• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04B
管理番号 1340557
審判番号 不服2016-17078  
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-15 
確定日 2018-05-17 
事件の表示 特願2012- 28648「機器管理装置及び機器管理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月22日出願公開,特開2013-165448〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1 手続の経緯

本願は,平成24年2月13日の出願であって,平成27年2月5日に手続補正書が提出され,平成28年1月26日付けで拒絶理由が通知され,同年3月28日に意見書及び手続補正書が提出され,同年8月12日付けで拒絶査定されたところ,同年11月15日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。その後,当審において平成29年11月21日付けで拒絶理由が通知され,同年12月26日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2 本願発明

本願の請求項1?8に係る発明は,平成29年12月26日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定されるものであると認められるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,その請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。
「 【請求項1】
電力を供給する電力供給装置の接続端子に電子機器の接続端子が接続された際に、無線通信により前記電力供給装置が前記電子機器から取得した前記電力供給装置と前記電子機器の接続情報を取得する接続状態取得部と、
前記接続状態取得部が取得した前記接続情報を用いて、前記電力供給装置の接続端子への前記電子機器の接続端子の接続状態を管理する接続状態管理部と、
前記電力供給装置の接続端子と前記電子機器との対応関係についての情報を記録する管理情報記録部と、
を備え、
前記接続状態管理部は、前記管理情報記録部に記録されている前記対応関係についての情報を用いて前記電力供給装置の接続端子への前記電子機器の接続端子の接続状態を管理し、前記管理情報記録部に記録されている前記対応関係についての情報を参照した結果、前記電子機器の端子が正しい電力供給装置の接続端子に接続されていない場合は所定の情報を出力させる、機器管理装置。」

3 当審において通知した拒絶理由

当審において通知した平成29年11月21日付け拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)のうちの理由3の概要は,以下のとおりである。

理由3(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された以下の文献3に記載された発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

文献3:特開2008-153852号公報

4 引用発明及び周知事項

(1)引用発明
当審拒絶理由で引用された特開2008-153852号公報(平成20年7月3日出願公開。以下,「引用例」という。)には,図面とともに以下の記載がある。

ア 「【背景技術】
【0002】
電力線を利用して通信を行う電力線通信(PLC(Power LineCommunication)とも言われる。以下、「PLC」と略記する)を導入した場合、電源に関する情報を収集することが容易となる。このため、PLC経由で消費電力の管理を行い、省エネを推進するための方法が提案されている。例えば、先行例(特開2002-365313号公報に記載された「埋め込み型スイッチ装置」)は電力遮断機能、通信機能を持つ植え込み型スイッチで、オフィスで電源タップごとの消費電力感知をPLC経由で行うためのものである。
【0003】
【特許文献1】特開平2002-365313号公報(図1及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の埋め込み型スイッチ装置においては、電力線に接続され電力線に接続する接続機器を接続するための接続端子を有する電源装置(コンセントなど)を単位として情報を管理しているため、複数個の電源に跨った木目細かな高度の管理はできなかった。また外部から不正に持ち込まれた接続機器による不正利用を防ぐこともできなかった。
【0005】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、複数個の電源装置に跨った木目細かな高度な管理を行えるようにすることを目的とするものである。」

