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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  A61B
管理番号 1339155
異議申立番号 異議2017-700646  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-22 
確定日 2018-02-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6054238号発明「電子機器および通信制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6054238号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-10〕、11、12について訂正することを認める。 特許第6054238号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6054238号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし12に係る特許についての出願(特願2013-94360号、以下、「本願」という。)は、平成25年4月26日に特許出願され、平成28年12月9日にその特許権の設定登録がされ、その後、本件特許の請求項1及び2に係る特許に対し、特許異議申立人田野岡洋介(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立て(以下、「本件異議申立」という。)がされたものである。
その後、当審より平成29年9月14日付けで取消理由を通知したところ、その指定期間内である同年11月15日付けで特許権者から意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされたので、申立人に対して本件訂正請求があった旨を通知し(取消理由通知の写し、訂正請求書及び訂正した特許請求の範囲、意見書の副本を添付)、意見を求めたが、申立人から意見書が提出されなかったものである。

第2 申立人が主張する取消理由

申立人は、本件特許の請求項1及び請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、又は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規程により特許を受けることができないものであって、それらの発明についての特許は同法第29条に違反してされたものであるから、同法113条第2項の規程に該当し、取り消されるべきものである。

・申立人提示の甲号証
甲第1号証:特開2008-73456号公報
甲第2号証:特開2009-95570号公報
甲第3号証:特開2008-43702号公報
(以下、それぞれ、「甲1」ないし「甲3」と略していう。)

第3 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりであり、訂正前の請求項の引用関係からみて、次の訂正単位があると認められる。
・訂正単位1(請求項1ないし10)
・訂正単位2(請求項11)
・訂正単位3(請求項12)

(1) 訂正単位1についての訂正事項
訂正単位1は、訂正事項1よりなる。
なお、下線は当審が付したものであり、訂正箇所を示す。

ア 請求項1に係る訂正事項

(ア) 訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る「前記検出された通信状態に基づいて、前記サーバに、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を送信する」を、「前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する」に訂正する。

イ 請求項1に係る訂正に伴う訂正事項
請求項1に係る上記の訂正に伴い、請求項1を引用する請求項2ないし10も訂正された。

(2) 訂正単位2
訂正単位2は、請求項11に係る訂正事項であり、訂正事項2よりなる。

ア 訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項11に係る「前記検出された通信状態に基づいて、前記サーバに、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を送信する」を、「前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する」に訂正する。

(3) 訂正単位3
訂正単位3は、請求項12に係る訂正事項であり、訂正事項3及び訂正事項4よりなる

ア 訂正事項3
訂正前の特許請求の範囲の請求項12に係る「前記検出された通信状態に基づいて、前記サーバに、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を送信する」を、「前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する」に訂正する。

イ 訂正事項4
訂正前の特許請求の範囲の請求項12に係る「前記ウェアラブルデバイスによって送信された、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を」を、「前記ウェアラブルデバイスによって送信された、前記第1生体データまたは前記第1特徴量を」に訂正する。

2 一群の請求項について
訂正前の請求項の引用関係からみて、訂正事項1は、請求項1ないし10を一群の請求項として、訂正事項2は、請求項11を一群の請求項として、訂正事項3及び4は、請求項12を一群の請求項として請求されたものであり、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。

3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、及び、独立特許要件について

(1) 訂正単位1について

ア 請求項1に係る訂正事項1について

(ア) 新規事項の有無について
本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の段落【0026】、【0037】、【0070】、【0071】及び図6等には、通信モジュールとサーバとの間の通信状態が良好である場合はサーバに第1生体データを送信し、当該通信状態が良好でない場合はサーバに第1特徴量を送信することが記載されている。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

(イ) 訂正の目的の適否について
訂正事項1は、訂正前の請求項1においては、通信状態に基づいて第1生体データと第1特徴量の少なくとも一方を送信するのに対して、訂正後の請求項1においては、「通信状態が良好である場合に第1生体データを送信する」こと及び「通信状態が良好でない場合に第1特徴量を送信する」ことに限定するものである。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(ウ) 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
請求項1に係る訂正事項1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(エ) 請求項1に係る訂正のまとめ
以上のことから、請求項1に係る訂正事項1の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

