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審決分類 |
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1339598 |
審判番号 | 不服2016-14053 |
総通号数 | 222 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-09-20 |
確定日 | 2018-04-16 |
事件の表示 | 特願2014-549307「FFT/DFTの逆順ソーティングシステム、方法およびその演算システム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月 4日国際公開、WO2013/097436、平成27年 2月 2日国内公表、特表2015-503785〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,2012年6月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年12月27日,中国)を国際出願日とする出願であって,平成26年8月1日に特許法184条の4第1項の規定による明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文が提出され,平成27年10月29日付けで拒絶の理由が通知され,平成28年1月21日に手続補正書が提出され,同年5月18日付けで拒絶査定(謄本送達日同年5月20日)がなされ,これに対して同年9月20日に審判請求がなされると共に手続補正がなされ,同年10月13日付けで審査官により特許法164条3項の規定に基づく報告がなされ,当審にて平成29年5月9日付けで拒絶の理由が通知され,これに対して同年8月9日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1乃至請求項10に係る発明は,平成29年8月9日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至請求項10に記載された事項により特定されるものである。 第3 当審による拒絶理由の内容 当審による平成29年5月9日付けの拒絶理由(以下,これを「当審拒絶理由」という)は,次のとおりである。 「 本件出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号及び第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項 1-10 ・備考 請求項1に係る発明において、下記の特定事項の意味するところは不明確である。 (1)「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」 明細書には、「ポイント数」について、段落7,19,27,49に特許請求の範囲の請求項1に記載されたものと同様の、「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」という記載が認められる。 また、明細書段落53には、「ベクトル演算ユニットに16個のDITバタフライユニットがあり、かつFFT/DFTポイント数に少なくとも4つの因子2が含まれる場合、ソーティングネットワークにおいて図12に示すような4段のデータソーティングモードを実現する必要がある。」なる記載(下線は本通知にて当審が付加。以下同様。)が、また、同段落54には、「また、より大きなポイント数のFFTのバタフライ演算、例えばLTEの必要な2048ポイントのFFTに対して、最初の4段の演算において毎回1024ポイントを隔てる連続した16個のデータをベクトル計算ユニットに入力してバタフライ演算を行い、次に結果をメモリに記憶する場合に淳番(原文ママ)逆転システムは、それぞれ4つのソーティング方式でデータをソーティングし、4段後のFFT演算において、交互にソーティングされたデータグループの長さが16の倍数であるため、データを記憶する時にメモリへのデータの記憶アドレスを制御するだけで必要なソーティングを実現することができる。」なる記載がそれぞれなされている。 明細書段落53及び54の記載が、特許請求の範囲の請求項1、及び明細書段落7,19,27,49に記載された、「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」自体の説明を行っていないことは明らかであり、また明細書のその余の箇所にも、「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」についての一切の定義や説明が無いことは明らかである。 よって、「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」の意味するところは不明確である。 (2)「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」 明細書には、「ラディクス」について、段落7,19,27,49に特許請求の範囲の請求項1に記載されたものと同様の、「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」という記載が認められる。 また、明細書段落52には、「図9に示すように、ラディクス2、2、3、2の順番で計算された24ポイントのDFTの反復順番逆転プロセスは、以下のとおりである。そのアドレス混合ラディクスがC_(4)C_(3)C_(2)C_(1)(C_(4)、C_(3)およびC_(1)が2進数(binary)であり、C_(2)が3進数(ternary)である)に表されると仮定した場合、第1回のソーティングにより、C_(4)の順番が順番逆転後のアドレス配列に一致し、そのソーティングプロセスが上記の16ポイントのFFTと類似する。」なる記載が認められる。 上記記載のうち、「C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)」についてみるに、図9に示されるものは実施例3として説明されるものである一方で、明細書段落51には、「16個のデータが4個のアドレスディジット(digit)C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)で表され、左から右に、データを一回ソーティングするたびに、4つのアドレスディジット(digit)が毎回1つのディジットを増やして最終の順番逆転結果に一致するようにする。第1回のソーティングにより、C_(4)が順番逆転後のアドレス配列に一致し、そのプロセスがデータをC_(4)=0の上半分とC_(4)=1の下半分に分割し、その後上半分と下半分を交互にソーティングすることにより実現される。第2回のソーティングにより、C_(3)が順番逆転後のアドレス配列に一致し、既に配列されたC_(4)が影響を受けないようにするために、隣接しているC_(4)をそれぞれ0と1であるデータに分割して二つずつ1つのデータグループと見なし、データグループを単位にしてデータをソーティングし、そのプロセスがC_(4)のソーティングプロセスと類似し、同様に、データをC_(3)=0の上半分とC_(3)=1の下半分に分割し、その後上半分と下半分のデータを、データグループを単位にして交互にソーティングすることにより実現される。第3回のソーティングにより、C_(2)が順番逆転後のアドレス配列に一致し、既に配列されたC_(4)C_(3)が影響を受けないことを保証するために、隣接しているC_(4)C_(3)がそれぞれ00、01、10、11であるデータを1つのデータグループと見なし、データグループを単位にしてデータをソーティングし、同様に、データをC_(2)=0の上半分とC_(2)=1の下半分に分割し、その後上半分と下半分のデータを、データグループを単位にして交互にソーティングすることにより実現される。この場合、C_(1)の配列順番と順番逆転後のC_(1)の配列順番は、自動的に一致し、順番逆転を完了する。」