イ 「【0008】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1および図2により説明する。図1は電力線搬送システムのシステム構成図、図2は電力線搬送システムの運用および動作を順に説明するための機能説明図である。
【0009】
図1において、電力線搬送システムは、それぞれ電力線1vに接続された複数個の電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)、前記複数個の電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)に共用の認証サーバ1p、前記複数個の電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)の各々に接続される1個あるいは複数個の接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)、及び前記電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)を介して前記接続機器の監視を行う管理センター1mcにより構成されている。なお、前記管理センター1mcは管理者駐在場所に設置されている。
【0010】
前記電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)は、何れも、スイッチ1f、およびモデム1oを備えている。また、前記スイッチ1fは、電源装置IDタグ1g、消費電力算出部1h、ID読み込み部1i、スイッチ切替え実行部1j、判定結果受信部1k、電源供給スイッチ1l、ネットワーク接続許可スイッチ1m、及び情報送信部1nを備えている。なお、図1では、前記電源装置1(1e1)のみ内部構成を図示してあり、他の電源装置の内部構成の図示は省略してある。
前記電源装置IDタグ1gは、当該電源装置のID番号等のID情報を保持するものである。
前記消費電力算出部1hは、当該電源装置に接続されている接続機器の消費電力を算出するものである。
前記ID読み込み部1iは、当該電源装置に接続されている接続機器のID番号等のID情報を読み取るものである。
前記情報送信部1nは、前記当該電源装置のID情報、前記当該電源装置に接続されている接続機器の消費電力、当該電源装置に接続されている接続機器のID情報、等の情報を前記電力線1v経由で前記認証サーバ1pに送信するものである。
前記判定結果受信部1kは、前記認証サーバ1pで処理した判定結果を受信するものである。
前記電源供給スイッチ1lは、前記当該電源装置に接続されている接続機器への電源供給のON/OFFを切り替えるものである。
前記ネットワーク接続許可スイッチ1mは、前記当該電源装置に接続されている接続機器と電力線1vを伝送媒体とする通信ネットワーク間の接続/遮断を切り替えるものである。
【0011】
前記接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)は、何れも、接続機器IDタグ部1b、前記電源供給スイッチ1lから与えられる電源1c、及び通信インターフェース1dを備えている。なお、図1では前記接続機器1(1a1)のみ内部構成を図示し、他の接続機器の内部構成の図示は省略してある。
前記接続機器IDタグ部1bは、当該接続機器のID情報などの機器識別情報であるID番号などのID情報を保持するものである。
前記通信インターフェース1dは、当該接続機器のID情報を電源装置に送信するものである。
【0012】
前記認証サーバ1pは、モデム1q、情報受信部1r、判定部1s、送信部1t、及び接続機器IDなどの管理情報およびシステム運用情報などが事前に登録される管理運用情報事前登録部でもある情報記録部1uを備えている。
前記モデム1qは、一般的な通信用モデムであり、前記電力線1v経由で通信を行うものである。
前記情報受信部1rは、前記電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)から前記電力線1v経由で送信されてくる情報を受信するものである。
前記情報記録部1uは、前記事前登録情報や接続機器の消費電力などの監視情報を保持するものである。
前記判定部1sは、接続許可機器のIDと事前登録してある機器情報をもとに、前記接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)等の接続可否を判断するものである。
前記送信部1tは、前記判定部1sによる判定結果をもとに、前記電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)へのスイッチ制御情報の送信、前記管理センター1mcへの管理情報送信、前記管理センター1mcへの異常時発報信号の送信、等を行うものである。
【0013】
前記管理センター1mcは、モデム1w、情報受信部1x、管理情報情報蓄積部1y、及び発報部1zを備えている。
前記情報受信部1xは、電力線経由で前記モデム1wを介して送られてくる前記接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)の電力消費情報、前記不正機器の接続情報、前記発報信号などを受信するものである。
前記管理情報情報蓄積部1yは、前記情報受信部1xが受信した情報を蓄積するものである。
前記発報部1zは、前記発報信号が受信された場合に発報するもので、音声を発生するもの、画像を表示するものなど、所謂発報するものである。
【0014】
次いで、図2により、図1に例示の電力線搬送システムの運用、動作について順に説明する。
【0015】
1) 認証サーバ1pの情報記録部1uに正規の使用接続機器のID情報、使用位置、使用時間帯などを事前に登録する。
【0016】
2) 接続機器1a1を電源装置1e1に接続した場合、当該電源装置1e1は、当該接続機器1a1のID情報を読み取り、当該電源装置1e1のID情報と併せて情報送信部1nから認証サーバ1pに送信する。他の電源装置2(1e2)?電源装置n(1en)および他の接続機器2(1a2)?接続機器n(1an)においても、同様にして各電源装置のID情報と対応接続機器のID情報とを認証サーバ1pに送信する。
【0017】
3) 認証サーバ1pは、前記2)における前記送信された各電源装置および各接続機器の各ID情報を電力線1v経由で情報受信部1rで受信し、情報記録部1uに事前に登録されている情報と照合し、正規の接続機器であること、使用許可時間帯であること、使用許可のある場所(電源装置設置位置)であるかを確認し、各電源装置単位で、各接続機器に対する電源供給可否判定、通信ネットワーク接続可否判定を行う。
【0018】
4) 前記3)における前記判定部1sでの可否判定で合格(「可」の判定)となった場合、認証サーバ1pは、その可否判定結果を対応電源装置へ送信する。例えば、電源装置1e1が認証サーバ1pから可否判定結果「可」を受信すると、電源装置1e1は対応接続機器1a1への電源供給を許可し、対応接続機器1a1への電源供給スイッチ1lを「ON」切り替える。電源装置1e1の対応接続機器1a1機器がネットワーク機器である場合には、ネットワーク接続も許可し、ネットワーク接続許可スイッチ1mも「ON」に切り替える。他の電源装置2(1e2)?電源装置n(1en)および他の接続機器2(1a2)?接続機器n(1an)についても同様にして切り替えられる。
【0019】
5) 例えば、電源装置1e1が、対応接続機器1a1への電源供給が許可された場合、電源装置1e1は、その消費電力算出部1hで対応接続機器の機器消費電力の算出を開始し、この算出結果を認証サーバ1pに送信する。認証サーバ1pは、情報記録部1uに、当該送信されてきた消費電力データを、機器別に蓄積する。更に、認証サーバ1pの判定部1sは、情報記録部1uに記録されている事前登録情報、これまでの送信されてきた蓄積情報とを照合し、消費電力が異常となっていないかどうかを判定する。他の電源装置2(1e2)?電源装置n(1en)についても、同様に前記送信、前記蓄積、前記判定が行われる。
【0020】
6) 一定間隔で、前記2)?5)を繰り返し、機器の接続状態が変わらないことを認証サーバ1pで確認する。
【0021】
7) 前記3)における前記判定部1sでの可否判定で不合格(「不可」の判定)となった場合、送信部1tは、不正機器が接続されたことを、送信部1tからモデム1qを介して、電力線1v経由で管理センター(管理者の常駐場所)1mcへ通報する。管理センター1mcの発報装置1zは、管理センター1mcのモデム1w、受信装置1xからこの不正機器接続情報を受信すると、表示装置やスピーカなどの発報手段で発報し管理者にその旨を通報する。管理センター1mcの管理情報蓄積部1yには、受信装置1xで受信した情報が蓄積される。
また、前記判定部1sでの可否判定で不合格(「不可」の判定)となった場合、不合格となった接続機器に対応する電源装置(例えば電源装置1e1に対応する接続機器が不合格となった場合は電源装置1e1)に対して、認証サーバ1pの送信部1tは、制御信号を送信し、当該電源装置における電力供給スイッチ1l、ネットワーク接続許可スイッチ1mは、前記不正機器への電源供給、ネットワーク接続を許可しない。
【0022】
8) 前記6)における一定間隔での前記2)?5)の繰り返しの結果、正規の接続機器から不正な接続機器に入れ替わったと認証サーバ1pで判定された場合、認証サーバ1pは前記7)と同様の手順で、その旨を管理者に通報すると同時に、不正な接続機器が接続された電源装置にも制御信号を送信し、当該電源装置の電力供給スイッチ1l、ネットワーク接続許可スイッチ1mをONからOFFに切り替えて、当該不正接続機器への電源供給を停止し、ネットワーク接続も遮断する。
【0023】
9) 定常運転される正規の機器が接続された状態において、前記6)の処理の結果、当該正規の機器が電源装置から抜けて外れた(非接続状態となった)と判定された場合、認証サーバ1pは管理センター1mcへ正規機器の異常(故障、盗難など)を通報する。この通報する手順は前述の7)と同様である。また、この場合の通報の内容は、前述の不正機器の接続とは区別できる異なる内容とする。また、その他、使用位置間違い、使用時間帯違反、盗電、等もサーバ1pにおける判定部1sでの判定で検出され、同様に、サーバ1pの送信部1tからモデム1qを介して電力線1v経由で管理センター1mcへ通報される。」

