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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G03G
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03G
管理番号 1337293
審判番号 不服2016-11687  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-04 
確定日 2018-03-02 
事件の表示 特願2012- 18173「トナー補給装置及び画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月15日出願公開、特開2013-156511、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本件出願は、平成24年1月31日の出願であって、平成27年10月8日付けで拒絶理由が通知され、同年12月14日付けで手続補正がされ、平成28年4月26日付けで拒絶の査定がされ(同査定の謄本の送達(発送)日 同年5月6日)、これに対し、同年8月4日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされ、その後、当審において平成29年8月21日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由1」という。)が通知され、同年10月24日付けで手続補正がされ、同年12月6日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由2」という。また、「当審拒絶理由1」及び「当審拒絶理由2」を合わせて「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年同月22日付けで手続補正がされたものである。

第2 本願発明

本件出願の請求項1ないし6に係る発明は、平成29年12月22日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものと認められる。本願の請求項1ないし6に係る発明(以下、順に「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は以下のとおりである。

「【請求項1】
補給トナーを画像形成装置の現像装置の補給口へ補給するトナー補給装置において、
該補給トナーを搬送可能な中空のトナー搬送路を形成し、該トナー搬送路の搬送方向に沿って曲がるように変形しうる弾性を有したトナー搬送部材が該トナー搬送路内に配置されたトナー搬送路形成部材を備え、
該トナー搬送路形成部材は、
該現像装置の上方に設けられ、
該トナー搬送路形成部材のトナー搬送方向に垂直な中空断面の中心を通る中心線が湾曲する湾曲部を有し、
該湾曲部の内壁面のうち該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が最も小さい小径側内壁面に、該トナー搬送部材が該トナー搬送路の内壁面に直接接触する領域と該トナー搬送部材が該補給トナーを介して該トナー搬送路の内壁面を押圧する領域とからなる挾持領域を形成する凸形状が中空側へ突出して設けられていることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のトナー補給装置において、
前記トナー搬送路形成部材の前記凸形状を設ける内壁面が、前記湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面、前記湾曲部のトナー搬送方向上流側に有した直線部の、前記湾曲部の曲率中心から遠く曲率半径が大きい大径側内壁面に連続した内壁面、及び前記湾曲部のトナー搬送方向下流側に有した直線部の、前記湾曲部の前記大径側内壁面に連続した内壁面であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項3】
請求項1に記載のトナー補給装置において、
前記トナー搬送路形成部材のトナー搬送方向に垂直な中空断面の中心を通る中心線が湾曲する第1湾曲部と、該第1湾曲部のトナー搬送方向下流側に配置され、前記第1湾曲部とは反対側に前記中心線が湾曲する第2湾曲部とを有し、
前記トナー搬送路形成部材の前記凸形状を設ける内壁面が、前記第1湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面、及び第2湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項4】
請求項1に記載のトナー補給装置において、
前記トナー搬送路形成部材のトナー搬送方向に垂直な中空断面の中心を通る中心線が湾曲する第1湾曲部と、該第1湾曲部のトナー搬送方向下流側に配置され、前記第1湾曲部とは反対側に前記中心線が湾曲する第2湾曲部とを有し、
前記トナー搬送路形成部材の前記凸形状を設ける内壁面が、前記第1湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面、前記第2湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面、前記第1湾曲部のトナー搬送方向上流側に有した直線部の、前記第1湾曲部の曲率中心から遠く曲率半径が大きい大径側内壁面に連続した内壁面、及び前記第2湾曲部のトナー搬送方向下流側に有した直線部の、前記第2湾曲部の曲率中心から遠く曲率半径が大きい大径側内壁面に連続した内壁面であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載のトナー補給装置において、
前記トナー搬送路形成部材のトナー搬送方向に垂直な断面における前記凸形状の外郭線が
円弧状であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項6】
現像装置に補給トナーを補給するトナー補給装置を備えた画像形成装置において、
前記トナー補給装置として、請求項1乃至5のいずれか一に記載のトナー補給装置を備え
たことを特徴とする画像形成装置。」

第3 原査定の理由について

1.原査定の理由の概要
原査定は、平成27年10月8日付けの拒絶理由の理由2によるものであって、その概要は以下のとおりである。

「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



・請求項 1-8
・引用文献 1-3

<引用文献等一覧>
1.特開平11-84969号公報
2.特開平11-160987号公報
3.実願平1-2667号(実開平2-95360号)のマイクロフィルム」

2.原査定の理由の判断
(1)引用例
ア.引用例1
原査定に係る拒絶理由で引用された、本件出願の出願日前に頒布された刊行物である特開平11-84969号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は審決で付した。以下同じ。)。

