• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
審判 訂正 判示事項別分類コード:857 訂正する A63F
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A63F
管理番号 1337263
審判番号 訂正2017-390135  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-12-01 
確定日 2018-02-08 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5823996号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5823996号の明細書、及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正された明細書、及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-8〕、〔9-10〕、〔11-16〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件審判の請求に係る特許第5823996号(以下「本件特許」という。)の経緯は以下のとおりである。

平成25年 1月31日 出願(特願2013-17917号)
平成27年 9月28日 特許査定
平成27年10月16日 登録
平成29年12月 1日 本件訂正審判の請求


第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5823996号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める、というものである。


第3 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、次のとおりである。(審決注:下線部分は審決で付した。以下同様。)

1 訂正事項1
特許第5823996号における特許請求の範囲の請求項1に
「サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムにおいて、
前記サーバは、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶し、
ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別し、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示することを特徴とする通信システム。」
と記載されているのを、
「サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムにおいて、
前記サーバは、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶し、
ユーザが行っていない施設設置操作を、街のレベル及び町に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む前記各種のパラメータに基づいて識別し、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、
受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示し、
前記通信端末は、さらに、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、
前記ランキング表示画面として、ランキング上位のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、
前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、
前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示することを特徴とする通信システム。」
に訂正する(請求項1の記載を直接的に引用する請求項2も同様に訂正する。以下「訂正事項1」といい、「街のレベル及び町に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む」を「訂正事項1-1」、「受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示し、前記通信端末は、さらに、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、前記ランキング表示画面として、ランキング上位のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示する」を「訂正事項1-2」という。)。

2 訂正事項2
特許第5823996号における特許請求の範囲の請求項2に
「前記サーバは、
前記各種のパラメータのうち前記街に配置された設置物の数を示すパラメータに基づいて前記街に設置されていない施設を識別し、
識別した前記施設を設置する操作を、ユーザが行っていない前記施設設置操作として識別し、
識別した前記施設設置操作をユーザに促す前記アドバイス情報を前記通信端末に送信することを特徴とする、請求項1に記載の通信システム。」
と記載されているのを、
「前記サーバは、
前記各種のパラメータのうち前記街に配置された設置物の数を示すパラメータに基づいて前記街に設置されていない施設を識別し、
識別した前記施設を設置する操作を、ユーザが行っていない前記施設設置操作として識別し、
識別した前記施設設置操作をユーザに促す前記アドバイス情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、
街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づくアドバイス情報を表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示されることを特徴とする、請求項1に記載の通信システム。」
に訂正する(以下「訂正事項2」という。)。

3 訂正事項3
特許第5823996号における特許請求の範囲の請求項3に
「前記サーバは、
前記各種のパラメータに基づいて採点情報を算出し、
前記採点情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、受信した前記採点情報を含む画面を表示することを特徴とする、請求項1又は2に記載の通信システム。」
と記載されているのを、
「サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムにおいて、
前記サーバは、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶し、
ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別し、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示し、
前記サーバは、
前記各種のパラメータに基づいて採点情報を算出し、
前記採点情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、受信した前記採点情報を含む画面を表示することを特徴とする通信システム。」
に訂正する(以下「訂正事項3」という。)。

4 訂正事項4
特許第5823996号における特許請求の範囲の請求項9に
「サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムの制御方法において、
前記サーバが、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶するステップと、
ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別するステップと、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示するステップを含むことを特徴とする、通信システムの制御方法。」
と記載されているのを、
「サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムの制御方法において、
前記サーバが、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶するステップと、
ユーザが行っていない施設設置操作を、街のレベル及び町に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む前記各種のパラメータに基づいて識別するステップと、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示するステップを含み、
前記通信端末が、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、
前記ランキング表示画面として、ランキング上位のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、
前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、
前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示することを特徴とする通信システムの制御方法。」
に訂正する(請求項9の記載を直接的に引用する請求項10も同様に訂正する。以下「訂正事項4」といい、「街のレベル及び町に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む」を「訂正事項4-1」、「前記通信端末が、受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示するステップを含み、前記通信端末が、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、前記ランキング表示画面として、ランキング上位のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示する」を「訂正事項4-2」という。)。

