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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C08F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08F
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C08F
審判 全部申し立て 特123条1項5号  C08F
管理番号 1340092
異議申立番号 異議2017-700659  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-27 
確定日 2018-03-26 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6053762号発明「吸水性ポリマー粒子の連続的な製造法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6053762号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし14〕について、訂正することを認める。 特許第6053762号の請求項1、2及び6ないし14に係る特許を維持する。 特許第6053762号の請求項3ないし5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。  
理由 第1 手続の経緯
特許第6053762号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし14に係る特許についての出願は、2012年5月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年6月3日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成28年12月9日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、平成29年6月27日付け(受理日:同年6月29日)で特許異議申立人 株式会社日本触媒(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審において同年10月11日付けで取消理由(以下、「取消理由」という。)が通知され、同年12月26日付け(受理日:同年12月27日)で特許権者 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア(以下、「特許権者」という。)から意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正の請求」という。)がされ、平成30年1月11日付けで訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)がされ、それに対し、特許異議申立人から何の応答もされなかったものである。

第2 訂正の適否について
1 訂正の内容
本件訂正の請求による訂正の内容は、次のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すものである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の
「a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意に、アクリル酸と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
e)任意に、1種以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を連続的に製造する方法において、アクリル酸を連続的に供給し、この連続的に供給されるアクリル酸が、少なくとも0.02質量%且つ最大1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有し、そしてアクリル酸二量体の前記含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保ち、且つ、ポリマー粒子を、最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供することを特徴とする方法。」を
「a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意に、アクリル酸と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
e)任意に、1種以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を連続的に製造する方法において、アクリル酸を連続的に供給し、この連続的に供給されるアクリル酸が、少なくとも0.05質量%且つ最大1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有し、そしてアクリル酸二量体の前記含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保ち、且つ、ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供し、少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸を用い、かつ、前記貯蔵タンクの一方に含まれる前記アクリル酸が、少なくとも0.1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有することを特徴とする方法。」
に訂正する。
併せて、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2及び6ないし14についても、同様の訂正をする。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6の
「前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ後湿潤化することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。」

「前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ後湿潤化することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。」
に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7の
「前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ少なくとも50℃の温度で後湿潤化することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。」

「前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ少なくとも50℃の温度で後湿潤化することを特徴とする、請求項1、2または6に記載の方法。」
に訂正する。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8の
「前記吸水性ポリマー粒子が、1?10質量%の含水量を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。」

「前記吸水性ポリマー粒子が、1?10質量%の含水量を有することを特徴とする、請求項1、2、6または7に記載の方法。」
に訂正する。

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項9の
「前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも15g/gの遠心分離保持容量を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。」

「前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも15g/gの遠心分離保持容量を有することを特徴とする、請求項1、2、6、7または8に記載の方法。」
に訂正する。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項10の
「アクリル酸用の少なくとも2つの並列な貯蔵タンク、少なくとも1つの重合反応器、少なくとも1つの空気循環式ベルト型乾燥機、少なくとも1つのロールミル及び少なくとも1つの回転式篩機を包含する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法により吸水性ポリマー粒子を連続的に製造するための装置。」

「アクリル酸用の少なくとも2つの並列な貯蔵タンク、少なくとも1つの重合反応器、少なくとも1つの空気循環式ベルト型乾燥機、少なくとも1つのロールミル及び少なくとも1つの回転式篩機を包含する、請求項1、2、6、7、8または9に記載の方法により吸水性ポリマー粒子を連続的に製造するための装置。」
に訂正する。

2 訂正の目的の適否、一群の請求項、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「少なくとも0.02質量%且つ最大1質量%」を「少なくとも0.05質量%且つ最大1質量%」に限定し、「少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸を用い、かつ、前記貯蔵タンクの一方に含まれる前記アクリル酸が、少なくとも0.1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有する」という限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項1は、「ポリマー粒子を、最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供する」を「ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供し、」として、「最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理」の内容を明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
さらに、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらにまた、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、上記訂正事項2ないし4に伴い、請求項間の引用関係を整理するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(6)訂正事項6について
訂正事項6は、上記訂正事項2ないし4に伴い、請求項間の引用関係を整理するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(7)訂正事項7について
訂正事項7は、上記訂正事項2ないし4に伴い、請求項間の引用関係を整理するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(8)訂正事項8について
訂正事項8は、上記訂正事項2ないし4に伴い、請求項間の引用関係を整理するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項8は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(9)訂正事項9について
訂正事項9は、上記訂正事項2ないし4に伴い、請求項間の引用関係を整理するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項9は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
さらに、訂正事項9は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(10)一群の請求項
本件訂正の請求は、特許請求の範囲の請求項1ないし14についての訂正である。
そして、訂正前の請求項1ないし14は、訂正前の請求項2ないし14が訂正前の請求項1を引用するものであるので、一群の請求項である。
したがって、本件訂正の請求は、一群の請求項ごとに対してされたものである。

