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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A24D
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A24D
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A24D
管理番号 1341065
異議申立番号 異議2017-700379  
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-04-18 
確定日 2018-04-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6010090号発明「崩壊可能なカプセルを組み込んだ喫煙器具、崩壊可能なカプセル、及び前記カプセルの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6010090号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-15〕、〔16-29〕について訂正することを認める。 特許第6010090号の請求項1?29に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6010090号の請求項1?29に係る特許についての出願は、2006年6月21日(優先権主張外国庁受理 2005年6月21日 欧州特許庁、2005年8月5日 欧州特許庁)を国際出願日とする特願2008-517631号の一部を、平成26年5月28日に新たな特許出願とした特願2014-110193号の一部を、平成26年11月10日に新たな特許出願としたものであって、平成28年9月23日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年4月18日に特許異議申立人奥田 ひとみにより特許異議申立てがなされ、当審において平成29年7月4日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年10月2日に意見書の提出がされたものであり、その後、平成29年10月31日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、平成29年11月15日に特許異議申立人より上申書が提出され、取消理由(決定の予告)の指定期間内である平成30年2月5日に意見書の提出及び訂正の請求があり、これに対して特許異議申立人より平成30年3月15日に意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
平成30年2月5日の訂正請求書による訂正の請求は、特許第6010090号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?15、16?29について訂正することを求めるものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。

(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項1に「前記シェルは、シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、アラビアゴム、ガティガム、プルランガム、マンナンガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、」とあるのを、「前記シェルは、シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、」と訂正する。

(訂正事項2)
特許請求の範囲の請求項12に「前記シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?75質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、アラビアゴム、ガティガム、プルランガム、マンナンガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含む」とあるのを、「前記シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?75質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含む」と訂正する。

(訂正事項3)
特許請求の範囲の請求項16に「前記シェルはジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、アラビアゴム、ガティガム、プルランガム、マンナンガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、」とあるのを、「前記シェルはジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、」と訂正する。

(2)訂正の適否
(2-1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
上記訂正事項1は、訂正前の請求項1に択一的に記載されたシェルの親水性コロイドのうち、「アラビアゴム」、「ガティガム」、「マンナンガム」を削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(2-2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
上記訂正事項2は、訂正前の請求項12に択一的に記載されたシェルの親水性コロイドのうち、「アラビアゴム」、「ガティガム」、「マンナンガム」を削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(2-3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
上記訂正事項3は、訂正前の請求項16に択一的に記載されたシェルの親水性コロイドのうち、「アラビアゴム」、「ガティガム」、「マンナンガム」を削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項3は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項3は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(2-4)一群の請求項について
訂正前の請求項1?15は、請求項2?15が訂正の請求の対象である請求項1を引用する関係にあるから、訂正前において、一群の請求項に該当するものである。また、訂正前の請求項16?29は、請求項17?29が訂正の請求の対象である請求項16を引用する関係にあるから、訂正前において、一群の請求項に該当するものである。
したがって、本件訂正は、一群の請求項ごとにされたものである。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?15〕、〔16?29〕からなる一群の請求項についての訂正を認める。

3.特許異議申立について
(1)本件発明
本件訂正により訂正された訂正請求項1?29に係る発明(以下訂正請求項1?29に係る発明を「本件発明1?29」、また、これらをあわせて「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?29に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