ウ 「【0042】
また、前述の実施の形態1および2は以下のような特徴点を有している。
【0043】
特徴点1:PLCにより構築された電力線網兼通信ネットワークにおいて、電力線を伝送媒体とするネットワーク内に接続機器認証用のサーバが設置され、接続機器への電源供給のON/OFFを司る電源装置は自身のID情報、接続機器のID情報をサーバに送信し、電源装置はネットワーク接続許可を司るスイッチを内蔵し、このネットワーク接続許可を司るスイッチは認証サーバにより制御され、認証用サーバはIDに対応した接続機器のネットワーク接続許可・不許可を判定し、電源装置は個々の機器に対する電源供給許可を司るスイッチを内蔵し、この個々の機器に対する電源供給許可を司るスイッチは認証サーバにより制御され、認証サーバは、電源装置が接続機器に電源供給するか否かを判定するようにしてあるので、サーバによって認証されない機器をネットワークに参加できなくすることができ、不正機器が接続された場合、認証サーバが発報し、不正機器の使用位置を管理者に伝えることで、侵入者を発見することができ、機器ごとの使用できる時間帯、場所などを認証サーバ側で設定できるので不正使用、誤使用を防ぐことができ、サーバによって認証されない機器は電源供給を遮断されるため不正機器の電源利用を防ぐことができ、侵入者の作業を抑止、盗電を防止でき、情報セキュリティと物理セキュリティを同時に強化できる。
【0044】
特徴点2:前記特徴点1の構成、機能の電力線搬送システムにおいて、認証サーバは機器の接続状態、電力使用状態を連続的に監視するので、機器が盗難などで、電源装置から外された場合にこれを検知(セキュリティを強化)することができ、機器ごとの電力消費状態を監視することができるので、細やかな省エネ指針を得ることができる。」

