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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G09F 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G09F 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G09F |
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管理番号 | 1337743 |
審判番号 | 不服2017-2608 |
総通号数 | 220 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-02-23 |
確定日 | 2018-03-19 |
事件の表示 | 特願2015- 2350「金属引き回し抵抗を減少したディスプレイ回路」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月16日出願公開、特開2015-129941、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成27年1月8日(パリ条約による優先権主張2014年1月8日、アメリカ合衆国)の出願であって、その手続の概要は、以下のとおりである。 平成28年 1月26日:拒絶理由の通知 平成28年 5月 2日:意見書、手続補正書の提出 平成28年10月26日:拒絶査定(同年10月31日送達) 平成29年 2月23日:審判請求書、手続補正書の提出 平成29年 4月 4日:審判請求書の手続補正書の提出 平成29年10月16日:拒絶理由(最後の拒絶理由、以下「当審拒絶理 由」という。)の通知 平成30年 1月17日:意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願請求項1ないし6に係る発明(以下「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、平成30年1月17日付け手続補正で補正された請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、本願発明1は以下のとおりである。 「【請求項1】 ユーザに対して画像を表示する表示ピクセルのアレイを有するディスプレイのアクティブエリアを形成し、前記アクティブエリアの周りを囲む前記ディスプレイのインアクティブエリアを形成するディスプレイ回路であって、 基板と、 前記アクティブエリア内の前記基板の上に形成された薄膜トランジスタと、 前記基板の上に形成されたゲート絶縁層と、 前記薄膜トランジスタ上に形成されたパッシベーション層であって、前記薄膜トランジスタのゲート電極が、前記パッシベーション層と前記ゲート絶縁層との間に位置する、パッシベーション層と、 前記パッシベーション層上に形成された第1の誘電体層と、 前記第1の誘電体層上に形成された第2の誘電体層と、 前記インアクティブエリア内に導電性引き回し構造体を形成する第1の金属層であって、前記第1の金属層は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間に位置し、前記インアクティブエリア内の前記導電性引き回し構造体は、前記インアクティブエリア内のディスプレイドライバ回路を、前記表示ピクセルを制御する前記アクティブエリア内のコントロール線に接続している、第1の金属層と、 前記第2の誘電体層上に形成された誘電体平坦化層と、 前記第2の誘電体層と前記誘電体平坦化層との間に位置する前記インアクティブエリア内の導電性引き回し構造体を形成する第2の金属層と、 前記誘電体平坦化層上に形成された前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内の導電性引き回し構造体を形成する第3の金属層と、 前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内の絶縁材料層であって、前記第3の金属層は、前記絶縁材料層と、前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内の前記誘電体平坦化層との間に位置する、絶縁材料層と、 前記アクティブエリア内のピクセル電極であって、前記絶縁材料層及び前記第3の金属層は、前記ピクセル電極と、前記アクティブエリア内の前記基板との間に位置する、ピクセル電極と、を備えたディスプレイ回路。」 なお、本願発明2ないし6の概要は以下のとおりである。 本願発明2ないし6は、本願発明1を減縮した発明である。 第3 引用文献1、引用発明 原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1(国際公開第2006/016662号)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様である。)。 1 「[0034] 石英ガラス、無アルカリガラス等からなる絶縁性基板10上に、p? Si膜からなる能動層43、その上にSiO_(2)膜、SiN膜の順に積層されたゲート絶縁膜12、Cr、Moなどの高融点金属からなるゲート電極41が順に形成されている。