3 むすび
以上のとおり、本件訂正の請求は、特許法第120条の5第2項ただし書第1及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合する。
また、特許異議の申立ては、訂正前の全ての請求項に対してされているので、訂正を認める要件として、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
したがって、本件訂正の請求は適法なものであるので、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし14〕について、訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件特許発明
上記第2 3のとおり、訂正後の請求項〔1ないし14〕について訂正することを認めるので、本件特許の請求項1ないし14に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいい、総称して「本件特許発明」という。)は、それぞれ、平成29年12月26日付け(受理日:同年12月27日)で提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「【請求項1】
a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意に、アクリル酸と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
e)任意に、1種以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を連続的に製造する方法において、アクリル酸を連続的に供給し、この連続的に供給されるアクリル酸が、少なくとも0.05質量%且つ最大1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有し、そしてアクリル酸二量体の前記含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保ち、且つ、ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供し、少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸を用い、かつ、前記貯蔵タンクの一方に含まれる前記アクリル酸が、少なくとも0.1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記後処理において、ポリマー粒子が、亜硫酸水素ナトリウム水溶液またはペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液と混合されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】(削除)
【請求項6】
前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ後湿潤化することを特徴とする、請求項1または2に項記載の方法。
【請求項7】
前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ少なくとも50℃の温度で後湿潤化することを特徴とする、請求項1、2または6に記載の方法。
【請求項8】
前記吸水性ポリマー粒子が、1?10質量%の含水量を有することを特徴とする、請求項1、2、6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも15g/gの遠心分離保持容量を有することを特徴とする、請求項1、2、6、7または8に記載の方法。
【請求項10】
アクリル酸用の少なくとも2つの並列な貯蔵タンク、少なくとも1つの重合反応器、少なくとも1つの空気循環式ベルト型乾燥機、少なくとも1つのロールミル及び少なくとも1つの回転式篩機を包含する、請求項1、2、6、7、8または9に記載の方法により吸水性ポリマー粒子を連続的に製造するための装置。
【請求項11】
アクリル酸用の前記貯蔵タンクを、15?25℃の温度に調温することができることを特徴とする、請求項10記載の装置。
【請求項12】
アクリル酸用の前記貯蔵タンクの少なくとも1つが、少なくとも100m^(3)の充填容積を有することを特徴とする、請求項10又は11記載の装置。
【請求項13】
アクリル酸用の前記貯蔵タンクの少なくとも1つが、アクリル酸を精製するための装置に通じる導出管を有することを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、吸水性ポリマー粒子を表面後架橋するための装置を付加的に包含することを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載の装置。」

2 取消理由の概要
取消理由の概要は次のとおりである。

「1.(新規性)本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないから、本件特許の請求項1に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
2.(進歩性)本件特許の請求項1ないし14に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許の請求項1ないし14に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
3.(明確性)本件特許の請求項1ないし14に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
4.(サポート要件)本件特許の請求項1ないし14に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

