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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1341392
審判番号 不服2016-17754  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-28 
確定日 2018-06-13 
事件の表示 特願2014-162709「システム情報ブロードキャストにおける緊急情報」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月29日出願公開、特開2015- 19380〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2009年(平成21年)6月17日(パリ条約による優先権主張外国庁受理、2008年(平成20年)6月20日 米国)を国際出願日とする特願2011-514767号の一部を平成26年8月8日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成26年 9月 8日 手続補正書の提出
平成27年 9月30日付け 拒絶理由の通知
平成28年 2月 8日 意見書及び手続補正書の提出
平成28年 7月21日付け 拒絶査定
平成28年11月28日 拒絶査定不服審判請求及び手続補正書の
提出
平成29年 5月30日 上申書の提出

第2 平成28年11月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成28年11月28日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正の概要
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正は、特許請求の範囲の請求項9を以下のとおり補正することを含むものである。
「緊急信号を送信するように構成された基地局(BS)であって、前記BSは、
スケジューリング情報を送信するように構成された送信機であって、前記スケジューリング情報は、第1の地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)、および第2のETWS-SIBの複数のETWSサブSIBを受信するためのものであり、前記複数のETWSサブSIBは、前記第2のETWS-SIBのETWSメッセージのセグメントを含む、送信機
を備えたことを特徴とするBS。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成28年2月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項9の記載は次のとおりである。
「緊急信号を送信するように構成された基地局(BS)であって、前記BSは、
スケジューリング情報を送信するように構成された送信機であって、前記スケジューリング情報は、地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)を受信するためのものであり、ETWSメッセージは、セグメント化され、ならびにセグメントは、別々のETWS-SIBにおいて送られ、および前記ETWS-SIBのサイズに基づいてセグメント化され、前記ETWS-SIBおよび非緊急システムSIBはインタリーブされ、ならびに前記セグメントは、緊急システム情報メッセージを取得するために、処理されおよび結合される、送信機
を備えたことを特徴とするBS。」

2.補正の適否
(1)新規事項の有無、シフト補正の有無、目的要件
補正前の請求項9では、「スケジューリング情報」は、「地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)を受信するためのもの」であり、受信される「ETWSメッセージ」は、「セグメント化され、ならびにセグメントは、別々のETWS-SIBにおいて送られ、および前記ETWS-SIBのサイズに基づいてセグメント化され」ているのに対し、補正後の請求項9では「スケジューリング情報」は、「第1の地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)、および第2のETWS-SIBの複数のETWSサブSIBを受信するためのもの」であり、セグメント化されていない「第1の地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)」と「第2のETWS-SIBの複数のETWSサブSIB」を受信するものである。
つまり、補正前の請求項9ではセグメント化されたETWS-SIBを受信するのに対し、補正後の請求項9ではセグメント化されていない第1のETWS-SIBと第2のETWS-SIBの複数のETWSサブSIBを受信するものであるといえ、受信するものが相違している。

また、補正前の請求項9では「ETWS-SIBおよび非緊急システムSIBはインタリーブされ」との記載から、「地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)」と「非緊急システムSIB」が伝送されているといえるのに対し、補正後の請求項9では補正前の請求項9の発明特定事項である「ETWS-SIBおよび非緊急システムSIBはインタリーブされ」が削除されている。また、「第1の地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)、および第2のETWS-SIBの複数のETWSサブSIBを受信」との記載から、「第1の地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)」及び「第2のETWS-SIBの複数のETWSサブSIB」が伝送されているが、「非緊急システムSIB」が伝送されることが削除されている。したがって、伝送しているもの及び伝送態様が相違している。

そして、補正前の請求項9の発明特定事項である「セグメントは、緊急システム情報メッセージを取得するために、処理されおよび結合される」は、補正後の請求項9では削除されている。

したがって、本件補正の前後で、特別な技術的特徴の変更がされていることは明らかであるから、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものである。

また、これらの補正の目的は明らかに特許法第17条の2第5項第1号?第4号に規定されるいずれの事項にも該当しない。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するところはないものの、同第4項,第5項の規定に違反するものである。

(2)独立特許要件について
上記(1)のとおり、本件補正は特許法第17条の2第4項,第5項の規定に違反するものであるが、更に進めて、仮に特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものとして、本件補正後の請求項9に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下に検討する。

