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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61K
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A61K
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する A61K
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する A61K
管理番号 1341338
審判番号 訂正2018-390034  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-02-20 
確定日 2018-05-17 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6272836号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6272836号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔9?26〕について訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件審判請求に係る特許第6272836号は、平成25年5月30日(パリ条約による優先権主張 2012年5月31日(EP)欧州特許庁、2012年6月15日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2015-514503号の請求項1?26に係る発明について平成30年1月12日に特許権の設定登録がなされたものであるところ、平成30年2月20日に本件審判請求がなされたものである。

2.請求の趣旨
特許第6272836号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項9?26について訂正することを認める、との審決を求める。

3.訂正事項
(1)訂正事項1
請求項9における「請求項1?8のいずれかに記載」を「請求項1?7のいずれかに記載」と訂正する。

(2)訂正事項2
請求項19における「請求項1記載」を「請求項17記載」と訂正する。

(3)訂正事項3
請求項19における「有効成分」を「有効剤」と訂正する。

4.訂正の適否の判断
(1)訂正の目的
ア 訂正事項1について
訂正前の特許請求の範囲の請求項9は「請求項1?8のいずれかに記載の医薬組成物であって、……、複数用量の乾燥粉末製剤の形態の医薬組成物。」と記載され、その末尾に「複数用量の乾燥粉末製剤の形態の医薬組成物。」と記載されるものであるにもかかわらず、請求項9が引用する請求項8の末尾には「単回用量の乾燥粉末形態の医薬組成物。」と記載されており、請求項9の記載がその引用する請求項8の記載と整合しないことから、請求項9の記載における「請求項1?8のいずれかに記載の医薬組成物であって、」が誤記であって、正しくは「請求項1?7のいずれかに記載の医薬組成物であって、」であることは明白である。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、誤記の訂正に該当し、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものである。

イ 訂正事項2及び訂正事項3について
訂正前の特許請求の範囲の請求項19は「付加的な有効成分が、……のフロ酸モメタゾンである、請求項1記載の医薬組成物。」と記載され、「付加的な有効成分」を「フロ酸モメタゾン」と特定するものであるにもかかわらず、請求項19が引用する請求項1には、「付加的な有効成分」に対応する記載がないことから、請求項19の記載に誤記が存在することは明らかである。
ここで、特許法施行規則第24条の3第4号「他の請求項の記載を引用して請求項を記載するときは、その請求項は、引用する請求項より前に記載してはならない。」により、請求項19が引用する請求項は請求項1?18のいずれかの請求項であるべきところ、そのうち「付加的な有効成分」に対応すると認められる記載がある請求項は、「付加的な有効剤」との記載がある請求項17のみである。
そして、請求項17は「M3拮抗剤、PDE IV阻害剤およびコルチコステロイドから選択される1つ以上の付加的な有効剤を有効量にてさらに含む、請求項1?16のいずれかに記載の医薬組成物。」と記載されるものであるところ、本件特許明細書の段落【0075】に「アベジテロールと組合せ得る適当なコルチコステロイドおよび糖質コルチコイドの例は、……、フロ酸モメタゾン、……である。」との記載があり、技術常識に照らして「フロ酸モメタゾン」は「コルチコステロイド」の一例であることが示されていると認められる。
また本件特許明細書の段落【0073】において「付加的な有効剤、例えば……、コルチコステロイド、……を、本発明の方法および製剤で用いてもよい。」との記載があって、本件特許明細書においては「付加的な有効成分」に対応すると認められる記載「付加的な有効剤」が用いられていると認められる。
以上から、請求項19が引用する請求項は請求項17が正しく、かつ、請求項19の記載「付加的な有効成分」は「付加的な有効剤」の誤記であることは明白である。
したがって、訂正事項2及び訂正事項3に係る訂正は、誤記の訂正に該当し、特許法第126項第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものである。

(2)その他の要件について
上記(1)に示した理由により、訂正事項1?訂正事項3に係る訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
また、訂正事項1?訂正事項3に係る訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明になるものではないから、特許法第126条第7項に規定する要件に適合するものである。