との説明がなされており、「C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)」は、「アドレスディジット(digit)」であるのか、「アドレス混合ラディクス」であるのかが判然としない。また、「ラディクス2、2、3、2の順番で計算された24ポイントのDFTの反復順番逆転プロセス」とあることから、「ラディクス」は、「DFTの反復順番逆転プロセス」における「順番」に係るものであることは理解できるものの、当該「ラディクス」及び、「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」が具体的に何を意味しているものかは、段落52の上記記載からは判然としない。 同段落53には、「図11は本発明の実施例5に係る24ポイント(ラディクス2、2、3、2)のデータを段間にソーティングするフローチャートである。図10と図11に示すように、各ポイントのデータが正順番で入力され、演算結果は、FFT/DFTの順番逆転すべき結果である。」との記載が認められる。 段落52及び53において、「ラディクス2、2、3、2」なる記載が認められるが、「ポイント数N=p_(m)…p_(mi)…p_(2)p_(1)」との表現、及び「ラディクス2、2、3、2」は、図9の「24ポイントのDFTの反復順番逆転ルール」の説明で使用されていることと併せて解釈すると、仮に、図9の一番左の列の一番上の値をポイント数N(=0000)とした場合には、「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」における、p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)は、p_(4)p_(3)p_(2)p_(1)に対応して、p_(4)=0、p_(3)=0、p_(2)=0、p_(1)=0となるが、その場合、「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」は、ラディクスp_(4)、ラディクスp_(3)、ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)となり、これはそれぞれ、ラディクス0、ラディクス0、ラディクス0、ラディクス0となる。これは、図9のいずれの列のいずれの行の値をポイント数Nとしておいたとしても同じであって、「ラディクス2、2、3、2」との対応がとれなくなり、「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」と、「ラディクス2、2、3、2」との関係が不明確であり、「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」が具体的に何を意味しているものかは、段落53の上記記載からも判然としない。 なお、同段落53には、「同時に、図10と図11から分かるように、各段の入力が要求に応じてソーティングされると、バタフライ演算のラディクスが同じであれば、異なる演算段の入力データが完全に同じ順番でベクトルユニットに送信されて演算されることができる。16ポイントのFFTを例にすると、各段で、最初の8個のデータと最後の8個のデータが対応してバタフライを構成して演算し、かつバタフライの入力データ間に等しい最大距離があり、バタフライのベクトル計算に非常に有利であり、且つベクトル計算ユニットにFFT/DFTのために余分なデータ接続線を導入する必要がないため、消費電力の順番逆転のために占用される時間を完全になくすために、上記のソーティングプロセスを、図4に示すようにデータをレジスタからメモリに記憶するパイプライン段に挿入することができる。ベクトル演算ユニットに16個のDITバタフライユニットがあり、かつFFT/DFTポイント数に少なくとも4つの因子2が含まれる場合、ソーティングネットワークにおいて図12に示すような4段のデータソーティングモードを実現する必要がある。ここで、ラディクス2演算を一番前に配列しなければならなく、対応するソーティングが図6に示すような5段のソーティングネットワークで実現されることができる。」なる記載が認められ、また同段落54には、「FFT/DFTにおける因子2の個数が4個未満の場合、例えば、LTEアップリンクDFTにおける因子2の個数が少なくとも2つであり、かつ因子2、3、5しかない場合、ラディクス2演算を先ず配列して計算する必要があり、ソーティングネットワークのソーティング機能を利用して演算結果をソーティングし、その後、1または2段の演算は、データがメモリに記憶される場合に長さ4、12または8のマスクとシフト制御を追加しなければならず、4、12または8つのバタフライ演算結果を記憶するたびに演算効率が少し低下するが、依然としてデータの記憶アドレスで制御してデータをソーティングするために占有された排他時間を避けることができる。」なる記載も認められるものの、これらの「ラディクス」が、「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」を説明するものでないことは明らかであって、当該記載の存在は「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」を明確化させるための要件であるとはいえず、したがって「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」の意味するところは不明確である。 (3)「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」 明細書には、「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」について、段落7,19,27,49に特許請求の範囲の請求項1に記載されたものと同様の、「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」という記載が認められる。 また、明細書段落51には、「隣接している」に関し、「図8は本発明の実施例2に係る16ポイントのFFTの反復順番逆転ルールを示す図である。そのプロセスは、以下のとおりである。16個のデータが4個のアドレスディジット(digit)C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)で表され、左から右に、データを一回ソーティングするたびに、4つのアドレスディジット(digit)が毎回1つのディジットを増やして最終の順番逆転結果に一致するようにする。第1回のソーティングにより、C_(4)が順番逆転後のアドレス配列に一致し、そのプロセスがデータをC_(4)=0の上半分とC_(4)=1の下半分に分割し、その後上半分と下半分を交互にソーティングすることにより実現される。第2回のソーティングにより、C_(3)が順番逆転後のアドレス配列に一致し、既に配列されたC_(4)が影響を受けないようにするために、隣接しているC_(4)をそれぞれ0と1であるデータに分割して二つずつ1つのデータグループと見なし、データグループを単位にしてデータをソーティングし、そのプロセスがC_(4)のソーティングプロセスと類似し、同様に、データをC_(3)=0の上半分とC_(3)=1の下半分に分割し、その後上半分と下半分のデータを、データグループを単位にして交互にソーティングすることにより実現される。第3回のソーティングにより、C_(2)が順番逆転後のアドレス配列に一致し、既に配列されたC_(4)C_(3)が影響を受けないことを保証するために、隣接しているC_(4)C_(3)がそれぞれ00、01、10、11であるデータを1つのデータグループと見なし、データグループを単位にしてデータをソーティングし、同様に、データをC_(2)=0の上半分とC_(2)=1の下半分に分割し、その後上半分と下半分のデータを、データグループを単位にして交互にソーティングすることにより実現される。この場合、C_(1)の配列順番と順番逆転後のC_(1)の配列順番は、自動的に一致し、順番逆転を完了する。」なる記載がなされている。 上記(1)で指摘したとおり、「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」は、意味するところが不明確であるから、「p_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」が何を意味するものかも不明確である。 