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審決分類 |
審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 A63F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1340731 |
審判番号 | 不服2017-9474 |
総通号数 | 223 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-06-28 |
確定日 | 2018-05-24 |
事件の表示 | 特願2015-199025号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年2月4日出願公開、特開2016-19914号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成21年4月7日に出願した特願2009-093191号の一部を平成25年11月18日に新たな特許出願(特願2013-238258号)とし、さらにその一部を平成27年10月7日に新たな出願としたものであって、平成28年4月7日付けで手続補正がなされ、同年10月20日付け拒絶理由通知に対して同年11月28日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたところ、平成29年4月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年6月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年6月28日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲の補正を含んでおり、本件補正により、平成28年11月28日付けの手続補正書における特許請求の範囲の請求項1の記載 「【請求項1】 遊技者の操作によって遊技球を打ち込む打球発射装置と、 該打球発射装置によって遊技球が打ち込まれる遊技領域、及び該遊技領域内に配置され打ち込まれた遊技球を受入可能とされた受入口を少なくとも有する遊技盤と、 少なくとも該遊技盤の前記受入口への遊技球の受入れに応じて所定数の遊技球を払出す払出装置と、 前記払出装置から払出された遊技球を流通させる連絡樋と、 前記連絡樋を流通した遊技球を貯留可能とすると共に底面が所定位置へ向って低くなるように傾斜する貯留部と、 前記貯留部の奥側の壁を形成する奥板部と、 前記連絡樋を流通した遊技球を前記貯留部へ流入させる流入口と、 前記貯留部に貯留されている遊技球を一列に整列させる傾斜部と、 前記傾斜部に整列されている遊技球を前記打球発射装置へ供給する供給口と、を有する遊技機であって、 前記貯留部の前記傾斜部を前記奥板部の前方に形成し、 前記払出装置から払出された遊技球が流入することとなる前記連絡樋の入口部の幅に対して、該入口部を通過して後方から前方に流下する遊技球が前記貯留部に供給されることとなる前記流入口の幅の方が広く形成されており、 一方、前記流入口の底辺の少なくとも一部とその直下の前記底面との間に、前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差を形成し、 前記底面のうち前記流入口の手前側の箇所における底面の奥行幅は、遊技球が2列以上並びうる幅で形成される ことを特徴とする遊技機。」 は、審判請求時に提出された手続補正書(平成29年6月28日付け)における 「【請求項1】 遊技者の操作によって遊技球を打ち込む打球発射装置と、 該打球発射装置によって遊技球が打ち込まれる遊技領域、及び該遊技領域内に配置され打ち込まれた遊技球を受入可能とされた受入口を少なくとも有する遊技盤と、 少なくとも該遊技盤の前記受入口への遊技球の受入れに応じて所定数の遊技球を払出す払出装置と、 前記払出装置から払出された遊技球を流通させる連絡樋と、 前記連絡樋を流通した遊技球を貯留可能とすると共に底面が所定位置へ向って低くなるように傾斜する貯留部と、 前記貯留部の奥側の壁を形成する奥板部と、 前記連絡樋を流通した遊技球を前記貯留部へ流入させる流入口と、 前記貯留部に貯留されている遊技球を一列に整列させる傾斜部と、 前記傾斜部に整列されている遊技球を前記打球発射装置へ供給する供給口と、を有する遊技機であって、 前記貯留部の前記傾斜部を前記奥板部の前方に形成し、 前記払出装置から払出された遊技球が流入することとなる前記連絡樋の入口部の幅に対して、該入口部を通過して後方から前方に流下する遊技球が前記貯留部に供給されることとなる前記流入口の幅の方が広く形成されており、 一方、前記流入口の底辺の少なくとも一部とその直下の前記底面との間に、前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差を形成し、 前記底面のうち前記流入口の手前側の箇所における底面の奥行幅は、遊技球の外径の数倍以上の幅で形成される ことを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。)。 2.補正の適否 上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である(貯留部の)「底面のうち前記流入口の手前側の箇所における底面の奥行幅」に関して、「遊技球が2列以上並びうる幅」を「遊技球の外径の数倍以上の幅」と変更するものであり、「遊技球が2列以上並」ぶ際には、1列目を成す遊技球の谷間に2列目を成す遊技球が入り込んで整列する場合が含まれ、必ずしも遊技球外径の2倍以上を要しないことから、前記変更により、前記「奥行幅」は遊技球外径の2倍以下の場合を含む数値範囲から、該外径の「数倍以上」、すなわち少なくとも2倍以上である数値範囲へと限定するものであるから、前記補正は、請求項1の発明特定事項を限定する補正を含むものと認められる。 また、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は、【0178】、図62(B)等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。 3.本件補正発明の独立特許要件についての検討 そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、その請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)本件補正発明について 本件補正発明は、上記1.の本件補正の概要に示した次のとおりのものである(A?Oは、分説のため当審にて付与した。) 