【請求項1】
喫煙器具のフィルター中に封入される崩壊可能なカプセルであって、
前記崩壊可能なカプセルは、コアとシェルとを有し、前記コアは芳香剤を含み、
前記崩壊可能なカプセルは、ほぼ球形のシームレスカプセルであり、
前記崩壊可能なカプセルは、外径が2?8mmであり、
前記シェルの厚さは、10?500μmであり、
前記崩壊可能なカプセルは、0.5?2.5kpの初期崩壊強度Ciを有し、喫煙試験Aに供した後に0.5?2.5kpの崩壊強度Cfを維持し、
前記崩壊可能なカプセルは、喫煙試験Aに供した後、破裂前に直径の2/3未満の変形を示し、
前記シェルは、シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、該親水性コロイドにより、喫煙試験Aに供した後の前記崩壊可能なカプセルに対して前記崩壊強度及び前記変形の特性が与えられ、
前記喫煙試験Aは、HEINR BORGWALDT社製RM 4/cs喫煙機を用いて行われ、崩壊可能なカプセルを含む紙巻きタバコを、喫煙機の通常の開始位置に配置し、調整可能なパラメータを、下記のとおり設定し、
パフ容量:35ml(喫煙機に関する国際標準法において定義される)
パフ持続時間:2秒
パフ頻度:60秒
パフ掃引時間:1.8秒
排気掃引時間:1秒
紙巻きタバコが完全に喫煙されるか、又は7回若しくは8回パフされた後、試験は完了する、崩壊可能なカプセル。
【請求項2】
前記シェルの厚さが30?150μmである請求項1に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項3】
外径が3?5mmである請求項1又は2に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項4】
比率(外径/前記シェルの厚さ)が10?100である請求項1から3のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項5】
前記シェルが少なくとも1層の防湿層で被覆されている請求項1から4のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項6】
前記防湿層が、ろう、シェラック、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラテックス組成物、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物からなる群より選択される防湿剤を含む請求項5に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項7】
前記ろうが、カルバナろう、カンデリラろう、蜜ろう、及びカーボワックスから選択される請求項6に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項8】
前記防湿層がフィルム形成性のゲル化剤を含む請求項5に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項9】
前記コアが溶媒を含む請求項1から8のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項10】
前記芳香剤が知覚芳香剤である請求項1から9のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項11】
前記芳香剤が、メントール、ミント香料、及びコハク酸メンチルからなる群より選択される請求項1から9のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項12】
前記シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?75質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の前記親水性コロイドを含む請求項1から11のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項13】
前記コアの質量が、前記崩壊可能なカプセルの質量に対して50?92質量%である請求項1から12のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項14】
喫煙器具に備えられるフィルターであって、
請求項1から13のいずれかに記載の崩壊可能なカプセルがフィルターエレメント中に封入されたフィルター。
【請求項15】
燃焼物を含み、或いは受容することができる受容体と、該受容体に接続された請求項14に記載のフィルターとを備える喫煙器具。
【請求項16】
喫煙器具のフィルター中に封入される崩壊可能なカプセルであって、
前記崩壊可能なカプセルは、コアとシェルとを有し、前記コアは芳香剤を含み、前記シェルはジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、
前記崩壊可能なカプセルは、ほぼ球形のシームレスカプセルであり、
前記崩壊可能なカプセルは、外径が2?8mmであり、
前記シェルの厚さは、10?500μmであり、
前記崩壊可能なカプセルは、0.5?2.5kpの初期崩壊強度Ciを有し、喫煙試験Aに供した後に0.5?2.5kpの崩壊強度Cfを維持し、
前記崩壊可能なカプセルは、喫煙試験Aに供した後、破裂前に直径の2/3未満の変形を示し、
前記崩壊可能なカプセルは、前記シェルを被覆する防湿層を有し、該防湿層により、喫煙試験Aに供した後の前記崩壊可能なカプセルに対して前記崩壊強度及び前記変形の特性が与えられ、
前記喫煙試験Aは、HEINR BORGWALDT社製RM 4/cs喫煙機を用いて行われ、崩壊可能なカプセルを含む紙巻きタバコを、喫煙機の通常の開始位置に配置し、調整可能なパラメータを、下記のとおり設定し、
パフ容量:35ml(喫煙機に関する国際標準法において定義される)
パフ持続時間:2秒
パフ頻度:60秒
パフ掃引時間:1.8秒
排気掃引時間:1秒
紙巻きタバコが完全に喫煙されるか、又は7回若しくは8回パフされた後、試験は完了する、崩壊可能なカプセル。
【請求項17】
前記シェルの厚さが30?150μmである請求項16に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項18】
外径が3?5mmである請求項16又は17に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項19】
比率(外径/前記シェルの厚さ)が10?100である請求項16から18のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項20】
前記防湿層が、ろう、シェラック、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラテックス組成物、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物からなる群より選択される防湿剤を含む請求項16から19のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項21】
前記ろうが、カルバナろう、カンデリラろう、蜜ろう、及びカーボワックスから選択される請求項20に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項22】
前記防湿層がフィルム形成性のゲル化剤を含む請求項16から19のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項23】
前記コアが溶媒を含む請求項16から22のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項24】
前記芳香剤が知覚芳香剤である請求項16から23のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項25】
前記芳香剤が、メントール、ミント香料、及びコハク酸メンチルからなる群より選択される請求項16から24のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項26】
前記シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?75質量%の少なくとも1種類の前記親水性コロイドを含む請求項16から25のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項27】
前記コアの質量が、前記崩壊可能なカプセルの質量に対して50?92質量%である請求項16から26のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項28】
喫煙器具に備えられるフィルターであって、
請求項16から27のいずれかに記載の崩壊可能なカプセルがフィルターエレメント中に封入されたフィルター。
【請求項29】
燃焼物を含み、或いは受容することができる受容体と、該受容体に接続された請求項28に記載のフィルターとを備える喫煙器具。