能動層43には、ゲート絶縁膜12を挟んで上方がゲート電極41に覆われた領域にチャネル43cが形成され、このチャネル43cの両側には、不純物(ここでは p導電型不純物、例えばボロン)がドープされ、ソース43s及びドレイン43dが形成されている。そして、ゲート絶縁膜12及びゲート電極41上の全面を覆うように、SiO_(2)膜、SiN膜及びSiO_(2)膜の順に積層された層間絶縁膜15が形成されている。さらにこの層間絶縁膜15及びゲート絶縁膜12を貫通してドレイン43dに対応して設けたコンタクトホールには、A1等の金属を充填して駆動電源に接続された駆動電源線53が配置されている。更に基板全面を覆うように平坦化絶縁膜17が形成されている。平坦化絶縁層17の上にはITO (Indium Tin Oxide)やIZO (Indium Zinc Oxide)から成る透明電極、即ち有機EL素子の陽極61が形成されている。なお、この陽極61は画素毎に個別のパターンにパターニングされている。平坦化絶縁膜17には、そのソース43sに対応した位置に、コンタクトホールが形成され、このコンタクトホールにおいてソース43sと有機EL素子の陽極61とが接続されている。また、陽極61の周辺部にはそのエッジ部分を覆うようにさらに平坦化絶縁膜18が形成されている。この平坦化絶縁膜18によって、陽極61の周辺部の角部と、陽極61の上に、間に発光素子層を挟んで積層される陰極65と、が短絡することを防止する。また、この平坦化絶縁膜18の開口部において、陽極61と発光層を含む発光素子層とが直接接し、この有機EL素子の発光領域を規定している。 [0035] 有機EL素子60は、ITO等の透明電極から成る陽極61と、A1などの金属電極からなる陰極65との間に発光素子層が形成された積層構造を備える。発光素子層は、用いる材料により単層構造であったり2層以上の多層構造が採用でき、例えば陽極61側から、正孔注入電極である陽極61からの正孔を発光層に注入するためのCFx等を用いたホール注入層(図示せず)、NPBなどを用いたホール輸送層62、例えばNPB等のホスト材料に発光材料がドーパントとして混合された発光層63、Alqなどから成る電子輸送層64、フッ化リチウム合金などから成り、陰極からの電子を発光層に注入する電子注入層を備える。 [0036] なお有機EL素子は、陽極から注入されたホールと、陰極から注入された電子とが発光層の内部で再結合し、発光層を形成する有機分子を励起して励起子が生じる。この励起子が放射失活する過程で発光層から光が放たれ、この光が透明な陽極から 透明絶縁基板を介して外部へ放出されて発光する。 [0037] この有機EL素子60は、上述の通り、各画素の駆動TFT40にその陽極61が接続されており、1画素の回路素子、ここでは、選択TFT、駆動TFTなどにより制御される有機EL素子60が画素回路によって制御されて発光することで画素毎の発光表示が行われる。 [0038] 次に、上記有機EL素子60を各画素に形成する前のTFTアレイの段階で、各画素のTFTの検査をすることを可能とするための本実施形態の構成について説明する。 [0039] なお、図中において、画素の数は説明の都合上、48画素しか記載していないが、実際には、数万?数十万画素が配置されている。 [0040] 透明なガラス基板10上には、既に説明したように、多数の表示画素回路の形成された表示画素領域110 (図1に点線で示す領域)の周辺領域には、各画素回路を駆動するための周辺駆動回路として、水平駆動回路HD及び垂直駆動回路VDが形成されている。 [0041] 更に、本実施形態では、TFTの特性ばらつきを検査する際に利用可能な内蔵の検査用配線100を有する。検査用配線100は、図1の例では斜線でハッチングした領域に形成されている。即ち、垂直駆動回路VD及び水平駆動回路HDに沿うように延び、かつ、各駆動回路VD,HDと表示画素領域110との間に形成されており、検査用端子101に接続されている。 [0042] 本実施形態において、上記検査用配線100は、単に駆動回路周辺に形成されているだけでなく、図4Bに示すように、表示画素領域内のTFTと同じ構造の内蔵検査用素子120に接続されている。なお、検査用配線100は、図4Bにおいて、その紙面法線方向に延在している。 [0043] この内蔵用検査用素子120は、検査専用に設けられた TFT素子であっても良いし、表示装置 (完成体)としてパネルが通常表示動作をする際に、駆動回路や画素回路の一部として動作可能なTFTでも良い。すなわち、内蔵検査用素子120は、少なくとも検査時に画素回路において表示素子たるEL素子を制御するためのTFT、特に駆動TFT40と同じ構造で同様な動作をするTFT構造を備えれば良い。」 2 図4Bの記載から、平坦化絶縁膜17と平坦化絶縁膜18との間に位置する検査用配線100、平坦化絶縁膜18より上に形成された周辺BIST部130内及び画素領域内の陰極65が見て取れる。 3 上記1及び2から、以下の発明が記載されている。 「ガラス基板上の、TFTを含む多数の表示画素回路の形成された表示画素領域、表示画素領域の周辺領域とからなる表示装置であって、 ガラス基板上にゲート絶縁膜、ゲート電極が順に形成され、ゲート絶縁膜及びゲート電極上の全面を覆うように、SiN膜及びSiO_(2)膜の順に積層された層間絶縁膜が形成され、さらにこの層間絶縁膜及びゲート絶縁膜を貫通して設けたコンタクトホールには、駆動電源に接続された駆動電源線が配置され、更に平坦化絶縁膜17が形成され、さらに平坦化絶縁膜18が形成され、 周辺領域には周辺駆動回路が形成され、 平坦化絶縁膜17と平坦化絶縁膜18の間に位置し駆動回路周辺に形成されている検査用配線を有し、 平坦化絶縁膜18より上の周辺BIST部130内及び画素領域内に陰極が形成された表示装置。」