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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
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管理番号 | 1335576 |
審判番号 | 不服2016-17145 |
総通号数 | 218 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-02-23 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-11-16 |
確定日 | 2017-12-07 |
事件の表示 | 特願2013-99575号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月20日出願公開、特開2014-217630号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 経緯 本件は、平成25年5月9日の出願であり、平成27年9月10日付けで拒絶理由通知がなされ、これに対して同年11月24日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年4月26日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、同年7月11日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月28日付けで前記同年7月11日付け手続補正書でした補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対して同年11月16日に拒絶査定不服の審判が請求され、同時に手続補正がなされ、平成29年5月8日付けで当審より拒絶理由通知がなされ、これに対し同年7月6日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本件請求項1に記載された発明 平成29年7月6日付け手続補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、当該補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は次のとおりのものである。(以下「本件発明」という。A?Kは分説のため当審にて付与した。) 「A 所定の遊技を行い、遊技結果に基づいて遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 前記所定の遊技の進行に対応した画像が表示される第1表示手段と、 C 前記第1表示手段の前面側で動作可能に設けられ、該第1表示手段に表示される画像と関連した画像が表示される第2表示手段と、 D 前記第2表示手段の近傍で動作可能に設けられた複数の可動部材と、 E 前記第2表示手段及び前記可動部材を動作させる動作制御手段と、を備え、 F 前記動作制御手段は、前記第2表示手段に画像が表示されているときに、前記第2表示手段の動作と前記可動部材の動作とを連動させた連動演出を実行し、 G 前記第2表示手段は、前記連動演出においていずれの前記可動部材が動作するかに応じて異なる動作をし、 H 複数の前記可動部材のうち少なくとも第1の可動部材と第2可動部材とが、前記第2表示手段との距離が近くなるように動作し、 I 前記動作制御手段は、前記第2表示手段に表示されている画像が遊技機の前面側から視認可能な状態を維持したまま回転させる回転動作演出と、前記第2表示手段を前記第1表示手段に向かって平行移動させる平行動作演出と、を実行可能であり、 J 前記回転動作演出が実行されるときと、前記平行動作演出が実行されるときと、で前記有利状態に制御される割合が異なる K ことを特徴とする遊技機。」 第3 当審の平成29年5月8日付け拒絶理由の概要 当審の平成29年5月8日付け拒絶理由の概要は、本願の請求項1に係る発明は、本願の出願日前に出願され、本願の出願後に出願公開された特許出願(特願2012-288909号(特開2014-128477号);以下「先願」ともいう。)に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないというものである。 第4 先願明細書等に記載された事項 1.当審の平成29年5月8日付け拒絶理由において提示された上記先願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には次の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 近年の遊技媒体を用いた遊技を提供する遊技機は、その遊技における演出を視覚的に楽しませるために従来よりも大型化された表示装置を搭載しており、この表示装置に演出画像を表示することによって遊技における演出を行っている。さらに、遊技機には、大小様々な「役物」と称される装飾装置をも搭載しており、この装飾装置と表示装置に表示させた演出画像とを連動させることによって、より興趣性の高い演出を行っている。」 (2)「【0041】 また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、LCD(LiquidCrystal Display)等によって構成される第1液晶表示装置31(以下、「メイン液晶」とも称する)が設けられており、この第1液晶表示装置31の上方には、仮面の形からなる第1装飾装置33a(便宜上、以下では「装飾装置1」とも称することがある)が設けられている。 【0042】 この第1装飾装置33aは、仮面の形であって視認できる状態の仮面上部のほか、仮面の口部分を形成する仮面下部によって構成されており、仮面上部を「装飾装置1-1」と称し、仮面下部を「装飾装置1-2」と称する。第1装飾装置33aの詳細な構成の一例を図30(b)に示しており、詳細については後述する。 【0043】 また、この第1液晶表示装置31の下方には第1液晶表示装置31に比べて小さいサイズの第2液晶表示装置37(33c)(以下、「サブ液晶」とも称する)が設けられている。さらに、第1液晶表示装置31の左右には遊技媒体の経路の背面であって第1液晶表示装置31の上面に図1および図2では視認することができないものの第2装飾装置33bがそれぞれ設けられている。このとき、左右それぞれに設けられた装飾装置を総称して第2装飾装置33bと称する。便宜上、以下では第2装飾装置33bを「装飾装置2」と称することがあり、この場合、第1液晶表示装置31の左側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-1」と称し、第1液晶表示装置31の右側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-2」と称することがある。」 (3)「【0046】 第1液晶表示装置31には、演出が行われていない待機中にデモ画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。中でも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄38が表示され、特定の演出図柄38の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選の結果として大当りが報知される。 【0047】 より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄38をそれぞれスクロール表示(回転表示)による変動表示を行うとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄38を停止表示するものである。また、この演出図柄38の変動表示中に、キャラクタ等によって構成される演出画像を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。 【0048】 上記演出用駆動装置33によって駆動される第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33b等は、その演出画像を用いた動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。 【0049】 この演出用駆動装置33によって駆動される第1装飾装置33aは、上下方向に移動することが可能(もちろん上下方向に限定されず上下左右に移動可能)であって、この上下方向の移動によって第1液晶表示装置31の前面に移動することとなる。この第1装飾装置33aには、演出用照明装置34が搭載されており、第1装飾装置33aの移動と連動して若しくは単独で点灯する。 【0050】 また、第2装飾装置33bは、棒状の形状からなり、ある支点を中心に回動可能であって、回動することによって第2装飾装置33bと第2液晶表示装置37若しくは第2液晶表示装置37に表示された演出画像とが連動することとなる。 【0051】 第2液晶表示装置37(33c)も第1装飾装置33aと同様に、演出用駆動装置33によって駆動されることにより移動することが可能であって、図1に示す第2液晶表示装置37は長辺を上下方向にした横向きの横向き態様で格納された状態を示している。この状態から第2液晶表示装置37を螺旋回転されることによって若しくは縦方向に回転した後に横方向に回転することによって、長辺を左右方向にて短辺を上下方向にした縦向き態様とすることが可能となる。 【0052】 この縦向き態様となったときに第2液晶表示装置37は、第1液晶表示装置31の前面に移動することとなる。 【0053】 また、縦向き態様となった第2液晶表示装置37(33c)の位置と第1装飾装置33aが下方に移動したときの位置との関係は、第1装飾装置33aの前面に第2液晶表示装置37(33c)を配置した関係としてもよいし、反対に、第2液晶表示装置37(33c)の前面に第1装飾装置33aを配置した関係としてもよい。」 (4)「【0093】 続いて、図5(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。 