5 訂正事項5
特許第5823996号における特許請求の範囲の請求項10に
「ユーザが行っていない施設設置操作を識別する前記ステップにおいて、
前記サーバは、
前記各種のパラメータのうち前記街に配置された設置物の数を示すパラメータに基づいて前記街に設置されていない施設を識別し、
識別した前記施設を設置する操作を、ユーザが行っていない前記施設設置操作として識別することを特徴とする、請求項9に記載の制御方法。」
と記載されているのを、
「ユーザが行っていない施設設置操作を識別する前記ステップにおいて、
前記サーバは、
前記各種のパラメータのうち前記街に配置された設置物の数を示すパラメータに基づいて前記街に設置されていない施設を識別し、
識別した前記施設を設置する操作を、ユーザが行っていない前記施設設置操作として識別し、
前記通信端末は、
街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づくアドバイス情報を表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示されることを特徴とする、請求項9に記載の制御方法。」
に訂正する(以下「訂正事項5」という。)。

6 訂正事項6
特許第5823996号における特許請求の範囲の請求項11に
「前記サーバが、
前記各種のパラメータに基づいて採点情報を算出するステップと、
前記採点情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、受信した前記採点情報の内容を更に含む画面を表示するステップを更に含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の制御方法。」
と記載されているのを、
「サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムの制御方法において、
前記サーバは、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶するステップと、
ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別するステップと、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末は、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示するステップを含み、
前記サーバが、
前記各種のパラメータに基づいて採点情報を算出するステップと、
前記採点情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、受信した前記採点情報の内容を更に含む画面を表示するステップを更
に含むことを特徴とする制御方法。」
に訂正する(請求項11の記載を直接的に引用する請求項12乃至16も同様に訂正する。以下「訂正事項6」という。)。


第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項1-1は、訂正前の請求項1に係る発明で「ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別し」と特定されていたものを、訂正後の請求項1に係る発明で「ユーザが行っていない施設設置操作を、街のレベル及び町に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む前記各種のパラメータに基づいて識別し」と特定し、各種のパラメータに含まれる情報を具体化したものであり、訂正前の請求項1に係る発明をさらに限定するものである。
また、訂正事項1-2は、訂正前の請求項1に係る発明で「前記通信端末は、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示する」と特定されていたものを、訂正後の請求項1に係る発明で「前記通信端末は、受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示し、前記通信端末は、さらに、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、前記ランキング表示画面として、ランキング上位のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示する」と特定し、表示するアドバイス情報の内容を具体的に特定することに加え、さらに、ランキング表示画面を表示することを特定するものであり、訂正前の請求項1に係る発明をさらに限定するものである。
よって、本件審判の請求にかかる訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。

