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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1341569
審判番号 不服2017-12213  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-17 
確定日 2018-06-18 
事件の表示 特願2014-235276号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月30日出願公開、特開2016- 96953号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年11月20日の出願であって、平成27年12月25日付けで拒絶理由が通知され、平成28年3月3日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、同年9月2日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年11月7日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、平成29年4月27日付けで平成28年11月7日付け手続補正書でした補正についての補正の却下の決定がなされ、同日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年8月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成29年8月17日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成29年8月17日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
本件補正により、平成28年3月3日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1は削除され、請求項2に係る発明である、
「各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出する変動表示手段を有し、予め定められた特別表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
遊技に関連して発生する所定信号に基づいて発生する第1始動保留球及び第2始動保留球を含む複数の始動保留球を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を有し、
前記変動表示手段は、前記保留記憶手段に記憶されている始動保留球を表示し、前記第1始動保留球を通常態様から特定態様へ変化させて表示させる際、前記第2始動保留球を通常態様から特定態様へ変化させて表示させるに比べ信頼度が高くなったことを表現するため、当該第1始動保留球にその第1始動保留球の色に近い発光表現を施し、もって、メタリックカラーを表現して表示させてなる遊技機。」が、

補正後の請求項1に係る発明の
「各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出する変動表示手段を有し、予め定められた特別表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
遊技に関連して発生する所定信号に基づいて発生する第1始動保留球及び第2始動保留球を含む複数の始動保留球を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を有し、
前記変動表示手段は、
複数の始動保留球を表示する場合に、前記第1始動保留球と前記第2始動保留球とを隣接して表示可能であり、かつ前記第1始動保留球を通常態様とは異なる特定態様で表示可であり、
前記第1始動保留球を前記特定態様で表示する場合に、遊技者にメタリックカラーであることを認識させるために、当該第1始動保留球に重なるように、かつ隣接する前記第2始動保留球に重ならないように発光表現を施し、もって、メタリックカラーを表現して表示させてなる遊技機。」と補正された。(下線は補正箇所を示す。)

そして、この補正は、「変動表示手段」を「メタリックカラーを表現して表示させ」るための構成について、本件補正前の請求項2に係る発明においては、
「前記保留記憶手段に記憶されている始動保留球を表示し、前記第1始動保留球を通常態様から特定態様へ変化させて表示させる際、前記第2始動保留球を通常態様から特定態様へ変化させて表示させるに比べ信頼度が高くなったことを表現するため、当該第1始動保留球にその第1始動保留球の色に近い発光表現を施」すとしていたのに対して、本件補正後においては、
「複数の始動保留球を表示する場合に、前記第1始動保留球と前記第2始動保留球とを隣接して表示可能であり、かつ前記第1始動保留球を通常態様とは異なる特定態様で表示可であり、
前記第1始動保留球を前記特定態様で表示する場合に、遊技者にメタリックカラーであることを認識させるために、当該第1始動保留球に重なるように、かつ隣接する前記第2始動保留球に重ならないように発光表現を施」すとした補正である。

2 本件補正の目的についての検討
本件補正前の請求項1に係る発明は予告演出パターンの画像に関する発明であり、請求項2に係る発明が始動保留球の表示に関する発明であるのに対して、本件補正後の請求項1に係る発明は始動保留球の表示に関する発明であることから、本件補正による特許請求の範囲の補正は、本件補正前の請求項1を削除し、また、本件補正前の請求項2を本件補正後の請求項1に、上記「1」で述べたように補正したものである。
上記の本件補正前の請求項2を本件補正後の請求項1に補正した補正事項によって、「メタリックカラーを表現して表示させてなる」ことに関し、本件補正前の請求項2に係る発明における、「信頼度が高くなったことを表現するため」であるとの特定事項、及び、「第1始動保留球にその第1始動保留球の色に近い発光表現を施」すとする特定事項は、本件補正後においては特定されなくなったから、その点において、上記補正事項は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるということができない。また、上記補正事項が、請求項の削除、誤記の訂正又は明瞭でない記載の釈明を目的とするものでないことは明らかであるから、本件補正による上記補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものである。よって、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定によって却下されるべきものである。