(ア)「【請求項1】 クリーナにおいて発生した廃トナーを廃トナー容器に搬送する装置であって、廃トナー搬送パイプと、該廃トナー搬送パイプ内に配された回転可能な廃トナー搬送スクリュー及び該廃トナー搬送スクリューを回転駆動する駆動手段とで構成される画像形成装置の廃トナー搬送装置において、
前記廃トナー搬送パイプの内面に、廃トナー搬送方向に連続した凸部又は所定長さを有する凸部を形成したことを特徴とする画像形成装置の廃トナー搬送装置。」

(イ)「【0032】而して、上記廃トナー搬送パイプ5の内面には、図2及び図3に示すように、4つの凸部5aが軸方向に連続して形成されている。このように構成される廃トナー搬送パイプ5の内部において、廃トナーtが廃トナー搬送スクリュー6によって搬送される際、廃トナー搬送パイプ5には複数の凸部5aが形成されているため、廃トナー搬送スクリュー6と廃トナー搬送パイプ5とは面当たりすることなく凸部5aの部分のみで接触する。このため、廃トナーtは、廃トナー搬送スクリュー6に押し潰されるようなストレスを受けることなくクリーナ2から廃トナー容器10まで搬送される。従って、廃トナーtが受けるダメージが軽減され、廃トナー搬送パイプ5内における廃トナーtの固着や溶解によるブロッキングが防がれる。」

(ウ)「【0034】又、廃トナー搬送パイプ5内の凸部5aはパイプ5の全域にある必要はなく、パイプ5の屈曲部等、特に廃トナーtが廃トナー搬送スクリュー6等からストレスを受け易い場所のみに設けてもその効果は十分発揮される。」

(エ)「【0038】而して、クリーナ2の前記排出口の鉛直下付近から廃トナー容器10までの廃トナー搬送経路として配設された前記廃トナー搬送パイプ5内に落下する廃トナーは、バネ性を有するコイルスプリング状の前記廃トナー搬送スクリュー6によって廃トナー搬送パイプ5の内壁を回転及び摺擦しながら搬送される。」

(オ)「【0040】そこで、本実施の形態では、クリーナ2の廃トナー排出口直下のような廃トナーが溜り易い部分の廃トナー搬送パイプ5の曲げ方向を重力方向に凸となるように設定している。このため、スプリング状の廃トナー搬送スクリュー6はバネ力によって廃トナー搬送パイプ5の内壁面の下面側に付勢され、その結果、廃トナー搬送パイプ5の内径下面の廃トナーを確実に掻き取ってこれを確実に搬送することができる。」

上記の記載事項を総合すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「クリーナにおいて発生した廃トナーを廃トナー容器に搬送する装置であって、廃トナー搬送パイプと、該廃トナー搬送パイプ内に配された回転可能な廃トナー搬送スクリュー及び該廃トナー搬送スクリューを回転駆動する駆動手段とで構成される画像形成装置の廃トナー搬送装置において、
前記廃トナー搬送パイプの内面に、廃トナー搬送方向に連続した凸部又は所定長さを有する凸部を形成した画像形成装置の廃トナー搬送装置であって、
廃トナー搬送パイプの内面には、4つの凸部が軸方向に連続して形成され、
廃トナー搬送スクリューと廃トナー搬送パイプとは面当たりすることなく凸部の部分のみで接触し、
廃トナー搬送パイプ内の凸部は、パイプの屈曲部等、特に廃トナーが廃トナー搬送スクリュー等からストレスを受け易い場所のみに設け、
廃トナー搬送スクリューはバネ性を有するコイルスプリング状であり、
廃トナーが溜り易い部分の廃トナー搬送パイプの曲げ方向を重力方向に凸となるように設定している
廃トナー搬送装置。」

