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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1341604
審判番号 不服2017-13568  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-12 
確定日 2018-07-17 
事件の表示 特願2016-187987「メッセージ送信方法、メッセージ送信用プログラム、及びメッセージ送信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月 5日出願公開、特開2018- 55229、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年9月27日の出願であって、平成28年12月26日付けで拒絶理由通知がされ、平成29年3月10日付けで手続補正がされ、平成29年6月7日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成29年9月12日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成29年9月12日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1.本願請求項1、3-6、8及び9に係る発明は、以下の引用文献1記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2.本願請求項1-9に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
引用文献1.特開2014-56324号公報
引用文献2.特開2011-134060号公報

第3 本願発明
本願請求項1-9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、平成29年9月12日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される以下のとおりの発明であると認める。

「【請求項1】
コンピュータが、
メッセージ及び当該メッセージの送信先の登録を受け付ける登録ステップと、
前記メッセージを登録したユーザを認証するためのユーザ認証情報とは別に設定された認証コードであって、自動的に作成された認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付ける認証ステップと、
前記認証が成立した場合に、登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップと、
を実行するメッセージ送信方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、前記メッセージを登録するユーザの識別子と関連付けて前記認証コードを登録する認証情報登録ステップを更に実行し、
前記認証ステップでは、前記コンピュータは、前記ユーザの識別子及び前記認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付ける、
請求項1に記載のメッセージ送信方法。
【請求項3】
前記認証ステップでは、前記コンピュータは、認証用メッセージを受け付け、当該受け付けた認証用メッセージと前記認証コードとを照合することによって、前記メッセージを送信するための認証が成立するか否かを判定する、
請求項1又は2に記載のメッセージ送信方法。
【請求項4】
前記メッセージ及び前記認証用メッセージは、電子メール、ショートメッセージ、電話での通話、及び特定アプリケーション内でやりとりされるメッセージのうちのいずれかである、
請求項3に記載のメッセージ送信方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のメッセージ送信方法における各ステップをコンピュータに実行させるためのメッセージ送信用プログラム。
【請求項6】
メッセージ及び当該メッセージの送信先の登録を受け付けるメッセージ登録受付部と、
前記メッセージを登録したユーザを認証するためのユーザ認証情報とは別に設定された認証コードであって、ユーザにより任意に指定された又は自動的に作成された認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付けるメッセージ送信認証部と、
前記認証が成立した場合に、登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信するメッセージ送信部と、
を備えるメッセージ送信装置。
【請求項7】
前記メッセージを登録するユーザの識別子と関連付けて前記認証コードを登録する認証情報登録部を更に備え、
前記メッセージ送信認証部は、前記ユーザの識別子及び前記認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付ける、
請求項6に記載のメッセージ送信装置。
【請求項8】
前記メッセージ送信認証部は、認証用メッセージを受け付け、当該受け付けた認証用メッセージと前記認証コードとを照合することによって、前記メッセージを送信するための認証が成立するか否かを判定する、
請求項6又は7に記載のメッセージ送信装置。
【請求項9】
前記メッセージ及び前記認証用メッセージは、電子メール、ショートメッセージ、電話での通話、及び特定アプリケーション内でやりとりされるメッセージのうちのいずれかである、
請求項8に記載のメッセージ送信装置。」