また、「p_(m)^(*)」の「^(*)」の部分に関しては、これが例えば一般的な表現形式の一つである、p_(m)のインバース(反転)を意味するものなのか、或いは「*」自体の一般的な表現形式の一つである、乗算を意味するものなのかが判然としない。また明細書のその余の箇所においても、「*」についての説明や定義はなされていない。 さらに、「隣接している」とは、具体的に何と何が「隣接している」ことを意味するものか不明確である。上記段落51には、アドレスディジット(digit)C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)で表されるものにおける、隣接しているC_(4)C_(3)などの「隣接」については説明がなされているものの、このアドレスディジット(digit)C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)と「p_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」との関係については段落51以外の箇所にも説明がみあたらない。 したがって「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」の意味するところは不明確である。 (4)「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」 上記(3)で指摘したとおり、「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」が何を意味するものか不明確であるから、これを「一つのデータグループに」することが、具体的に何を意味するものか不明確である。 上記したとおり、明細書段落51には、「隣接」に関し、アドレスディジット(digit)C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)の例えばC_(4)C_(3)がそれぞれ00、01、10、11であるデータを1つのデータグループと見なすことなどは記載されているものの、このことと、「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループに」することとの関係は不明確である。 したがって、「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」の意味するところは不明確である。 (5)「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」 明細書には、「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」について、段落7,19,27,49に特許請求の範囲の請求項1に記載されたものと同様の、「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」という記載が認められる。 また、「p_(i)個の部分に分けられ」るものが何であるのかが、日本語として明確でない。すなわち、「c_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」るとの文章は、「c_(i)」自体が分けられるかの如くの表現であるが、「c_(i)」は、アドレスディジット「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジット」であるから、例えば図8の一番左の一番上の値「0000」を例にとると、「0」を「上から下にp_(i)個の部分に分け」るとの文意になり、日本語として意味するところが不明確である。さらに、「上から下」とは、具体的に何を基準にした「上から下」なのかも判然とせず、したがって「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」の意味するところは不明確である。 (6)「第m-i段のデータを順番逆転する場合、…(中略)…交互にソーティングされる」 交互にソーティングされる対象が具体的に何であるかが日本語として明確でない。すなわち、文意からすると「c_(i)」自体が交互にソーティングされるかの如くの表現であるが、上記(5)で指摘したとおり、「c_(i)」は、アドレスディジット「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジット」であるから、これを交互にソーティングするとは、具体的に何と何とを交互にソーティングすること意味するものかが不明確である。 さらに、「第m-i段のデータを順番逆転する場合」における、「順番逆転」と、上記「ソーティング」との関係も不明確である。すなわち、「ソーティング」とは通常並び替えを意味する語であるから、並び替え(ソーティング)を行うことによって当該並び変えの対象となったもの同士は順番が変更されることとなるものと解されるところ、上記したとおり、「ソーティング」に関し、文意上「c_(i)」をソーティングすると解釈すると意味が不明となることから、ソーティングの対象を「第m-i段のデータ」であると解した場合には、「順番逆転」と「ソーティング」が、同じことを意味するものか、異なることを意味するものかが明確でなくなる。 したがって「交互にソーティングされる」の意味するところは不明確である。 請求項1を直接若しくは間接的に引用する請求項2乃至8についても、これらの請求項に特定される事項をもってしても、上記(1)乃至(6)で指摘した点を明確とすることにはならないから、請求項2乃至8に係る発明は、請求項1に係る発明と同様に不明確である。 また、同様の特定事項が存在する請求項9に係る発明も同様に不明確であり、請求項9を引用する請求項10に係る発明も不明確である。 したがって、本願請求項1乃至10に係る発明は不明確である。 以下、各請求項毎にその余の不明確な記載について指摘する。 …(中略)… ・請求項 6 ・備考 「各段の交換ユニットの数量が前記ベクトルプロセッサにおける演算ユニット数の半分である」ことの技術的意義が不明である。 上記記載は、明細書段落13及び39に、同様の記載が存在するのみであって、具体的にこのような構成とした場合に、どのような作用効果をもたらすものであるのか、また何故「半分」であるのか、その技術的意義については明細書に一切の記述が無い。そうとすると、「各段の交換ユニットの数量が前記ベクトルプロセッサにおける演算ユニット数の半分である」ことが、単に「各段の交換ユニットの数量」の設計的な数値を示したに過ぎないものなのか、或いは、「各段の交換ユニットの数量」が「ベクトルプロセッサにおける演算ユニット数の半分である」ことによって、演算処理の効率やシステム全体の消費電力を削減できるなどの格別な効果をもたらす、何らかの技術的意義を有するものであるのかを明確に把握することはできない。 また、発明の詳細な説明には、上記事項の説明が一切されていないから、発明の詳細な説明の記載は、当業者が請求項6に係る発明を容易に実施できる程度の記載とは認められず、特許法36条4項1号の要件を満たしていない。 (以下省略)」 第4 当審拒絶理由とその応答についての当審の判断 1.補正の概要 平成29年8月9日付けの手続補正(以下,これを「本件補正」という)により,平成28年9月20日付けの手続補正により補正された請求項(以下,これを「補正前の請求項」という)1乃至10は,本件補正により補正された請求項(以下,これを「補正後の請求項」という)1乃至10に対応し,そのうち,補正前の請求項1は本件補正によって補正がなされておらず,補正前の請求項1に係る発明は補正後の請求項1に係る発明と同一である。 2.当審拒絶理由の(1)について 当審拒絶理由において,請求項1に係る発明において,(1)として指摘した点,すなわち,「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」の意味するところが不明確である点について検討する。 上記「1.補正の概要」において示したとおり,補正前の請求項1は,補正後の請求項1と同じである。