに、緩衝部材における前面支持部側よりも遊技板側が弾性変形しやすく、遊技球を遊技板側に誘導させやすくなり、遊技球が前方へ飛び出すことを抑制することが可能となる。
[7]
前記緩衝部材は、ブロック形状をなしかつ、そのブロック形状における前記左上側通路の延長方向の寸法が、前記前面支持部側から前記遊技板側に向かうに従って徐々に小さくなるように構成したことを[6]に記載の遊技機。
[7]の構成では、ブロック形状をなした緩衝部材における左上側通路の延長方向の寸法が、前面支持部側から遊技板側に向かうに従って徐々に小さくなるように窄んでいるため、緩衝部材に遊技球が衝突したときに、遊技板側がより弾性変形しやすくなる。
[8]
前記段差部は、前記中間通路の左側内側面に形成され、前記左上側通路の下面に対して略直交した逆流規制部と、前記逆流規制部の下端部から下方に向かうに従って右側に向かうように傾斜した誘導傾斜部とを備えたことを特徴とする[2]乃至[7]の何れかに記載の遊技機。
[8]の構成では、中間通路の左側内側面に、下方に向かうに従って右側に向かうように傾斜した誘導傾斜部が備えられているので、緩衝部材に衝突した遊技球が誘導傾斜部に受け止められ、右方へスムーズに誘導することが可能となる。
[9]
前記緩衝部材は、前記包囲壁の最上部又はその最上部に右側近傍に配置されている[1]乃至[8]の何れか1に記載の遊技機。
[9]の構成では、緩衝部材が包囲壁の最上部又はその最上部の右側近傍に配置されているので、右打導入通路における遊技球を転動させる部分を長くとることができ、右打導入通路における斬新な遊技球の動きをより長く遊技者に見せることが可能となる。
[10]
前記右打導入通路の終端部の下方に配置され、前記遊技領域の右側流下エリアに向かう遊技球の通る右上部関所と、前記右上部関所の右側に配置され、前記右打導入通路を通過してきた遊技球が衝突する終端緩衝部材を備えたことを特徴とする[9]に記載の遊技機。
[10]の構成では、2つの緩衝部材で遊技球の勢いを低下させるので、遊技球の衝突による部品の破損を抑制することが可能となる。
[11]
前記右打導入通路のうち前記緩衝部材と前記終端緩衝部材との中間部分を前面カバーで前方から覆って樋部とし、その樋部を屈曲させて樋屈曲部を備えたことを特徴とする[10]に記載の遊技機。
[11]の構成では、右打導入通路のうち緩衝部材と終端緩衝部材との間に、屈曲した樋屈曲部が備えられているので、減速屈曲部で屈曲されて転動する遊技球が樋屈曲部によりさらに屈曲され、遊技球の動きをより斬新にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0077】
10 遊技機
11 遊技板
12A 第1ガイドレール(包囲壁)
12B 第2ガイドレール(包囲壁)
13 表示装置(演出装置)
16 区画レール(包囲壁)
19 進入口
23A 表示窓
23D 前後段差部
23F 張出し部(遊技板)
24C 逆流規制部
24D 誘導傾斜部
41 緩衝部材
41A 支持孔
41K 傾斜部
41M 衝突面
42 減速屈曲部
43 中間通路
45 左上側通路
46 右下側通路
R1 遊技領域
Ra 左側流下エリア
Rb 右側流下エリア
Rc 右打導入通路
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域を前面に備えた遊技板と、
前記遊技領域を囲む包囲壁と、
前記遊技領域の左上縁部側に設けられ、遊技球を前記遊技領域に打ち込むための進入口と、
前記進入口から前記包囲壁に沿って前記遊技領域の右側流下エリアに遊技球を案内する右打導入通路と、を備えた遊技機において、
前記右打導入通路を屈曲させてなる減速屈曲部と、
前記減速屈曲部に設けられて前記包囲壁に下方から隣接し、前記進入口から前記包囲壁に沿って進んできた遊技球が衝突可能な緩衝部材を設け、
前記右打導入通路は、左右方向に延びて前記減速屈曲部の左側部分を構成する左上側通路と、前記左上側通路に対して下方にずれかつ前記左上側通路の右方で左右方向に延びて前記減速屈曲部の右側部分を構成する右下側通路と、前記左上側通路と前記右下側通路との間を連絡して前記減速屈曲部の途中部分を構成する中間通路とを有し、
前記緩衝部材は、弾性部材で構成されて、前記右下側通路と前記包囲壁との間でかつ前記左上側通路の延長線上に位置し、
前記中間通路のうち前記左上側通路の延長領域より下側部分に、前後方向に傾斜した傾斜付きの前後段差部を設けたことを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-10-19 
結審通知日 2017-10-23 
審決日 2017-11-06 
出願番号 特願2015-141675(P2015-141675)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 河本 明彦小泉 早苗  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 青木 洋平
川崎 優
登録日 2017-04-07 
登録番号 特許第6119085号(P6119085)
発明の名称 遊技機  
代理人 松浦 弘  
代理人 松浦 弘  

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