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【請求項10】
通信端末と通信可能なサーバを用いたメッセージ配信方法であって、
通信端末のユーザの識別情報を記憶するユーザ識別情報登録ステップと、
上記ユーザ識別情報登録ステップにおいて記憶された第一ユーザが要求する送信メッセージ登録要求情報に基づいて、第一メッセージ情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する第一メッセージ情報登録ステップと、
上記送信メッセージ登録要求情報に基づいて、第一メッセージ情報を送信操作する第二ユーザの識別情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する送信操作者情報登録ステップと、
上記送信メッセージ登録要求情報に基づいて、上記第一メッセージ情報の送信先である複数の送信先情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する送信先情報登録ステップと、
上記第一メッセージ情報登録ステップによって記憶されている第一メッセージ情報、上記送信操作者情報登録ステップによって記憶されている第二ユーザの識別情報、及び上記送信先情報登録ステップによって記憶されている送信先情報に対するアクセスを上記第一ユーザのみに許容するアクセス制限ステップと、
上記第二ユーザの付加情報登録要求情報に基づいて、第二メッセージ情報を上記第一メッセージと関連付けて記憶する付加情報登録ステップと、
上記付加情報登録要求情報に基づいて、上記第一メッセージ情報に上記第二メッセージ情報を付加したメッセージ情報を作成するメッセージ作成ステップと、
上記第二ユーザの送信要求情報に基づいて、上記メッセージ情報を上記送信先情報登録手段に記憶されている送信先に送信するメッセージ送信ステップと
を有することを特徴とするメッセージ配信方法。」

「【0061】
<ユーザ識別情報登録手順>
ユーザ識別情報登録の手順について、図2を参酌しつつ説明する。
【0062】
まず、携帯用リーダライタ2は、通信端末3の有する非接触ICチップと近距離無線通信を行う。これにより、携帯用リーダライタ2は、通信端末3から非接触ICチップIDを受信する。携帯用リーダライタ2は、記憶部8に格納されているリーダライタID及び受信した非接触ICチップIDを、記憶部8に格納されている乱数表に基づき暗号化したうえで、通信端末3に送信する。また、携帯用リーダライタ2は、これらの暗号化されたIDとともに、記憶部8に保存されている、サーバ4のホームページに接続するためのURLを通信端末3に送信する。
【0063】
通信端末3の非接触ICチップ15は、この暗号化されたリーダライタID、暗号化された非接触ICチップID及びサーバ4のホームページに接続するためのURLを受信する。そして、非接触ICチップ15は、通信端末3のブラウザを立ち上げ、サーバ4のホームページに接続するためのURL並びに暗号化されたリーダライタID及び暗号化された非接触ICチップIDを表示してサーバ4に接続する。
【0064】
サーバ4は、これらの暗号化されたIDを受信する。サーバ4は、これらのIDを復号化して、認証結果を通信端末3に送信する。通信端末3は、この認証を受けて、サーバ4のホームページへの接続要求を行う。これに対し、サーバ4は、接続許可を行い、制御部17により、ホームページ画面を通信端末3の表示部11に表示させる。
【0065】
通信端末3には、上記ホームページの画面を介し、ユーザ登録画面が表示される。
【0066】
ユーザ登録画面は、ユーザ情報入力部及び登録部を有する。ユーザ情報入力部は、メールアドレスやニックネーム等、所定のユーザ情報を入力する入力項目を有する。登録部は、入力事項をサーバ4に送信するためのボタンである。サーバ4への登録を希望するユーザは、ユーザ情報入力部に必要事項を入力して登録部を選択することにより、ユーザの登録情報がサーバ4に送信され、サーバ4へユーザの識別情報が記憶される。
【0067】
また、ユーザ情報は、通信端末3から受信したリーダライタID及び非接触ICチップIDとが関連付けられてサーバ4へ記憶される。これにより、通信端末3とユーザの識別情報とが関連付けられる。」