エ 図1及び図2は,以下のとおりである。

【図1】



【図2】


上記ア?エの記載及び当該技術分野の技術常識を考慮すると,
(ア)上記アの第0004段落の記載によれば,「電力線に接続され電力線に接続する接続機器を接続するための接続端子を有する電源装置(コンセントなど)を単位として情報を管理しているため、複数個の電源に跨った木目細かな高度の管理はできなかった」という課題を解決しようとしている。

(イ)上記イの第0012段落の記載,上記エの図1によれば,引用例には,情報受信部1r,判定部1s,送信部1t,情報記録部1uを備えている認証サーバ1pが示されているといえる。また,上記イの第0009段落?第0010段落の記載によれば,電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)は,それぞれ電力線1vに接続され,何れも電源装置IDタグ1g,消費電力算出部1h,ID読み込み部1iを備えている。

(ウ)上記イの第0009段落,第0011段落,第0016段落の記載によれば,「何れも、接続機器IDタグ部1b及び通信インターフェース1dを備えている」(第0011段落)接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)を電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)の各々(第0009段落)に接続した場合,当該電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)が読み取った当該接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)のID情報を,当該電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)のID情報と「併せて」認証サーバ1pに送信する(第0016段落)ものといえる。
そして,上記イの第0017段落の記載によれば,認証サーバ1pは,上記送信された各電源装置及び各接続機器の各ID情報を情報受信部1rで「受信する」ものであるから,情報受信部1rは,上記の「当該電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)が読み取った当該接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)のID情報」を,上記の「当該電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)のID情報」と「併せて」「受信する」といえる。

(エ)上記イの第0017段落の記載によれば,情報受信部1rで受信した「各電源装置および各接続機器の各ID情報」を,情報記録部1uに事前に登録されている情報と照合しているということができる。
また,上記エの図1に示されている認証サーバ1pを構成する各要素間の接続関係も考慮すれば,上記イの第0017段落,第0020段落,第0023段落に記載されている,「情報記録部1uに事前に登録されている情報と照合し、正規の接続機器であること、使用許可時間帯であること、使用許可のある場所(電源装置設置位置)であるかを確認し、各電源装置単位で、各接続機器に対する電源供給可否判定、通信ネットワーク接続可否判定を行う」(第0017段落)ことと,上記「照合」,「確認」,「電源供給可否判定」,「通信ネットワーク接続可否判定」を繰り返し,「機器の接続状態が変わらないことを・・・確認」(第0020段落)することと,当該確認する処理の結果,「正規の機器が電源装置から抜けて外れた・・・と判定」(第0023段落)することとは,いずれも,認証サーバ1pの「判定部1s」が行っていると解される。

(オ)上記イの第0021段落の記載によれば,送信部1tは,判定部1sでの可否判定で「不可」の判定となった場合,表示装置やスピーカなどの発報手段で発報する管理センター1mcへ,不正機器が接続されたことを通報するといえる。

(カ)上記イの第0015段落には,情報記録部1uに「正規の使用接続機器のID情報・・・などを事前に登録する」との記載があるが,上記(エ)に示したとおり,「事前に登録されている情報」と照合するのは,情報受信部1rで受信した「各電源装置および各接続機器の各ID情報」であることから,情報記録部1uには,少なくとも,その受信した各ID情報と照らし合わせることができるような,「電源装置のID情報」と「正規の使用接続機器のID情報」とが事前に登録されていることは明らかである。
また,上記イの第0012段落の記載によれば,情報記録部1uは,事前に登録された情報を「保持」するといえる。

(キ)上記イの第0042段落?第0044段落の記載によれば,「機器ごとの使用できる時間帯、場所などを認証サーバ側で設定でき」,「機器ごとの電力消費状態を監視することができる」ことを特徴とするものである。