したがって,本件補正によってもなお,補正後の請求項1の上記点については依然として不明確である。 そして,意見書にて審判請求人は,(1)に関しては,その他(2)乃至(4)において指摘した点とまとめて,次のように釈明を行っている。 「2)請求項1に対する理由(1)?(4)について 審査官殿は、理由(1)として、「ポイント数N=p_(m)...p_(i)...p_(2)p_(1)」の意味するところは不明確であると指摘され、理由(2)として、「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」の意味するところは不明確であると指摘され、理由(3)として、「隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)」の意味するところは不明確であると指摘され、理由(4)として、「隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにして」の意味するところは不明確であると指摘されました。 本願の請求項1に記載の「特定の順番逆転ルール」は、「順番逆転すべきデータのポイント数N=p_(m)...p_(i)...p_(2)p_(1)に応じて、当該ポイント数がラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)の順番に応じてm段のFFT/DFTの逆順ソーティングを行われることを確定し、第m-i段のデータを順番逆転する場合、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにして、データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)に表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」に対応します。 16ポイントのFFTの反復順番逆転ルールを示す図8を参照すると、上から下に16個のポイントがあり、即ちポイント数N=16であり、左から右に4段(4列)があり、即ちm=4であり、ラディクスp_(m)がp_(4)、p_(3)、p_(2)、p_(1)になります。 図8に示すように、該FFTの反復順番逆転ルールにおける全てのデータがバイナリデータであり、よってラディクスp_(4)=2、p_(3)=2、p_(2)=2、p_(1)=2であり、ポイント数N(N=16)=p_(4)*p_(3)*p_(2)*p_(1)(2*2*2*2)であり、これによりポイント数Nとラディクスp_(m)は相乗の関係にあります。 同様に、24ポイントのDFTの反復順番逆転ルールを示す図9を参照すると、ポイント数N=24、m=4であり、ラディクスp_(4)=2、p_(3)=2、p_(2)=3、p_(1)=2であり、ポイント数N(N=24)=p_(4)*p_(3)*p_(2)*p_(1)=2*2*3*2であります。 このように、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)は相乗の関係にあり、上記記載は明確であると思量致します。」(以下,「釈明1」という。) 釈明1において,「本願の請求項1に記載の「特定の順番逆転ルール」は、「順番逆転すべきデータのポイント数N=p_(m)...p_(i)...p_(2)p_(1)に応じて、当該ポイント数がラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)の順番に応じてm段のFFT/DFTの逆順ソーティングを行われることを確定し、第m-i段のデータを順番逆転する場合、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにして、データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)に表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」に対応します。」と述べている部分には,不明確であると指摘した,「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」に関しては,何等の釈明も行っていないことは明白であり,単に,請求項1において「特定の順番逆転ルール」として特定される事項が,何を表しているかを説示しているに過ぎない。したがって,この部分の釈明によって,上記点が明確となることはない。 次に,釈明1において,「16ポイントのFFTの反復順番逆転ルールを示す図8を参照すると、上から下に16個のポイントがあり、即ちポイント数N=16であり、左から右に4段(4列)があり、即ちm=4であり、ラディクスp_(m)がp_(4)、p_(3)、p_(2)、p_(1)になります。」と述べている部分(以下,「釈明1-1」という。)について検討する。この部分の釈明で理解できるのは,図8において説示される,「16ポイントのFFTの反復順番逆転ルール」では,「ポイント数N=16」であること,「左から右に4段(4列)があり、即ちm=4であ」ること,及び「ラディクスp_(m)がp_(4)、p_(3)、p_(2)、p_(1)にな」ることである。さらに進んで,「図8に示すように、該FFTの反復順番逆転ルールにおける全てのデータがバイナリデータであり、よってラディクスp_(4)=2、p_(3)=2、p_(2)=2、p_(1)=2であり、ポイント数N(N=16)=p_(4)*p_(3)*p_(2)*p_(1)(2*2*2*2)であり、これによりポイント数Nとラディクスp_(m)は相乗の関係にあります。」と述べている部分(以下「釈明1-2」という。)についても検討すると,この部分の釈明で理解できるのは,「該FFTの反復順番逆転ルールにおける全てのデータがバイナリデータであ」ること,「ラディクスp_(4)=2、p_(3)=2、p_(2)=2、p_(1)=2であ」ること,「ポイント数N(N=16)=p_(4)*p_(3)*p_(2)*p_(1)(2*2*2*2)であ」ること,及び,「これによりポイント数Nとラディクスp_(m)は相乗の関係にあ」ることのみである。 釈明1-1において,「ラディクスp_(m)がp_(4)、p_(3)、p_(2)、p_(1)にな」ると釈明している部分と,釈明1-2において,「ラディクスp_(4)=2、p_(3)=2、p_(2)=2、p_(1)=2であ」る,及び,「ポイント数N(N=16)=p_(4)*p_(3)*p_(2)*p_(1)(2*2*2*2)であ」ると釈明している部分をみると,ラディクスp_(m)がp_(4)、p_(3)、p_(2)、p_(1)になるのに対し,ラディクスp_(4)=2、p_(3)=2、p_(2)=2、p_(1)=2であるとされていて(下線は,説明のために当審にて付加。以下同様。),結局のところ,ラディクスp_(m)が,「p_(4)、p_(3)、p_(2)、p_(1)」であるのか,釈明1-1の「即ちm=4」を考慮して,ラディクスp_(m)すなわち,ラディクスp_(4)が,「2」であるのか,判然としない。 さらに,釈明1-2において,「該FFTの反復順番逆転ルールにおける全てのデータがバイナリデータであ」るとの釈明を考慮して,「ラディクスp_(4)=2、p_(3)=2、p_(2)=2、p_(1)=2であ」るとは,「ラディクスp_(4)=2」,「ラディクスp_(3)=2」,「ラディクスp_(2)=2」,及び「ラディクスp_(1)=2」であるとの意味だと解したとすると,「ポイント数N(N=16)=p_(4)*p_(3)*p_(2)*p_(1)(2*2*2*2)であ」るとの釈明からは,あたかも,「ラディクスp_(4)=p_(4)=2」,「ラディクスp_(3)=p_(3)=2」,「ラディクスp_(2)=p_(2)=2」,「ラディクスp_(1)=p_(1)=2」であるとの釈明のようにもとらえられる。 