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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B60R
管理番号 1336890
審判番号 不服2016-16636  
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-07 
確定日 2018-01-29 
事件の表示 特願2015- 37557号「インフレータ、およびインフレータを製造する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月 6日出願公開、特開2015-143095号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2009年(平成21年)9月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2008年9月30日 ドイツ連邦共和国 2008年9月30日 ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする特願2011-528253号(以下「原出願」という。)の一部を平成27年2月27日に新たな特許出願としたものであって、同年3月24日に手続補正書が提出され、平成28年3月24日付けで拒絶理由が通知され、同年6月28日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月9日付けで拒絶査定がされ、同年11月7日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、その後、当審において平成29年5月10日付けで拒絶理由が通知され、同年8月10日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 当審の判断
1 本願発明
本願の請求項1?7に係る発明は、平成29年8月10日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。
「プラスチック材料を含み、プラスチック射出成形物によって少なくとも部分的に囲まれる点火器の蓋部(36)を有する点火器(28)を備えるインフレータ(10)を製造する方法であって、
前記プラスチック射出成形物は、前記点火器(28)を前記インフレータ(10)の外ハウジング(12)に接続するための基体(32)であり、前記点火器の蓋部(36)の材料、および前記基体(32)のプラスチック射出成形物の材料が、射出成形中に前記点火器の蓋部(36)が前記基体(32)のプラスチック射出成形物に少なくとも部分的に溶け込むように選択されることにより、分離できない接続が形成され、前記点火器の蓋部(36)と前記基体(32)とが他のプラスチック材料層を介さずに直接接続される、インフレータ(10)を製造する方法。」

2 刊行物の記載事項並びに刊行物に記載された発明及び技術的事項
(1)刊行物1の記載事項
当審の拒絶の理由に「刊行物1」として示され、原出願の優先日前に頒布された特開2004-271030号公報には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。以下同様。)
ア 「【0018】
図2に示すガス発生器Gは、自動車のシートベルトプリテンショナーを作動させる為のもので、ホルダ5に備えられたヘッダー装置30を有する点火装置1の発火により、カップ体3内に充填されたガス発生剤2を燃焼させ、急速に多量のガスを発生させるものである。ガス発生器Gは、ホルダ5を絶縁材料である樹脂にて点火装置1及び溶接可能な部材6と一体に形成し、このホルダ5を、ガス発生剤2が充填されているカップ体3に、点火装置1がガス発生剤2に対峙するよう嵌合し、ホルダ5に一体に設けられている溶接可能な部材6の部材端部22と、カップ体3の開口側端部21とを溶接部27で溶接してカップ体3及びホルダ5の相互間を一体に密封しつつ固定する構造をしている。 」

イ 「【0020】
このカップ体3が篏合するホルダ5は、絶縁材料で形成された略円柱状のホルダ本体16と、ホルダ本体16に一体に形成されている溶接可能な部材6と点火手段1とで構成され、ホルダ本体16は、外周において、ガス発生剤2側が縮径した段付形状に形成されている。このホルダ本体16は、カップ体3に嵌挿され、カップ体3の段付部12がこれに当接することにより位置決めできるようになっている。また、溶接可能な部材6は、ホルダ本体16内にインサートされ、複数の孔18が形成された円盤部28と、ホルダ本体16の外周に露出し、その他の外周と外径を同じくされた筒部29と、からなり、ホルダ本体16とインサート成形により一体化されている。ホルダ本体16を形成する絶縁材料としては、ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂にガラス繊維等を含有させたものを使用することができる。
【0021】
また、ホルダ5は、溶接可能な部材6を射出成形のモールド内にセットした後、射出成形によってインサート成形されて製造される。この射出成形時に、部材6の円盤部28に形成されている複数の孔18内にホルダ本体16を形成する絶縁材料が侵入し、この部材6の円盤部28を取り囲むようにして樹脂が回りこみ、一体化されている。また、射出成形時には、ヘッダー装置30を含む点火装置1も同時にインサート成形され、ホルダ5と一体化されている。そして、ショーティングクリップ19を保持し、図示しない衝突センサー等のプラグを保持するリテーナ36が嵌め込まれている。」