(2)取消理由の概要
請求項1?29に係る特許に対して平成29年7月4日付けで特許権者に通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
なお、当該取消理由は、特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由を全て含んでいる。

ア 特許法第36条第6項第1号
本件発明1?29は、親水性コロイドとしてジェランガム及びゼラチンを含むもの以外のものについて、及び充填剤であるデキストリンを含むもの以外のものについて、発明の詳細な説明に記載されたものでないから、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。

イ 特許法第36条第4項第1号
当業者が、本件発明に係る親水性コロイドを用いて、初期崩壊強度や崩壊強度を達成するには、過度の試行錯誤を要するから、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものでなく、請求項1?29に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。

ウ 特許法第29条第2項
請求項1?29に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3?9号証記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1?29に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

甲第1号証:国際公開2005/000044号
甲第2号証:特表2007-520204号公報
甲第3号証:米国特許第4889144号明細書
甲第4号証:INTERNATIONAL STANDARD ISO3308
甲第5号証:国際公開2003/043609号
甲第6号証:特開2001-278740号公報
甲第7号証:米国特許第5614217号明細書
甲第8号証:特開昭64-060363号公報
甲第9号証:特開平07-250665号公報

(3)当審の判断
ア 特許法第36条第6項第1号について
本件発明のカプセルが有するシェルについて、請求項1には、「前記シェルは、シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み」と特定され、請求項16には、「前記シェルはジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み」と特定されている。そこで、本件発明が、このようなシェルの全てについて、当該発明の課題を解決できると認識できるか否かについて検討する。

