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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C30B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C30B
管理番号 1338139
異議申立番号 異議2017-701157  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-12-07 
確定日 2018-02-16 
異議申立件数
事件の表示 特許第6144347号発明「III族窒化物ウエハおよびその生産方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6144347号の請求項1?11に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第6144347号の請求項1?11に係る特許についての出願は、2013年3月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理、2012年8月28日、(US)米国)を国際出願日とするものであって、平成29年5月19日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対して、特許異議申立人鈴木悟嗣により特許異議の申立てがされたものである。

2 本件特許発明
特許第6144347号の請求項1?11の特許に係る発明(以下、「本件特許発明1?11」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定されるとおりのものである。

3 申立理由の概要
特許異議申立人は、証拠として、以下の甲第1号証?甲第12号証を提出し、本件特許発明1?3、10は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、また、本件特許発明1?11は、甲第1号証?甲第10号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反しているから、本件特許発明1?11に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。
(証拠一覧)
・甲第1号証:特開2010-87486号公報
・甲第2号証:特表2004-530306号公報
・甲第3号証:特許第5847732号公報
・甲第4号証:特開2011-100860号公報
・甲第5号証:特開2011-121803号公報
・甲第6号証:特開2007-153712号公報
・甲第7号証:特開2007-297263号公報
・甲第8号証:特開2011-42566号公報
・甲第9号証:米国特許出願公開第2010/0219505号明細書
・甲第10号証:特開2010-222247号公報
・甲第11号証:本件特許の出願において発行された平成28年9月20日起案、平成28年9月26日発送の拒絶理由通知書
・甲第12号証:平成28年9月26日発送の拒絶理由通知書に応答して平成28年12月12日に提出された意見書