(以下「引用発明」という。) 第4 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 ア 引用発明の「表示画素回路の形成された表示画素領域」は、本願発明1の「『ユーザに対して画像を表示する表示ピクセル』『を有するディスプレイのアクティブエリア』」に、引用発明の「表示画素領域の周辺領域」は、本願発明1の「アクティブエリアの周りを囲む前記ディスプレイのインアクティブエリア」に、引用発明の「ガラス基板」は、本願発明1の「基板」に、引用発明の「『表示画素領域』に『形成された』『ガラス基板上の、TFT』」は、本願発明1の「前記アクティブエリア内の前記基板の上に形成された薄膜トランジスタ」に、引用発明の「『ガラス基板上』の『ゲート絶縁膜』」は、本願発明1の「前記基板の上に形成されたゲート絶縁層」に、引用発明の「『層間絶縁膜』の『SiN膜』」は、本願発明1の「パッシベーション層」に、引用発明の「ゲート電極」は、本願発明1の「ゲート電極」に、引用発明の「『層間絶縁膜』の『SiN膜』『に積層された』『SiO_(2)膜』」は、本願発明1の「前記パッシベーション層上に形成された第1の誘電体層」に、引用発明の「『層間絶縁膜が形成され』『更に』『形成され』た『平坦化絶縁膜17』」は、本願発明1の「前記第1の誘電体層上に形成された第2の誘電体層」に、引用発明の「『平坦化絶縁膜17が形成され、さらに』『形成された』『平坦化絶縁膜18』」は、本願発明1の「前記第2の誘電体層上に形成された誘電体平坦化層」に、引用発明の「周辺領域には周辺駆動回路が形成され、平坦化絶縁膜17と平坦化絶縁膜18との間に位置し駆動回路周辺に形成されている検査用配線」は、本願発明1の「前記第2の誘電体層と前記誘電体平坦化層との間に位置する前記インアクティブエリア内の導電性引き回し構造体を形成する第2の金属層」に、それぞれ相当する。 イ 引用発明の「TFTを含む多数の表示画素回路」は、引用文献1には「TFTアレイ」と記載されていることから、本願発明1の「画像を表示する表示ピクセルのアレイ」に相当する。 ウ 引用発明の「表示装置」は表示画素回路などの各種回路を設けているので、引用発明の「表示装置」の回路が、本願発明1の「ディスプレイ回路」に相当する。 エ 引用発明では「『ゲート絶縁膜及びゲート電極上の全面を覆うように、』『層間絶縁膜が形成され』」ているので、引用発明の「『層間絶縁膜』の『SiN膜』」は、「『表示画素領域内』の『TFT』」上に形成されている。 よって、引用発明の「ガラス基板上にゲート絶縁膜、ゲート電極が順に形成され、ゲート絶縁膜及びゲート電極上の全面を覆うように、』『形成され』た『層間絶縁膜』の『SiN膜』」は、本願発明1の「前記薄膜トランジスタ上に形成されたパッシベーション層であって、前記薄膜トランジスタのゲート電極が、前記パッシベーション層と前記ゲート絶縁層との間に位置する、パッシベーション層」に相当する。 オ 引用発明では「『駆動電源線』は『層間絶縁膜』『を貫通して』『駆動電源に接続され』」ており、「周辺領域には周辺駆動回路が形成され」ているので、引用発明の「『周辺領域に』おいて『駆動電源に接続され』る『駆動電源線』」は、本願発明1の「前記インアクティブエリア内に導電性引き回し構造体を形成する第1の金属層であって、前記第1の金属層は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間に位置し、前記インアクティブエリア内の前記導電性引き回し構造体は、前記インアクティブエリア内のディスプレイドライバ回路を、前記表示ピクセルを制御する前記アクティブエリア内のコントロール線に接続している、第1の金属層」に相当する。 カ 本願発明1の「第3の金属層」が「前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内」の「誘電体平坦化層上に形成された」ことのみを考慮した場合に、引用発明の「『平坦化絶縁膜18より上』に『形成された』『周辺BIST部130内及び画素領域内』の『陰極』」が、本願発明1の「前記誘電体平坦化層上に形成された前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内の導電性引き回し構造体を形成する第3の金属層」に相当する。 キ 上記アないしカから、本願発明1と引用発明との間の一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「ユーザに対して画像を表示する表示ピクセルのアレイを有するディスプレイのアクティブエリアを形成し、前記アクティブエリアの周りを囲む前記ディスプレイのインアクティブエリアを形成するディスプレイ回路であって、 基板と、 前記アクティブエリア内の前記基板の上に形成された薄膜トランジスタと、 前記基板の上に形成されたゲート絶縁層と、 前記薄膜トランジスタ上に形成されたパッシベーション層であって、前記薄膜トランジスタのゲート電極が、前記パッシベーション層と前記ゲート絶縁層との間に位置する、パッシベーション層と、 前記パッシベーション層上に形成された第1の誘電体層と、 前記第1の誘電体層上に形成された第2の誘電体層と、 