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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A61K 審判 全部申し立て 2項進歩性 A61K 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A61K |
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管理番号 | 1336132 |
異議申立番号 | 異議2017-700227 |
総通号数 | 218 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-02-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-03-06 |
確定日 | 2017-11-08 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5989226号発明「皮膚用ジェル状組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5989226号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。 特許第5989226号の請求項2ないし6に係る特許を維持する。 特許第5989226号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第5989226号の請求項1?6に係る特許についての出願は、平成26年2月10日(優先権主張 平成25年2月28日、平成25年2月28日)を国際出願日として特許出願され、平成28年8月19日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人 吉久 悦子(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされた。そして、平成29年5月31日付けで取消理由が通知され、平成29年8月2日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、これに対して、申立人から平成29年9月26日に意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求は、一群の請求項である請求項1?6について訂正を求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (1) 訂正事項1 請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 請求項2を訂正前の 「前記(B)成分が、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の皮膚用ジェル状組成物。」 から 「(A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、並びに(C)下記(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーを含有し、 前記(B)成分が、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種である皮膚用ジェル状組成物。 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル」 に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項3?6も同様に訂正する)。 (3) 訂正事項3 請求項3に「請求項1又は2」とあるのを、「請求項2」に訂正する。 (4) 訂正事項4 請求項4に「請求項1?3の何れか」とあるのを、「請求項2又は3」に訂正する。 (5) 訂正事項5 請求項5に「請求項1?4の何れか」とあるのを、「請求項2?4の何れか」に訂正する。 (6) 訂正事項6 明細書段落【0008】を訂正前の、 「 即ち、本発明は、 〔1〕(A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、並びに(C)下記(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーを含有する皮膚用ジェル状組成物、 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル 〔2〕前記(B)成分が、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種である前記〔1〕に記載の皮膚用ジェル状組成物、 〔3〕前記(C)成分が、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチル(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸ラウリル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルクロスポリマーである前記〔1〕又は〔2〕に記載の皮膚用ジェル状組成物、 〔4〕前記(B)成分の含有量が0.2?1質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.1?2質量%である前記〔1〕?〔3〕の何れかに記載の皮膚用ジェル状組成物、 〔5〕更に、(D)ペクチンを含有してなる前記〔1〕?〔4〕の何れかに記載の皮膚用ジェル状組成物、並びに 〔6〕前記(D)成分の含有量が0.1?1.5質量%であり、(B)成分と(D)成分の合計量に対する(D)成分の含有量比(D/B+D)が0.1?0.8の範囲である前記〔5〕に記載の皮膚用ジェル状組成物 に関する。」 から 「 即ち、本発明は、 〔2〕(A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、並びに(C)下記(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーを含有し、前記(B)成分が、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種である皮膚用ジェル状組成物、 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル 〔3〕前記(C)成分が、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチル(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸ラウリル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルクロスポリマーである前記〔2〕に記載の皮膚用ジェル状組成物、 〔4〕前記(B)成分の含有量が0.2?1質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.1?2質量%である前記〔2〕又は〔3〕に記載の皮膚用ジェル状組成物、 〔5〕更に、(D)ペクチンを含有してなる前記〔2〕?〔4〕の何れかに記載の皮膚用ジェル状組成物、並びに 〔6〕前記(D)成分の含有量が0.1?1.5質量%であり、(B)成分と(D)成分の合計量に対する(D)成分の含有量比(D/B+D)が0.1?0.8の範囲である前記〔5〕に記載の皮膚用ジェル状組成物 に関する。」 