イ 請求項1に係る訂正に伴う訂正事項

(ア) 新規事項の有無、訂正の目的の適否、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
請求項1に係る上記の訂正に伴い、請求項1を引用する請求項2ないし10も訂正された。
そして、請求項1に係る訂正事項1は、上記「ア 請求項1に係る訂正事項」「(エ) 請求項1に係る訂正のまとめ」のとおりであり、訂正事項1による訂正によって、請求項1を引用する請求項2ないし10に係る発明が、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内ではないものになるものではなく、当該訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。

(イ) 独立特許要件について
上記「第2 申立人が主張する取消理由」に示したとおり、本件訂正前の請求項1及び請求項2に係る発明は、特許異議の申立てがされたものである。
したがって、訂正事項1により訂正される請求項のうち、特許異議の申立てがされていない請求項は、請求項3ないし10である。
そして、上記(ア)で説示したように、請求項3ないし10に係る訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項3ないし10(以下、それぞれ、「新請求項3」等という。)に係る各発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであることを要する(特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項)ので、以下検討する。

(イ-1) 新規性又は進歩性について

a 甲1ないし甲3の記載事項について

(a) 甲1の記載事項及び甲1発明
甲1には、以下の記載がある(下線は、当審により付与した。)。

(甲1-a) 【0010】
「 本発明は、・・・適切なタイミングで、適切なデータを送信することのできる低消費電力型の生体情報計測システムを提供することを目的とする。」

(甲1-b) 【0020】-【0021】
「 生体情報計測システム1は、生体情報計測装置10と、情報端末20とを備えている。生体情報計測装置10は、脈波センサ100と、加速度センサ101と、ユーザ状況認識部102と、メモリ104と、通信状況計測部106と、送信タイミング判定部108と、通信部110と、制御部112とを有している。」
「 脈波センサ100および加速度センサ101は、ユーザの生体情報を計測する。脈波センサ100は、生体情報として脈波を計測する。加速度センサ101は、生体情報としてxyzの3軸方向それぞれの加速度を計測する。

(甲1-c) 【0023】
「 ユーザ状況認識部102は、脈波センサ100および加速度センサ101により計測された生体情報に基づいて、ユーザ状況を認識する。本実施の形態においては、ユーザ状況データとして、脈波間隔データおよび運動量データを得る。脈波間隔データとは、ユーザの交感神経および副交感神経など自律神経の状態の指標となる値である。この値に基づいて、リラックス度や、睡眠時のレム睡眠、ノンレム睡眠などの睡眠状態などを判定することができる。脈波間隔データは、脈波センサ100により得られた脈波に基づいて算出される。」

(甲1-d) 【0026】-【0028】
「 本実施の形態においては、ユーザ状況データが得られれば生体情報は不要であるため、メモリ104は、ユーザ状況データのみを格納したが、生体情報も必要な場合には、メモリ104は、さらに脈波センサ100および加速度センサ101により計測された生体情報を計測時刻に対応付けて格納してもよい。」
「 通信状況計測部106は、現在の通信状況を計測する。具体的には、通信状況として、前回情報端末20と通信を行った時点からの経過時間や、例えば、GPSセンサや電波強度を測るセンサ等(図示しない)の情報から現在の生体情報計測装置10の位置や、情報端末20と通信可能な状況であるか否かといった通信状況を計測する。」
「 送信タイミング判定部108は、通信状況計測部106により認識された通信状況に応じて、情報端末20との通信タイミングを判定する。通信部110は、情報端末20とのデータ送信を行う。制御部112は、各機能全体の制御を行う。」

(甲1-e) 【0039】-【0040】
「 次に、ユーザ状況認識部102により得られたユーザ状況データをメモリ104に格納する(ステップS106)。次に、通信状況計測部106は、通信状況を認識し(ステップS108)、送信タイミング判定部108は、通信状況に基づいて、メモリ104に格納されている情報を情報端末20に送信するタイミングか否かを判定する(ステップS110)。」
「 データ送信のタイミングであると判定された場合には(ステップS112,Yes)、情報端末20との接続を確立し、メモリ104に格納されているデータを情報端末20に送信する(ステップS114)。」