以上を総合すると,引用例には,「電力線に接続され電力線に接続する接続機器を接続するための接続端子を有する電源装置(コンセントなど)を単位として情報を管理しているため、複数個の電源に跨った木目細かな高度の管理はできなかった」という課題を解決するための,「機器ごとの使用できる時間帯、場所などを認証サーバ側で設定でき、機器ごとの電力消費状態を監視することができる」ことを特徴とする,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「 何れも、接続機器IDタグ部1b及び通信インターフェース1dを備えている接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)を、それぞれ電力線1vに接続され、何れも電源装置IDタグ1g、消費電力算出部1h及びID読み込み部1iを備えている電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)の各々に接続した場合、当該電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)が読み取った当該接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)のID情報を、当該電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)のID情報と併せて受信する情報受信部1rと、
情報受信部1rで受信した各電源装置および各接続機器の各ID情報を、情報記録部1uに事前に登録されている情報と照合し、正規の接続機器であること、使用許可時間帯であること、使用許可のある場所(電源装置設置位置)であるかを確認し、各電源装置単位で、各接続機器に対する電源供給可否判定、通信ネットワーク接続可否判定を行い、
上記照合、上記確認、上記電源供給可否判定、上記通信ネットワーク接続可否判定を繰り返し、機器の接続状態が変わらないことを確認し、当該確認する処理の結果、正規の機器が電源装置から抜けて外れたと判定する、
判定部1sと、
前記判定部1sでの可否判定で「不可」の判定となった場合、表示装置やスピーカなどの発報手段で発報する管理センター1mcへ、不正機器が接続されたことを通報する送信部1tと、
事前に登録された、電源装置のID情報と正規の使用接続機器のID情報とを保持する情報記録部1uと、
を備えている、
認証サーバ1p。」

(2)周知事項
本願の出願前に頒布された刊行物である特開2007-123191号公報(平成19年5月17日出願公開。以下,「周知例1」という。)には,図面とともに以下の記載がある。
「【0018】
図6には、実施例2のコンセント口3aと電源プラグ11aの関係を説明する断面図である。
電源プラグ11aには、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリー素子が搭載されているRF-IDタグ用チップ20を内蔵する。
電気的書き換え可能な不揮発性メモリー素子としては、EEFROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、FRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等である。
この電気的書き換え可能な不揮発性メモリー素子には、図2に示す製品仕様データ12のデータが記録されている。
なお、RF-IDタグ用チップ20には、密着通信型RF-IDタグ用アンテナコイル19を接続し、フェライト18の凹状の窪み部に装着させた後に電源プラグ11aに内蔵する。
これは、RF-IDタグシステムは、電磁誘導により、非接触にてデータ交信等を実施するが、非接触データ交信等の範囲に金属部があると金属表面に電磁誘導によるうず電流が発生し、非接触データ交信等が不能になるため、金属表面近傍にフェライト等の軟磁性体を配置し、電磁誘導による電磁波自体が、フェライト18の中を通過させることにより回避するものである。
即ち、本発明では、電源プラグ11aの金属部影響を排除するために利用するものである。
電源プラグ11aが、コンセント口3bに差し込まれると、コンセント口3bに内蔵される密着通信型RF-IDタグリーダーライターアンテナ16より、RF-IDタグ用チップ20の不揮発性メモリーに記録されている製品仕様データ12が非接触にて読み取られる。
なお、コンセント口3aに内蔵されている密着通信型RF-IDタグリーダーライターアンテナ16の背面にもフェライトを配置して、コンセント口3a内部の金属影響を排除するために利用する。
また、製品仕様データ12は、変復調回路等16を介して、密着通信型RF-IDタグ用リーダーライター制御回路17に送信後に制御回路等6に送信される。
制御回路等6では、液晶表示装置用ドライバー回路7に送り、液晶表示装置8に製品名及び定格消費電力を表示させる。」