「【0070】
<送信先登録手順>
次に、図3、図4及び図5を参酌しつつ、送信先登録の手順について説明する。
【0071】
メニュー画面31は、ユーザ識別情報の登録後に通信端末3の表示部11に表示される。
【0072】
また、メニュー画面31は、既にユーザの識別情報を登録した第一ユーザが、通信端末3と携帯用リーダライタ2とを近距離無線通信させサーバにアクセスすることによっても表示される(図4参照)。そして、上記ユーザの識別情報登録により通信端末3のリーダライタID及び非接触ICチップIDとユーザの識別情報とが関連付けられている情報に基づいて、サーバにアクセスしている通信端末3の非接触ICチップIDからユーザの識別情報を識別する。なお、メニュー画面の表示の前にログイン画面を表示し、ユーザ認証を行ってユーザ識別情報を識別してもよい。
【0073】
メニュー画面31は、図3に示すように、メッセージ登録部32及びメッセージ送信部33を有する。なお、図3に示すメニュー画面31は、遺言メッセージ(エンディングメッセージ)を送信するためのメニュー画面の一例である。
【0074】
メッセージ登録部32は、通信端末3のユーザ(第一ユーザ)に選択されることにより、通信端末3からサーバ4に送信情報登録要求を行う(図4参照)。これに対し、サーバ4は、制御部17により、送信先登録画面34を通信端末3の表示部11に表示させる。
【0075】
送信先登録画面34は、図5に示すように、送信先選択部35及び登録部36を有する。なお、図5に示す送信先登録画面34は、遺言メッセージ(エンディングメッセージ)の送信先情報を登録するための画面の一例である。
【0076】
送信先選択部35は、メッセージの送信先として指定可能な複数のユーザの識別情報がリスト表示される送信先候補リストが表示される。この送信先候補リストは、ユーザ識別情報登録により記憶された複数のユーザのユーザ識別情報、例えばユーザのニックネームが表示される。また、表示される複数のユーザ識別情報は、特に限定されないが、通信端末3が近距離通信した携帯用リーダライタ2の所有者のユーザの識別情報を表示することができる。なお、表示されるユーザの識別情報は、送信先登録画面34が表示されている通信端末3の第一ユーザの識別情報は表示されない。」