に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2) 訂正事項2について 訂正事項2は、上記訂正事項1による訂正に伴い、削除された請求項1の記載を引用する従属形式の請求項2の記載を、請求項1の記載を引用しない独立形式のものとする、いわゆる、書き下したものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3) 訂正事項3?5について 訂正事項3?5は、請求項3?5それぞれにおいて、上記訂正事項1による訂正に伴い、削除されて存在しなくなった請求項1を引用する不合理を正すものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (4) 訂正事項6について 訂正事項6は、上記訂正事項1?5による訂正によって生じる特許請求の範囲の記載と明細書の記載との不一致を解消して、記載の整合性を図るために明細書の記載を訂正するのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項6は、一群の請求項である請求項1?6を対象として請求されたものである。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項[1?6]について訂正を認める。 第3 本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項2?6に係る発明(以下、「本件発明2」等といい、これらをまとめて「本件発明」ということがある。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項2?6に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 (削除) 【請求項2】 (A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、並びに(C)下記(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーを含有し、 前記(B)成分が、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種である皮膚用ジェル状組成物。 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル 【請求項3】 前記(C)成分が、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチル(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸ラウリル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルクロスポリマーである請求項2に記載の皮膚用ジェル状組成物。 【請求項4】 前記(B)成分の含有量が0.2?1質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.1?2質量%である請求項2又は3に記載の皮膚用ジェル状組成物。 【請求項5】 更に、(D)ペクチンを含有してなる請求項2?4の何れかに記載の皮膚用ジェル状組成物。 【請求項6】 前記(D)成分の含有量が0.1?1.5質量%であり、(B)成分と(D)成分の合計量に対する(D)成分の含有量比(D/B+D)が0.1?0.8の範囲である請求項5に記載の皮膚用ジェル状組成物。」 第4 特許異議の申立てについて 1 申立人による特許異議申立ての理由の概要 申立人は、以下に示す甲第1?5号証を提出して、概要、次のとおり主張している。 (以下、甲第1号証等を「甲1」等という。) [申立理由ア]特許法第29条第1項第3号(同法113条第2号)について ・請求項1、3に係る発明は、甲1に記載された発明である。 ・請求項1、3、4に係る発明は、甲2に記載された発明である。 [申立理由イ]特許法第29条第2項(同法113条第2号)について ・請求項1、3に係る発明は、甲3に記載された発明及び甲2、5の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ・請求項1、3に係る発明は、甲4に記載された発明及び甲2、5の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ・請求項4に係る発明は、甲2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 [申立理由ウ]特許法第36条第6項第1号(同法113条第4号)について 請求項1?6に係る発明は、(A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、及び(C)成分の含有量の特定において、発明の詳細な説明に記載された発明以外の発明も含むものであり、請求項1?6に係る発明は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないものである。 (証拠方法) 甲1:国際公開第2012/177433号 甲2:SEPPIC社 SEPIMAX ZEN 技術資料、第2版 2012年10月26日 甲3:米国特許出願公開第2012/0172457号明細書 甲4:IPCOM000216311D、IP.com、2012年3月29日 甲5:SOFW Journal、136、 2010年12月、p.55-58 2 当審から通知した取消理由の概要 請求項1?6に係る特許に対して平成29年5月31日付けで当審から特許権者に通知した取消理由は、概要、次のとおりである。 [取消理由1]請求項1?6に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、取り消されるべきものである。 具体的には、以下を理由とするものである。 「電解質が存在する環境下であっても容易にジェル化することができ、そのジェル化製剤の安定性に優れた効果を発揮するとともに、使用時において、塗布時の延展性や使用感にも優れる皮膚用ジェル状組成物を提供すること」が本件発明の課題の一つであるところ、 「電解質」、「ノニオン性多糖化合物」及びクロスポリマー濃度において、本件明細書の発明の詳細な説明の記載を、請求項1?6に係る発明の範囲までに拡張または一般化できるとはいえない。 [取消理由2]請求項1に記載の「ノニオン性多糖系化合物」には、どのような化合物まで包含されるのかその範囲が不明瞭であるから、請求項1の記載及び請求項1を直接又は間接的に引用する請求項3?6の記載は、特許を受けようとする発明が明確でない。 したがって、請求項1、3?6に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、取り消されるべきものである。 [取消理由3]請求項1、3に係る発明は、甲1に記載された発明であり、また、請求項1、3、4に係る発明は、甲2に記載された発明である。 したがって、請求項1、3、4に係る特許は、特許法第29条第1項第3号に該当する発明に対してされたものであるから、取り消されるべきものである。 甲1:国際公開第2012/177433号 甲2:SEPPIC社 SEPIMAX ZEN 技術資料、第2版 2012年10月26日 3 甲各号証の記載事項及び甲各号証に記載された発明 (なお、甲1、甲3、甲5は英文、甲4は仏文につき、当審による訳文で記す。) (1)甲1:国際公開第2012/177433号 甲1の請求項90(40頁)には、 「皮膚科学的障害に罹患した被験者に、エマルションを含有する医薬組成物を局所投与する皮膚科学的障害の治療方法であって、前記エマルションは水相及び油相を含み、前記エマルションは、サリチル酸L-アルギニン塩及びアゼライン酸L-アルギニン塩を含み、前記サリチル酸L-アルギニン塩及びアゼライン酸L-アルギニン塩の少なくとも一つは水相に溶解しており、前記エマルションは1種以上のL-アルギニンのアルキルエステルを含有することを特徴とするものである、治療方法。」