ア 特許法第36条第6項第2号について
(ア)補正後の請求項9の「第2のETWS-SIBの複数のETWSサブSIB」について、「サブSIB」に関しては本願明細書段落33には「緊急SIメッセージを緊急SIメッセージの内容及びサイズに基づいてSIB及び/又はサブSIBにセグメント化することができる。」と記載があるのみであり、「サブSIB」について定義は明らかでない。そして「サブSIB」は一般的な技術的用語ではないから、その技術的内容が不明確である。したがって、「ETWSサブSIB」に係る発明特定事項が不明確であり、請求項9に係る発明が不明確である。
また、同様の理由で発明の詳細な説明の記載は請求項9に係る発明を実施しうる程度に記載されているとはいえない。

(イ)したがって、本件出願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、また特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないため、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3.まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項,第5項の規定に違反するものであり、また、特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?12に係る発明は、平成28月2月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定されるところ、その請求項9に係る発明(以下「本願発明」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、以下のとおりである。
「緊急信号を送信するように構成された基地局(BS)であって、前記BSは、
スケジューリング情報を送信するように構成された送信機であって、前記スケジューリング情報は、地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)を受信するためのものであり、ETWSメッセージは、セグメント化され、ならびにセグメントは、別々のETWS-SIBにおいて送られ、および前記ETWS-SIBのサイズに基づいてセグメント化され、前記ETWS-SIBおよび非緊急システムSIBはインタリーブされ、ならびに前記セグメントは、緊急システム情報メッセージを取得するために、処理されおよび結合される、送信機
を備えたことを特徴とするBS。」

2 引用発明及び周知技術
(1)引用文献
原査定の拒絶の理由で引用されたNokia Corporation, Nokia Siemens Networks,ETWS in E-UTRAN Rel 8,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #62 R2-082441,2008.04.29(アップデート日),URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_62/Docs/R2-082441.zip(以下、「引用文献」という。)には、以下の事項が記載されている。

ア「2.1 Requirements
The requirements for ETWS are contained in [1]. It indicates that ETWS notification can consist of two parts, a primary notification part and a secondary notification part.

Primary notification should be available to UEs as soon as possible and [1] indicates that it should be delivered to UEs within 4 seconds of delivery to the PLMN. Primary notification contains limited information but as a minimum distinguishes between Tsunami and Earthquake. Secondary notification contains more information but is less urgent and a longer time period for delivery is permitted, no value is given in [1] but it is suggested that a few 10s of seconds delay could be acceptable. The specification [1] does not provide an indication of the message size that should be supported for primary or secondary notification.

An ETWS event can result in the delivery of only primary notification, only secondary notification or primary followed by secondary notification. It is thought that updates of at least secondary notification may be possible. It may also be required that the UE is made aware of the end of an ETWS event. Furthermore, it does not appear to be specified whether the cellular delivery system is required just to notify UEs when the event occurs or whether it is required to continue periodic transmission of ETWS related information for as long the ETWS event is ongoing.

The specification [1] indicates that it should be possible to prevent spoofing of ETWS alerts. SA3 has indicated [2] that this may require the addition of, of the order of, 50 bytes to primary and secondary notification content; however, operators may choose to dispense with this protection.

It has been proposed that the CBS system should be used to distribute the ETWS information to eNB. RAN3 is currently studying the solution to be used to distribute the CBS protocol to the eNB.

For RAN2 there exists the question of how much of the CBS protocol should be projected onto the air interface and how much CBS functionality should be supported in the UE i.e. should BMC capability be required in the UE.

Possibly this depends upon the solution adopted for the air interface but given the time available it seems to be highly desirable to avoid any new, BMC related, functionality in the UE in layer 2/3. In any event it is assumed here that the provision of a general CBS capability on the air interface is not intended. The information transmitted on the air interface will be constrained to being ETWS specific.

It is suggested that the eNB could receive both primary and secondary notification as distinct CBS messages, or alternatively, as write/replace of a single message. These messages could be terminated in the eNB and could trigger the appropriate air interface notification and broadcast of content. Whether the eNB simply forwards the received CBS messages on the air interface or processes them to remove redundant information would need to be decided.

