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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1337627
審判番号 不服2016-18987  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-12-19 
確定日 2018-02-22 
事件の表示 特願2014-255907「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月26日出願公開、特開2015- 57130〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年12月25日に出願した特願2012-281595号の一部を平成26年12月18日に新たな特許出願(特願2014-255907号)としたものであって、平成28年1月12日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年3月9日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成28年9月13日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成28年12月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に特許請求の範囲及び明細書に係る手続補正がなされ、これに対し、当審において、平成29年6月19日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年8月8日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年9月7日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成29年11月2日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 平成29年11月2日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年11月2日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正の概要
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、平成29年8月8日付けの手続補正書における、

「【請求項1】
変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示装置と、前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置と、を備える遊技機において、
前記変動表示部は、複数の発光部材により構成されてなり、
前記表示装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタが実装され、該表示装置側コネクタに前記制御装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
前記制御装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された制御装置側コネクタが実装され、該制御装置側コネクタに前記表示装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
さらに、前記制御装置側コネクタを含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され、この列には当該制御装置に電源を供給するための電源用コネクタを含めない構成とし、
前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様の間で循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ、
前記複数の表示態様には、前記外れ結果を表す表示態様及び前記当り結果を表す表示態様を含めないようにし、
前記制御装置側コネクタをピン配列が2列のコネクタにて構成するとともに、前記表示装置側コネクタをピン配列が1列のコネクタにて構成することを特徴とする遊技機。」

から、平成29年11月2日付けの手続補正書における、

「【請求項1】
A 変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示装置と、前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置と、を備える遊技機において、
B 前記変動表示部は、複数の発光部材により構成されてなり、
C 前記表示装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタが、当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面に実装され、該表示装置側コネクタに前記制御装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
D 前記制御装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された制御装置側コネクタが実装され、該制御装置側コネクタに前記表示装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
E さらに、前記制御装置側コネクタを含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され、この列には当該制御装置に電源を供給するための電源用コネクタを含めない構成とし、
F 前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様により循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ、
G 前記複数の表示態様には、前記外れ結果を表す表示態様及び前記当り結果を表す表示態様を含めないようにし、
H 前記制御装置側コネクタは、ピン配列が2列のコネクタであり、
I 前記表示装置側コネクタは、ピン配列が1列のコネクタであることを特徴とする遊技機。」

に補正された(下線部は補正箇所を示す。また、A?Iは、分説するために当審にて付した。)。

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「表示装置側コネクタ」に関して、表示装置への実装位置を「当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面」に限定するとともに、当該補正に関連して、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記制御装置側コネクタをピン配列が2列のコネクタにて構成するとともに、」を、実質的に意味を変えずに「前記制御装置側コネクタは、ピン配列が2列のコネクタであり、」とし、また、実質的に意味を変えずに平仄を合わせるために、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記表示装置側コネクタをピン配列が1列のコネクタにて構成する」を、「前記表示装置側コネクタは、ピン配列が1列のコネクタである」とし、さらに、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様の間で循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ」に関して、「一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ」ることが「前記変動表示ゲームの結果として」表示させるものであることを限定するとともに、当該補正に関連して、実質的に意味を変えずに「複数の表示態様の間で循環的に順次変化させる」を「複数の表示態様により循環的に順次変化させる」としたものである。

また、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件について
本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記1の本件補正の概要において示したとおりのものである。

(2)刊行物
(2-1)刊行物1に記載された発明
平成29年9月7日付け拒絶理由通知に刊行物1として引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2011-143071号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

(1-a) 「【0031】
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。」

(1-b) 「【0041】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0042】
一括表示装置50は、図5(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54?56を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
【0043】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。」

(1-c) 「【0103】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。」

(1-d) 「【0372】
次に、前記実施形態の遊技機における一括表示装置のより具体的な構成について説明する。図79には一括表示装置50と該一括表示装置のセグメント線やデジット線を駆動する遊技制御装置100のドライバ138b,138c(図3参照)との電気的な接続構成が示されている。
図79において、符号380が付されているのは遊技制御装置100の基板101上に設けられるドライバ138b,138cの出力端子が接続されるコネクタ端子、符号580が付されているのは一括表示装置50のLEDが集約して設けられるユニット基板としてのLED基板で、このLED基板580上にはセグメント線およびデジット線の始端が接続されるコネクタ端子が設けられている。また、符号480が付されているのは中継用の端子基板で、この中継用の端子基板480上には入力側のコネクタ端子481と出力側のコネクタ端子482が設けられている。
なお、各コネクタ端子380,481,482,581には、それぞれ12個の端子が設けられており、これら12個の端子は上から順に、セグメント線の第1データSEG1、第2データSEG2、……第8データSEG8、デジット線の第1データDGT0、第2データDGT1、……第4データDGT3を伝送するための端子に割り当てられている。
【0373】
上記遊技制御基板101上のコネクタ端子380には、両端にコネクタ491a,491bを有する接続用リード線491の一方のコネクタ491aが挿入され、中継用の端子基板480上のコネクタ端子481には他方のコネクタ491bが挿入される。また、中継用の端子基板480上のコネクタ端子482には、両端にコネクタ492a,492bを有する接続用リード線492の一方のコネクタ492aが挿入され、一括表示装置50のLED基板580上のコネクタ端子581には他方のコネクタ491bが挿入される。これによって、遊技制御装置100の基板101上に設けられているドライバ138b,138cの出力端子と、一括表示装置50のLED基板580上の対応するセグメント線およびデジット線とが電気的に接続されるようになっている。
【0374】
図80には、上記コネクタ端子581と一括表示装置50のLED基板580上に設けられている7セグメント型LED表示器からなる特図1表示器51および特図2表示器52(図5参照)のセグメント端子およびデジット端子との間、および上記コネクタ端子581と特図1保留表示器54および特図2保留表示器55を構成するLEDランプD3?D10,一括表示装置50の他の表示器53,56?60を構成するLEDランプD11?D18との間をそれぞれ接続する配線パターンの第1実施例が示されている。
図80に示されているように、コネクタ端子581の12個の端子のうち上側の8個の端子に結合されてセグメントデータSEG1?SEG8を伝送するデータ線としての配線L1?L8には、特図1表示器51および特図2表示器52の7個のセグメントa?gおよびドットポイントDPAのいずれかが接続されている。また、配線L1?L8には、8個のLEDランプD3?D10と8個のLEDランプD11?D18のいずれかのアノード端子がそれぞれ接続されている。」