「A 遊技者の操作によって遊技球を打ち込む打球発射装置と、 B 該打球発射装置によって遊技球が打ち込まれる遊技領域、 C 及び該遊技領域内に配置され打ち込まれた遊技球を受入可能とされた受入口を少なくとも有する遊技盤と、 D 少なくとも該遊技盤の前記受入口への遊技球の受入れに応じて所定数の遊技球を払出す払出装置と、 E 前記払出装置から払出された遊技球を流通させる連絡樋と、 F 前記連絡樋を流通した遊技球を貯留可能とすると共に底面が所定位置へ向って低くなるように傾斜する貯留部と、 G 前記貯留部の奥側の壁を形成する奥板部と、 H 前記連絡樋を流通した遊技球を前記貯留部へ流入させる流入口と、 I 前記貯留部に貯留されている遊技球を一列に整列させる傾斜部と、 J 前記傾斜部に整列されている遊技球を前記打球発射装置へ供給する供給口と、を有する遊技機であって、 K 前記貯留部の前記傾斜部を前記奥板部の前方に形成し、 L 前記払出装置から払出された遊技球が流入することとなる前記連絡樋の入口部の幅に対して、該入口部を通過して後方から前方に流下する遊技球が前記貯留部に供給されることとなる前記流入口の幅の方が広く形成されており、 M 一方、前記流入口の底辺の少なくとも一部とその直下の前記底面との間に、前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差を形成し、 N 前記底面のうち前記流入口の手前側の箇所における底面の奥行幅は、遊技球の外径の数倍以上の幅で形成される O ことを特徴とする遊技機。」 (2)刊行物1に記載された発明 ア 原査定の拒絶理由において提示された、本願の遡及日前に頒布された刊行物である特開平11-42347号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、上皿から遊技球発射装置等に排出される遊技球の球詰まりを防止するとともに、球詰まりを解消することが可能な弾球遊技機に関する。」 「【0016】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、弾球遊技機1の正面側斜視図である。図1に示すように遊技機本体2に対して開閉可能に取着されたガラス枠3の下側には合成樹脂で成形された上皿4が設けられている。この上皿4は、金銭と交換に借用した遊技球、あるいは入賞したときに賞球受入れ口5から送球されてきた遊技球を収容するとともに同遊技球を整列させて下方の発射装置に送球するものである。また、上皿4の下側には遊技球を溜める下皿6が設けられ、下皿6の右側には上記発射装置のハンドル7が配置されている。この発射装置は上皿4から送球されてきた遊技球をハンドル7の操作により弾球遊技機1の遊技盤面に向けて発射するものである。尚、図2は弾球遊技機1のガラス枠3及び上皿4が取着された前板8を開いた状態の斜視図である。 【0017】図3は上皿4に遊技球10が収容された状態を示した平面図である。また、図4は上皿4を一部破断して遊技球10が上流から下流の方向に流れることを示した正面図である。図3に示すように、上皿4は賞球受入れ口5付近から若干下流側まで最も幅が広く、下流側へゆくほど幅が徐々に狭くなって一列の遊技球10を転がし得る幅になるという形状を有している。また、図4に示すように、一列に整列された遊技球10は上流から傾斜に沿って下流の方向に転がり、球送り装置11により1球ずつに分離され、そして、図2に示した発射レ-ル12の基端部に落下する。この発射レ-ル12の基端部に落下した遊技球10は、図示していないモ-タにより駆動される打球槌13を有する前記発射装置により、発射レ-ル12から遊技盤面に向けて発射される。」 「【0023】次に、第2の実施の形態について説明する。図8は、上皿4の球詰まりが起き易い矢印A付近から下流側の1列通路Bに整列される遊技球10に接触して往復運動させる振動部材43を配設し、この振動部材43をソレノイド42で駆動することにより、1列通路Bに整列される遊技球10の球詰まりを防止する振動装置44を示したものである。上記振動装置44は図9に示すようにソレノイド42のロッド45の先端に連結部材46を取り付け、この連結部材46に前記振動部材43を固定したものである。」 「【0035】次に、第5の実施の形態について説明する。上皿4の賞球受入れ口5は、前記前板8が閉じられた状態で球排出口14(図2参照)と重なるように構成されているが、この状態では賞球受入れ口5と球排出口14との間に僅かな段差ができるため、その段差の部分で遊技球10が詰まる恐れがある。図15は、上皿4の賞球受入れ口5を前記第2、第3の実施の形態と同様のソレノイド42のロッド45の伸縮動作で叩き、上皿4全体を振動させることにより、上記の球詰まりを防止する振動装置71を示したものである。この振動装置71を前記第1から第4の実施の形態と同様に9秒毎に間欠駆動させれば遊技球10は球詰まりを起こすことなく発射装置に供給される。勿論、振動装置71を連続的に駆動させれば、より効果的に球詰まりを防止することができる。尚、球詰まりが発生したときにソレノイド42を駆動させることにより球詰まりを解消させるための制御は、前記第2の実施の形態と同じ(図10の制御ブロック図参照)であるため、制御ブロック図及びその説明を省略する。」 イ 刊行物1の図面には以下の事項が記載されている。 (ア)【0016】、【0035】を参酌すると、図2からは、遊技機本体2側に球排出口14が設けられ、前板8側には上皿4が設けられ、該前板8の裏面右端付近には、前板8が閉じられた状態で遊技機本体2の球排出口14付近へ向けて突出した要素の存在を見て取ることができる。 また、【0017】を参酌すると、図3には、上皿4を上方からみた平面図が示され、その左端部近傍には、前板8が閉じられて該上皿4が遊技機本体2に取り付けられた状態で遊技機本体2側へ向けて突出する要素として賞球受入口5が描かれている。 前記図2、3の比較から、前記図2で前板8の裏面右端付近に存在する遊技機本体2側へ突出する要素は、図3における賞球受入口5に対応するといえる。 以上から、図2、3より、賞球受入口5は、前板8の裏面から、遊技機本体2の球排出口14付近へ向けて突出形成されることを看取できる。 (イ)図4について【0016】には「図4は上皿4を一部破断して遊技球10が上流から下流の方向に流れることを示した正面図である」と説明され、該図4では、上皿4に収容される遊技球が載置される上皿4の面のことを「底面」と呼ぶことにすると、賞球受入口5が開口する正面視左側から右方向へ向かって低くなるように上皿4の底面が傾斜していることを見て取ることができる。 また、上記【0023】ほかで「1列通路B」と呼ばれ、図3、5、8、13、15で「B」と矢示され、図4でも「B」と矢示される上皿4の正面視右側部分でも、底面が右に向かって低くなるように傾斜していることを看取できる。 (ウ)図1、3、5、8、13、15から、上皿4の奥端には、その右端部付近に賞球受入口5が開口する板状の壁面が正面視左右方向に延在して形成されていることを看取できる。 (エ)図4から、賞球受入口5の正面視右端付近では、その前面の上皿4底面上に整列する遊技球の最上部よりも、前記賞球受入口5の底辺が高い位置に描かれていることを見て取ることができる。 (オ)図3、5、8、13、15からは、平面視(上面視)で上皿4の正面視左方で賞球受入口5の手前側の部分には、該上皿4の奥端から手前側にかけて5列程度の遊技球が収容されることを見て取ることができる。 (カ)図2から、上皿4は、遊技機本体2に対して前方へ開く前板8に設けられており、一方、発射装置の打球槌13は遊技機本体2側に設けられていることを見て取ることができる。 ウ 上記アの各記載事項及び上記イで認定した図面の記載事項から、以下の事項が導かれる。 (あ)上記【0016】には「この発射装置は上皿4から送球されてきた遊技球をハンドル7の操作により弾球遊技機1の遊技盤面に向けて発射するものである。」なる記載があることから、刊行物1には、「ハンドル7の操作により遊技球を発射する発射装置」、及び「発射装置の操作により遊技球が発射される遊技盤面」が記載されているといえる。 (い)上記【0016】には「この上皿4は、金銭と交換に借用した遊技球、あるいは入賞したときに賞球受入れ口5から送球されてきた遊技球を収容する」との記載があることから、上記(あ)の認定事項とあわせ、刊行物1には、「遊技盤面に向けて遊技球を発射し、入賞可能」であること、及び「入賞したときに賞球受入口5から遊技球が送球される」こと、が記載されているといえる。 (う)上記【0035】には「上皿4の賞球受入れ口5は、前記前板8が閉じられた状態で球排出口14(図2参照)と重なるように構成されているが、この状態では賞球受入れ口5と球排出口14との間に僅かな段差ができるため、その段差の部分で遊技球10が詰まる恐れがある。」との記載がある。 また、上記イ(ア)で認定したとおり、賞球受入口5は、前板8の裏面奥から、遊技機本体2の球排出口14付近へ向けて突出形成される要素であることを看取できる。 さらに、前項(い)から、賞球受入口5には「入賞したときに」「遊技球が送球される」ものである。 以上から、刊行物1には、「入賞したときに、賞球受入口5にはその奥の遊技機本体2側に開口する球排出口14から排出された遊技球が流入する」ことが記載されているといえる。 (え)上記【0016】には「この上皿4は、金銭と交換に借用した遊技球、あるいは入賞したときに賞球受入れ口5から送球されてきた遊技球を収容する」と記載され、また、上記イ(イ)で認定したとおり図4からは「賞球受入口5が開口する正面視左側から右方向へ向かって低くなるように上皿4の底面が傾斜している」ことを看取できる。 さらに、前項(う)から、「賞球受入口5には」「球排出口14から排出された遊技球が流入する」ものである。 よって、刊行物1には、「球排出口14から排出され賞球受入れ口5から送球された遊技球が収容され、底面が正面視左側から右方向へ向かって低くなるように傾斜する上皿4」、及び「球排出口14から排出された遊技球を上皿4に送球する賞球受入口5」が記載されているといえる。 (お)上記イ(ウ)で認定したとおり、図1、3、5、8、13、15から、上皿4の奥端には、その右端部付近に賞球受入口5が開口する板状の壁面が正面視左右方向に延在して形成されていることを看取できるから、刊行物1には、「上皿4の奥端に左右方向に延在して設けられた板状の壁面」が記載されているといえる。 また、前項(え)で認定したとおり、上皿4の底面は「正面視左側から右方向へ向かって低くなるように・・・傾斜する」から、前記「上皿4の底面の傾斜部は、上皿4の奥端に左右方向に延在して設けられた板状の壁面に沿ってその前方に設けられている」といえる。 (か)上記【0017】には「上皿4は賞球受入れ口5付近から若干下流側まで最も幅が広く、下流側へゆくほど幅が徐々に狭くなって一列の遊技球10を転がし得る幅になるという形状を有している。」と記載されている。 そして、上記(え)から、上皿4の「底面が正面視左側から右方向へ向かって低くなるように傾斜」しているのであるから、該【0017】における上皿4の「下流側」とは、上皿4の正面視右方向のことであるといえる。 また、このことと、上記イ(イ)で認定したとおり上皿4の正面視右側部分には「1列通路B」なる遊技球通路部分が図示されていること、及び「1列通路」なる名称の意味するところから、前記【0017】に記載された上皿4が「下流側へゆくほど幅が徐々に狭くなって一列の遊技球10を転がし得る幅になるという形状」の部分は、前記「1列通路B」に対応する部分であるといえる。 よって、刊行物1には、「上皿4の正面視右側には、上皿4上の遊技球を一列に転がしうる幅で、正面視右方向へ向かって低くなるように傾斜した、1列流路B」が設けられることが記載されているといえる。 (き)上記【0016】には「上皿4は・・・同遊技球を整列させて下方の発射装置に送球するものである」なる記載があり、上記【0017】には「一列に整列された遊技球10は上流から傾斜に沿って下流の方向に転がり、球送り装置11により1球ずつに分離され、そして、図2に示した発射レ-ル12の基端部に落下する。この発射レ-ル12の基端部に落下した遊技球10は、図示していないモ-タにより駆動される打球槌13を有する前記発射装置により、発射レ-ル12から遊技盤面に向けて発射される」なる記載がある。 ここで、「一列に整列された遊技球10は上流から傾斜に沿って下流の方向に転がり」が、前項(か)で認定した上皿4の「1列流路B」の部分に対応することが明らかである。 このことと上記(い)の認定事項とから、刊行物1には、「1列流路Bに一列に整列された遊技球を、その下流部で球送り装置11により発射装置に送球する」「弾球遊技機1」が記載されているといえる。 (く)上記イ(エ)で認定したとおり「図4から、賞球受入口5の正面視右端付近では、その前面の上皿4底面上に整列する遊技球の最上部よりも、前記賞球受入口5の底辺が高い位置に描かれていることを見て取ることができる」のであるから、当該付近では、該遊技球が収容される上皿4の底面と、賞球受入口5の底辺との段差高が遊技球の外径を上回っているといえる。 よって、刊行物1には、「賞球受入口5の右端付近で、賞球受入口5の底辺と、上皿4の底面との間に、遊技球の外径以上の段差を形成」することが記載されているといえる。 (け)上記イ(オ)で認定したとおり、「図3、5、8、13、15からは、平面視(上面視)で上皿4の正面視左方で賞球受入口5の手前側の部分には、該上皿4の奥端から手前側にかけて5列程度の遊技球が収容されることを見て取ることができる」のであり、上記イ(イ)で定義したとおり「上皿4に収容される遊技球が載置される上皿4の面のことを「底面」と呼」ぶことにしたのであるから、該「5列程度の遊技球」が収容されている部分は上皿4の「底面」であるといえる。 