第1 手続の経緯
・・・(略)・・・
第2 本件特許発明
・・・(略)・・・
第3 理由1(新規性)及び理由2(進歩性)について
1 本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献等
甲第1号証:特表2006-509085号公報
甲第2号証:特開2006-219661号公報
甲第3号証:特開平1-126310号公報
甲第4号証:特表2010-535921号公報
甲第5号証:Modern Superabsorbent Polymer Technology(1998)(表紙、奥付、25?29ページ、64?65ページ、72?73ページ、76?91ページ、96?103ページ)
甲第6号証:特開昭64-62317号公報
甲第7号証:特開平1-103644号公報
甲第8号証:特開2011-511116号公報
甲第9号証:特表2010-521531号公報
甲第10号証:アクリル酸及びアクリル酸エステル類 取扱安全指針(第6版) 平成14年10月改訂:発行 アクリル酸エステル工業会
甲第11号証:アクリル酸とそのポリマー〔I〕 大森英三 著、昭和51年6月30日 2版発行、32?37ページ
甲第12号証:特開2001-200006号公報
甲第13号証:特開2001-220415号公報
甲第14号証:特開平6-56931号公報
甲第15号証:Swan-labelling of Sanitary products Version 5.0
甲第16号証:特開昭64-26604号公報
甲第17号証:特開2000-212215号公報
甲第18号証:特許第4318431号公報
甲第19号証:特開2006-297373号公報
甲第20号証の1:国際公開第2011/042468号公報
(甲第20号証の2:特表2013-507467号公報、甲第20号証の1の訳文として。)
甲第21号証:松村明編、大辞林 第二版 992ページ『最適化』の項(1995年、1999年新装第二版)
甲第22号証:特表2009-506151号公報
甲第23号証:特開2003-268011号公報
甲第24号証:Acrylic Acid/Acrylates 96/97-8 発行1997年11月、表紙、目次、1?108ページ
(甲第1ないし24号証は、平成29年6月27日付け(受理日:同年6月29日)で特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に添付されたものである。)
2 甲第1ないし24号証に記載された事項
・・・(略)・・・
3 甲第1号証を主引用文献とした場合
・・・(略)・・・
4 甲第2号証を主引用文献とした場合
・・・(略)・・・
5 むすび
以上のとおり、本件特許発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであり、又は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
また、本件特許発明2ないし14は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本件特許の請求項1ないし14に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
第4 理由3(明確性)について
請求項1の記載は以下の1ないし3の点で明確でなく、本件特許発明1及び請求項1を直接又は間接的に引用する本件特許発明2ないし14は明確でないから、本件特許の請求項1ないし14に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
1 請求項1に『吸収性ポリマーを連続的に製造する方法において』及び『アクリル酸を連続的に供給し』と記載されているが、その意味が明確でない。すなわち、発明の詳細な説明の段落【0085】ないし【0106】に記載された『例』は、バッチプロセスであり、連続プロセスではないが、このようなものも『連続的に製造する』及び『連続的に供給し』に含むのか否か明確でない。
2 請求項1に『24時間以内で10%未満変化するように保ち』と記載されているが、その意味が明確でない。すなわち、該記載が具体的にどのような方法、プロセスのことを意味しているのか明確でない。
3 請求項1に『最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供する』と記載されているが、『最適化された乾燥』に『供する』とは、具体的にどのような乾燥に供するのか、また、どのような乾燥を『最適化された乾燥』というのか明確でない。さらに、『乾燥』がどの段階で行われるものなのかも明確でない。
第5 理由4(サポート要件)について
請求項1の記載によると、本件特許発明1は、『表面後架橋』が行われない『ポリマー粒子』を『最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供する』ものを含むことになる。
他方、発明の詳細な説明の記載(特に【0011】、【0100】及び【0105】等を参照。)によると、本件特許発明(本件特許発明1を含む。)の課題は、残留モノマーの含有量は、低コストで、かつあまり煩雑な操作を必要とせずに、低い水準で一定に保つことができる吸収性ポリマー粒子の改善された連続的な製造法を提供することである。
そして、発明の詳細な説明(特に【0085】ないし【0106】等を参照。)には、『表面後架橋』が行われた『ポリマー粒子』を『最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供する』ものについて、具体的な実施例が記載され、残留モノマー含有量を低い水準にするという効果を奏することが記載され、『表面後架橋』が行われた『ポリマー粒子』を『最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供する』ものについては、本件特許発明の課題を解決できることを当業者は認識できる。
しかし、『表面後架橋』が行われない『ポリマー粒子』を『最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供する』ものについては、具体的な実施例は記載されておらず、効果も確認していないから、『表面後架橋』が行われない『ポリマー粒子』を『最適化された乾燥又は還元剤若しくは酸化剤の後処理に供する』ものについては、本件特許発明の課題を解決できることを当業者は認識できない。
したがって、本件特許発明1は、当業者が本件特許明細書において本件特許発明の課題が解決できることを認識できるように記載された範囲を超えるものである。
また、本件特許発明2ないし4も、本件特許発明1と同様である。
さらに、本件特許発明5ないし7は、『表面後架橋』が行われるものであるが、どの段階で行うのか特定されていないから、本件特許発明1と同様である。
さらにまた、本件特許発明8ないし14も、本件特許発明1と同様である。
以上のとおり、本件特許の請求項1ないし14に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。」

3 取消理由についての判断
(1)理由1(新規性)及び理由2(進歩性)について
ア 甲第1号証を主引用文献とした場合
(ア)甲第1号証に記載された発明
甲第1号証は、「臭いの少ないハイドロゲル形成ポリマーの製造方法」に関するものであって、甲第1号証の記載(特に【0080】ないし【0085】の実施例に関する記載を参照。)を整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲第1号証に記載された発明」という。)が記載されていると認める。

