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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A61K
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61K
管理番号 1340171
異議申立番号 異議2017-701118  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-29 
確定日 2018-05-09 
異議申立件数
事件の表示 特許第6134998号発明「目元用化粧料組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6134998号の請求項1?8に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6134998号(請求項の数は8、以下「本件特許」という。)に係る特許についての出願は、平成28年6月8日に特許出願され、平成29年5月12日にその特許権の設定登録がされ(特許掲載公報発行日は平成29年5月31日)、その後、その特許について、平成29年11月29日に特許異議申立人渡辺淳子(以下、単に「異議申立人」という。)により本件特許の請求項1?8に係る発明についての特許に対して特許異議の申立てがされ、当審において平成30年1月23日付けで取消理由を通知し、平成30年4月17日付けで意見書が提出されたものである。

第2 本件特許発明
本件特許の請求項1?8に係る発明(以下、「本件特許発明1」?「本件特許発明8」という。)は、本件特許に係る出願の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、本件特許発明1は、以下のとおりである。

<本件特許発明1>
「マスカラ専用、またはマスカラおよびアイライナー兼用である目元用化粧料組成物であって、該目元用化粧料組成物全量に対して、シリコーン系皮膜剤としてトリメチルシロキシケイ酸および/またはシリコーン化プルランを10.01?30質量%、および揮発性油分を25?70質量%含み、該揮発性油分全量に対して揮発性シリコーン系油分が25質量%以上であり、さらに固形油分を0.01?9質量%含み、下記で規定する硬度が30kg以上100kg以下である目元用化粧料組成物。
(硬度)
サン科学レオメータを用い、径が8mmφの針を、300mm/minの速度で、30℃の目元用化粧料組成物に10mm進入させたときの最大応力(最大検出応力2kg設定)として測定される数値である。」

第3 取消理由について
1.取消理由の概要
平成30年1月23日付けの取消理由の内容は、概略、以下のとおりである。(なお、以下、甲第1号証等を,甲1等と省略して表記する。)

理由1.本件特許の下記の請求項に係る発明は,本件特許の出願前に頒布された下記の刊行物に記載された発明であって,特許法29条1項3号に該当し特許を受けることができないから,その発明に係る特許は取り消すべきものである。

・請求項1、4?6/甲1
・請求項1、4、5、7/甲2
・請求項1、2、4?6/甲3

理由2.本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

・請求項1?4、7、8/甲1?3、甲5?8、10、15

<刊行物一覧>
甲1:特開2014-136681号公報
甲2:特開2012-197265号公報
甲3:特開2007-314655号公報
甲5:特開2013-79211号公報
甲6:特開2014-37397号公報
甲7:特開2012-34749号公報
甲8:特開2014-121号公報
甲10:国際公開第2004/087078号
甲15:特開2007-223961号公報

2.刊行物の記載事項
(1)甲1について
甲1の実施例9(段落【0026】の【表1】参照)には、「トリメチルシロキシケイ酸を15質量%(No.2の50%)、デカメチルシクロペンタシロキサンを30質量%(15質量%(No.2の50%)+15質量%(No.4))、その他の揮発性油分を8.92質量%(1.82質量%(No.1の65%)+7.1質量%(No.3))、及び固形油分を6.0質量%(2質量%(No.6)+2質量%(No.7)+2質量%(No.8))含有する、マスカラ」の発明が記載されている(以下、「甲1発明」という。)。

(2)甲2について
甲2の実施例9(段落【0036】参照)には、「トリメチルシロキシケイ酸を22質量%(成分(2)の50%)、デカメチルシクロペンタシロキサンを22質量%(成分(2)の50%)、その他の揮発性油分を17.3質量%(成分(7))、及び固形油分を5質量%(成分(4))含有する、油性睫用化粧料」の発明が記載されている(以下、「甲2発明」という。)。
なお、甲2発明における成分(2)は、「KF-7312J(信越化学工業社製)」であり、甲1発明におけるNo.2と同じものであるから、トリメチルシロキシケイ酸50%及びデカメチルシクロペンタシロキサン50%で構成されるものである(甲1の段落【0026】参照)。

(3)甲3について
甲3の試験例21(段落【0043】の【表5】参照)には、「トリメチルシロキシケイ酸を15質量%(成分(6))、3-[トリス(トリメチルシロキサン)シリル]プロピルカルバミド酸プルランを0.3質量%(成分(2)の30%)、デカメチルシクロペンタシロキサンを30.2質量%(0.7質量%(成分(2)の70%)+29.5質量%(成分(3)))、その他の揮発性油分を30質量%(成分(4))、及び固形油分を7質量%(成分(9))含有する、睫毛用化粧料」の発明が記載されている(以下、「甲3発明」という。)。
なお、甲3発明における成分(2)は、甲3の段落【0028】によると、「TSPL-30-D5(信越化学工業株式会社製)」であり、本件特許明細書段落【0017】によると、トリ(トリメチルシロキサン)シリルプロピルカルバミド酸プルランの30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液である。
また、甲3の段落【0043】の【表5】における「・・・カルバド酸プルラン」は、「・・・カルバミド酸プルラン」の誤記であると認める。