、 請求項106(42頁)には、 「前記油相が、さらにポリアクリレートクロスポリマー-6を含む、請求項90?104に記載の方法。」、 請求項113(42頁)には、 「さらに、スクワラン、ベータ-グルカン、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、L-アルギニン及びカモミールからなる群より選ばれる1以上のスキンコンディショナーを含む、請求項90?112に記載の方法。」、 請求項118(43頁)には、 「前記医薬組成物が、油、セラム、軟膏、クリーム、ローション、ジェル、シャンプー、飽和パッド、スプレー又はクレンザーの形態である請求項90?117に記載の方法。」が、それぞれ記載されており、請求項118は、請求項90を引用する請求項106を引用するものである請求項113を引用しているから、請求項118の治療方法で局所投与されるエマルションを含有する医薬組成物には、サリチル酸L-アルギニン塩及びアゼライン酸L-アルギニン塩が水相に溶解しており、油相がポリアクリレートクロスポリマー-6を含み、さらにベータ-グルカンであるスキンコンディショナーを含む、ジェル状の形態であるものが包含されているといえる。 してみると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「サリチル酸L-アルギニン塩及びアゼライン酸L-アルギニン塩が水相に溶解しており、油相がポリアクリレートクロスポリマー-6を含み、さらにベータ-グルカンであるスキンコンディショナーを含む、ジェル状の形態の、皮膚科学的障害の患者に対する局所投与用医薬組成物」 (2)甲2:SEPPIC社 SEPIMAX ZEN 技術資料、第2版 2012年10月26日 甲2はSEPIMAX^(TM) ZENに関する技術資料であり、甲2のシート17(17枚目のシート)には、「赤色層透明ジェル」である水性ジェル処方中にSEPIMAX^(TM) ZENが含まれ、保湿効果が期待できるAQUAXYL^(TM)を配合したSOOTHING ESSENCEの処方として、 SEPIMAX^(TM) ZEN 0.50% 水 Up to 100% BG 3.00% AQUAXYL^(TM) 2.00% 水&BG&Tsuga Canadensis Leaf Extract 1.50% β-グルカン 1.00% MONTANOX^(TM) 20 DF 1.00% 香料 0.08% フェノキシエタノール&エチルヘキシルグリセリン 0.80% 乳糖&セルロース&ヒドロキシプロピルメチルセルロース &ホホバエステル&C.I.77491(US:酸化鉄)&酢酸トコフェ ロール&パルミチン酸アスコルビル 0.20% が記載されている。 そうすると、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されているといえる。 「以下の処方から成る、保湿効果が期待される水性ジェル。 SEPIMAX^(TM) ZEN 0.50% 水 Up to 100% BG 3.00% AQUAXYL^(TM) 2.00% 水&BG&Tsuga Canadensis Leaf Extract 1.50% β-グルカン 1.00% MONTANOX^(TM) 20 DF 1.00% 香料 0.08% フェノキシエタノール&エチルヘキシルグリセリン 0.80% 乳糖&セルロース&ヒドロキシプロピルメチルセルロース &ホホバエステル&C.I.77491(US:酸化鉄)&酢酸トコフェ ロール&パルミチン酸アスコルビル 0.20%」 (3)甲3:米国特許出願公開第2012/0172457号明細書 甲3は新規な粉末状ポリマー及び増粘剤としてのその使用に関する文献であり、甲3の3頁[0057]、[0058]には、実施例1として、 「A)高分子電解質の調製: 例1(本発明に従う):2-メチル2-[(1-オキソ2-プロペニル)アミノ]1-プロパンスルホン酸アンモニウムと、N,N-ジメチルアクリルアミドと、テトラエトキル化ラウリルメタクリレートとの、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)で架橋されたターポリマー[AMPS/DMAM/MAL(4OE) 77.4/19.2/3.4のモル濃度]、 25℃に維持された反応容器に、撹拌しながら、t-ブタノール/水混合物(体積で97.5/2.5)中の2-メチル2-[(1-オキソ2-プロペニル)アミノ]1-プロパンスルホン酸アンモニウムの592gの15重量%水性溶液と、10.1gのN,N-ジメチルアクリルアミドと、4.2gのテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートと、0.75gのトリメチロールプロパントリアクリレートとを入れる。溶液の十分な均質化を達成するのに十分な時間が経ったのち、後者を70℃に加熱した窒素でバブリングすることによって脱酸素する。次に、0.42gの過酸化ジラウロイルを添加し、その後、反応混合物を70℃に約60分間保持し、次に80℃に2時間保持する。冷却後、重合中に生じた粉末を濾過して乾燥させて、所望の生成物を得る。これを以下:高分子電解質1と呼ぶ。」、 7頁[0220]?[0228]には、実施例16として、 「例16:脂ぎった肌用の保湿クリーム MONTANOV^(TM)68:5% セチルステアリルオクタノエート:8% オクチルパルミテート:2% 水:合計で100%になるように適量 電解質1:0.6% MICROPEARL^(TM) M100:3.0% ムコ多糖:5% SEPICIDE^(TM) HB:0.8% 香料:0.3%」 が記載されている。 ここで、例16で用いられる「電解質1」は、例1のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)で架橋されたターポリマー[AMPS/DMAM/MAL(4OE)」であって、メタアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチルアクリルアミド/メタアクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルのクロスポリマーである。 そうすると、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されているといえる。 「以下の処方から成る、脂ぎった肌用の保湿クリーム MONTANOV^(TM)68:5% セチルステアリルオクタノエート:8% オクチルパルミテート:2% 水:合計で100%になるように適量 電解質1(メタアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチルアクリルアミド/メタアクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルのクロスポリマー):0.6% MICROPEARL^(TM) M100:3.0% ムコ多糖:5% SEPICIDE^(TM) HB:0.8% 香料:0.3%」 (4)甲4:IPCOM000216311D、IP.com、2012年3月29日 甲4は、SEPIMAX^(TM)ZENを利用した化粧品の処方を示す、電気通信回線により公開されたデータベースであって、甲4の17頁には、 「SEPIMAX^(TM)ZEN Unispheres WG 0M-385L EUXYL^(TM)K 100 水」を含むジェル(G7?G9)が記載され、 17、18頁には、「EUXYL^(TM)K 100」には、ベンジルアルコール、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンを含有すること、「Unispheres WG 0M-385L」は、セルロース、アクリレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレート、マンニトール、エチレン/VAコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有すること、が記載されている。 