The maximum message size that can be supported by CBS is 1248 bytes. The assumption here is that there is a single information message associated with each of primary and secondary ETWS notification. For primary information it could be expected that the information size could be quite small e.g. a few bits plus possibly up to 50 bytes security.For secondary notification it could be useful to know if there are limits on information size or whether up to 1248 bytes must be supported over the air interface. It would also be interesting to know how certain CBS control fields,such as the number of repeat message transmissions are to be mapped to the air interface, if at all.」(1ページ24行?2ページ14行)
(当審仮訳:2.1要件
ETWSのための要件は[1]に含まれています。これは、ETWS通知がプライマリ通知とセカンダリ通知の2つの部分で構成できることを示します。

プライマリ通知は、できるだけ早くUEに利用可能でなければならず、[1]はPLMNへの配信から4秒以内にUEに配信されるべきであることを示す。プライマリ通知には限られた情報が含まれていますが、少なくとも津波と地震を区別します。セカンダリ通知にはより多くの情報が含まれていますが、緊急性は低く、配信に時間がかかることが許されており、[1]には数値はありませんが、数10秒の遅延が許容されることが提案されています。仕様[1]は、プライマリ通知又はセカンダリ通知のためにサポートされるべきメッセージサイズの指示を提供しません。

ETWSイベントは、プライマリ通知のみ、セカンダリ通知のみ、又はプライマリに続きセカンダリ通知に配信されることができます。少なくともセカンダリ通知の更新が可能であると考えられる。また、UEがETWSイベントの終了を認識することが必要とされてもよい。さらに、イベントが発生したときにセルラー配信システムがUEに通知する必要があるかどうか、又はETWSイベントが進行中である間、ETWS関連情報の定期的な送信を継続する必要があるかどうかは指定されていないようです。

仕様[1]は、ETWSアラートのなりすましを防ぐことができるべきであることを示しています。SA3は、これには、プライマリ通知及びセカンダリ通知の内容に50バイトを追加する必要があることを[2]に示している。ただし、オペレータはこの保護を不要にすることもできます。

ETWS情報をeNBに配信するためにCBSシステムを使用すべきであると提案されている。RAN3は現在、CBSプロトコルをeNBに配信するために使用される解決策を検討しています。

RAN2には、どのくらいのCBSプロトコルがエアインターフェースに投影されるべきか、どのくらいのCBS機能がUEでサポートされるべきか、すなわちBMC能力がUEにおいて要求されるべきかという問題が存在する。

おそらく、これは、エアインターフェースに採用された解決策に依存するが、利用可能な時間が与えられれば、レイヤ2/3において、UEにおける新しいBMC関連機能性を避けることが非常に望ましいと思われる。いずれにしても、エアインターフェース上の一般的なCBS能力の提供は意図されていないものと仮定する。エアインターフェイス上で送信される情報はETWSに限定されます。

eNBは、プライマリ通知とセカンダリ通知の両方の通知を別個のCBSメッセージとして受信するか、あるいは単一のメッセージの書き込み/置換として受信することができます。これらのメッセージは、eNBで終端することができ、適切なエアインタフェース通知及びコンテンツのブロードキャストをトリガすることができる。eNBが、受信したCBSメッセージを無線インタフェース上に単に転送するか、又は冗長な情報を除去するためにそれらを処理するかどうかは、決定される必要がある。

CBSでサポートできる最大メッセージサイズは1248バイトです。ここでは、プライマリETWS通知とセカンダリETWS通知のそれぞれに関連する単一の情報メッセージが存在すると仮定します。プライマリ情報のために、情報サイズは非常に小さくてもよいと予想される。数ビットに最大50バイトのセキュリティを加えたものです。セカンダリ通知の場合、情報サイズに制限があるか、無線インタフェースで最大1248バイトをサポートする必要があるかどうかを知ることは有用です。例えば、繰り返しメッセージ送信の数のようなある特定のCBS制御フィールドがエアインタフェースにどのようにマッピングされるかどうかを知ることも興味深い。)


イ「2.2 Potential transmission methods in E-UTRAN
Any solution adopted within E-UTRAN must provide a number of features:

-The UE must be alerted to the occurrence of a primary or secondary ETWS event,

-The UE must be informed where and when to receive any associated broadcast information, and when it has received all of the available information, unless it is to receive continuously during the ETWS broadcast period.

-UEs entering a cell or powering up must be alerted to an ongoing ETWS event and how to obtain the broadcast information, should this functionality be required.