(2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項1-1について、本件特許明細書の段落【0025】には、「…ユーザの街の状態を示す各種のパラメータ等の情報(ユーザ街情報130b)を含む。…ユーザ街情報130aは、ユーザを識別するユーザID1300、住人の悩み解決数1301、クエストクリア数1302、及びユーザの街に設置されている種々の設置物の数1303の情報を含む。…ユーザ街情報130に含まれる情報はこれらに限られるものではなく、例えばユーザの街のレベルや資金額、資材の量、街のレベルを上げるために必要な経験値等の情報を含んでもよい。」と記載されているから、「ユーザ街情報を含む前記各種のパラメータ」に「街のレベル及び町に配置された設置物の数」が含まれることが記載されている。
また、訂正事項1-2について、本件特許明細書の段落【0025】に加えて、本件特許明細書の段落【0032】には、「…アドバイス選択部12は、ユーザ街情報130に基づいてユーザが設置していない施設を識別し、当該識別結果と採点情報131とに基づいてアドバイス情報132を選択する。…」と記載されているから、「アドバイス情報」が、「街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づく」ものであることが記載されている。
また、訂正事項1-2について、本件特許明細書の段落【0030】には、「好適には採点情報131は、ユーザ本人以外の他のユーザに係る採点情報131との比較に基づく全体ランキング情報及びご近所ランキング情報を更に含む。全体ランキング情報は、当該ゲームをプレイしている全ユーザにおけるユーザ本人のスコア順位を示す。ご近所ランキング情報は、複数のユーザからなる所定のユーザグループにおけるユーザ本人のスコア順位を示す。このユーザグループは、例えばユーザ本人及びユーザ本人と相互にフレンド登録を行った他のユーザ(フレンドユーザ)からなる。」と記載され、【0049】には、「トップ表示部2101aは、全ユーザにおける、採点情報131に基づいたスコア合計値のランキングであって、上位10人分のスコア合計値及び順位を表示する。」と記載され、【0051】には、「街訪問ボタン2101cは、対応するユーザの街を表示するためのユーザ入力を受け付ける入力インターフェースである。街訪問ボタン2101cは、採点結果画面210に表示されるユーザに対応してそれぞれ表示される。ユーザが街訪問ボタン2101cをタップすることにより、対応するユーザの街を表示する画面に表示部21の表示を切り替える。」と記載され、【0052】には、「図5は、ご近所ランクタブ2102が選択されている場合の採点結果画面210の例である。採点結果画面210は、フレンド表示部2102aと、ユーザ表示部2102bと、スクロールバー2102cと、街訪問ボタン2102dとを有する。なお街訪問ボタン2102dは、図4の街訪問ボタン2101cと同一の構成であるため説明は省略する。」と記載され、【0053】には、「フレンド表示部2102aは、フレンドユーザに係るユーザグループ内における、採点情報131に基づいたスコア合計値のランキングであって、各フレンドユーザのスコア合計値及び順位を表示する。」と記載され、【0054】には、「ユーザ表示部2102bは、フレンドユーザ内におけるユーザ本人のスコア合計値及び順位を表示する。」と記載され、【0076】には、「…他のユーザとの間の比較を示す街のランキングを提示することにより、よりランキングの上位になるために、街を発展させるといったモチベーションを形成することができる。また、ランキング表示を契機にして、他のユーザの街の表示を可能にすることで、ユーザが他のユーザの街作りを参考にすることができる。」と記載されているから、ランキング表示画面が表示可能なこと、及び表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示することが記載されている。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
本件特許明細書には、訂正前の請求項1に係る発明の課題に関して、「ゲーム目的に終わりが無いため、街を更に発展させるためにユーザが次にどんな操作をすればよいか分からなくなることがあった。」(【0004】参照。)、「また街に地震等の問題が発生した場合等にその対処を促す通知機能がある。しかしこれは単に問題が発生していることを指摘するものに過ぎず、またユーザが問題に対処しても、ゲーム目的である街の発展に寄与するものではなかった。」(【0005】参照。)、及び「ユーザへ次の操作をアドバイスすることにより、ユーザが何をすればよいか分からない状態になることを防ぐことができる通信システム、通信システムの制御方法、及びプログラムを提供することにある。」(【0006】参照。)と記載されていることから、訂正前の請求項1に係る発明の課題は、「ユーザへ次の操作をアドバイスすることにより、街の発展に寄与する」ことと認められる。
また、訂正後の請求項1に係る発明が奏する効果に関して、本件特許明細書には、「他のユーザの街についての採点を行うことで、他のユーザとの間の比較を示す街のランキングを提示することにより、よりランキングの上位になるために、街を発展させるといったモチベーションを形成することができる。」(【0076】参照。)と記載されていることから、訂正後の請求項1に係る発明の課題は、上記の課題に加えて、「街を発展させるといったモチベーションを形成すること」と認められる。
そうすると、訂正前の請求項1に係る発明の課題と、訂正後の請求項1に係る発明の課題とは、「街を発展させる」ことを課題にしている点で一致し、何ら課題を変更するものでない。
よって、訂正事項1は、上記(2)のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前・後の請求項2は、それぞれ、訂正前・後の請求項1の従属請求項であるところ、訂正事項2は、訂正後の請求項2に係る発明で「前記通信端末は、街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づくアドバイス情報を表示し、前記全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示し、前記全体ランキング情報を表示する画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示される」と特定し、訂正後の請求項1に係る発明の特定事項に加え、さらに、資材の量に基づくアドバイス情報を表示すること、及び全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示することを特定するものであり、訂正前の請求項2に係る発明をさらに限定するものである。
よって、本件審判の請求にかかる訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。