「【0079】
<第一メッセージ情報登録手順>
次に、図4及び図6を参酌しつつ、第一メッセージ情報登録の手順について説明する。
【0080】
第一メッセージ登録画面37は、図6に示すように、メッセージ入力部38及び登録部39を有する。なお、図6に示す第一メッセージ登録画面37は、遺言メッセージ(エンディングメッセージ)を登録するための画面の一例である。
【0081】
メッセージ入力部38は、通信端末3の第一ユーザが送信したいメッセージが入力される。メッセージ入力部38は、具体的には、送信したいメッセージのタイトルとそのメッセージの入力項目を有し、例えば図6に示すように、遺言情報に関するメッセージのタイトルとそのメッセージを入力するための項目を有することができる。
【0082】
登録部39は、通信端末3のユーザに選択されることにより、メッセージ入力部38に入力されたメッセージ(第一メッセージ情報)が、送信メッセージ登録要求情報として送信される(図4参照)。これに対して、サーバ4は、制御部17により、受信した第一メッセージ情報を通信端末3の第一ユーザの識別情報に関連付けて記憶部18に格納する。そして、サーバ4は、制御部17により、送信操作者登録画面40を通信端末3の表示部11に表示させる。
【0083】
<送信操作者情報登録手順>
次に、図4及び図7を参酌しつつ、送信操作者情報登録の手順について説明する。
【0084】
送信操作者登録画面40は、図7に示すように、送信操作者選択部41及び登録部42を有する。なお、図7に示す送信操作者登録画面40は、遺言メッセージ(エンディングメッセージ)を送信する送信者(喪主)を登録するための画面の一例である。
【0085】
送信操作者選択部41は、メッセージの送信操作者として指定可能な複数のユーザの識別情報がリスト表示される送信操作者候補リストが表示される。このリストは、ユーザ識別情報登録により記憶された通信端末3の複数のユーザの識別情報、例えばユーザのニックネームが表示される。また、表示される複数のユーザの識別情報は、特に限定されないが、通信端末3が近距離通信した携帯用リーダライタ2の所有者のユーザの識別情報を表示することができる。なお、表示されるユーザの識別情報は、送信操作者登録画面40が表示されている通信端末3の第一ユーザの識別情報は表示されない。
【0086】
また、送信操作者選択部41の送信操作者候補リストは、表示されるそれぞれのユーザの識別情報のニックネームの隣にチェックボックスが表示されてもよい。このチェックボックスを選択することによって送信操作者を選択することができる。
【0087】
登録部42は、通信端末3のユーザに選択されることにより、送信操作者登録部41において選択されたユーザの情報(送信操作者情報)を、送信メッセージ登録要求情報として生成し、通信端末3からサーバ4に送信する(図4参照)。これに対して、サーバ4は、制御部17により、受信した送信操作者情報を通信端末3のユーザ(第一ユーザ)の識別情報に関連付けて記憶部18に格納する。
【0088】
また、サーバ4は、制御部17により、送信操作者として登録されたユーザのメールアドレスに対して、通信端末3の第一ユーザのメッセージの送信操作者として登録された旨のメールを送信する。なお、送信操作者として登録されたユーザのメールアドレスは、送信操作者として登録されたユーザが、ユーザの識別情報登録により登録したメールアドレスを用いることができる。
【0089】
さらに、サーバ4は、制御部17により、第二ユーザが送信操作者に指定されたことに対して拒否する情報に基づいて、第二ユーザを送信操作者に指定した第一ユーザに対して第二ユーザが送信操作者となることを拒否する旨のメールを送信する。なお、第一ユーザのメールアドレスは、ユーザの識別情報登録により登録したメールアドレスを用いることができる。また、第二ユーザが送信操作者に指定されたことに対して拒否する場合においては、サーバ4は、制御部11により、拒否情報を送信するための拒否要求画面を通信端末3に表示させて、この拒否要求画面の入力及び送信操作に基づいて拒否情報を受信してもよく、第二ユーザが所定のメールアドレスに定型の拒否要求のメールを送信することにより拒否情報を受信してもよい。
【0090】
また、サーバ4は、制御部17により、第二ユーザが送信操作者に指定されたことに対して承認した情報に基づいて、第二ユーザを送信操作者に指定した第一ユーザに対して第二ユーザが送信操作者となることを承認した旨のメールを送信する。これにより、第一ユーザは、第二ユーザの送信操作することの承認を知ることができるため、安心することができる。なお、第一ユーザのメールアドレスは、ユーザの識別情報登録により登録したメールアドレスを用いることができる。また、第二ユーザが送信操作者に指定されたことに対して承認する場合においては、サーバ4は、制御部11により、承認情報を送信するための承認画面を通信端末3に表示させて、この承認画面の入力及び送信操作に基づいて承認情報を受信してもよく、第二ユーザが所定のメールアドレスに定型の承認メールを送信することにより承認情報を受信してもよい。
【0091】
また、サーバ4は、制御部17により、記憶部18に格納された送信先情報、第一メッセージ情報及び送信操作者情報に対して、第一ユーザのみにアクセスを許容する設定を行う。これにより、許容されたユーザ以外の通信端末3からはこれら情報にアクセスすることができなくなる。つまり、送信先情報、第一メッセージ情報及び送信操作者情報を登録した第一ユーザのみが、これらの情報にアクセスすることができる。」

「【0099】
<第二メッセージ情報の登録及びメッセージ送信の手順>
次に、図9、図10及び図11を参酌しつつ、第二メッセージの登録及びメッセージ送信の手順について説明する。
【0100】
通信端末3の第二ユーザによって上述の処理選択画面の第二メッセージ登録部が選択されることにより、通信端末3からサーバに第二メッセージ登録要求が行われる(図9参照)。これに対し、サーバ4は、制御部17により、第二メッセージ登録画面43を通信端末3の表示部11に表示させる。
【0101】
第二メッセージ登録画面43は、メッセージ送信操作者がメッセージを追加するための画面である。第二メッセージ登録画面43は、図10に示すように、メッセージ入力部44及び登録部45を有する。なお、図10に示す第二メッセージ登録画面43は、葬儀に関する情報を登録するための画面の一例である。
【0102】
メッセージ入力部44は、メッセージ送信操作者が追加したいメッセージが入力される。メッセージ入力部44は、具体的には、例えば、葬儀に関する情報が入力される項目を有することができる。
【0103】
登録部45は、通信端末3の第二ユーザに選択されることにより、メッセージ入力部44に入力されたメッセージ(第二メッセージ情報)を付加情報登録要求情報としてサーバ4に送信する(図9参照)。これに対して、サーバ4は、制御部17により、受信した第二メッセージ情報を通信端末3の第二ユーザが送信操作者として記憶されている送信操作者情報に送信操作者情報登録手段23により関連付けられているユーザ(第一ユーザ)の識別情報を取得し、この第一ユーザの識別情報に第一メッセージ情報登録手段22により関連付けられている第一メッセージ情報とを関連付けて記憶部18に格納する。
【0104】
そして、サーバ4は、制御部17により、第二メッセージ情報に上記第一メッセージ情報とが関連付けられて記憶された後、この第一メッセージ情報に上記第二メッセージ情報を付加しメッセージ情報を作成する。そして、第一メッセージ46及び第二メッセージ47から構成されるメッセージ情報を上記第一ユーザの識別情報に送信先登録手段22により関連付けられている送信先に送信する(図11参照)。」