ウ 「【0024】
管体4は、カップ体3の内側に配置され、ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂によりコップ状に形成されている。この管体4は、樹脂で形成されることによって、コップ材7とカップ体3間で静電気等によるスパークの発生を予防している。そして、管体4内には、点火装置1のコップ材7が嵌挿され、このコップ材7が、ヘッダー装置30に嵌合している。そして、このコップ材7内に点火薬8が圧接された状態で収納されている。」

エ 「【0025】
この様に構成されるガス発生器Gは、以下の手順にて製造される。
【0026】
先ず、ホルダ5のホルダ本体16を絶縁材料にて成形すると共に、この成形と同時に、点火装置1及び溶接可能な部材6をインサート成形する。これによって点火装置1及び部材6が一体に設けられたホルダ5を得る。続いて、ホルダ5の段付部とカップ体3の段付部12を合わせるようにしてガス発生剤2が装填されたカップ体3をホルダ5に嵌合する。次いで、カップ体3の開口側端部21とにおいて、溶接可能な部材6の端部22と開口部端部21との接点部分とを溶接27して、カップ体3とホルダ5とを確実に封止し固定する。」

(2)刊行物1に記載された発明
上記(1)の摘示事項ア?エと【図2】の記載から、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。
「ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂によりコップ状に形成された管体4内に点火装置1のコップ材7が嵌挿されたガス発生器Gの製造方法であって、
ホルダ5のホルダ本体16をポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂にガラス繊維等を含有させた絶縁材料から成形すると共に、この成形と同時に、点火装置1及び溶接可能な部材6をインサート成形し、これによって点火装置1及び溶接可能な部材6が一体に設けられたホルダ5を得、ホルダ5の段付部とカップ体3の段付部12を合わせるようにしてガス発生剤2が装填されたカップ体3をホルダ5に嵌合し、カップ体3の開口側端部21とにおいて、溶接可能な部材6の端部22と開口部端部21との接点部分とを溶接27して、カップ体3とホルダ5とを確実に封止し固定されるガス発生器Gを製造する方法。」

(3)刊行物2の記載事項
当審の拒絶の理由に「刊行物2」として示され、原出願の優先日前に頒布された特開平10-35400号公報には、次の事項が記載されている。
ア 「【0003】自動車乗員用拘束システムのインフレータまたは他の装置はインフレータを作動するために火薬式点火装置または電気的に爆発する装置(EED)を必要とする。電気的に爆発する装置はガス発生器またはインフレータを作動するためにガス発生器の材料を燃焼し始める。インフレータの点火装置はこの点火装置に隣接してまたは乗り物内の離れた場所に配置された衝突センサに接続される。」

イ 「【0012】図1から図6は数々の従来の点火装置を開示している。・・・図2はこれもまたICI Explosivesにより製造されたハイブリッド点火装置を示しており、このハイブリッド点火装置は二つのピンと分流ワイヤとを有し、実際には共軸点火装置として働く。・・・」

ウ 【図2】は次のとおりである。


(4)刊行物2に記載されている技術的事項
上記(3)のウの【図2】の記載より、「装填カップ」の「絶縁カバー」が「ナイロンカバー」であることが看取でき、また、それらが取り付けられる部材が「ナイロン成形材」であることが看取できる。
以上のことと、上記(3)の摘示事項ア、イより、刊行物2には次の技術的事項(以下「刊行物2技術」という。)が記載されているものと認める。
「インフレータの点火装置において、装填カップの絶縁カバーの材料をナイロンとし、装填カップ及び絶縁カバーが取りつけられる成形材の材料をナイロンとする」技術。

3 対比
(1)本願発明と引用発明1とを対比すると、後者の「ガス発生器G」は前者の「インフレータ」に相当し、以下同様に、「点火装置1」は「点火器」に、「ホルダ本体16」は「基体」にそれぞれ相当する。