「純粋アクリル酸A1735g、50質量%水酸化ナトリウム水溶液1445gおよび水2760gから部分的に中和されたアクリル酸/アクリル酸ナトリウム溶液を製造し、一般的な方法で、ストリッピングカラム中で、向流の窒素で処理することにより酸素を分離し、実質的に酸素不含の溶液をWerner and Pfleiderer社 LUK8の、ジャケット加熱手段を有する混合機に移し、ポリエチレングリコールジアクリレート7.8gと完全に混合することにより混合し、全反応時間にわたり反応器を窒素で覆い、攪拌機の軸が作動している間に、ペルオキソ二硫酸ナトリウム33.12gを15質量%水溶液として添加し、引き続きアスコルビン酸20.79gを0.5質量%溶液として添加し、添加が終了した際に、混合機の内容物を74℃の加熱液体温度に加熱し、内容物が自発的に加熱を開始し、だんだんと粘着性になり、混合機内容物の最高温度を上回るとすぐに加熱を中断し、内容物を15分間追加重合させ、混合機の内容物を50?60℃に冷却し、薄い層の形で乾燥ふるいに排出し、160℃で90分間乾燥し、乾燥した付加ポリマーを引き続き粉砕および篩い分けにより最終粒度100?850μmに微粉砕し、こうして製造した粉末1.8kgを5lの容量のLoedigeすき刃ミキサーに導入し、水59gおよび1,2-プロパンジオール29g中のエチレングリコールジグリシジルエーテル1.4gの溶液を5分から10分経過して粉末に噴霧し、生成物を120℃に加熱し、溶剤を蒸留分離するために、この温度で60分間維持し、これに続いて冷却し、100?850μmの粒度部分にふるい分けする、ハイドロゲル形成ポリマー粒子の製造方法。」

(イ)本件特許発明1について
a 対比
本件特許発明1と甲第1号証に記載された発明を対比する。
甲第1号証に記載された発明における「純粋アクリル酸A1735g、50質量%水酸化ナトリウム水溶液1445gおよび水2760gから部分的に中和されたアクリル酸/アクリル酸ナトリウム溶液」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件特許発明1における「a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸」に相当し、以下、同様に、「ポリエチレングリコールジアクリレート7.8g」は「b)少なくとも1種の架橋剤」に、「ペルオキソ二硫酸ナトリウム33.12g」及び「アスコルビン酸20.79g」は「c)少なくとも1種の開始剤」に相当する。
また、甲第1号証に記載された発明における「添加が終了した際に、混合機の内容物を74℃の加熱液体温度に加熱し、内容物が自発的に加熱を開始し、だんだんと粘着性になり、混合機内容物の最高温度を上回るとすぐに加熱を中断し、内容物を15分間追加重合させ、混合機の内容物を50?60℃に冷却し、薄い層の形で乾燥ふるいに排出し、160℃で90分間乾燥し、乾燥した付加ポリマーを引き続き粉砕および篩い分けにより最終粒度100?850μmに微粉砕し、こうして製造」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件特許発明1における「モノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を連続的に製造する」と、「モノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を製造する」という限りにおいて、一致する。
さらに、甲第1号証の【0037】によると、貯蔵中のアクリル酸はオリゴマーを形成するので、低いオリゴマー含量のアクリル酸をハイドロゲル形成ポリマー粒子の製造直前の24時間以内に用意するものであるから、甲第1号証に記載された発明は、本件特許発明1における「アクリル酸二量体の前記含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保ち」という発明特定事項を有する。

したがって、両者は、次の点で一致する。
<一致点>
「a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意に、アクリル酸と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
e)任意に、1種以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を製造する方法において、アクリル酸を供給し、この供給されるアクリル酸が、アクリル酸二量体を有し、そしてアクリル酸二量体の含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保つ方法。」

そして、少なくとも次の点で相違する。
<相違点1>
本件特許発明1においては、「アクリル酸を連続的に供給し」ているのに対し、甲第1号証に記載された発明においては、そうでない(甲第1号証に記載された発明においては、アクリル酸を供給するものの、連続的に供給するものではない)点。

<相違点2>
本件特許発明1においては、「この連続的に供給されるアクリル酸が、少なくとも0.05質量%且つ最大1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有し」ているのに対し、甲第1号証に記載された発明においては、そうでない(甲第1号証に記載された発明においては、アクリル酸を供給するものの、連続的に供給するものではなく、甲第1号証の実施例においては、アクリル酸二量体の含有量は150ppm、300ppm及び320ppmである)点。

<相違点3>
本件特許発明1においては、「ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供」するのに対し、甲第1号証に記載された発明においては、「160℃で90分間乾燥し、乾燥した付加ポリマーを引き続き粉砕および篩い分けにより最終粒度100?850μmに微粉砕し、こうして製造した粉末1.8kgを5lの容量のLoedigeすき刃ミキサーに導入し、水59gおよび1,2-プロパンジオール29g中のエチレングリコールジグリシジルエーテル1.4gの溶液を5分から10分経過して粉末に噴霧し、生成物を120℃に加熱し、溶剤を蒸留分離するために、この温度で60分間維持し、これに続いて冷却し、100?850μmの粒度部分にふるい分けする」点。