よって、刊行物1には、「平面視(上面視)で上皿4の正面視左方で賞球受入口5の手前側の部分は、該上皿4の奥端から手前側にかけて5列程度の遊技球が収容される幅を有する」ことが記載されているといえる。 エ 上記アの各記載事項、並びに上記イ、ウの認定事項から、刊行物1には次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる(a?oは、本件補正発明のA?Oに対応させて付与した。また「(あ)」などは上記ウの対応箇所を示す。)。 「a ハンドル7の操作により遊技球を発射する発射装置と、(あ)、 b 発射装置の操作により遊技球が発射される遊技盤面を有し、(あ) c 遊技盤面に向けて遊技球を発射し、入賞可能であり、(い) d 入賞したときに賞球受入口5から遊技球が送球され、(い) e 入賞したときに、賞球受入口5にはその奥の遊技機本体2側に開口する球排出口14から排出された遊技球が流入するのであり、(う) f 球排出口14から排出され賞球受入れ口5から送球された遊技球が収容され、底面が正面視左側から右方向へ向かって低くなるように傾斜する上皿4と、(え) g 上皿4の奥端に左右方向に延在して設けられた板状の壁面と、(お) h 球排出口14から排出された遊技球を上皿4に送球する賞球受入口5と、(え) i 上皿4の正面視右側には、上皿4上の遊技球を一列に転がしうる幅で、正面視右方向へ向かって低くなるように傾斜した、1列流路Bと、を備え、(か) j 1列流路Bに一列に整列された遊技球を、その下流部で球送り装置11を介して発射装置に送球する、弾球遊技機1であって、(き) k 上皿4の底面の傾斜部は、上皿4の奥端に左右方向に延在して設けられた板状の壁面に沿ってその前方に設けられており、(お) m 賞球受入口5の右端付近で、賞球受入口5の底辺と、上皿4の底面との間に、遊技球の外径以上の段差を形成し、(く) n 平面視(上面視)で上皿4の正面視左方で賞球受入口5の手前側の部分は、該上皿4の奥端から手前側にかけて5列程度の遊技球が収容される幅を有する、(け) o 弾球遊技機1。(き)」 (3)刊行物2の記載された技術事項 ア 原査定の拒絶理由において提示された、本願の遡及日前に頒布された刊行物である特開平9-108421号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。 「【0002】 【従来の技術】周知の様にパチンコ機は入賞によって放出される賞球を受け取るための受皿をパチンコ機の前面に上下二段に備えている。上段の上皿枠は賞球装置から放出される賞球を直接受け取り、これを一時貯留して通常は遊技を継続させるため打球発射装置に樋部を通して誘導し、連続的な発射を可能にし、また遊技を終了する場合は上記樋部の底を開いて下段の下皿枠に落とし抜き取るようにしてある。」 「【0004】このため組立の利便と打球供給装置、打球発射装置等の保守点検乃至修理のため従来から上皿枠はパチンコ機の前枠に対して一側縁を蝶着して開放できるようにしてある。従来知られる上皿枠は前枠の横幅に揃えて横長長方形状に形成した金属板製の基板の前面にプラスチックで成形した皿枠を取付け、基板に開設する賞球放出口を通して送り出される賞球をこの皿枠に受ける一方、連続して設ける樋部を通して打球送り口に球を運び背後の打球供給装置に1個づつ送り出すようにしてある。そして、この上皿枠は上記金属板製基板の一方の側縁部に枢着軸を備えて前枠の一側縁に蝶着し、他側縁部に備えるロック装置でこの基板を閉塞するよう構成してある。」 「【0018】この様に前枠2の前面はガラス飾り枠5と上皿枠6、それに下皿枠7が装着されることによってその全面が被われ、その一方、背面には金属板で成形した浅い箱形をなす機構枠体2aを一体に固定し、この枠体2aを介して図示しない遊技板14を着脱自由に組付け、更には枠体の背面に賞球の貯留タンク15や賞球装置、セーフ球寄せや賞球放出樋等を装着してセーフ球の制御、賞球放出の制御を行う機構部を構成している。」 「【0020】上皿枠6は図4に示したように上皿基板6aと皿枠6b、カバー枠6cから構成されている。この三者は合成樹脂を素材に個別に成形してあり、このうち上皿基板6aは横長長方形の板状に形成して上縁には前方に向けて開口する前記ガラス飾り枠5の下縁と係合する防犯溝19が長さの略全長に亘って形成してあり、左半上部には賞球の放出口20と効果音発生器のスピーカー口21が、そして右半部の略中央部には打球を送り出す送り口22が開設してある。 【0021】上記上皿基板の背面には図示しない賞球放出樋に接続する舌状の連絡樋23が放出口20に連通して後向きに取付けられると共に、玉止めシャッター24を備えるケース25が接面状に取付けられシャッター24を送り口22に臨ませ、上皿基板6aが前方に向けて開放したときこのシャッター24により送り口22を閉塞できるようにしてある。 【0022】皿枠6bは賞球を受ける皿部26の両端に取付板部27,28を有し、この板部を前記基板6aの前面に添わせネジ止めすることによって結合できるようにしてあり、皿部26の右方には徐々に幅を狭め球を整列させながら前記送り口22に誘導する樋部29を連続して形成し、前縁部の右半部には飾り板30の取付部31が設けてある。そして、この取付部31の下面には樋部29の底に形成する図示しない球抜き穴を開閉する球抜きユニット32を組付け、また上記樋部29の底には打球を円滑に誘導する金属レール33を後方から縁に沿って嵌め付けるようにして装着してある。尚、32aは上記球抜き穴を開閉操作するシャッターの操作ボタンである。」 「【0037】尚、上皿枠6は閉塞されることによって連絡樋23が機構枠体2aの背面に装備する賞球放出樋に連通し、皿部26への賞球の放出を可能にする一方、送り口22を塞ぐシャッター24を開放して樋部29からの打球の供給が開かれる。その一方上皿枠6の開放と共に上記シャッター24は自動閉塞して送り口22を閉ざし皿部26からの球の零れ出しを防止することになる。」 イ 刊行物2の図面には以下の事項が記載されている。 (ア)【0020】?【0021】を参酌すると、図4からは、「上皿枠6」の奥側に立設される部材である「上皿基板6a」の正面視左上部には賞球の「放出口20」が穿設され、該「放出口20」の背面には「連絡樋23」が取り付けられることを読み取ることができる。 (イ)【0020】を参酌すると、図4からは、「上皿基板6a」に穿設された「放出口20」の正面視右側に接する、「放出口20」の横幅の約1.5倍程度の矩形領域を、前記「上皿基板6a」の表面が奥側へ凹んだ凹部とし、該凹部である矩形領域の奥側の面は、該矩形領域の左端である「放出口20」の正面視右辺に接する部分から、該矩形領域右端にかけて、前記凹みの程度、すなわち前記表面が奥側へ後退する程度が徐々に小さくなるような、傾斜面とされていることを読み取ることができる。 