そうすると、甲4には、次の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されているといえる。 「以下の成分を含む化粧品用のジェル SEPIMAX^(TM)ZEN Unispheres WG 0M-385L(セルロース、アクリレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレート、マンニトール、エチレン/VAコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有) EUXYL^(TM)K 100(ベンジルアルコール、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンを含有) 水」 (5)甲5:SOFW Journal、136、 2010年12月、p.55-58 甲5は、SepiMAX^(TM)ZENに関する技術資料であり、甲5の56頁、図3には SepiMAX^(TM)ZENの水性ジェルにNaClを加えたときの粘度変化を示すグラフが記載されている。 57頁、表1には、SepiMAX^(TM)ZENの水性ジェルにグリコール酸、塩化マグネシウム等の電解質を加えたときに粘度を保つことが示されている。 4 当審の判断 当審は、平成29年5月31日付けで通知した取消理由1?3及び申立人の主張する申立理由ア?ウのいずれにも理由がないと判断する。 その理由は、以下のとおりであるが、まずは当審から通知した取消理由2、1、3の順に検討し、次いで、取消理由に採用しなかった申立理由について検討する。 (1)取消理由2(特許法第36条第6項第2号)について 上記「第2 2(1)」で検討したとおりの本件訂正請求における訂正事項1に係る訂正によって、不明瞭であるとされた請求項1が削除され、請求項2は「ノニオン性多糖系化合物」が特定されているものであって、取消理由2の対象とはされていない。 したがって、取消理由2は解消された。本件発明2及び請求項2を引用する本件発明3?6が明確でないとする理由は見当たらない。 (2)取消理由1(特許法第36条第6項第1号)について ア 「ノニオン性多糖化合物」について 上記(1)のとおり、請求項2では「ノニオン性多糖系化合物」が「ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種」に特定されており、本件明細書の【表1】には、請求項2で特定されるノニオン性多糖化合物を成分として用いた実施例が記載されている。 イ 「電解質」について 本件明細書の【0011】、【0012】には本件発明の皮膚用ジェル状組成物で用いられる(A)成分の電解質について説明され、【表1】には、有機電解質としてパラフェノールスルホン酸亜鉛、ピロリドンカルボン酸亜鉛、乳酸カルシウム、グリチルリチン酸ジカリウム、無機電解質としてクロルヒドロキシアルミニウムをそれぞれ含む組成物において、(C)成分のクロスポリマーを併用することにより、容易にジェル化することができ、その性状が安定に持続することを確認した実施例が記載されている。 ウ (C)成分のクロスポリマー濃度(含有量)について 本件明細書の【0027】には、(C)成分の含有量の好ましい範囲が説明されており、そこで示されている値はこのような成分を皮膚用組成物に使用する濃度として通常の値といえる。そして、【表1】には、(C)成分を好ましいとされる含有量(濃度)範囲の0.1?2.0質量%で用いた実施例において、容易にジェル化することができ、その性状が安定に持続することを確認したことが記載されている。 エ 上記ア?ウのとおり、本件発明は、本件明細書の発明の詳細な説明により裏付けられており、本件の特許請求の範囲の記載は、いわゆるサポート要件を満たしていないとはいえないので、取消理由1には理由がない。 オ なお、申立人は、平成29年9月26日付け意見書の「(A)電解質について」の項において、ジェル化が困難との従来技術の問題を生じない電解質においては本願発明の課題がなく本願発明の効果も達成されない、本願発明の課題がないと認識される範囲は特許が認められるべきではない旨主張しているが、本件発明は、「電解質が存在する環境下」であっても容易にジェル化することができ、そのジェル化製剤の安定性に優れていることを課題とするものであり、それは電解質の如何を問うものではなく、ジェル化しない(ジェル化が容易でない)電解質を用いた場合に限定されるものでもないので、申立人の上記主張は、本件発明の課題を曲解するものであって採用できない。 (3)取消理由3(特許法第29条第1項第3号)について 取消理由3は、請求項2(本件発明2)を対象としていなかったところ、本件訂正請求による訂正によって、本件は、請求項2に係る発明及び請求項2を直接又は間接的に引用する請求項に係る発明のみとなったため、取消理由3は理由がないものであるが、本件発明3、4に対する取消理由3の有無の確認にあたって、本件発明3、4が引用する引用元である本件発明2について検討する。 ア 本件発明2と甲1発明1又は甲2発明とを対比すると、少なくとも次の点で相違する。 <相違点A> 本件発明2は、必須成分である(B)成分として、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種(以下、単に「(B)成分」という。)を含むのに対して、甲1発明又は甲2発明は、(B)成分を含むことが特定されていない点。 イ <相違点A>について検討すると、甲1又は甲2の文献全体の何れにも、甲1発明又は甲2発明において、(B)成分を含有させる記載ないし示唆は見当たらない。 したがって<相違点A>は実質的な相違点であって、本件発明2は、甲1発明又は甲2発明と同一であるとはいえない。 ウ 本件発明2の特定事項をすべて含み、さらに技術的限定を加えて特定したものである本件発明3、4は、上記ア、イで述べたのと同様の理由により、甲1発明又は甲2発明と同一であるとはいえない。 エ したがって、取消理由3には理由がない。 (4)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について ここで、申立理由ア、ウは、それぞれ、上記(3)で検討した取消理由3、上記(2)で検討した取消理由1と同旨であるから、それ以外の申立理由イについて検討する。 申立理由イも、請求項2(本件発明2)を対象としていなかったところ、本件訂正請求による訂正によって、本件は、請求項2に係る発明及び請求項2を直接又は間接的に引用する請求項に係る発明のみとなったため、申立理由イは理由がないものであるが、本件発明3、4に対する申立理由イの有無の確認にあたって、本件発明3、4が引用する引用元である本件発明2について検討する。 (4-1)甲3に基づく本件発明2の容易想到性 ア 本件発明2と甲3発明とを対比すると、少なくとも、次の点で相違する。 <相違点B> (C)成分のクロスポリマーが、 本件発明2は、(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマー、 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル であるのに対して、 甲3発明は、メタアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチルアクリルアミド/メタアクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルのクロスポリマーである点。 