本件発明の課題は、本件特許明細書の「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゼラチンのカプセルは優れた保存用カプセルであるが、水分に敏感であり、喫煙中に軟化するおそれがある。軟化してしまうと、ゼラチンのカプセルは、崩壊能、つまり、喫煙者がカプセル中のコアを放出させたい場合に、喫煙者が指で圧力を加えることにより、シェルを破裂させることができる能力を失う。通常、従来のゼラチンカプセルは、喫煙時の水分条件下で重大な変形を引き起こし、喫煙者が指で圧力を加えることにより、シェルを崩壊させることができなくなる。
【0006】
破裂能は、カプセルに圧力を加えて破裂させるための崩壊強度、及び加圧した場合の変形によって測定される。
【0007】
本発明のためには、24.5N(2.5kp)を上回る崩壊強度は、期待どおりの結果を得るためには高すぎると思われるため、乾燥状態の崩壊強度は、24.5N(2.5kp)を超えない。
【0008】
したがって、崩壊強度が24.5N(2.5kp)以下で、喫煙中にフィルターにもたらされる水分にさらされても崩壊能を維持することができる新規なカプセルが望まれている。」の記載から、崩壊強度が24.5N(2.5kp)以下で、喫煙中にフィルターにもたらされる水分にさらされても崩壊能を維持することができる新規なカプセルを提供することである。
そして、「【0009】
本出願人らは、カプセルの外側のシェルに選択された親水性コロイドを含ませ、且つ/又は外側のシェルを防湿層で被覆することにより、カプセルが、該喫煙器具中において、喫煙者によってもたらされる水分にさらされても崩壊能を維持することができることを見出した。
【0010】
したがって、本発明は、燃焼物、好ましくはタバコを含み、又は受容することができる受容体と、少なくとも1種類の崩壊可能なカプセルを含み、前記受容体に接続されたフィルターエレメントとを備え、該カプセルが、4.9?24.5N(0.5?2.5kp)の崩壊強度Ciを有し、4.9?24.5N(0.5?2.5kp)の崩壊強度Cfを維持し、喫煙試験Aに供した後、破裂前に直径の2/3未満の変形を示す、喫煙器具に関する(1kp=9.8Nであることは、当業者に公知である)。」と記載されていることから、カプセルが、4.9?24.5N(0.5?2.5kp)の崩壊強度Ciを有し、4.9?24.5N(0.5?2.5kp)の崩壊強度Cfを維持し、喫煙試験Aに供した後、破裂前に直径の2/3未満の変形を示すことで、本件発明の課題を解決すると理解される。
そして、本件発明1のほぼ球形のシームレスカプセルであること並びにシェルの外径及び厚さは、崩壊強度や変形に影響を与えるパラメータについて、上記本件発明の課題を解決するための前提として特定したものである。さらに、シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含むことは、シェルに用いられる様々な親水性コロイドの中から、本件発明の初期崩壊強度Ci、喫煙試験Aに供した後の崩壊強度Cf及び破裂前の変形量を満たすのに適した親水性コロイドとその含有量の範囲を特定したものと解される。ゆえに、本件発明の課題は、本件発明で特定される初期崩壊強度Ci、喫煙試験Aに供した後の崩壊強度Cf及び破裂前の変形量(以下「本件発明で求められる崩壊強度等」という。)を満たすことで解決されるものである。
そして、本件特許明細書において、具体的には、ジェランガム ケルコF:11.62% ゼラチン 260A:25.82% デキストリン結晶 Tex T648:51.65%(実施例1)、ジェランガム:13.33% ゼラチン:24.24% デキストリン CT648:60.61%(実施例3)を含有するカプセルが、本件発明で求められる崩壊強度等を有すること(【表5】、【0074】、【0075】)が記載されているのみであるが、ゼラチンは、水分に敏感であり、喫煙中に軟化するおそれがあり、喫煙者が指で圧力を加えることにより、シェルを崩壊させることができなくなること(【0005】)及び「シェルの組成物中に充填剤を含んでいてもよく」(【0031】)と記載されていることを考慮すると、ゼラチン以外の親水性コロイドであるジェランガムを4?95質量%の範囲で適宜調整して本件発明で求められる崩壊強度を満たすことが理解できる。
ここで、【0031】には、充填剤がシェルの硬化に影響を与えることが記載されているが、本件発明は崩壊強度等の範囲が特定されている発明であって、当該崩壊強度等の範囲とするために充填剤が必須であるとまではいえない。
また、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンは、本件特許明細書でシェルの成分としてジェランガムに並んで用いることができると記載されており(【0021】、【0024】)、水分に敏感とされるゼラチンとは異なり、ジェランガムと同様に多糖類に属することから、ジェランガムと同様に用いることで本件発明で求められる崩壊強度等を満たすようにできることは、当業者であれば、本件特許明細書の記載から理解できるものである。
なお、カラギーナンとアルギン酸塩とを含み、充填剤を含まないシェルについては、本件特許のもとの特許出願(以下「親出願」という。)である特願2014-110193号における平成26年11月10日付け意見書(本件特許異議申立事件における平成29年10月2日付け意見書の添付書類参照。)において、又、ジェランガムを4.22質量%含み、充填剤を含まないシェル及び2種類のカラギーナンを95.2質量%含み、充填剤を含まないシェルについては、親出願の平成27年2月5日付け意見書(本件特許異議申立事件における平成29年10月2日付け意見書の添付書類参照。)において、それぞれ本件発明で求められる崩壊強度等を満たすことが示されていることからも追認できる。