以上の記載、特に、請求項10の記載のよれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

〈引用発明〉
「通信端末と通信可能なサーバを用いたメッセージ配信方法であって、
通信端末のユーザの識別情報を記憶するユーザ識別情報登録ステップと、
上記ユーザ識別情報登録ステップにおいて記憶された第一ユーザが要求する送信メッセージ登録要求情報に基づいて、第一メッセージ情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する第一メッセージ情報登録ステップと、
上記送信メッセージ登録要求情報に基づいて、第一メッセージ情報を送信操作する第二ユーザの識別情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する送信操作者情報登録ステップと、
上記送信メッセージ登録要求情報に基づいて、上記第一メッセージ情報の送信先である複数の送信先情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する送信先情報登録ステップと、
上記第一メッセージ情報登録ステップによって記憶されている第一メッセージ情報、上記送信操作者情報登録ステップによって記憶されている第二ユーザの識別情報、及び上記送信先情報登録ステップによって記憶されている送信先情報に対するアクセスを上記第一ユーザのみに許容するアクセス制限ステップと、
上記第二ユーザの付加情報登録要求情報に基づいて、第二メッセージ情報を上記第一メッセージと関連付けて記憶する付加情報登録ステップと、
上記付加情報登録要求情報に基づいて、上記第一メッセージ情報に上記第二メッセージ情報を付加したメッセージ情報を作成するメッセージ作成ステップと、
上記第二ユーザの送信要求情報に基づいて、上記メッセージ情報を上記送信先情報登録手段に記憶されている送信先に送信するメッセージ送信ステップと
を有することを特徴とするメッセージ配信方法。」

2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、以下の事項が記載されている。

「【課題】
簡便かつ確実に特定の者の死亡を確認した上で故人が生前に残したメッセージを所定の者に通知するメッセージ送信サーバと方法並びにプログラムを提供する。
【解決手段】
第1端末(2)から受信した登録メッセージを第2端末(4)から受信した送信依頼に基づいて第3端末(6)に送信するサーバ(1)であって、第1端末から受信した登録メッセージを記憶するための登録メッセージ記憶部と、第1端末に事前メールを配信する配信部と、事前メールの第1端末への配信状況を記憶する配信状況記憶部と、第2端末から送信依頼を受信する送信依頼受信部と、登録メッセージ記憶部に記憶されている登録メッセージを第3端末に送信する登録メッセージ送信部とを有してなり、登録メッセージ送信部は、送信依頼を受信したとき配信状況記憶部に記憶されている配信状況を参照して登録メッセージを第3端末に送信するか否かを判定する。」(【要約】の欄)