【0094】 具体的には、この当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と、取得された普通図柄判定用乱数値とに基づいて、「当たり」か「ハズレ」を判定するものである。 【0095】 例えば、図5(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される一方で、時短遊技状態であるときには、「0」乃至「65534」の全65535個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、図示していないが、上記に示す普通図柄判定用乱数値以外の他の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。 【0096】 従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が「0」から「65535」であるから、非時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「1/65536」であり、時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「65535/65536」である。」 (5)「【0099】 具体的には、図6に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。 ・・・ 【0104】 なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり遊技の種類(図8参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。 【0105】 図7は、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブルである。 【0106】 この図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された状態とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定が行われる。 【0107】 ここで、「遊技状態バッファ」とは、大当たり当選時の遊技状態を示す情報である。そして、遊技状態は、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。 【0108】 具体的には、遊技状態バッファが「00H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない低確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「01H」であれば、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている高確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「02H」であれば、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない低確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「03H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている高確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。 【0109】 図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルでは、同じ特別図柄の種類であっても、遊技状態バッファに記憶された情報に基づいて、時短遊技フラグの設定や時短回数(J)を異ならせることを可能にしている。 【0110】 具体的には、特別図柄の種類が特別図柄3(停止図柄データ03、第1確変大当たり「3」に対応)の場合には、高確率遊技フラグ及び高確率遊技回数(X)に関しては、遊技状態バッファに記憶されている情報に関わらず、大当たり遊技終了後には高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)を「10000回」に設定する。 【0111】 一方、時短遊技フラグ及び時短回数(J)に関しては、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されていない遊技状態を示す情報(「00H」または「01H」)が記憶されていれば、大当たり終了後には時短遊技フラグの設定は行わず、時短回数(J)も「0回」に設定する。これに対して、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されている遊技状態を示す情報(「02H」または「03H」)が記憶されていれば、大当たり遊技終了後には時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)を「10000回」に設定する。 【0112】 これにより、大当たり当選時の遊技状態によって時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態に対する興味を遊技者に持たせることができる。」 (6)「【0138】 図10は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。 【0139】 具体的には、図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。 【0140】 そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが特定される。」 (7)「【0156】 このときの変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターン指定コマンドを特定する際に用いるテーブルの一例を図11に示している。 ・・・ 【0160】 演出制御基板120は、図11に示すような演出パターン決定テーブル等を用いて演出パターン指定コマンドを作成してランプ制御基板140や画像制御基板150へと送出する。」 (8)「【0306】 演出パターン指定コマンド「A1H05H」を演出制御基板120から受信したランプ制御基板140では、図15に示すような連動情報テーブルを用いて、第1装飾装置連動情報および第2装飾装置連動情報およびサブ液晶連動情報における詳細情報を特定する処理を行い、この詳細情報に基づく情報を演出用駆動装置33に送信する処理を行う。 ・・・ 【0316】 このことから、ランプ制御基板140は、第2液晶表示装置37を駆動するために「第2液晶表示装置(サブ液晶)を第3形態へと形態変更する」というサブ液晶連動情報を演出用駆動装置33に送信する。 ・・・ 【0318】 図30(a)には、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって作成した駆動指示情報に基づいて、演出用駆動装置33が、第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bを駆動することによって移動させた状態を示し、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって特定したサブ液晶連動情報に基づいて、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動させた状態を示している。 ・・・ 【0320】 すなわち、図30(a)は、演出用駆動装置33が、装飾装置1-1(第1装飾装置33a)を駆動することによってメイン指定位置である移動位置(x1、y1)へと移動させるとともに、装飾装置2(第2装飾装置33b)の装飾装置2-1を駆動することによって右移動後指定位置である移動位置(a1、b1)へと移動し、装飾装置2(第2装飾装置33b)の装飾装置2-2を駆動することによって左移動後指定位置である移動位置(a2、b2)へと移動した状態を示している。 【0321】 さらに、この図30(a)では、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動することによって「第3形態」の状態を示している。 【0322】 これによって、演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信した画像制御基板150が演出画像を描画して第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、画像制御基板150が受信した演出パターン指定コマンドと同一の演出パターン指定コマンドを演出制御基板120から受信したランプ制御基板140が演出用駆動装置33に対して駆動指示情報を送出してその演出用駆動装置33がこの駆動指示情報に基づいて第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bと、を連動させた演出が行われることとなる。 ・・・ 【0324】 以上のことから、演出制御基板120からランプ制御基板140および画像制御基板150に送出された演出パターン指定コマンド「A1H05H」に対して、画像制御基板150からの指示により図12に示すようなアニメーション情報決定テーブルを用いて決定したアニメーション情報に基づく演出画像を表示する第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に、ランプ制御基板140からの指示に基づいて演出用駆動装置33が駆動させる第1装飾装置33aと第2装飾装置33bとが対応付けられていることを示しており、第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に表示した演出画像と第1装飾装置33aとが連動した演出が行われるとともに、第2液晶表示装置37および/または第1液晶表示装置31に表示した演出画像と第2装飾装置33bとが連動した演出が行われることとなる。 【0325】 また、ランプ制御基板140において演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H06H」を受信した場合について説明する。 