4 甲号証の記載
(1)甲第1号証(特開2010-87486号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第1号証には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審が付した。
ア 「【0012】
発明者は、従来のようにスライス後の基板に対してエッチングなどの工程を付加し基板の形状制御を行なうのではなく、スライス工程自体の条件を検討することで、スライス後の基板の形状や表面性状を向上させるという着想に基づき、鋭意研究を進めた結果、本発明を完成した。すなわち、加工後の基板の算術平均粗さRaが後述する所定値の範囲となるようにスライス工程の条件を調整することで、スライス後の基板の形状や表面性状をエピタキシャル層の成長に適したものとすることが可能であるという知見を発明者は得た。この知見に基づいて、本発明に従った基板の製造方法は、窒化ガリウム(GaN)からなるインゴットを準備する工程と、インゴットをスライスして窒化ガリウムからなる基板を得る工程とを備える。基板を得る工程では、スライス後の基板の主表面の算術平均粗さRaが10mm線上で0.05μm以上1μm以下となっている。」
イ 「【0019】
この発明に従ったエピタキシャル層付基板の製造方法は、上記基板の製造方法を用いて基板を準備する工程と、基板の主表面から加工変質層を除去する工程と、基板を研磨加工する工程と、研磨加工された後の基板の主表面上に窒化ガリウム系半導体からなるエピタキシャル層を形成する工程とを備える。なお、上記研磨加工する工程に先立って、基板の主表面から加工変質層を除去する工程を実施してもよい。
【0020】
この場合、エピタキシャル層を形成する前に研磨加工により基板の平坦性を向上させることができる。この結果、エピタキシャル層を形成する際に、基板の平坦性が悪いことに起因して形成されるエピタキシャル層の膜質が低下する可能性を低減できる。」
ウ 「【0029】
(実施の形態1)
・・・
【0030】
図1に示すように、本発明によるエピタキシャル層付基板の製造方法では、まず基板作製工程(S100)を実施する。この工程(S100)では、図2に示すような工程を実施して窒化ガリウム(GaN)からなる基板を準備する。具体的には、図2に示すように、まずインゴット成長工程(S110)を実施する。この工程(S110)においては、任意の方法を用いてGaNからなるインゴットを製造する。インゴットの製造方法としては、たとえばハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いてGaNからなるインゴットを成長させてもよい。この場合、たとえばガリウム砒素(GaAs)の(111)基板上にSiO_(2)からなるマスクパターンを形成し、当該基板上にHVPE法によりGaN層を成長させてもよい。なお、詳細は後述する。また、GaNからなるインゴットの成長方法としては、上述したHVPE法以外の方法を用いてもよい。たとえば、高圧溶融法、昇華法、フラックス法、アモノサーマル法などを用いてGaNインゴットを形成してもよい。また、準備したインゴットとしては、たとえば(0001)面を主表面とし、直径が50mm、厚みがたとえば12mmといった基板を用いてもよい。なお、インゴットにおける主表面の結晶の面方位や厚みおよび直径といったサイズや形状は特に限定されない。
【0031】
次に、図2に示すように、スライス工程(S120)を実施する。この工程(S120)においては、図4に示すようなマルチワイヤソー装置1を用いて工程(S110)において準備したインゴットをスライスする。ここで、図4はマルチワイヤソー装置を示す斜視模式図である。図5は図4に示したマルチワイヤソー装置において複数のインゴットをワーク支持台に取付けた状態を示す拡大斜視模式図である。図4および図5を参照して、スライス工程(S120)において用いるマルチワイヤソー装置1を説明する。
・・・
【0044】
次に、図2に示すように、洗浄工程(S130)が実施される。この工程(S130)においては、スライス工程(S120)において形成されたGaN基板の表面からスラリーやその他の異物を除去するための洗浄を行なう。洗浄の方法としては、従来周知の任意の方法を用いることができる。」
エ 「【0046】
この原因は、GaN結晶の極性に起因するものと思われる。すなわち、(0001)面を主面とするGaN基板は、表面側と裏面側とで最表面に表出する原子が異なる。すなわち、図6に示したインゴット3のGa原子面4(Ga原子が最表面に表出している面)は非常に化学的に安定でありかつ硬度が高い。一方、裏面側であるN原子面5(N原子が最表面に表出している面)は、Ga原子面4に比べると比較的安定性に劣り、またその硬度も相対的に低くなっている。たとえば、N原子面はKOHなどの強アルカリ溶液によりウェットエッチングを行なうことが可能であるが、Ga原子面4についてはそのようなウェットエッチングは難しい。」
オ 「【0051】
なお、上述した工程によって得られた基板10は、図7に示すようにその表面に加工変質層15が形成されている。ここで、図7は、基板作製工程(S100)によって得られた基板の断面構造を説明するための部分断面模式図である。上述したスライス工程(S120)における条件を上述のように調整することにより、本発明により得られた基板10においては、加工変質層15の深さ(加工変質層15の厚さ)は十分小さくなっている。具体的には、加工変質層15の最大深さは10μm以下であり、加工変質層15の平均深さは5μm以下となっている。」
カ 「【0057】