There appear to be three potential solutions:

-Utilising the existing system information capability

-Introducing a new, ETWS specific, alerting and DL-SCH based information broadcasting system

-Confining E-UTRAN capability to simply alerting the UE and requiring fall-back to UTRAN for the delivery of (secondary) information.」(2ページ15行?27行)
(当審仮訳:2.2 E-UTRANにおける潜在的な送信方法
E-UTRAN内で採用される解決策は、多くの機能を提供しなければならない。

-UEは、プライマリ又はセカンダリETWSイベントの発生をアラートされなければならない,

-ETWSブロードキャスト期間中に連続して受信する場合を除いて、UEは、関連するブロードキャスト情報をいつ、どこで受信し、いつ利用可能なすべての情報を受信したかを通知されなければならない。

-セルに入っているか又は起動中のUEは、進行中のETWSイベントとどのようにブロードキャスト情報を取得するかをアラートされなければならない。この機能が必要とされるべき。

潜在的な解決策は3つあります。

-既存のシステム情報機能を活用する

-新しいETWS特有のアラート及びDL-SCHベースの情報放送システムの導入

-E-UTRAN能力を単にUEにアラートすることに限定し、(第2)情報の配信のためにUTRANにフォールバックすることを必要とする。)

ウ「2.2.1 Utilising the existing system information capability
The use of the existing system information capability possibly represents the most direct method of providing an ETWS capability within the Rel 8 time-frame but there appears to be potential limitations in the capacity available for secondary notification and, possibly, in meeting the 4s target for primary notification.

It is assumed that:

-Secondary and also possibly primary notification information could be broadcast in ETWS specific SI message(s).

-UEs can be alerted to the existence of an ETWS event via the ‘change of system information’ notification capability already provided via the paging mechanism (idle state) and SC-RNTI transmission on PDCCH (connected state). The ‘change of system information’ notification procedure can be used to indicate a revision of secondary information content and, coupled with the removal of the ETWS specific SI messages could also indicate the end of ETWS alerting.

If the security overhead is omitted it may be possible to indicate a limited number of information bits e.g. whether the event is a tsunami or earthquake in the initial alert signal. This would require an ETWS specific paging indication and use of an ETWS specific RNTI on the PDCCH and would take the initial alert outside of the SI change signalling, although it would trigger SI acquisition.

-The SI scheduling capability that is contained in SI-1 will indicate when the UE should receive the ETWS specific SI messages.

-For UEs entering cells in the ETWS reporting area and UEs powering up, the presence of the ETWS related SIs within the system information broadcast could trigger the ETWS alert procedure. The value tag could indicate any revision following an absence from the cell.

In principle, it would appear that the capabilities required to provide an ETWS notification and broadcasting capability already exist within the system information mechanism. It is not clear whether ETWS primary and secondary notification information is required to be transmitted simultaneously and if so whether this requires two or one dedicated SI messages. Possibly, if the information size associated with primary notification is small e.g. a few bits rather than the 50 bytes indicated by SA3 then accommodation within an existing SIB e.g. SIB-1 could be possible.

From the UE perspective, higher layer ETWS functionality would be activated and updated by the receiving of the ETWS specific SI by RRC.

There appears to be, however, potential weaknesses of the system information solution, specifically:

-The time delays incurred by the UE obtaining a change of system information are dependent of the length of the modification period in the cell and the SC-RNTI monitoring interval. Whilst the length of a modification period is still open the understanding here is that it could be quite large at least much larger than 4s. In areas where the ETWS capability is deployed it may be necessary to operate with modification periods that are much smaller than would otherwise be the case.

-The capacity of system information messages can be limited particularly if there is a 50 byte security overhead.For low bandwidth (1.4MHz) cells the capacity of a system information message is limited to 150 bytes [3], increasing to 900 bytes if the bandwidth is 10 MHz. This implies that for low bandwidth cells a single system information block may be compatible with primary notification but not have sufficient capacity for secondary notification. For higher bandwidth cells it seems possible that a single system information block could carry secondary information content even if this were to occupy almost the capacity of a CBC message.