また、前記傾斜面により、前記「上皿基板6a」に穿設された孔部である「放出口20」の奥端から、該「放出口20」と前記凹部である矩形領域とを含む前記「上皿基板6a」表面側端の矩形状開口にかけて、徐々に開口幅が大きくなる横長のラッパ状開口形状を呈することも、読み取ることができる。 該「放出口20」のラッパ状開口形状については、図1、図2からも読み取ることができる。 ウ 上記ア、イから、刊行物2には、下記の技術事項が記載されているといえる。 (ア)【0004】には「基板に開設する賞球放出口を通して送り出される賞球をこの皿枠に受ける一方、連続して設ける樋部を通して打球送り口に球を運び背後の打球供給装置に1個づつ送り出すようにしてある」と記載され、【0020】には「上皿基板6aは・・・右半部の略中央部には打球を送り出す送り口22が開設してある」と記載され、【0022】には「皿部26の右方には徐々に幅を狭め球を整列させながら前記送り口22に誘導する樋部29を連続して形成し」と記載され、【0037】には「上皿枠6は・・・送り口22を塞ぐシャッター24を開放して樋部29からの打球の供給が開かれる」と記載されている。 これらの記載から、刊行物2には、「上皿の右方は徐々に幅を狭め遊技球を整列させながら、上皿基板6aに設けられた送り口22に誘導する樋部29となっており、該送り口22から背後の打球供給装置に遊技球を1個づつ送り出す」こと、言い換えると、「上皿基板6aには、上皿から遊技球を打球供給装置に送り出す送り口22が設けられる」ことが記載されているといえる。 (イ)上記イ(イ)によれば、図4からは、「「上皿基板6a」に穿設された「放出口20」の正面視右側に接する、「放出口20」の横幅の約1.5倍程度の矩形領域を、前記「上皿基板6a」の表面が奥側へ凹んだ凹部とし、該凹部である矩形領域の奥側の面は、該矩形領域の左端である「放出口20」の正面視右辺に接する部分から、該矩形領域右端にかけて、前記凹みの程度、すなわち前記表面が奥側へ後退する程度が徐々に小さくなるような、傾斜面とされ」、該「傾斜面により、前記「上皿基板6a」に穿設された孔部である「放出口20」の奥端から、該「放出口20」と前記凹部である矩形領域とを含む前記「上皿基板6a」表面側端の矩形状開口にかけて、徐々に開口幅が大きくなる横長のラッパ状開口形状を呈する」ことを看取できる。 ここで、「上皿基板6a」に穿設された「放出口20」は、厚みを有する該上皿基板6aを貫通するものであるから、該「放出口20」は、そこを通って供給される遊技球の流下方向に沿って、該「上皿基板6a」の裏面側に開口する入口、「上皿基板6a」の厚み分の奥行きを有し同表面側端の開口にかけて徐々に開口幅が大きくなるラッパ状の部分、及び同表面側に開口する出口、からなり、該「放出口20」は全体として、入口の開口よりも、出口の開口の方が開口幅が大きい形状を呈するといえる。 また、上記【0021】には、「上皿基板の背面には図示しない賞球放出樋に接続する舌状の連絡樋23が放出口20に連通して後向きに取付けられる」との記載があることから、前記「放出口20」の、上皿基板の背面側、即ち裏面側の前記「入口」には、「連絡樋23」が連通して取り付けられているといえる。 さらに、上記【0018】には「枠体の背面に賞球の貯留タンク15や賞球装置、セーフ球寄せや賞球放出樋等を装着してセーフ球の制御、賞球放出の制御を行う機構部を構成している」と記載されていることから、前記【0021】の「賞球放出樋に接続する舌状の連絡樋23」なる記載と合わせ読めば、前記「連絡樋23」には、賞球放出の制御を行う機構を成す賞球装置から同賞球放出樋を経て放出された賞球が流入するといえる。 よって、刊行物2には、「賞球放出の制御を行う機構を成す賞球装置から同賞球放出樋を経て放出された賞球が流入する連絡樋23が連通する放出口20の裏面の入口の開口幅よりも、放出口20の表面側端の出口の開口幅の方を大きくすること」が記載されているといえる。 (4)対比 ア 刊行物1発明の構成aにおいて、「ハンドル7の操作」は遊技者が行う操作であることが明らかである。 また、前記構成aにおいて、「遊技球を発射する」こと、「発射装置」は、それぞれ、本件補正発明の構成Aの「遊技球を打ち込む」こと、「打球発射装置」に相当する。 よって、前記構成aの「ハンドル7の操作により遊技球を発射する発射装置」は、前記構成Aの「遊技者の操作によって遊技球を打ち込む打球発射装置」に相当する。 イ 刊行物1発明の構成bの「遊技球が発射される遊技盤面」は、本件補正発明の構成Bの「遊技球が打ち込まれる遊技領域」に相当する。 よって、前記構成bの「発射装置の操作により遊技球が発射される遊技盤面」は、前記構成Bの「該打球発射装置によって遊技球が打ち込まれる遊技領域」に相当する。 ウ 刊行物1発明及び本件補正発明が属するパチンコ遊技機などの弾球遊技機の技術分野において、遊技球を遊技盤面に発射した結果としての「入賞」には、該発射した遊技球が遊技盤面上の各種入賞口などの受入口に入球することが少なくとも含まれるということが技術常識である。 そうすると、刊行物1発明の構成cにおける「遊技盤面に向けて遊技球を発射し、入賞可能」なる構成には、少なくとも「遊技盤面内に受入口を備える」構成が含まれ、同構成dにおける「入賞したとき」には、前記受入口を備える構成を前提とした、「遊技盤面に発射された遊技球が前記受入口に受け入れられたとき」が少なくとも含まれるといえる。 また、上記構成b、cの「遊技盤面」が、弾球遊技機1が当然に備える「遊技盤」の一領域であることは明らかである。 よって、前記構成cの、(「遊技盤」の)「遊技盤面に向けて遊技球を発射し、入賞可能」である構成は、「遊技盤面に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な受入口を遊技盤面内に備える遊技盤」を有する構成を含むといえる。 ここで、「受入口」には「遊技盤面」に向けて発射された遊技球が受け入れられるのであるから、該「受入口」は「遊技盤面」内に配置されているといえる。 したがって、上記イの認定事項も参照すると、前記構成cの「遊技盤面に向けて遊技球を発射し、入賞可能」であることは、前記構成Cの「該遊技領域内に配置され打ち込まれた遊技球を受入可能とされた受入口を少なくとも有する遊技盤」に相当する構成を含むといえる。 エ 刊行物1発明の構成dにおいて、「入賞したときに賞球受入口5から遊技球が送球され」るためには、該「入賞」したことに基づいて該「送球」を行うための何らかの賞球送球のための機構が備わることが自明であり、該「賞球送球のための機構」が本件補正発明の構成Dの「払出装置」に相当する。 また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において、「入賞」に伴い払い出される賞球の数が入賞種別等に基づいて制御系が定めた数であることは自明であり、該「入賞種別等に基づいて制御系が定めた数」は前記構成Dの「所定数」に相当する。 