3 独立特許要件違反についての検討
上記「2」で述べたように、本件補正は却下されるべきものであるが、ここで念のため、仮に本件補正が特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものと仮定し、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反しないか)について検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記「1」に記載された次のとおりのものである(A?Eは、本願補正発明を分説するために当審で付した)。
「A 各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出する変動表示手段を有し、予め定められた特別表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
B 遊技に関連して発生する所定信号に基づいて発生する第1始動保留球及び第2始動保留球を含む複数の始動保留球を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を有し、
C 前記変動表示手段は、
D 複数の始動保留球を表示する場合に、前記第1始動保留球と前記第2始動保留球とを隣接して表示可能であり、かつ前記第1始動保留球を通常態様とは異なる特定態様で表示可であり、
E 前記第1始動保留球を前記特定態様で表示する場合に、遊技者にメタリックカラーであることを認識させるために、当該第1始動保留球に重なるように、かつ隣接する前記第2始動保留球に重ならないように発光表現を施し、もって、メタリックカラーを表現して表示させてなる遊技機。」

(2)引用文献に記載された事項
ア 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された引用文献である特開2014-171680号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は当審において付したものである。)

「【請求項1】
所定の始動条件の成立に応じて複数種類の識別情報を可変表示させ、表示結果を導出する可変表示手段を備え、導出された表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
未だ実行されていない識別情報の可変表示に対応する保留情報を記憶する保留記憶手段と、
識別情報の可変表示を開始させるときに、保留情報に基づいて表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて複数段階の選択処理により識別情報の可変表示の可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段と、
前記可変表示パターン決定手段の決定結果に基づき識別情報の可変表示を実行する表示制御手段と、
前記保留記憶手段に記憶された保留情報に対応する保留表示を保留表示部に表示する保留表示手段と、
可変表示を開始させるときに該可変表示に対応する保留表示を所定の消化時表示部に移動表示させる消化時表示手段と、
保留情報について可変表示パターンの選択処理の結果の一部を含む所定判定を行う事前判定手段と、
保留表示部に表示される保留表示の表示態様を予告態様に変化させることにより、該保留表示に対応する識別情報の可変表示が特定表示結果となる可能性を示唆する保留変化予告を実行する保留変化予告実行手段と、
消化時表示部に移動表示される保留表示の表示態様を予告態様に変化させることにより、開始された識別情報の可変表示が特定表示結果となる可能性を示唆する消化時変化予告を実行する消化時変化予告実行手段と、
前記保留変化予告により変化させる予告態様を、該保留情報に対応する事前判定結果に基づいて決定する保留変化予告決定手段と、
前記消化時変化予告により変化させる予告態様を、前記保留変化予告決定手段の決定結果と、開始される識別情報の可変表示の可変表示パターンと、に基づいて決定する消化時変化予告決定手段と
を備えることを特徴とする遊技機。」

「【0288】
図32、図33は、画像表示装置5における表示動作例を示す図である。具体的には、図32(A)の(a)?(d)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。図32(B)の(e)?(f)、図33の(a)?(d)についても同様である。なお、図32、図33において画像表示装置5内の矢印「↓」は、飾り図柄が変動中であることを表している。
【0289】
図32の(a)は、今回保留表示エリアに保留表示M0(白色)が表示され、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示M1(白色)、保留表示M2(白色)、及び、保留表示M3(白色)が表示されている場面である。図32の(a)の場面から、第1始動入賞口を遊技球が1個通過(進入)して第1始動条件が成立した場合、CPU103は、第1保留記憶数を「4」に更新する(ステップS215)。CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し(ステップS217)、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特図表示結果を判定する(ステップS403、ステップS404)。例えば、特図表示結果として「ハズレ」を判定したものとする。CPU103は、特図表示結果「ハズレ」と保留記憶数「4」とに基づいて、複数の変動カテゴリ決定テーブル(図17)のなかから変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL3」を選択し(図16)、変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL3」と変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて変動カテゴリを判定する(ステップS412)。例えば、変動カテゴリ「PA1(短縮 非リーチ(ハズレ))」を判定したものとする。CPU103は、変動カテゴリ「PA1」を指定する変動カテゴリコマンドの送信を設定し(ステップS413)、コマンド制御処理(ステップS17)を実行することによって変動カテゴリ「PA1」を指定する変動カテゴリコマンドなどが主基板11から演出制御基板12に伝送される。
【0290】
主基板11から変動カテゴリ「PA1」を指定する変動カテゴリコマンドなどを受信した演出制御用CPU120は、変動カテゴリ「PA1」に基づいて、複数の保留表示態様決定テーブル(図26)のなかから保留表示態様決定テーブル「H-TBL1」を選択し(図25)、保留表示態様決定テーブル「H-TBL1」と保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6とに基づいて保留表示の表示態様をする(ステップS160)。例えば、「白色」を決定したものとする。演出制御用CPU120は、「白色」の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。図32の(b)は、保留表示M0による確定飾り図柄が停止表示される前に上述の「白色」の保留表示M4が追加された場面である。図32の(c)は、保留表示M0による確定飾り図柄(「4」「8」「2」)が停止表示された場面である。
【0291】
図32の(c)の場面から保留表示M1、保留表示M2、保留表示M3による確定飾り図柄が停止表示された後に、保留表示M4について第1開始条件が成立したときは、CPU103は、再度、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出するとともに、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。続いて、CPU103は、当該開始条件に係る特図表示結果「ハズレ」と、現在の保留記憶数「1」とに基づいて、複数の変動カテゴリ決定テーブル(図17)のなかから変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL1」を選択し(図16)、変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL1」と変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて変動カテゴリを判定する。例えば、変動カテゴリ「PA2(非リーチ(ハズレ))」を判定したものとする。CPU103は、変動カテゴリ「PA2」に基づいて、複数の変動パターン決定テーブル(図20)のなかから変動パターン決定テーブル「P-TBL2」を選択し(図19)、変動パターン決定テーブル「P-TBL2」と変動パターン決定用の乱数値MR5とに基づいて変動パターンを決定する。例えば、変動パターン「PA2-3(擬似連変動1回非リーチ(ハズレ))」を決定したものとする。CPU103は、変動パターン「PA2-3」を指定する変動パターン指定コマンドの送信を設定し(ステップS413)、コマンド制御処理(ステップS17)を実行することによって変動パターン「PA2-3」を指定する変動パターン指定コマンドなどが主基板11から演出制御基板12に伝送される。」

