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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21V
管理番号 1336064
審判番号 不服2016-15013  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-06 
確定日 2018-01-04 
事件の表示 特願2013-502627号「軽量ヒートシンク及びこれを使用するLEDランプ」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月 6日国際公開、WO2011/123267、平成25年 6月17日国内公表、特表2013-524441号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2011年3月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年4月2日 米国、2010年12月28日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
平成24年12月 5日 手続補正書の提出
平成26年12月 4日付け 拒絶理由通知
平成27年 4月 8日 意見書、手続補正書の提出
6月26日付け 拒絶理由通知
平成28年 1月 4日 意見書、手続補正書の提出
5月31日付け 拒絶査定
10月 6日 審判請求書の提出
11月16日 手続補正書の提出
(審判請求書の請求の理由を補充)

2.本願発明
本願の請求項1?11に係る発明は、平成28年1月4日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】
ヒートシンクを備えた発光ダイオード(LED)ベースのランプであって、
ヒートシンク本体及び熱放射フィンを含み、前記熱放射フィンは前記ヒートシンク本体に取り付けられた第1の縁と、前記ヒートシンク本体から離れた第2の縁と、前記第1の縁と前記第2の縁との間に延びる側面とを有し、前記ヒートシンク本体及び前記熱放射フィンはプラスチック製であり、
前記熱放射フィンの少なくとも前記側面の上に配置された熱伝導層と、を含み、前記熱伝導層は前記第1の縁と前記第2の縁との間に延びており、
前記ヒートシンク本体は、いずれの金属又は導電性の充填材料も含まないことを特徴とするランプ。」

3.引用文献
(1)引用文献1に記載の事項及び引用発明
原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2010-56059号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【請求項1】
複数のLEDが面実装されたLEDモジュールと;
前記LEDモジュールが取り付けられ複数の放熱フィンから前記LEDから発生する熱を放熱する放熱部と;
前記LEDモジュールを覆って前記LEDからの放射光を外部に出射するグローブと;
前記放熱部の前記グローブの反対側に設けられ内部に中空部を有する口金と;
この口金の中空部に内蔵され前記LEDを点灯する点灯回路と;
を備えていることを特徴とするLED電球。
【請求項2】
前記LEDモジュールは、前記放熱部の前記グローブ側に前記放熱部の表面に接触して設けられ、前記放熱部には少なくとも前記LEDモジュールから前記点灯回路に接続される配線が通る程度の大きさの配線通孔部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のLED電球。
【請求項3】
前記放熱フィンが放熱部の中心から外側に向かって放射状に延在するように形成されていて、前記放熱部の放熱フィンと隣接する部分の形状が放熱部の中心に向かうに従って口金側に突出する凸形状を有していることを特徴とする請求項1記載のLED電球。
・・・」

「【0001】
本発明は、LEDからの放射光を外部に出射するLED電球及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
光源であるLEDモジュールをグローブで覆って外観を白熱電球形状に形成したLED電球が知られている。LEDは、温度が上昇するに従い光出力の低下とともに寿命も短くなることから、LEDを光源とするランプでは、LEDの温度上昇を抑制することが求められている。」

「【0033】
図1は本発明の第1の実施の形態に係わるLED電球の正面図である。図1では左半分を断面したものを示している。複数のLEDが面実装されたLEDモジュール11は、放熱部12の放熱板13に接触して取り付けられている。・・・
【0034】
放熱部12は、前述したように放熱板13にLEDモジュール11が取り付けられ、側面部に複数の放熱フィン18が放熱部12の中心から外側に向けて放射状に延在するように設けられている。LEDモジュール11のLEDから発生する熱は放熱板13を通って複数の放熱フィン18に伝熱され、複数の放熱フィン18から放熱される。」

「【0037】
放熱部12は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などの金属またはその合金からなり、放熱板13と放熱フィン18とは一体形成されているか、または熱伝導可能に相互に接続されている。・・・
【0038】
また、放熱部12の配線通孔部24は放熱板13の中央部に形成され、その配線通孔部24にLEDモジュール11の配線21を通し、口金16の中空部23に配置された点灯回路17に接続するようになっている。放熱部12の配線通孔部24は、口金16の中空部23に点灯回路17を配置したことに伴い、LEDモジュール11と点灯回路17とを接続する配線21が通る程度の大きさとしている。・・・
【0039】
従って、LEDモジュール11と放熱部12の放熱板13との接触面積が大きくなり放熱効率が向上するとともに、放熱フィン18の大きさも大きくできるので、さらに放熱効率を向上させることができる。
【0040】
また、LEDモジュール11のLEDから発生する熱は、LEDモジュール11の中央部に集中することから、従来のように、放熱部12の配線通孔部24が比較的大きい場合には、最もLEDから発生する熱が集中するLEDモジュール11の中央部が放熱部12の配線通孔部24に位置することになり、放熱効率の悪いものであったが、本発明の第1の実施の形態では、放熱部12の配線通孔部24をLEDモジュール11と点灯回路17とを接続する配線21が通る程度の大きさとしているので、放熱部12の配線通孔部24が小さいので放熱効率を向上できる。」