したがって、本件特許明細書には、シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含むことで、本件発明で求められる崩壊強度等を満たすことが記載されているといえるから、本件発明は本件特許明細書に記載されたものであって、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。
また、同様の理由により、本件発明2?29は、本件特許明細書に記載されたものであって、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。

イ 特許法第36条第4項第1号について
特許異議申立人は、本件発明のシェルの組成について、本件特許明細書に具体的に示されているのは、ジェランガム及びゼラチンを含み、多量のデキストリンを含むカプセルのみであり、ゼラチンを含まないカプセルの場合、本件発明に係る崩壊強度Ci及びCfを達成するには過度の試行錯誤が必要であるから、本件特許明細書には当業者がその実施ができる程度に明確かつ十分に記載されていない旨主張する。
しかし、本件発明は、ゼラチンのみでは本件発明で求められる崩壊強度等を有しない旨の本件特許明細書の記載(【0005】)を考慮すると、シェルの成分として、ジェランガムを含有させることで、本件発明で求められる崩壊強度等を満たすと理解できる。また、本件発明で特定される水溶性コロイドは、本件特許明細書でシェルの成分としてジェランガムに並んで用いることができると記載されており(【0021】、【0024】)、ジェランガムと同様の多糖類であることから、ジェランガムと同様に用いることで本件発明で求められる崩壊強度等を満たすようにできることは、当業者であれば、本件特許明細書の記載から理解できるものであって、過度の試行錯誤が必要であるとまではいえない。
したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本件発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるといえる。

ウ 特許法第29条第2項について
(ア)甲1号証の記載
甲第1号証(CLAIME 1、11、[0011]、[0055]、[0075]、[0076]、[0091]、[0092])には、
「フィルターとタバコロッドからなるシガレットのフィルター中の空洞に封入される崩壊可能なカプセルであって、
ゼラチンシェルと、該ゼラチンシェル内に含有される天然スペアミント風味剤と希釈剤の混合物からなる内部液体成分とを含み、
ほぼ球形で、連続して密封された一体形部材からなり、
直径が約3.5mmであり、
内部液体成分の容積が、全カプセル容積の80%から90%であり、
フィルターに挿入する前の破壊強さが、1500から2000(gf)の範囲である、
カプセル。」の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。

(イ)対比・判断
本件発明1と甲1発明とを対比すると、少なくとも、崩壊可能なカプセルが、本件発明1では、「シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、該親水性コロイドにより、喫煙試験Aに供した後の前記崩壊可能なカプセルに対して前記崩壊強度及び前記変形の特性が与えられ」るのに対して、甲1発明では、「ゼラチンシェル」を含み、「フィルターに挿入する前の破壊強さが、1500から2000(gf)の範囲である」点で相違する。
当該相違点について検討するに、甲第1号証の[0097]には、「たばこ内の水分レベル、およびタバコが保存され使用される下での通常の周囲条件は、これらのタバコ内のカプセルの破壊を引き起こすために、十分な水分が供給されていないか又は水にさらされていません。すなわち、水分量がカプセルのゼラチンの溶解に十分でなく、ひいてはカプセルの変形や破壊を引き起こすのに十分ではない。このように、カプセルは、カプセルが意図的に喫煙者によって破壊されるまで、通常の保存、取り扱い及び使用下で、タバコの中にその保全を保ための能力を維持しています。」(翻訳は当審による。)と記載されており、甲1発明のカプセルは、ゼラチン等を含む外殻が喫煙時の水分によって変形及び破壊が生じるとはされておらず、喫煙後においても喫煙者が指で圧力を加えることで崩壊可能なものとされている。
そうすると、甲第1号証の記載によれば、当業者は、甲1発明のカプセルは、喫煙前及び喫煙後において喫煙者が指で圧力を加えることで崩壊可能な十分な強度を有しているものと理解するから、カプセルの吸湿性に伴う軟化を防ぐという課題を認識しない。よって、甲1発明において、ゼラチンの軟化を防ぐためにジェランガム等を用いる動機付けはない。