上記(1-a)?(1-d)の記載事項及び図面から、以下(1-e)?(1-h)の事項が導かれる。

(1-e)段落【0374】には、「コネクタ端子581の12個の端子のうち上側の8個の端子に結合されてセグメントデータSEG1?SEG8を伝送するデータ線としての配線L1?L8には、特図1表示器51および特図2表示器52の7個のセグメントa?gおよびドットポイントDPAのいずれかが接続されている。」と記載されているから、コネクタ端子581は、特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子が配列されたものといえる。
さらに、段落【0372】には、「各コネクタ端子380,481,482,581には、それぞれ12個の端子が設けられており、これら12個の端子は上から順に、セグメント線の第1データSEG1、第2データSEG2、……第8データSEG8、デジット線の第1データDGT0、第2データDGT1、……第4データDGT3を伝送するための端子に割り当てられている。」と記載されており、コネクタ端子380の端子は、コネクタ端子581と同様に、セグメント線の第1データSEG1、第2データSEG2、……第8データSEG8が割り当てられた端子を備えているから、コネクタ端子380は、コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子に対応付けて割り当てられた端子が配列されたものといえる。
さらに、段落【0372】には、「また、符号480が付されているのは中継用の端子基板で、この中継用の端子基板480上には入力側のコネクタ端子481と出力側のコネクタ端子482が設けられている。」、段落【0373】には、「上記遊技制御基板101上のコネクタ端子380には、両端にコネクタ491a,491bを有する接続用リード線491の一方のコネクタ491aが挿入され、中継用の端子基板480上のコネクタ端子481には他方のコネクタ491bが挿入される。また、中継用の端子基板480上のコネクタ端子482には、両端にコネクタ492a,492bを有する接続用リード線492の一方のコネクタ492aが挿入され、一括表示装置50のLED基板580上のコネクタ端子581には他方のコネクタ491bが挿入される。これによって、遊技制御装置100の基板101上に設けられているドライバ138b,138cの出力端子と、一括表示装置50のLED基板580上の対応するセグメント線およびデジット線とが電気的に接続されるようになっている。」と記載されており、一括表示装置50と遊技制御装置100とは、各コネクタ端子380,481,482,581、接続用リード線491、中継用の端子基板480、接続用リード線492により接続されるものであるから、接続用リード線491及び接続用リード線492は、中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と遊技制御装置100とを接続するものといえる。

(1-f)段落【0372】には、「符号580が付されているのは一括表示装置50のLEDが集約して設けられるユニット基板としてのLED基板で、このLED基板580上にはセグメント線およびデジット線の始端が接続されるコネクタ端子が設けられている。」と記載されており、また、当該記載における「コネクタ端子」が、段落【0373】の「一括表示装置50のLED基板580上のコネクタ端子581には他方のコネクタ491bが挿入される。」との記載における「コネクタ端子581」を意味することは、明らかであるから、刊行物1には、一括表示装置50のLED基板580上には、コネクタ端子581が設けられ、コネクタ端子581には、コネクタ492bが挿入される点が記載されているといえる。
さらに、上記認定事項(1-e)より、「コネクタ端子581は、特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子が配列されたもの」であり、また、「接続用リード線491及び接続用リード線492は、中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と遊技制御装置100とを接続するもの」であるから、刊行物1には、一括表示装置50のLED基板580上には、特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子が配列されたコネクタ端子581が設けられ、コネクタ端子581に中継用の端子基板480を介して遊技制御装置100と接続するための接続用リード線492のコネクタ492bが挿入される点が記載されているといえる。

(1-g)段落【0373】には、「上記遊技制御基板101上のコネクタ端子380には、両端にコネクタ491a,491bを有する接続用リード線491の一方のコネクタ491aが挿入され、」と記載されているから、刊行物1には、遊技制御基板101上にはコネクタ端子380が設けられ、コネクタ端子380に接続用リード線491のコネクタ491aが挿入される点が記載されているといえる。
さらに、上記認定事項(1-e)より、「コネクタ端子380は、コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子に対応付けて割り当てられた端子が配列されたもの」であり、また、「接続用リード線491及び接続用リード線492は、中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と遊技制御装置100とを接続するもの」であるから、刊行物1には、遊技制御装置100の基板101には、コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子に対応付けて割り当てられた端子が配列されたコネクタ端子380が設けられ、コネクタ端子380に中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と接続するための接続用リード線491のコネクタ491aが挿入される点が記載されているといえる。

(1-h)図79には、581との符号が付された部材について、1?12の符号が付された丸を、一列に配列した点が図示されている。
また、段落【0372】の「各コネクタ端子380,481,482,581には、それぞれ12個の端子が設けられており」との記載より、図79に図示された上記1?12の符号が付された丸は、「コネクタ端子581」の各端子を意味することは、明らかである。
よって、刊行物1には、コネクタ端子581は、端子が1列に配置されたコネクタである点が記載されているといえる。

上記(1-a)?(1-d)の記載事項及び(1-e)?(1-h)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。(a?d、f、iは、本願補正発明のA?D、F、Iに対応させて付した。)