(2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項2について、本件特許明細書の段落【0025】には、「…ユーザの街の状態を示す各種のパラメータ等の情報(ユーザ街情報130b)を含む。…ユーザ街情報130aは、ユーザを識別するユーザID1300、住人の悩み解決数1301、クエストクリア数1302、及びユーザの街に設置されている種々の設置物の数1303の情報を含む。…ユーザ街情報130に含まれる情報はこれらに限られるものではなく、例えばユーザの街のレベルや資金額、資材の量、街のレベルを上げるために必要な経験値等の情報を含んでもよい。」と記載されているから、「ユーザ街情報を含む前記各種のパラメータ」に「街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量」が含まれることが記載されている。
また、本件特許明細書の段落【0025】に加えて、本件特許明細書の段落【0032】には、「…アドバイス選択部12は、ユーザ街情報130に基づいてユーザが設置していない施設を識別し、当該識別結果と採点情報131とに基づいてアドバイス情報132を選択する。…」と記載されているから、「アドバイス情報」が、「街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づく」ものであることが記載されている。
また、【0042】には、「街スコアタブ2100、全体ランクタブ2101、及びご近所ランクタブ2102は、採点結果画面210の内容を切替えるためのユーザ入力を受け付ける入力インターフェースである。ユーザがこれらのタブをタップして選択することにより、タブに対応する内容が採点結果画面210に表示される。」と記載され、【0051】には、「街訪問ボタン2101cは、対応するユーザの街を表示するためのユーザ入力を受け付ける入力インターフェースである。街訪問ボタン2101cは、採点結果画面210に表示されるユーザに対応してそれぞれ表示される。ユーザが街訪問ボタン2101cをタップすることにより、対応するユーザの街を表示する画面に表示部21の表示を切り替える。」と記載されているから、全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示されることが記載されている。
よって、訂正事項2は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
そうすると、訂正事項2は、上記(2)のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

3 訂正事項3について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項3は、訂正前の請求項3が請求項1又は2の記載を引用した記載であったものを、請求項1、及び2の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
よって、本件審判の請求にかかる訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書き第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。

(2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項3は、上記(1)のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項3は、上記(1)のとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 訂正事項4について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項4-1は、訂正前の請求項9に係る発明で「ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別するステップと」と特定されていたものを、訂正後の請求項9に係る発明で「ユーザが行っていない施設設置操作を、街のレベル及び町に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む前記各種のパラメータに基づいて識別するステップと」と特定し、各種のパラメータに含まれる情報を具体化したものであり、訂正前の請求項9に係る発明をさらに限定するものである。
また、訂正事項4-2は、訂正前の請求項9に係る発明で「前記通信端末が、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示するステップを含む」と特定されていたものを、訂正後の請求項9に係る発明で「前記通信端末が、受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示するステップを含み、前記通信端末が、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、前記ランキング表示画面として、ランキング上位のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示する」と特定し、表示するアドバイス情報の内容を具体的に特定することに加え、さらに、ランキング表示画面を表示することを特定するものであり、訂正前の請求項9に係る発明をさらに限定するものである。
よって、本件審判の請求にかかる訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。