さらに、前記構成dの「入賞したとき」には本件補正発明の構成Dの「遊技盤の前記受入口への遊技球の受入れ」があったとき、が含まれることは、前項ウで説示したとおりである。 そうすると、前記構成dの「入賞したときに賞球受入口5から遊技球が送球され」るための構成は、前記構成Dの「少なくとも該遊技盤の前記受入口への遊技球の受入れに応じて所定数の遊技球を払出す払出装置」に相当するといえる。 オ 刊行物1発明の構成eによれば、「入賞したときに、賞球受入口5には・・・球排出口14から排出された遊技球が流入する」のであり、上記エで認定したとおり刊行物1発明が「賞球送球のための機構」を備えることも自明であるから、該「賞球送球のための機構」から「球排出口14」を経て「賞球受入口5」に遊技球を届ける何らかの「遊技球流路」を備えることが自明である。 そして、該「遊技球流路」は、本件補正発明の構成Eの「連絡樋」に相当する。 よって、前記構成eの「入賞したときに、賞球受入口5にはその奥の遊技機本体2側に開口する球排出口14から排出された遊技球が流入する」ことは、前記構成Eの「前記払出装置から払出された遊技球を流通させる連絡樋」を備えることに相当するといえる。 カ 刊行物1発明の構成fの「球排出口14から排出され賞球受入れ口5から送球された遊技球」、「底面が正面視左側から右方向へ向かって低くなるように傾斜する」、「上皿4」は、それぞれ、本件補正発明の構成Fの「前記連絡樋を流通した遊技球」、「底面が所定位置へ向って低くなるように傾斜する」、「貯留部」に相当する。 よって、前記構成fの「球排出口14から排出され賞球受入れ口5から送球された遊技球が収容され、底面が正面視左側から右方向へ向かって低くなるように傾斜する上皿4」は、前記構成Fの「前記連絡樋を流通した遊技球を貯留可能とすると共に底面が所定位置へ向って低くなるように傾斜する貯留部」に相当する。 キ 刊行物1発明の構成gの「上皿4の奥端に左右方向に延在して設けられた板状の壁面」が、本件補正発明の構成Gの「前記貯留部の奥側の壁を形成する奥板部」に相当することは明らかである。 ク 刊行物1発明の構成hの「球排出口14から排出された遊技球」は、上記オで説示したとおり、本件補正発明の「連絡樋」に相当する自明の構成要素として認定した「遊技球流路」を経た遊技球である。また、前記構成hの「賞球受入口5」は前記構成Hの「流入口」に相当する。 よって、前記構成hの「球排出口14から排出された遊技球を上皿4に送球する賞球受入口5」は、前記構成Hの「前記連絡樋を流通した遊技球を前記貯留部へ流入させる流入口」に相当する。 ケ 刊行物1発明の構成iの「上皿4の正面視右側には、上皿4上の遊技球を一列に転がしうる幅で、正面視右方向へ向かって低くなるように傾斜した、1列流路B」が、本件補正発明の構成Iの「前記貯留部に貯留されている遊技球を一列に整列させる傾斜部」に相当することは明らかであるといえる。 コ 刊行物1発明の構成jの「1列流路Bに一列に整列された遊技球を、その下流部で球送り装置11を介して発射装置に送球する」ことは、本件補正発明の構成Jの「前記傾斜部に整列されている遊技球を前記打球発射装置へ供給する」ことと共通する。 また、前記構成jの「弾球遊技機1」は、前記構成Jの「遊技機」に相当する。 サ 「奥板部」及び「傾斜部」に関する上記キ、ケの説示事項に基づけば、刊行物1発明の構成kの「上皿4の底面の傾斜部は、上皿4の奥端に左右方向に延在して設けられた板状の壁面に沿ってその前方に設けられて」いることは、本件補正発明の構成Kの「前記貯留部の前記傾斜部を前記奥板部の前方に形成」することに相当するといえる。 シ 本件補正発明の構成Mの特定事項において、「前記流入口の底辺の少なくとも一部とその直下の前記底面との間に」「形成」される「段差」が、「前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る」ためには、該「段差」が遊技球の外径以上であれば、遊技球の上端が前記「底辺」よりも下方に位置することとなるから、充分であるといえる。 そうすると、刊行物1発明の構成mの「遊技球の外径以上の段差」は、前記構成Mの「前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差」なる条件を満足する段差高であるといえる。 よって、前記構成mの「賞球受入口5の右端付近で、賞球受入口5の底辺と、上皿4の底面との間に、遊技球の外径以上の段差を形成」することは、前記構成Mの「一方、前記流入口の底辺の少なくとも一部とその直下の前記底面との間に、前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差を形成」すること、に相当するといえる。 ス 刊行物1発明の構成nの「5列程度の遊技球が収容される幅」は、本件補正発明の構成Nの「遊技球の外径の数倍以上の幅」なる条件を満足する。 よって、前記構成nの「平面視(上面視)で上皿4の正面視左方で賞球受入口5の手前側の部分は、該上皿4の奥端から手前側にかけて5列程度の遊技球が収容される幅を有する」ことは、前記構成Nの「前記底面のうち前記流入口の手前側の箇所における底面の奥行幅は、遊技球の外径の数倍以上の幅で形成される」ことに相当する。 セ 上記ア?スによれば、本件補正発明と刊行物1発明とは、下記(ア)の点で一致し、下記(イ)?(オ)の点で相違する。また、仮の相違点として下記(カ)の点を挙げ、合わせて検討する。 (ア)一致点 「A 遊技者の操作によって遊技球を打ち込む打球発射装置と、 B 該打球発射装置によって遊技球が打ち込まれる遊技領域、 C 及び該遊技領域内に配置され打ち込まれた遊技球を受入可能とされた受入口を少なくとも有する遊技盤と、 D 少なくとも該遊技盤の前記受入口への遊技球の受入れに応じて所定数の遊技球を払出す払出装置と、 E 前記払出装置から払出された遊技球を流通させる連絡樋と、 F 前記連絡樋を流通した遊技球を貯留可能とすると共に底面が所定位置へ向って低くなるように傾斜する貯留部と、 G 前記貯留部の奥側の壁を形成する奥板部と、 H 前記連絡樋を流通した遊技球を前記貯留部へ流入させる流入口と、 I 前記貯留部に貯留されている遊技球を一列に整列させる傾斜部と、 J’前記傾斜部に整列されている遊技球を前記打球発射装置へ供給する、遊技機であって、 K 前記貯留部の前記傾斜部を前記奥板部の前方に形成し、 M 一方、前記流入口の底辺の少なくとも一部とその直下の前記底面との間に、前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差を形成し、 N 前記底面のうち前記流入口の手前側の箇所における底面の奥行幅は、遊技球の外径の数倍以上の幅で形成される O ことを特徴とする遊技機。」 (イ)相違点1(構成J) 本件補正発明は、構成Jとして「供給口」を備えるのに対し、刊行物1発明では貯留部(上皿4)から打球発射装置(発射装置)への遊技球の供給が「供給口」を介して行われるか不明である点。 (ウ)相違点2(構成L) 本件補正発明は構成Lとして「前記払出装置から払出された遊技球が流入することとなる前記連絡樋の入口部の幅に対して、該入口部を通過して後方から前方に流下する遊技球が前記貯留部に供給されることとなる前記流入口の幅の方が広く形成され」る構成を備えるのに対し、刊行物1発明はそのような構成を備えない点。 (5)判断 ア 相違点1について 上記(2)イ(カ)で認定したとおり、刊行物1発明の「上皿4」は、「遊技機本体2に対して前方へ開く前板8に設けられており、一方」、上皿4から1列流路Bを経て遊技球が導かれる「発射装置の打球槌13は遊技機本体2側に設けられて」いることから、上皿4上の遊技球がその背後にある別体である遊技機本体2の発射装置に至るには、前板4側のなんらかの開口部分を通るほかなく、該開口部分は相違点1に係る「供給口」に相当するといえる。 よって、刊行物1発明が相違点1に係る「供給口」に相当する要素を備えることは自明であるといえるが、仮にそうでないとしても、例えば上記刊行物2には「上皿基板6aには、上皿から遊技球を打球供給装置に送り出す送り口22が設けられる」ことが記載され、該記載における「送り口22」が相違点1に係る「供給口」に相当するように、パチンコ遊技機等の弾球遊技機の分野において、上皿から発射装置への遊技球の供給が、相違点1に係る「供給口」に相当する開口要素を通じて行われることは、周知技術(以下「周知技術1」という。)であるといえるから、刊行物1発明において相違点1に係る構成を採用することは、該周知技術1に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点2について 上記(3)ウ(イ)で認定したとおり、刊行物2には「賞球放出の制御を行う機構を成す賞球装置から同賞球放出樋を経て放出された賞球が流入する連絡樋23が連通する放出口20の裏面の入口の開口幅よりも、放出口20の表面側端の出口の開口幅の方を大きくすること」が記載されている。 ここで、「賞球装置」、「連絡樋23」、「入口」、「出口」は、それぞれ、本件補正発明の構成Lの「払出装置」、「連絡樋」、「連絡樋の入口部」、「流入口」に相当する。 また、上皿への賞球放出口が前記と同様の形状を呈することについては、刊行物2のほかにも、例えば本件出願遡及日前に公知である特開平9-173570号公報(図1)、同特開平9-84935号公報の図1、同特開平9-47555号公報の図1及び図2、同特開2008-228968号公報の図1からも看取でき、パチンコ遊技機において周知の放出口形状であるといえる(以下「周知技術2」という。)。 また、前記周知の放出口形状を採用した場合、その形状からみて、放出された賞球等が幅広となった出口全幅にわたって上皿に流出し得ることになると推察されるが、刊行物1発明においてそのような構成を採用することを阻害する要因は見出せず、また、該採用の結果同様の作用効果を生じうることも明らかである。 以上のとおりであるから、刊行物1発明に刊行物2等に記載された前記周知技術2を適用して相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 ウ また、本件補正発明により奏される効果は、当業者が、刊行物1発明及び周知技術1、2から予測し得た範囲内のものであって、格別のものではない。 エ 小括 したがって、上記ア、イにおいて検討したように、本件補正発明は、刊行物1発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 オ 仮の相違点について (ア)仮の相違点(構成D、E、F、H) 上記刊行物1発明の認定では、刊行物1発明は本件補正発明の「払出装置」及び「連絡樋」なる各構成要素に相当する構成を備えることが自明であると認定したが、仮にそうとは言えないとすると、刊行物1発明が該各構成要素を備えない点でも両発明は相違することとなる。 (イ)仮の相違点についての検討 上記イで説示したとおり、本件補正発明の「払出装置」、「連絡樋」に相当する構成は刊行物2に記載されているほか、例えば本件出願の遡及日前に公知となった特開2000-140390号公報の【0043】には、 「【0043】このパチンコ機本体2では、球導出樋56で遊技球を2条に整列させ、一方の条の遊技球を賞球用とし、他方の条の遊技球を貸し球用としている。このため、球導出樋56で整列させた遊技球を、各条毎に球排出ユニット71に供給している。球排出ユニット71は、賞球の排出を行う賞球排出機構72と、貸し球の排出を行う貸球排出機構73とを備えており、これらの賞球排出機構72及び貸球排出機構73は、上記した実施形態と同様に、排出ソレノイドと排出センサと球係止片等から構成され、排出制御装置によって制御される。この球排出ユニット71の賞球出口に連通させて賞球用流下路74を下方に延設し、貸球出口に連通させて貸球用流下路75を下方に延設する。そして、賞球用流下路74の流下下端部分には球通路形成部材37の後側部分の賞球用溝部41が配設され、貸球用流下路75の流下下端部分には貸球用溝部40が配設されている。」 なる記載があり、ここで「球排出ユニット71は、賞球の排出を行う賞球排出機構72・・・を備えており、・・・この球排出ユニット71の賞球出口に連通させて賞球用流下路74を下方に延設し、・・・賞球用流下路74の流下下端部分には球通路形成部材37の後側部分の賞球用溝部41が配設され・・・ている。」と記載され、「払出装置」に相当する要素として「賞球排出機構72」が、「連絡樋」に相当する要素として「賞球用流下路74」及び「賞球用溝部41」が、それぞれ開示されている。 以上のように、本件補正発明の「払出装置」、「連絡樋」に相当する構成は、少なくともCR機など賞球が自動的に排出されるパチンコ遊技機であれば通常備わる周知の構成要素であるといえる(以下「周知技術3」という。)。 よって、上記仮の相違点の存在を認めるとしても、刊行物1に対し該仮の相違点の構成を採用することは、前記周知技術3に基づいて当業者が容易になし得たことである。 カ 審判請求人の主張について (ア)審判請求書4.(2)において審判請求人は、相違点1?2として 「・相違点1 本願発明が、「前記払出装置から払出された遊技球が流入することとなる前記連絡樋の入口部の幅に対して、該入口部を通過して後方から前方に流下する遊技球が前記貯留部に供給されることとなる前記流入口の幅の方が広く形成されて」いるのに対し、引用発明はかかる点が不明である点。 ・相違点2 本願発明が、「前記流入口の底辺の少なくとも一部とその直下の前記底面との間に、前記底面上に前記奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって該遊技球同士の谷間に前記流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差を形成し」ているのに対し、引用発明では、流入口と底面との段差の関係が不明である点。」 