「【0297】
図33の(a)は、今回保留表示エリアに保留表示M9(白色)が表示され、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示M10(白色)、保留表示M11(白色)、及び、保留表示M12(白色)が表示されている場面である。図33の(a)の場面から、第1始動入賞口を遊技球が1個通過(進入)して第1始動条件が成立した場合、CPU103は、第1保留記憶数を「4」に更新する(ステップS215)。CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し(ステップS217)、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特図表示結果を判定する(ステップS403、ステップS404)。例えば、特図表示結果として「大当り」を判定したものとする。CPU103は、特図表示結果「大当り」と保留記憶数「4」とに基づいて、複数の変動カテゴリ決定テーブル(図17)のなかから変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL4」を選択し(図16)、変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL4」と変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて変動カテゴリを判定する(ステップS412)。例えば、変動カテゴリ「PB5(スーパーリーチβ(大当り))」を判定したものとする。CPU103は、変動カテゴリ「PB5」を指定する変動カテゴリコマンドの送信を設定し(ステップS413)、コマンド制御処理(ステップS17)を実行することによって変動カテゴリ「PB5」を指定する変動カテゴリコマンドなどが主基板11から演出制御基板12に伝送される。
【0298】
主基板11から変動カテゴリ「PB5」を指定する変動カテゴリコマンドなどを受信した演出制御用CPU120は、変動カテゴリ「PB5」に基づいて、複数の保留表示態様決定テーブル(図26)のなかから保留表示態様決定テーブル「H-TBL7」を選択し(図25)、保留表示態様決定テーブル「H-TBL7」と保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6とに基づいて保留表示の表示態様をする(ステップS160)。例えば、「黄色」を決定したものとする。演出制御用CPU120は、決定内容(表示態様「黄色」)を先読予告バッファ194Bに記憶し(ステップS161)、「黄色」の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。図33の(b)は、保留表示M9による確定飾り図柄が停止表示される前に上述の「黄色」の保留表示M13が追加された場面である。図33の(c)は、保留表示M9による確定飾り図柄(「5」「1」「7」)が停止表示された場面である。
【0299】
図33の(c)の場面から保留表示M10、保留表示M11、保留表示M12による確定飾り図柄が停止表示された後に、保留表示M13について第1開始条件が成立したときは、CPU103は、再度、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出するとともに、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。続いて、CPU103は、当該開始条件に係る特図表示結果「大当り」と、現在の保留記憶数「1」とに基づいて、複数の変動カテゴリ決定テーブル(図17)のなかから変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL4」を選択し(図16)、変動カテゴリ決定テーブル「C-TBL4」と変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて変動カテゴリを判定する。例えば、変動カテゴリ「PB5(スーパーリーチβ(大当り))」を判定したものとする。CPU103は、変動カテゴリ「PB5」に基づいて、複数の変動パターン決定テーブル(図20)のなかから変動パターン決定テーブル「P-TBL8」を選択し(図19)、変動パターン決定テーブル「P-TBL8」と変動パターン決定用の乱数値MR5とに基づいて変動パターンを決定する。例えば、変動パターン「PB5-3(擬似連変動1回スーパーリーチβ(大当り))」を決定したものとする。CPU103は、変動パターン「PB5-3」を指定する変動パターン指定コマンドの送信を設定し(ステップS413)、コマンド制御処理(ステップS17)を実行することによって変動パターン「PB5-3」を指定する変動パターン指定コマンドなどが主基板11から演出制御基板12に伝送される。
【0300】
主基板11から変動パターン「PB5-3」を指定する変動パターン指定コマンドなどを受信した演出制御用CPU120は、変動パターン「PB5-3」と、当該保留表示M13の表示態様「黄色」とに基づいて、複数の今回保留表示態様決定テーブル(図29?図31)のなかから今回保留表示態様決定テーブル「KH-TBL21」を選択し(図28)、今回保留表示態様決定テーブル「KH-TBL21」と保留表示の表示態様決定用の乱数値MR7とに基づいて保留表示の表示態様を決定する(ステップS530)。例えば、表示態様「金色」を決定したものとする。演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示を今回保留表示エリアに移動表示させるとともに、表示態様を「黄色」から「金色」に変化させる(ステップS531)。図33の(d)は、保留表示M13が今回保留表示エリアに移動表示された場面である。」