イ <相違点B>について検討すると、甲3は新規なポリマーを増粘剤として使用するものであり、使用するポリマーに特徴があるところ、いくら甲2、甲5からSEPIMAX ZEN(本件明細書【0026】によれば、本件発明2の(C)成分に該当する。)が電解質を加えても粘度が変化しにくいことが公知であったとしても、甲3発明の特徴点である新規なポリマーを別のポリマー(SEPIMAX ZEN)に変更しようとする動機付けがない。 したがって、本件発明2は、甲2、甲5の記載を参酌したとしても、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (4-2)甲4に基づく本件発明2の容易想到性 ア 本件発明2と甲4発明とを対比すると、少なくとも、次の点で相違する。 <相違点C> 本件発明2は、必須成分である(B)成分(ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種)を含むのに対して、甲4発明は、(B)成分を含むことが特定されていない点。 イ 甲4には、様々な処方が記載されてはいるが、甲4発明において、特に、(B)成分を含有させようとする動機付けがない。 したがって、本件発明2は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (4-3)甲3又は甲4に基づく本件発明3、4の容易想到性 本件発明2の特定事項をすべて含み、さらに技術的限定を加えて特定したものである本件発明3、4は、上記(4-1)、(4-2)で述べたのと同様の理由により、甲3発明又は甲4発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (4-4)甲2に基づく本件発明4の容易想到性 本件発明4は、本件発明2の特定事項をすべて含むので、本件発明4と甲2発明とは、少なくとも、上記(3)アで示した<相違点A>の点で相違する。 そこで<相違点A>について検討すると、甲2には、甲2発明において、(B)成分を含有させる記載ないし示唆は見当たらず、その他申立人の提出した何れの証拠を検討しても、甲2発明の成分の何れかと置換して、或いは、甲2発明に必須とされる成分に加えて、(B)成分を含有させる動機付けは見出せない。 したがって、本件発明4は、甲1?5の記載を参酌したとしても、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、 取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明2?6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明2?6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項1に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項1に対して、申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 皮膚用ジェル状組成物 【技術分野】 【0001】 本発明は、皮膚用ジェル状組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 電解質、特に多価陽イオンが配合された組成物のジェル化は、凝集を引き起こし易くなり充分な増粘効果が得られ難いばかりでなく、電解質に由来する析出物が生じやすくなることから、ジェル化すること自体が非常に困難である。このように電解質が含まれる組成物をジェル化させることは、技術的な課題が非常に多い。 【0003】 電解質の塩の影響を低減するために、増粘剤を高配合することも考えられるが、このような試みでは、製剤安定性に劣るだけでなく、塗布時の延展性に劣り、ムラ付きするために、べたつき感などの使用感が悪化するといった問題もある。 【0004】 そこで、電解質配合系の安定化に適していると言われるノニオン性多糖系化合物を用いた試みもなされている。具体的には、ビタミンC誘導体、ガム質およびセルロース系高分子を含有する化粧料(例えば、特許文献1を参照)、化粧品用活性剤、電解質およびセチルヒドロキシエチルセルロースを含有するゲル化局所用組成物(例えば、特許文献2を参照)、キサンタンガム又はカッパカラギーナン、ローカストビーンガム、ヒアルロン酸若しくはその塩又はヒドロキシエチルセルロース、多価金属塩を含有する皮膚外用剤(例えば、特許文献3を参照)、メチルセルロース、乳化剤、液状油剤および電解質を含有する水中油型気泡含有化粧料(例えば、特許文献4を参照)などが提案されている。 【0005】 しかしながら、これら試みに拠って、ある程度安定性を高めることはできるものの、ノニオン性多糖増粘剤は、それ自体の増粘効果が弱く、ジェル化させるためには高配合しなければならず、ヌルつきやベタつきなど使用感に悪影響を及ぼすといった問題がある。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】特開平04-077409号公報 【特許文献2】特開平09-202708号公報 【特許文献3】特開平07-233045号公報 【特許文献4】特開2006-273752号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、電解質が存在する環境下であっても容易にジェル化することができ、そのジェル化製剤の安定性に優れた効果を発揮するとともに、使用時において、塗布時の延展性や使用感にも優れる皮膚用ジェル状組成物を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 即ち、本発明は、 〔2〕(A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、並びに(C)下記(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーを含有し、前記(B)成分が、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種である皮膚用ジェル状組成物、 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル 〔3〕前記(C)成分が、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチル(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸ラウリル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルクロスポリマーである前記〔2〕に記載の皮膚用ジェル状組成物、 〔4〕前記(B)成分の含有量が0.2?1質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.1?2質量%である前記〔2〕又は〔3〕に記載の皮膚用ジェル状組成物、 〔5〕更に、(D)ペクチンを含有してなる前記〔2〕?〔4〕の何れかに記載の皮膚用ジェル状組成物、並びに 〔6〕前記(D)成分の含有量が0.1?1.5質量%であり、(B)成分と(D)成分の合計量に対する(D)成分の含有量比(D/B+D)が0.1?0.8の範囲である前記〔5〕に記載の皮膚用ジェル状組成物 に関する。 【発明の効果】 【0009】 本発明の皮膚用ジェル状組成物は、例え、電解質が存在する環境下であっても容易にジェル化することができ、その調製したジェル状組成物は、格段に優れた安定性を有するという効果を奏する。また、本発明の皮膚用ジェル状組成物は、使用時において、塗布時の延展性に優れ、均一に延び広がるとともに、ヌルつきやベタつきがなく、使用感に優れた効果を発揮する。 