One solution to the lack of capacity in a single SIB in low bandwidth cells could be to use multiple SIBs (with different identities). The CBC message could be segmented by the eNB and re-assembled by the higher layer from the information forwarded to it by RRC. However, it could be useful to clarify what message sizes UEs will need to support for ETWS. If reducing the 50 byte security overhead appears to be of critical importance then SA3 could be asked if some reduction in size would be possible.」(2ページ28行?3ページ22行)
(当審仮訳:2.2.1既存のシステム情報機能を活用する
既存のシステム情報機能を使用することは、Rel8のタイムフレーム内でETWS機能を提供する最も直接的な方法であるが、セカンダリ通知及びおそらくプライマリ通知のための4秒の目標を達成する上で、利用可能な機能に潜在的な限界があります。

次のように仮定します。

-セカンダリ通知情報と場合によってはプライマリ通知情報がETWS特有のSIメッセージでブロードキャストされることができる。

-UEは、ページング機構(アイドル状態)及びPDCCH上のSC-RNTI送信(接続状態)によって既に提供されている「システム情報の変更」通知機能によって、ETWSイベントの存在をアラートすることができる。「システム情報の変更」通知手順は、セカンダリ情報内容の改訂を示すために使用することができ、ETWS特有のSIメッセージの除去と共にETWS警告の終了を示すことができる。

セキュリティオーバヘッドが省略された場合、例えば最初のアラート信号でイベントが津波か地震かの限定された数の情報ビットを示すことが可能である。これは、ETWS特有のページング指示とPDCCH上のETWS特有のRNTIの使用を必要とし、SI取得をトリガするが、SI変更通知の外で初期警告を得るだろう。

-SI-1に含まれるSIスケジューリング機能は、UEがいつETWS特有のSIメッセージを受信すべきかを示す。

-ETWS報告領域のセルに入っていてパワーアップしているUEのため、システム情報ブロードキャスト内のSIに関連するETWSの存在は、ETWSアラート手順をトリガすることができた。値タグは、セルからの不在後の修正を示すことができます。

原則として、ETWSの通知とブロードキャスト機能を提供するために必要な機能は、すでにシステム情報メカニズム内に存在するように思われる。ETWSのプライマリ通知情報及びセカンダリ通知情報が同時に送信される必要があるかどうか、もし必要なら2つか1つの専用のSIメッセージが必要かどうかが明らかで無い。おそらく、プライマリ通知に関連する情報のサイズが小さい場合、例えば、SA3によって示された50バイトよりも少ないビットの場合、既存のSIB例えばSIB-1内に収容が可能である。

UEの観点からは、上位層のETWS機能は、RRCによるETWS特有のSIの受信によって起動され、更新される。

しかしながら、特にシステム情報ソリューションの潜在的な弱点が次のようにあります。

-UEがシステム情報の変更を取得することによって発生する時間遅延は、セル内の修正期間の長さ及びSC-RNTI監視間隔に依存する。修正期間の長さがまだオープンの間に、ここでの理解は、少なくとも4秒よりもかなり大きい場合があることです。ETWS機能が導入されている地域では、そうでない場合よりもはるかに小さい変更期間で運用する必要があります。

-システム情報メッセージの容量は、50バイトのセキュリティオーバーヘッドがある場合に特に制限されます。低帯域幅(1.4MHz)セルのため、システム情報メッセージの容量は150バイトに制限され[3]、帯域幅が10MHzの場合は900バイトに増加します。これは、低帯域幅セルのため、単一のシステム情報ブロックがプライマリ通知と共存できるかもしれないが、セカンダリ通知のための十分な容量を有さないことを意味する。高い帯域幅のセルのため、たとえこれがCBCメッセージの容量をほとんど占有していたとしても、単一のシステム情報ブロックがセカンダリ情報コンテンツを搬送する可能性があると思われる。

低帯域幅セル内の単一のSIBにおける容量の欠如に対する1つの解決策は、(異なるアイデンティティを有する)複数のSIBを使用することであり得る。CBCメッセージは、eNBによってセグメント化され、RRCによって転送された情報から上位レイヤによって再アセンブルされることができる。しかしながら、UEがETWSをサポートするために必要なメッセージサイズを明確にすることは有益です。50バイトのセキュリティオーバーヘッドを削減することが重要であると思われる場合は、SA3にサイズの縮小が可能かどうかをに尋ねることができます。)