「a 第1特図変動表示ゲームを実行する特図1表示器51を有する一括表示装置50と、特図1表示器51に特図変動表示ゲームを表示する処理を行う遊技制御装置100と、を備える遊技機10において、(段落【0031】、【0041】、【0042】、【0103】)
b 特図1表示器51は7セグメント型のLEDランプで構成され、(段落【0042】)
c 一括表示装置50のLED基板580上には、特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子が配列されたコネクタ端子581が設けられ、コネクタ端子581に中継用の端子基板480を介して遊技制御装置100と接続するための接続用リード線492のコネクタ492bが挿入され、(認定事項(1-f))
d 遊技制御装置100の基板101には、コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子に対応付けて割り当てられた端子が配列されたコネクタ端子380が設けられ、コネクタ端子380に中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と接続するための接続用リード線491のコネクタ491aが挿入され、(認定事項(1-g))
f 特図1表示器51における変動表示ゲームは、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示し、ゲームの結果がはずれのときは、はずれの結果態様として中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が当りのときは、数字等の当りの結果態様を点灯状態にしてゲーム結果を表示し、(段落【0043】)
i コネクタ端子581は、端子が1列に配置されたコネクタである、遊技機10。(認定事項(1-h)、段落【0031】)

(2-2)刊行物2に記載された事項
平成29年9月7日付け拒絶理由通知に刊行物2として引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2009-172297号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

(2-a) 「【0013】
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ機GMを示す正面図である。図示のパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。」

(2-b) 「【0038】
主制御部21において点灯駆動されるLED群は、具体的には、抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDと、普通図柄表示部19を構成する2個のLEDランプである。なお、抽選結果表示部14での表示態様を豊富化できる上に、図柄始動口を2個設けた遊技機にも対応できるので、この実施形態では、7セグメントLEDを2個配置している。
【0039】
図4は、主制御基板21の回路構成を概略的に図示したものである。この主制御基板21は、プリント基板の表裏両面にしか配線パターンが存在しない両面基板で構成されている。そして、主制御基板21の表裏とも、電子部品の配置スペースを除く全てのスペースがベタアース面となっている。ここで、ベタアース面とは、回路基板上の信号パターンや電源パターンを除いた全ての部分を、グランド電位に設定したグランド面を意味する。この実施形態では、ベタアース面は、逆C字ループ状に形成された絶縁性の隔離ラインIS
Oによって、内外に二分割されている。そして、二分割された内側ベタアースER1と外側ベタアースER2とは、回路基板の裏面において、逆C字の開放端である電流出口部EXTで接続されている。したがって、電子部品が配置される回路基板の表面側については、ベタアース面が隔離ラインISOによって、完全に内外に二分される。
・・・
【0042】
一方、隔離ラインISOの外側には、払出制御基板24と各種信号を送受信する第一制御コネクタCN1と、電源基板20から直流電圧や制御信号SYS,CLR,ABNを受ける電源コネクタCN2と、遊技盤上の遊技部品とスイッチ信号や駆動信号を送受信する遊技コネクタCN3と、演出インタフェイス基板27に制御コマンドCMDを送信する第二制御コネクタCN4と、LEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5とが、基板外周に沿って列状に配置されている。」

上記(2-a)、(2-b)の記載事項及び図面から、以下(2-c)の事項が導かれる。

(2-c)図4には、四角形状の部材の上側の辺にそって、それぞれ「CN3」、「CN4」、「CN5」との符号が付された3つの四角形の部品が一列に配置され、四角形状の部材の左側の辺の側に、「CN2」との符号が付された四角形の部品が配置されている点が図示されている。
さらに、段落【0039】には、「図4は、主制御基板21の回路構成を概略的に図示したものである。」と記載されているから、図4に図示された上記四角形状の部材が主制御基板21を表すことは明らかである。また、段落【0042】には、「電源コネクタCN2」、「遊技コネクタCN3」、「第二制御コネクタCN4」及び「LEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5」と記載されており、また、図4に図示された上記「四角形状の部材の上側の辺にそって、それぞれ「CN3」、「CN4」、「CN5」との符号が付された3つの四角形の部品が一列に配置され、四角形状の部材の左側の辺の側に、「CN2」との符号が付された四角形の部品が配置されている」ことは、「CN3」、「CN4」、「CN5」との符号が付された3つの四角形の部品が列を形成するように実装され、この列には「CN2」との符号が付された四角形の部品は含めないこととといえるから、刊行物2には、主制御基板21には、LEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5、遊技コネクタCN3、及び、第二制御コネクタCN4が列を形成するように実装され、この列には電源コネクタCN2は含めない点が記載されているといえる。

上記(2-a)、(2-b)の記載事項及び(2-c)の認定事項を総合すると、刊行物2には、次の事項が記載されていると認められる(以下「刊行物2記載の事項」という。)。
「パチンコ機GMにおいて(段落【0013】)、主制御基板21には、抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDを含むLEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5、遊技コネクタCN3、及び、第二制御コネクタCN4が列を形成するように実装され、この列には電源コネクタCN2は含めない点。(段落【0038】、認定事項(1-c))」

(2-3)刊行物3に記載された事項
平成29年9月7日付け拒絶理由通知に刊行物3として引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2009-189563号公報(以下「刊行物3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

(3-a) 「【0021】
[遊技機の構成]
まず、遊技機の概観について図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図3は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10のランプユニット53の概観を示す正面図である。また、図4は、本実施形態における遊技機10の概観を示す正面図である。」

(3-b) 「【0031】
特別図柄表示器35は、7セグメントLEDで構成されている。この7セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLEDの点灯・消灯によって、所定の変動パターン(例えば、図9参照)で特別図柄(識別情報ともいう)として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“7”などの図柄)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当たり遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この大当たり遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ40(図4参照)が開放状態に制御され、大入賞口39(図4参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。」