しかしながら,「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」との特定事項には,「ラディクス」なる用語が用いられていないことは明白であり,また,特許請求の範囲の請求項1には,「p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」と特定されている部分と,「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」と特定されている部分が存在することから,両者(「p_(m)」と表されるものと,「ラディクスp_(m)」と表されるもの)が異なるものであることを特定していることは明らかであることから,釈明1によっては,なお依然として「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」が何を意味するのかを,当業者が明確に把握することはできず,不明確といわざるを得ない。 3.当審拒絶理由の(2)について 当審拒絶理由において,請求項1に係る発明において,(2)として指摘した点,すなわち,「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」の意味するところが不明確である点について検討する。 上記「1.補正の概要」において示したとおり,補正前の請求項1は,補正後の請求項1と同じである。したがって,本件補正によってもなお,補正後の請求項1の上記点については依然として不明確である。 そして,意見書にて審判請求人は,(2)に関しては,その他(1)及び(3)乃至(4)において指摘した点とまとめて,上記のとおり釈明(釈明1)を行っている。 釈明1において,「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」については,上記のとおり,釈明1-1及び釈明1-2のとおりの釈明を行っているが,上記「2.当審拒絶理由の(1)について」の項で検討したとおり,「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」が「p_(m)、p_(i)、p_(2)、p_(1)」と同じものであるかの如くの釈明のほかは,なんら,これ自体が何を意味するものかについて釈明を行っていない。この点,さらに釈明1において,「このように、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)は相乗の関係にあり、上記記載は明確であると思量致します。」(以下「釈明1-3」という。)との釈明によってもなお,「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」が何を意味するものかを明確に示していないことは明らかである。 したがって,釈明1によっては,なお依然として「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」が何を意味するのかを,当業者が明確に把握することはできず,不明確といわざるを得ない。 4.当審拒絶理由の(3)について 当審拒絶理由において,請求項1に係る発明において,(3)として指摘した点,すなわち,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」の意味するところが不明確である点について検討する。 まず,意見書の釈明1には,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」に関連する釈明として上記「3.当審拒絶理由の(2)について」の項で示したように,釈明1-3が存在する。 しかしながら,釈明1-3において「隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)は相乗の関係にあ」るとされる意味は,「隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)」自体が何を意味しているのか不明であるため,何と何とが「相乗の関係」にあると述べているのか不明であるし,「相乗の関係」については,本願明細書のいずれにも「相乗の関係」なる用語は存在せず,当業者にとって自明な事項でもないので,何を意味しているのか,不明と言わざるを得ない。 また,記号「*」についても,釈明1-2の中に,「ポイント数N(N=16)=p_(4)*p_(3)*p_(2)*p_(1)(2*2*2*2)」として,すなわち,乗算を表す演算子として使用されているほかは,何等の釈明も行われていない。 したがって,釈明1によってもなお,依然として「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」が何を意味するのかを,当業者が明確に把握することはできず,不明確といわざるを得ない。 5.当審拒絶理由の(4)について 当審拒絶理由において,請求項1に係る発明において,(4)として指摘した点,すなわち,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」の意味するところが不明確である点について検討する。 上記4.で示したとおり,釈明1によっては,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」が何を意味するものかは明らかでなく,不明確といわざるを得ないから,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」についても,同様に不明確である。 さらに進んで,(5)に対する釈明として,意見書では審判請求人は次の釈明を行っている。 「3)請求項1に対する理由(5)について 審査官殿は、理由(5)として、「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」の意味するところは不明確であると指摘されました。 図8及び図9を参照すると、mが4であり、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)が「0000」であり、ここで、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)がアドレス混合ラディクスを表し、C_(4)=0、C_(3)=0、C_(2)=0、C_(1)=0がそれぞれ4個のアドレスディジットを表します。 データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)として表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、図8に示すように、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)を、左から右へ最高アドレスディジットC_(4)に対して、C_(4)=0、C_(4)=1によりデータを上半部、下半部の2つの部分に分けると、データの上半部のC_(4)はすべて0であり、下半部のC_(4)はすべて1となります。 最高アドレスディジットC_(4)を、ソーティングする過程と同様に、次のアドレスディジットC_(3)に対して、C_(3)=0、C_(3)=1によりデータを上半部、下半部の2つの部分に分けると、データの上半部のC_(3)はすべて0であり、下半部のC_(3)はすべて1となります。 既に配列されたC_(4)が影響を受けないことを保証するために、隣接しているC_(4)をそれぞれ0と1のデータに分割して二つずつ1つのデータグループと見なします。例えば、「0000、1000」は1つのデータグループであり、「0001、1001」は他のデータグループであり、このようにデータグループを単位にしてデータをソーティングします。 上記過程と同様に、既に配列されたC_(4)C_(3)が影響を受けないことを保証するために、隣接しているC_(4)C_(3)がそれぞれ00、01、10、11であるデータを1つのデータグループと見なします。例えば、「0000、1000、0100、1100」は1つのデータグループであり、「0001、1001、0101、1101」は他のデータグループであり、データグループを単位にしてデータをソーティングします。 最高アドレスディジットC_(4)と、次のアドレスディジットC_(3)を、ソーティングする過程と同様に、C_(2)に対して、C_(2)=0、C_(2)=1によりデータを上半部、下半部である2つの部分に分けると、データの上半部のC_(2)はすべて0であり、下半部のC_(2)はすべて1となります。 