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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A62B |
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管理番号 | 1339825 |
審判番号 | 不服2017-12807 |
総通号数 | 222 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-08-30 |
確定日 | 2018-05-22 |
事件の表示 | 特願2014-525008号「空気洗浄装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年2月14日国際公開、WO2013/022509、平成26年8月28日国内公表、特表2014-521474号、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2012年(平成24年)5月18日(パリ優先権による優先権主張外国庁受理 2011年8月9日 米国、2011年11月14日 米国)を国際出願日とする特願2014-525008号であり、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。 平成28年4月21日:拒絶理由通知 平成28年7月15日:意見書・手続補正書 平成28年8月30日:拒絶理由通知 平成28年12月1日:意見書・手続補正書 平成29年4月27日:拒絶査定(発送日:平成29年5月2日) 平成29年8月30日:審判請求書・手続補正書 第2 原査定の概要 原査定(平成29年4月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1ないし11に係る発明は、以下の引用例1及び引用例2,3にみられるような周知技術(「物理的に結合して一体化させる接続ソケット」)に基いて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用例一覧> 1.特開平3-224576号公報 2.特表2009-504277号公報 3.特開2006-218228号公報 第3 本願発明 本願の請求項1ないし9に係る発明は、平成29年8月30日の手続補正により補正された特許請求の範囲からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定された以下のとおりのものである(以下、「本願発明1」ないし「本願発明9」という。)。 「【請求項1】 電池パックと、 実質的にバフェッティングのない気流を供給する空気圧縮モジュールと、 少なくとも一つのフィルターモジュールと、 をそれぞれ独立した物理的モジュールとして含み、前記物理的モジュールが互いに同じ大きさおよび形状を有する、 一連の物理的モジュールと、 前記一連の物理的モジュールの各物理的モジュールに設けられ、前記一連の物理的モジュールを互いに直列に接続させると共に物理的かつ電気的に結合して一体化させる接続ソケットと、 鼻マスクと、 を有する空気洗浄装置であって、 前記空気洗浄装置を使用者に固定するための装着具を有し 各物理的モジュールに設けられた前記接続ソケットは互いに共通した設計を有し、 前記電池パックが前記接続ソケットを介して電気エネルギーを前記空気圧縮モジュールに流通させ、 前記空気圧縮モジュールが前記接続ソケットを介して圧縮空気を前記フィルターモジュールに流通させるように構成され、 前記鼻マスクは、前記フィルターモジュールに接続され前記圧縮空気を使用者の鼻腔へ導くように構成されている、携帯用空気洗浄装置。」 本願の特許請求の範囲における請求項2ないし9は、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく直接又は間接的に引用して記載されたものであるから、本願発明2ないし9は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。 第4 引用例 1 引用例1(特開平3-224576号公報) 原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された引用例1には、「ヘルメット」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は理解の一助のために当審が付与した。