(2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項4-1について、本件特許明細書の段落【0025】には、「…ユーザの街の状態を示す各種のパラメータ等の情報(ユーザ街情報130b)を含む。…ユーザ街情報130aは、ユーザを識別するユーザID1300、住人の悩み解決数1301、クエストクリア数1302、及びユーザの街に設置されている種々の設置物の数1303の情報を含む。…ユーザ街情報130に含まれる情報はこれらに限られるものではなく、例えばユーザの街のレベルや資金額、資材の量、街のレベルを上げるために必要な経験値等の情報を含んでもよい。」と記載されているから、「ユーザ街情報を含む前記各種のパラメータ」に「街のレベル及び町に配置された設置物の数」が含まれることが記載されている。
また、訂正事項4-2について、本件特許明細書の段落【0025】に加えて、本件特許明細書の段落【0032】には、「…アドバイス選択部12は、ユーザ街情報130に基づいてユーザが設置していない施設を識別し、当該識別結果と採点情報131とに基づいてアドバイス情報132を選択する。…」と記載されているから、「アドバイス情報」が、「街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づく」ものであることが記載されている。
また、訂正事項4-2について、本件特許明細書の段落【0030】には、「好適には採点情報131は、ユーザ本人以外の他のユーザに係る採点情報131との比較に基づく全体ランキング情報及びご近所ランキング情報を更に含む。全体ランキング情報は、当該ゲームをプレイしている全ユーザにおけるユーザ本人のスコア順位を示す。ご近所ランキング情報は、複数のユーザからなる所定のユーザグループにおけるユーザ本人のスコア順位を示す。このユーザグループは、例えばユーザ本人及びユーザ本人と相互にフレンド登録を行った他のユーザ(フレンドユーザ)からなる。」と記載され、【0049】には、「トップ表示部2101aは、全ユーザにおける、採点情報131に基づいたスコア合計値のランキングであって、上位10人分のスコア合計値及び順位を表示する。」と記載され、【0051】には、「街訪問ボタン2101cは、対応するユーザの街を表示するためのユーザ入力を受け付ける入力インターフェースである。街訪問ボタン2101cは、採点結果画面210に表示されるユーザに対応してそれぞれ表示される。ユーザが街訪問ボタン2101cをタップすることにより、対応するユーザの街を表示する画面に表示部21の表示を切り替える。」と記載され、【0052】には、「図5は、ご近所ランクタブ2102が選択されている場合の採点結果画面210の例である。採点結果画面210は、フレンド表示部2102aと、ユーザ表示部2102bと、スクロールバー2102cと、街訪問ボタン2102dとを有する。なお街訪問ボタン2102dは、図4の街訪問ボタン2101cと同一の構成であるため説明は省略する。」と記載され、【0053】には、「フレンド表示部2102aは、フレンドユーザに係るユーザグループ内における、採点情報131に基づいたスコア合計値のランキングであって、各フレンドユーザのスコア合計値及び順位を表示する。」と記載され、【0054】には、「ユーザ表示部2102bは、フレンドユーザ内におけるユーザ本人のスコア合計値及び順位を表示する。」と記載され、【0076】には、「…他のユーザとの間の比較を示す街のランキングを提示することにより、よりランキングの上位になるために、街を発展させるといったモチベーションを形成することができる。また、ランキング表示を契機にして、他のユーザの街の表示を可能にすることで、ユーザが他のユーザの街作りを参考にすることができる。」と記載されているから、ランキング表示画面が表示可能なこと、及び表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示することが記載されている。
よって、訂正事項4は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
本件特許明細書には、訂正前の請求項9に係る発明の課題に関して、「ゲーム目的に終わりが無いため、街を更に発展させるためにユーザが次にどんな操作をすればよいか分からなくなることがあった。」(【0004】参照。)、「また街に地震等の問題が発生した場合等にその対処を促す通知機能がある。しかしこれは単に問題が発生していることを指摘するものに過ぎず、またユーザが問題に対処しても、ゲーム目的である街の発展に寄与するものではなかった。」(【0005】参照。)、及び「ユーザへ次の操作をアドバイスすることにより、ユーザが何をすればよいか分からない状態になることを防ぐことができる通信システム、通信システムの制御方法、及びプログラムを提供することにある。」(【0006】参照。)と記載されていることから、訂正前の請求項9に係る発明の課題は、「ユーザへ次の操作をアドバイスすることにより、街の発展に寄与する」ことと認められる。
また、訂正後の請求項9に係る発明が奏する効果に関して、本件特許明細書には、「他のユーザの街についての採点を行うことで、他のユーザとの間の比較を示す街のランキングを提示することにより、よりランキングの上位になるために、街を発展させるといったモチベーションを形成することができる。」(【0076】参照。)と記載されていることから、訂正後の請求項9に係る発明の課題は、上記の課題に加えて、「街を発展させるといったモチベーションを形成すること」と認められる。
そうすると、訂正前の請求項9に係る発明の課題と、訂正後の請求項9に係る発明の課題とは、「街を発展させる」ことを課題にしている点で一致し、何ら課題を変更するものでない。
よって、訂正事項4は、上記(2)のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