「【0307】
また、第1の実施形態による遊技機1では、始動入賞時に決定し得る予告態様の種類は図26に示すように「白色」「青色」「黄色」「赤色」の4種類であるのに対し、消化時に決定し得る予告態様の種類は、図29?図31に示すように「白色」「青色」「黄色」「赤色」「金色」「“再”」の6種類である。当該構成によれば、消化時に保留表示が何れの表示態様に変化するかを遊技者が注目するようになる。
【0308】
なお、図5(変動カテゴリ及び変動パターンの例示)、図16(変動カテゴリ決定テーブルの選択例)、及び、図17(各変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリの決定割合)によれば、変動カテゴリの種類毎の大当り期待度は、「スーパーリーチβ」>「スーパーリーチα」>「ノーマルリーチ」である。なお、「スーパーリーチα」はアニメ系リーチ、「スーパーリーチβ」は実写系リーチなどである。また、図5、図19(変動パターン決定テーブルの選択例)、及び、図20(各変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合)によれば、変動カテゴリ「スーパーリーチβ」に属する変動パターンの種類毎の大当り大当り期待度は、「擬似連変動2回→スーパーリーチβ」>「擬似連変動1回→スーパーリーチβ」>「擬似ガセ→スーパーリーチβ」>「スーパーリーチβ」である。また、変動カテゴリ「スーパーリーチα」に属する変動パターンの種類毎の大当り期待度は、「擬似連変動2回→スーパーリーチα」>「擬似連変動1回→スーパーリーチα」>「擬似ガセ→スーパーリーチα」>「スーパーリーチα」である。また、変動カテゴリ「ノーマルリーチ」に属する変動パターンの種類毎の大当り期待度は、「ノーマルリーチ」>「擬似連変動1回→ノーマルリーチ」である。
【0309】
また、図25(保留表示態様決定テーブルの選択例)、図26(保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合)、図28(今回保留表示態様決定テーブルの選択例)、及び、図29?図31(今回保留表示態様決定テーブルによる今回保留表示の表示態様の決定割合)によれば、表示態様「白色」、表示態様「青色」、表示態様「黄色」、表示態様「赤色」、表示態様「金色」の5種類の表示態様において、表示態様「金色」が最も大当り期待度が高い種類の変動カテゴリや変動パターンに対応し、表示態様「赤色」が次に大当り期待度が種類の高い変動カテゴリや変動パターンに対応し、表示態様「黄色」が次に大当り期待度が種類の高い変動カテゴリや変動パターンに対応し、表示態様「青色」が次に大当り期待度が高い種類の変動カテゴリや変動パターンに対応し、表示態様「白色」が最も大当り期待度が低い種類の変動カテゴリや変動パターンに対応している。換言すれば、大当り期待度は、表示態様「金色」>表示態様「赤色」>表示態様「黄色」>表示態様「青色」>表示態様「白色」である。なお、表示態様「金色」は大当り確定の表示態様である。なお、図28?図31によれば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLから今回保留表示エリアに移動表示させる保留表示の表示態様が「青色」であるときは「青色」以上の表示態様が決定され、第1始動入賞記憶表示エリア5HLから今回保留表示エリアに移動表示させる保留表示の表示態様が「黄色」であるときは「黄色」以上の表示態様が決定され、第1始動入賞記憶表示エリア5HLから今回保留表示エリアに移動表示させる保留表示の表示態様が「赤色」であるときは「赤色」以上の表示態様が決定される。なお、表示態様「“再”」は、擬似連変動や擬似ガセを含む種類の変動パターンに対応している。」