【0326】 演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H06H」を受信すると、ランプ制御基板140では、上述するように、第1装飾装置連動情報および第2装飾装置連動情報およびサブ液晶連動情報における詳細情報を特定する処理を行う。 【0327】 まず、第1装飾装置連動情報として、図15に示す連動情報テーブルから「装飾装置種別」項目の値として、「装飾装置1」が構成する「装飾装置1-1」および「装飾装置1-2」を特定する。 ・・・ 【0332】 このことから、ランプ制御基板140は、第1装飾装置33aを構成する「装飾装置1-1」および「装飾装置1-2」を動作するために、「装飾装置1-1によって識別される装飾装置をサブ指定位置1である移動位置(x2、y2)へと移動させるとともに、装飾装置1-2によって識別される装飾装置をサブ指定位置2である移動位置(x3、y3)へと移動させ、この位置において動作003で識別される動作を行う」という情報を含む駆動指示情報(第1駆動指示情報)を作成し、演出用駆動装置33に送信する。 ・・・ 【0335】 そして、サブ液晶連動情報として、図15に示す連動情報テーブルから「駆動後形態」項目の値として「第2形態」を特定する。この第2形態は、「形態説明」の項目によって示される「メイン液晶中央部横配置(上方)」であることを示している。 【0336】 図30(b)には、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H06H」を受信したことで作成した駆動指示情報に基づいて、演出用駆動装置33が第1装飾装置33aおよび第2液晶表示装置37を駆動させた状態を示している。 ・・・ 【0339】 さらに、図30(b)では、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を第2形態へと形態を変更した状態を示している。 ・・・ 【0343】 図29では、3つの形態を示すほか、これら各形態間の形態遷移を示している。 【0344】 まず、図29(a)では、第2液晶表示装置37の初期状態として第1液晶表示装置31の下方に横向き配置した形態である第1の形態(第1形態)を示している。 【0345】 次に、図29(b)では、第2液晶表示装置37を図29(a)に示すような横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇させた第2の形態(第2形態)を示している。 【0346】 そして、図29(c)では、図29(b)に示す第2形態である、第1液晶表示装置31の中央部に横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)を示している。」 (9)「【0357】 図30(a)は、上述するように、ランプ制御基板140および画像制御基板150が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって駆動した状態を示している。 【0358】 図30(a)では、第1装飾装置33a(装飾装置種別が「装飾装置1-1」)が、「移動位置(x1、y1)」のメイン指定位置にあり、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-1」である装飾装置を「移動位置(a1、b1)」の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-2」である装飾装置を「移動位置(a2、b2)」の左移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部縦配置(上方)である「第3形態」とした状態を示している。 【0359】 これによって、特定の条件として演出パターン指定コマンド「A1H05H」に基づく演出が成立することで、第1液晶表示装置31に表示した演出画像と、第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、第1装飾装置33aと、第2装飾装置33bと、第2液晶表示装置37とが連動した演出が行われることとなる。 【0360】 図30(b)は、上述するように、ランプ制御基板140および画像制御基板150が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H06H」を受信したことによって駆動した状態を示している。 【0361】 図30(b)では、第1装飾装置33aであって装飾装置種別が「装飾装置1-1」である装飾装置を、「移動位置(x2、y2)」のサブ指定位置1の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置1-2」である装飾装置を、「移動位置(x3、y3)」のサブ指定位置2の状態へと駆動させ、第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部横配置(上方)である「第2形態」とした状態を示している。 【0362】 これによって、特定の条件として演出パターン指定コマンド「A1H06H」に基づく演出が成立することで、第1液晶表示装置31に表示した演出画像と、第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、第1装飾装置33aと、第2液晶表示装置37とが連動した演出が行われることとなる。」 (F1)図29には、上記【0344】?【0346】の記載事項に対応して、図29(a)から図29(c)にかけて、順に第2液晶表示装置37が第1態様から第3態様へと駆動される様子が記載されている。該各図では、第2液晶表示装置37は同じ面が正面視で視認されていることがみてとれる。 (F2)図30(a)には、第3形態となった第2液晶表示装置37の左側に視認可能な「装置種別2-1」が、右側に視認可能な「装置種別2-2」が、それぞれ正面視でほぼ接する程度に近接することが記載されている。ここで、「装置種別」とは、上記【0043】及び【0320】の記載事項との対応から、「装飾装置」の誤記であると認められる。 よって、図30(a)には、第3形態となった第2液晶表示装置37の左側に視認可能な「装飾装置2-1」が、右側に視認可能な「装飾装置2-2」が、それぞれ正面視でほぼ接する程度に近接することが記載されていると認められる。 (F3)図30(a)には、第2液晶表示装置37が第1液晶表示装置31の前面側中央部で縦方向の第3形態をとる一方、装飾装置1-1が、図30(b)の状態よりも上方に位置する「メイン指定位置」に、装飾装置2-1が「左移動後指定位置」に、装飾装置2-2が「右移動後指定位置」にあることが記載されている。(「装置種別」が「装飾装置」の誤記であることは上記(F1)のとおり。) しかし、上記【0358】には「図30(a)では、第1装飾装置33a(装飾装置種別が「装飾装置1-1」)が、「移動位置(x1、y1)」のメイン指定位置にあり、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-1」である装飾装置を「移動位置(a1、b1)」の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-2」である装飾装置を「移動位置(a2、b2)」の左移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部縦配置(上方)である「第3形態」とした状態を示している。」と記載されていることと、装飾装置2-1・2-2の各「指定位置」の名称について齟齬がある。該各装飾装置について上記【0043】には「第1液晶表示装置31の左側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-1」と称し、第1液晶表示装置31の右側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-2」と称する」なる記載があることから、装飾装置2-1は第1液晶表示装置31の左側位置から図30(a)の位置へ右方向に、装飾装置2-2は第1液晶表示装置31の右側位置から図30(a)の位置へ左方向に、それぞれ移動したと解することが妥当といえる。 よって、前記図30(a)に記載された「左移動後指定位置」、「右移動後指定位置」はそれぞれ「右移動後指定位置」、「左移動後指定位置」の誤記であり、該図30(a)には、「装飾装置2-1が「右移動後指定位置」に、装飾装置2-2が「左移動後指定位置」にあること」が記載されている認められる。 (F4)図30(b)には、第2液晶表示装置37が、第1液晶表示装置31の下方位置から上方の第1液晶表示装置31前面位置へ移動して「第2形態」となるとともに、第1装飾装置33aの装飾装置1-1が、図30(a)での第1液晶表示装置31の上方の「メイン指定位置」に比べて下方の「サブ指定位置1」に移動している状態が記載されている。 (F5)サブ液晶すなわち第2液晶表示装置37が「第3形態」に駆動される演出は、図15の「連動情報テーブル」によれば演出内容が「リーチ演出C」、演出パターン指定コマンドが「A1H05H」の場合に対応し、この場合を図11の「演出パターン決定テーブル」でみると、変動パターン指定コマンドが「E6H03H」の場合に対応し、この場合を図10の「特別図柄の変動パターンテーブル」でみると、当落が「大当たり」で特別図柄(停止図柄)が「特別図柄1(第1確変大当たり1)」の場合のうちの特図変動用乱数値が90?99の場合に対応し、この「特別図柄1(第1確変大当たり)」の場合を図7の「大当たり遊技終了時設定データテーブル」でみると、無条件に「時短遊技状態」が設定されることが示されている。 一方、サブ液晶すなわち第2液晶表示装置37が「第2形態」に駆動される演出は、図15の「連動情報テーブル」によれば演出内容が「チャンス演出」、演出パターン指定コマンドが「A1H06H」の場合に対応し、この場合を図11の「演出パターン決定テーブル」でみると、変動パターン指定コマンドが「E6H04H」の場合に対応し、この場合を図10の「特別図柄の変動パターンテーブル」でみると、当落が「大当たり」で特別図柄(停止図柄)が「特別図柄2,3(第1確変大当たり2,3)」の場合のうちの特図変動用乱数値が0?99の場合に対応し、この「特別図柄2,3(第1確変大当たり2,3)」の場合を図7の「大当たり遊技終了時設定データテーブル」でみると、そのうち「特別図柄2」の場合には無条件に「時短遊技状態」が選択され、「特別図柄3」の場合には、上記【0107】で「大当たり当選時の遊技状態を示す情報」と説明される「遊技状態バッファ」の情報に応じて、「時短遊技状態」が、該当選時の遊技状態が時短状態でなければ「非時短遊技状態」に、該当選時が時短状態であれば「時短遊技状態」に設定されることが示されている。 