(2)本願明細書の段落【0136】に「点火器の蓋部36の上側および点火器の蓋部36のわずかな上部のみが開放したままであるにすぎない。」と記載されていることから、前者の「点火器の蓋部」は必ずしも「点火器」を完全に密閉するものではなく、上側もしくはわずかな上部を開放するものと解されるので、後者の「ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂によりコップ状に形成された管体4」は、前者の「プラスチック材料を含」む「点火器の蓋部」に相当するといえる。
そして、後者の「管体4」は、刊行物1の【図2】の記載より、「点火装置1」と共に「ホルダ5のホルダ本体16」に部分的に囲まれるものであることは明らかであり、後者における「インサート成形」は射出成形の一態様であることは明らかであるから、後者の「ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂にガラス繊維等を含有させた絶縁材料」からなる「ホルダ本体16」は、前者の「点火器の蓋部」を「少なくとも部分的に囲」むものである「プラスチック射出成形物」に相当するといえる。
また、本願明細書の段落【0130】に「ほぼ円筒形の周壁16を有する椀状ディフューザ14と、インフレータ10の底をやはり形成する閉塞部材18とで構成される外ハウジング12」と記載されていることから、後者の「カップ体3」及び「溶接可能な部材6」が、前者の「外ハウジング」に相当するといえる。そして、後者の「ホルダ5」の「ホルダ本体16」は、「点火装置1」を「カップ体3」及び「溶接可能な部材6」に接続するものといえる。
したがって、後者の「ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂によりコップ状に形成された管体4内に点火装置1のコップ材7が嵌挿されたガス発生器Gの製造方法であって」、「ホルダ5のホルダ本体16をポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂にガラス繊維等を含有させた絶縁材料から成形すると共に、この成形と同時に、点火装置1及び溶接可能な部材6をインサート成形し、これによって点火装置1及び溶接可能な部材6が一体に設けられたホルダ5を得、ホルダ5の段付部とカップ体3の段付部12を合わせるようにしてガス発生剤2が装填されたカップ体3をホルダ5に嵌合し、カップ体3の開口側端部21とにおいて、溶接可能な部材6の端部22と開口部端部21との接点部分とを溶接27して、カップ体3とホルダ5とを確実に封止し固定される」という事項は、前者の「プラスチック材料を含み、プラスチック射出成形物によって少なくとも部分的に囲まれる点火器の蓋部を有する点火器を備えるインフレータを製造する方法であって」、「前記プラスチック射出成形物は、前記点火器を前記インフレータの外ハウジングに接続するための基体であり」という事項の限度で一致するといえる。

(3)そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
[一致点]
「プラスチック材料を含み、プラスチック射出成形物によって少なくとも部分的に囲まれる点火器の蓋部を有する点火器を備えるインフレータを製造する方法であって、
前記プラスチック射出成形物は、前記点火器を前記インフレータの外ハウジングに接続するための基体である、インフレータを製造する方法。」

[相違点]
本願発明が、「前記点火器の蓋部の材料、および前記基体のプラスチック射出成形物の材料が、射出成形中に前記点火器の蓋部が前記基体のプラスチック射出成形物に少なくとも部分的に溶け込むように選択されることにより、分離できない接続が形成され、前記点火器の蓋部と前記基体とが他のプラスチック材料層を介さずに直接接続される」ものであるのに対し、
引用発明は、「ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂にガラス繊維等を含有させた絶縁材料」からなる「ホルダ本体16」と「ポリブチレンテレフタート、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート等の樹脂によりコップ状に形成された管体4」が、インサート成形中に少なくとも部分的に溶け込むように選択されることにより、分離できない接続が形成され、「管体4」と「ホルダ本体16」とが他のプラスチック材料層を介さずに直接接続されることが特定されていない点。