前記インアクティブエリア内に導電性引き回し構造体を形成する第1の金属層であって、前記第1の金属層は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間に位置し、前記インアクティブエリア内の前記導電性引き回し構造体は、前記インアクティブエリア内のディスプレイドライバ回路を、前記表示ピクセルを制御する前記アクティブエリア内のコントロール線に接続している、第1の金属層と、 前記第2の誘電体層上に形成された誘電体平坦化層と、 前記第2の誘電体層と前記誘電体平坦化層との間に位置する前記インアクティブエリア内の導電性引き回し構造体を形成する第2の金属層と、 前記誘電体平坦化層上に形成された前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内の導電性引き回し構造体を形成する第3の金属層と、を備えたディスプレイ回路。」 (相違点) (ア)相違点1 第3の金属層が、本願発明1においては「前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内の絶縁材料層」「と、前記アクティブエリア内及び前記インアクティブエリア内の前記誘電体平坦化層との間に位置する」のに対して、引用発明においてはそのような特定がない点。 (イ)相違点2 本願発明1は「絶縁材料層と、前記アクティブエリア内のピクセル電極であって、前記絶縁材料層及び前記第3の金属層は、前記ピクセル電極と、前記アクティブエリア内の前記基板との間に位置する、ピクセル電極」を備えているのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。 (2)判断 相違点1において本願発明1では「第3の金属層」が、「前記アクティブエリア内」「の絶縁材料層」「と、前記アクティブエリア内」「の前記誘電体平坦化層との間に位置する」とあり、相違点2において本願発明1では「前記絶縁材料層及び前記第3の金属層は、前記ピクセル電極と、前記アクティブエリア内の前記基板との間に位置する」とあることから、「アクティブエリア内」の「第3の金属層」上の「絶縁材料層」上にさらに「ピクセル電極」も配置している。 そこで、上記相違点1、2について検討すると、本願発明1の「第3の金属層」に相当するものは引用発明では「陰極」であり、引用発明において発光素子層に積層される「アクティブエリア内及びインアクティブエリア内」の「陰極」上に「絶縁材料層」、「アクティブエリア内」の「陰極」上の「絶縁材料層」上にさらに「ピクセル電極」を配置する技術思想はなく、その動機付けがないから、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、原査定の拒絶の理由で引用され、本願優先日前に頒布された引用文献2(特開2005-31645号公報)にも、上記相違点1、2についての構成は記載されていない。 したがって、本願発明1は、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 本願発明2ないし6について 本願発明2ないし6は、本願発明1を減縮した発明であるから、本願発明1と同様な理由により、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は、請求項1-4、7について上記引用文献1に記載された発明であり、請求項1、4、7について上記引用文献2に記載された発明であるので、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない、また、請求項1-7について、上記引用文献1又は上記引用文献2から当業者が容易に想到し得たことであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 しかしながら、上記のとおり、平成30年1月17日付け手続補正で補正された請求項1ないし6は、上記引用文献1に記載された発明又は上記引用文献2に記載された発明でなく、当業者が上記引用文献1又は上記引用文献2に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由について 当審では、特許法第36条第6項第2号の拒絶理由を通知しているが、平成30年1月17日付け手続補正で補正された結果、この拒絶理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、原査定及び当審の理由によって、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-03-01 |
出願番号 | 特願2015-2350(P2015-2350) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G09F)
P 1 8・ 113- WY (G09F) P 1 8・ 537- WY (G09F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 請園 信博 |
特許庁審判長 |
森林 克郎 |
特許庁審判官 |
松川 直樹 野村 伸雄 |
発明の名称 | 金属引き回し抵抗を減少したディスプレイ回路 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 弟子丸 健 |
代理人 | 岩崎 吉信 |
代理人 | 大塚 文昭 |