これらの記載より、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。

「生体情報計測装置10と、情報端末20とを備え、
生体情報計測装置10は、脈波センサ100と、ユーザ状況認識部102と、メモリ104と、通信状況計測部106と、送信タイミング判定部108と、通信部110と、制御部112とを有し、
脈波センサ100は、ユーザの生体情報として脈波を計測し、
ユーザ状況認識部102は、脈波センサ100により計測された生体情報に基づいて、ユーザ状況を認識するものであって、ユーザ状況データとして、脈波間隔データを得るものであり、
脈波間隔データは、脈波センサ100により得られた脈波に基づいて算出され、
通信状況計測部106は、前回情報端末20と通信を行った時点からの経過時間や、現在の生体情報計測装置10の位置や、現在の通信状況を計測し、
送信タイミング判定部108は、通信状況計測部106により認識された通信状況に応じて、情報端末20との通信タイミングを判定し、
通信部110は、情報端末20とのデータ送信を行い、
制御部112は、各機能全体の制御を行い、
データ送信のタイミングであると判定された場合には、情報端末20との接続を確立し、メモリ104に格納されているデータを情報端末20に送信する、
生体情報計測システム1。」

(b) 甲2の記載事項
甲2には、通信カード1でサーバ装置との通信状況を判定して、通信状況が良好であるならばサーバ装置へ直接、生体情報を送信することが記載されている(段落【0054】参照。)。

(c) 甲3の記載事項
甲3には、無線通信範囲に携帯情報端末機が存在しないものと判断した場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該携帯情報端末機と通信可能な状態になるまで待機し、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在するものと判断した場合には、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該携帯情報端末機に対して送信する制御手段が記載されている(請求項1参照。)。

b 新請求項3に係る発明について
新請求項3は、本件訂正後の請求項1の記載を引用するものであるから、新請求項3に係る発明は、本件訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件訂正発明1」という。)の構成をすべて含むものである。
そこで、まず、本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。

(a) 本件訂正発明1について
本件訂正発明1は、本件訂正後の請求項1に記載された事項によって特定される発明であり、A)ないしE)の符号を付与すると、以下のとおりのものである。

「A) 第1生体データを生成する生体センサと、
B) 前記第1生体データから第1特徴量を抽出する抽出手段と、
C) 通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出する状態検出手段と、
D) 前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する送信制御手段と
E) を具備する電子機器。」

(b) 本件訂正発明1と甲1発明との対比
本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。

(b-1) 本件訂正発明1のA)の特定事項について
甲1発明の「脈波」及び「脈波センサ100」は、それぞれ、本件訂正発明1の「第1生体データ」及び「生体センサ」に相当する。
よって、甲1発明の「脈波を計測」する「脈波センサ100」は、本件訂正発明1の「第1生体データを生成する生体センサ」に相当する。

(b-2) 本件訂正発明1のB)の特定事項について
甲1発明の「脈波間隔データ」は、「脈波に基づいて算出され」るものであるから、甲1発明の「脈波間隔データ」は、本件訂正発明1の「第1特徴量」に相当する。
また、甲1発明は、「脈波間隔データ」を「算出」するための手段を有することは明らかであり、該手段は、本件訂正発明1の「抽出手段」に相当する。
よって、甲1発明の「脈波センサ100により得られた脈波に基づいて」「脈波間隔データ」を「算出」する手段は、本件訂正発明1の「前記第1生体データから第1特徴量を抽出する抽出手段」に相当する。

(b-3) 本件訂正発明1のC)の特定事項について
甲1発明の「通信状況計測部106」は、「生体情報計測装置10」の「通信部110」と「情報端末20」との「通信状況を計測」するものである。
一方、本件訂正発明1の「状態検出手段」は、「通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出する」ものである。
よって、本件訂正発明1と甲1発明とは、「通信状態を検出する」手段を具備する点で共通する。