<相違点4>
本件特許発明1においては、「少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸を用い、かつ、前記貯蔵タンクの一方に含まれる前記アクリル酸が、少なくとも0.1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有する」のに対し、甲第1号証に記載された発明においては、そうでない点。

b 判断
事案に鑑み、相違点2ないし4について、まず検討する。
(a)相違点2について
甲第1号証の【請求項1】の「工程a)に使用されるアクリル酸がアクリル酸のオリゴマー500ppm未満(アクリル酸に対する質量割合)を有することを特徴とする臭いの少ないハイドロゲルを形成するアクリル酸をベースとするポリマーの製造方法。」という記載からみて、甲第1号証に記載された発明において、アクリル酸二量体の含有量を「少なくとも0.05質量%」とすることには、阻害要因があるので、甲第1号証に記載された発明において、相違点2に係る本件特許発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。

(b)相違点3について
相違点3に係る本件特許発明1の発明特定事項については、甲第1号証には記載も示唆もなく、甲第2ないし24号証にも記載も示唆もない。
したがって、甲第1号証に記載された発明において、相違点3に係る本件特許発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。

(c)相違点4について
相違点4に係る本件特許発明1の発明特定事項については、甲第1号証には記載も示唆もなく、甲第2ないし24号証にも記載も示唆もない(なお、甲第3号証に記載された「タンク12、14、16及び18」は、アクリル酸とそれ以外の成分(第二モノマー、水酸化カリウム等)を混合するための混合容器であり、甲第3号証には、「少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸」を用いてアクリル酸の品質をコントロールしようとする思想は記載も示唆もされていない。)。
したがって、甲第1号証に記載された発明において、相違点4に係る本件特許発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。

(d)まとめ
したがって、相違点1について判断するまでもなく、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明ではないし、甲第1号証に記載された発明及び甲第2ないし24号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

(ウ)本件特許発明2及び6ないし14について
本件特許発明2及び6ないし14は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有しているものであるから、本件特許発明1と同様に、甲第1号証に記載された発明及び甲第2ないし24号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

イ 甲第2号証を主引用文献とした場合
(ア)甲第2号証に記載された発明
甲第2号証は、「吸水性樹脂の製造方法」に関するものであって、甲第2号証の記載(特に【0043】の実施例3に関する記載を参照。)を整理すると、甲第2号証には、次の発明(以下、「甲第2号証に記載された発明」という。)が記載されていると認める。

「アクリル酸145.4部を9.4部の水で希釈し、30?20℃に冷却しつつ25%の水酸化ナトリウム水溶液242.3部を加えて中和した溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業社製、デナコールEX-810)を0.09部、次亜リン酸ソーダ1水和物を0.0146部、過硫酸カリウムを0.0727部溶解させ、重合液(モノマー水溶液)とし、次いで、撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、シクロヘキサン624部を入れ、これにポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬社、商品名:ブライサーフA210G)1.56部を添加して溶解させた後、撹拌しつつ窒素置換した後、70℃まで昇温し、そして、70℃に保ったまま、調整した重合液(モノマー水溶液)を6.6部/分で6分間滴下して75℃で15分間保持した後、残りの重合液(モノマー水溶液)を6.6部/分で54分間に亘って滴下し、その後、75℃で30分熟成し、この後、水をシクロヘキサンとの共沸によって樹脂の含水率が約20%(赤外水分計(FD-100型、Kett社製、180℃、20分で測定)となるまで除去し、30℃に冷却し撹拌を停止すると、樹脂粒子が沈降したので、デカンテーションにより、樹脂粒子とシクロヘキサンとを分離し、この樹脂粒子80部とシクロヘキサン140部とを反応容器に入れ、これにグリセリンポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業社、商品名:デナコールEX-314)0.25%を含むシクロヘキサン溶液3.4部を添加した後、60℃で加熱して30分間保持した後、さらに加熱してシクロヘキサンの還流下に30分間保持し、次いで濾過して樹脂粒子を取得し80℃で減圧乾燥することにより、吸水性樹脂粒子を得る方法。」