「【図33】



イ 引用文献1に記載された発明
上記「ア」の【0297】?【0299】及び【図33】から、保留表示部には、今回保留表示エリアと第1始動入賞記憶表示エリアがあり、第1始動入賞記憶表示エリアには保留表示M10?M13の最大4つの保留表示を相互に隣接して表示可能であることがわかる。
よって、上記「ア」の記載(図面の記載も含む)から、引用文献1には、
「所定の始動条件の成立に応じて複数種類の識別情報を可変表示させ、表示結果を導出する可変表示手段を備え、導出された表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
上記可変表示手段は、
未だ実行されていない識別情報の可変表示に対応する保留情報を記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に記憶された保留情報に対応する保留表示を保留表示部に表示する保留表示手段と、を備え、
保留表示手段は、保留表示態様決定テーブルと保留表示の表示態様決定用の乱数値とに基づいて保留表示の表示態様をするものであり、
保留表示部には、今回保留表示エリアと第1始動入賞記憶表示エリアがあり、第1始動入賞記憶表示エリアには保留表示M10?M13の最大4つの保留表示を、相互に隣接して表示可能であり、
保留表示の表示態様としては、
第1始動入賞記憶表示エリアにおける始動入賞時に決定し得る予告態様の種類は「白色」「青色」「黄色」「赤色」の4種類であり、
今回保留表示エリアにおける消化時に決定し得る予告態様の種類は、「白色」「青色」「黄色」「赤色」「金色」「“再”」の6種類であり、
当り期待度は、表示態様「金色」>表示態様「赤色」>表示態様「黄色」>表示態様「青色」>表示態様「白色」である遊技機。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

ウ 原査定に至る審査過程で提示され、本願の出願前に頒布された引用文献である.「CR牙狼 金色になれ」,パチンコ必勝ガイド2014年8月28日増刊号,株式会社ガイドワークス,2014年 8月28日,p.19-46」(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。





エ 引用文献2に記載された技術事項
上記「ウ」において、左側欄の上端部における縦方向に並ぶ3つの図の内の上から3番目の図には、「保留球が金色に光り輝く態様を表示するに当たり、対象の保留球に重なるように、また、隣接する保留球には重ならないように金色の光沢を表現して表示すること」が記載されているといえる。

(3)対比
ア 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)本願補正発明の構成Aについて
引用発明の「所定の始動条件の成立に応じて複数種類の識別情報を可変表示させ、表示結果を導出する可変表示手段」が、本願補正発明の「各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出する変動表示手段」に相当するといえるから、引用発明の「所定の始動条件の成立に応じて複数種類の識別情報を可変表示させ、表示結果を導出する可変表示手段を備え、導出された表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機」が、本願補正発明の「各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出する変動表示手段を有し、予め定められた特別表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機」に相当する。

(イ)本願補正発明の構成Bについて
引用発明の「保留表示態様決定テーブルと保留表示の表示態様決定用の乱数値とに基づいて」なされた「保留表示の表示態様」についての「保留情報」であって「(その)保留情報に対応する保留表示を保留表示部」の「第1始動入賞記憶表示エリアには保留表示M10?M13の最大4つ」を「表示可能」である「保留情報」を「記憶する保留記憶手段」が、本願補正発明の「遊技に関連して発生する所定信号に基づいて発生する第1始動保留球及び第2始動保留球を含む複数の始動保留球を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段」に相当する。

(ウ)本願補正発明の構成Dについて
引用発明の「可変表示手段」における「保留表示部」には「今回保留表示エリアと第1始動入賞記憶表示エリアがあり、第1始動入賞記憶表示エリアには保留表示M10?M13の最大4つの保留表示を、相互に隣接して表示可能である」ことが、本願補正発明の「前記変動表示手段は、複数の始動保留球を表示する場合に、前記第1始動保留球と前記第2始動保留球とを隣接して表示可能」であることに相当する。

イ 一致点・判断
そうすると、本願補正発明と引用発明とは、
「各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出する変動表示手段を有し、予め定められた特別表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
遊技に関連して発生する所定信号に基づいて発生する第1始動保留球及び第2始動保留球を含む複数の始動保留球を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を有し、
前記変動表示手段は、
複数の始動保留球を表示する場合に、前記第1始動保留球と前記第2始動保留球とを隣接して表示可能である遊技機。」
の発明である点で一致し、次の点で相違する。