5 訂正事項5について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前・後の請求項10は、それぞれ、訂正前・後の請求項9の従属請求項であるところ、訂正事項5は、訂正後の請求項10に係る発明で「前記通信端末は、街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づくアドバイス情報を表示し、前記全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示し、前記全体ランキング情報を表示する画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示される」と特定し、訂正後の請求項9に係る発明の特定事項に加え、さらに、資材の量に基づくアドバイス情報を表示すること、及び全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示することを特定するものであり、訂正前の請求項10に係る発明をさらに限定するものである。
よって、本件審判の請求にかかる訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。

(2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項5について、本件特許明細書の段落【0025】には、「…ユーザの街の状態を示す各種のパラメータ等の情報(ユーザ街情報130b)を含む。…ユーザ街情報130aは、ユーザを識別するユーザID1300、住人の悩み解決数1301、クエストクリア数1302、及びユーザの街に設置されている種々の設置物の数1303の情報を含む。…ユーザ街情報130に含まれる情報はこれらに限られるものではなく、例えばユーザの街のレベルや資金額、資材の量、街のレベルを上げるために必要な経験値等の情報を含んでもよい。」と記載されているから、「ユーザ街情報を含む前記各種のパラメータ」に「街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量」が含まれることが記載されている。
また、本件特許明細書の段落【0025】に加えて、本件特許明細書の段落【0032】には、「…アドバイス選択部12は、ユーザ街情報130に基づいてユーザが設置していない施設を識別し、当該識別結果と採点情報131とに基づいてアドバイス情報132を選択する。…」と記載されているから、「アドバイス情報」が、「街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づく」ものであることが記載されている。
また、【0042】には、「街スコアタブ2100、全体ランクタブ2101、及びご近所ランクタブ2102は、採点結果画面210の内容を切替えるためのユーザ入力を受け付ける入力インターフェースである。ユーザがこれらのタブをタップして選択することにより、タブに対応する内容が採点結果画面210に表示される。」と記載され、【0051】には、「街訪問ボタン2101cは、対応するユーザの街を表示するためのユーザ入力を受け付ける入力インターフェースである。街訪問ボタン2101cは、採点結果画面210に表示されるユーザに対応してそれぞれ表示される。ユーザが街訪問ボタン2101cをタップすることにより、対応するユーザの街を表示する画面に表示部21の表示を切り替える。」と記載されているから、全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示されることが記載されている。
よって、訂正事項5は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
そうすると、訂正事項5は、上記(2)のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