ここで、図10の「特別図柄の変動パターン決定テーブル」では、「特別図柄」が「特別図柄1」となる場合において特図変動用乱数値によりその一部の場合についてのみ変動パターン指定コマンドが変動内容「リーチC」に対応する「E6H03H」に設定されるが、逆に、変動パターン指定コマンドが「E6H03H」の場合のすべては特別図柄の判定結果が「特別図柄1」である場合に該当するから、変動パターン指定コマンドが「E6H03H」の場合には無条件に「時短遊技状態」が設定されるといえる。 2.上記記載事項(1)?(11)、(F1)?(F5) から、以下の事項が導かれる。 (ア)上記【0001】には「本発明は、遊技機に関する」と記載され、、上記【0002】には、発明の背景技術として「遊技媒体を用いた遊技を提供する遊技機」が挙げられていることから、先願明細書等に記載された発明は「遊技媒体を用いた遊技を提供する遊技機」に関する発明であるといえる。 また、上記【0096】には「非時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「1/65536」であり、時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「65535/65536」である」との記載から、「時短遊技状態」は「非時短遊技状態」よりも「当たり」すなわち有利状態と判定される確率が高いといえ、よって、「時短遊技状態」の方が「非時短遊技状態」よりも有利な状態であるといえる。 そして、「特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定され」、「特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)・・・が決定され」、「特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された状態とに基づいて、・・・時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定が行われる」(上記【0099】【0104】【0106】)のであり、「時短遊技フラグがセットされている」のが「時短遊技状態」で「時短遊技フラグがセットされていない」のが「非時短遊技状態」である(上記【0108】)から、先願明細書等には、時短遊技状態が、遊技球が入賞した始動口の種別と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて制御されることが記載されているといえる。 (イ)上記【0046】には「第1液晶表示装置31には、・・・遊技の進行に応じた画像を表示したりする。」と記載されていることから、先願明細書等には、遊技の進行に応じた画像を表示する第1液晶表示装置31、が記載されているといえる。 (ウ)例えば上記【0322】には「演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信した画像制御基板150が演出画像を描画して第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、・・・演出用駆動装置33がこの駆動指示情報に基づいて第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bと、を連動させた演出が行われる」と記載され、上記【0324】には「演出パターン指定コマンド「A1H05H」に対して、画像制御基板150からの指示により図12に示すようなアニメーション情報決定テーブルを用いて決定したアニメーション情報に基づく演出画像を表示する第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37」と記載されていることから、先願明細書等には、「演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信した画像制御基板150が」「画像制御基板150からの指示により図12に示すようなアニメーション情報決定テーブルを用いて決定したアニメーション情報に基づく演出画像を表示演出画像」「を描画して」「第1液晶表示装置31」と共に「表示」する「第2液晶表示装置37」が記載されているといえる。 また、上記【0318】には「図30(a)には、・・・ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって特定したサブ液晶連動情報に基づいて、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動させた状態を示している」、上記【0321】には「図30(a)では、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動することによって「第3形態」の状態を示している」と記載され、前記「第2液晶表示装置」が該「第3の形態」に駆動される動作について上記【0346】には「第2形態である、第1液晶表示装置31の中央部に横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)」と記載されている。 また、前記1.(F3)のとおり、第2液晶表示装置37の位置は、前記「第2形態」で第1液晶表示装置31前面位置であり、前記「第3形態」では第1液晶表示装置31の前面側中央部であるといえ、両形態間で前記第2液晶表示装置は第1液晶表示装置31の前面側で移動するといえることから、先願明細書等には、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって、第2形態である、第1液晶表示装置31の前面側中央部に第2液晶表示装置37が横向き配置された状態から、左右いずれかの方向に直角回転させて、該横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)へと、第1液晶表示装置31の前面側で駆動される第2液晶表示装置37、が記載されているといえる。 (エ)上記【0049】には「演出用駆動装置33によって駆動される第1装飾装置33aは、上下方向に移動することが可能(もちろん上下方向に限定されず上下左右に移動可能)であって、この上下方向の移動によって第1液晶表示装置31の前面に移動することとなる」と、上記【0053】には「縦向き態様となった第2液晶表示装置37(33c)の位置と第1装飾装置33aが下方に移動したときの位置との関係は、第1装飾装置33aの前面に第2液晶表示装置37(33c)を配置した関係としてもよいし、反対に、第2液晶表示装置37(33c)の前面に第1装飾装置33aを配置した関係としてもよい」と、それぞれ記載され、該各記載によれば、第1装飾装置33aが下方に移動して第1液晶表示装置31の前面に移動することにより、第1装飾装置33a及び第2液晶表示装置37が相互に前後面の関係、すなわち正面視で重畳する関係になることから、第1装飾装置33aが「上下方向に移動」する範囲は第2液晶表示装置37の近傍であるといえる。 また、上記【0043】には、「第1液晶表示装置31の左右には遊技媒体の経路の背面であって第1液晶表示装置31の上面に図1および図2では視認することができないものの第2装飾装置33bがそれぞれ設けられている。このとき、左右それぞれに設けられた装飾装置を総称して第2装飾装置33bと称する。便宜上、以下では第2装飾装置33bを「装飾装置2」と称することがあり、この場合、第1液晶表示装置31の左側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-1」と称し、第1液晶表示装置31の右側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-2」と称することがある。」と記載され、さらに上記【0320】には「図30(a)は、演出用駆動装置33が、・・・装飾装置2(第2装飾装置33b)の装飾装置2-1を駆動することによって右移動後指定位置である移動位置(a1、b1)へと移動し、装飾装置2(第2装飾装置33b)の装飾装置2-2を駆動することによって左移動後指定位置である移動位置(a2、b2)へと移動した状態を示している」との記載がある。さらに、上記図30(a)は上記1.(F2)のとおり、装飾装置2-1・2-2がそれぞれ視認可能で第2液晶表示装置37に対し近接する位置に進出した状態を示している。 これらと、上記1.(F3)における図30(a)についての誤記の認定とから、「装飾装置2-1」は、第1液晶表示装置31の左側にあって視認できない位置から、右移動後指定位置へ移動、すなわち右方向へ移動して第2液晶表示装置37に接近し、「装飾装置2-2」は、第1液晶表示装置31の右側にあって視認できない位置から、左移動後指定位置へ移動、すなわち左方向へ移動して第2液晶表示装置37に接近しており、前記第2装飾装置33bを構成する該装飾装置2-1・2-2は何れも、第2液晶表示装置37の近傍で動作しているといえる。 以上から、先願明細書等には、第2液晶表示装置37の近傍で上下方向に移動することが可能な第1装飾装置33a、ならびに、装飾装置2-1・2-2の2要素からなり、それぞれが第2液晶表示装置37の近傍で左右方向に移動可能な第2装飾装置33b、を備えることが記載されているといえる。 (オ)上記【0048】の「演出用駆動装置33によって駆動される第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33b」、上記【0051】の「第2液晶表示装置37(33c)も第1装飾装置33aと同様に、演出用駆動装置33によって駆動されることにより移動することが可能」なる各記載から、先願明細書等には、前記第2液晶表示装置37ならびに前記第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bを駆動する演出用駆動装置33を備えることが記載されているといえる。 (カ)上記【0318】?