ウ 相違点
本願補正発明は「遊技者にメタリックカラーであることを認識させるために、当該第1始動保留球に重なるように、かつ隣接する前記第2始動保留球に重ならないように発光表現を施し、もって、メタリックカラーを表現して」「通常態様とは異なる特定態様で」表示するのに対し、引用発明においては、その点の特定がない点。

(4)当審の判断
ア 上記相違点について検討する。
引用発明において、本願補正発明の「始動保留球」に対応する「第1始動入賞記憶表示エリア」における「保留表示」の態様(色)の種類は「白色」「青色」「黄色」「赤色」の4種類であるものの、(本願補正発明では特定のない)「今回保留表示エリア」における「保留表示」の態様(色)の種類は、「白色」「青色」「黄色」「赤色」「金色」「“再”」の6種類である。
そして、「保留表示」の態様の種類として、何種類のどのような態様(色)を用いるかは、必要に応じて適宜設定し得ることにすぎない。
さらに、保留球に対し、最も期待度の高い金色を用いることも、引用文献2に記載されているように周知の技術事項である。
よって、引用発明において、「第1始動入賞記憶表示エリア」における「保留表示」の態様(色)についても、引用発明の「今回保留表示エリア」の「保留表示」を参酌して、大当り期待度が最大の態様(色)としての「金色」を含めるようにすることは、当然に当業者にとって想定の範囲内の事項であるといえる。
そして、その場合には、保留表示の表示態様には「黄色」及び「金色」が含まれ、かつ、大当り期待度は、表示態様「金色」>表示態様「赤色」>表示態様「黄色」>表示態様「青色」>表示態様「白色」であるものとなる。すなわち、遊技者にとっては、引用発明において「第1始動入賞記憶表示エリア」における「保留表示」の態様(色)に「金色」を含めたもの(以下においては、これを単に「引用発明1」という。)においては、保留表示の表示態様として「黄色」と「金色」を識別することが重要なことである。
一方、「黄色」と「金色」は色合いとして似ているために、遊技者が両者を混同しやすいこと、及び、「黄色」と「金色」では、「金色」は金属光沢を有するものとするのに対して、「黄色」は金属光沢がないものとすることで区別できることは周知の技術事項であるといえる。
したがって、引用発明1において遊技者が「黄色」と「金色」を容易に識別することができるようにすること、及び、そのために「金色」に金属光沢を付けるようにすることは、当業者において自明の技術課題であるといえる。

これに対して、引用文献2には、「保留球が光り輝く態様を表示するに当たり、対象の保留球に重なるように、また、隣接する保留球には重ならないように金色の光沢を表現して表示すること」が記載されており、引用文献2に接した当業者であれば、引用発明1における上記の自明の技術課題を解決するために、引用発明1の保留球について、金色の保留球に対して上記の引用文献2に記載の技術事項を適用し、上記相違点の「遊技者にメタリックカラー(金色)であることを認識させるために、当該第1始動保留球に重なるように、かつ隣接する前記第2始動保留球に重ならないように発光表現(金色の光沢の表現)を施し、もって、メタリックカラー(金色)を表現して」「通常態様とは異なる特定態様(光り輝く態様)で」表示する構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 本願補正発明の奏する作用効果
そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明1及び引用文献2に記載の技術事項から当業者が予測し得る程度のものである。

ウ まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明1及び引用文献2に記載の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(5)請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、本願発明は、「金色」のようなメタリックカラーを表現できない(表現するのが困難である)始動保留球であっても、遊技者に「金色」と認識させることができるように画像表示し、もって遊技者に誤認を与えないようにすることを目的とし、他の引用文献に記載の発明と目的を異にする旨を主張している。
しかし、上記(4)の「ア」で述べたように、「黄色」と「金色」は色合いとして似ているために、遊技者が両者を混同しやすいこと、及び、「黄色」と「金色」では、「金色」は金属光沢を有するものとするのに対して、「黄色」は金属光沢がないものとすることで区別できることは周知の技術事項であり、そして、引用発明1においては、遊技者が「黄色」と「金色」を容易に識別することができるようにすること、及び、そのために「金色」に金属光沢を付けるようにすることは、当業者において自明の技術課題といえる。
すなわち、引用発明1は自明の技術課題(目的)として、本願発明の上記目的と同じ目的を有するものといえるのだから、請求人の上記主張は採用することができない。