同様に、最低アドレスディジットC_(1)に対して、C_(1)=0、C_(1)=1によりデータを上半部、下半部である2つの部分に分けると、データの上半部のC_(1)はすべて0であり、下半部のC_(1)はすべて1となります。 データアドレスとデータの対応関係について初期でソーティングするときは、データをソーティングすることに伴ってデータにアドレスを新たにソーティングを行いません。 以上より、上記記載は明確であると思量致します。」(以下,「釈明2」という。) このうち,「データグループ」に関しては,「最高アドレスディジットC_(4)を、ソーティングする過程と同様に、次のアドレスディジットC_(3)に対して、C_(3)=0、C_(3)=1によりデータを上半部、下半部の2つの部分に分けると、データの上半部のC_(3)はすべて0であり、下半部のC_(3)はすべて1となります。 既に配列されたC_(4)が影響を受けないことを保証するために、隣接しているC_(4)をそれぞれ0と1のデータに分割して二つずつ1つのデータグループと見なします。」なる釈明を行っているが,ここで釈明されている,「データグループ」は,「隣接しているC_(4)をそれぞれ0と1のデータに分割し」たものを対象としていることは明らかであり,当該「C_(4)」とは,同じく釈明2の中の「C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)が「0000」であり、ここで、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)がアドレス混合ラディクスを表し、C_(4)=0、C_(3)=0、C_(2)=0、C_(1)=0がそれぞれ4個のアドレスディジットを表します。」との釈明から,「アドレスディジットC_(4)」のことを意味するものと解されるものの,当該釈明によってもなお,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」が何を意味しているのかを把握することはできない。 したがって,釈明1によっては,また釈明2の一部を参酌したとしても,なお依然として「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」が何を意味するのかを,当業者が明確に把握することはできず,不明確といわざるを得ない。 6.当審拒絶理由の(5)について 当審拒絶理由において,請求項1に係る発明において,(5)として指摘した点,すなわち,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」の意味するところが不明確である点について検討する。 上記「1.補正の概要」において示したとおり,補正前の請求項1は,補正後の請求項1と同じである。したがって,本件補正によってもなお,補正後の請求項1の上記点については依然として不明確である。 そして,意見書にて審判請求人は,(5)に関しては,上記「5.当審拒絶理由の(4)について」の項において示した釈明2を行っている。 本願図面の図8及び図9を示す。 「図8 」 「図9 」 釈明2において,「図8及び図9を参照すると、mが4であり、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)が「0000」であり、ここで、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)がアドレス混合ラディクスを表し、C_(4)=0、C_(3)=0、C_(2)=0、C_(1)=0がそれぞれ4個のアドレスディジットを表します。」との釈明により,小文字を用いた,「c_(m)...c_(2)c_(1)」ではなく,大文字を用いた「C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)」については,これは,「アドレス混合ラディクス」と称するものであり,それぞれ,「C_(4)=0、C_(3)=0、C_(2)=0、C_(1)=0」を表しており,したがって,「C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)」なる表記は,例えば図8の一番左の列で,上から「0000」,「0001」…「1111」と並ぶ列の数を表すものであることを釈明していて,例えば「0000」を表すものであることが読み取れる。そして,当該「C_(4)」,「C_(3)」,「C_(2)」,「C_(1)」は,「アドレスディジット」を表すものと理解される。 同じく釈明2において,「データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)として表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、図8に示すように、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)を、左から右へ最高アドレスディジットC_(4)に対して、C_(4)=0、C_(4)=1によりデータを上半部、下半部の2つの部分に分けると、データの上半部のC_(4)はすべて0であり、下半部のC_(4)はすべて1となります。」との釈明により,今度は「データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)として表し」たとして,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けら」れること,及び,「図8に示すように、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)を、左から右へ最高アドレスディジットC_(4)に対して、C_(4)=0、C_(4)=1によりデータを上半部、下半部の2つの部分に分けると、データの上半部のC_(4)はすべて0であり、下半部のC_(4)はすべて1とな」ることを読み取ることができる。 このうち,「p_(i)個の部分に分けられ」ることについては,当該「p_(i)」が何の数を表しているのか不明であるし,それに続く「図8に示すように、C_(4)C_(3)C_(2)C_(1)を、左から右へ最高アドレスディジットC_(4)に対して、C_(4)=0、C_(4)=1によりデータを上半部、下半部の2つの部分に分ける」との釈明から,「最高アドレスディジットC_(4)に対」しては,「データ」を少なくとも2つの部分に分けられることを読み取ることができるものの,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」ることに関しては,その意味するところはなお依然として不明確である。 そして,当審拒絶理由において指摘した,「「c_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」るとの文章は、「c_(i)」自体が分けられるかの如くの表現であるが、「c_(i)」は、アドレスディジット「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジット」であるから、例えば図8の一番左の一番上の値「0000」を例にとると、「0」を「上から下にp_(i)個の部分に分け」るとの文意になり、日本語として意味するところが不明確である。」との点に関しては,何等の釈明も行われていない。 そして,釈明2において,その後に続いて,「C_(3)」乃至「C_(1)」について,「上半部、下半部の2つの部分」に分かれたり,「ソーティング」される態様につき,縷々説明される内容によってもなお,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」ることが,何を意味するものかは明らかとならない。 したがって,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」が何を意味するのかを,当業者が明確に把握することはできず,不明確といわざるを得ない。 7.