【0323】には、「図30(a)には、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって作成した駆動指示情報に基づいて、演出用駆動装置33が、第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bを駆動することによって移動させた状態を示し、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって特定したサブ液晶連動情報に基づいて、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動させた状態を示している。・・・図30(a)は、演出用駆動装置33が、・・・装飾装置2(第2装飾装置33b)の装飾装置2-1を駆動することによって右移動後指定位置である移動位置(a1、b1)へと移動し、装飾装置2(第2装飾装置33b)の装飾装置2-2を駆動することによって左移動後指定位置である移動位置(a2、b2)へと移動した状態を示し・・・図30(a)では、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動することによって「第3形態」の状態を示し・・・演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信した画像制御基板150が演出画像を描画して第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、・・・演出用駆動装置33がこの駆動指示情報に基づいて第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bと、を連動させた演出が行われる」と記載されている。 また、上記【0359】には「特定の条件として演出パターン指定コマンド「A1H05H」に基づく演出が成立することで、第1液晶表示装置31に表示した演出画像と、第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、第1装飾装置33aと、第2装飾装置33bと、第2液晶表示装置37とが連動した演出が行われることとなる」なる記載がある。 よって、該各記載から、先願明細書等には、「演出パターン指定コマンド「A1H05H」に基づく演出が成立することで、」「演出用駆動装置33が、第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bを駆動」し、「演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動することによって「第3形態」の状態」とし、「第1液晶表示装置31に表示した演出画像と、第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、第1装飾装置33aと、第2装飾装置33bと、第2液晶表示装置37とが連動した演出が行われる」ことが記載されているといえる。 (キ)上記【0358】?【0359】には、「図30(a)では、第1装飾装置33a(装飾装置種別が「装飾装置1-1」)が、「移動位置(x1、y1)」のメイン指定位置にあり、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-1」である装飾装置を「移動位置(a1、b1)」の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-2」である装飾装置を「移動位置(a2、b2)」の左移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部縦配置(上方)である「第3形態」とした状態を示している。これによって・・・第1装飾装置33aと、第2装飾装置33bと、第2液晶表示装置37とが連動した演出が行われることとなる。」と記載され、上記【0361】?【0362】には、「第1装飾装置33aであって装飾装置種別が「装飾装置1-1」である装飾装置を、「移動位置(x2、y2)」のサブ指定位置1の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置1-2」である装飾装置を、「移動位置(x3、y3)」のサブ指定位置2の状態へと駆動させ、第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部横配置(上方)である「第2形態」とした状態を示している。これによって・・・第1装飾装置33aと、第2液晶表示装置37とが連動した演出が行われることとなる。」と記載されている。 そうすると、先願明細書等には、「第1装飾装置33aの装飾装置1-1」が「移動位置(x1、y1)のメイン指定位置にあり、第2装飾装置33bの装飾装置2-1を移動位置(a1、b1)の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bの装飾装置2-2を移動位置(a2、b2)の左移動後指定位置の状態へと駆動させ」る場合には」「第2液晶表示装置37を」「メイン液晶中央部縦配置(上方)である「第3形態」とした状態」に駆動し、「第1装飾装置33aの装飾装置1-1を、移動位置(x2、y2)のサブ指定位置1の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bの装飾装置1-2を移動位置(x3、y3)」サブ指定位置2の状態へと駆動させ」る場合には「第2液晶表示装置37を」「メイン液晶中央部横配置(上方)である「第2形態」とした状態」に駆動する、ことが記載されているといえる。 (ク)上記【0041】には「飾り部材7の略中央部分には、LCD(LiquidCrystal Display)等によって構成される第1液晶表示装置31(以下、「メイン液晶」とも称する)が設けられており・・・第1液晶表示装置31の上方には、仮面の形からなる第1装飾装置33a(便宜上、以下では「装飾装置1」とも称することがある)が設けられている。」との、上記【0043】には「第1液晶表示装置31の下方には第1液晶表示装置31に比べて小さいサイズの第2液晶表示装置37(33c)(以下、「サブ液晶」とも称する)が設けられている。さらに、第1液晶表示装置31の左右には遊技媒体の経路の背面であって第1液晶表示装置31の上面に図1および図2では視認することができないものの第2装飾装置33bがそれぞれ設けられている。・・・第1液晶表示装置31の左側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-1」と称し、第1液晶表示装置31の右側に設けられた装飾装置2を特に「装飾装置2-2」と称する」との記載があり、上記【0344】?【0346】には、第2液晶表示装置37の第1形態?第3形態の説明として「図29(a)では、第2液晶表示装置37の初期状態として第1液晶表示装置31の下方に横向き配置した形態である第1の形態(第1形態)を示している。・・・次に、図29(b)では、第2液晶表示装置37を図29(a)に示すような横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇させた第2の形態(第2形態)を示している。・・・そして、図29(c)では、図29(b)に示す第2形態である、第1液晶表示装置31の中央部に横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)を示している。」なる記載がある。 さらに、上記【0358】には、「図30(a)では、第1装飾装置33a(装飾装置種別が「装飾装置1-1」)が、「移動位置(x1、y1)」のメイン指定位置にあり、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-1」である装飾装置を「移動位置(a1、b1)」の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置2-2」である装飾装置を「移動位置(a2、b2)」の左移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部縦配置(上方)である「第3形態」とした状態を示している。」なる記載がある。 そうすると、先願明細書等には、第2液晶表示装置37が「第1液晶表示装置31の中央部に横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)」に駆動される場合には、「第1液晶表示装置31の左側に設けられた」「第2装飾装置33b」の「装飾装置2-1」を「移動位置(a1、b1)」の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、」「第1液晶表示装置31の右側に設けられた」「第2装飾装置33b」の「装飾装置2-2」を「「移動位置(a2、b2)」の左移動後指定位置の状態へと駆動させ」(上記【0043】【0344】?【0346】、【0358】)、該駆動の結果、「第3形態となった第2液晶表示装置37の左側に視認可能な「装飾装置2-1」が、右側に視認可能な「装飾装置2-2」が、それぞれ正面視でほぼ接する程度に近接する」(上記1.(F2))ることが記載されているといえる。 また、上記【0361】には「第1装飾装置33aであって装飾装置種別が「装飾装置1-1」である装飾装置を、「移動位置(x2、y2)」のサブ指定位置1の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bであって装飾装置種別が「装飾装置1-2」である装飾装置を、「移動位置(x3、y3)」のサブ指定位置2の状態へと駆動させ、第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部横配置(上方)である「第2形態」とした状態を示している。」なる記載がある。 そうすると、先願明細書等には、第2液晶表示装置37が「第1液晶表示装置31の中央部に上昇させた第2の形態(第2形態)」となる場合には、「第1液晶表示装置31の上方に」「設けられ」た「第1装飾装置33a(装飾装置種別が「装飾装置1-1」)が(上記【0041】、【0344】?【0346】、【0361】)、「第1液晶表示装置31の上方の「メイン指定位置」に比べて下方の「サブ指定位置1」に移動」(上記1.(F4))すること、が記載されているといえる。 (ケ)上記【0346】には、「図29(c)では、図29(b)に示す第2形態である、第1液晶表示装置31の中央部に横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)」とすることが記載されている。(以下「記載事項ケ-1」という。) また、上記【0345】には、「図29(b)では、第2液晶表示装置37を図29(a)に示すような横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇させた第2の形態(第2形態)」とすることが記載されている。(以下「記載事項ケー2」という。) また、先願明細書等を通じ第2液晶表示装置37が表裏反転する(画像表示面が裏側になる)などして視認不能となることについては、そのように機能し得る機構についても含め、何らの言及もないこと、および、上記1.(F1)から、図29(a)?(c)に示される第1態様から第3態様への駆動を通じ「第2液晶表示装置37は同じ面が正面視で視認されていることがみてとれ」、該視認可能な面が第2液晶表示装置37の画像表示面であることが明らかことから、該第2液晶表示装置37に表示されている画像は、該第2液晶表示装置37に前記記載事項ケー1・ケー2の駆動演出が行われる期間について、視認可能な状態が維持されていることが明らかであるといえる。 また、前記第2液晶表示装置37を駆動するのが演出用駆動装置33であることは上記(オ)のとおりである。 そうすると、先願明細書等には、演出用駆動装置33が第2液晶表示装置37を直角回転させて第3形態とする演出と(記載事項ケー1)、第2液晶表示装置37を横向き位置から第1液晶表示装置の中央部に上昇させて第2形態とする演出と(記載事項ケー2)が実行可能で、該各演出において前記第2液晶表示装置37の画像表示面は視認可能である、ことが記載されているといえる。 (コ)上記【0107】?【0112】には、「「遊技状態バッファ」とは、大当たり当選時の遊技状態を示す情報である。そして、遊技状態は、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。・・・図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルでは、同じ特別図柄の種類であっても、遊技状態バッファに記憶された情報に基づいて、時短遊技フラグの設定や時短回数(J)を異ならせることを可能にしている。具体的には、特別図柄の種類が特別図柄3(停止図柄データ03、第1確変大当たり「3」に対応)の場合には、・・・時短遊技フラグ及び時短回数(J)に関しては、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されていない遊技状態を示す情報(「00H」または「01H」)が記憶されていれば、大当たり終了後には時短遊技フラグの設定は行わず、時短回数(J)も「0回」に設定する。これに対して、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されている遊技状態を示す情報(「02H」または「03H」)が記憶されていれば、大当たり遊技終了後には時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)を「10000回」に設定する。これにより、大当たり当選時の遊技状態によって時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態に対する興味を遊技者に持たせることができる。」との記載がある。(以下「記載事項コー1」という。) また、上記【0139】?【0140】には「図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが特定される。」との記載がある。(以下「記載事項コー2」という。) また、上記【0156】?【0160】には、「変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターン指定コマンドを特定する際に用いるテーブルの一例を図11に示している。・・・演出制御基板120は、図11に示すような演出パターン決定テーブル等を用いて演出パターン指定コマンドを作成してランプ制御基板140や画像制御基板150へと送出する。」との記載がある。(以下「記載事項コー3」という。) また、上記【0306】?【0318】には、「演出パターン指定コマンド「A1H05H」を演出制御基板120から受信したランプ制御基板140では、図15に示すような連動情報テーブルを用いて、第1装飾装置連動情報および第2装飾装置連動情報およびサブ液晶連動情報における詳細情報を特定する処理を行い、この詳細情報に基づく情報を演出用駆動装置33に送信する処理を行う。・・・ランプ制御基板140は、第2液晶表示装置37を駆動するために「第2液晶表示装置(サブ液晶)を第3形態へと形態変更する」というサブ液晶連動情報を演出用駆動装置33に送信する。・・・図30(a)には、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって作成した駆動指示情報に基づいて、演出用駆動装置33が、第1装飾装置33aおよび第2装飾装置33bを駆動することによって移動させた状態を示し、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって特定したサブ液晶連動情報に基づいて、演出用駆動装置33が、第2液晶表示装置37を駆動させた状態を示している。」と記載されている。(以下「記載事項コー4」という。) また、上記【0326】?【0336】には、「演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H06H」を受信すると、ランプ制御基板140では、上述するように、第1装飾装置連動情報および第2装飾装置連動情報およびサブ液晶連動情報における詳細情報を特定する処理を行う。まず、第1装飾装置連動情報として、図15に示す連動情報テーブルから「装飾装置種別」項目の値として、「装飾装置1」が構成する「装飾装置1-1」および「装飾装置1-2」を特定する。・・・ランプ制御基板140は、第1装飾装置33aを構成する「装飾装置1-1」および「装飾装置1-2」を動作するために、「装飾装置1-1によって識別される装飾装置をサブ指定位置1である移動位置(x2、y2)へと移動させるとともに、装飾装置1-2によって識別される装飾装置をサブ指定位置2である移動位置(x3、y3)へと移動させ、この位置において動作003で識別される動作を行う」という情報を含む駆動指示情報(第1駆動指示情報)を作成し、演出用駆動装置33に送信する。・・・そして、サブ液晶連動情報として、図15に示す連動情報テーブルから「駆動後形態」項目の値として「第2形態」を特定する。この第2形態は、「形態説明」の項目によって示される「メイン液晶中央部横配置(上方)」であることを示している。図30(b)には、ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H06H」を受信したことで作成した駆動指示情報に基づいて、演出用駆動装置33が第1装飾装置33aおよび第2液晶表示装置37を駆動させた状態を示している。」と記載されている。(以下「記載事項コー5」という。) 一方、図7、10、11、15には、前記記載事項コー4・コー5で例示される、「演出パターン指定コマンド」が「A1H05H」及び「A1H06H」である各場合について、前記記載事項コー1?コー5をもとに図15から図7へと逆に辿ると、上記1.(F5)で認定したとおり、「サブ液晶すなわち第2液晶表示装置37が「第3形態」に駆動される演出は、図15の「連動情報テーブル」によれば演出内容が「リーチ演出C」、演出パターン指定コマンドが「A1H05H」の場合に対応し、この場合を図11の「演出パターン決定テーブル」でみると、変動パターン指定コマンドが「E6H03H」の場合に対応し、この場合を図10の「特別図柄の変動パターンテーブル」でみると、当落が「大当たり」で特別図柄(停止図柄)が「特別図柄1(第1確変大当たり1)」の場合のうちの特図変動用乱数値が90?99の場合に対応し、この「特別図柄1(第1確変大当たり)」の場合を図7の「大当たり遊技終了時設定データテーブル」でみると、無条件に「時短遊技状態」が設定されることが示されている。 一方、サブ液晶すなわち第2液晶表示装置37が「第2形態」に駆動される演出は、図15の「連動情報テーブル」によれば演出内容が「チャンス演出」、演出パターン指定コマンドが「A1H06H」の場合に対応し、この場合を図11の「演出パターン決定テーブル」でみると、変動パターン指定コマンドが「E6H04H」の場合に対応し、この場合を図10の「特別図柄の変動パターンテーブル」でみると、当落が「大当たり」で特別図柄(停止図柄)が「特別図柄2,3(第1確変大当たり2,3)」の場合のうちの特図変動用乱数値が90?99の場合に対応し、この「特別図柄2,3(第1確変大当たり2,3)」の場合を図7の「大当たり遊技終了時設定データテーブル」でみると、そのうち「特別図柄2」の場合には無条件に「時短遊技状態」が選択され、「特別図柄3」の場合には、上記【0107】で「大当たり当選時の遊技状態を示す情報」と説明される「遊技状態バッファ」の情報に応じて、「時短遊技状態」が、該当選時の遊技状態が時短状態でなければ「非時短遊技状態」に、該当選時が時短状態であれば「時短遊技状態」に設定されることが示されている。 ここで、図10の「特別図柄の変動パターン決定テーブル」では、「特別図柄」が「特別図柄1」となる場合において特図変動用乱数値によりその一部の場合についてのみ変動パターン指定コマンドが変動内容「リーチC」に対応する「E6H03H」に設定されるが、逆に、変動パターン指定コマンドが「E6H03H」の場合のすべては特別図柄の判定結果が「特別図柄1」である場合に該当するから、変動パターン指定コマンドが「E6H03H」の場合には無条件に「時短遊技状態」が設定されるといえる。(以下「記載事項コー6」という。) そうすると、演出パターン指定コマンドが「A1H05H」の場合には無条件に(100%)「時短遊技状態」が設定されるのに対し、演出パターン指定コマンドが「A1H06H」の場合には、大当たり当選時の遊技状態に応じて非時短遊技状態となる場合が存在するため、無条件に(100%)時短遊技状態とはならず、時短遊技状態となる確率が100%未満であるといえる。