(4)その他の刊行物について
甲5?8及び甲10には、以下の記載事項(5-1)?(5-2)、(6-1)?(6-2)、(7-1)、(8-1)及び(10-1)が記載されている。(下線は当審による。以下同じ。)
(5-1)「【請求項4】
後記する方法で測定した時の硬度が全体として5?80であり、後記する方法で測定した時の粘度が15000?500000mPa・sであることを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載の睫毛用化粧料。
(硬度の測定方法)
サン科学レオメータを用い、負荷重:2kg、針の径:8φ、針入深度:10mm、上昇速度:300mm/min、測定温度:30℃で測定する。
(粘度の測定方法)
芝浦システム製BH型粘度計を用い、ロータ回転数:4rpmで測定する。」
(5-2)「【0044】
本発明においては油性基剤であって、水を従来用いられている量よりも多く用いることで硬度が上昇し、油性基剤でありながら液ぶくみがよく、ボリュームを出すことができるが、硬度が高すぎるとマスカラ液の睫毛への付きが悪くなる。硬度が低すぎると上記した所期の効果が出ない。また、粘度については、低すぎるとカール固定力に劣ることとなり、高すぎると仕上りのセパレート感が損なわれる。」
(6-1)「【0002】
メーキャップ化粧料の一つに、マスカラ等のまつ毛用化粧料がある。まつ毛用化粧料には、まつ毛にボリュームを持たせたり、まつ毛のカールを保持したりといったさまざまな機能が求められる。
特許文献1には、特定量の半固形油分を配合したマスカラ等の油性固形化粧料が開示されている。しかし、ビューラー等でカールさせたまつ毛を長時間保持する効果、すなわちカールキープ力には、改善の余地があった。」
(6-2)「【0024】
上記必須成分である(a)?(c)成分を含む本発明の半固形化粧料は、30℃における硬度が50?300Nであって、使用時に35?45℃に加熱されるものである。
このため、室温付近においては、硬すぎて塗布しづらいが、35?45℃に加熱することで軟化し、なめらかに塗布することが可能となる。
さらに、塗布後、経時で自然に室温まで冷却された後は、カールキープ力(化粧持ち)に非常に優れたものとなる。なお、30℃における硬度が50N未満の場合は、カールキープ力に劣る。」
(7-1)「【0045】
なお、従来にあっては、マスカラを、上記のような押出機構を有するマスカラ塗布具やスクイーズタイプのマスカラ塗布具に採用すると、硬度が高いため、使用後に塗布部同士間等で固化してしまい押し出すことができなくなってしまっていたが、本実施形態では、固化せずに押し出し可能なマスカラが用いられている。このようなマスカラの具体的な硬度は、本発明者による以下の測定より求められている。すなわち、硬度測定にレオメーターを使用し、アプリケータは球体で径8φとし、針入速度6cm/分、針入距離10mm、測定温度25℃として測定をした結果、固化せずに押し出し可能なマスカラは、1?200までの硬度のものが好ましく、より好ましくは、1?100までの硬度のものであった。因みに、このような硬度の液状化粧料であれば、マスカラ以外を用いても、固化せずに押し出すことができる。」
(8-1)「【0020】
この化粧料Cとしては、マスカラ、ヘアワックス、ヘアマスカラ、美容液、マスカラリムーバ等を始めとした種々の化粧料を用いることが可能である。
そして、化粧料Cとしては、例えば、マスカラ、ヘアワックス等の場合は0.3N?1.0N程度の硬度を有する化粧料Cを用いており、好適には0.5Nの硬度を用いることが好ましい。」
(10-1)「本発明のまつ毛用化粧料は、30℃での硬度(カードメーター; 8mmφ/200g荷重値) が10?180の範囲であること好ましい。特に好ましくは70?180の範囲である。ここでいう硬度とは、 乾燥前のマスカラ組成物の硬度であり、30℃の条件で、測定器M-301AR型カードメーター(飯尾電気製)を使用し、8mmφの侵入針に200gの加重を与えて測定したときの値である。
本発明のまつ毛用化粧料は、マスカラ下地やマスカラ等、広くまつ毛に適用される化粧料を含むものである。」(第10頁第19?25行)