図3に示すように、成膜工程(S200)においては、まず前処理工程(S210)が実施される。この工程(S210)においては、気相成長装置の内部に基板を配置した状態で、塩化水素(HCl)ガスやアンモニア(NH_(3))ガスなどを供給することで基板10の表面を気相エッチングする。上記基板作製工程(S100)で得られた基板10は加工変質層の厚みが比較的薄いため、このような気相エッチングによって加工変質層が除去される。このようにして、前処理工程(S210)を実施する。
【0058】
次に、図3に示すようにエピタキシャル成長工程(S220)を実施する。この工程(S220)においては、基板10の主表面上に従来周知の方法を用いてエピタキシャル層9(図10参照)を形成する。この結果、図10に示すように、基板10の主表面上にエピタキシャル層9が形成されたエピタキシャル層付基板20を得ることができる。ここで、図10は、本発明によるエピタキシャル層付基板を示す斜視模式図である。」
キ 「【0060】
(実施の形態2)
・・・
【0061】
図11に示した工程は、図1に示した基板作製工程(S100)に対応している。図11に示した工程を実施した後、図1および図3に示した成膜工程(S200)を実施することにより、本発明によるエピタキシャル層付基板を得ることができる。
【0062】
次に、図11に示した基板作製工程の内容を説明する。図11に示すように、この実施の形態における基板作製工程は、基本的には図2に示した基板作製工程と同様の構成を備えるが、洗浄工程(S130)の後に研磨工程(S140)が実施される点が異なっている。この研磨工程(S140)においては、洗浄工程(S130)を実施した、エピタキシャル層を形成する基板の表面と反対側の表面(裏面:たとえばN原子面)について加工を行なう。この研磨工程(S140)においては、従来周知の任意の方法を用いることができるが、たとえば第1の研磨材(たとえばダイヤモンド砥粒)と第1の潤滑剤(たとえばエチレングリコールと水とを主成分とする液体)とを含む研磨液を第1の定盤(たとえば錫合金製の定盤)上に供給しながら当該第1の定盤および研磨液を用いて基板の表面を研磨する第1の研磨工程を実施してもよい。そして、この第1の研磨工程の後、第2の研磨材(たとえばダイヤモンド砥粒)が埋込まれた第2の定盤(たとえば錫合金製の定盤)上に第2の潤滑剤(たとえば第1の潤滑剤と同様の液体)を供給しながら、第2の研磨材が埋込まれた第2の定盤を用いて基板表面を研磨する第2の研磨工程を実施するようにしてもよい。このようにすれば、第2の研磨工程においては、第2の研磨材が第2の定盤に埋込まれているので、第2の研磨材同士が研磨工程中に凝集しない。そのため、研磨材の凝集に起因する基板表面でのスクラッチの発生を抑制しながら基板表面を研磨し、鏡面加工を行なうことができる。
・・・
【0064】
その後、加工後の基板を従来周知の方法で洗浄し、さらに図1および図3に示した成膜工程(S200)を実施することにより、図10に示すようなエピタキシャル層付基板20を得ることができる。なお、上述した研磨工程(S140)においてエピタキシャル層を形成する表面であるGa原子面に対して研磨加工(たとえば鏡面加工)を行なうようにしてもよい。この場合、図3に示した前処理工程(S210)は実施しなくてもよいが、確実に加工変質層を除去する観点から上記前処理工程(S210)を実施してもよい。」
ク 「【0065】
(実施の形態3)
図12は、本発明によるエピタキシャル層付基板の製造方法の実施の形態3を構成する基板作製工程を説明するためのフローチャートである。図12を参照して、本発明によるエピタキシャル層付基板の製造方法の実施の形態3を説明する。
【0066】
本発明によるエピタキシャル層付基板の製造方法の実施の形態3は、基本的には上述した実施の形態2におけるエピタキシャル層付基板の製造方法と同様の工程を備えるが、基板作製工程の内容が一部異なっている。すなわち、図12に示した基板作製工程では、スライス工程(S120)と洗浄工程(S130)との間にエッチング工程(S150)が実施されている。その他の工程は基本的には上述した本発明によるエピタキシャル層付基板の製造方法の実施の形態2と同様になっている。
【0067】
上述したエッチング工程(S150)においては、基板の表面に形成された加工変質層を除去する。ここで、たとえばN原子面側の加工変質層については、KOHやNaOHなどの強アルカリやリン酸を用いてエッチングを行なうことができる。また、加工変質層の深さが深い場合には、当該薬液(エッチング液)の温度や濃度を上げてエッチングレートを高くすることが好ましい。一方、Ga原子面側の加工変質層については、当該Ga原子面がウェットエッチングによるエッチングが困難であるため、ドライエッチングを用いる。ドライエッチングの条件としては、たとえば設備として反応性イオンエッチング装置を用い、反応ガスとしては塩素ガスを用いることができる。
【0068】
なお、上述したエッチング工程(S150)では、基板10の表面および裏面(たとえばGa原子面4およびN原子面5)の両方についてエッチングを行なってもよい。また、上記エッチング工程(S150)では、裏面(エピタキシャル層を形成する表面と反対側の裏面)のみについてエッチングを行なってもよく、また表面のみについてエッチングを行なってもよい。また、図12に示した工程では、研磨工程(S140)を実施しないようにしてもよい。
【0069】
そして、図12に示した工程を実施した後、さらに図1および図3に示した成膜工程(S200)を実施することにより、図10に示すようなエピタキシャル層付基板20を得ることができる。なお、このようにエッチング工程(S150)によって加工変質層を除去することにより、成膜工程(S200)における前処理工程(S210)(図3参照)を省略することが可能になる。」
ケ 「【0186】
上記基板10は、発光素子または電子回路素子を構成する基板として用いられてもよい。この場合、当該基板10上に形成された高品質なエピタキシャル層9を用いて素子を形成できるので、特性の優れた発光素子または電子回路素子を得ることができる。」
コ 「【図7】