「【0024】
(登録処理について)
図3は、登録処理(S1)の例を示すシーケンス図である。また、図4は、登録処理にける本サーバ1の動作の例を示すフローチャートである。図3と図4で同じ符号を付した処理は、同一の処理を示す(以下、同様。)。
【0025】
登録処理とは、登録情報を登録者から受け付ける処理である。登録情報とは、後述する方法により、本サーバ1が登録者の登録したメッセージ(登録メッセージ)を登録者が指定した送信先に送信するために必要な情報である。
【0026】
図5は、登録者に登録情報を指定させるための登録画面の例を示す模式図である。ここで、登録画面P1および以下の説明中の画面は、いわゆるWEBページであり、本サーバ1が生成あるいは本サーバ1内に記憶されていて、登録者端末2など本サーバ1と通信ネットワークを介して接続している端末からの要求に応じて送信する。
【0027】
画面P1には、登録者名、登録者のメールアドレス(登録者アドレス)、送信先名、送信先のメールアドレス(送信先アドレス)、メッセージが指定可能に構成されていて、ここでは、登録者名として「A」、登録者のメールアドレスとして「MA」、送信先名として「B」、送信先のメールアドレスとして「MB」、登録者が送信先に通知したいメッセージとして「Bさん、いつも・・・」が指定(入力)されていることを示している。画面P1には「送信」と表示されたボタン画像B1が表示されていて、このボタン画像B1が選択されると、画面P1内に指定されている登録情報が本サーバ1に送信されるように構成されている。
【0028】
図3,4に戻る。
まず、登録者端末2から本サーバ1に対して登録画面要求が送信され(S101)、本サーバ1は登録画面要求を受信すると(S102)、画面P1を登録者端末2に送信する(S103)。登録者端末2は、画面P1を受信すると(S104)、登録者端末2のディスプレイに画面P1を表示する(S105)。登録者が画面P1に登録情報を入力して(S106)、画面P1のボタン画像B1を登録者端末2の入力手段で選択すると、入力された登録情報が登録者端末2から本サーバ1に送信される(S107)。本サーバ1は、登録情報を受信すると(S108)、受信した登録情報を記憶部16に記憶する(S109)。
【0029】
図6は、記憶部16に記憶されている登録情報の例を示す模式図である。本サーバ1は、登録情報を登録者端末2から受信すると、登録者を特定するための識別子「会員ID」を採番して、受信した登録情報と関連付けて記憶部16に記憶する。図6には、登録者Aさんの会員IDとして「1」が付与されていることを示している。また、登録者Aさんは、2名の送信先BさんとCさんのそれぞれ宛のメッセージを登録していることを示している。」