「【0044】
図3は本発明の第2の実施の形態に係わるLED電球の正面図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、放熱部12及び絶縁部15の形状が異なっている。すなわち、LEDモジュール11が接続・支持されている放熱部12の放熱板13を形成する支持部25の外側形状が中心に向かうに従って口金方向に次第に突出するような鍋蓋(または鍋底)形状なすように構成されている。一方、絶縁部15は、その上面側形状が中心に向かうに従って次第にグローブ側に突出するような鍋蓋(または鍋底)形状をなすように形成されている。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0045】
より具体的には、放熱部12の支持部25の外周面は、放熱フィン18との境界部分が円弧形状をなすように略半球形状に形成されている。支持部25は、放熱部12のグローブ14側から見た場合には口金16側の方向に中央部が次第に突出するような略錐体状の形状である。
【0046】
絶縁部15の上面形状は放熱フィン18との境界部分が円弧形状をなすようの略半球形状に形成されており、放熱部12の口金16側(絶縁部15側)から見た場合にはグローブ14方向に中央部が次第に突出するような略錐体状の形状である。
【0047】
図4は本発明の第2の実施の形態に係わるLED電球の断面図である。放熱部12のグローブ14側の支持部25には、LEDモジュール11の配線21を通すための配線溝33が形成され、図1に示した第1の実施の形態と同様に、放熱部12の中央部に形成された配線通孔部24にLEDモジュール11の配線21を通し、口金16の中空部23に配置された点灯回路17に接続するようになっている。
【0048】
放熱部12の中心軸には配線通孔部24を内部に形成した中空柱状の配線管部24aが設けられており、この配線管部24aから放熱フィン18が基端部18aを介して放射状に延在している。
・・・
【0051】
そして、複数のLEDが面実装されたLEDモジュール11は、放熱部12の支持部25の内側に形成された放熱板の表面に接触して取り付けられ、第1の実施の形態における放熱板13を放熱部12に一体形成したものと同様の構成となっている。LEDモジュール11のLEDから発生した熱は、放熱部12の支持部25から複数の放熱フィン18に伝熱され、複数の放熱フィン18から放熱される。」

以上のア?オの記載事項及び【図1】、【図3】、【図4】の記載からみて、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明〕
「複数のLEDが面実装されたLEDモジュール11と;
前記LEDモジュール11が取り付けられ複数の放熱フィン18から前記LEDから発生する熱を放熱する放熱部12と;
を備えたLED電球であって、
放熱部12は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などの金属またはその合金からなり、放熱板13と放熱フィン18とは一体形成されているか、または熱伝導可能に相互に接続されており、
前記放熱フィン18が放熱部12の中心から外側に向かって放射状に延在するように形成されている、LED電球。」

(2)引用文献2に記載の事項
原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2001-108773号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は携帯情報機器のCPU等の放熱に好適なヒートシンク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ノートパソコンやPDAと呼ばれる携帯情報機器が普及してきている。これらの携帯情報機器には、CPU等のように、使用により高温になる部品が組み込まれている。前記CPU等は、一般的に温度が高くなりすぎると誤動作を生じ易くなり、最悪の場合壊れることもある。しかも、CPU等は処理速度を高くすると発熱量が増大する傾向にある。そのため、常に高い処理能力が求められている携帯情報機器においては、CPU等の冷却をどのようにするか重要であった。
【0003】従来、デスクトップパソコン等に対しては、CPU等に装着する簡易な冷却装置として、図10に示すようなヒートシンク50が知られている。このヒートシンク50は、鋳造や研削等で作製された金属製品からなるもので、金属製基板51とその上面に形成された多数の放冷用金属製フィン52とからなり、前記基板51をCPU等の表面に密着させて使用される。このヒートシンク50にあっては、電源を必要としない利点があり、AC電源の使用に制約がある携帯情報機器には好適なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の金属製ヒートシンクを、コンパクトな携帯情報機器に使用しようとすると、サイズを小さくしなければならず、鋳造や、研削等では、正確かつ容易に製造することができなかった。しかも、従来の金属製ヒートシンクは重いため、携帯情報機器の軽量性を損なう問題がある。
【0005】この発明は、上記の点に鑑みなされたもので、軽量性に優れ、サイズを小さくしても正確かつ容易に製造できるヒートシンク及びその製造方法を提供する。」