(ここで、基板10の表面及び裏面に加工変質層15が形成されていることが見て取れる。)

(2)甲第2号証(特表2004-530306号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
I.技術分野
本発明は優れた表面品質をGa側にて有するAl_(x)Ga_(y)In_(z)N(式中、0<y≦1およびx+y+z=1)半導体ウェーハに関し、また、そのようなウェーハの製造方法に関する。」
イ 「【0019】
このような高品質Al_(x)Ga_(y)In_(z)N結晶ウェーハは、シリカまたはアルミナを含有する化学的機械研磨(CMP)スラリー組成物を用いてAl_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハブランク(blank、または未加工ウェーハ)をそのGa側にて化学的機械研磨(CMP)することによって容易に製造される。そのようなCMPプロセスにより、Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハの結晶欠陥(直径1μm未満の小さいピットにより確認される)を容易に視認可能にすることができる。」
ウ 「【0039】
また、本発明のもう1つの要旨は、高品質Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハを製造する方法であって、
約100μm?約1000μmの範囲にある厚さを有するAl_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハブランクを供給する工程、
場合により、Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハの内部応力を低下させる工程、
場合により、約5μm?約15μmの範囲にある平均粒子寸法を有する研磨材を含むラッピングスラリーを用いてAl_(x)Ga_(y)In_(z)NウェーハブランクをそのN側にてラッピングする工程、
場合により、約0.1μm?約6μmの範囲にある平均粒子寸法を有する研磨材を含む機械研磨スラリーを用いてAl_(x)Ga_(y)In_(z)NウェーハブランクをそのN側にて機械研磨する工程、
場合により、約5μm?約15μmの範囲にある平均粒子寸法を有する研磨材を含むラッピングスラリーを用いてAl_(x)Ga_(y)In_(z)NウェーハブランクをそのGa側にてラッピングする工程、
約0.1μm?約6μmの範囲にある平均粒子寸法を有する研磨材を含む機械研磨スラリーを用いてAl_(x)Ga_(y)In_(z)NウェーハブランクをそのGa側にて機械研磨する工程、
少なくとも1種の化学反応物質と200nm未満の平均粒子寸法を有する研磨コロイダル粒子とを含むCMPスラリーを用いてAl_(x)Ga_(y)In_(z)NウェーハをそのGa側にて化学的機械研磨する工程、および
場合により、Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハの内部応力を更に低下させ、および表面品質を向上させるようにマイルド(または穏やかに)エッチングする工程
を含み、得られるAl_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハは、ウェーハのGa側における10×10μm^(2)面積内で1nm未満の根二乗平均(RMS)表面粗さを有する方法に関する。
【0040】
Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハブランクは任意の適当な方法により、例えば(1)Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nブールを成長させ、その後、これをウェーハブランクへとスライスすること、あるいは(2)厚いAl_(x)Ga_(y)In_(z)N膜を異種基板上に成長させ、その後、この厚い膜を異種基板から分離することにより作製できる。ウェーハブランクはc軸がウェーハ表面に対して垂直になるように向き決めされていてよく、あるいはウェーハブランクは後のエピタキシャル成長、デバイス加工またはデバイス設計を容易にするように意図的にわずかに食違って(misorient)いて(c軸がウェーハ表面に対して垂直でなくて)よい。
【0041】
Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハブランクは、例えばそのようなAl_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハとこれがその上で成長する異種基板との間の熱係数および格子定数の相違によって生じる内部応力を低下させるためのプロセス(または処理)に付してよい。内部応力の低下は、Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハを熱アニールすること、およびウェーハを化学エッチングすることのいずれによっても実施できる。
・・・
【0044】
Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハは、高温にて非常に強い酸、例えば硫酸、リン酸またはそれらの組合せによって、および高温にて非常に強い塩基、例えば溶融KOHまたはNaOHによってのいずれでも化学エッチングできる。」
エ 「【0085】
Al_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハの化学エッチングは、高温の、非常に強い酸または塩基中にウェーハを浸漬することによって実施できる。150℃より高い温度の硫酸またはリン酸はAl_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハをエッチングできる。別法では、溶融水酸化カリウムまたはナトリウムもAl_(x)Ga_(y)In_(z)Nウェーハをエッチングできる。エッチング条件、例えばエッチング温度およびエッチング時間などは、好ましくは、厚さ100μm未満および好ましくは厚さ10μm未満の表面材料を除去するように制御される。」
オ 「【0104】
CMPプロセス後、ウェーハを研磨取付け具から外し、そして洗浄した。また、ウェーハを希フッ酸中でも洗浄してウェーハ表面にある全ての残留コロイダルシリカ粒子を除去した。ウェーハを原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメンツ(Digital Instruments)ナノスコープ(NanoScope)III)で撮像してピット密度および表面平坦度を測定した。1枚のウェーハについてのRMS粗さは2×2μm^(2)面積内で0.11nmであり、10×10μm^(2)面積内で0.28nmであった。3枚のウェーハについてのピット密度は約10^(6)?10^(7)ピット/cm^(2)であり、ピット寸法は直径約0.4μm未満であった。」