イ.引用例2
原査定に係る拒絶理由で引用された、本件出願の出願日前に頒布された刊行物である特開平11-160987号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「【0005】
【発明が解決しようとする課題】図15は、従来の現像剤カートリッジの主要部の構成を模式的に示した断面図である。現像剤カートリッジ10は、筒状の現像剤収容部201と、一端が現像剤収容部の端面に軸支されたコイル状のスパイラルアジテータ202と、スパイラルアジテータ202を外部から回転駆動させるためのカップリング203とによって構成されている。このような構成において、カップリング203を介してスパイラルアジテータ202が回転駆動されると、内部の現像剤50が図中右側から左側へ搬送され、供給口204から現像器(図示せず)へ供給される。
【0006】しかしながら、現像剤50が現像剤カートリッジ10の供給口側へ搬送され続けると、供給口側の端部に現像剤が多量に集積されて固まり、これがスパイラルアジテータ202に対する回転負荷となってしまう。スパイラルアジテータ202の端部に大きな回転負荷が加わると、図16に示したように、スパイラルアジテータ202が撓んで偏心するので、その縁部205が現像剤収容部201の内壁へ当接し、当接部では現像剤が凝集して凝集体を生成してしまう。」

(イ)「【0020】次いで、本発明を適用した現像剤カートリッジの実施形態について説明する。図3、4は、前記現像剤カートリッジ10の第1および第2実施形態の主要部の構成を示した断面図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。各実施形態では、筒状体の供給口側に、スパイラルアジテータの放射方向に関する偏心を制限する手段を設けた点に特徴がある。」

(ウ)「【0023】一方、図4に示した第2実施形態では、前記偏心を制限する手段として、現像剤収容部201の供給口204側の内壁に、軸方向に沿って複数のリブ201bを設けた。このような構成によっても、供給口204側の内径d1を実質的に他の部分の内径d2よりも小径にすることができるので、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。」

(エ)上記(ア)及び図15の従来の現像剤カートリッジについての記載と、上記(イ)、(ウ)及び図4の第2実施形態についての記載とを対照すると、上記(イ)、(ウ)及び図4に記載された第2実施形態のものは、上記(ア)及び図15に記載された「従来の現像剤カートリッジの主要部の構成」と同様の事項を備えるものと認められる。

上記の記載事項を総合すると、引用例2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「筒状の現像剤収容部と、一端が現像剤収容部の端面に軸支されたコイル状のスパイラルアジテータと、スパイラルアジテータを外部から回転駆動させるためのカップリングとによって構成され、カップリングを介してスパイラルアジテータが回転駆動されると、内部の現像剤が搬送され、供給口から現像器へ供給され、
スパイラルアジテータの放射方向に関する偏心を制限する手段として、筒状体の現像剤収容部の供給口側の内壁に、軸方向に沿って複数のリブを設けた
現像剤カートリッジ。」

ウ.引用例3
原査定に係る拒絶理由で引用された、本件出願の出願日前に頒布された刊行物である実願平1-2667号(実開平2-95360号)のマイクロフィルム(以下「引用例3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「本考案の現像器ユニット15は、例えば前記第9図に示すような構成を具備し、画像形成装置本体16に着脱自在に取り付けられる。第3図は画像形成装置本体16の一例を示し、該本体は下部本体17と、該下部本体に開閉自在に枢着されたルーフ18を有し、該ユニット15は、ルーフ18を開けて矢印方向へ装着、脱着する。
第1図(a)は、クリーニング部から現像部へ、回収したトナーを搬送する連通管19の端部を示してある。なお、該連通管19の内面には、長手方向に延びるリブ20を適宜数設けてあり(第4図)、これにより内部に連通する搬送コイル21等の搬送部材と連通管19の内面の接触部分を減少させ、該搬送コイルに作用する負荷を軽減し、接触音を防止することができる。」(第7ページ第10行?第8ページ第4行)

上記の記載事項を総合すると、引用例3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。

「クリーニング部から現像部へ、回収したトナーを搬送する連通管の内面には、長手方向に延びるリブを適宜数設けてあり、これにより内部に連通する搬送コイル等の搬送部材と連通管の内面の接触部分を減少させ、該搬送コイルに作用する負荷を軽減し、接触音を防止することができる
現像器ユニット。」

(2)対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。

後者の「画像形成装置」は、その構造、機能、作用等からみて、前者の「画像形成装置」に相当し、同様に、「内面」は「内壁面」に、「屈曲部」は「湾曲部」に、「凸部」は「凸形状」に、それぞれ相当する。