上記の摘記した引用文献の記載及び当業者における技術常識からみて、次の事項が引用文献には記載されていると認められる。

ETWSはEarthquake and Tsunami Warning Systemの略称であることは技術常識であるから、ETWS通知が緊急信号であるといえる。
アの1段落目及び8段落目の記載によればeNBはETWS通知であるプライマリ通知とセカンダリ通知の両方の通知をCBSメッセージとして受信しているといえる。また、アの8段落目の「eNBが、受信したCBSメッセージを無線インタフェース上に単に転送する」という記載、ウの3段落目の「セカンダリ通知情報と場合によってはプライマリ通知情報がETWS特有のSIメッセージでブロードキャストされることができる。」という記載、ウの「2.2.1」のタイトルの「既存のシステム情報機能が活用」という記載と記載ウの8段落目の「原則として、ETWSの通知とブロードキャスト機能を提供するために必要な機能は、すでにシステム情報メカニズム内に存在するように思われる」という記載及び「既存のシステム情報機能ではeNBからUEにシステム情報SIがブロードキャスト送信される」という技術常識によれば、eNBはETWS通知であるプライマリ通知とセカンダリ通知を受信し、eNBがETWS通知であるプライマリ通知とセカンダリ通知の両方をUEに送信するように構成されているといえる。
したがって、引用文献には「緊急信号であるETWS通知を送信するように構成されたeNB」が記載されているといえる。

イの6段落目及びウの「2.2.1」のタイトルには「既存のシステム情報機能が活用」と記載されている。そして、既存のシステム情報機能においては「SI-1はeNBから送信されるシステム情報である」ことは技術常識であるから、eNBは「システム情報であるSI-1を送信するように構成された送信機」を備えているといえる。
そして、ウの6段落目の「SI-1に含まれるSIスケジューリング機能は、UEがいつETWS特有のSIメッセージを受信すべきかを示す。」という記載によれば、「UEがいつETWS特有のSIメッセージを受信すべきかを示す」はスケジューリング情報といえるから、SI-1にスケジューリング情報が含まれているといえる。
したがって、引用文献の「eNBはスケジューリング情報を送信するように構成された送信機」が備えられているといえる。
さらに、ウの6段落目の記載によれば、SI-1に含まれているスケジューリング情報は「ETWS特有のSIメッセージを受信するためものである」といえ、ウの3段落目の記載によれば、ETWS特有のSIメッセージにはセカンダリ通知が含まれているといえ、ウの12段落目及び13段落目によれば、セカンダリ通知がSIBで構成されていることが明らかであるから、「スケジューリング情報は、セカンダリ通知を構成するSIBを受信するためのものである」といえる。
したがって、引用文献には「eNBは、スケジューリング情報を送信するように構成された送信機であって、前記スケジューリング情報は、セカンダリ通知を構成するSIBを受信するためのものであ」る「、送信機を備えたeNB」が記載されているといえる。

アの2段落目とウの12段落目の記載によればセカンダリ通知は多くの情報が含まれており、ウの13段落目によればセカンダリ通知のための十分な容量を有さないときには複数のSIBにセグメント化してeNBが別々のセカンダリ通知を構成するSIBにおいて送信しているといえる。またSIBの最大サイズより小さくセグメント化しなければいけないことは技術常識であるから、セカンダリ通知はSIBのサイズに基づいてセグメント化されているといえる。そして受信側のUEにおいてセグメント化されたSIBはセカンダリ通知を取得するために処理され結合されることは技術常識から明らかである。
したがって、引用文献には「セカンダリ通知は、セグメント化され、ならびにセグメントは、別々のセカンダリ通知を構成するSIBにおいて送られ、および前記SIBのサイズに基づいてセグメント化され、ならびに前記セグメントは、セカンダリ通知を取得するために、処理されおよび結合される」ものであることが記載されているといえる。

以上を総合すると、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

(引用発明)
「緊急信号であるETWS通知を送信するように構成されたeNBであって、前記eNBは、
スケジューリング情報を送信するように構成された送信機であって、前記スケジューリング情報は、セカンダリ通知を構成するSIBを受信するためのものであり、セカンダリ通知は、セグメント化され、ならびにセグメントは、別々のセカンダリ通知を構成するSIBにおいて送られ、および前記SIBのサイズに基づいてセグメント化され、ならびに前記セグメントは、セカンダリ通知を取得するために、処理されおよび結合される、送信機
を備えたeNB。」