当審拒絶理由の(6)について 当審拒絶理由において,請求項1に係る発明において,(6)として指摘した点,すなわち,「第m-i段のデータを順番逆転する場合、…(中略)…交互にソーティングされる」の意味するところが不明確である点について検討する。 上記「1.補正の概要」において示したとおり,補正前の請求項1は,補正後の請求項1と同じである。したがって,本件補正によってもなお,補正後の請求項1の上記点については依然として不明確である。 そして,意見書にて審判請求人は,(6)に関しては,次の釈明を行っている。 「4)請求項1に対する理由(6)について 審査官殿は、理由(6)として、「第m-i段のデータを順番逆転する場合、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにして、データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)に表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」の意味するところは不明確であると指摘されました。 図8及び図9に示すように、「交互にソーティングされる」とは、アドレス混合ラディクスC_(4)C_(3)C_(2)C_(1)がそれぞれ交互にソーティングされることを意味します。 例えば、図8に示すように、左から右までの第一段(第一列)のデータグループC_(4)において、0、1によりC_(4)を上半部と下半部に分けて、C_(4)=0であるデータグループ(図8では上半部)とC_(4)=1であるデータグループ(図8では下半部)に交互にソーティングして左から右までの第二段(第二列)のデータグループに構成して一回目のソーティングを完了し、二回目のソーティングを開始します。 二回目のソーティングにおいて、左から右までの第二段(第二列)のデータグループC_(3)において、0、1によりC_(3)を上半部と下半部に分けて、C_(3)=0であるデータグレープとC_(3)=1であるデータグループに交互にソーティングして左から右までの第三段(第三列)のデータグループに構成して二回目のソーティングを完了し、三回目のソーティングを開始します。 三回目のソーティングにおいて、左から右までの第三段(第三列)のデータグループC_(2)において、0、1によりC_(2)を上半部と下半部に分けて、C_(2)=0であるデータグループとC_(2)=1であるデータグループに交互にソーティングして左から右までの第四段(第四列)のデータグループに構成して三回目のソーティングを完了し、四回目のソーティングを開始します。 24ポイントのDFTの反復順番逆転ルールを示す図9において、「交互にソーティングされる」とは、図8に示すような方法とほぼ同様であって、相違点としてC_(2)=3であり、0、1、2によりC_(2)を3つの部分に分けて、C_(2)=0であるデータグループとC_(2)=1であるデータグループとC_(2)=2であるデータグループとに交互にソーティングして左から右までの第四段(第四列)のデータグループに構成して三回目のソーティングを完了し、四回目のソーティングを開始します。 以上より、上記記載は明確であると思量致します。」(以下,「釈明3」という。) 当審拒絶理由において,(6)として不明確であると指摘した点は,省略をしない形で書き表すならば, 「第m-i段のデータを順番逆転する場合、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにして、データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)に表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」 点であることは,上記釈明3によって審判請求人も自認するとおり,明らかである。 上記「2.当審拒絶理由の(1)について」乃至「6.当審拒絶理由の(5)について」の項で示したとおり,釈明1及び釈明2によってもなお,「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」,「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」,及び,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」の意味するところは不明確である。 そこでまず釈明3によって,これらの不明確な点が明確となるかについて検討する。 釈明3では,「ポイント数N」,及び「p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」についての言及は無いから,「ポイント数N=p_(m)…p_(i)…p_(2)p_(1)」については,なお依然として不明確である。 同じく「ラディクスp_(m)、...ラディクスp_(i)、... ラディクスp_(2)、ラディクスp_(1)」,及び,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」についても言及は無いから,これらの点もなお依然として不明確である。 「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」に関しては,釈明3の中に,特に「データグループ」について, 「例えば、図8に示すように、左から右までの第一段(第一列)のデータグループC_(4)において、0、1によりC_(4)を上半部と下半部に分けて、C_(4)=0であるデータグループ(図8では上半部)とC_(4)=1であるデータグループ(図8では下半部)に交互にソーティングして左から右までの第二段(第二列)のデータグループに構成して一回目のソーティングを完了し、二回目のソーティングを開始します。 二回目のソーティングにおいて、左から右までの第二段(第二列)のデータグループC_(3)において、0、1によりC_(3)を上半部と下半部に分けて、C_(3)=0であるデータグレープとC_(3)=1であるデータグループに交互にソーティングして左から右までの第三段(第三列)のデータグループに構成して二回目のソーティングを完了し、三回目のソーティングを開始します。 三回目のソーティングにおいて、左から右までの第三段(第三列)のデータグループC_(2)において、0、1によりC_(2)を上半部と下半部に分けて、C_(2)=0であるデータグループとC_(2)=1であるデータグループに交互にソーティングして左から右までの第四段(第四列)のデータグループに構成して三回目のソーティングを完了し、四回目のソーティングを開始します。 24ポイントのDFTの反復順番逆転ルールを示す図9において、「交互にソーティングされる」とは、図8に示すような方法とほぼ同様であって、相違点としてC_(2)=3であり、0、1、2によりC_(2)を3つの部分に分けて、C_(2)=0であるデータグループとC_(2)=1であるデータグループとC_(2)=2であるデータグループとに交互にソーティングして左から右までの第四段(第四列)のデータグループに構成して三回目のソーティングを完了し、四回目のソーティングを開始します。」 との釈明がなされているが,いずれも,「C_(4)」乃至「C_(2)」との関連で,「データグループC_(4)」といった「データグループ」や,「C_(4)=0であるデータグループ(図8では上半部)とC_(4)=1であるデータグループ」といった「データグループ」が説明されるだけであって,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」を「一つのデータグループに」することを説明していないから,釈明3によってもなお,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」の意味するところはなお依然として不明確である。 次に,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」に関しては,釈明3には,大文字の「C_(4)」乃至「C_(2)」の説明はあるが,小文字の「c_(m)...c_(2)c_(1)」については言及が無い。