以下同様。) (1)引用例1の記載事項 1a)「操縦者Pが装着したマスクMには呼吸用気体供給用の蛇管8の一端が接続されており、他端にはコネクタユニット9が連結されている。コネクタユニット9は、操縦者Pが航空機に搭乗した際には、機内に設置された酸素ボンベ等の機内用呼吸用気体供給源(図示せず)と着脱自在に連結されるように構成されており、操縦者Pが汚染された飛行場等の環境下で行動する際には、気体浄化器10に着脱自在に連結されるように構成されている。また、前記気体浄化器10は呼吸用気体供給源11と着脱自在に連結されるように構成されている。」(公報第2ページ右下欄第12行ないし第3ページ左上欄第6行) 1b)「操縦者Pが飛行場等の汚染環境下で行動する場合、操縦者Pは前記連結部4に蛇管5を連結し、前記コネクタユニット9を前記気体浄化器10に連結する。そして、操縦者Pは、前記気体浄化加圧器7を肩に掛け、前記気体浄化器10およびこれに連結された呼吸用気体供給源11を手で持って行動する。・・(中略)・・また、操縦者Pは前記呼吸用気体供給源11から供給される呼吸用気体を、気体浄化器10、コネクタユニット9、蛇管8およびマスクMを介して呼吸する。」(公報第3ページ左上欄第16行ないし右上欄第14行) 1c)上記1a)及び1b)の記載及び第2図の図示内容から、呼吸用気体供給源11と気体浄化器10とは、着脱自在に連結されるものであって、それぞれ独立した装置であることが分かる。 1d)上記1a)及び1b)の記載から、呼吸用気体供給源11、気体浄化器10及びマスクMは、飛行場等の汚染環境下で使用するためのものであって、「気体浄化のための装置」であるといえる。 1e)上記1b)「操縦者Pは、前記気体浄化加圧器7を肩に掛け、前記気体浄化器10およびこれに連結された呼吸用気体供給源11を手で持って行動する。」の記載から、気体浄化のための装置は可搬のものであることが分かる。 (2)引用発明 上記(1)及び第2図からみて、引用例1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「呼吸用気体供給源11と、気体浄化器10とをそれぞれ独立した装置として含み、 気体浄化器10は呼吸用気体供給源11と着脱自在に連結されるように構成されており、 マスクMを有する気体浄化のための装置であって、 呼吸用気体供給源11が呼吸用気体を気体浄化器10に導くように構成され、 マスクMは、気体浄化器10に接続され、呼吸用気体を操縦者Pに導くように構成されている可搬の気体浄化のための装置。」 2 引用例2(特表2009-504277号公報) 原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された引用例2には、「CPAPデバイスのための加湿器および/または流れ発生器」に関して、図面(特に、図23ないし図27を参照。)とともに次の事項が記載されている。 (1)引用例2の記載事項 2a)「【請求項1】 熱伝導性ベースプレートを含んだ加湿器槽と、操作可能位置において該加湿器槽を支持するための揺動ユニットとを具備したCPAPデバイスにおいて、 前記揺動ユニットは、使用時に前記加湿器槽の熱伝導性ベースプレートと熱的に接続されたヒータープレートを含み、 前記揺動ユニットは、該揺動ユニット内に前記加湿器槽を保持するための保持機構をさらに含み、 該保持機構は、前記熱伝導性ベースプレートを前記ヒータープレートに強制的に係合させる構造とされていることを特徴とするCPAPデバイス。」 2b)「【0046】 4.6 フロントガードと圧縮パッドとを備えた揺動ユニット 図23?27は本発明の別の実施形態による揺動ユニット540を示した図である。この実施形態において、フロントガード544と少なくとも2つの圧力パッド546とを含んでいる。図示された実施形態において、圧力パッド546は揺動ユニット540のそれぞれの側部に配置されている。ばねはそれぞれの圧力パッド546に取り付けられている。ばねは揺動ユニット540の底部に向かう下向きの方向において、個々の圧縮パッド546に力をかけるように構成されている。フロントガード544はばねを含み、そのばねはフロントガード544に上向に力をかけて揺動ユニット540へのアクセスに対して防御しており、組みつけられたときに加湿器槽50が落下するのを防止している。加湿器槽50を揺動ユニット540に組み付けるために、フロントガード544は下方に押され、そこで加湿器槽50が揺動ユニット540に接近することが可能となる(図24参照)。