また,本願の出願前に頒布された刊行物である特開2006-139929号公報(平成18年6月1日出願公開。以下,「周知例2」という。)には,図面とともに以下の記載がある。
「【0015】
ここで非接触の情報カードとなるICタグやICチップは、読取装置との通信が一定の空間距離以内であるため、その距離を越える状況になった場合、通信エラーの状態が発生する。従って通信可能な限界距離では通信が正常と異常を繰り返す現象が発生する。その現象を利用して予めコンセントプラグが緩んだり奥まで刺さっていないような距離の時に通信可能限界の距離として読取装置の感度を設定することで、データの読取りが一定期間に間欠(断続)動作となるようにすることができる。
(中略)
【0027】
図1において、105は1個以上の差込口を持つコンセントタップで、ICタグ1001のデータを読み取る読取装置101と、読取装置101で読取るICタグ1001の情報が間欠(断続)状態で検出した場合に異常として判断する異常検出部102と、コンセントタップ105の複数の差込口に各々設けられたスイッチ(図2の100S)の入切状態を把握する状態把握部103と、状態把握部103の入切状態と異常検知部102の状態からコンセントタップ105に挿入されているコンセントプラグ1000が緩む等の危険な状態にあることを警報音や通信による通知をおこなう異常通報部104とから構成される。100はコンセントタップ105の差込口1の情報カード検出部で差込口数だけコンセントタップ105に内蔵している。106は状態把握部103の替わりに入切状態を流れる電流の値で判断するための電流検出部であり、100Bは状態把握部103の替わり電流検出部106とした情報カード検出部である。
(中略)
【0032】
図1に示すように、コンセントタップ105に家電機器などの電源を供給するために接続する家電機器のコンセントプラグ1000をコンセントタップ105の差込口100Tに接続する。その際、読取装置101にICタグ1001の情報が読取られ、どのような家電機器が接続されているか検出可能となる。なお、ICタグ1001の情報は、例えば、家電機器の種類でエアコン、照明、テレビというような情報や製造年月、製番、定格容量、品番などが書き込まれているが、実際には書込み装置を利用すれば、ICタグ1001に必要な情報を自由に書き込み可能であるため、システムや機器の機能に応じて利用できる。」

更に,本願の出願前に頒布された刊行物である特開2007-87849号公報(平成19年4月5日出願公開。以下,「周知例3」という。)には,図面とともに以下の記載がある。
「【0005】
そこで、本発明は、プラグを差し込んだ段階で許容電力量を超えて使用する可能性があるか否かを確実に判定できるコンセント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るコンセント装置は、(a)1以上の電気機器のプラグに給電可能な1以上の給電端子と、(b)1以上の電気機器のプラグに設けられて当該電気機器の入力定格情報をそれぞれ保持する1以上の情報保持手段から入力定格情報を読み取ることができる情報読取手段と、(c)1以上の給電端子の出力定格情報を記憶するメモリと、(d)情報読取手段を介して受け取った1以上の入力定格情報と、メモリから読み出した出力定格情報とを比較して、1以上の給電端子に定格を超えるプラグが接続されたか否かを判断する判断手段とを備える。
(中略)
【0008】
本発明の具体的な態様又は観点によれば、上記コンセント装置において、情報読取手段が、情報保持手段との間で無線通信を行う。この場合、非接触で定格超過に関する情報を得ることができ、ユーザにとっての取扱性の容易化を図ることができる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、情報保持手段が、無線ICタグを含み、情報読取手段が、無線ICタグとの間で電力及び信号をやり取りする所定の回路を含む。この場合、小型でありながら正確で確実な情報通信が可能になり、コンセント装置が許容電力量を超えて使用されることを確実に防止できる。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、判断手段が、1以上の給電端子に複数のプラグが接続されて複数の情報保持手段から複数の入力定格情報を受け取った場合に、当該複数の入力定格情報を加算した総入力が出力定格情報に示される値以下であるか否かを判断する。この場合、プラグの接続数に関係なく、総量としてコンセント装置が許容電力量を超えて使用される可能性があるか否かを判断することができる。」

上記周知例1?周知例3の記載によれば,本件出願当時,次の事項が周知であったと認める。
「電源を供給する装置の接続端子に,タグを有する機器が接続されると,無線通信により前記電源を供給する装置が前記機器からタグの情報を取得すること。」(以下,このことを「周知事項」という。)

5 対比・判断

本願発明と引用発明とを対比すると,
(1)引用発明の「電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)」は,本願発明の「電力を供給する電力供給装置」に相当する。また,引用発明における接続機器IDタグ部1b及び通信インターフェース1dを備える「接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)」は,本願発明の「電子機器」に相当する。そして,引用発明の「認証サーバ1p」は,本願発明の「機器管理装置」に対応する。

(2)電源装置と接続機器とが接続端子を介して接続されることは技術常識であり,引用発明が解決しようとする課題(上記4(1)参照。)や,引用発明は正規の機器が電源装置から「抜けて外れた」と判定する場合があることも踏まえれば,引用発明の「接続機器」と「電源装置」とは,いずれも接続端子を有し,電源装置の接続端子と接続機器の接続端子とが接続されるものと解することができる。
また,引用発明において,電源装置が接続機器のID情報を「読み取った」り,情報受信部1rが接続機器及び電源装置の各ID情報を「受信する」ことは,いずれも,情報を「取得」するといえる。
そして,引用発明の情報受信部1rは,接続機器を電源装置に接続した場合,当該電源装置が読み取った当該接続機器のID情報を,当該電源装置のID情報と併せて受信するものであるから,当該接続機器のID情報を「無線通信により」取得したかどうかは別として,本願発明にいう「電力を供給する電力供給装置の接続端子に電子機器の接続端子が接続された際に、前記電力供給装置が前記電子機器から取得した情報を含む前記電力供給装置と前記電子機器の接続情報を取得する接続状態取得部」に対応する。