(b-4) 本件訂正発明1のD)の特定事項について
甲1発明の「制御部112」は、「各機能全体の制御を行」うものであるから、「通信部110」は「制御部112」により制御され、情報端末20とのデータ送信を行うものであることは明らかである。そして、甲1発明の「通信部110」と「制御部112」を合わせたものは、本件訂正発明1の「送信制御手段」に相当する。

(b-5) 本件訂正発明1のE)の特定事項について
甲1発明の「生体情報計測システム1」は、本件訂正発明1の「電子機器」に相当する。

よって、両者は、以下の点で一致する。

<一致点>
第1生体データを生成する生体センサと、
前記第1生体データから第1特徴量を抽出する抽出手段と、
通信状態を検出する状態検出手段と、
送信制御手段と
を具備する電子機器。

そして、以下の点で相違する。

<相違点1>
通信状態を検出する状態検出手段が、本件訂正発明1は、通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出するものであるのに対して、甲1発明は、生体情報計測装置10と情報端末20との通信状況を計測するものである点。

<相違点2>
送信制御手段が、本件訂正発明1は、検出された通信状態が良好である場合は第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は第1生体データから抽出された第1特徴量を送信するものであるのに対して、甲1発明は、その点が不明である点。

(c) 判断
事案に鑑みて相違点2について検討する。
上記相違点2は、実質的な相違点であり、本件訂正発明1は甲1発明と同一の発明ではない。
また、上記相違点2に係る構成は、甲2及び甲3には記載されておらず、また、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本件訂正発明1は、当業者であっても、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
してみると、本件訂正発明1は、新規性又は進歩性が欠如するものと認めることはできない。

(d) 新請求項3に係る発明についてまとめ
新請求項3は、本件訂正後の請求項1の記載を引用するものであるから、新請求項3に係る発明は、上記相違点2に係る構成を発明特定事項として備えるものであり、本件訂正発明1と同様に、甲1発明と同一の発明ではなく、また、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえず、その新規性又は進歩性が欠如するものと認めることはできない。

c 新請求項4ないし10に係る発明について
新請求項4ないし10は、いずれも、本件訂正後の請求項1の記載を直接又は間接的に引用するものであるから、新請求項4ないし10に係る発明は、上記相違点2に係る構成を発明特定事項として備えるものであり、本件訂正発明1と同様に、甲1発明と同一の発明ではなく、また、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえず、その新規性又は進歩性が欠如するものと認めることはできない。

d 新規性又は進歩性についてのまとめ
以上のことから、新請求項3ないし10に係る発明は、甲1発明と同一の発明ではなく、また、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえず、その新規性又は進歩性が欠如するものと認めることはできない。

(イ-2) 記載不備について
新請求項3ないし10の記載及び本件特許明細書等の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同法同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとは認められない。

(イ-3) 新請求項3ないし10に係る発明の独立特許要件のまとめ
以上のことから、新請求項3ないし10に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。

(ウ) 請求項1に係る訂正に伴う訂正事項のまとめ
よって、請求項2ないし10に係る訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
また、新請求項3ないし10に係る発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第7項に適合するものである。

(2) 訂正単位2について
訂正単位2は、請求項11に係る訂正事項であり、訂正事項2よりなる。

(ア) 新規事項の有無について
本件特許明細書等の段落【0026】、【0037】、【0070】、【0071】及び図6等には、通信モジュールとサーバとの間の通信状態が良好である場合はサーバに第1生体データを送信し、当該通信状態が良好でない場合はサーバに第1特徴量を送信することが記載されている。
よって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