(2)周知技術
電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったNTT DoCoMo, Inc.,Summary of email discussion on System Information scheduling,3GPP TSG-RAN WG2#62 R2-082625,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_57/Docs/R1-091801.zip,2008年5月3日(アップデート日)(以下、「周知例1」という。)には、図面としてFig.1(c)が記載されている。


また、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったNokia Corporation, Nokia Siemens Networks,System Information offset and transmission window,3GPP TSG-RAN RRC Adhoc Meeting R2-083001,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2008_06_RRC_LTE/Docs/R2-083001.zip,2008年6月2日(アップデート日)(以下、「周知例2」という。)には、図面としてFigure1bが記載されている。


周知例1及び周知例2に示される図面から明らかなように、SI-2、SI-3、SI-4を送信するウインドウについてSI-2、SI-3、SI-4はお互いが重ならないように配置され、SI-2の間にSI-3、SI-4が配置されており、SI-3の間にSI-2、SI-4が配置されていることが読み取れる。
したがって、「複数のSIを重ならないように送信する際にはSIの送信の間に他のSIの送信が配置されること。」(以下、「周知技術」という。)という技術は、本件優先日前に既に周知であると認められる。

3 対比及び判断
本願発明と引用発明を対比すると、

(1)引用発明の「緊急信号であるETWS通知」は、本願発明の「緊急信号」に相当する。
(2)引用発明の「eNB」は基地局であるから、本願発明の「基地局(BS)」に相当する。
(3)引用発明の「セカンダリ通知」はETWS通知であり、SIBで構成されていることから、引用発明の「セカンダリ通知を構成するSIB」は、本願発明の「地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)」に相当する。
(4)本願発明の「ETWSメッセージ」は基地局でセグメント化され受信側でセグメントが処理され結合されることで「緊急システム情報メッセージ」となることから、本願発明の「ETWSメッセージ」と「緊急システム情報メッセージ」に表現上の差異はあるが実質的差異はない。そして引用発明の「セカンダリ通知」については「2 引用発明及び周知技術」の「(1)引用文献」の「ア」の8段落目に「eNBは、プライマリ通知とセカンダリ通知の両方の通知を別個のCBSメッセージとして受信するか、あるいは単一のメッセージの書き込み/置換として受信することができます。」と記載されているようにセカンダリ通知はメッセージであり、eNBでセグメント化され受信側でセグメントが処理され結合されるメッセージである。したがって、引用発明の「セカンダリ通知」は本願発明の「ETWSメッセージ」と「緊急システム情報メッセージ」とに相当する。

以上を総合すると、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
「緊急信号を送信するように構成された基地局(BS)であって、前記BSは、
スケジューリング情報を送信するように構成された送信機であって、前記スケジューリング情報は、地震および津波警報システム(ETWS)-システム情報ブロック(ETWS-SIB)を受信するためのものであり、ETWSメッセージは、セグメント化され、ならびにセグメントは、別々のETWS-SIBにおいて送られ、および前記SIBのサイズに基づいてセグメント化され、ならびに前記セグメントは、緊急システム情報メッセージを取得するために、処理されおよび結合される、送信機
を備えたBS。」

(相違点)
ETWS-SIBについて、本願発明ではETWS-SIBおよび非緊急システムSIBはインタリーブされているのに対し、引用発明では当該構成が明らかにされていない点。

以下、相違点について検討する。
まず、本願明細書を参酌しても「インターリーブ」についての定義は特にされておらず、「インターリーブ」の通常の意味を参酌すると、「複数のSIを重ならないように送信する際にはSIの送信の間に他のSIの送信が配置される」状態が含まれると解される。そして上記「2 引用発明及び周知技術」にて「(2)周知技術」として示したように、「複数のSIを重ならないように送信する際にはSIの送信の間に他のSIの送信が配置されること」は本件優先日前に既に周知である。
してみれば、引用発明において周知技術を採用し、ETWS-SIBおよび非緊急システムSIBがインタリーブされるようにすることは、格別困難なことではなく、当業者が適宜なし得ることである。

また、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から当業者が予測し得る範囲内のものである。

そうすると、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-01-11 
結審通知日 2018-01-16 
審決日 2018-01-29 
出願番号 特願2014-162709(P2014-162709)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (H04W)
P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 倉本 敦史  
特許庁審判長 菅原 道晴
特許庁審判官 中木 努
海江田 章裕
発明の名称 システム情報ブロードキャストにおける緊急情報  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  

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