(3)引用発明の情報記録部1uには「電源装置のID情報」と「正規の使用接続機器のID情報」とが事前に登録されており,引用発明は,「情報受信部1rで受信した各電源装置および各接続機器の各ID情報を、情報記録部1uに事前に登録されている情報と照合」して,「各電源装置単位で、各接続機器に対する電源供給可否判定、通信ネットワーク接続可否判定」を行うものである。
そうすると,引用発明の情報記録部1uは,電力供給装置の「接続端子」単位で接続機器との対応関係を記録するかどうかは別として,本願発明にいう「管理情報記録部」に対応するものといえる。
そして,本願発明と引用発明とは,「前記電力供給装置と前記電子機器との対応関係についての情報を記録する管理情報記録部」を備える点で共通する。

(4)引用発明の判定部1sは,「情報受信部1rで受信した各電源装置および各接続機器の各ID情報を、情報記録部1uに事前に登録されている情報と照合し、正規の接続機器であること、使用許可時間帯であること、使用許可のある場所(電源装置設置位置)であるかを確認し、各電源装置単位で、各接続機器に対する電源供給可否判定、通信ネットワーク接続可否判定を行」う。そして,可否判定で「不可」の判定となった場合には,送信部1tから管理センター1mcへ,不正機器が接続されたことが通報される。
そうすると,引用発明の判定部1sの上記「情報受信部1rで受信した各電源装置および各接続機器の各ID情報」及び「情報記録部1uに事前に登録されている情報」は,それぞれ本願発明にいう「前記接続状態取得部が取得した前記接続情報」及び「前記管理情報記録部に記録されている前記対応関係についての情報」に対応し,また引用発明の判定部1sが,上記照合の結果,電源供給可否判定や通信ネットワーク接続可否判定を行い,可否判定が「不可」の場合に送信部1tに管理センターへの通報を行わせることは,本願発明にいう「接続状態を管理する」ことに対応する。
してみれば,引用発明において,各電源装置単位で,各接続機器に対する電源供給可否判定、通信ネットワーク接続可否判定を行うことが,電力供給装置の「接続端子」単位で行われるといえるかは別として,本願発明と引用発明とは,「前記接続状態取得部が取得した前記接続情報を用いて、前記電力供給装置への前記電子機器の接続端子の接続状態を管理する接続状態管理部」を備え,「前記接続状態管理部は,前記管理情報記録部に記録されている前記対応関係についての情報を用いて前記電力供給装置への前記電子機器の接続端子の接続状態を管理し,前記管理情報記録部に記録されている前記対応関係についての情報を参照した結果、前記電子機器の端子が正しい電力供給装置に接続されていない場合は所定の情報を出力させる」点で共通する。

以上を総合すると,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。
[一致点]
「 電力を供給する電力供給装置の接続端子に電子機器の接続端子が接続された際に、前記電力供給装置が前記電子機器から取得した前記電力供給装置と前記電子機器の接続情報を取得する接続状態取得部と、
前記接続状態取得部が取得した前記接続情報を用いて、前記電力供給装置への前記電子機器の接続端子の接続状態を管理する接続状態管理部と、
前記電力供給装置と前記電子機器との対応関係についての情報を記録する管理情報記録部と、
を備え、
前記接続状態管理部は、前記管理情報記録部に記録されている前記対応関係についての情報を用いて前記電力供給装置への前記電子機器の接続端子の接続状態を管理し、前記管理情報記録部に記録されている前記対応関係についての情報を参照した結果、前記電子機器の端子が正しい電力供給装置に接続されていない場合は所定の情報を出力させる、機器管理装置。」

[相違点]
(相違点1)
一致点の「前記電力供給装置が前記電子機器から取得した前記電力供給装置と前記電子機器の接続情報」に関し,「前記電力供給装置が前記電子機器から取得した情報」が,本願発明では,「無線通信により」取得した情報であるのに対し,引用発明では,どのように取得した情報であるのか特定が無い点。