(イ) 訂正の目的の適否について
訂正事項2は、訂正前の請求項11においては、通信状態に基づいて第1生体データと第1特徴量の少なくとも一方を送信するのに対して、訂正後の請求項11においては、「通信状態が良好である場合に第1生体データを送信する」こと及び「通信状態が良好でない場合に第1特徴量を送信する」ことに限定するものである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(ウ) 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
請求項11に係る訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(エ) 独立特許要件について
訂正前の請求項11に係る発明は特許異議の申立てがされていないものである。
そして、上記(ア)で説示したように、請求項11に係る訂正事項2による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項11(以下、「新請求項11」という。)に係る発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであることを要する。
そこで、新請求項11に係る発明について検討すると、新請求項11は、「電子機器」の発明である本件訂正発明1の発明のカテゴリーを「通信制御方法」としたものであり、本件訂正発明1の主要な構成である上記相違点2に係る構成を備えるものである。
したがって、上記「(1) 訂正単位1について」「イ 請求項1に係る訂正に伴う訂正事項」「(イ) 独立特許要件について」「(イ-1) 新規性又は進歩性について」「b 新請求項3に係る発明について」において検討したとおり、甲1発明と同一の発明ではなく、また、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえず、その新規性又は進歩性が欠如するものと認めることはできない。
また、新請求項11の記載及び本件特許明細書等の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同法同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとは認められない。
以上のことから、新請求項11に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。

(オ) 訂正単位2のまとめ
よって、訂正単位2を成す請求項11に係る訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
また、新請求項11に係る発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第7項に適合するものである。

(3) 訂正単位3について
訂正単位3は、請求項12に係る訂正事項であり、訂正事項3及び4よりなる。

ア 訂正事項3について

(ア) 新規事項の有無について
本件特許明細書等の段落【0026】、【0037】、【0070】、【0071】及び図6等には、通信モジュールとサーバとの間の通信状態が良好である場合はサーバに第1生体データを送信し、当該通信状態が良好でない場合はサーバに第1特徴量を送信することが記載されている。
よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

(イ) 訂正の目的の適否について
訂正事項3は、訂正前の請求項12においては、通信状態に基づいて第1生体データと第1特徴量の少なくとも一方を送信するのに対して、訂正後の請求項12においては、「通信状態が良好である場合に第1生体データを送信する」こと及び「通信状態が良好でない場合に第1特徴量を送信する」ことに限定するものである。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 訂正事項4について

(ア) 新規事項の有無について
本件特許明細書等の段落【0042】には、「サーバ12は、ウェアラブルデバイス11によって送信された生体データと特徴量の少なくとも一方を受信し、生体情報データベース121に格納する」ことが記載されており、段落【0026】、【0070】、及び、【0071】には、通信状態が良好である場合には第1生体データが送信され、通信状態が良好でない場合には第1特徴量を送信することが記載されていることから、サーバがウェアラブルデバイスによって送信された第1生体データ又は第1特徴量を記憶装置に格納する構成は、本件特許明細書等の記載より明らかである。
よって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

(イ) 訂正の目的の適否について
訂正事項4は、訂正前の請求項12における「前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を」の記載を、「前記第1生体データまたは前記第1特徴量を」に訂正するものであり、訂正前においては、「第1生体データ」と「第1特徴量」の両方が含まれる場合があり得たものを、択一的に選択されるものに限定するものである。
よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮をを目的とするものである。

(ウ) 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
請求項12に係る訂正事項3及び4の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
訂正前の請求項12に係る発明は特許異議の申立てがされていないものである。
そして、上記ア(イ)及びイ(イ)で説示したように、請求項12に係る訂正事項3及び4による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項12(以下、「新請求項12」という。)に係る発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであることを要する。
そこで、新請求項12に係る発明について検討すると、新請求項12は、「電子機器」の発明である本件訂正発明1の発明のカテゴリーを「生体データ管理システム」としたものであり、本件訂正発明1の主要な構成である上記相違点2に係る構成を備えるものである。
したがって、上記「(1) 訂正単位1について」「イ 請求項1に係る訂正に伴う訂正事項」「(イ) 独立特許要件について」「(イ-1) 新規性又は進歩性について」「b 新請求項3に係る発明について」において検討したとおり、甲1発明と同一の発明ではなく、また、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえず、その新規性又は進歩性が欠如するものと認めることはできない。
また、新請求項12の記載及び本件特許明細書等の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同法同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとは認められない。
以上のことから、新請求項12に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。

エ 訂正単位3のまとめ
よって、訂正単位3を成す請求項12に係る訂正事項3及び4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
また、新請求項12に係る発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第7項に適合するものである。