(イ)本件特許発明1について
a 対比
本件特許発明1と甲第2号証に記載された発明を対比する。
甲第2号証に記載された発明における「アクリル酸145.4部を9.4部の水で希釈し、30?20℃に冷却しつつ25%の水酸化ナトリウム水溶液242.3部を加えて中和した溶液」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件特許発明1における「a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸」に相当し、以下、同様に、「エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業社製、デナコールEX-810)を0.09部」は「b)少なくとも1種の架橋剤」に、「過硫酸カリウムを0.0727部」は「c)少なくとも1種の開始剤」に、それぞれ相当する。
また、甲第2に記載された発明における「重合液(モノマー水溶液)とし、次いで、撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、シクロヘキサン624部を入れ、これにポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬社、商品名:ブライサーフA210G)1.56部を添加して溶解させた後、撹拌しつつ窒素置換した後、70℃まで昇温し、そして、70℃に保ったまま、調整した重合液(モノマー水溶液)を6.6部/分で6分間滴下して75℃で15分間保持した後、残りの重合液(モノマー水溶液)を6.6部/分で54分間に亘って滴下し、その後、75℃で30分熟成し、この後、水をシクロヘキサンとの共沸によって樹脂の含水率が約20%(赤外水分計(FD-100型、Kett社製、180℃、20分で測定)となるまで除去し、30℃に冷却し撹拌を停止すると、樹脂粒子が沈降したので、デカンテーションにより、樹脂粒子とシクロヘキサンとを分離し、この樹脂粒子80部とシクロヘキサン140部とを反応容器に入れ、これにグリセリンポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業社、商品名:デナコールEX-314)0.25%を含むシクロヘキサン溶液3.4部を添加した後、60℃で加熱して30分間保持した後、さらに加熱してシクロヘキサンの還流下に30分間保持し、次いで濾過して樹脂粒子を取得し80℃で減圧乾燥する」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件特許発明1における「モノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を連続的に製造する」と、「モノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を製造する」という限りにおいて、一致する。
さらに、甲第2号証に記載された実施例3のダイマ-酸の含量は0.47%であるから、甲第2号証に記載された発明は、本件特許発明1における「この連続的に供給されるアクリル酸が、少なくとも0.05質量%且つ最大1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有し」という発明特定事項を有する。
さらにまた、甲第2号証の【0013】によると、甲第2号証に記載された発明は、本件特許発明1における「アクリル酸二量体の前記含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保ち」という発明特定事項を有する。

したがって、両者は、次の点で一致する。
<一致点>
「a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意に、アクリル酸と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
e)任意に、1種以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を製造する方法において、アクリル酸を供給し、この供給されるアクリル酸が、少なくとも0.05質量%且つ最大1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有し、そしてアクリル酸二量体の前記含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保つ方法。」

そして、少なくとも次の点で相違する。
<相違点5>
本件特許発明1においては、「アクリル酸を連続的に供給し」ているのに対し、甲第2号証に記載された発明においては、そうでない(甲第2号証に記載された発明においては、アクリル酸を供給するものの、連続的に供給するものではない)点。

<相違点6>
本件特許発明1においては、「ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供」するのに対し、甲第2号証に記載された発明においては、そうでない点。

<相違点7>
本件特許発明1においては、「少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸を用い、かつ、前記貯蔵タンクの一方に含まれる前記アクリル酸が、少なくとも0.1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有する」のに対し、甲第2号証に記載された発明においては、そうでない点。

b 判断
事案に鑑み、相違点6及び7について、まず検討する。
(a)相違点6について
相違点6に係る本件特許発明1の発明特定事項については、甲第2号証には記載も示唆もなく、甲第1及び3ないし24号証にも記載も示唆もない。
したがって、甲第2号証に記載された発明において、相違点6に係る本件特許発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。

(b)相違点7について
相違点7に係る本件特許発明1の発明特定事項については、甲第2号証には記載も示唆もなく、甲第1及び3ないし24号証にも記載も示唆もない(特に、甲第3号証に記載された「タンク12、14、16及び18」は、アクリル酸とそれ以外の成分(第二モノマー、水酸化カリウム等)を混合するための混合容器であり、甲第3号証には、「少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸」を用いてアクリル酸の品質をコントロールしようとする思想は記載も示唆もされていない。)。
したがって、甲第2号証に記載された発明において、相違点7に係る本件特許発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。

(c)まとめ
したがって、相違点5について判断するまでもなく、本件特許発明1は甲第2号証に記載された発明ではないし、甲第2号証に記載された発明並びに甲第1及び3ないし24号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

(ウ)本件特許発明2及び6ないし14について
本件特許発明2及び6ないし14は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有しているものであるから、本件特許発明1と同様に、甲第2号証に記載された発明並びに甲第1及び3ないし24号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

ウ 理由1及び理由2についてのむすび
以上のとおり、本件特許発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものではないし、本件特許発明1、2及び6ないし14は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。