(3)甲第3号証(特許第5847732号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
「【0031】
この異方性ウェットエッチングには、アルカリ性のエッチング液、例えば水酸化カリウム(KOH)溶液や、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液、あるいは両者の混合アルカリ溶液用いてもよい。溶媒としては水(H_(2)O)やグリコールを用いることができる。この際、OH-イオンがGaNやAlGaNのIII族原子(Ga、Al)を酸化することでエッチングが起こる。特にGaNの場合、Ga極性面側ではGa原子の下に3つの窒素原子が存在するため、OH-イオンはGaを酸化できない。一方、窒素極性面側ではGa原子の下には1つの窒素原子しか存在しないので、OH-はGa原子を酸化することができる。このような、強アルカリ性のエッチング液を用いて加温など適切な条件下で行う異方性ウェットエッチング処理により、選択的に下面(窒素極性面((000-1)N面))がエッチングされ、その表面には六方晶を反映した六角形の底面を有する六角錐状の凸部が多く形成される。なお、上記の理由から、このような異方性エッチングは窒素極性面に起こり、Ga極性面はほとんどエッチングされない。このエッチングにおいては、Ga極性面では、転位が存在する場合に六角錘状のピットとして観察される。」

(4)甲第4号証(特開2011-100860号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
「【0057】
ここで、各GaN基板は、加工によりウエハに作製された第一オリエンテーションフラットと第二オリエンテーションフラットにより、N原子主面(第1の主面)とGa原子主面(第2の主面)とを識別した。加工の際、N原子主面(第1の主面)とGa原子主面(第2の主面)の識別は、KOH水溶液、NaOH水溶液などの強アルカリでエッチングすることにより行った。強アルカリにより、基板のN原子主面(第1の主面)は容易にエッチングされて表面が粗くなるが、III族元素原子主面(第2の主面)はエッチングされないため表面が粗くならないため、両主面の識別が可能となる。」

(5)甲第5号証(特開2011-121803号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0031】
[3.N面のエッチング工程]
エッチングはガスエッチングやウエットエッチングなどが挙げられるが、中でもウェットエッチングが好ましく、エッチング液としてはNaOH水溶液やKOH水溶液が好ましい。エッチングは、温度を上げるほど、又は時間を長時間にするほどエッチング後の表面粗度が変化するが、エッチング温度に合わせてエッチング時間を変化させることで表面粗度は適宜調整可能である。」
イ 「【0034】
<III族窒化物結晶半導体基板の特徴>
上述した本発明の製造方法により、III族窒化物結晶半導体基板を得られる。
本発明のIII族窒化物結晶半導体基板は、N面に多角錐が均一に形成され、その高さもおおよそ揃っていることを特徴とする。これは、マクロ的に見るとN面が均一に祖化されていると言え、III族窒化物結晶半導体基板上にエピタキシャル層を成長させる際の基板とサセプタと密着度が良好で、温度分布が均一になりやすい。これにより、エピタキシャル層を均一に成長させることが出来、さらには均一性に関する再現性が高く個体差が少ないので好ましい。」
ウ 「【0037】
また、本発明のIII族窒化物結晶半導体基板のN面に多角錐が均一に形成されている指標として、多角錘密度が挙げられ、1.0×10^(6)個/cm^(2)以上であることが好ましく、より好ましくは2.0×10^(6)個/cm^(2)以上である。
本発明の製造方法では、概算密度1.0×10^(6)個/cm^(2)以上の多角錐を形成することができる。
また、本発明のIII族窒化物結晶半導体基板は、目視にて観察した場合に外観が白濁していることが好ましい。本発明の製造方法では、III族窒化物結晶半導体基板のN面全体が白濁した基板を得ることができる。」