(6)小活
本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反している

4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定によって却下されるべきものである。
また、仮に本件補正が特許請求の範囲の減縮を目的とするものとしても、本願補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるということができないから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年8月17日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年3月3日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2 平成29年8月18日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「1 本件補正について」の記載参照。)

2 原査定の拒絶の理由
原査定の本願発明についての拒絶の理由は、本願発明(本願の請求項2に係る発明)は、本件出願前に頒布された下記の引用文献1(上記「第2」「3」「(2)」「ア」の引用文献1と同じ)に記載された発明及び引用文献3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・引用文献1:特開2014-171680号公報
・引用文献3:特開2007-190280号公報

2 引用文献の記載事項
(1)引用文献1について
引用文献1(特開2014-171680号公報)に記載された事項及び引用文献1に記載された発明(引用発明)については、それぞれ、上記の「第2 平成29年8月17日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「3 独立特許要件違反についての検討」の「(2)引用文献に記載された事項」の「ア」及び「イ」に記載されたとおりである。

(2)引用文献3について
ア 引用文献3(特開2007-190280号公報)には次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、通常遊技中やいわゆる「大当たり」の特別遊技中において様々な演出表示を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技球の始動入賞口への入賞に基づいて、特別図柄を特別図柄表示装置に可変表示させ、その可変表示させた特別図柄の停止図柄が所定の図柄である場合に限り、大当たりとなり、特別遊技を実行する方式のパチンコ機(いわゆる第1種パチンコ機)がある。このようなパチンコ機では、通常遊技中や大当たりの特別遊技中において、遊技者の目を引くように、装飾図柄表示装置に各遊技に応じた様々な演出表示が行われる。
【0003】
演出表示は、液晶表示装置等を用いて行われている。また、演出表示のためには、立体物(3次元物体)の描写等が行われる。」
「【0126】
(画像生成部411)
画像生成部411は、装飾図柄決定部402で決定された装飾図柄の組み合わせ、装飾図柄パターン決定部403で決定された装飾図柄変動パターン404、演出作成部405により作成された映像演出の内容、及び演出コマンド解析部401から出力された情報などに基づいて、装飾図柄表示装置107に表示させるための画像データを生成する。
【0127】
例えば、装飾図柄表示装置107に停止表示させる装飾図柄の組み合わせが装飾図柄決定部402で決定され、且つ装飾図柄変動パターン404が装飾図柄パターン決定部403で決定された場合には、画像生成部411は、装飾図柄記憶部407からこれらの決定内容に応じた装飾図柄を読み出して画像データを形成する。また、演出作成部405により映像演出が作成された場合には、この映像演出を実行するための画像データを作成する。
【0128】
装飾図柄記憶部407には、種々の装飾図柄のデータが記憶されている。例えば、図11-1及び図11-2に示すように、3次元表示された数字に対して、図12-1及び図12-2に示すように、当該数字の表面に第1のテクスチャを付し、更に、図13-1及び図13-2に示すように、この第1のテクスチャの上に半透明の第2のテクスチャを付したものが記憶されている。
【0129】
例えば、金色の3次元数字が装飾図柄の一つとして記憶されている場合、この3次元数字は、第1のテクスチャとして、黄色系のテクスチャが3次元数字の表面に付され、更に、第2のテクスチャとして、光の照射方向に応じた反射模様及び影等を表現する半透明のテクスチャが付されて構成されている。第2のテクスチャには、黄色及び赤色等の種々の色が含まれている。このような3次元数字を用いることにより、反射を自然に表現することができ、金属の光沢及び質感を遊技者に伝えやすくできる。
【0130】
また、3次元数字の曲面上では、第2のテクスチャは曲面をそのまま表現するものとはなっておらず、図13-1及び図13-2に示すように、複数の平面及び線分を組み合わせて曲面を表現するように構成されている。また、図13-1及び図13-2では明確になっていないが、平面毎に階調を異ならせている。これは、曲面をそのまま表現した場合には、反射を表現することが比較的困難であるのに対し、階調が相違する平面及び線分を組み合わせた場合には、容易に反射を表現することができるため、金属光沢をより一層自然に表現することができる。上述の自動車等の立体物についてのテクスチャ処理もこの3次元数字についてのテクスチャ処理と同様である。」

「【図13-2】



イ 引用文献3に記載された技術事項
上記「ア」に記載された事項から、引用文献3には、
「パチンコ機における通常遊技中や大当たりの特別遊技中において、遊技者の目を引くための装飾図柄表示装置に各遊技に応じた様々な演出表示に関し、演出表示のためには、立体物(3次元物体)の描写等が行われ、3次元数字の曲面上で平面毎に階調を異ならせ、階調が相違する平面及び線分を組み合わせた場合には、容易に反射を表現することができるため、金属光沢をより一層自然に表現することができる。」
という技術事項が記載されている。