(相違点2)
電力供給装置への前記電子機器の接続状態の管理が,本願発明では,電力供給装置の「接続端子」単位で行われるのに対し,引用発明では,電力供給装置単位で行われ,これにより,
本願発明では,「管理情報記録部」は,前記電力供給装置の「接続端子」と前記電子機器との対応関係についての情報を記録し,「接続状態管理部」は,前記電力供給装置の「接続端子」への前記電子機器の接続端子の接続状態を管理し,前記電子機器の端子が正しい電力供給装置の「接続端子」に接続されていない場合に所定の情報を出力させるのに対し,
引用発明では,管理情報記録部(情報記録部1u)が記録する「電源装置のID情報」が前記電力供給装置(電源装置)の「接続端子」単位であるか特定がなく,接続状態管理部(判定部1s)は,前記電力供給装置の「接続端子」への前記電子機器(接続機器)の接続端子の接続状態を管理し、前記電子機器の端子が正しい電力供給装置の「接続端子」に接続されていない場合に所定の情報を出力させるかどうか定かでない点。

そこで,各相違点について,以下検討する。

相違点1について,上記4(2)の項目で示したとおり,「電源を供給する装置の接続端子に,タグを有する機器が接続されると,無線通信により前記電源を供給する装置が前記機器からタグの情報を取得する。」ことは周知事項であるから,当該周知事項に基づいて,引用発明における電源装置による接続機器のID情報の読み取りを,「無線通信により」行うように構成することは,当業者が容易になし得る。

相違点2について,引用発明は,「電力線に接続され電力線に接続する接続機器を接続するための接続端子を有する電源装置(コンセントなど)を単位として情報を管理しているため、複数個の電源に跨った木目細かな高度の管理はできなかった」という課題を解決するための,「機器ごとの使用できる時間帯、場所などを認証サーバ側で設定でき、機器ごとの電力消費状態を監視することができる」ことを特徴とするものであり,「接続機器1(1a1)?接続機器n(1an)」を「電源装置1(1e1)?電源装置n(1en)の各々に接続」して,各電源装置単位で,各「接続機器」に対する電源供給可否判定,通信ネットワーク接続可否判定を行っている。
また,上記4(1)エの図1に示されている電源装置と接続機器との関係も考慮すれば,引用発明における電源装置のそれぞれは,1つの接続端子を有し,当該接続端子を介して接続される1つの接続機器を管理しているといえるから,引用発明の情報記録部1uが記録する「電源装置のID情報」は,電源装置を一意に特定できるものであると同時に,電源装置の接続端子も一意に特定できるものといえ,引用発明は,実質的に,電源装置の接続端子への接続機器の接続端子の接続状態を管理し,接続機器の端子が正しい電源装置の接続端子に接続されていない場合に所定の情報を出力させるものといえる。
そして,本願発明は,1つの「電源供給装置」が1つの接続端子を有することを排除するものではないから,この場合,本願発明の「接続状態管理部」及び「管理情報記録部」と,引用発明の「判定部1s」及び「情報記録部1u」とに実質的な差異はなく,相違点2に係る構成は,実質的な相違点とはいえない。

ここで,請求人が審判請求書で主張する点も踏まえ,更に進めて,1つの「電源供給装置」が複数の接続端子を有する場合に,相違点2に係る構成とすることが容易といえるかについても検討する。
複数の接続端子を有する電源装置の各接続端子に複数の機器を接続して電力を供給することは常套であるところ,引用発明の「電力線に接続され電力線に接続する接続機器を接続するための接続端子を有する電源装置(コンセントなど)を単位として情報を管理しているため、複数個の電源に跨った木目細かな高度の管理はできなかった」という課題を鑑みれば,1つの「電源供給装置」が複数の接続端子を有する場合に,「機器ごとの使用できる時間帯、場所などを認証サーバ側で設定でき、機器ごとの電力消費状態を監視することができる」という引用発明の特徴を担保するために,電源装置の接続端子毎に接続機器との対応関係についての情報を記録し,電源装置の接続端子毎に接続状態を管理することに格別の困難はない。
よって,相違点2に係る構成は,当業者が容易になし得る。

そして,本願補正発明の作用,効果も,引用発明及び周知事項に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであり,格別のものではない。

したがって,本願発明は,引用発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。

6 むすび

以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
したがって,本願の他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-03-19 
結審通知日 2018-03-20 
審決日 2018-04-02 
出願番号 特願2012-28648(P2012-28648)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後澤 瑞征  
特許庁審判長 北岡 浩
特許庁審判官 山本 章裕
川口 貴裕
発明の名称 機器管理装置及び機器管理方法  
代理人 亀谷 美明  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