ここで、特許異議申立人は、甲第2号証の【0061】(甲第1号証[0077])に「本発明の特定の態様を実行するのに使用できる別のカプセルおよびカプセル構成要素は、・・・、Tatenoらによる米国特許第4,889,144号、・・・に記載された種類であり、これら特許および特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。」(「・・・」は省略を意味する。)と記載されており、米国特許第4,889,144号には、外側をアルギン酸カルシウムのゲルでコーティングされたものが記載されているから、甲1発明のゼラチンに変えてアルギン酸カルシウムを用いることは当業者が容易に想到し得た旨主張する。
しかし、米国特許第4,889,144号のカプセルは、ゲル粒子にアルギン酸カルシウムコーティングを行うものであって、甲1発明のコアとシェルとを有するカプセルとは異なるタイプのカプセルであるから、甲1発明に適用することに阻害要因がある。

したがって、甲1発明において、上記相違点に係る本件発明1の事項とすることを当業者が容易になしえたとはいえず、本件発明1は、甲1発明及び他の甲各号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(ウ)本件発明2?15について
本件発明2?15は、本件発明1を更に減縮したものであるから、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、甲1発明及び他の甲各号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(エ)本件発明16?29について
本件発明16?29は、実質的に本件発明1の発明特定事項を全て含む発明であるから、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、甲1発明及び他の甲各号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

