• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:なし  G06Q
管理番号 1340145
異議申立番号 異議2018-700089  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-02-01 
確定日 2018-04-24 
異議申立件数
事件の表示 特許第6174725号発明「肌状態測定分析情報管理システムおよび肌状態測定分析情報管理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6174725号の請求項1?14に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6174725号の請求項1?14に係る特許についての出願は、平成28年1月12日に特許出願され、平成29年7月14日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、平成30年2月1日に特許異議申立人相川和信により特許異議の申立てがされたものである。

2.本件発明
特許第6174725号の請求項1?14の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定されるとおりのものである。

3.申立理由の概要
特許異議申立人相川和信は、証拠として特開2009-153544号公報(以下「甲第1号証」という。)、特開2005-56165号公報(以下「甲第2号証」という。)、特開2006-202069号公報(以下「甲第3号証」という。)、特開2007-310652号公報(以下「甲第4号証」という。)、特開2009-112338号公報(以下「甲第5号証」という。)、特開2009-125365号公報(以下「甲第6号証」)を提出し、請求項1?2,4?5,7,8?9,11?12,14に係る特許は同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?2,4,7,8?9,11,14に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。
また、証拠として、甲第1号証?甲第6号証に加えて、特開2005-192944号公報(以下「甲第7号証」という。)を提出して請求項3,10に係る特許は同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項3,10に係る特許を取り消すべきものである旨主張し、証拠として、甲第1号証?甲第6号証に加えて、特開2003-91583号公報(以下「甲第8号証」という。)を提出して請求項5,6,12,13に係る特許は同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項5,6,12,13に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

4.甲号証の記載
(1)甲第1号証には、「肌状態検出装置A、肌状態改善部Bとをネットワークに接続してデータの送受信を行うネットアダプタと、
センターサーバは、肌状態検出装置Aによって測定された(肌の水分量)データを、ネットアダプタ、LAN、インターネットを介して受信し、上記受信した測定データに基づいて、水分補給制御信号を生成して、LAN、インターネットからネットアダプタを介して肌状態改善部Bへ送信し、
センターサーバにアクセスさせる操作を行うことで、測定データの履歴や、測定データと標準値とを比較するグラフ等の画像データがセンターサーバから送信され、画面上に表示される表示装置、
を有するシステム。」の発明が記載されている。
(2)甲第2号証には、「肌センサユニットを接続し、肌センサユニット(の肌センサ)が読み取った情報を接続部を介して受信し、格納部に格納し、上記肌データと会員IDを、業務委託先サーバにアクセスして送信するユーザ端末と、
会員IDを認証後、受診した肌データを肌履歴データベースに格納し、登録されたアドバイス内容と診断結果をユーザ端末に送信する業務委託先サーバと、
業務委託先サーバにアクセスし、肌履歴データベースを参照し、診断結果およびこれまでの診断履歴を踏まえて、日常生活で注意する点や、改善策,お薦め情報、参考情報等のアドバイスを肌履歴データベースに登録する、(サービス提供業者の)サービス提供業者端末と、
を備え、
ユーザ端末は、アドバイス内容と診断結果を業務委託先サーバから受信し、あるいは業務委託先サーバにアクセスし、肌履歴データベースに格納された自分の肌データ,診断結果,アドバイス内容等の履歴情報を閲覧することも可能である、
肌の診断システム。」の発明が記載されている。
(3)甲第3号証には、「ユーザの肌診の結果と化粧品の購入履歴とを収集するシステム」の発明が記載されている。
(4)甲第4号証には、「ネットワークを介して、肌状態の測定結果に基づいて、美顔器を遠隔制御するシステム」の発明が記載されている。
(5)甲第5号証には、「測定装置と健康増進機器とがネットワークを介して接続されたシステムにおいて、ユーザの身体情報に応じて健康増進機器を制御する」発明が記載されている。
(6)甲第6号証には、「ネットワークを介し、健康増進機器の利用状況に基づいて、センタサーバが健康増進機器を遠隔制御するシステム」の発明が記載されている。