(以下「認定事項コー7」という。) 上記記載事項コー4・コー5から、演出パターン指定コマンドが「A1H05H」の場合が第2液晶表示装置37が「第3形態」となる場合に、演出パターン指定コマンドが「A1H06H」の場合が第2液晶表示装置37が「第2形態」となる場合に該当し、前記「第3形態」となる場合は上記記載事項ケー1のとおり第2液晶表示装置37が「横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置と」する演出であり、前記「第2形態」となる場合は上記記載事項ケー2のとおり第2液晶表示装置37が「横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇させ」る演出である。 このことと、前記記載事項コー6、認定事項コー7とから、先願明細書等には、「演出パターン指定コマンドが「A1H05H」の場合」に該当する「第2液晶表示装置37が「横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置と」なって「第3形態」となる演出の場合には、100%時短遊技状態が設定されるにに対し、「演出パターン指定コマンドが「A1H06H」の場合」に該当する「第2液晶表示装置37が横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇」して「第2形態」となる演出の場合には、時短遊技状態となる確率が100%未満である。」ことが記載されているといえる。 3.上記1.の各記載事項、上記2.の各認定事項から、先願明細書等には次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる(a?kは、本件発明の構成A?Kに対応させて付与した。)。 「a 遊技媒体を用いた遊技を提供し、時短遊技状態が、遊技球が入賞した始動口の種別と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて制御される遊技機であって、(2.(ア)) b 遊技の進行に応じた画像を表示する第1液晶表示装置31と、(2.(イ)) c ランプ制御基板140が演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信したことによって、第2形態である、第1液晶表示装置31の前面側中央部に第2液晶表示装置37が横向き配置された状態から、左右いずれかの方向に直角回転させて、該横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)へと、第1液晶表示装置31の前面側で駆動され、演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信した画像制御基板150が画像制御基板150からの指示により図12に示すようなアニメーション情報決定テーブルを用いて決定したアニメーション情報に基づく演出画像を表示演出画像を描画して前記第1液晶表示装置31と共に表示する第2液晶表示装置37と、(2.(ウ)) d 前記第2液晶表示装置37の近傍で上下方向に移動することが可能な第1装飾装置33a、ならびに、装飾装置2-1・2-2の2要素からなり、それぞれが第2液晶表示装置37の近傍で左右方向に移動可能な第2装飾装置33bと、(2.(エ)) e 前記第2液晶表示装置37ならびに前記第1装飾装置33aおよび前記第2装飾装置33bを駆動する演出用駆動装置33と、を備え、(2.(オ)) f 演出パターン指定コマンド「A1H05H」に基づく演出が成立することで、前記演出用駆動装置33が、前記第1装飾装置33aおよび前記第2装飾装置33bを駆動し、前記演出用駆動装置33が、前記第2液晶表示装置37を駆動することによって「第3形態」の状態とし、前記第1液晶表示装置31に表示した演出画像と、前記第2液晶表示装置37に表示した演出画像と、前記第1装飾装置33aと、前記第2装飾装置33bと、前記第2液晶表示装置37とが連動した演出が行われ、(2.(カ)) g 前記第1装飾装置33aの装飾装置1-1が移動位置(x1、y1)のメイン指定位置にあり、前記第2装飾装置33bの装飾装置2-1を移動位置(a1、b1)の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bの装飾装置2-2を移動位置(a2、b2)の左移動後指定位置の状態へと駆動させる場合には、前記第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部縦配置(上方)である「第3形態」とした状態に駆動し、 前記第1装飾装置33aの装飾装置1-1を移動位置(x2、y2)のサブ指定位置1の状態へと駆動させ、前記第2装飾装置33bの装飾装置1-2を移動位置(x3、y3)のサブ指定位置2の状態へと駆動させる場合には前記第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部横配置(上方)である「第2形態」とした状態に駆動させ、(2.(キ)) h 前記第2液晶表示装置37が前記第1液晶表示装置31の中央部に横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、前記第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)」に駆動される場合には、前記第1液晶表示装置31の左側に設けられた前記第2装飾装置33bの前記装飾装置2-1を「移動位置(a1、b1)」の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、前記第1液晶表示装置31の右側に設けられた前記第2装飾装置33bの前記装飾装置2-2を「移動位置(a2、b2)」の左移動後指定位置の状態へと駆動させ、 前記第2液晶表示装置37が前記第1液晶表示装置31の中央部に上昇させた第2の形態(第2形態)」となる場合には、前記第1液晶表示装置31の上方に設けられた前記第1装飾装置33aの装飾装置1-1が前記第1液晶表示装置31の上方のメイン指定位置に比べて下方のサブ指定位置1に移動し、(2.(ク)) i 演出用駆動装置33が前記第2液晶表示装置37を直角回転させて第3形態とする演出と、前記第2液晶表示装置37を横向き位置から第1液晶表示装置の中央部に上昇させて第2形態とする演出とが実行可能で、該各演出において前記第2液晶表示装置37の画像表示面は視認可能であり、(2.(ケ)) j 前記演出パターン指定コマンドが「A1H05H」の場合に該当する、前記第2液晶表示装置37が横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、前記第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置となって「第3形態」となる演出の場合には、100%時短遊技状態が設定されるにに対し、前記演出パターン指定コマンドが「A1H06H」の場合に該当する前記第2液晶表示装置37が横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇して「第2形態」となる演出の場合には、時短遊技状態となる確率が100%未満である、(2.(コ)) k 遊技機。(2.(ア))」 第5.当審の判断 1.対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。対比の見出しとしての(a)?(k)は洗顔発明の分説構成と対応させた。 (a)先願発明の構成aの「遊技媒体を用いた遊技」、「遊技球が入賞した始動口の種別と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等」、「時短遊技状態」はそれぞれ、本件発明の構成Aの「所定の遊技」、「遊技結果」、「遊技者にとって有利な有利状態」に相当する。 (b)先願発明の構成bの「第1液晶表示装置31」は本件発明の構成Bの「第1表示手段」に相当する。 (c)先願発明の構成cの「第1液晶表示装置31の前面側中央部」、「第2液晶表示手段」「第2液晶表示装置37が横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、該横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させ」ること、はそれぞれ、本件発明の構成Cの「第1表示手段の前面側」、「第2表示手段」、「動作可能」であること、に相当する。 また、先願発明の構成cの第2液晶表示装置37が「演出制御基板120から演出パターン指定コマンド「A1H05H」を受信した画像制御基板150が画像制御基板150からの指示により図12に示すようなアニメーション情報決定テーブルを用いて決定したアニメーション情報に基づく演出画像を表示演出画像を描画して前記第1液晶表示装置31と共に表示する」ことは、第1・第2各液晶表示装置に対し共通のアニメーション情報に基づく演出画像が表示されることであるから、本件発明の構成Cの第2表示手段が「該第1表示手段に表示される画像と関連した画像が表示」することに相当する。 (d)先願発明の構成dの「第1装飾装置33a」及び「装飾装置2-1・2-2の2要素からなり・・・第2装飾装置33b」は本件発明の構成Dの「複数の可動部材」に相当する。 また、先願発明の構成dの前記「第1装飾装置33a」が「前記第2液晶表示装置37の近傍で上下方向に移動することが可能」であること、及び前記「第2装飾装置33b」が「第2液晶表示装置37の近傍で左右方向に移動可能」であることは、本件発明の構成Dの「第2表示手段の近傍で動作可能」に相当する。 (e)先願発明の構成eの「演出用駆動装置33」は、それぞれ本件発明の構成Eの第2表示手段及び複数の可動部材に相当する「前記第2液晶表示装置37ならびに前記第1装飾装置33aおよび前記第2装飾装置33b」を駆動する手段であるから、本件発明の構成Eの「動作制御手段」に相当する。 (f)先願発明の構成fの「演出用駆動装置33が、前記第1装飾装置33aおよび前記第2装飾装置33bを駆動し、前記演出用駆動装置33が、前記第2液晶表示装置37を駆動することによって「第3形態」の状態とし、・・・前記第1装飾装置33aと、前記第2装飾装置33bと、前記第2液晶表示装置37とが連動した演出」を行う点は、本件発明の構成Fの「動作制御手段は・・・前記第2表示手段の動作と前記可動部材の動作とを連動させた連動演出を実行」することに相当する。 