【発明を実施するための形態】 【0010】 本発明の皮膚用ジェル状組成物は、(A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、並びに(C)(C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、(C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、(C3)(メタ)アクリル酸アルキル、(C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルを必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーを含有する。 【0011】 (A)成分の電解質は、通常、美白効果、保湿効果、消炎効果、収斂効果、紫外線吸収効果、制汗効果などを期待して配合されるものである。本発明においては、通常、化粧料原料として使用できるものであれば特に限定されず、目的に応じて適宜配合すればよい。 【0012】 用いられる(A)成分としては、例えば、有機酸およびその塩、無機酸およびその塩が挙げられる。具体的には、無機カルシウム塩、無機カリウム塩、無機ナトリウム塩、無機マグネシウム塩などの無機塩;乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、乳酸カルシウムなどの乳酸塩;コンドロイチン硫酸ナトリウム、ステアロイルコンドロイチン硫酸ナトリウムなどのコンドロイチン硫酸塩;デルマタン硫酸ナトリウムなどのデルマタン硫酸塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどのリン酸塩;グリチルリチン酸ジカリウム塩などのグリチルリチン酸塩;アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウムなどのアスコルビン酸塩;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸亜鉛などのピロリドンカルボン酸塩;グリシン、トレオニン、アラニン、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリンなどのアミノ酸およびこれらの誘導体;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびそのナトリウム塩などの紫外線吸収剤;クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛などの制汗剤などが挙げられる。これら(A)成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。 【0013】 (A)成分の含有量は、特に限定されないが、通常、望む効果を付与する観点から、組成物中、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上である。また、製剤安定性の観点から、15質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。これらの観点から、(A)成分の含有量は、好ましくは0.01?15質量%、より好ましくは0.05?10質量%である。 【0014】 (B)成分のノニオン性多糖系化合物としては、例えば、ノニオン性の多糖および/又はその誘導体が挙げられる。具体的には、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロースなどの単糖類の1種又は2種以上で構成される多糖、並びにこれら多糖を、例えば、アルキル基、特にヒドロキシアルキル基などで変性させた変性多糖などが挙げられる。 【0015】 具体的な(B)成分としては、例えば、デキストラン、プルラン、ローカストビーンガム、アラビノガラクタン、タラガム、グアーガム、タマリンド種子ガム、コンニャクマンナン、ヒドロキシプロピルグアーガムなどが挙げられる。これら(B)成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。好適な(B)成分としては、容易にジェル化できる観点、並びに製剤安定性の観点から、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムを用いることが好ましい。 【0016】 尚、(B)成分は、市販品を用いることもできる。ローカストビーンガムの市販品としては、例えば、イナゲル ローカストビーンガムCS(商品名,伊那食品工業社製)、メイプロ-LBG フレール M-175、メイプロ-LBG フレール M-200、メイプロ-LBG ラック(商品名,Danisco社製)、ゲニューガム RL-200-J(商品名,CP Kelco社製)などが挙げられる。 【0017】 タラガムの市販品としては、例えば、スピノガム(商品名,三晶社製)、ビストップD-2101(商品名,三栄源エフ・エフ・アイ社製)などが挙げられる。 【0018】 グアーガムの市販品としては、例えば、イナゲル グアーガムCS(商品名,伊那食品工業社製)、MEYPRO-GUAR(商品名,Danisco社製)などが挙げられる。 【0019】 ヒドロキシプロピルグアーガムの市販品としては、例えば、JAGUAR HP-8(商品名,三晶社製)などが挙げられる。 【0020】 (B)成分の含有量は、特に限定されないが、通常、容易にジェル化でき、優れた製剤安定性を付与する観点、並びに塗布時の延展性を高め、均一に延び広げる観点から、組成物中、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上である。また、使用感の観点から、3質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以下である。これらの観点から、(B)成分の含有量は、好ましくは0.1?3質量%、より好ましくは0.2?1質量%である。 【0021】 本発明の(C)成分は、下記(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーである。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「メタクリル」および「アクリル」の双方又は一方を意味する。 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル 【0022】 必須モノマー成分(C1)である(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩の塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。本発明においては、容易にジェル化できる観点から、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸のアンモニウム塩を用いることが好ましい。 【0023】 必須モノマー成分(C3)である(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル鎖長は、特に限定されないが、例えば、炭素数6?22のアルキル基を例示することができる。本発明においては、容易にジェル化できる観点から、炭素数10?16のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを用いることが好ましく、中でも、炭素数12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ラウリルを用いることがより好ましい。 【0024】 必須モノマー成分(C4)である(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル鎖長は、特に限定されないが、例えば、炭素数6?22のアルキル基を例示することができる。