加湿器槽50の底端部は、それによってそれぞれの圧縮パッド546の下に挿入され、そこでばねの付勢力に対して圧縮パッド546を上方に湾曲させる。このことは加湿器槽50が揺動ユニット540内にスライドすることを可能にしている(図25?27参照)。一旦加湿器槽50が揺動ユニット540内に配置されると、圧縮パッド546は力をかけて、ヒータープレート542に対して加湿器槽50のベースを保持する。この実施形態において、フロントガード544の動作は圧縮パッド546の動きと統合されている。好適には、圧縮パッド546は滑らかな材料で形成されており、揺動ユニット540に挿入されたときに、加湿器槽50に対して底摩擦であるのがよい。図26および27は、揺動ユニット540内に配置された加湿器槽50と、図5?7に示されたコネクタ60と係合された加湿器槽50の流入うるち54とを示した図である。」 (2)引2技術 上記(1)及び図23ないし図27からみて、引用例2には以下の技術(以下、「引2技術」という。)が記載されている。 「CPAPデバイスの揺動ユニット540に対して加湿器槽50をスライドにより配置して保持する技術。」 3 引用例3(特開2006-218228号公報) 原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された引用例3には、「バッテリユニット、そのバッテリユニットを有するバッテリ装置、医療機器および内視鏡」に関して、図面(特に、図1及び図2を参照。)とともに次の事項が記載されている。 (1)引用例3の記載事項 3a)「【0019】 (実施の形態1) 図1は、本発明にかかるバッテリ装置を用いる携帯型内視鏡装置の構成の一例を示す斜視図である。図において、内視鏡装置1は、液体の漏れや透過を防ぐ水密構造の内視鏡2と、この内視鏡2に着脱自在に装着されて電気的に接続されるバッテリ装置3とで構成されている。また、この内視鏡2には、バッテリ装置3の代わりに、図示しないライトガイドケーブルを着脱自在に装着させることも可能である。 【0020】 この内視鏡2は、一端に設けられた接眼部21と、この接眼部21が取り付けられる取り付け側に設けられた操作部22と、この操作部22の他端に設けられ、被検体内に挿入される細長の円筒形状の挿入部23とを有する。この取り付け側の操作部22の側面には、ライトガイド口金22aが突出して設けられており、バッテリ装置3の接続部31が着脱自在に接続される。また、この操作部22の側面には、異なる位置に、挿入部23先端の湾曲動作の操作を行うための湾曲操作レバー22bと、吸引操作を行うための吸引ボタン22cとがそれぞれ突設されている。この吸引ボタン22cの側面には、内視鏡2内に設けられた吸引チャンネル(図示せず)に連通する吸引口金22dが突出しており、たとえばこの吸引口金22dにチューブを取り付け、このチューブを介して所定の吸引装置に接続させ、上述した吸引ボタン22cを適宜操作することで、挿入部23、吸引チャンネルおよび吸引口金22dを介して体腔内の液体などの吸引排出を行うことができる。 【0021】 また、この操作部22には、内視鏡2を保持して固定するために、医者などが把持する把持部22eが設けられている。この操作部22において、挿入部23が取り付けられる取り付け側には、鉗子を挿入するための鉗子挿入口22fが突設されており、この鉗子挿入口22fは、通常鉗子栓22gで閉塞されている。また、鉗子挿入口22fの対向側には、たとえば通気口金22hが設けられ、この通気口金22hから内視鏡2内部に空気を送入することによって、内視鏡2の水漏れ検査を行うことが可能となる。 【0022】 被検体内に挿入される挿入部23は、先端に設けられた硬質の先端部23aと、操作部22の操作によって湾曲動作を行う湾曲部23bと、柔軟性を有する可撓管23cとを備え、これらの部位は一列に連なるように構成されている。 【0023】 挿入部23内には、バッテリ装置3から出射された照明光を導くためのライトガイドファイバ(図示せず)が内装されている。このライトガイドファイバの一端は、操作部22内部で屈曲され、ライトガイド口金22a内に固定されている。また、このライトガイドファイバの他端は、挿入部23の先端に設けられた照明窓23dに固定されている。したがって、内視鏡装置1は、バッテリ装置3から出射された照明光を、ライトガイド口金22aからライトガイドファイバを通って、照明窓23dから外部に照射でき、これにより挿入された被検体の体腔内を照明することが可能となる。