また,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジット」である「c_(i)」が「その値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」るとの表現が,日本語として不明な点についての釈明も釈明3にはなされていない。 よって,釈明3によってもなお,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」の意味するところが不明確である。 したがって,「第m-i段のデータを順番逆転する場合、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにして、データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)に表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」のうち,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)」,「隣接しているp_(m)^(*)p_(m-1)^(*)...^(*)p_(i+1)を一つのデータグループにして」,及び,「c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ」の意味するところは,釈明3によってもなお不明確である。 次に,上記以外の部分について検討する。 まず,「第m-i段のデータを順番逆転する場合」とされる部分については,その説明がなされていないことは明らかである。 次に,「前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」とされる部分については,「図8及び図9に示すように、「交互にソーティングされる」とは、アドレス混合ラディクスC_(4)C_(3)C_(2)C_(1)がそれぞれ交互にソーティングされることを意味します。」との釈明がなされている。しかしながら,「交互にソーティングされる」が,「アドレス混合ラディクスC_(4)C_(3)C_(2)C_(1)がそれぞれ交互にソーティングされることを意味」することを理解したとしても,特許請求の範囲の請求項1に特定される,「前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」ことは,「前記データグループ」,すなわち「隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにし」たときの「データグループ」であって,「アドレス混合ラディクスC_(4)C_(3)C_(2)C_(1)がそれぞれ交互にソーティングされる」ことを説明したところで,「前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」ことを説明したことにはならない。 以上総合すると,当審拒絶理由で(6)として指摘した,「第m-i段のデータを順番逆転する場合、隣接しているp_(m)*p_(m-1)*...*p_(i+1)を一つのデータグループにして、データに対応するアドレスディジットをc_(m)...c_(2)c_(1)に表し、c_(m)...c_(2)c_(1)の第iディジットのc_(i)がその値に応じて上から下にp_(i)個の部分に分けられ、前記データグループを単位にして交互にソーティングされる」が何を意味するのかを,当業者が明確に把握することはできず,不明確といわざるを得ない。 8.以上,2.乃至7.において検討したとおり,本件補正の内容,及び,審判請求人の意見書における主張を検討しても,補正後の請求項1に係る発明は,依然として不明確であり,当該請求項1を直接または間接的に引用する請求項2乃至8も同様に不明確である。また,同様の特定事項が存在する請求項9に係る発明も同様に不明確であり、請求項9を引用する請求項10に係る発明も不明確である。 9.当審拒絶理由の請求項6に関する指摘について 当審拒絶理由において,請求項6において,「各段の交換ユニットの数量が前記ベクトルプロセッサにおける演算ユニット数の半分である」ことの技術的意義が不明である点,及び,本願明細書の発明の詳細な説明の記載が,当業者が請求項6に係る発明を容易に実施できる程度の記載であるか,について検討する。 上記「1.補正の概要」において示したとおり,補正前の請求項6は,補正後の請求項6と同じである。したがって,本件補正によってもなお,補正後の請求項6の上記点については依然として不明確である。 そして,意見書にて審判請求人は,請求項6に関し,次の釈明を行っている。 「8)請求項6について 審査官殿は、「各段の交換ユニットの数量が前記ベクトルプロセッサにおける演算ユニット数の半分であることである」ことの技術的意義が不明であると認定されました。 上述しましたように、ベクトルプロセッサがシステムの外部に設置され、各段の交換ユニットの数量がベクトルプロセッサにおける演算ユニットの数量によって決定され、即ち、各段の交換ユニットの数量がベクトルプロセッサの処理能力に応じて決定されます。 好ましくは、各段の交換ユニットの数量がベクトルプロセッサにおける演算ユニットの数量の半分であります。例えば、ベクトルプロセッサにおける演算ユニットの数量が10000個であるとすると、各段の交換ユニットの数量は5000個であり、交換ユニットに交換されたデータがベクトルプロセッサにより処理されることを確保することができます。このように、「各段の交換ユニットの数量が前記ベクトルプロセッサにおける演算ユニット数の半分であること」は、技術的意義があります。 以上より、上記記載は明確であると思量致します。」 上記釈明のうち,「ベクトルプロセッサがシステムの外部に設置され、各段の交換ユニットの数量がベクトルプロセッサにおける演算ユニットの数量によって決定され、即ち、各段の交換ユニットの数量がベクトルプロセッサの処理能力に応じて決定されます。 好ましくは、各段の交換ユニットの数量がベクトルプロセッサにおける演算ユニットの数量の半分であります。」と述べられている部分は,特許請求の範囲に記載された内容と同じものが,単に明細書段落38乃至39に記載されていることを説明するものであって,当該釈明によって,上記点が明確となるものでないことは明らかである。 それに続く,「例えば、ベクトルプロセッサにおける演算ユニットの数量が10000個であるとすると、各段の交換ユニットの数量は5000個であり、交換ユニットに交換されたデータがベクトルプロセッサにより処理されることを確保することができます。」と述べられている部分も,単に,「各段の交換ユニットの数量が前記ベクトルプロセッサにおける演算ユニット数の半分である」ことを,具体的な数字に置き換えて説明するに過ぎないのであって,当該釈明によっても上記点が明確となるものでないことは明らかである。 さらに,明細書の発明の詳細な説明には,上記段落38乃至39以外に,上記点を説明する記載が無いことも明らかである。 したがって,上記不明確な点を含む請求項6に係る発明は尚依然として不明確であり,また明細書の発明の詳細な説明の記載は,当業者が請求項6に係る発明を容易に実施できる程度の記載でないことも明らかである。 第5.むすび したがって,本願は,特許法第36条6項2号及び4項1号に規定する要件を満たしていない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-11-21 |
結審通知日 | 2017-11-24 |
審決日 | 2017-12-05 |
出願番号 | 特願2014-549307(P2014-549307) |
審決分類 |
P
1
8・
536-
WZ
(G06F)
P 1 8・ 537- WZ (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 幸雄 |
特許庁審判長 |
石井 茂和 |
特許庁審判官 |
山崎 慎一 須田 勝巳 |
発明の名称 | FFT/DFTの逆順ソーティングシステム、方法およびその演算システム |
代理人 | 永井 浩之 |
代理人 | 関根 毅 |
代理人 | 吉元 弘 |
代理人 | 佐藤 泰和 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 朝倉 悟 |