(3-c) 「【0104】
[特別図柄変動表示パターン]
図9は、特別図柄(識別)の変動表示パターンテーブルを示す説明図である。図9に示すように、特別図柄表示器35は、左上の表示領域である左上LED35a(以下、左上と略す)、左下の表示領域である左下LED35b(以下、左下と略す)、中央上の表示領域である中央上LED35c(以下、中央上と略す)、中央の表示領域である中央LED35d(以下、中央と略す)、中央下の表示領域である中央下LED35e(以下、中央下と略す)、右上の表示領域である右上LED35f(以下、右上と略す)、右下の表示領域である右下LED35g(以下、右下と略す)、とを備える。このように、特別図柄表示器35は、複数の表示領域(35a?35g)を有する識別情報表示手段の一例である。
【0105】
特別図柄の変動表示パターンのステップ1のパターン1では、7セグメントLEDの中央上のLEDが点灯している。パターン2では、7セグメントLEDの中央上、右上の2つのLEDが点灯している。パターン3では、7セグメントLEDの右上のLEDが点灯している。パターン4では、7セグメントLEDの右上、中央の2つのLEDが点灯している。パターン5では、7セグメントLEDの中央のLEDが点灯している。パターン6では、7セグメントLEDの左上、中央の2つLEDが点灯している。パターン7では、7セグメントLEDの左上のLEDが点灯している。パターン8では、7セグメントLEDの左上、中央上の2つのLEDが点灯している。このように、ステップ1では、上回転に点灯していくという変動表示パターンである。
【0106】
特別図柄の変動表示パターンのステップ2のパターン1では、7セグメントLEDの中央のLEDが点灯している。パターン2では、7セグメントLEDの中央、右下の2つのLEDが点灯している。パターン3では、7セグメントLEDの右下のLEDが点灯している。パターン4では、7セグメントLEDの右下、中央下の2つのLEDが点灯している。パターン5では、7セグメントLEDの中央下のLEDが点灯している。パターン6では、7セグメントLEDの左下、中央下の2つLEDが点灯している。パターン7では、7セグメントLEDの左下のLEDが点灯している。パターン8では、7セグメントLEDの左下、中央の2つのLEDが点灯している。このように、ステップ2では、下回転に点灯していくという変動表示パターンである。
【0107】
特別図柄の変動表示パターンのステップ1のパターン3では、7セグメントLEDの中央上のLEDが点灯している。パターン2では、7セグメントLEDの右上のLEDが点灯している。パターン3では、7セグメントLEDの中央上のLEDが点灯している。パターン4では、7セグメントLEDの左上のLEDが点灯している。パターン5では、7セグメントLEDの中央のLEDが点灯している。パターン6では、7セグメントLEDの右下のLEDが点灯している。パターン7では、7セグメントLEDの中央下のLEDが点灯している。パターン8では、7セグメントLEDの左下のLEDが点灯している。このように、ステップ3では、全部回転して点灯していくという変動表示パターンである。
【0108】
特別図柄の変動表示パターンのステップ4のパターン1では、7セグメントLEDの中央上、左上、左下、中央下の4つのLEDが点灯している(Cを示すように点灯している)。パターン2では、7セグメントLEDの左上、左下、中央、右上、右下の5つのLEDが点灯している(Hを示すように点灯している)。パターン3では、7セグメントLEDの中央上、左上、左下、中央、右上、右下の6つのLEDが点灯している(Aを示すように点灯している)。パターン4では、7セグメントLEDの中央上、左上、左下、中央、右上、右下の6つのLEDが点灯している(Aを示すように点灯している)。パターン5では、7セグメントLEDの中央上、左上、左下、中央、右上、右下の6つのLEDが点灯している(Aを示すように点灯している)。パターン6では、7セグメントLEDの中央、右下、左下の3つLEDが点灯している(nを示すように点灯している)。パターン7では、7セグメントLEDの中央上、左上、左下、中央下の4つのLEDが点灯している(Cを示すように点灯している)。パターン8では、7セグメントLEDの中央上、左上、左下、中央、中央下の5つのLEDが点灯している(Eを示すように点灯している)。このように、ステップ4では、CHAAANCEと点灯していくという変動表示パターンである。

上記(3-a)?(3-c)の記載事項及び図面から、以下(3-d)の事項が導かれる。

(3-d)段落【0104】には、「図9は、特別図柄(識別)の変動表示パターンテーブルを示す説明図である。」と記載されており、また、段落【0105】には、「特別図柄の変動表示パターンのステップ1のパターン1では、・・・ステップ1では、上回転に点灯していくという変動表示パターンである。」、段落【0106】には、「特別図柄の変動表示パターンのステップ2のパターン1では、・・・ステップ2では、下回転に点灯していくという変動表示パターンである。」、段落【0107】には、「特別図柄の変動表示パターンのステップ1のパターン3では、・・・ステップ3では、全部回転して点灯していくという変動表示パターンである。」、段落【0108】には、「特別図柄の変動表示パターンのステップ4のパターン1では、・・・ステップ4では、CHAAANCEと点灯していくという変動表示パターンである。」と記載されているから、段落【0031】の「所定の変動パターン(例えば、図9参照)で特別図柄(識別情報ともいう)として変動表示される。」との記載における「所定の変動パターン」は、図9の「ステップ1」、「ステップ2」、「ステップ3」、「ステップ4」の「変動パターン」を指すといえる。
そして、図9には、「ステップ1」、「ステップ2」、「ステップ3」、「ステップ4」における7セグメントLEDの点灯箇所が図示されており、また、図9に図示される7セグメントLEDの点灯形態は、すべて数字図柄を含んでいない。
よって、刊行物3には、所定の変動パターンは、数字図柄を含まない点が記載されているといえる。

上記(3-a)?(3-c)の記載事項及び(3-d)の認定事項を総合すると、刊行物3には、次の事項が記載されていると認められる(以下「刊行物3記載の事項」という。)。
「パチンコ遊技機10において(段落【0021】)、7セグメントLEDで構成される特別図柄表示器35は、所定の変動パターンで特別図柄として変動表示され、特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当たり遊技状態に遊技状態が移行し、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持され(段落【0031】)、所定の変動パターンは、数字図柄を含まない点。(認定事項(3-d))」

(2-4)刊行物4に記載された事項
平成29年9月7日付け拒絶理由通知に刊行物4として引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-95880号公報(以下「刊行物4」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