(4)次に、上記相違点について検討する。
樹脂材料からなる複数部材を接続する際に、予め成形されたプラスチック射出成形物に、さらに後から接続する部材のプラスチック材料を射出成形することにより、少なくとも部分的に溶け込むようにし、分離できない接続を形成し、他のプラスチック材料層を介さずに直接接続することは、いわゆる「射出溶着法」として分野を問わない周知技術といえるものである。(必要であれば、特開平11-235734号公報(段落【0004】には、一次射出されたものと二次射出されたものが射出溶着されていることが示されている。)、特開2005-131902号公報(段落【0001】には、一次成形体と二次成形体とが射出溶着されていることが示されている。)等を参照されたい。)
ここで、引用発明は、樹脂材料からなる「ホルダ本体16」と「管体4」とをインサート成形により接続するものであるから、上記周知技術といえる射出溶着法を適用する動機付けは充分にあるといえる。また、ガス発生器G(インフレータ)の構成部品である「ホルダ本体16」と「管体4」とは、よりしっかり接続された方が望ましいことは自明のことであるから、この点からも引用発明に上記周知技術を適用する動機付けは充分にあるといえる。そして、引用発明において、「管体4」を構成する各種樹脂と「ホルダ本体16」を構成する各種樹脂の組み合わせについて特定はないものの、インフレータにおいて、「絶縁カバー」と「成形物」との樹脂を同種の樹脂(ナイロン)とすることが刊行物2技術に示されており、引用発明においても、同種の樹脂を採用することを阻害するような要因は見当たらないといえる。
そうすると、引用発明において、刊行物2技術及び上記周知技術を参酌することにより、「管体4」を構成する各種樹脂と「ホルダ本体16」を構成する各種樹脂のうち、射出溶着可能な樹脂同士を選択して、少なくとも部分的に溶け込むように選択されることにより、インサート成形中(射出成形中)に分離できない接続が形成されるようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことといえる。
したがって、引用発明において上記相違点に係る本願発明の事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

また、本願発明が奏する作用効果についても、引用発明、刊行物2技術及び周知技術から予測し得る範囲内のものであって、格別でない。
よって、本願発明は、引用発明、刊行物2技術及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)意見書の主張について
請求人は、平成29年8月10日に提出の意見書において、「『射出溶着法』とは、2つの部材が互いに溶着される共通の溶融領域を明確に備えるものです。実際に、特開平11-235734号公報(周知例1)には、2つの一次射出成形品の間に、二次射出成形材料を射出して2つの一次射出成形品を接続することが記載されています(図1,2)。特開2005-131902号公報(周知例2)には、アッパタンク2とロアタンク3とがベルト部(二次接着層)を介して連結されることが記載されています(図1)。これに対して、本願請求項1発明では、点火器の蓋部(36)と基体(32)とが、別のプラスチック材料層を介さずに直接接続されるとともに、蓋部(36)の材料が基体(32)のプラスチック射出成形物に少なくとも部分的に溶け込み、これにより、分離できない接続が形成されます。これは、特開平11-235734号公報(周知例1)、特開2005-131902号公報(周知例2)に記載された技術とは明確に異なります。」と主張している。
しかしながら、一般的に「射出溶着法」とは、複数の一次成形体を、射出による二次成形体により、複数の一次成形体同士を接合することを示す用語ではなく、二次成形体の射出成形時の熱を利用して、二次成形体と一次成形体とを溶着する接合方法を示す用語であって(さらに必要であれば、特開2008-87318号公報の段落【0004】や特開2007-31723号公報の段落【0065】?【0066】を参照されたい。)、請求人がいうところの「2つの部材が互いに溶着される共通の溶融領域」なるものを必須とするものではなく、上記主張の内容は「射出溶着法」という用語の意味を正しく理解した上での反論ではないといえる。
補足すれば、請求人がいうところの、特開平11-235734号公報についての「2つの一次射出成形品の間に、二次射出成形材料を射出して2つの一次射出成形品を接続する」は、「1つの一次射出成形品」と「二次射出材料」とが射出溶着され、かつ、「もう1つの一次射出成形品」と「二次射出材料」とが射出溶着されているものである。同様に、特開2005-131902号公報についての「アッパタンク2とロアタンク3とがベルト部(二次接着層)を介して連結される」は、「アッパタンク2」と「ベルト部14」が射出溶着され、かつ、「ロアタンク3」と「ベルト部14」が射出溶着されているものである(実施例においては、さらに「フィルター4」と「ベルト部14」も射出溶着されている。)。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、刊行物2技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-09-01 
結審通知日 2017-09-04 
審決日 2017-09-19 
出願番号 特願2015-37557(P2015-37557)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B60R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八木 誠谷治 和文  
特許庁審判長 和田 雄二
特許庁審判官 尾崎 和寛
一ノ瀬 覚
発明の名称 インフレータ、およびインフレータを製造する方法  
代理人 小野 新次郎  
代理人 小林 泰  
代理人 竹内 茂雄  
代理人 山本 修  
代理人 小野 達己  

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