(6)甲第6号証(特開2007-153712号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
「【0026】
研磨は裏面側から行う。裏面(N面)の研磨は、研削またはラップ(lap)(GC#800などを使用)することにより行なう。」

(7)甲第7号証(特開2007-297263号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第7号証には、以下の事項が記載されている。
「【0064】
得られたGaN結晶基板10の裏面10rおよび結晶成長させる面10cを以下のようにして処理した。裏面の処理としては、粒径40μmのSiC砥粒をボンドで固定した固定砥粒を用いて研削した(研削工程)。結晶成長させる面の処理としては、粒径40μmのSiC砥粒をボンドで固定した固定砥粒を用いて研削し(研削工程)、粒径6μmのSiC砥粒を用いて研磨し(粗研磨工程)、続いて粒径2μmのSiC砥粒を用いて研磨した(微研磨工程)。」

(8)甲第8号証(特開2011-42566号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第8号証には、以下の事項が記載されている。
「【0063】
(実施例13)
シード結晶を、通常、ワイヤーソーによってバルクのGaNをスライスし、次に研磨することによって準備する。このようなスライスおよび研磨プロセスによって生成されるシードの表面には損傷層が存在する。GaNの構造特性を向上させるために、この損傷層を除去する必要がある。さらに、シード表面に物理的または化学的に吸着された不純物は、バックエッチングによって除去され得る。この実施例において、アンモノサーマル高圧ベッセル内におけるシードのバックエッチングを実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用した。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側に開放端を有している。GaNシード結晶を、結晶化領域の温度を強化剤領域の温度よりも低く設定することによってバックエッチングした。Niバスケット内に保持される10gの多結晶GaN強化剤と、0.4mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と、酸素と、水分とによって充填し、濃度を1ppm未満に維持する。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。4gのNaNH_(2)を鉱化剤として使用した。鉱化剤を高圧ベッセルの中に装填した後に、6つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。高圧ベッセルを密封した後に、それを、グローブボックスから取り出した。その後、高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、およびベッセルにNH_(3)を供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、125℃で加熱し、ターボ分子ポンプによって排気して、1×10^(-5)ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、1.8×10^(-6)ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NH_(3)を高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNH_(3)を高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、ベッセルを2つのゾーン炉へと移動した。高圧ベッセルを、加熱した。炉を、結晶化領域に対してオフにされた状態で維持し、強化剤領域を550℃に維持した。結晶化領域において測定された実際の温度は、366℃であった。濃度勾配に起因するシード上のGaN沈着を回避するために、50℃を超える温度差を維持することが非常に重要である。24時間後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。シード結晶を36マイクロメートルまでバックエッチングし、これは、スライスおよび研磨プロセスによって生成される損傷層を除去するのに十分である。」

(9)甲第9号証(米国特許出願公開第2010/0219505号明細書)
本件特許の出願前に頒布された甲第9号証には、以下の事項が記載されている。
「[0023] In some embodiments, the high quality nitride base crystal or wafer is prepared from a boule by sawing, multi-wire sawing, or the like. Of course, there can be other variations, modifications, and alternatives.」(当審仮訳「いくつかの実施例において、高品質の窒化物系結晶またはウエハは、ソーイング、マルチワイヤーソーイング等により、ブールから形成される。もちろん、それ以外の変形、修正、代替等によっても形成可能である。」)