前者の「補給トナーを画像形成装置の現像装置の補給口へ補給するトナー補給装置」において、「補給トナー」が「画像形成装置の現像装置の補給口」に搬送されていることは明らかである。そうすると、後者の「クリーナにおいて発生した廃トナーを廃トナー容器に搬送する装置」である「画像形成装置の廃トナー搬送装置」と前者の「補給トナーを画像形成装置の現像装置の補給口へ補給するトナー補給装置」とは、「画像形成装置においてトナーを搬送するトナー搬送装置」の概念で共通する。

後者の「廃トナー搬送パイプ」と前者の「補給トナーを搬送可能な中空のトナー搬送路」とは、「トナーを搬送可能な中空のトナー搬送路」の概念で共通する。

後者の「廃トナー搬送スクリュー」は「廃トナー搬送パイプ内に配された回転可能な」ものであって、「バネ性を有するコイルスプリング状」であるから、搬送方向に沿って曲がるように変形しうることは明らかであって、前者の「トナー搬送路の搬送方向に沿って曲がるように変形しうる弾性を有したトナー搬送部材」に相当する。

以上の対比を踏まえると、後者の「廃トナー搬送パイプ」及び「該廃トナー搬送パイプ内に配された回転可能な廃トナー搬送スクリュー」から成る部分は、前者の「トナー搬送部材が該トナー搬送路内に配置されたトナー搬送路形成部材」に相当する。

後者においては、「廃トナー搬送パイプ内の凸部は、パイプの屈曲部等、特に廃トナーが廃トナー搬送スクリュー等からストレスを受け易い場所のみに設け」、「廃トナーが溜り易い部分の廃トナー搬送パイプの曲げ方向を重力方向に凸となるように設定している」から、「廃トナー搬送パイプ」は「屈曲部」を有するといえる。そして、「廃トナー搬送パイプ」の「屈曲部」において、トナー搬送方向に垂直な中空断面の中心を通る中心線が湾曲することは明らかであるから、後者のこの点は前者の「該トナー搬送路形成部材のトナー搬送方向に垂直な中空断面の中心を通る中心線が湾曲する湾曲部を有し」に相当する。

後者の「廃トナー搬送パイプの内面には、4つの凸部が軸方向に連続して形成され、廃トナー搬送スクリューと廃トナー搬送パイプとは面当たりすることなく凸部の部分のみで接触」する点と、前者の「該湾曲部の内壁面のうち該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が最も小さい小径側内壁面に、該トナー搬送部材が該トナー搬送路の内壁面に直接接触する領域と該トナー搬送部材が該補給トナーを介して該トナー搬送路の内壁面を押圧する領域とからなる挾持領域を形成する凸形状が中空側へ突出して設けられている」点とは、「該湾曲部の内壁に、該トナー搬送部材が該トナー搬送路の内壁面に直接接触する領域からなる挾持領域を形成する凸形状が中空側へ突出して設けられている」との概念で共通する。

したがって、両者は、
「画像形成装置においてトナーを搬送するトナー搬送装置において、
該トナーを搬送可能な中空のトナー搬送路を形成し、該トナー搬送路の搬送方向に沿って曲がるように変形しうる弾性を有したトナー搬送部材が該トナー搬送路内に配置されたトナー搬送路形成部材を備え、
該トナー搬送路形成部材は、
該トナー搬送路形成部材のトナー搬送方向に垂直な中空断面の中心を通る中心線が湾曲する湾曲部を有し、
該湾曲部の内壁に、該トナー搬送部材が該トナー搬送路の内壁面に直接接触する領域からなる挾持領域を形成する凸形状が中空側へ突出して設けられているトナー搬送装置。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
前者が「補給トナーを画像形成装置の現像装置の補給口へ補給するトナー補給装置」であって、トナー搬送路は「補給トナー」を搬送可能であるのに対して、後者はそのようなものでない点。

[相違点2]
前者においては「トナー搬送路形成部材は現像装置の上方に設けられる」のに対して、後者はそのようなものでない点。

[相違点3]
前者においては凸形状を「湾曲部の内壁面のうち該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が最も小さい小径側内壁面」に設けるのに対して、後者は その点につき明らかでない点。

[相違点4]
前者の挾持領域が「トナー搬送部材が該トナー搬送路の内壁面に直接接触する領域とトナー搬送部材が補給トナーを介して該トナー搬送路の内壁面を押圧する領域」とからなるのに対して、後者はその点につき明らかでない点。