(4-a) 「【0225】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第2実施形態の遊技機10においては、遊技制御基板110を分割構成とした点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。」

(4-b) 「【0255】
また、第1実施形態ではその説明を省略したが、遊技制御基板110には、電源用コネクタ118や外部通信用コネクタ119以外のその他のコネクタ116として、演出制御装置80等に制御信号(コマンド)を出力するサブコマンド出力コネクタ116A、始動入賞口(図示省略)内の始動口1スイッチ36aからの信号が入力される始動口1スイッチ用コネクタ116B、普通変動入賞装置(図示省略)内の始動口2スイッチ37aからの信号が入力される始動口2スイッチ用コネクタ116C、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bに駆動信号を出力する普電・大入賞口ソレノイド用コネクタ116D、一般入賞口スイッチ35a?35nからの信号が入力される入賞口スイッチ用コネクタ116E、一括表示装置50に駆動信号を出力する特図普図LED用コネクタ116Fが実装されている。
なお、第1実施形態の場合も本実施形態の場合も、遊技制御基板110に実装されている電源用コネクタ118や外部通信用コネクタ119以外のその他のコネクタ116は、前述したものに限ることはなく任意である。」

上記(4-a)?(4-c)の記載事項及び図面から、以下(4-d)の事項が導かれる。

(4-d)図31には、116(116F)との符号が付された四角に、2列に点を配置した点が図示されている。また、図31において、上記116(116F)との符号が付された四角が段落【0255】に記載の「特図普図LED用コネクタ116F」を表し、2列に配置した点が2列のピンを表すことは明らかであるから、刊行物4には、特図普図LED用コネクタ116Fは、ピン配列が2列のコネクタである点が記載されているといえる。

上記(4-a)?(4-c)の記載事項及び(4-d)の認定事項を総合すると、刊行物4には、次の事項が記載されていると認められる(以下「刊行物4記載の事項」という。)。

「遊技機10において(段落【0225】)、遊戯制御基板110には一括表示装置50に駆動信号を出力する特図普図LED用コネクタ116Fが実装され(段落【0255】)、特図普図LED用コネクタ116Fは、ピン配列が2列のコネクタである点(認定事項(4-d))。」

(3)対比
本願補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の(a)?(d)、(f)、(i)は、刊行物1発明の構成a?d、f、iに対応している。)。

(a)刊行物1発明の「第1特図変動表示ゲーム」、「特図1表示器51」、「一括表示装置50」、「特図1表示器51に特図変動表示ゲームを表示する処理を行う遊技制御装置100」及び「遊技機10」は、それぞれ、本願補正発明の「変動表示ゲーム」、「変動表示部」、「表示装置」、「前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置」及び「遊技機」に相当する。
したがって、刊行物1発明における「第1特図変動表示ゲームを実行する特図1表示器51を有する一括表示装置50と、特図1表示器51に特図変動表示ゲームを表示する処理を行う遊技制御装置100と、を備える遊技機10」は、本願補正発明における「変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示装置と、前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置と、を備える遊技機」に相当する。

(b)刊行物1発明において、「7セグメント型のLEDランプ」が7つのセグメントからなることは当業者にとって自明である。また、刊行物1発明において、「7セグメント型のLEDランプ」を構成する各「セグメント」は、本願補正発明の「発光部材」に相当する。
したがって、刊行物1発明において「特図1表示器51は7セグメント型のLEDランプで構成され」ることは、本願補正発明において「前記変動表示部は、複数の発光部材により構成されてな」ることに相当する。

(c)刊行物1発明において、「端子」がピンを有することは、当業者にとって自明である。また、刊行物1発明の「端子」は、「特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている」から、「端子」のピンは、「特図1表示器51の7個のセグメントa?g」に対応するものといえる。よって、刊行物1発明の「特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子が配列されたコネクタ端子581」は、本願補正発明の「前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタ」に相当する。さらに、刊行物1発明の「コネクタ端子581」は、「一括表示装置50のLED基板580上に」設けられているから、「一括表示装置50」は、「コネクタ端子581」が実装されているといえる。
また、刊行物1発明の「中継用の端子基板480を介して遊技制御装置100と接続するための接続用リード線492」は、本願補正発明の「前記制御装置と電気的に接続するための配線」に相当するから、刊行物1発明の「中継用の端子基板480を介して遊技制御装置100と接続するための接続用リード線492のコネクタ492b」は、本願補正発明の「前記制御装置と電気的に接続するための配線のコネクタ」に相当する。
したがって、刊行物1発明において「一括表示装置50のLED基板580上には、特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子が配列されたコネクタ端子581が設けられ、コネクタ端子581に中継用の端子基板480を介して遊技制御装置100と接続するための接続用リード線492のコネクタ492bが挿入され」ることは、本願補正発明における構成Cと、「前記表示装置は」、「前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタが」「実装され、該表示装置側コネクタに前記制御装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され」る点で共通する。

(d)刊行物1発明において、「端子」がピンを有することは、当業者にとって自明である。また、刊行物1発明において、「コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子」は、「特図1表示器51の7個のセグメントa?gのいずれかが接続されている」(構成c)ものであるから、刊行物1発明の「コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子に対応付けて割り当てられた端子が配列された」ことは、本願補正発明の「前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された」ことに相当する。よって、刊行物1発明の「コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子に対応付けて割り当てられた端子が配列されたコネクタ端子380」は、本願補正発明の「前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された制御装置側コネクタ」に相当する。さらに、刊行物1発明の「コネクタ端子380」は、「遊技制御装置100の基板101に」設けられているから、「遊技制御装置100」は、「コネクタ端子380」が実装されているといえる。
また、刊行物1発明の「中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と接続するための接続用リード線491」は、本願補正発明の「前記表示装置と電気的に接続するための配線」に相当するから、刊行物1発明の「中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と接続するための接続用リード線491のコネクタ491a」は、本願補正発明の「前記表示装置と電気的に接続するための配線のコネクタ」に相当する。
したがって、刊行物1発明において「遊技制御装置100の基板101には、コネクタ端子581のセグメントa?gのいずれかが接続されている端子に対応付けて割り当てられた端子が配列されたコネクタ端子380が設けられ、コネクタ端子380に中継用の端子基板480を介して一括表示装置50と接続するための接続用リード線491のコネクタ491aが挿入され」ることは、本願補正発明において「前記制御装置は」、「前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された制御装置側コネクタが実装され、該制御装置側コネクタに前記表示装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され」ることに相当する。