4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、また、訂正後の請求項3ないし12に係る発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるので、同条第9項において準用する同法第126条第7項の規定に適合し、訂正後の請求項〔1-10〕、11、12について訂正を認める。

第3 本件特許発明について

本件訂正請求により訂正された請求項1ないし12に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定された以下のとおりのものである。

【請求項1】
第1生体データを生成する生体センサと、
前記第1生体データから第1特徴量を抽出する抽出手段と、
通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する送信制御手段とを具備する電子機器。
【請求項2】
前記通信モジュールをさらに具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記状態検出手段は、複数の通信方式で通信する複数の通信モジュールと前記サーバとの間の複数の通信状態を検出し、
前記電子機器は、前記複数の通信状態に基づいて、前記複数の通信モジュールの内の第1通信モジュールを選択する選択手段をさらに具備し、
前記送信制御手段は、前記第1通信モジュールの通信状態に基づいて、前記サーバに、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記選択手段は、前記複数の通信状態とバッテリの残量とに基づいて、前記複数の通信モジュールの内の第1通信モジュールを選択する請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記状態検出手段は、前記通信状態の評価値を算出し、
前記送信制御手段は、前記評価値が前記第1しきい値以上である場合、前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記評価値が前記第1しきい値未満であり、且つ第2しきい値以上である場合、前記サーバに前記第1特徴量を送信し、前記評価値が前記第2しきい値未満である場合、前記第1生体データと前記第1特徴量とをバッファに保存する請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方に基づくメッセージを前記サーバから受信する受信手段と、
前記メッセージを画面に表示する表示制御手段とをさらに具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記状態検出手段は、さらに、前記通信モジュールと外部電子機器との間の通信状態を検出し、
前記送信制御手段は、前記通信モジュールと前記外部電子機器との間の通信状態に基づいて、前記外部電子機器を経由して、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を前記サーバに送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方に基づくメッセージを、前記外部電子機器を経由して、前記サーバから受信する受信手段と、
前記メッセージを画面に表示する表示制御手段とをさらに具備する請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
外部電子機器から、第2生体データと、当該第2生体データから抽出された第2特徴量とを受信する受信手段をさらに具備し、
前記送信制御手段は、前記通信状態に基づいて、前記サーバに、前記第1生体データおよび前記第2生体データと、前記第1特徴量および前記第2特徴量の少なくとも一方を送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
前記電子機器が使用されている場所を検出する場所検出手段をさらに具備し、
前記送信制御手段は、さらに、前記検出された場所が第1の場所である場合、前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記検出された場所が前記第1の場所でない場合、前記サーバに前記第1特徴量を送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項11】
生体センサによって第1生体データを生成し、
前記第1生体データから第1特徴量を抽出し、
通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出し、
前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する通信制御方法。
【請求項12】
ウェアラブルデバイスとサーバとによって構成される生体データ管理システムであって、
前記ウェアラブルデバイスは、
第1生体データを生成する生体センサと、
前記第1生体データから第1特徴量を抽出する抽出手段と、
通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する送信制御手段とを具備するように構成され、
前記サーバは、
前記ウェアラブルデバイスによって送信された、前記第1生体データまたは前記第1特徴量を記憶装置に格納する格納処理手段を具備するように構成される生体データ管理システム。

第4 当審による取消理由について

1 取消理由の概要
訂正前の請求項1及び2に係る特許に対して平成29年9月14日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

請求項1及び2に係る発明は、甲1発明に基いて、あるいは、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、及び、甲3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1及び2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

2 当審の判断
本件訂正発明1と甲1発明との対比及び検討は、上記「第3 訂正の適否についての判断」「3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、及び、独立特許要件について」「(1) 訂正単位1について」「イ 請求項1に係る訂正に伴う訂正事項」「(イ) 独立特許要件について」「(イ-1) 新規性又は進歩性について」「b 新請求項3に係る発明について」に記載したとおりであり、本件訂正発明1は、当業者であっても、甲1発明に基づいて、又は、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
また、本件訂正後の請求項2に係る発明(以後、「本件訂正発明2」という。)は、本件訂正後の請求項1の記載を引用するものであるから、本件訂正発明1のすべての構成を発明特定事項として備えるものであり、本件訂正発明1と同様に、甲1発明に基づいて、又は、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
よって、本件訂正発明1及び2についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものではないから、特許法第113条第2号の規定に該当するものではない。