(3)判断
上記相違点3について検討する。

引用発明1は、「廃トナー搬送パイプの内面には、4つの凸部が軸方向に連続して形成され」るものであって、上記(2)を踏まえると「凸部」及び「廃トナー搬送パイプの内面」はそれぞれ本願発明1の「凸形状」及び「トナー搬送路の内壁面」に相当する。しかしながら、引用発明1においては、4つの「凸部」が「廃トナー搬送パイプの内面」のどのような位置に設けられるかは明らかでない。

引用発明2について、引用発明2の「筒状の現像剤収容部」は、その構造、機能、作用等からみて、本願発明1の「トナー搬送路」に相当し、同様に「スパイラルアジテータ」は「トナー搬送部材」に、「リブ」は「凸形状」にそれぞれ相当する。しかしながら、引用発明2においては、「複数のリブ」が「筒状体の現像剤収容部の供給口側の内壁」のどのような位置に設けられるかは明らかでない。

引用発明3について、引用発明3の「連通管」は、その構造、機能、作用等からみて、本願発明1の「トナー搬送路」に相当し、同様に「搬送コイル等の搬送部材」は「トナー搬送部材」に、「リブ」は「凸形状」にそれぞれ相当する。また、引用発明3の「連通管」及び「搬送コイル等の搬送部材」から成る部分は、本願発明1の「トナー搬送路形成部材」に相当し、引用発明3の「内部に連通する搬送コイル等の搬送部材と連通管の内面の接触部分」は、本願発明1の「トナー搬送部材が該トナー搬送路の内壁面に直接接触する領域」に相当する。そうすると、引用発明3においては「トナー搬送路形成部材の内壁面に、該トナー搬送部材が該トナー搬送路の内壁面に直接接触する領域からなる挾持領域を形成する凸形状が中空側へ突出して設けられている」といえる。
しかしながら、引用発明3においては、適宜数の「リブ」が「連通管の内面」のどのような位置に設けられるかは明らかでない。

そうすると、引用発明1において引用発明2及び3を参酌したとしても、凸形状を「湾曲部の内壁面のうち該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が最も小さい小径側内壁面」に設け、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。

また、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。

そして、本願発明1は、「補給トナーを画像形成装置の現像装置の補給口へ補給するトナー補給装置」において、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を具備することにより、「挟持領域で発生したトナー凝集体が、トナー搬送路中で崩されることなく、現像装置に補給されると、……異常画像が発生してしまう。」(段落【0006】)という課題に対し、「トナー搬送路内に配置される弾性を有したトナー搬送部材により、内壁の一部が押圧されるトナー搬送路形成部材において、使用環境の影響を受け難く、異常画像の原因となるトナー凝集体の発生を抑制できる。」(段落【0008】)という作用効果を奏するものである。

したがって、本願発明1は、当業者が引用発明1ないし3に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおり、本願発明1は、当業者が引用発明1ないし3に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

本願発明2ないし5は本願発明1をさらに限定したものであり、本願発明6は本願発明1ないし5のいずれかの「トナー補給装置」を備えた「画像形成装置」に係るものであって、いずれも本願発明1の発明特定事項を実質的に備えるものである。
そうすると、本願発明2ないし6は、本願発明1と同様に、当業者が引用発明1ないし3に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

よって、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

第4 当審拒絶理由について

1.当審拒絶理由の概要
(1)当審拒絶理由1の概要
当審拒絶理由1の概要は以下のとおりである。

「理由A.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。



ア.本願発明の課題は、発明の詳細な説明の記載からみて、「トナー搬送路内に配置される弾性を有したトナー搬送部材により、内壁の一部が押圧されるトナー搬送路形成部材において、使用環境の影響を受け難く、異常画像の原因となるトナー凝集体の発生を抑制できるトナー搬送路形成部材」(段落【0007】)を提供することであって、その解決手段は、「搬送コイル64が第2湾曲部63dの曲率中心CC2から近く曲率半径r2が小さい小径側内壁面に接触するように押圧される。」(段落【0038】)ものにおいて、「第2湾曲部63dの曲率中心から近く曲率半径r2が小さい小径側内壁面に中空側へ突出する矩形状の断面を有した凸形状73aを設けた」(段落【0039】)ことであると認められる。
一方、請求項1には「トナー搬送部材により、内壁の一部が押圧されるトナー搬送路形成部材」及び「該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面に、中空側へ突出する凸形状が設けられている」と記載されるのみで、押圧される「内壁の一部」と、中空側へ突出する凸形状が設けられている「小径側内壁面」とがどのような関係にあるのかが規定されておらず、出願時の技術常識を考慮しても、トナー搬送部材により押圧される内壁の一部が小径側内壁面以外の部分である場合には本願発明の課題が解決できないことが明らかである。
したがって、請求項1には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えることとなる。
よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
また、請求項1を引用する請求項2ないし7に係る発明も同様に、発明の詳細な説明に記載したものでない。