5.判断
(1)請求項1,8に係る発明について
請求項1に係る発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、当該甲第1号証には、甲第1号証に記載された発明の「ネットワークに接続してデータの送受信を行うネットアダプタ」、「センターサーバ」が、それぞれ、請求項1に係る発明の「ユーザクライアント」、「データ管理サーバ」に一応対応しているが、甲第1号証に記載された発明のユーザクライアントに対応するネットワークアダプタには、「表示手段」を備えておらず、さらに、これらとは別に、「前記肌状態測定装置により測定された測定データを分析することにより得られる肌状態の分析結果データが入力され、当該分析結果データを前記ユーザークライアントで表示可能に出力する分析結果出力手段」に相当する構成がない。
甲第1号証に記載された発明で、センターサーバは、肌状態の測定データに応じたスキンケア装置の制御を行っているが、肌状態の分析結果によるスキンケア装置の制御は行っていない。
請求項1に係る発明と甲第2号証に記載された発明とを対比すると、甲第2号証に記載された発明の「ユーザ端末」、「業務委託先サーバ」、「サービス提供事業者端末」が、それぞれ、請求項1に係る発明の「ユーザクライアント」、「データ管理サーバ」、「分析結果出力手段」に一応対応しているが、「サービス提供事業者端末」には、業務委託先サーバからの「分析結果データ」に相当する「診断結果」が入力されるものの、当該「診断結果」ではなく、今回の診断結果およびこれまでの診断履歴を踏まえた、日常生活で注意する点や、改善策,お薦め情報、参考情報等を会員に助言する内容が「アドバイス内容」として出力されているから、「サービス提供事業者端末」は、「当該分析結果データを前記ユーザークライアントで表示可能に出力する」構成とはいえない。
仮に、甲第2号証の「アドバイス内容」に「診断結果」が含まれているとしても、「アドバイス内容」は、「サービス提供事業者端末」から「業務委託先サーバ」に入力されていて、「ユーザ端末」には、入力されていないから、甲第2号証には、請求項1に係る発明の「前記測定データに対する前記分析結果データが前記分析結果出力手段から入力された場合に前記分析結果データを表示する分析結果表示手段」に相当する構成がない。
してみると、甲第1号証、甲第2号証のいずれにも、「前記肌状態測定装置により測定された測定データを分析することにより得られる肌状態の分析結果データが入力され、当該分析結果データを前記ユーザークライアントで表示可能に出力する分析結果出力手段」、「前記測定データに対する前記分析結果データが前記分析結果出力手段から入力された場合に前記分析結果データを表示する分析結果表示手段」に相当する構成がない。
この点は、甲第3号証?甲第6号証にも記載されていない。
したがって、請求項1に係る発明は、上記甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第6号証に記載された技術的事項から当業者が容易になし得るものではない。
請求項8についても同様である。

(2)請求項2?7及び9?14に係る発明について
請求項2?7及び9?14に係る発明は、請求項1,8に係る発明を更に減縮したものであるから、上記請求項1,8に係る発明についての判断と同様の理由により、上記甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された技術的事項から当業者が容易になし得るものではない。

以上のとおり、請求項1?14に係る発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明及びに甲第3号証?甲第8号証に記載された技術的事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

6.むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?14に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2018-04-13 
出願番号 特願2016-3499(P2016-3499)
審決分類 P 1 651・ - Y (G06Q)
最終処分 維持  
前審関与審査官 阿部 潤  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 相崎 裕恒
石川 正二
登録日 2017-07-14 
登録番号 特許第6174725号(P6174725)
権利者 マクセルホールディングス株式会社
発明の名称 肌状態測定分析情報管理システムおよび肌状態測定分析情報管理方法  
代理人 栗林 三男  
代理人 新田 修博  
代理人 栗林 和輝  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