(f)刊行物1発明において「特図1表示器51における変動表示ゲームは、中央のセグメントを点滅駆動させ」る際には、「中央のセグメント」が点灯している状態と消灯している状態を繰り返すこととなるから、「特図1表示器51」の表示態様を「中央のセグメント」が点灯している状態と消灯している状態からなる2つの表示態様により循環的に順次変化させているといえる。よって、刊行物1発明において「特図1表示器51における変動表示ゲームは、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示」することは、本願補正発明において「前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様により循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させる」ことといえる。
また、刊行物1発明において、「ゲームの結果がはずれのときは、はずれの結果態様として中央のセグメントを点灯状態」にすること、及び、「ゲームの結果が当りのときは、数字等の当りの結果態様を点灯状態」にすることは、それぞれ、本願補正発明において、「前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果」「を表示させ」ること、及び、「前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで」「当り結果を表示させ」ることに相当する。よって、刊行物1発明において「ゲームの結果がはずれのときは、はずれの結果態様として中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が当りのときは、数字等の当りの結果態様を点灯状態にしてゲーム結果を表示」することは、本願補正発明において「前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ」ることに相当する。
したがって、刊行物1発明において「特図1表示器51における変動表示ゲームは、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示し、ゲームの結果がはずれのときは、はずれの結果態様として中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が当りのときは、数字等の当りの結果態様を点灯状態にしてゲーム結果を表示」することは、本願補正発明において「前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様により循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ」ることに相当する。

(i)刊行物1発明において、「端子」がピンを有することは、当業者にとって自明である。よって、刊行物1発明において「端子が1列に配置され」ることは、本願補正発明において「ピン配列が1列」であることに相当する。
したがって、刊行物1発明における「コネクタ端子581は、端子が1列に配置されたコネクタである」は、本願補正発明における「前記表示装置側コネクタは、ピン配列が1列のコネクタであること」に相当する。

以上、(a)?(d)、(f)、(i)の対比より、本願補正発明と刊行物1発明とは、

「A 変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示装置と、前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置と、を備える遊技機において、
B 前記変動表示部は、複数の発光部材により構成されてなり、
C’前記表示装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタが実装され、該表示装置側コネクタに前記制御装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
D 前記制御装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された制御装置側コネクタが実装され、該制御装置側コネクタに前記表示装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
F 前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様により循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ、
I 前記表示装置側コネクタは、ピン配列が1列のコネクタである遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)表示装置側コネクタに関して、本願補正発明は、「前記表示装置は」、「表示装置側コネクタが、当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面に実装され」ると特定されているのに対して、刊行物1発明はそのように特定されていない点。(構成C)

(相違点2)制御装置のコネクタに関して、本願補正発明は、「さらに、前記制御装置側コネクタを含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され、この列には当該制御装置に電源を供給するための電源用コネクタを含めない」と特定されているのに対し、刊行物1発明はそのように特定されていない点。(構成E)

(相違点3)変動表示ゲームが実行中であることを表示する変動表示部の複数の表示態様に関して、本願補正発明は、「前記複数の表示態様には、前記外れ結果を表す表示態様及び前記当り結果を表す表示態様を含めない」と特定されているのに対し、刊行物1発明はそのように特定されていない点。(構成G)

(相違点4)制御装置側コネクタに関して、本願補正発明は、「前記制御装置側コネクタは、ピン配列が2列のコネクタであ」ると特定されているのに対し、刊行物1発明はそのように特定されていない点。(構成H)

(4)判断
ア 相違点1について
上記相違点1について検討する。
遊技機に設けられ、発光部材を有する表示装置において、表示装置に設ける表示装置側コネクタを、当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面に実装することは、周知技術に過ぎない(例えば、特開2007-7098号公報(段落【0068】、図8には、「第2LED回路基板50」(表示装置)の前面側に「基板コネクタ53」(表示装置側コネクタ)を実装する点が記載されている。)、特開2011-50465号公報(段落【0120】、図14には、「遊技情報表示基板81」(表示装置)の前面側に「コネクタ87」(表示装置側コネクタ)を実装する点が記載されている。)、特開2006-95197号公報(段落【0039】、図7には、「ラウンド数報知装置900」(表示装置)の「基盤905」の前面側に「コネクタ906」(表示装置側コネクタ)を実装する点が記載されている。)等参照。)。
そして、刊行物1発明において、「コネクタ端子581」を「一括表示装置50」の何処に実装するかは、「一括表示装置50」の遊技機への取り付けのし易さや他の部材との位置関係等を考慮して当業者が適宜設定し得るものであるから、刊行物1発明において、「コネクタ端子581」の実装位置に関して上記周知技術を適用し、「コネクタ端子581」(表示装置側コネクタ)を、「一括表示装置50」(表示装置)を遊技機に取り付けた時に前面側となる面に実装し、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点2について
上記相違点2について検討する。
上記(2)(2-2)で示した通り、刊行物2には、次の事項(刊行物2記載の事項)が記載されていると認められる。
「パチンコ機GMにおいて、主制御基板21には、抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDを含むLEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5、遊技コネクタCN3、及び、第二制御コネクタCN4が列を形成するように実装され、この列には電源コネクタCN2は含めない点。」