イ.上記ア.に加えて、明細書の段落【0039】には「この凸形状73aを設けることで、搬送コイル64と第2湾曲部63dの内壁面、つまり矩形の凸形状73aとで形成される図中、Bで示す挟持領域長を、図4(b),(c)よりも短くできる(A1>A0>B)。」と記載されているところ、上記の本願発明の課題を解決するために「凸形状」は「搬送コイル」(トナー搬送部材)とで挟持領域を形成するものと認められる。
一方、請求項1には、凸形状の具体的な形状や大きさが規定されておらず、例えば、凸形状が点状の突起であったり、十分な長さを有さない場合には、搬送コイルと当接せず、挟持領域が形成されない場合があるものと認められるところ、出願時の技術常識を考慮しても、挟持領域が形成されない場合には発明の課題が解決できないことが明らかである。
したがって、請求項1には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えることとなる。
よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
また、請求項1を引用する請求項2ないし7に係る発明も同様に、発明の詳細な説明に記載したものでない。

理由B.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



ア.請求項1の「弾性反力を有したトナー搬送部材」は、「トナー搬送部材」がどのような性質及び形態を有することを指すのかが不明である。
よって、請求項1ないし7に係る発明は明確でない。

イ.請求項1の「小径側内壁面」は、「内壁面」のうちのどの部分を指すのかが明確でない。
よって、請求項1ないし7に係る発明は明確でない。

ウ.請求項6の「前記トナー搬送路形成部材の前記内壁面に、複数の前記凸形状を設ける」という記載は、請求項1の「該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面に、中空側へ突出する凸形状」を複数設けることを指すのか、請求項1の「該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面に、中空側へ突出する凸形状」に加えて内壁面の任意の位置に「凸形状」を設けることを指すのかが明確でない。
また、請求項2及び4においては、そもそも「凸形状」が複数設けられているところ、これらの複数の「凸形状」と請求項6の「複数の前記凸形状」との関係も明確でない。
よって、請求項6及び7に係る発明は明確でない。

理由C.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項 1ないし4及び6ないし8
・引用文献 A、C及びD

・請求項 5
・引用文献 AないしD

<引用文献等一覧>
A.特開平11-84969号公報(原査定時の引用文献1)
B.実願平1-2667号(実開平2-95360号)のマイクロフィルム(原査定時の引用文献3)
C.特開2011-180575号公報
D.特開2004-220012号公報」

以下、当審拒絶理由1における理由AないしCを、それぞれ「当審拒絶理由1A」ないし「当審拒絶理由1C」という。

(2)当審拒絶理由2の概要
当審拒絶理由2の概要は以下のとおりである。

「この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

・請求項1ないし6

ア.請求項1の「弾性を有したトナー搬送部材」について、「弾性を有した」という記載では「トナー搬送部材」がどのような方向に弾性を有するのかが不明である。
よって、請求項1ないし6に係る発明は明確でない。

イ.請求項1の「該トナー搬送部材が変形した状態で該湾曲部の内壁面のうち該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面を押圧する狭持領域」について、「狭持領域」は明細書の記載を参照すると「挟持領域」の誤記であって、「挟持領域」はその名称から見て何らかのものを「挟持」する領域であると認められるが、上記の「該トナー搬送部材が変形した状態で該湾曲部の内壁面のうち該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が小さい小径側内壁面を押圧する」との記載では何を「挟持」するのかが不明である。
よって、請求項1ないし6に係る発明は明確でない。」

2.当審拒絶理由1Cの判断
(1)引用例
ア.引用例A
当審拒絶理由1Cで引用された、本件出願の出願日前に頒布された刊行物である特開平11-84969号公報(以下「引用例A」という。)には、上記「第1 2.(1)ア.」のとおり、引用発明1が記載されている。

イ.引用例B
当審拒絶理由1Cで引用された、本件出願の出願日前に頒布された刊行物である実願平1-2667号(実開平2-95360号)のマイクロフィルム(以下「引用例B」という。)には、上記「第1 2.(1)ウ.」のとおり、引用発明3が記載されている。