「【0041】
(送信依頼受付処理について)
図13は、送信依頼受付処理(S3)の例を示すシーケンス図である。また、図14は、送信依頼受付処理における本サーバ1の動作の例を示すフローチャートである。
【0042】
送信依頼受付処理とは、登録者の死後、本サーバ1を用いたサービス事業者から登録者に配布されていた登録カードを発見した登録者の遺族から、登録メッセージの送信依頼を本サーバ1が受信して、登録メッセージを送信するか否かを判定する処理である。
【0043】
図15は、登録カードの例を示す模式図である。カードC1には、このカードの発見者に対して、本サーバ1にアクセスして送信依頼画面から登録者が生前に登録しておいた登録メッセージの送信依頼をすることを促す説明文と共に、登録者名と会員IDとが記載されている。登録者は、例えば、生前、カードC1を自身の財布などに入れて保管し、自分の死後、登録者の身の回りの整理をする遺族がカードC1を発見し易いようにしておく。
【0044】
図16は、送信依頼画面の例を示す模式図である。画面P2には、「登録者名」「会員ID」「あなた(カードC1を発見して本サーバ1にアクセスした遺族)の名前」「あなたのアドレス」が指定可能に構成されていて、ここでは、「登録者名」として「A」、「会員ID」として「1」、「あなたの名前」として「X」、「あなたのアドレス」として「MX」が指定されていることを示している。画面P2には「送信」と表示されたボタン画像B2が表示されていて、このボタン画像B2が選択されると、画面P2内に指定されている送信依頼情報が本サーバ1に送信されるように構成されている。
【0045】
図13,14に戻る。
遺族がカードC1を発見すると(S300)、カードC1に記載されている情報に基づいて本サーバ1にアクセスして送信依頼画面要求を送信する(S301)。本サーバ1は、遺族端末4から送信依頼画面要求を受信すると(S302)、遺族端末4に画面P2を送信する(S303)。遺族端末4は、本サーバ1から画面P2を受信すると(S304)、遺族端末4のディスプレイに画面P2を表示して遺族に送信依頼情報を入力させ(S305)、入力された送信依頼情報を本サーバ1に送信する(S306)。本サーバ1は、遺族端末4から送信依頼情報を受信すると(S307)、登録情報と配信記録を確認する。
【0046】
ここで、登録情報の確認は、遺族端末4から受信した送信依頼情報に含まれる登録者名と会員IDとの組み合わせが記憶部16に記憶されている登録情報(図6参照)と合致するか否か、つまり、送信依頼情報に含まれている登録者名と会員IDとが関連付けて記憶部16に記憶されているか否かを判定することを指す。また、配信記録の確認は、遺族端末4から受信した送信依頼情報に含まれる会員IDに基づいて配信状況を参照し、最新の配信状況が配信失敗(「-」)であるか否かを判定することを指す。登録情報と配信記録の確認の結果、送信依頼情報に含まれている登録者名と会員IDとの組み合わせが記憶部16に記憶されている登録情報と合致していて、かつ、最新の配信状況が配信失敗であったときにのみ、本サーバ1は、登録メッセージの送信に向けて送信依頼受付処理を続行する。一方、登録情報と配信記録の確認の結果、送信依頼情報に含まれている登録者名と会員IDとの組み合わせが記憶部16に記憶されている登録情報と合致せず、または、最新の配信状況が配信失敗でなかった(配信成功であった)ときは、本サーバ1は、送信依頼受付処理を中断して、配信記録更新処理(S2)に戻る。
【0047】
なお、登録情報の確認において、送信依頼情報に含まれる登録者名と会員IDと遺族の名前の組み合わせを認証するようにしてもよい。すなわち、例えば、登録者に送信依頼を行う者の名前を登録者情報に含めて、登録者に生前、図5に示した画面P1で送信依頼を行う者の名前(遺族の名前)を指定させて、記憶部16に記憶しておいてもよい。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

引用発明の「メッセージ配信方法」は、「メッセージ送信方法」ともいえるから、本願発明1と引用発明は、「メッセージ送信方法」である点で一致する。

引用発明の「第一メッセージ情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する第一メッセージ情報登録ステップ」及び「上記第一メッセージ情報の送信先である複数の送信先情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する送信先情報登録ステップ」は、第一メッセージ情報とその送信先情報を登録するステップであるから、本願発明1の「メッセージ及び当該メッセージの送信先の登録を受け付ける登録ステップ」に相当し、両者は、「メッセージ及び当該メッセージの送信先の登録を受け付ける登録ステップ」を有する点で一致する。

引用発明の「付加情報登録要求情報に基づいて、上記第一メッセージ情報に上記第二メッセージ情報を付加したメッセージ情報を作成するメッセージ作成ステップと、上記第二ユーザの送信要求情報に基づいて、上記メッセージ情報を上記送信先情報登録手段に記憶されている送信先に送信するメッセージ送信ステップ」は、第二メッセージ情報を付加した上記第一メッセージ情報を登録送信先に送信するステップであるから、本願発明1の「登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップ」に相当し、両者は、「登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップ」を有する点で一致する。

引用発明では、各ステップは「サーバ」により実行され、該サーバがコンピュータであることは明らかであるから、本願発明1と引用発明とは、「コンピュータが」各ステップを「実行する」点で一致する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「コンピュータが、
メッセージ及び当該メッセージの送信先の登録を受け付ける登録ステップと、
登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップと、
を実行するメッセージ送信方法。」

(相違点)
本願発明1では、「コンピュータ」が、「前記メッセージを登録したユーザを認証するためのユーザ認証情報とは別に設定された認証コードであって、自動的に作成された認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付ける認証ステップと、
前記認証が成立した場合に、登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップと、」を実行するのに対し、
引用発明では、「コンピュータ」が、「登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップ」を実行するとはいえるものの、
「前記メッセージを登録したユーザを認証するためのユーザ認証情報とは別に設定された認証コードであって、自動的に作成された認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付ける認証ステップと、
前記認証が成立した場合に、登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップと、」を実行するものではない点。