また、ライトガイド口金22aの外周面には、接続用の雄ネジ部22iが設けられている。」 3b)「【0024】 図2は、図1に示した操作部22とバッテリ装置3の接続部31の外観を説明するための図である。図1、図2において、バッテリ装置3の接続部31は、外周面に設けられた接続環31aを有し、接続環31aは、内周面に形成されている雌ネジ部31bと、雌ネジ部31bの外周面を被覆するネジカバー31cとを備えている。この接続環31aは、円筒形状の接続口金31dの外周面を囲繞するように設けられ、かつ接続口金31dの長手方向の移動が一定の範囲で移動可能なように規制された状態で、この接続口金31dに取り付けられている。そして、この雌ネジ部31bが、ライトガイド口金22aの外周面に設けられた雄ネジ部22iと螺合するように構成されている。 【0025】 また、接続口金31dの外周面には、水密リング31eが周設されており、接続部31をライトガイド口金22aに接続させる時に、この水密リング31eがライトガイド口金22aの接続筒22jの内周面に密着している。すなわち、このバッテリ装置3の接続環31aを所定方向に回転させ、ライトガイド口金22aの雄ネジ部22iと接続環31aの雌ネジ部を螺合させることで、内視鏡2のライトガイド口金22aに接続環31aが螺合固定され、かつ接続筒22jと接続口金31dが水密リング31eによって密着されて、内視鏡2とバッテリ装置3が一体に組み合わされることとなる。この構成により、この連結部での水密が確保される。」 (2)引3技術 上記(1)並びに図1及び図2からみて、引用例3には以下の技術(以下、「引3技術」という。)が記載されている。 「バッテリ装置3の接続環31aを所定方向に回転させて、内視鏡2のライトガイド22aの雄ネジ部22iとバッテリ装置3の接続環31aの雌ネジ部とを螺合させることにより、内視鏡2とバッテリ装置3とを一体に組み合わせる技術。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について 本願発明1と引用発明とを対比する。 引用発明における「呼吸用気体供給源11」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明1における「実質的にバフェッティングのない気流を供給する空気圧縮モジュール」あるいは「空気圧縮モジュール」に相当し、以下同様に、「気体浄化器10」は「少なくとも一つのフィルターモジュール」あるいは「フィルターモジュール」に、「それぞれ独立した装置」は「それぞれ独立した物理的モジュール」に、「気体浄化のための装置」は「空気洗浄装置」に、「呼吸用気体」は「圧縮空気」に、「操縦者P」は「使用者」に、「導く」は「流通させる」に、「可搬の気体浄化のための装置」は「携帯用空気洗浄装置」に、それぞれ相当する。 そして、引用発明における「気体浄化器10は呼吸用気体供給源11と着脱自在に連結されるように構成され」たものは本願発明1における「一連の物理的モジュールと、前記一連の物理的モジュールの各物理的モジュールに設けられ、前記一連の物理的モジュールを互いに直列に接続させると共に物理的かつ電気的に結合して一体化させる接続ソケット」と、「一連の物理的モジュール」という限りにおいて一致し、 引用発明における「マスクM」は本願発明1における「鼻マスク」と、「マスク」という限りにおいて一致する。 したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「実質的にバフェッティングのない気流を供給する空気圧縮モジュールと、 少なくとも一つのフィルターモジュールと、 をそれぞれ独立した物理的モジュールとして含む、 一連の物理的モジュールと、 マスクとを有する空気洗浄装置であって、 前記空気圧縮モジュールが圧縮空気を前記フィルターモジュールに流通させるように構成され、 前記マスクは、前記フィルターモジュールに接続され前記圧縮空気を使用者に導くように構成されている、携帯用空気洗浄装置。」 [相違点1] 本願発明1においては、空気洗浄装置が、独立した物理的モジュールとして「電池パック」を含むものであり、「前記物理的モジュールが互いに同じ大きさおよび形状を有する」のに対して、引用発明においては、気体浄化のための装置が独立した装置として電池パックを含むか不明であり、装置が互いに同じ大きさおよび形状を有するか不明な点。 [相違点2] 本願発明1においては、「一連の物理的モジュールと、前記一連の物理的モジュールの各物理的モジュールに設けられ、前記一連の物理的モジュールを互いに直列に接続させると共に物理的かつ電気的に結合して一体化させる接続ソケット」を有し、「各物理的モジュールに設けられた前記接続ソケットは互いに共通した設計を有し、前記電池パックが前記接続ソケットを介して電気エネルギーを前記空気圧縮モジュールに流通させ、」前記空気圧縮モジュールが「前記接続ソケットを介して」圧縮空気を前記フィルターモジュールに流通させるように構成されるのに対して、引用発明においては、気体浄化器10は呼吸用気体供給源11と着脱自在に連結されるように構成されているものの、気体浄化器10および呼吸用気体供給源11が、そのような「接続ソケット」によって着脱自在に連結されたものか不明な点。 [相違点3] 本願発明1においては、「前記空気洗浄装置を使用者に固定するための装着具を有」するのに対して、引用発明においては、気体浄化のための装置を操縦者Pに固定するための装着具を有するか不明な点。 [相違点4] 「マスク」に関して、本願発明1においては、「鼻マスク」であり、圧縮空気を使用者の「鼻腔」へ導くのに対して、引用発明においては、マスクMが「鼻マスク」ではない点。 事案に鑑み、先ず相違点2について検討する。 [相違点2について] 原査定において、「物理的に結合して一体化させる接続ソケット」の周知例として引用された引2技術及び引3技術について、引2技術は「CPAPデバイスの揺動ユニット540に対して加湿器槽50をスライドにより配置して保持する技術」であり、 引3技術は「バッテリ装置3の接続環31aを所定方向に回転させて、内視鏡2のライトガイド22aの雄ネジ部22iとバッテリ装置3の接続環31aの雌ネジ部とを螺合させることにより、内視鏡2とバッテリ装置3とを一体に組み合わせる技術」である。 そうすると、引2技術及び引3技術は、「揺動ユニット540」と「加湿器槽50」(引2技術)、「バッテリ装置3」と「内視鏡2」(引3技術)という2つの装置を互いに接続して一体化する構造に関するものであるが、上記相違点2に係る本願発明1のうち、「各物理的モジュールに設けられた前記接続ソケットは互いに共通した設計を有し、前記電池パックが前記接続ソケットを介して電気エネルギーを前記空気圧縮モジュールに流通させ、」前記空気圧縮モジュールが「前記接続ソケットを介して」圧縮空気を前記フィルターモジュールに流通させるように構成されることについて開示又は示唆をするものではない。 したがって、本願発明1は、上記相違点1、3及び4について検討するまでもなく、引用発明、引2技術及び引3技術に基いて当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 2 本願発明2ないし9について 本願の特許請求の範囲における請求項2ないし9は、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく直接又は間接的に引用して記載されたものであるから、本願発明2ないし9は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。 したがって、本願発明2ないし9は、本願発明1と同様の理由で、引用発明、引2技術及び引3技術に基いて当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 第6 原査定について 本願発明1ないし9は、「各物理的モジュールに設けられた前記接続ソケットは互いに共通した設計を有し、前記電池パックが前記接続ソケットを介して電気エネルギーを前記空気圧縮モジュールに流通させ、」前記空気圧縮モジュールが「前記接続ソケットを介して」圧縮空気を前記フィルターモジュールに流通させるように構成されるという発明特定事項を有するものであるから、上記「第5」で検討したとおり、当業者であっても拒絶査定で引用された引用発明、引2技術及び引3技術に基いて当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-05-08 |
出願番号 | 特願2014-525008(P2014-525008) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(A62B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 八木 誠、谷治 和文 |
特許庁審判長 |
冨岡 和人 |
特許庁審判官 |
粟倉 裕二 松下 聡 |
発明の名称 | 空気洗浄装置 |
代理人 | 牛木 護 |