3.取消理由についての判断
(1)本件特許発明1について
ア 理由1について
(ア) 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
・甲1発明における「マスカラ」は、本件特許発明1における「マスカラ専用、またはマスカラおよびアイライナー兼用である目元用化粧料組成物」に相当する。
・甲1発明における「トリメチルシロキシケイ酸を15質量%」は、本件特許発明1における「シリコーン系皮膜剤としてトリメチルシロキシケイ酸および/またはシリコーン化プルランを10.01?30質量%」に相当する。
・甲1発明における「デカメチルシクロペンタシロキサンを30質量%」及び「その他の揮発性油分を8.92質量%」によると、甲1発明における揮発性油分全量は38.92質量%であり、それに対する揮発性シリコーン系油分であるデカメチルシクロペンタシロキサン(30質量%)の割合は約77質量%であるから、本件特許発明1における「揮発性油分を25?70質量%」及び「揮発性油分全量に対して揮発性シリコーン系油分が25質量%以上」に相当する。
・甲1発明における「固形油分を6.0質量%」は、本件特許発明1における「固形油分を0.01?9質量%」に相当する。

(イ) 本件特許発明1と甲2発明とを対比する。
・甲2の段落【0028】の「本発明の油性睫用化粧料としては、マスカラ、マスカラオーバーコート、マスカラ下地等が挙げられ、より好ましくはマスカラ、マスカラオーバーコートである。」等の記載からみて、甲2発明における「油性睫用化粧料」は、本件特許発明1における「マスカラ専用、またはマスカラおよびアイライナー兼用である目元用化粧料組成物」に相当する。
・甲2発明における「トリメチルシロキシケイ酸を22質量%」は、本件特許発明1における「シリコーン系皮膜剤としてトリメチルシロキシケイ酸および/またはシリコーン化プルランを10.01?30質量%」に相当する。
・甲2発明における「デカメチルシクロペンタシロキサンを22質量%」及び「その他の揮発性油分を17.3質量%」によると、甲2発明における揮発性油分全量は39.3質量%であり、それに対する揮発性シリコーン系油分であるデカメチルシクロペンタシロキサン(22質量%)の割合は約56質量%であるから、本件特許発明1における「揮発性油分を25?70質量%」及び「揮発性油分全量に対して揮発性シリコーン系油分が25質量%以上」に相当する。
・甲2発明における「固形油分を5質量%」は、本件特許発明1における「固形油分を0.01?9質量%」に相当する。

(ウ) 本件特許発明1と甲3発明とを対比する。
・甲3の段落【0031】の「本発明にかかる曳糸性組成物を用い睫毛用化粧料に関しては以下の項目についても評価した。・・・ 専門パネル(20名)により、睫毛に各試料(マスカラ)を塗布したときの、マスカラの塗布のしやすさを官能評価した。」等の記載からみて、甲3発明における「睫毛用化粧料」は、本件特許発明1における「マスカラ専用、またはマスカラおよびアイライナー兼用である目元用化粧料組成物」に相当する。
・甲3発明における「トリメチルシロキシケイ酸を15質量%」及び「3-[トリス(トリメチルシロキサン)シリル]プロピルカルバミド酸プルランを0.3質量%」は、本件特許発明1における「シリコーン系皮膜剤としてトリメチルシロキシケイ酸および/またはシリコーン化プルランを10.01?30質量%」に相当する。
・甲3発明における「デカメチルシクロペンタシロキサンを30.2質量%」及び「その他の揮発性油分を30質量%」によると、甲3発明における揮発性油分全量は60.2質量%であり、それに対する揮発性シリコーン系油分であるデカメチルシクロペンタシロキサン(30.2質量%)の割合は約50質量%であるから、本件特許発明1における「揮発性油分を25?70質量%」及び「揮発性油分全量に対して揮発性シリコーン系油分が25質量%以上」に相当する。
・甲3発明における「固形油分を7質量%」は、本件特許発明1における「固形油分を0.01?9質量%」に相当する。

(エ) 上記(ア)?(ウ)を総合すると、本件特許発明1と甲1?甲3発明は、いずれも以下の点で相違し、その他の点で一致する。

相違点:
本件特許発明1においては、「硬度が30kg以上100kg以下」であることが特定されているのに対し、甲1?甲3発明においては、そのことが特定されていない点。