を挙げ、このうち相違点1(以下「請求人相違点1」という。)については「引用文献1には、流入口に連続する連絡樋の構成についてなんら記載がなくどのような構成になっているかはまったく不明です。また、連絡樋の構成については、その周囲の部材の関係などによって空きスペースなどが変更されることを考慮すると、周囲の部材の関係等を考慮して、総合的に決定するべきものなのですから、引用文献2に類似した構成が記載されているからといって、単純に引用文献1に記載された発明に適用できるといったものではない。」と主張し、相違点2(以下「請求人相違点2」という。)については、「第4図の記載からは、賞球受入れ口5の底面が水平であるのか、傾斜しているのかは明確ではありませんし、いずれの場合であっても、流入口の下流側付近の底辺とその直下の底面との間に、底面上に奥板部の前面に当接する状態に列をなして並ぶ複数個の遊技球の上側であって遊技球同士の谷間に流入口からの遊技球が転がり状態で流下し得る高さ以上の段差を形成しているかどうかを把握することは困難である」旨、主張している。 (イ)請求人相違点1について ある発明装置に対し別の公知技術を適用する際に、例えば接合部の形状や取付け空間など、適用部分の周辺構造を調整する程度のことは、当業者が通常なし得る創造性の発揮の範囲内のことである。 本件の場合についてみると、上記3.(2)イ(ア)で「図2、3より、賞球受入口5は、前板8の裏面から、遊技機本体2の球排出口14付近へ向けて突出形成されることを看取できる」と認定したとおり、刊行物1発明の前板8における賞球受入れ口5部分は奥行き方向に厚みを持って形成されており、一方で刊行物2における放出口20は、上記3.(3)イ(イ)で「「上皿基板6a」に穿設された孔部である「放出口20」の奥端から、該「放出口20」と前記凹部である矩形領域とを含む前記「上皿基板6a」表面側端の矩形状開口にかけて、徐々に開口幅が大きくなる横長のラッパ状開口形状を呈する」と認定したとおり、共に本件補正発明の「流入口」相当要素が奥行き方向に厚みのある構造を有する点で共通し、刊行物2ではこの厚み部分を「ラッパ状」に形成することで「放出口20の裏面の入口の開口幅よりも、放出口20の表面側端の出口の開口幅の方を大きくすること」(上記3.(3)ウ(イ)参照)を実現しているのであるから、この点において刊行物1発明に対し刊行物2記載の技術事項を適用することに、周辺構造上の格別な阻害要因は見出せない。 そして、上記審判請求人の主張は、前記適用にあたっての具体的な阻害要因について言及するものでもない。 よって、前記請求人相違点1について刊行物2に記載された技術事項を適用することについて、構造上の不整合をはじめとする適用にあたっての格別な阻害要因は認められず、当業者が容易に想到し得たことである点は上記3.(5)イで説示したとおりであり、上記審判請求人の主張はあたらない。 (ウ)請求人相違点2について 請求人相違点2について、刊行物1の図4及び【0016】の記載から、上皿4底面が正面視左方から右方へ下がるように傾斜しているといえることは、本件補正発明の構成Fに関し刊行物1発明との一致点として上記3.(2)エ(え)にて説示したとおりであり、審判請求人の当該主張は採用できない。 キ 小括 したがって、上記ア?オにおいて検討したように、本件補正発明は、刊行物1発明及び周知技術1?2または1?3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび 上記3.において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年11月28日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。 2.原査定における拒理の理由 原査定の拒絶の理由である理由2は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において頒布された下記の引用文献1?2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1.特開平11-042347号公報(上記刊行物1に同じ) 引用文献2.特開平09-108421号公報(上記刊行物2に同じ) 3.刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1、2の記載事項は、上記第2の3.(2)?(3)に記載したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は、本件補正発明の発明特定事項のうち、上記構成Nにおける(貯留部の)「底面のうち前記流入口の手前側の箇所における底面の奥行幅」に関して、「遊技球の外径の数倍以上の幅」を、「遊技球が2列以上並びうる幅」と程度範囲を拡張したものにあたる。 しかし、刊行物1発明は、上記第2の3.(2)エで認定したとおり、「平面視(上面視)で上皿4の正面視左方で賞球受入口5の手前側の部分は、該上皿4の奥端から手前側にかけて5列程度の遊技球が収容される幅を有する」なる構成nを備えており、ここでの「5列程度の遊技球が収容される幅」は、上記第2の3.(4)スで認定したとおり、前記構成Nの「遊技球の外径の数倍以上の幅」なる特定事項を満たすものであるから、これを拡張したものにあたる「遊技球が2列以上並びうる幅」なる特定事項を満たすことは明らかであるといえる。 よって、本願発明と刊行物1発明との間に、上記第2の3.(4)で認定した相違点1?2及び仮の相違点以外の新たな相違点は存在しない。 そして、該各相違点及び仮の相違点についての容易想到性は上記第2の(5)において判断したとおりである。 したがって、本願発明は刊行物1発明及び周知技術1?2または1?3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 5.むすび 以上のとおり、本願発明は、本願遡及日前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-03-20 |
結審通知日 | 2018-03-27 |
審決日 | 2018-04-10 |
出願番号 | 特願2015-199025(P2015-199025) |
審決分類 |
P
1
8・
55-
Z
(A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 福田 知喜 |
特許庁審判長 |
瀬津 太朗 |
特許庁審判官 |
樋口 宗彦 藤田 年彦 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | あいわ特許業務法人 |