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審決分類 再審 査定不服 その他 審決却下 A61G
管理番号 1338184
審判番号 再審2017-950001  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許再審公報 
発行日 2018-04-27 
種別 再審 
審判請求日 2017-01-25 
確定日 2018-02-02 
事件の表示 平成 9年特許願第260785号「介助機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 3月 2日出願公開、特開平11- 56908〕の確定審決に対する再審請求について、次のとおり審決する。 
結論 本件再審の請求を却下する。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年8月20日の出願であって、平成17年3月15日付けで拒絶査定され、これに対して同年4月20日に拒絶査定不服審判の請求(不服2005-9621号)がなされたが、平成19年11月12日に「本件審判の請求は、成り立たない」との審決(以下、「原審決」という。)がなされた。
再審請求人は、原審決の取消しを求める訴え(平成19年(行ケ)第10421号)を同年12月24日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成20年6月26日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、平成20年7月9日に該判決を不服として上告(平成20年(行ツ)第280号)を提起したところ、最高裁判所は、平成21年1月15日に、上告を棄却し、原審決が確定した。
再審請求人は、平成21年2月13日に、再審の請求(再審2009-950001号)をし、これに対し同年6月16日に「本件審判の請求は成り立たない。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成21年(行ケ)第10187号)を同年7月10日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、同年12月28日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、平成22年1月13日に、2回目の再審の請求(再審2010-950001号)をし、これに対し同年4月14日に「本件審判の請求を却下する。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10148号)を同年5月12日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、同年7月15日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、同年7月24日に該判決を不服として上告受理の申立て(平成22年(行ノ)第10051号)をしたところ、知的財産高等裁判所は、同年10月5日に、上告受理の申立てを却下した。
再審請求人は、平成22年9月28日に、3回目の再審の請求(再審2010-950003号)をし、これに対し同年12月1日に「本件審判の請求を却下する。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10387号)を同年12月14日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成23年2月28日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、同年3月8日に該判決を不服として上告及び上告受理の申立て(平成23年(行サ)第10008号、平成23年(行ノ)第10013号)をしたところ、最高裁判所は、同年10月11日に、上告却下及び上告受理申立不受理処分(平成23年(行ツ)第182号、平成23年(行ヒ)第186号)をした。
再審請求人は、平成28年3月22日に、4回目の再審の請求(再審2016-950001号)をし、これに対し同年7月27日に「本件審判の請求を却下する。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成28年(行ケ)第10198号)を同年8月19日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、同年12月22日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、平成29年1月25日に、5回目の本件再審の請求をした。
2.請求の理由
(1)再審請求人は、原審決にはその論旨に虚偽があり、原審決に関与した審判官は原審決につき刑法第156条及び同法第158条所定の罪を犯したものであるところ、これについて証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決を得ることができないから、本件には特許法第171条第2項が準用する民事訴訟法第338条第1項第4号及び同条第2項所定の再審の事由があると主張する。
(2)再審請求人が提出した証拠は、以下のとおりである。
・原審決の写し
・「告訴状経緯」と題する書面
・甲第1号証(警視庁刑事部捜査第二課警部補 引地啓一氏の名刺)
・甲第2号証(平成22年8月17日付け 応答書面、東京地方検察庁特別捜査部直告班作成)
・甲第3号証(平成26年5月19日付け 応答書面、東京地方検察庁特別捜査部特殊直告班作成)
・甲第4号証(東京地検特捜部に対する郵便物等配達証明書、日本郵便株式会社銀座郵便局作成)
・甲第5号証(平成26年8月8日付け 告訴状に対する応答書面、横浜地方検察庁相模原支部作成)
・甲第6号証(平成26年12月2日付け 平成26年第1463、1464号に対する「処分通知書」、横浜地方検察庁相模原支部検察官事務取扱副検事小林和美作成)
・甲第7号証(平成26年12月9日付け 平成26年第1463号に対する「不起訴処分理由告知書」、横浜地方検察庁相模原支部検察官事務取扱副検事小林和美作成)