(2)相違点について
上記相違点について検討する。
引用発明は、「送信メッセージ登録要求情報に基づいて、第一メッセージ情報を送信操作する第二ユーザの識別情報を上記第一ユーザの識別情報と関連付けて記憶する送信操作者情報登録ステップ」を実行し、「上記第二ユーザの送信要求情報に基づいて、上記メッセージ情報を上記送信先情報登録手段に記憶されている送信先に送信する」ものである。換言すれば、送信メッセージ登録要求のときに、送信操作者である第二ユーザの識別情報を登録しておき、該識別情報により識別される第二ユーザの送信要求情報に基づいて、メッセージが送信されるものであって、第二ユーザの識別情報は、第二ユーザを特定するための識別情報であり、メッセージの送信のための認証に用いる自動的に作成された認証コードではなく、引用発明において、第二ユーザを特定するための識別情報をメッセージの送信のための認証に用いる自動的に作成された認証コードに置き換えること、あるいは、メッセージの送信のための認証に用いる自動的に作成された認証コードを付加することが容易に想到し得るといえる理由は、引用文献1、引用文献2のいずれにも見当たらず、本願発明1の上記認証コードが周知技術であるともいえない。
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

2.本願発明2-5について
本願発明2-5は、本願発明1の上記相違点に係る発明特定事項と同一の「前記メッセージを登録したユーザを認証するためのユーザ認証情報とは別に設定された認証コードであって、自動的に作成された認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付ける認証ステップと、前記認証が成立した場合に、登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信する送信ステップと、を実行する」との発明特定事項を有するものであるから、本願発明1と同じ理由により、本願発明2-5は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

3.本願発明6について
本願発明6は、メッセージ送信方法の発明である本願発明1と同様の内容をメッセージ送信装置として捉え、さらに、本願発明1の「自動的に作成された認証コード」を「ユーザにより任意に指定された又は自動的に作成された認証コード」としたものである。
そうすると、上記「1.(2)相違点について」で述べたのと同様の検討により、引用文献1に記載された、第二ユーザの識別情報は、第二ユーザを特定するための識別情報であり、メッセージの送信のための認証に用いる、ユーザにより任意に指定された又は自動的に作成された認証コードではなく、引用文献1に記載されたものにおいて、第二ユーザを特定するための識別情報を、メッセージの送信のための認証に用いる、ユーザにより任意に指定された又は自動的に作成された認証コードに置き換えること、あるいは、メッセージの送信のための認証に用いる、ユーザにより任意に指定された又は自動的に作成された認証コードを付加することが容易に想到し得るといえる理由は、引用文献1、引用文献2のいずれにも見当たらず、本願発明6の上記認証コードが周知技術であるともいえないから、本願発明1と同様の理由により、本願発明6は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

4.本願発明7-9について
本願発明7-9は、本願発明6の発明特定事項と同一の「前記メッセージを登録したユーザを認証するためのユーザ認証情報とは別に設定された認証コードであって、ユーザにより任意に指定された又は自動的に作成された認証コードに基づいて、前記メッセージの送信のための認証を受け付けるメッセージ送信認証部と、前記認証が成立した場合に、登録された前記メッセージの送信先に登録された前記メッセージを送信するメッセージ送信部と、を備える」との発明特定事項を有するものであるから、本願発明6と同じ理由により、本願発明7-9は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

第6 原査定について
上述のとおりであるから、本願発明1、3-6、8及び9は、引用文献1記載された発明であるということはできないし、本願発明1-9は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-07-02 
出願番号 特願2016-187987(P2016-187987)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 113- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小林 義晴  
特許庁審判長 安久 司郎
特許庁審判官 千葉 輝久
山田 正文
発明の名称 メッセージ送信方法、メッセージ送信用プログラム、及びメッセージ送信装置  
代理人 立花 顕治  
代理人 山下 未知子  
代理人 桝田 剛  
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