第5 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、及び、申立人による特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件訂正後の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正後の請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1生体データを生成する生体センサと、
前記第1生体データから第1特徴量を抽出する抽出手段と、
通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する送信制御手段とを具備する電子機器。
【請求項2】
前記通信モジュールをさらに具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記状態検出手段は、複数の通信方式で通信する複数の通信モジュールと前記サーバとの間の複数の通信状態を検出し、
前記電子機器は、前記複数の通信状態に基づいて、前記複数の通信モジュールの内の第1通信モジュールを選択する選択手段をさらに具備し、
前記送信制御手段は、前記第1通信モジュールの通信状態に基づいて、前記サーバに、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記選択手段は、前記複数の通信状態とバッテリの残量とに基づいて、前記複数の通信モジュールの内の第1通信モジュールを選択する請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記状態検出手段は、前記通信状態の評価値を算出し、
前記送信制御手段は、前記評価値が前記第1しきい値以上である場合、前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記評価値が前記第1しきい値未満であり、且つ第2しきい値以上である場合、前記サーバに前記第1特徴量を送信し、前記評価値が前記第2しきい値未満である場合、前記第1生体データと前記第1特徴量とをバッファに保存する請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方に基づくメッセージを前記サーバから受信する受信手段と、
前記メッセージを画面に表示する表示制御手段とをさらに具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記状態検出手段は、さらに、前記通信モジュールと外部電子機器との間の通信状態を検出し、
前記送信制御手段は、前記通信モジュールと前記外部電子機器との間の通信状態に基づいて、前記外部電子機器を経由して、前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方を前記サーバに送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1生体データと前記第1特徴量の少なくとも一方に基づくメッセージを、前記外部電子機器を経由して、前記サーバから受信する受信手段と、
前記メッセージを画面に表示する表示制御手段とをさらに具備する請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
外部電子機器から、第2生体データと、当該第2生体データから抽出された第2特徴量とを受信する受信手段をさらに具備し、
前記送信制御手段は、前記通信状態に基づいて、前記サーバに、前記第1生体データおよび前記第2生体データと、前記第1特徴量および前記第2特徴量の少なくとも一方を送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
前記電子機器が使用されている場所を検出する場所検出手段をさらに具備し、
前記送信制御手段は、さらに、前記検出された場所が第1の場所である場合、前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記検出された場所が前記第1の場所でない場合、前記サーバに前記第1特徴量を送信する請求項1記載の電子機器。
【請求項11】
生体センサによって第1生体データを生成し、
前記第1生体データから第1特徴量を抽出し、
通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出し、
前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する通信制御方法。
【請求項12】
ウェアラブルデバイスとサーバとによって構成される生体データ管理システムであって、
前記ウェアラブルデバイスは、
第1生体データを生成する生体センサと、
前記第1生体データから第1特徴量を抽出する抽出手段と、
通信モジュールとサーバとの間の通信状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された通信状態が良好である場合は前記サーバに前記第1生体データを送信し、前記通信状態が良好でない場合は前記サーバに前記第1特徴量を送信する送信制御手段とを具備するように構成され、
前記サーバは、
前記ウェアラブルデバイスによって送信された、前記第1生体データまたは前記第1特徴量を記憶装置に格納する格納処理手段を具備するように構成される生体
データ管理システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-02-01 
出願番号 特願2013-94360(P2013-94360)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (A61B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 伊知地 和之  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
松岡 智也
登録日 2016-12-09 
登録番号 特許第6054238号(P6054238)
権利者 株式会社東芝 東芝クライアントソリューション株式会社
発明の名称 電子機器および通信制御方法  
代理人 特許業務法人スズエ国際特許事務所  
代理人 特許業務法人スズエ国際特許事務所  
代理人 特許業務法人スズエ国際特許事務所  

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