ウ.引用例C
当審拒絶理由1Cで引用された、本件出願の出願日前に頒布された刊行物である特開2011-180575号公報(以下「引用例C」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「【0014】
画像形成ステーション105Yは、トナーカートリッジ106Yと、トナー搬送路107Yと、現像器108Yと、感光体ドラム109Yを有する。トナーカートリッジ106Yは、トナーを収容する容器であり、着脱可能である。トナー搬送路107Yは、トナーカートリッジ106Yから、現像器108Yへトナーを搬送する。現像装置108Yは、イエロ(Y)の例えばトナー及びキャリアから成る二成分現像剤を有し、着脱可能である。現像装置108Yは、感光体ドラム109Y上の静電潜像にイエロのトナーを供給する。」

(イ)「【0034】
トナー搬送路107は、図8のような直角の形状ではなく、図11のような湾曲状のトナー搬送路107であっても良い。湾曲状のトナー搬送路107Y(審決注:「湾曲上のトナー搬送路107Y」は「湾曲状のトナー搬送路107Y」の誤記であることが明らかであるから、訂正して摘記した。)は、オーガ300及びスプリングアジテータ400(搬送部)を有する。トナー搬送路107Yの内部にスプリングアジテータ400を曲げた状態で配設し、スプリングアジテータ400を回転させて、トナーを搬送する。トナーカートリッジ106Yからトナー搬送路107Yに供給されたトナーは、オーガ300及びスプリングアジテータ400の搬送部によって搬送され、第2の供給口201Yから現像器108Yに補給される。」

上記の記載事項を総合すると、引用例Cには、次の発明(以下「引用発明C」という。)が記載されているものと認められる。

「トナーカートリッジと、トナー搬送路と、現像器と、感光体ドラムを有し、
トナー搬送路は、トナーカートリッジから、現像器へトナーを搬送し、
トナー搬送路は、湾曲状のトナー搬送路で、
湾曲状のトナー搬送路は、オーガ及びスプリングアジテータ(搬送部)を有し、
トナー搬送路の内部にスプリングアジテータを曲げた状態で配設し、スプリングアジテータを回転させて、トナーを搬送する
画像形成ステーション。」

エ.引用例D
当審拒絶理由1Cで引用された、本件出願の出願日前に頒布された刊行物である特開2004-220012号公報(以下「引用例D」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「【0031】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図7は、Y用のトナー搬送装置40Yの一部を示す拡大構成図である。トナーボトル32Yのキャップ部34Yに設けられた図示しないトナー排出口から排出されたYトナーは、搬送管43Y内に受け入れられる。この搬送管43Yは、トナー排出口からのYトナーを受け入れるための受入部A、ボトル側から搬送先たる図示しない現像器側に向けて真っ直ぐに直線下降部B、これよりも水平からの傾斜角をより小さくするように屈曲する屈曲部Cを有している。また、図示しない現像器に連結する連結部Dも有している。屈曲部Cが形成されていることで、これよりも下流側で現像器に連結する連結部Dにおける水平からの傾斜角度が、直線下降部Bよりも大幅に低減されていることがわかる。搬送管43Y内では、たとえ直線下降部BでYトナーがボトル側から現像器側に向けて重力方向に勢い良く流れても、現像器に到達する前に屈曲部Cでその進路の勾配が緩やかになる。このため、Yトナーの流れの勢いが現像器の手前で弱められる。かかる構成のトナー搬送装置40Yでは、先に図6に示したようにトナーボトル32Yとプロセスカートリッジ6Yとの間に中間転写ユニット15を介在させるほど搬送管43Yの長さを大きくしていても、現像器の手前でYトナーの流れを弱めることができる。そして、このことにより、搬送管43Y内からプロセスカートリッジ6Yの現像器にYトナーを一気に流れ込ませることによる不具合を抑えることができる。また、搬送管43Yの長さを比較的大きくしていることで、トナーボトル32Yとプロセスカートリッジ6Yとを遠く離したレイアウトを採用することが可能になっている。このことにより、トナーボトル32Yとプロセスカートリッジ6Yとを近接配設することによるレイアウト自由度の悪化を解消することもできる。なお、他色のトナー搬送装置(40M,C,K)も同様の構成になっている。」