「【0013】図1に示すヒートシンク10は、図2ないし図4に示すヒートシンク本体11とその表面に形成された金属めっき皮膜21とよりなり、特に携帯情報機器のような小型の機器における放熱用に好適なものである。
【0014】ヒートシンク本体11は、プラスチック製基板12とプラスチック製フィン15とで構成され、プラスチック製のため軽量性に優れている。基板12は、CPU等の対象物品にヒートシンク10を取付ける際に、対象部品に密着して固定される部分であって、取付け対象物品に応じた大きさに形成されている。この基板12は、前記取付けの他に放熱及びフィン15の保持のためのもので、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等、適宜のプラスチックで構成され、その表面には複数の孔13が貫通形成されている。基板12の厚みは適宜とされるが、強度、剛性及び加工性、成形性等の点から0.1?3mm程度とされる。
・・・
【0016】フィン15は、空気との接触面積を増して放熱作用を高めるためのもので、前記基板12の片側の表面に立設されている。このフィン15の材質は、適宜のプラスチックとされ、前記基板12と同材質、異材質のいずれでもよいが、基板12に接着する場合における接着剤の選択やめっきの前処理工程の選択が容易となるよう、基板12と同種の材質が好ましい。」

「【0019】金属めっき皮膜21は、前記基板12及びフィン15の全表面と全ての孔13の内周面を覆って一連に形成されている。この金属めっき皮膜21が、一連に形成され、途中で分断していないため、ヒートシンク10表面に優れた熱伝導性を賦与することができる。しかも、前記基板12の孔13内周面にも、金属めっき皮膜21が形成されているため、基板12の取付け側と接触する対象物の熱が孔13を通って基板12のフィン15側表面へ移動する際に、孔13内周面の金属めっき皮膜と接触して速やかに熱がフィン15や基板12全体に伝わり、高い放熱作用が得られる。」

4.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
後者の「放熱部12」は、その機能からみて、前者の「ヒートシンク」に相当する。
前者の「発光ダイオード(LED)ベース」について、本願の明細書には「【0004】 これに対して、発光ダイオード(LED)をベースにしたランプの作動温度は、・・・」、「【0005】 ・・・高電力で作動するLEDベースのランプにおいて、・・・」等々の記載からみて、LEDを光源とすることを意味していると認められる。そうすると、後者の「複数のLEDが面実装されたLEDモジュール11」と「放熱部12」とを備えた「LED電球」は、前者の「ヒートシンクを備えた発光ダイオード(LED)ベースのランプ」に相当する。
後者の「放熱フィン18」は、前者の「熱放射フィン」に相当する。
後者の「放熱フィン18」は「放熱部12の中心から外側に向かって放射状に延在する」ものであるので、後者の「放熱部12の中心」は、前者の「ヒートシンク本体」に相当し、後者の「放熱フィン18」の放熱部12の中心」に接続した部分は、前者の「熱放射フィン」の「ヒートシンク本体に取り付けられた第1の縁」に相当し、後者の「放熱フィン18」の放熱部12の中心から「外側に向かって放射状に延在」した先の部分は、前者の「熱放射フィン」の「ヒートシンク本体から離れた第2の縁」に相当する。
そして、後者の「放熱フィン18」は、薄板状であることは明らかであるので、前者の「第1の縁と前記第2の縁との間に延びる側面とを有し」との事項を備えている。

そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点〕
「ヒートシンクを備えた発光ダイオード(LED)ベースのランプであって、
ヒートシンク本体及び熱放射フィンを含み、前記熱放射フィンは前記ヒートシンク本体に取り付けられた第1の縁と、前記ヒートシンク本体から離れた第2の縁と、前記第1の縁と前記第2の縁との間に延びる側面とを有した、ランプ。」
〔相違点〕
本願発明は、「ヒートシンク本体及び熱放射フィンはプラスチック製であり、熱放射フィンの少なくとも側面の上に配置された熱伝導層と、を含み、熱伝導層は第1の縁と第2の縁との間に延びており、ヒートシンク本体は、いずれの金属又は導電性の充填材料も含まない」との事項を備えているのに対して、引用発明は、「放熱部12は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などの金属またはその合金からなり、放熱板13と放熱フィン18とは一体形成されているか、または熱伝導可能に相互に接続されて」いるものである点。