(2)理由3(明確性)について
ア 理由3の1の点について
平成29年12月26日付け(受理日:同年12月27日)で特許権者から提出された意見書によると、発明の詳細な説明の段落【0085】ないし【0106】に記載されたバッチプロセスである「例」は参考例であるので、「吸収性ポリマーを連続的に製造する方法」に関するものである本件特許発明1には含まれないことは明らかである。
したがって、理由3の1の点の記載不備は解消した。

イ 理由3の2の点について
本件訂正の請求により、請求項1が訂正され、「少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸を用い、かつ、前記貯蔵タンクの一方に含まれる前記アクリル酸が、少なくとも0.1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有する」ことによって「24時間以内で10%未満変化するように保」たれることが明確になった。
したがって、理由3の2の点の記載不備は解消した。

ウ 理由3の3の点について
本件訂正の請求により、請求項1が訂正され、「ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供する」ことが明確になった。
したがって、理由3の3の点の記載不備は解消した。

エ 理由3についてのむすび
上記のとおり、理由3の1ないし3の点の記載不備は解消したことから、請求項1の記載は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえない。
また、請求項2、6ないし14の記載も同様である。
よって、本件特許発明1、2及び6ないし14は明確であり、本件特許の請求項1、2及び6ないし14に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえない。

(3)理由4(サポート要件)について
発明の詳細な説明の記載(特に【0011】、【0100】及び【0105】等を参照。)によると、本件特許発明の課題(以下、「発明の課題」という。)は、残留モノマーの含有量を、低コストで、かつあまり煩雑な操作を必要とせずに、低い水準で一定に保つことができる吸収性ポリマー粒子の改善された連続的な製造法を提供することである。
そして、発明の詳細な説明(特に【0085】ないし【0106】等を参照。)には、「ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供し」たものについて、具体的な実施例が記載され、残留モノマー含有量を低い水準にするという効果を奏することが記載されており、「ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供し」たものについては、発明の課題を解決できることを当業者は認識できる。
したがって、本件特許発明は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるから、本件特許発明に関して、特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合する。
よって、本件特許発明、すなわち本件特許発明1、2及び6ないし14は発明の詳細な説明に記載したものであり、本件特許の請求項1、2及び6ないし14に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえない。

4 取消理由で採用しなかった特許異議申立ての理由について
(1)取消理由で採用しなかった特許異議申立ての理由
取消理由で採用しなかった特許異議申立ての理由は、概ね次のとおりである。

ア 原文新規事項(特許法第113条第5項)
請求項2における「前記後処理において、ポリマー粒子が、亜硫酸水素ナトリウム水溶液またはペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液と混合されることを特徴とする」は外国語特許出願の出願当初明細書等に記載も示唆もされていない。

明確性要件違反(特許法第36条第6項第2号)
請求項10ないし14に係る装置の各構成要件同士の相互関係が不明である。

ウ サポート要件違反(特許法第36条第6項第1号)
(ア)請求項10ないし14に係る装置の各構成要件同士の相互関係が不明故、当該構成の規定のみでは、発明の課題の解決手段が反映されていない。

(イ)発明の詳細な説明には残留モノマーを低い水準で一体に保つための基準及び手段が記載されていない。

(ウ)「例」ですら、本件特許発明の実施例に該当しない。

実施可能要件違反(特許法第36条第4項第1号)
(ア)実施例は、「連続重合」である本件特許発明を実証しない。

(イ)請求項10ないし14に係る装置の各構成要件同士の相互関係が不明故、当該構成の規定のみでは、実施可能要件を満たさない。

(ウ)後処理が実施可能に記載されていない。

(エ)発明の詳細な説明には残留モノマーを低い水準で一体に保つための基準及び手段が記載されておらず、実施可能ではない。

(2)判断
以下、順に検討する。
ア 原文新規事項(特許法第113条第5項)について
請求項2における「前記後処理において、ポリマー粒子が、亜硫酸水素ナトリウム水溶液またはペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液と混合されることを特徴とする」は外国語特許出願の出願当初明細書の「Beispiel 3a」、「Beispiel 3b」、「Beispiel 4a」、「Beispiel 4b」及び「Tab.1」に関する記載に基づくものであるから、外国語特許出願の出願当初明細書等に記載されているといえ、原文新規事項に関する理由は理由がない。

明確性要件違反(特許法第36条第6項第2号)について
請求項10ないし14の記載は、装置の各構成要件同士の相互関係が特定されていないとしても、装置の各構成要件自体は明確であるし、それらが含まれていればいいことも明確であるから、請求項10ないし14の記載は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえない。
よって、明確性要件違反に関する理由は理由がない。