刊行物2記載の事項の「主制御基板21」、「抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDを含むLEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5」及び「電源コネクタCN2」は、それぞれ、本願補正発明の「制御装置」、「制御装置側コネクタ」及び「電源用コネクタ」に対応するものといえる。また、刊行物2記載の事項において「抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDを含むLEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5、遊技コネクタCN3、及び、第二制御コネクタCN4が列を形成するように実装され」ていることは、本願補正発明において「制御装置側コネクタを含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され」ていることに対応するといえる。
よって、刊行物2記載の事項は、本願補正発明における「前記制御装置側コネクタを含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され、この列には当該制御装置に電源を供給するための電源用コネクタを含めない」との事項に対応する構成を有しているといえる。
そして、刊行物1発明と刊行物2記載の事項とは、表示装置を接続するための制御装置側コネクタを設けた制御装置を備える点で共通し、また、各コネクタの配置は当業者が適宜設定し得るものであることを考慮すれば、刊行物1発明において、「遊技制御装置100」(制御装置)の「基板101」に設けるコネクタの構成に刊行物2記載の事項を適用し、「コネクタ端子380」(制御装置側コネクタ)を含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され、この列には「遊技制御装置100」(制御装置)に電源を供給するための電源用コネクタを含めないものとし、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 相違点3について
上記相違点3について検討する。
上記(2)(2-3)で示した通り、刊行物3には、次の事項(刊行物3記載の事項)が記載されていると認められる。
「パチンコ遊技機10において、7セグメントLEDで構成される特別図柄表示器35は、所定の変動パターンで特別図柄として変動表示され、特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当たり遊技状態に遊技状態が移行し、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持され、所定の変動パターンは、数字図柄を含まない点。」

刊行物3記載の事項における「特定の数字図柄」及び「特定の数字図柄以外の数字図柄」は、それぞれ、本願補正発明の「当り結果を表す表示態様」及び「外れ結果を表す表示態様」に対応するものといえる。そして、刊行物3記載の事項における「所定の変動パターン」は本願補正発明の「複数の表示態様」に対応し、刊行物3記載の事項は「所定の変動パターンは、数字図柄を含まない」ものであるから、刊行物3記載の事項は、本願補正発明における「前記複数の表示態様には、前記外れ結果を表す表示態様及び前記当り結果を表す表示態様を含めないように」するとの事項に対応する構成を有しているといえる。
そして、刊行物1発明と刊行物3記載の事項とは、7セグメント型の変動表示部により、変動表示と結果の表示を行う遊技機に関するものである点で共通するから、刊行物1発明において、刊行物3記載の事項を適用し、「特図1表示器51」において変動中であることを表示する際に循環的に順次変化させる複数の表示態様を、外れ結果を表す表示態様及び当り結果を表す表示態様を含めないものとすることで、上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

エ 相違点4について
上記相違点4について検討する。
上記(2)(2-4)で示した通り、刊行物4には、次の事項(刊行物4記載の事項)が記載されていると認められる。
「遊技機10において、遊戯制御基板110には一括表示装置50に駆動信号を出力する特図普図LED用コネクタ116Fが実装され、特図普図LED用コネクタ116Fは、ピン配列が2列のコネクタである点。」

刊行物4記載の事項における、「遊戯制御基板110」に実装される「一括表示装置50に駆動信号を出力する特図普図LED用コネクタ116F」は、本願補正発明における「制御装置側コネクタ」に対応するものといえるから、刊行物4記載の事項は、本願補正発明における「前記制御装置側コネクタは、ピン配列が2列のコネクタであ」るとの事項に対応する構成を有しているといえる。
また、刊行物1発明と刊行物4記載の事項は、制御装置に表示装置と接続するための制御装置側コネクタを実装する点で共通するものであり、また、コネクタの形状は、当業者が適宜設定し得るものであることを考慮すれば、刊行物1発明において、「コネクタ端子380」(制御装置側コネクタ)を、刊行物4記載の事項を適用してピン配列が2列のコネクタとし、上記相違点4に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(5)請求人の主張について
請求人は、平成29年11月2日付けの意見書の【意見の内容】、「5.本願発明と引用文献との比較」において、「補正後の本願請求項1に記載の発明(以下、本願発明という)と引用文献1-4とを比較すると、引用文献1-4は、『前記表示装置は、前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタが、当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面に実装され』及び『前記表示装置側コネクタは、ピン配列が1列のコネクタである』という特徴的構成について開示していない。
・・・これに対して、引用文献1には、一括表示装置50のLED基板580の裏面に2つのコネクタ端子581、582を設ける旨が記載され(引用文献1、図89)、一括表示装置50のLED基板580の裏面に4つのコネクタ端子581、582、583、584を設ける旨が記載されているが(引用文献1、図92)、一括表示装置50のLED基板580の前面にコネクタ端子を実装する旨の記載及び示唆はない。
また、引用文献2-4には、上記特徴的構成に関する記載及び示唆はない。
従って、本願発明は、引用文献1-4が開示しない構成及び当該構成による有利な効果を具備するものであり、当業者であっても容易に想到することができないため、進歩性を有するものと思量される。」との主張をしている。
しかしながら、上記「(4)ア」で示したとおり、遊技機に設けられ、発光部材を有する表示装置において、表示装置に設ける表示装置側コネクタを、当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面に実装することは、周知技術に過ぎず、また、刊行物1発明において当該周知技術を適用することは、当業者が容易に想到し得たことであるから、請求人の上記主張は採用することができない。

(6)まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が刊行物1発明、刊行物2記載の事項、刊行物3記載の事項、刊行物4記載の事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 補正却下の決定についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年8月8日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲に記載されたとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである(A?I”は、分説するために当審にて付した。)。

「【請求項1】
A 変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示装置と、前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置と、を備える遊技機において、
B 前記変動表示部は、複数の発光部材により構成されてなり、
C”前記表示装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタが実装され、該表示装置側コネクタに前記制御装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
D 前記制御装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された制御装置側コネクタが実装され、該制御装置側コネクタに前記表示装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
E さらに、前記制御装置側コネクタを含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され、この列には当該制御装置に電源を供給するための電源用コネクタを含めない構成とし、
F”前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様の間で循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ、
G 前記複数の表示態様には、前記外れ結果を表す表示態様及び前記当り結果を表す表示態様を含めないようにし、
H”前記制御装置側コネクタをピン配列が2列のコネクタにて構成するとともに、
I”前記表示装置側コネクタをピン配列が1列のコネクタにて構成することを特徴とする遊技機。」