また、前記構成fでは、前記演出用駆動装置33による「前記第1装飾装置33aと、前記第2装飾装置33bと、前記第2液晶表示装置37とが連動した演出」がさらに「前記第1液晶表示装置31に表示した演出画像と、前記第2液晶表示装置37に表示した演出画像と」も連動した演出なのであるから、該演出用駆動装置33による前記第1・第2装飾装置及び第2の液晶表示装置37の駆動が行われる時は、前記第2液晶表示装置37にも演出画像が表示されている時であるといえ、これは前記構成Fの「前記第2表示手段に画像が表示されているとき」に相当する。 (g)先願発明の構成gでは、「第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部縦配置(上方)である「第3形態」とした状態に駆動」する場合には「前記第1装飾装置33aの装飾装置1-1が移動位置(x1、y1)のメイン指定位置にあり、前記第2装飾装置33bの装飾装置2-1を移動位置(a1、b1)の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、第2装飾装置33bの装飾装置2-2を移動位置(a2、b2)の左移動後指定位置の状態へと駆動させ」、「前記第2液晶表示装置37をメイン液晶中央部横配置(上方)である「第2形態」とした状態に駆動」する場合には「前記第1装飾装置33aの装飾装置1-1を移動位置(x2、y2)のサブ指定位置1の状態へと駆動させ、前記第2装飾装置33bの装飾装置1-2を移動位置(x3、y3)のサブ指定位置2の状態へと駆動」するのであるから、第2液晶表示装置37の動作が第2態様か第3態様かに応じて第1・第2装飾装置の動作が相違しているといえる。そして、該第2態様及び第3態様は、メイン液晶中央部横配置(上方)へと駆動する動作であるか、メイン液晶中央部縦配置とする動作であるかの点で相違するから、該両態様は本件発明の構成Gの「異なる動作」に相当する。 よって、先願発明の構成gは、本件発明の構成G「前記第2表示手段は、前記連動演出においていずれの前記可動部材が動作するかに応じて異なる動作をし、」に相当する。 (h)先願発明の構成hの「第1装飾装置33aの装飾装置1-1」、「第2装飾装置33bの装飾装置2-1」と「第2装飾装置33bの装飾装置2-2」はそれぞれ本件発明の構成Hの「第1の可動部材」、「第2可動部材」に相当する。 また、前記構成hの、「第2液晶表示装置37」が「前記第1液晶表示装置31の中央部に横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、前記第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置とし、若干上方に移動させた第3の形態(第3形態)」、「前記第1液晶表示装置31の中央部に上昇させた第2の形態(第2形態)」」は何れも、前記第2液晶表示装置37が前記第1液晶表示装置31の中央部にある状態であるから、「前記第1液晶表示装置31の左側に設けられた前記第2装飾装置33bの前記装飾装置2-1を「移動位置(a1、b1)」の右移動後指定位置の状態へと駆動させ、前記第1液晶表示装置31の右側に設けられた前記第2装飾装置33bの前記装飾装置2-2を「移動位置(a2、b2)」の左移動後指定位置の状態へと駆動させ」る動作(以下「動作1」という。)も、「前記第1液晶表示装置31の上方に設けられた前記第1装飾装置33aの装飾装置1-1が前記第1液晶表示装置31の上方のメイン指定位置に比べて下方のサブ指定位置1に移動」する動作(以下「動作2」という。)も、該各動作で動作する装飾装置と第2液晶表示装置37との距離が近くなる動作であるといえる。 よって、前記構成hの前記動作1及び動作2を行うことは何れも、本件発明の構成Hの「前記第2表示手段との距離が近くなるように動作」することに相当する。 (i)先願発明の構成iの「前記第2液晶表示装置37の画像表示面は視認可能」であることは本件発明の構成Iの「視認可能な状態を維持したまま」に相当する。 また、前記構成iの「駆動用制御装置33」が前記構成Iの「動作制御手段」に相当することは上記(e)のとおりである。 また、前記構成iの「前記第2液晶表示装置37を直角回転させて第3形態とする演出」「前記第2液晶表示装置37を横向き位置から第1液晶表示装置の中央部に上昇させて第2形態とする演出」は、何れも前記のとおり「該各演出において前記第2液晶表示装置37の画像表示面は視認可能」なのであるから、それぞれ前記構成Iの「前記第2表示手段に表示されている画像が遊技機の前面側から視認可能な状態を維持したまま回転させる回転動作演出」、「前記第2表示手段を前記第1表示手段に向かって平行移動させる平行動作演出」に相当する。 (j)先願発明の構成jの「第3形態」は「横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転」する動作演出であるから本件発明の構成Jの「回転動作演出」に、前記構成jの「第2形態」は「横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇」する動作演出であるから前記構成Jの「平行動作演出」に、それぞれ相当する。 また、「前記第2液晶表示装置37・・・「第3形態」となる演出の場合には、100%時短遊技状態が設定されるにに対し、・・・前記第2液晶表示装置37が・・・「第2形態」となる演出の場合には、時短遊技状態となる確率が100%未満である」こと(以下「構成j1」という。)は、本件発明の「第2表示手段」に相当する第2液晶表示装置37が第3形態、すなわち回転動作演出である場合と、第2形態、すなわち平行動作演出である場合とで「時短遊技状態」に制御される確率が相違することであり、該「時短遊技状態」が前記構成Jの「有利状態」に相当することは上記(a)のとおりである。 よって、前記構成jの「前記演出パターン指定コマンドが「A1H05H」の場合に該当する、前記第2液晶表示装置37が横向き配置された状態から左右いずれかの方向に直角回転させて、前記第2液晶表示装置37の横向き配置から縦向き配置となって「第3形態」となる演出の場合には、100%時短遊技状態が設定されるにに対し、前記演出パターン指定コマンドが「A1H06H」の場合に該当する前記第2液晶表示装置37が横向き配置にある第1形態から第1液晶表示装置31の中央部に上昇して「第2形態」となる演出の場合には、時短遊技状態となる確率が100%未満である」ことは、前記構成Jの「前記回転動作演出が実行されるときと、前記平行動作演出が実行されるときと、で前記有利状態に制御される割合が異なる」ことに相当するといえる。 2.一致点・相違点・判断 前項1.から、本件発明と先願発明とは、 「A 所定の遊技を行い、遊技結果に基づいて遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 前記所定の遊技の進行に対応した画像が表示される第1表示手段と、 C 前記第1表示手段の前面側で動作可能に設けられ、該第1表示手段に表示される画像と関連した画像が表示される第2表示手段と、 D 前記第2表示手段の近傍で動作可能に設けられた複数の可動部材と、 E 前記第2表示手段及び前記可動部材を動作させる動作制御手段と、を備え、 F 前記動作制御手段は、前記第2表示手段に画像が表示されているときに、前記第2表示手段の動作と前記可動部材の動作とを連動させた連動演出を実行し、 G 前記第2表示手段は、前記連動演出においていずれの前記可動部材が動作するかに応じて異なる動作をし、 H 複数の前記可動部材のうち少なくとも第1の可動部材と第2可動部材とが、前記第2表示手段との距離が近くなるように動作し、 I 前記動作制御手段は、前記第2表示手段に表示されている画像が遊技機の前面側から視認可能な状態を維持したまま回転させる回転動作演出と、前記第2表示手段を前記第1表示手段に向かって平行移動させる平行動作演出と、を実行可能であり、 J 前記回転動作演出が実行されるときと、前記平行動作演出が実行されるときと、で前記有利状態に制御される割合が異なる K ことを特徴とする遊技機。」 である点で一致し、両者の間に相違点はない。 よって、本件発明は先願発明と同一であり、また、差異があったとしても、課題解決のための具体化手段における微差であり、実質的に同一である。 3.請求人は平成29年7月6日付けで提出された意見書において、 「補正後の請求項1に係る発明は、「前記動作制御手段は、前記第2表示手段に表示されている画像が遊技機の前面側から視認可能な状態を維持したまま回転させる回転動作演出と、前記第2表示手段を前記第1表示手段に向かって平行移動させる平行動作演出と、を実行可能であり、前記回転動作演出が実行されるときと、前記平行動作演出が実行されるときと、で前記有利状態に制御される割合が異なる」ことを特徴とします。 このような特徴は、先願1の明細書等に記載されていません。」 と主張し、またその有利な効果の存在についても主張している。 該主張は、同日付で提出された手続補正書により請求項1に加入された上記構成Jについてのものであるが、該構成Jに相当する事項は、上記第4.2.(コ)および第5.1.(j)に記載したとおり、先願明細書等に記載があるから、前記主張は採用することができない。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明の発明者と同一であるとも、また、本願の出願時に、その出願人が先願発明の出願人と同一であるとも認められないので,特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-10-06 |
結審通知日 | 2017-10-10 |
審決日 | 2017-10-23 |
出願番号 | 特願2013-99575(P2013-99575) |
審決分類 |
P
1
8・
161-
WZ
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山本 一、田畑 覚士 |
特許庁審判長 |
服部 和男 |
特許庁審判官 |
樋口 宗彦 藤田 年彦 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 木村 満 |