(オ) 上記相違点について検討するに、特許権者は、平成30年4月17日付け意見書において、「甲1発明追試処方」及び「甲2発明追試処方」なる組成を有する組成物を調製し、その硬度を測定した結果、測定限界以下であったこと、すなわち、「硬度が30kg以上100kg以下」の範囲内ではなかったことを示している。また、甲3の実施例3-2の油性マスカラの硬度が12であったことを示しつつ、甲3発明の固形油分量はそれよりも少ないことから、甲3発明の硬度もそれ以下の値、すなわち「硬度が30kg以上100kg以下」の範囲内ではない旨を述べている。
上記意見書において硬度の測定結果が示された上記組成物は、甲1?甲3発明と完全に一致するものではないものの、甲1発明及び甲2発明については実質的に等価な組成物であるといえるし、甲3発明については、甲3の実施例3-2の油性マスカラよりも低い硬度を示す蓋然性が極めて高いと考えられるから、甲1?甲3発明は、いずれも「硬度が30kg以上100kg以下」の範囲内ではないものと認められる。
よって、上記相違点は実質的な相違点であって、本件特許発明1は甲1?甲3発明と同一ではない。

イ 理由2について
上記相違点の想到容易性について検討するに、マスカラ等の睫毛用化粧料において、目的に応じて硬度を調整することは慣用技術であって(上記記載事項(5-1)?(5-2)、(6-1)?(6-2)、(7-1)、(8-1)及び(10-1)参照)、特に、マスカラ等の睫毛用化粧料の硬度として、「30kg以上100kg以下」の範囲内の値を採用し得る事も、技術常識であるといえる(例えば、上記記載事項(5-1)、(6-2)、(7-1)及び(10-1)参照)。
しかしながら、特許権者は、平成30年4月17日付け意見書において、上記甲1発明及び甲2発明と実質的に等価な組成物、すなわち、本件特許発明1と硬度の点でのみ相違する組成物について、本件特許の実施例と同じ評価(「化粧持ち」の評価)を行ったところ、いずれも評価が「C」、すなわち、本件特許発明1において奏される「化粧持ち」に関する有利な効果が得られなかったことを示している。
この結果と、本件特許明細書段落【0041】の【表1】に示された比較例1及び2(本件特許発明1と配合成分又は配合量が異なるが、硬度が30kg以上100kg以下である組成物)の「化粧持ち」の評価結果が同様に「C」であったことを併せて考慮すると、本件特許発明1と配合成分及び配合量が一致するだけ、又は、硬度が「30kg以上100kg以下」の範囲内であるだけでは上記有利な効果は奏されず、両方の条件が満たされた場合にのみ、上記有利な効果が奏されることが理解できる。そして、本件特許発明1におけるこのような有利な効果は、いずれの引用文献からも予測できるものではないし、また、技術常識から予測できたものともいえない。
そうすると、上述のような慣用技術や技術常識が存在していたとしても、上記のような有利な効果が奏されることを予測しつつ、甲1?甲3発明において、硬度を「30kg以上100kg以下」の範囲内の値に調整しようとすることは、当業者といえども容易に想到し得ることではない。
よって、本件特許発明1は、甲1?甲3発明に基づいて想到容易であるとはいえない。

ウ まとめ
以上検討のとおり、本件特許発明1は新規性及び進歩性を有しており、上記取消理由1、2のいずれにも該当しない。

(2)本件特許発明2?8について
請求項2?8の記載は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用するものである。そして、本件特許発明1が新規性及び進歩性を有していることは上述のとおりであるから、本件特許発明2?8も同様の理由より新規性及び進歩性を有しており、上記取消理由1、2のいずれにも該当しない。

第4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
異議申立人は、本件特許発明1?7は、甲4に記載の発明と実質同一であるから新規性がなく、また、本件特許発明1?8は、甲4に記載の発明を主たる引用発明とした場合に、進歩性を有しない旨主張している。
異議申立人は上記主張の前提として、甲4における複数箇所の記載を組み合わせつつ、硬度以外の点で本件特許発明1と同一の発明、すなわち、本件特許発明1と配合成分及び配合量が一致する発明が、甲4に記載されていると認定している。しかしながら、甲4の全体を見ても、本件特許発明1と配合成分及び配合量が一致するような具体的な組成物は何ら記載されておらず、甲4に記載の発明として、そのような発明を認定することはできない。
したがって、異議申立人の上記主張はその前提において誤っており、上記主張は理由がない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許発明1?8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許発明1?8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2018-04-26 
出願番号 特願2016-114017(P2016-114017)
審決分類 P 1 651・ 113- Y (A61K)
P 1 651・ 121- Y (A61K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 池田 周士郎  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 安川 聡
渡戸 正義
登録日 2017-05-12 
登録番号 特許第6134998号(P6134998)
権利者 株式会社 資生堂
発明の名称 目元用化粧料組成物  
代理人 柳田 征史  
代理人 佐久間 剛  

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