4.むすび
したがって、取消理由通知に記載した取消理由によっては、請求項1?29に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?29に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙器具のフィルター中に封入される崩壊可能なカプセルであって、
前記崩壊可能なカプセルは、コアとシェルとを有し、前記コアは芳香剤を含み、
前記崩壊可能なカプセルは、ほぼ球形のシームレスカプセルであり、
前記崩壊可能なカプセルは、外径が2?8mmであり、
前記シェルの厚さは、10?500μmであり、
前記崩壊可能なカプセルは、0.5?2.5kpの初期崩壊強度Ciを有し、喫煙試験Aに供した後に0.5?2.5kpの崩壊強度Cfを維持し、
前記崩壊可能なカプセルは、喫煙試験Aに供した後、破裂前に直径の2/3未満の変形を示し、
前記シェルは、シェルの全乾燥質量に対して4?95質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、該親水性コロイドにより、喫煙試験Aに供した後の前記崩壊可能なカプセルに対して前記崩壊強度及び前記変形の特性が与えられ、
前記喫煙試験Aは、HEINR BORGWALDT社製RM 4/cs喫煙機を用いて行われ、崩壊可能なカプセルを含む紙巻きタバコを、喫煙機の通常の開始位置に配置し、調整可能なパラメータを、下記のとおり設定し、
パフ容量:35ml(喫煙機に関する国際標準法において定義される)
パフ持続時間:2秒
パフ頻度:60秒
パフ掃引時間:1.8秒
排気掃引時間:1秒
紙巻きタバコが完全に喫煙されるか、又は7回若しくは8回パフされた後、試験は完了する、崩壊可能なカプセル。
【請求項2】
前記シェルの厚さが30?150μmである請求項1に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項3】
外径が3?5mmである請求項1又は2に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項4】
比率(外径/前記シェルの厚さ)が10?100である請求項1から3のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項5】
前記シェルが少なくとも1層の防湿層で被覆されている請求項1から4のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項6】
前記防湿層が、ろう、シェラック、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラテックス組成物、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物からなる群より選択される防湿剤を含む請求項5に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項7】
前記ろうが、カルバナろう、カンデリラろう、蜜ろう、及びカーボワックスから選択される請求項6に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項8】
前記防湿層がフィルム形成性のゲル化剤を含む請求項5に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項9】
前記コアが溶媒を含む請求項1から8のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項10】
前記芳香剤が知覚芳香剤である請求項1から9のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項11】
前記芳香剤が、メントール、ミント香料、及びコハク酸メンチルからなる群より選択される請求項1から9のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項12】
前記シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?75質量%のジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の前記親水性コロイドを含む請求項1から11のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項13】
前記コアの質量が、前記崩壊可能なカプセルの質量に対して50?92質量%である請求項1から12のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項14】
喫煙器具に備えられるフィルターであって、
請求項1から13のいずれかに記載の崩壊可能なカプセルがフィルターエレメント中に封入されたフィルター。
【請求項15】
燃焼物を含み、或いは受容することができる受容体と、該受容体に接続された請求項14に記載のフィルターとを備える喫煙器具。
【請求項16】
喫煙器具のフィルター中に封入される崩壊可能なカプセルであって、
前記崩壊可能なカプセルは、コアとシェルとを有し、前記コアは芳香剤を含み、前記シェルはジェランガム、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、プルランガム、及び改質デンプンから選択される1種類、若しくはこれらの混合物からなる少なくとも1種類の親水性コロイドを含み、
前記崩壊可能なカプセルは、ほぼ球形のシームレスカプセルであり、
前記崩壊可能なカプセルは、外径が2?8mmであり、
前記シェルの厚さは、10?500μmであり、
前記崩壊可能なカプセルは、0.5?2.5kpの初期崩壊強度Ciを有し、喫煙試験Aに供した後に0.5?2.5kpの崩壊強度Cfを維持し、
前記崩壊可能なカプセルは、喫煙試験Aに供した後、破裂前に直径の2/3未満の変形を示し、
前記崩壊可能なカプセルは、前記シェルを被覆する防湿層を有し、該防湿層により、喫煙試験Aに供した後の前記崩壊可能なカプセルに対して前記崩壊強度及び前記変形の特性が与えられ、
前記喫煙試験Aは、HEINR BORGWALDT社製RM 4/cs喫煙機を用いて行われ、崩壊可能なカプセルを含む紙巻きタバコを、喫煙機の通常の開始位置に配置し、調整可能なパラメータを、下記のとおり設定し、
パフ容量:35ml(喫煙機に関する国際標準法において定義される)
パフ持続時間:2秒
パフ頻度:60秒
パフ掃引時間:1.8秒
排気掃引時間:1秒
紙巻きタバコが完全に喫煙されるか、又は7回若しくは8回パフされた後、試験は完了する、崩壊可能なカプセル。
【請求項17】
前記シェルの厚さが30?150μmである請求項16に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項18】
外径が3?5mmである請求項16又は17に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項19】
比率(外径/前記シェルの厚さ)が10?100である請求項16から18のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項20】
前記防湿層が、ろう、シェラック、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラテックス組成物、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物からなる群より選択される防湿剤を含む請求項16から19のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項21】
前記ろうが、カルバナろう、カンデリラろう、蜜ろう、及びカーボワックスから選択される請求項20に記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項22】
前記防湿層がフィルム形成性のゲル化剤を含む請求項16から19のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項23】
前記コアが溶媒を含む請求項16から22のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項24】
前記芳香剤が知覚芳香剤である請求項16から23のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項25】
前記芳香剤が、メントール、ミント香料、及びコハク酸メンチルからなる群より選択される請求項16から24のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項26】
前記シェルが、シェルの全乾燥質量に対して4?75質量%の少なくとも1種類の前記親水性コロイドを含む請求項16から25のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項27】
前記コアの質量が、前記崩壊可能なカプセルの質量に対して50?92質量%である請求項16から26のいずれかに記載の崩壊可能なカプセル。
【請求項28】
喫煙器具に備えられるフィルターであって、
請求項16から27のいずれかに記載の崩壊可能なカプセルがフィルターエレメント中に封入されたフィルター。
【請求項29】
燃焼物を含み、或いは受容することができる受容体と、該受容体に接続された請求項28に記載のフィルターとを備える喫煙器具。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-04-18 
出願番号 特願2014-227817(P2014-227817)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (A24D)
P 1 651・ 121- YAA (A24D)
P 1 651・ 536- YAA (A24D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 仲村 靖鈴木 貴雄  
特許庁審判長 紀本 孝
特許庁審判官 山崎 勝司
佐々木 正章
登録日 2016-09-23 
登録番号 特許第6010090号(P6010090)
権利者 ヴェ. マヌ フィル
発明の名称 崩壊可能なカプセルを組み込んだ喫煙器具、崩壊可能なカプセル、及び前記カプセルの製造方法  
代理人 林 一好  
代理人 正林 真之  
代理人 正林 真之  
代理人 林 一好  

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