上記相違点について検討する。
引用文献2には、金属製ヒートシンクに代えて、軽量性に優れたヒートシンクを提供するために(上記「3.(2)カ」参照)、プラスチック製基板12とプラスチック製フィン15とで構成されたヒートシンク本体11の表面に金属めっき皮膜21を形成し(上記「3.(2)キ」参照)、金属めっき皮膜21が、基板12及びフィン15の全表面を覆って一連に形成され、途中で分断していないため、ヒートシンク10表面に優れた熱伝導性を賦与することができる(上記「3.(2)ク」参照)ことが記載されている。
また、引用文献2には、ヒートシンク本体11の基板12は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)等、適宜のプラスチックで構成され、フィン15も基板12と同種の材質が好ましい旨記載されており(上記「3.(2)キ」参照)、金属または導電性の充填材料を含ませないものと認められる。
そうすると、引用文献2には、「金属製ヒートシンクに代えて、軽量性に優れたヒートシンクを提供するために、プラスチック製基板12とプラスチック製フィン15とで構成されたヒートシンク本体11の全表面を覆って一連に金属めっき皮膜21を形成し、ヒートシンク10表面に優れた熱伝導性を賦与すること、及び、ヒートシンク本体11の基板12及びフィン15には金属または導電性の充填材料が含まれないこと」(以下、「引用文献2に記載の技術事項」という。)が記載されているといえる。
本願発明と引用文献2に記載の技術事項とを対比する。
後者の「基板12」「フィン15」が「プラスチック製」であることは、前者の「ヒートシンク本体及び熱放射フィンはプラスチック製」であることに相当する。
後者の「金属めっき皮膜21」は、その機能からみて、前者の「熱伝導層」に相当し、後者の「プラスチック製基板12とプラスチック製フィン15とで構成されたヒートシンク本体11の全表面を覆って一連に」「形成」された「金属めっき皮膜21」は、前者の「熱放射フィンの少なくとも側面の上に配置された熱伝導層」に相当するとともに、前者の「熱伝導層は第1の縁と第2の縁との間に延びており」との事項にも相当する。
後者の「ヒートシンク本体11の基板12及びフィン15には金属または導電性の充填材料が含まれないこと」は、前者の「ヒートシンク本体は、いずれの金属又は導電性の充填材料も含まない」ことに相当する。
そうすると、引用文献2には、相違点に係る本願発明の構成が記載されているといえる。

引用発明の「LED電球」は、白熱電球の代替品として用いられるものであるが(上記「3.(1)イ」参照)、従来の白熱電球用に設計されている器具や天井等の設置箇所に、代替される同サイズの白熱電球に比較して重量のあるLED電球を設置した場合、器具や設置箇所に対して負担が掛かることは明らかであり、また、取り付け時の作業負担、輸送コスト等も併せ考慮すると、LED電球を軽量化することは当業者が容易に想到し得ることといえる。

他方、原査定の拒絶の理由に引用し、本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2008/092635号(5頁8?14行、5頁32行?6頁6行、9頁11?12行参照)には、放熱デバイスと発熱デバイスとからなる熱輸送アセンブリにおいて、発熱デバイス、すなわち放熱の対象を、コンピュータチップなどの電子部品や、LEDを光源とした電球のLEDやそのハウジングとすることが記載されており、コンピュータチップなどの電子部品の放熱とLED電球における放熱とを同等に検討できることは周知の事項といえる。そうすると、前記周知の事項に鑑みれば、「携帯情報機器のCPU等の放熱」(上記「3.(2)カ」参照)に関する技術である引用文献2に記載の技術事項を、LED電球の放熱に適用する動機付けは十分にあるといえる。

そうしてみると、引用発明に、引用文献2に記載の技術事項を適用し、引用発明の銅などの金属またはその合金からなる放熱部12に代えて、引用文献2に記載のプラスチック製基板12とプラスチック製フィン15とで構成された、全表面が金属めっき皮膜21に覆われたヒートシンク本体11を採用し、相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たといえる。

そして、本願発明の奏する作用及び効果を検討しても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項から予測できる程度のものであって格別のものではない。

したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明(本願発明)は、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-07-24 
結審通知日 2017-07-31 
審決日 2017-08-17 
出願番号 特願2013-502627(P2013-502627)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21V)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杉浦 貴之  
特許庁審判長 和田 雄二
特許庁審判官 平田 信勝
一ノ瀬 覚
発明の名称 軽量ヒートシンク及びこれを使用するLEDランプ  
代理人 松下 満  
代理人 渡邊 誠  
代理人 倉澤 伊知郎  
代理人 西島 孝喜  
代理人 弟子丸 健  
代理人 田中 伸一郎  
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