(10)甲第10号証(特開2010-222247号公報)
本件特許の出願前に頒布された甲第10号証には、以下の事項が記載されている。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化ガリウムの単結晶であって、窒化ガリウム六方格子のc軸垂直面における断面積が100mm^(2)より大きく、厚さが1.0μmより厚く、C面の表面転位密度が10^(6)/cm^(2)未満であり、かつ少なくとも100mm^(2)の表面積を有する更に加工可能な非極性A面またはM面プレートを少なくとも1つ作るのに十分な体積を有することを特徴とする窒化物のバルク単結晶。
・・・
【請求項40】
超臨界溶媒に各XIII族(IUPAC、1989)元素のフィードストックを溶解する工程と、温度勾配および/または圧力変化によって所望のガリウム含有窒化物に関して超臨界溶液を過飽和としてシード結晶表面に所望のガリウム含有窒化物を形成する工程を含む方法で得られることを特徴とする請求項1から39のいずれか1項に記載の窒化物バルク単結晶。
・・・
【請求項42】
前記超臨界溶媒はNH_(3)および/またはその誘導体を含み、かつI族(IUPAC 1989)元素、少なくともカリウムイオンまたはナトリウムイオンを含有し前記フィードストックは、XIII族(IUPAC 1989)金属元素、特に金属ガリウムに加えて、アジド、イミド、アジドイミド、アミド、水素化物、及びガリウムを含有する金属化合物または合金からなる群から選ばれるガリウム含有窒化物および/またはその前駆体から実質的に成ることを特徴とする請求項40または41記載の窒化物バルク単結晶。
【請求項43】
前記ガリウム含有窒化物の形成を含む工程が、オートクレーブにおいて、温度100℃から800℃、圧力10MaPか1000MaP、I族元素のイオンと超臨界溶媒の他の構成要素とのモル比が1:200から1:2で行われることを特徴とする請求項42記載の窒化物バルク単結晶。」

5 判断
(1)甲第1号証に記載された発明
甲第1号証の実施の形態1には、上記4(1)ウ、オ、カ及びコによれば、マルチワイヤソー装置を用いてGaNからなるインゴットをスライスして、表面及び裏面に加工変質層が形成されたGaN基板を形成するスライス工程、スライス工程において形成されたGaN基板の表面及び裏面からスラリーやその他の異物を除去するための洗浄を行なう洗浄工程、加工変質層を除去する前処理工程、GaN基板の表面上にエピタキシャル層を形成するエピタキシャル成長工程を実施するエピタキシャル層付基板の製造方法が記載されている。また、同実施の形態2には、上記4(1)キによれば、実施の形態1の洗浄工程の後に、エピタキシャル層を形成する基板の表面と反対側の表面(裏面)を加工すると共に表面を鏡面加工する研磨工程を実施することが記載され、さらに、同実施の形態3には、上記4(1)クによれば、実施の形態2のスライス工程と洗浄工程との間に、GaN基板の表面及び/または裏面の加工変質層を除去するエッチング工程を実施すると共に、加工変質層を除去する前処理工程を省略することが記載されている。また、甲第1号証には、上記4(1)イによれば、前記研磨工程により基板の平坦性を向上できることが記載され、そして、上記4(1)ケによれば、前記エピタキシャル層を用いて素子を形成することが記載されている。
これら記載を実施の形態3に注目して整理すると、甲第1号証には、
「マルチワイヤソー装置を用いてGaNからなるインゴットをスライスして、表面及び裏面に加工変質層が形成されたGaN基板を形成するスライス工程、GaN基板の表面及び/または裏面の加工変質層を除去するエッチング工程、GaN基板の表面及び裏面からスラリーやその他の異物を除去する洗浄工程、GaN基板の表面を鏡面とし、さらに、裏面の平坦性を向上させるための研磨工程を実施して、素子を形成するエピタキシャル層を成長するための表面を有するGaN基板を製造する製造方法。」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。