ウ サポート要件違反(特許法第36条第6項第1号)について
上記第3 3(3)のとおり、本件特許発明に関して、特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合するから、請求項10ないし14に係る装置の各構成要件同士の相互関係が特定されていないとしても、サポート要件違反に関する理由は理由がない。

実施可能要件違反(特許法第36条第4項第1号)について
発明の詳細な説明(特に【0085】ないし【0106】等を参照。)には、「ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供し」たものについて、具体的な実施例が記載され、残留モノマー含有量を低い水準にするという効果を奏することが記載されている。
したがって、発明の詳細な説明に、多少不十分な点があるとしても、本件特許発明1、2及び6ないし9について、当業者が過度の試行錯誤を要することなく、その方法を使用することができる程度の記載があるといえるし、本件特許発明10ないし14について、当業者が過度の試行錯誤を要することなく、その物を製造し、使用することができる程度の記載があるといえる。
よって、実施可能要件違反に関する理由は理由がない。

第4 結語
上記第3のとおりであるから、取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立ての理由によっては、請求項1、2及び6ないし14に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1、2及び6ないし14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項3ないし5に係る特許は、訂正により削除されたため、請求項3ないし5に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも部分的に中和されていてよいアクリル酸、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意に、アクリル酸と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
e)任意に、1種以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合してポリマーゲルを取得し、得られたポリマーゲルを乾燥し、乾燥されたポリマーゲルを細分化してポリマー粒子を取得し、かつ得られたポリマー粒子を分級することによって、吸水性ポリマー粒子を連続的に製造する方法において、アクリル酸を連続的に供給し、この連続的に供給されるアクリル酸が、少なくとも0.05質量%且つ最大1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有し、そしてアクリル酸二量体の前記含有量を、24時間以内で10%未満変化するように保ち、且つ、ポリマー粒子を、前記ポリマーゲルの乾燥の際、150?170℃で40?80分間で乾燥し、細分化、分級した後、表面後架橋に供するか、又は、ポリマー粒子を表面後架橋した後、還元剤若しくは酸化剤の後処理に供し、少なくとも2つの貯蔵タンクからのアクリル酸を用い、かつ、前記貯蔵タンクの一方に含まれる前記アクリル酸が、少なくとも0.1質量%の含有量のアクリル酸二量体を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記後処理において、ポリマー粒子が、亜硫酸水素ナトリウム水溶液またはペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液と混合されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】(削除)
【請求項6】
前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ後湿潤化することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記吸水性ポリマー粒子を表面後架橋し、かつ少なくとも50℃の温度で後湿潤化することを特徴とする、請求項1、2または6に記載の方法。
【請求項8】
前記吸水性ポリマー粒子が、1?10質量%の含水量を有することを特徴とする、請求項1、2、6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも15g/gの遠心分離保持容量を有することを特徴とする、請求項1、2、6、7または8に記載の方法。
【請求項10】
アクリル酸用の少なくとも2つの並列な貯蔵タンク、少なくとも1つの重合反応器、少なくとも1つの空気循環式ベルト型乾燥機、少なくとも1つのロールミル及び少なくとも1つの回転式篩機を包含する、請求項1、2、6、7、8または9に記載の方法により吸水性ポリマー粒子を連続的に製造するための装置。
【請求項11】
アクリル酸用の前記貯蔵タンクを、15?25℃の温度に調温することができることを特徴とする、請求項10記載の装置。
【請求項12】
アクリル酸用の前記貯蔵タンクの少なくとも1つが、少なくとも100m^(3)の充填容積を有することを特徴とする、請求項10又は11記載の装置。
【請求項13】
アクリル酸用の前記貯蔵タンクの少なくとも1つが、アクリル酸を精製するための装置に通じる導出管を有することを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、吸水性ポリマー粒子を表面後架橋するための装置を付加的に包含することを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載の装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-03-13 
出願番号 特願2014-513158(P2014-513158)
審決分類 P 1 651・ 54- YAA (C08F)
P 1 651・ 121- YAA (C08F)
P 1 651・ 536- YAA (C08F)
P 1 651・ 537- YAA (C08F)
P 1 651・ 113- YAA (C08F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山村 周平  
特許庁審判長 大島 祥吾
特許庁審判官 加藤 友也
上坊寺 宏枝
登録日 2016-12-09 
登録番号 特許第6053762号(P6053762)
権利者 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
発明の名称 吸水性ポリマー粒子の連続的な製造法  
代理人 篠 良一  
代理人 山本 健策  
代理人 森下 夏樹  
代理人 飯田 貴敏  
代理人 山本 秀策  
代理人 篠 良一  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 石川 大輔  
代理人 久野 琢也  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 ▲駒▼谷 剛志  
代理人 久野 琢也  
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