・甲第8号証(平成26年12月9日付け 平成26年第1464号に対する「不起訴処分理由告知書」、横浜地方検察庁相模原支部検察官事務取扱副検事小林和美作成)
・甲第9号証(平成27年1月23日付け 「議決の要旨」、横浜第一検察審査会作成)
・甲第10号証(平成26年12月22日付け 告訴状に対する応答書面、横浜地方検察庁相模原支部作成)
・甲第11号証(平成26年12月26日付け 告訴状に対する応答書面、横浜地方検察庁相模原支部作成)
・甲第12号証(東京地方検察庁に対する郵便物等配達証明書、日本郵便株式会社銀座郵便局作成)
・甲第13号証(平成27年6月22日付け 告訴状に対する応答書面、東京地方検察庁特別捜査部特殊直告班作成)
3.当審の判断
(1)民事訴訟法第338条第2項は、民事訴訟法第338条第1項第4号に掲げる事由がある場合において、「罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる」とする。ここで、「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないとき」との要件を具備するためには、罰すべき行為について有罪の確定判決を得る可能性があったにもかかわらず、被疑者の死亡、公訴権の時効消滅、不起訴処分等のためにこれを得られなかったことを証明することを要し(最高裁判所昭和39年(オ)第1374号昭和42年6月20日第三小法廷判決参照)、民事訴訟法第338条第2項所定の事由を欠く場合には、再審の訴え自体が不適法となり、同条第1項第4号所定の事由の有無の判断に立ち入るまでもなく、再審の訴えは却下を免れないものと解される(最高裁判所昭和44年(オ)第793号昭和45年10月9日第二小法廷判決参照)。
これらは、拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審請求に関して特許法第171条が準用する民事訴訟法第338条第1項第4号及び同条第2項についても同様に解される。
(2)再審請求人が主張する「罰すべき行為」は、原審決における相違点1の無形偽造及び原審決の行使(刑法第156条、同法第158条)であり、これについて有罪の確定判決がないことは明らかであるところ、再審請求人は、証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決を得ることができないことを示すものとして、原審決の写し及び甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
しかしながら、原審決は、手続の経緯に加え、証拠に基づき、本願発明及び引用文献に記載された発明の内容並びに両発明の対比及び容易想到性について審判官の合議体の見解を述べたものにとどまるから、原審決の写しが前記罰すべき行為について有罪の確定判決を得られたであろうと思わせるに足りる証拠ということはできない。これに加えて、甲第1号証ないし甲第13号証は、再審請求人がこれまで再三にわたり告訴状を捜査機関に提出したにもかかわらず結果として不受理ないし不起訴処分となった経緯を示しているにとどまり、原審決における無形偽造を示すものではなく、これら各甲号証の内容をみても、証拠がないという理由以外の理由により前記不受理又は不起訴処分とされたことを示す記載はない。
したがって、再審請求人の主張及び提出された証拠によっては、前記罰すべき行為について有罪の確定判決を得る可能性があったにもかかわらず、被告人の死亡、公訴権の時効消滅、不起訴処分等のためにこれを得られなかったと認めるに足りない。
(3)以上より、本件再審の請求は、特許法171条が準用する民事訴訟法338条2項の要件を満たしていないから、特許法第171条が準用する民事訴訟法第338条第1項第4号所定の事由の有無の判断に立ち入るまでもなく、不適法である。
(4)なお、再審請求人は、前記罰すべき行為に加え、原審決の取消しを求める訴えにおいて、特許庁指定代理人が作成、提出した準備書面において、証拠として乙第4号証を提出した点をとらえて「虚偽の主張であり、無形偽造である」と主張する。これについて再審請求人からの証拠の提出はないが、念のために主張の当否を検討すると、この主張は、証拠提出自体の違法性を指摘するものであって、前記準備書面の内容自体の虚偽を指摘するものではないから、この主張に係る事実は、刑法156条及び刑法158条に該当せず、特許法第171条が準用する民事訴訟法第338条第1項第4号及び同条第2項所定の再審事由たり得ないことは明らかである。
(5)そして、本件再審の請求は5回目の再審の請求であり、再審請求人は、再審請求の手続について熟知していると認められるところ、再審請求人は、本件再審の請求において、甲第1号証ないし甲第13号証を提出しているものの、再審事由を基礎付ける「罰すべき行為」があることを示す証拠としては、これまでと同様、原審決の写しを提出するのみであって、原審決さえあれば罰すべき行為について有罪の確定判決を得ることができたことを証明できるという一貫した見解で臨んでいることがその主張からも明らかである。しかし、再審請求人の前記見解は誤りであるというほかはなく、その他の主張は再審事由たり得ないものであるから、本件再審の請求は不適法であり、かつ、補正をすることができない。
4.むすび
以上のとおり、本件再審の請求は不適法であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第174条第2項が準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-04-19 
出願番号 特願平9-260785
審決分類 P 5 8・ 09- X (A61G)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 鈴木 洋昭  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 千葉 成就
渡邊 豊英
発明の名称 介助機  

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