5.むすび
以上のとおり、本件審判請求による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、同法同条第5項ないし第7項に規定する要件に適合するものであるので、該訂正を認める。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アベジテロールまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と混合して含む、吸入用の乾燥粉末の形態の医薬組成物であって、吸入時に、Genuair(登録商標)吸入器で投与した1.25μg±35%または2.5μg±15%の定量名目用量の遊離塩基のアベジテロールと同等の用量を提供する、医薬組成物。
【請求項2】
アベジテロールまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と混合して含む、吸入用の乾燥粉末の形態の医薬組成物であって、吸入時に、0.81?1.69μg、好ましくは0.93?1.57μg、より好ましくは1.06?1.44μgの範囲の定量名目用量の遊離塩基のアベジテロールを提供する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
アベジテロールまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と混合して含む、吸入用の乾燥粉末の形態の医薬組成物であって、吸入時に、2.12?2.88μgの範囲の定量名目用量の遊離塩基のアベジテロールを提供する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
アベジテロールまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と混合して含む、吸入用の乾燥粉末の形態の医薬組成物であって、吸入時に、0.71?1.49μg、好ましくは0.82?1.38μg、より好ましくは0.93?1.27μgの範囲の送達用量の遊離塩基のアベジテロールを提供する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
アベジテロールまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と混合して含む、吸入用の乾燥粉末の形態の医薬組成物であって、吸入時に、1.95?2.65μgの範囲の送達用量の遊離塩基のアベジテロールを提供する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
アベジテロールまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と混合して含む、吸入用の乾燥粉末の形態の医薬組成物であって、吸入時に、0.29?0.61μg、好ましくは0.33?0.57μg、最も好ましくは0.38?0.52μgの範囲の微粒子用量であって、5μm未満の空気力学的粒子直径を有する遊離塩基のアベジテロールを提供する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
アベジテロールまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と混合して含む、吸入用の乾燥粉末の形態の医薬組成物であって、吸入時に、0.85?1.15μgの範囲の微粒子用量であって、5μm未満の空気力学的粒子直径を有する遊離塩基のアベジテロールを提供する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項1?7のいずれかに記載の医薬組成物であって、請求項1?7のいずれかに記載の単回用量のアベジテロールを含む、単回用量の乾燥粉末形態の医薬組成物。
【請求項9】
請求項1?7のいずれかに記載の医薬組成物であって、請求項1?7のいずれかに記載の用量のアベジテロールを提供するように較正した複数用量乾燥粉末吸入器で投与するための、複数用量の乾燥粉末製剤の形態の医薬組成物。
【請求項10】
上述の薬学的に許容される塩がヘミナパジシル酸塩である、請求項1?9のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
上述の薬学的に許容される担体がラクトース粒子である、請求項1?10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
アベジテロールの担体に対する重量比が1:1000?1:40000である、請求項1?11のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
アベジテロールの担体に対する重量比が1:2000?1:20000である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
有効成分としてのアベジテロールの平均粒子直径が、1.5?5μmである、請求項1?13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
担体粒子が、90?160μmのd10、170?270μmのd50および290?400μmのd90を示す、請求項1?14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
該担体粒子が、2?4μmのd10、7?10μmのd50、および15?24μmのd90を示す付加的なラクトース粒子と混合されている、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
M3拮抗剤、PDE IV阻害剤およびコルチコステロイドから選択される1つ以上の付加的な有効剤を有効量にてさらに含む、請求項1?16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
上述の付加的な有効剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、チオトロピウム、アクリジニウム、モメタゾン、フルチカゾンおよびロフルミラストから選択される、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
付加的な有効剤が、Genuair(登録商標)吸入器で投与した50?900μgの定量名目用量と同等の用量のフロ酸モメタゾンである、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項20】
フロ酸モメタゾンが、定量名目用量につき70μgの量で存在する、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
フロ酸モメタゾンが、定量名目用量につき85μgの量で存在する、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項22】
フロ酸モメタゾンが、定量名目用量につき170μgの量で存在する、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項23】
フロ酸モメタゾンが、定量名目用量につき340μgの量で存在する、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項24】
患者における喘息および慢性閉塞性肺疾患から選択される呼吸器症状の処置のための請求項1?23のいずれかに記載の医薬組成物を含む医薬の製造における、アベジテロールの使用。
【請求項25】
請求項17?23のいずれかに記載の1つ以上の付加的な有効剤と併用することを特徴する医薬の製造における、請求項24に記載のアベジテロールの使用。
【請求項26】
請求項1?23のいずれかに記載の医薬組成物の製造における、アベジテロールの使用。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-04-20 
結審通知日 2018-04-24 
審決日 2018-05-08 
出願番号 特願2015-514503(P2015-514503)
審決分類 P 1 41・ 855- Y (A61K)
P 1 41・ 854- Y (A61K)
P 1 41・ 856- Y (A61K)
P 1 41・ 852- Y (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 砂原 一公  
特許庁審判長 内藤 伸一
特許庁審判官 村上 騎見高
淺野 美奈
登録日 2018-01-12 
登録番号 特許第6272836号(P6272836)
発明の名称 アベジテロールの新規の剤形および製剤  
代理人 松谷 道子  
代理人 青山 葆  
代理人 山田 卓二  
代理人 松谷 道子  
代理人 岩崎 光隆  
代理人 青山 葆  
代理人 落合 康  
代理人 山田 卓二  
代理人 落合 康  
代理人 岩崎 光隆  

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