(2)本件特許発明1の検討
ア 本件特許発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「表面及び裏面に加工変質層が形成されたGaN基板」は、本件特許発明1の「第1の層と第2の層と第3の層とを有するIII族窒化物ウエハ」に相当し、甲1発明の「加工変質層」は、本件特許発明1の「III族窒化物の損傷または部分的に損傷した層を含」む「第1の層と第2の層」に相当し、甲1発明の「表面及び裏面に加工変質層が形成されたGaN基板」の加工変質層を除いた部分は、本件特許発明1の「高配向多結晶または単結晶III族窒化物」の「第3の層」に相当する。
また、甲1発明の「GaN基板を製造する製造方法」は、本件特許発明1の「III族窒化物ウエハを加工する方法」に相当し、甲1発明の「マルチワイヤソー装置を用いてGaNからなるインゴットをスライス」する「スライス工程」は、本件特許発明1の「III族窒化物インゴットのバルク結晶から機械的にウエハをスライスすること」に相当する。
そして、甲1発明の「GaN基板の表面及び/または裏面の加工変質層を除去するエッチング工程」は、GaN基板の加工変質層を除去することで、素子を形成するエピタキシャル層を成長するための表面が露出されるから、本件特許発明1の「前記ウエハの前記第1の層または前記第2の層を除去し、素子を加工するために十分な表面品質を伴う前記第3の層を露出させること」に相当する。
したがって、本件特許発明1と甲1発明は、「第1の層と第2の層と第3の層とを有するIII族窒化物ウエハを加工する方法であって、前記第1の層および前記第2の層のそれぞれは、III族窒化物の損傷または部分的に損傷した層を含み、前記第3の層は、高配向多結晶または単結晶III族窒化物を有し、前記方法は、III族窒化物インゴットのバルク結晶から機械的にウエハをスライスすることと、前記ウエハをスライスした後に、前記ウエハの前記第1の層または前記第2の層を除去し、素子を加工するために十分な表面品質を伴う前記第3の層を露出させることとを含む、方法」で一致し、本件特許発明1は、「前記ウエハをスライスした後に、前記第2の層の表面を前記第1の層の表面と視覚的に区別することを可能にする条件下で、前記ウエハを化学的にエッチングする」との工程を有しているのに対して、甲1発明は、このような工程を有することを特定してない点で相違している。
そして、上記相違点に係る技術的事項は、甲第2号証?甲第10号証のいずれにも記載されていない。
したがって、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明であるといえないし、また、甲1号証に記載された発明及び甲第2号証?甲第10号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。

イ 特許異議申立人は、甲1発明の「エッチング工程」が、本件特許発明1の「ウエハをエッチングすること」に相当することを前提にして、甲第1号証の段落【0046】(上記4(1)エ参照)に、(0001)面を主面とするGaN基板の一方の面はGa原子面であり、他方の面はN原子面であり、Ga原子面とN原子面では、化学エッチングに対する効果が著しく異なることが記載されていること、及び、化学エッチングによってN原子面とIII族原子面を視覚的に区別できることが周知技術であること(甲第3号証の段落【0031】(上記4(3)参照)、甲第4号証の段落【0057】(上記4(4)参照)、甲第5号証の段落【0031】、【0034】、【0037】(上記4(5)参照))を根拠にして、甲1発明の「エッチング工程」において、化学エッチングがなされた場合に、N原子面とGa原子面は色覚的に区別できる状態となっていることは当業者に明らかであるし、さらに、甲1発明に上記周知技術を適用することは当業者が容易になし得る旨を主張している。
しかしながら、甲1発明の「エッチング工程」は、そもそも、GaN基板の加工変質層を除去するものであり、それぞれの加工変質層の表面状態を確認するためのものでないから、上記周知技術があっても、甲1発明の「エッチング工程」によって、GaN基板の加工変質層(すなわち、第1の層及び第2の層)のそれぞれの表面を色覚的に区別しているとはいえない。
さらに、化学エッチングによってN原子面とIII族原子面を視覚的に区別できることが周知技術であっても、GaN基板の加工変質層である第1の層及び第2の層の表面状態を確認することは、いずれの甲号証にも記載されていないから、「前記第2の層の表面を前記第1の層の表面と視覚的に区別することを可能にする条件下で、前記ウエハを化学的にエッチングする」ことを当業者が容易に想到できるともいえない。
以上のとおりであるから、特許異議申立人の主張は妥当でない。

(3)本件特許発明2?11の検討
本件特許発明2?11は、本件特許発明1を引用し、上記相違点を有するものであるから、上記(2)で検討したとおり、甲第1号証に記載された発明であるといえず、また、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証?甲第10号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

6 むすび
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?11に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2018-02-02 
出願番号 特願2015-529788(P2015-529788)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (C30B)
P 1 651・ 113- Y (C30B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 村岡 一磨  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 宮澤 尚之
山崎 直也
登録日 2017-05-19 
登録番号 特許第6144347号(P6144347)
権利者 ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド シックスポイント マテリアルズ, インコーポレイテッド
発明の名称 III族窒化物ウエハおよびその生産方法  
代理人 山本 秀策  
代理人 飯田 貴敏  
代理人 山本 健策  
代理人 森下 夏樹  
代理人 山本 秀策  
代理人 飯田 貴敏  
代理人 石川 大輔  
代理人 森下 夏樹  
代理人 山本 健策  
代理人 石川 大輔  

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