2 拒絶理由通知の概要
平成29年9月7日付け拒絶理由通知は、本願発明は、当業者が特開2011-143071号公報(刊行物1)に記載された発明、特開2009-172297号公報(刊行物2)に記載された事項、特開2009-189563号公報(刊行物3)に記載された事項、及び、特開2012-95880号公報(刊行物4)に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

3 刊行物
刊行物1及びその記載事項並びに刊行物1発明、刊行物2及びその記載事項並びに刊行物2記載の事項、刊行物3及びその記載事項並びに刊行物3記載の事項、刊行物4及びその記載事項並びに刊行物4記載の事項は、それぞれ、上記「第2 3(2)(2-1)」、「第2 3(2)(2-2)」、「第2 3(2)(2-3)」、「第2 3(2)(2-4)」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「表示装置側コネクタ」に関して、「当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面に」実装されるとの事項を省くとともに、本願補正発明を特定するために必要な事項である「前記制御装置側コネクタは、ピン配列が2列のコネクタであり、」及び「前記表示装置側コネクタは、ピン配列が1列のコネクタである」との事項を、それぞれ、実質的に意味を変えずに「前記制御装置側コネクタをピン配列が2列のコネクタにて構成するとともに、」及び「前記表示装置側コネクタをピン配列が1列のコネクタにて構成する」に戻し、さらに、本願補正発明を特定するために必要な事項である「前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様により循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ」に関して、「前記変動表示ゲームの結果として」との事項を省くとともに、実質的に意味を変えずに「複数の表示態様により循環的に順次変化させる」を「複数の表示態様の間で循環的に順次変化させる」に戻したものである。

本願発明と刊行物1発明とを対比する。

本願発明における構成A、B、Dと刊行物1発明における構成a、b、dとの対比については、上記「第2 3(3)」において検討したとおりである。

(c)本願発明における構成C”は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「表示装置側コネクタ」に関して、「当該表示装置を当該遊技機に取り付けた時に前面側となる面に」実装されるとの事項を省いたものであるから、「第2 3(3)(c)」における検討を踏まえると、刊行物1発明の構成cは、本願発明の構成C”に相当するといえる。

(f)本願発明における構成F”は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様により循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、前記変動表示ゲームの結果として一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ」に関して、「前記変動表示ゲームの結果として」との事項を省くとともに、実質的に意味を変えずに「複数の表示態様により循環的に順次変化させる」を「複数の表示態様の間で循環的に順次変化させる」に戻したものであるから、「第2 3(3)(f)」における検討を踏まえると、刊行物1発明の構成fは、本願発明の構成F”に相当するといえる。

(i)本願発明における構成I”は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「前記表示装置側コネクタは、ピン配列が1列のコネクタである」を、実質的に意味を変えずに「前記表示装置側コネクタをピン配列が1列のコネクタにて構成する」に戻したものであるから、「第2 3(3)(i)」における検討を踏まえると、刊行物1発明の構成iは、本願発明の構成I”に相当するといえる。

以上の対比より、本願発明と刊行物1発明とは、

「A 変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示装置と、前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置と、を備える遊技機において、
B 前記変動表示部は、複数の発光部材により構成されてなり、
C”前記表示装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された表示装置側コネクタが実装され、該表示装置側コネクタに前記制御装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
D 前記制御装置は、
前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された制御装置側コネクタが実装され、該制御装置側コネクタに前記表示装置と電気的に接続するための配線のコネクタが接続され、
F”前記変動表示部の表示態様を複数の表示態様の間で循環的に順次変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ、
I”前記表示装置側コネクタをピン配列が1列のコネクタにて構成する遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点5)制御装置のコネクタに関して、本願発明は、「さらに、前記制御装置側コネクタを含んだ複数のコネクタが列を形成するように実装され、この列には当該制御装置に電源を供給するための電源用コネクタを含めない」と特定されているのに対し、刊行物1発明はそのように特定されていない点。(構成E)

(相違点6)変動表示ゲームが実行中であることを表示する変動表示部の複数の表示態様に関して、本願発明は、「前記複数の表示態様には、前記外れ結果を表す表示態様及び前記当り結果を表す表示態様を含めない」と特定されているのに対し、刊行物1発明はそのように特定されていない点。(構成G)

(相違点7)制御装置側コネクタに関して、本願発明は、「前記制御装置側コネクタをピン配列が2列のコネクタにて構成する」と特定されているのに対し、刊行物1発明はそのように特定されていない点。(構成H”)

そして、上記相違点5、6は、それぞれ、上記相違点2、3と同様のものであり、上記「第2 3(4)イ」、「第2 3(4)ウ」で検討したとおりであるから、刊行物1発明において、刊行物2記載の事項及び刊行物3記載の事項を適用し、上記相違点5、6に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、本願発明の構成H”は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「前記制御装置側コネクタは、ピン配列が2列のコネクタであり、」を、実質的に意味を変えずに「前記制御装置側コネクタをピン配列が2列のコネクタにて構成するとともに、」に戻したものであるから、上記相違点7は、上記相違点4と実質的に同様のものである。よって、上記「第2 3(4)エ」で検討したとおり、刊行物1発明において、刊行物4記載の事項を適用し、上記相違点7に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

したがって、本願発明は当業者が刊行物1発明、刊行物2記載の事項、刊行物3記載の事項及び刊行物4記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-12-20 
結審通知日 2017-12-26 
審決日 2018-01-09 
出願番号 特願2014-255907(P2014-255907)
審決分類 P 1 8・ 575- WZ (A63F)
P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 英司  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 萩田 裕介
樋口 宗彦
発明の名称 遊技機  
代理人 後藤 政喜  
代理人 飯田 雅昭  

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