3 本願発明と引用発明の対比
(1)対比・一致点
本願発明と引用発明を対比すると、上記「第2 平成29年8月17日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「3 独立特許要件違反についての検討」の「(3)対比」で述べたのと同様の手法及び結果により、両者は、
「各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出する変動表示手段を有し、予め定められた特別表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
遊技に関連して発生する所定信号に基づいて発生する第1始動保留球及び第2始動保留球を含む複数の始動保留球を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を有し、
前記変動表示手段は、前記保留記憶手段に記憶されている始動保留球を表示させてなる遊技機。」
の発明である点で一致し、次の各点で相違する。

(2)相違点
ア 相違点1
始動保留球の表示第において、本願発明は、「第1始動保留球を通常態様から特定態様へ変化させて表示させる際、第2始動保留球を通常態様から特定態様へ変化させて表示させるに比べ信頼度が高くなったことを表現するため」、「メタリックカラーを表現して表示させてなる」のに対して引用発明にはそのような特定がない点。

イ 相違点2
第1始動保留球の表示において、本願発明は、「第1始動保留球にその第1始動保留球の色に近い発光表現を施し、もって、メタリックカラーを表現して表示させてなる」のに対して引用発明にはそのような特定がない点。

4 当審の判断
(1)相違点について
ア 上記相違点1について検討する。
上記「第2 平成29年8月17日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「3 独立特許要件違反についての検討」の「(4)当審の判断」の「ア」でも述べたのと同様であるが、引用発明において、本願補正発明の「始動保留球」に対応する「第1始動入賞記憶表示エリア」における「保留表示」の態様(色)の種類は「白色」「青色」「黄色」「赤色」の4種類であるものの、(本願補正発明では特定のない)「今回保留表示エリア」における「保留表示」の態様(色)の種類は、「白色」「青色」「黄色」「赤色」「金色」「“再”」の6種類である。
そして、「保留表示」の態様の種類として、何種類のどのような態様(色)を用いるかは、必要に応じて適宜設定し得ることにすぎない。
よって、引用発明において、「第1始動入賞記憶表示エリア」における「保留表示」の態様(色)についても、引用発明の「今回保留表示エリア」の「保留表示」を参酌して、大当り期待度が最大の態様(色)としての「金色」を含めるようにすることは、当然に当業者にとって想定の範囲内の事項であるといえる。
すなわち、上記の、引用発明において、大当り期待度が最大の態様(色)としての「金色」を含めるようにしたものにおいては、「メタリックカラー」である「金色」に変化させて表示させることが、他の色(態様)に変化させて表示させることに比べて信頼度が高くなったことを表現するものであるといえる。
すなわち、上記の相違点1は、引用発明において、適宜の設計的事項による想定の範囲内の事項であり、実質的な相違点ということもできない。

イ 上記相違点2について検討する
前提として、保留表示において保留の図柄を立体画像で表示することは、例えば、特開2012-217615号公報(【0213】【図21】参照)、特開2012-239734号公報(【0165】【図15】参照)及び特開2012-239732号公報(【0167】【図15】【図18】参照)にも記載されているように周知である。
引用発明においても、画像の演出効果を高めるために上記周知技術を採用して、保留球の表示態様を立体表示とすることに困難性はない。
そして、上記の相違点1についての検討で、引用発明において大当り期待度が最大の態様(色)としての「金色」を含めるようにしたものでは、遊技者が「黄色」と「金色」を容易に識別することができるようにすること、及び、そのために「金色」に金属光沢を付けるようにすることは、当業者において自明の技術課題であるところ、上記の立体表示とした保留球に対して、「金色」に金属光沢を付けるようにするために、上記の引用文献3に記載された技術事項を適用し、立体物(保留球)の描写において階調が相違する平面及び線分を組み合わせて反射を表現する構成とすること、すなわち、保留球の色に近い発光表現を施し、もって、メタリックカラーを表現する構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

(2)本願発明の奏する作用効果
そして、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明、引用文献3に記載の技術事項及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。

(3)まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献3に記載の技術事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献3に記載の技術事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-04-16 
結審通知日 2018-04-18 
審決日 2018-05-07 
出願番号 特願2014-235276(P2014-235276)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大浜 康夫  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 森林 克郎
長崎 洋一
発明の名称 遊技機  
代理人 正木 裕士  
代理人 三上 祐子  
代理人 藤川 忠司  
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