(イ)「【0033】
図9は、搬送管内に配設されたコイル44Yを示す斜視図である。このコイル44Yが図示しない搬送管内で回転せしめられることにより、管内の図示しないYトナーに対して現像器側に向かう移動力を付与する。このようなコイル44Yを搬送管内に配設することにより、搬送管内のトナーをより確実に搬送することができる。なお、図中の符号A、B、C、Dは、それぞれ上述の受入部A、直線下降部B、屈曲部C、連結部Dを示している。」

(ウ)上記(ア)の「他色のトナー搬送装置(40M,C,K)も同様の構成になっている。」という記載を踏まえると、「他色のトナー搬送装置(40M,C,K)」は、「Y用のトナー搬送装置40Y」における「Yトナー」と同様に、M、C、Kのトナーを取り扱うものであって、これらのY、M、C、Kのトナーは「トナー」と総称することができる。

上記の記載事項を総合すると、引用例Dには、次の発明(以下「引用発明D」という。)が記載されているものと認められる。

「トナーボトルのキャップ部に設けられたトナー排出口から排出されたトナーは、搬送管内に受け入れられ、
搬送管は、トナー排出口からのトナーを受け入れるための受入部、ボトル側から搬送先たる現像器側に向けて真っ直ぐに直線下降部、これよりも水平からの傾斜角をより小さくするように屈曲する屈曲部を有し、
搬送管内に配設されたコイルが搬送管内で回転せしめられることにより、管内のトナーに対して現像器側に向かう移動力を付与する
トナー搬送装置。」

(2)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、両者は上記「第3 2.(2)」における相違点1ないし4において相違し、その他の点で一致する。

(3)判断
上記相違点3について検討する。

引用発明1及び3については、「第3 2.(3)」において検討したとおりである。

引用発明Cについて、引用発明Cの「トナー搬送路」は、その構造、機能、作用等からみて、本願発明1の「トナー搬送路」に相当し、同様に「スプリングアジテータ」は「トナー搬送部材」にそれぞれ相当する。しかしながら、引用発明Cは、本願発明1の「凸形状」に相当する部材を有するものではない。

引用発明Dについて、引用発明Dの「搬送管」は、その構造、機能、作用等からみて、本願発明1の「トナー搬送路」に相当し、同様に「コイル」は「トナー搬送部材」にそれぞれ相当する。しかしながら、引用発明Dは、本願発明1の「凸形状」に相当する部材を有するものではない。

そうすると、引用発明1において引用発明3、C及びDを参酌したとしても、凸形状を「湾曲部の内壁面のうち該湾曲部の曲率中心から近く曲率半径が最も小さい小径側内壁面」に設け、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。

また、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。

そして、本願発明1は、「補給トナーを画像形成装置の現像装置の補給口へ補給するトナー補給装置」において、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を具備することにより、「挟持領域で発生したトナー凝集体が、トナー搬送路中で崩されることなく、現像装置に補給されると、……異常画像が発生してしまう。」(段落【0006】)という課題に対し、「トナー搬送路内に配置される弾性を有したトナー搬送部材により、内壁の一部が押圧されるトナー搬送路形成部材において、使用環境の影響を受け難く、異常画像の原因となるトナー凝集体の発生を抑制できる。」(段落【0008】)という作用効果を奏するものである。

したがって、本願発明1は、当業者が引用発明1、3、C及びDに基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおり、本願発明1は、当業者が引用発明1、3、C及びDに基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

本願発明2ないし5は本願発明1をさらに限定したものであり、本願発明6は本願発明1ないし5のいずれかの「トナー補給装置」を備えた「画像形成装置」に係るものであって、いずれも本願発明1の発明特定事項を実質的に備えるものである。
そうすると、本願発明2ないし6は、本願発明1と同様に、当業者が引用発明1、3、C及びDに基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

よって、本願については、当審拒絶理由1Cを検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

3.当審拒絶理由1A、1Bおよび2の判断

平成29年12月22日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)により、本件補正前の請求項1は上記「第2 本願発明」において摘示した請求項1のとおりに補正された。
このことにより、請求項1ないし6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとなるとともに、明確となった。

よって、当審拒絶理由1A、1B及び2は解消した。

第5 むすび

以上のとおりであるから、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-02-15 
出願番号 特願2012-18173(P2012-18173)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G03G)
P 1 8・ 537- WY (G03G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 孝幸  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 畑井 順一
森次 顕
発明の名称 トナー補給装置及び画像形成装置  
代理人 黒田 壽  
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