本発明においては、容易にジェル化できる観点から、炭素数10?16のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが好ましく、中でも、炭素数12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルを用いることがより好ましい。尚、酸化エチレンの平均付加モル数は、特に限定されないが、1?30であることが好ましい。 【0025】 具体的な(C)成分としては、例えば、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第14版,第2巻,CTFA,2012年,p.2481):POLYACRYLATE CROSSPOLYMER-6(ポリアクリレートクロスポリマー-6)で表記される、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチル(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸ラウリル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルクロスポリマーなどが挙げられる。 【0026】 尚、(C)成分は、市販品を用いることもできる。POLYACRYLATE CROSSPOLYMER-6の市販品としては、例えば、SEPIMAX ZEN(商品名,SEPPIC社製)などが挙げられる。 【0027】 (C)成分の含有量は、特に限定されないが、通常、容易にジェル化でき、優れた製剤安定性を付与する観点、並びに塗布時の延展性を高め、均一に延び広げる観点から、組成物中、0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上である。また、使用感の観点から、5質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以下である。これらの観点から、(C)成分の含有量は、好ましくは0.05?5質量%、より好ましくは0.1?2質量%である。 【0028】 本発明の皮膚用ジェル状組成物には、ヌルつきやベタつきを更に抑えて使用感をより一層高める観点、並びに製剤安定性をも高める観点から、(D)ペクチンを含有させることができる。 【0029】 (D)成分のペクチンとは、柑橘類、リンゴ、ナシ、ブドウなどの果実やニンジン、豆類などの野菜に含まれるものであり、果実や野菜から抽出することによって得られる成分である。主成分はガラクツロン酸からなり、ガラクツロン酸が鎖状にα-1,4グリコシド結合したポリガラクツロン酸のカルボキシル基が部分的にメチルエステル化されている構造を有する。ペクチンには、抽出工程違いによるメチルエステル化度(%)(以下、DE値(%)と略す)の異なるペクチン、並びに、酸又はアルカリを用いて脱メチルエステル化し、DE値(%)を制御することにより得られるペクチンなどがある。尚、本発明で言うDE値(%)とは、総ガラクツロン酸数に対するメチルエステル化されたガラクツロン酸数の割合を示す。 【0030】 用いられるペクチンのDE値(%)は、所望の効果が十分に付与されるのであれば特に限定されないが、ヌルつきやベタつきを更に抑えて使用感をより一層高める観点、並びに製剤安定性を高める観点から、DE値(%)が20?70%のペクチンを用いることが好ましい。本発明においては、DE値(%)が20?70%のペクチンを単独で用いても良く、DE値(%)の異なるペクチンの2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。 【0031】 尚、(D)成分は、市販品を用いることもできる。DE値(%)が20?70%のペクチンの市販品としては、例えば、ネオソフト P-3(商品名,太陽化学社製)、GENU PECTIN LM-106AS-YA-J、LM-104AS-BG-J、LM-104AS-FS-J、LM-104AS-J、X-211-04、LM-84AS、LM-102AS-J、LM-101AS-J、LM-101AS-JS-J、LM-105AS-J、BETA BI-J、JM-150-J、JMJ-J、DF-Z-J(商品名,何れもコペンハーゲン ペクチンファクトリー社製)などが挙げられる。 【0032】 (D)成分の含有量は、特に限定されないが、通常、ヌルつきやベタつきを更に抑えて使用感をより一層高める観点、並びに製剤安定性を高める観点から、組成物中、0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上である。また、使用感の観点から、3質量%以下が好ましく、より好ましくは1.5質量%以下である。これらの観点から、(D)成分の含有量は、好ましくは0.05?3質量%、より好ましくは0.1?1.5質量%である。 【0033】 本発明においては、上記した(D)成分を更に含有させることで、(B)成分の含有量を減らすことが可能となり、ヌルつきやベタつきを低減させて、より一層使用感を高めることができることも大きな特徴の一つでもある。 【0034】 このような特徴を十分に発揮させるためには、上記した(B)成分の含有量と(D)成分の含有量とを、(B)成分と(D)成分の合計量に対する(D)成分の含有量比(D/B+D)として、0.05?1の範囲で調製することが好ましく、0.1?0.8の範囲で調製することがより好ましい。 【0035】 本発明の皮膚用ジェル状組成物は、容易にジェル化できるとともに、そのジェル化製剤の安定性に優れた効果を発揮させる観点から、実質的にエタノールを含有しないことが好ましい。なお、本発明における「実質的にエタノールを含有しない」とは、「別途、エタノールを含有させることはしない」という意味であり、各配合成分中に含まれる微量のエタノールまでを除外するものではない。 【0036】 本発明の皮膚用ジェル状組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に通常化粧品に用いられる成分、例えば、精製水、界面活性剤、清涼剤、金属封鎖剤、防腐剤、植物抽出エキス、香料などを目的に応じて適宜配合することができる。 【0037】 本発明の皮膚用ジェル状組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、上記した成分を加えて、ディスパーミキサー、パドルミキサーなどの公知の混合装置を用いて混合する方法などが挙げられるが、本発明はこれら製造方法にのみ限定されるものではない。 【実施例】 【0038】 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。また、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。 【0039】 実施例および比較例では、下記の成分を用いた。 ((A)電解質) ※1:パラフェノールスルホン酸亜鉛(マツモトファインケミカル社製,〔スルホ石炭酸亜鉛〕) ※2:クロルヒドロキシアルミニウム(Summit Research Labs社製,〔マイクロドライ3115〕) ※3:ピロリドンカルボン酸亜鉛(味の素社製,〔AJIDEW ZN-100〕) ※4:乳酸カルシウム(武蔵野化学研究所社製,〔乳酸カルシウム〕) ※5:グリチルリチン酸ジカリウム(丸善製薬社製,〔グリチルリチン酸ジカリウム〕) ((B)ノニオン性多糖増粘剤) ローカストビーンガム(伊那食品工業社製,〔イナゲル ローカストビーンガムCS〕) タラガム(三晶社製,〔スピノガム〕) グアーガム(伊那食品工業社製,〔イナゲル グアーガムCS〕) ヒドロキシプロピルグアーガム(三晶社製,〔JAGUAR HP-8〕) ((C)クロスポリマー) ※6:POLYACRYLATE CROSSPOLYMER-6(SEPPIC社製,〔SEPIMAX ZEN〕) ((D)ペクチン) ※7:ペクチン(コペンハーゲン ペクチンファクトリー社製,〔LM-104AS-J〕,DE値27%) ※8:ペクチン(コペンハーゲン ペクチンファクトリー社製,〔LM-101AS-J〕,DE値35%) ※9:ペクチン(コペンハーゲン ペクチンファクトリー社製,〔BETA BI-J〕,DE値55%) ※10:ペクチン(コペンハーゲン ペクチンファクトリー社製,〔JMJ-J〕,DE値70%) (他成分) キサンタンガム(大日本製薬社製,〔エコーガム〕) ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製,〔ヒドロキシプロピルセルロース〕) ※11:カルボキシビニルポリマー(BF Goodrich社製,〔CARBOPOL940〕) ※12:変性カルボキシビニルポリマー(LUBRIZOL社製,〔PEMULEN TR-1〕) 【0040】 (試料の調製1) 表1および表2に記した組成に従い、実施例1?15および比較例1?15の皮膚用組成物を常法に準じてジェル状となるように調製し、下記評価に供した。結果を表1および表2に併記する。尚、表中の配合量は、全て純分に換算した値である。 【0041】 (試験例1:製剤化の評価) 実施例および比較例で得られた各試料の製造直後の性状を目視観察して、以下の評価基準に従って評価した。 【0042】 <製剤化の評価基準> ○(良好):析出物および離水を生じることなく製剤化できる(ジェル化できる) △(不十分):若干の析出物は生じるが製剤化できる、又は若干の離水は生じるが製剤化できる(ジェル化できる) ×(不良):明らかな析出物が生じて製剤化できない、又は明らかな離水が生じて製剤化できない(ジェル化しない) 【0043】 (試験例2:製剤安定性の評価) 実施例および比較例で得られた各試料を、50mL容の透明ガラス容器にそれぞれ封入し、5℃の恒温槽に1週間保存したときの系の状態を目視観察して、以下の評価基準に従って評価した。尚、試験例1にてジェル化しないものについては、製剤安定性の評価に供していない。 【0044】 <製剤安定性の評価基準> ○(良好):析出物は一切認められずジェル状態を維持している △(不十分):若干の析出物が認められるがジェル状態を維持している ×(不良):明らかな析出物が認められジェル状態を維持していない、又は析出物が増加しておりジェル状態を維持していない 【0045】 (試験例3:延展性の評価) 専門パネル20名により、実施例および比較例で得られた各試料を顔面へ塗布して使用試験を行ってもらい、塗布時の延展性に関し、以下の評価基準に従って官能評価した。尚、試験例1にてジェル化しないものについては、延展性の評価に供していない。 【0046】 <延展性の評価基準> ◎(非常に良好):20名中16名以上が、垂落ちがなく延展性に優れると回答 ○(良好):20名中11?15名が、垂落ちがなく延展性に優れると回答 △(不十分):20名中6?10名が、垂落ちがなく延展性に優れると回答 ×(不良):20名中5名以下が、垂落ちがなく延展性に優れると回答 【0047】 (試験例4:使用感の評価) 同パネル20名により、試験例3の評価5分後、塗布部のヌルつき感およびベタつき感に関し、以下の評価基準に従って官能評価した。尚、試験例1にてジェル化しないものについては、使用感の評価に供していない。 【0048】 <使用感の評価基準> ◎(非常に良好):20名中16名以上が、ヌルつきやベタつきはないと回答 ○(良好):20名中11?15名が、ヌルつきやベタつきはないと回答 △(不十分):20名中6?10名が、ヌルつきやベタつきはないと回答 ×(不良):20名中5名以下が、ヌルつきやベタつきはないと回答 【0049】 【表1】 【0050】 【表2】 【0051】 表1および表2に示された結果から、各実施例で得られた皮膚用ジェル状組成物は、各比較例で得られたものと対比して、電解質が存在する環境下であっても、析出物の発生や離水を抑制して容易にジェル化することができるとともに、その性状が安定に持続していることか分かる。また、塗布時の延展性に優れるだけでなく、ヌルつきやベタつきがなく、使用感に優れた効果を発揮していることが分かる。 【0052】 以下、本発明に係る皮膚用ジェル状組成物の処方例を示す。尚、含有量は質量%である。 【0053】 【0054】 【0055】 【産業上の利用可能性】 【0056】 本発明の皮膚用ジェル状組成物は、電解質が存在する環境下であっても容易にジェル化することができ、そのジェル化製剤の安定性に優れた効果を発揮し、塗布時の延展性や使用感に優れることから、皮膚用の化粧料として好ましく用いられる。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(削除) 【請求項2】 (A)電解質、(B)ノニオン性多糖系化合物、並びに(C)下記(C1)?(C4)を必須のモノマー成分として形成されるクロスポリマーを含有し、 前記(B)成分が、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムおよびヒドロキシプロピルグアーガムから選ばれる少なくとも1種である皮膚用ジェル状組成物。 (C1)(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、 (C2)ジメチル(メタ)アクリルアミド、 (C3)(メタ)アクリル酸アルキル、 (C4)(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル 【請求項3】 前記(C)成分が、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸アンモニウム/ジメチル(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸ラウリル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンラウリルエーテルクロスポリマーである請求項2に記載の皮膚用ジェル状組成物。 【請求項4】 前記(B)成分の含有量が0.2?1質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.1?2質量%である請求項2又は3に記載の皮膚用ジェル状組成物。 【請求項5】 更に、(D)ペクチンを含有してなる請求項2?4の何れかに記載の皮膚用ジェル状組成物。 【請求項6】 前記(D)成分の含有量が0.1?1.5質量%であり、(B)成分と(D)成分の合計量に対する(D)成分の含有量比(D/B+D)が0.1?0.8の範囲である請求項5に記載の皮膚用ジェル状組成物。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-10-27 |
出願番号 | 特願2015-502844(P2015-502844) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(A61K)
P 1 651・ 113- YAA (A61K) P 1 651・ 537- YAA (A61K) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松元 麻紀子、手島 理 |
特許庁審判長 |
大熊 幸治 |
特許庁審判官 |
小川 慶子 渡戸 正義 |
登録日 | 2016-08-19 |
登録番号 | 特許第5989226号(P5989226) |
権利者 | 株式会社マンダム |
発明の名称 | 皮膚用ジェル状組成物 |
代理人 | 特許業務法人宮▲崎▼・目次特許事務所 |
代理人 | 桂田 正徳 |
代理人 | 桂田 正徳 |
代理人 | 特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所 |