6 訂正事項6について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項6は、訂正前の請求項11が請求項9又は10の記載を引用した記載であったものを、請求項9、及び10の記載を引用しない独立形式の記載としたものであって、請求項間の引用関係を解消するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
よって、本件審判の請求にかかる訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書き第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。

(2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項6は、上記(1)のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲において訂正をするものである。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項6は、上記(1)のとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

7 訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて
「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正後の請求項1、2、9、及び10に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項1、2、4、及び5は、特許法第126条第7項の規定に適合する。


8 一群の請求項について
本件訂正前の請求項1乃至8について、訂正前の請求項2乃至8は請求項1を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項1乃至8は特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
本件訂正前の請求項9乃至16について、訂正前の請求項10乃至16は請求項9を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項9乃至16は特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
また、訂正前の請求項1及び2は、訂正後の請求項1及び2に対応するものであり、訂正前の請求項3乃至8は、訂正後の請求項3乃至8に対応するものであり、訂正前の請求項9及び10は、訂正後の請求項9及び10に対応するものであり、訂正前の請求項11乃至16は、訂正後の請求項11乃至16に対応するものである。
したがって、請求項1及び2、3乃至8、9及び10、11乃至16は、それぞれ、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。


第5 むすび
以上のとおり、本件審判の請求に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号、及び第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。


よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムにおいて、
前記サーバは、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶し、
ユーザが行っていない施設設置操作を、街のレベル及び街に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む前記各種のパラメータに基づいて識別し、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、
受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示し、
前記通信端末は、さらに、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、
前記ランキング表示画面として、ランキング上立のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、
前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、
前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記各種のパラメータのうち前記街に配置された設置物の数を示すパラメータに基づいて前記街に設置されていない施設を識別し、
識別した前記施設を設置する操作を、ユーザが行っていない前記施設設置操作として識別し、
識別した前記施設設置操作をユーザに促す前記アドバイス情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、
街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づくアドバイス情報を表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順立を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示されることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムにおいて、
前記サーバは、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶し、
ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別し、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示し、
前記サーバは、
前記各種のパラメータに基づいて採点情報を算出し、
前記採点情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、受信した前記採点情報を含む画面を表示することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記各種のパラメータを用いてそれぞれ採点した複数の第1の指標と、該複数の第1の指標のばらつきに基づいて採点した第2の指標と、を含む前記採点情報を算出することを特徴とする、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記サーバは、
前記採点情報に含まれる前記複数の第1の指標及び第2の指標のうち採点結果が最も低い指標を判別し、
ユーザが行っていない複数の施設設置操作のうち、判別した前記指標を向上させる施設設置操作を識別し、
識別した前記施設設置操作をユーザに促す前記アドバイス情報を前記通信端末に送信することを特徴とする、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記採点情報は、他のユーザに係る採点情報との比較に基づくランキングを含むことを特徴とする、請求項3?5の何れか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記通信端末は、前記ランキングに含まれる他のユーザの街を表示する画面を、前記ユーザの操作に応じて表示することを特徴とする、請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記各種のパラメータは、複数のユーザに係る複数の街の状態を示す各種のパラメータであることを特徴とする、請求項3?7の何れか一項に記載の通信システム。
【請求項9】
サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムの制御方法において、
前記サーバが、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶するステップと、
ユーザが行っていない施設設置操作を、街のレベル及び街に配置された設置物の数を含むユーザ街情報を含む前記各種のパラメータに基づいて識別するステップと、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、受信した前記アドバイス情報であって、街のレベル及び街に配置された設置物の数に基づくアドバイス情報を含む画面を表示するステップを含み、
前記通信端末が、複数のユーザ間におけるランキングを表示するランキング表示画面を表示し、
前記ランキング表示画面として、ランキング上立のユーザの情報を含む全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順位を表示する画面とが表示可能となり、
前記ランキング表示画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示可能となり、
前記訪問ボタンがタップされることで、対応するユーザの街を表示することを特徴とする、通信システムの制御方法。
【請求項10】
ユーザが行っていない施設設置操作を識別する前記ステップにおいて、
前記サーバは、
前記各種のパラメータのうち前記街に配置された設置物の数を示すパラメータに基づいて前記街に設置されていない施設を識別し、
識別した前記施設を設置する操作を、ユーザが行っていない前記施設設置操作として識別し、
前記通信端末は、
街のレベル、街に配置された設置物の数及び資材の量に基づくアドバイス情報を表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面と、フレンドユーザ内におけるユーザ本人の順立を表示する画面とがタブをタップすることで切り替えられるように表示し、
前記全体ランキング情報を表示する画面では表示されているユーザに紐づけられた訪問ボタンが表示されることを特徴とする、請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
サーバと、該サーバと通信可能な複数の通信端末とを備える通信システムの制御方法において、
前記サーバが、
前記複数の通信端末のユーザが通信システム上でプレイすることができるゲーム内で形成する街の状態を示す各種のパラメータを記憶するステップと、
ユーザが行っていない施設設置操作を前記各種のパラメータに基づいて識別するステップと、
識別した前記施設設置操作を前記街についての次の操作としてユーザに促すアドバイス情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、受信した前記アドバイス情報を含む画面を表示するステップを含み、
前記サーバが、
前記各種のパラメータに基づいて採点情報を算出するステップと、
前記採点情報を前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が、受信した前記採点情報の内容を更に含む画面を表示するステップを更に含むことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
採点情報を算出する前記ステップにおいて、
前記サーバは、前記各種のパラメータを用いてそれぞれ採点した複数の第1の指標と、該複数の第1の指標のばらつきに基づいて採点した第2の指標と、を含む前記採点情報を算出することを特徴とする、請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記サーバが、
前記採点情報に含まれる前記複数の第1の指標及び第2の指標のうち採点結果が最も低い指標を判別するステップと、
ユーザが行っていない複数の施設設置操作のうち、判別した前記指標を向上させる施設設置操作を識別するステップを更に含み、
アドバイス情報を送信する前記ステップにおいて、
前記サーバは、識別した前記施設設置操作をユーザに促す前記アドバイス情報を前記通信端末に送信することを特徴とする、請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記採点情報は、他のユーザに係る採点情報との比較に基づくランキングを含むことを特徴とする、請求項11?13の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項15】
前記通信端末が、前記ランキングに含まれる他のユーザの街を表示する画面を、前記ユーザの操作に応じて表示するステップを更に含むことを特徴とする、請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
前記各種のパラメータは、複数のユーザに係る複数の街の状態を示す各種のパラメータであることを特徴とする、請求項11?15の何れか一項に記載の制御方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-01-15 
結審通知日 2018-01-17 
審決日 2018-01-31 
出願番号 特願2013-17917(P2013-17917)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
P 1 41・ 857- Y (A63F)
P 1 41・ 856- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 武田 悟  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 森次 顕
藤本 義仁
登録日 2015-10-16 
登録番号 特許第5823996号(P5823996)
発明の名称 通信システム、通信システムの制御方法、及びプログラム  
代理人 山口 裕司  
代理人 多田 宏文  
代理人 祝谷 和宏  
代理人 大野 聖二  
代理人 津田 理  
代理人 祝谷 和宏  
代理人 大野 浩之  
代理人 大野 聖二  
代理人 津田 理  
代理人 木村 広行  
代理人 酒谷 誠一  
代理人 松野 知紘  
代理人 小林 英了  
代理人 松野 知紘  
代理人 山口 裕司  
代理人 多田 宏文  
代理人 野本 裕史  
代理人 酒谷 誠一  
代理人 木村 広行  
代理人 小林 英了  
代理人 野本 裕史  
代理人 大野 浩之  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