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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B65G
管理番号 1341709
審判番号 不服2017-11363  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-31 
確定日 2018-07-10 
事件の表示 特願2013-173967「物品搬送設備」拒絶査定不服審判事件〔平成27年3月2日出願公開、特開2015-40123、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年8月23日の出願であって、平成28年8月30日付けで拒絶理由が通知され、平成28年11月4日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成29年4月27日付けで拒絶査定がされ、それに対して平成29年7月31日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の理由の概要
原査定の理由の概要は次のとおりである。

1 平成28年8月30日付け拒絶理由の概要

●理由1(進歩性)について
・請求項1-2
・引用文献1-3
・備考 文献1には、
第1搬送方向に沿って物品を載置搬送する水平コンベア4と、
第1搬送方向と平面視で交差する第2搬送方向に沿ってワークWを滑り落とす傾斜台2とを備える板状ワークの整列装置であって、
水平コンベア4に沿って平行に配置され、傾斜台2から水平コンベア4へワークWを中継搬送する斜めコンベア3を備え、
傾斜台2の下流端部は、斜めコンベア3の傾斜台2側の側端部である第2側端部よりも上方に配置され、
斜めコンベア3は、水平コンベア4側の側端部である第1側端部が第2側端部よりも下方に位置するように傾斜して配置されるとともに、第1搬送方向の成分を有する方向に物品を中継搬送するものである点が記載されている(段落0017-0022、図1-2,6参照)。
搬送方向が直交するコンベア間で被搬送物の中継を行い、搬送するものは従来周知である(例えば、文献2の段落0017-0019、図1、文献3の1頁右下欄、図1-2参照)。
文献1に記載された発明及び該周知の事項は、搬送方向が直交する搬送装置間で被搬送物の中継を行う点で共通することから、該周知の事項を、文献1に記載された発明に適用し、傾斜台2に換えて被搬送物を載置搬送するコンベアとすることは、当業者が容易になし得たことである。
(中略)
<引用文献一覧>
1.特開2013-28413号公報
2.特開2002-179217号公報(周知技術を示す文献)
3.特開昭53-96165号公報(周知技術を示す文献)
(後略)

2 平成29年4月27日付け拒絶査定の概要

●理由1(特許法第29条第2項)について
・請求項1
・引用文献1-5
出願人は、平成28年11月4日付け意見書において、「しかし、引用文献1における傾斜台は、特許請求の範囲に記載されており発明の一部を構成するものです。そのため、傾斜台をコンベヤに換えることは、引用文献1の発明を破綻させるものであるため、引用文献1に引用文献2等のコンベヤを採用することに阻害要因があると思料致します。従いまして、引用文献1の傾斜台に換えてコンベヤとすることに阻害要因があり、引用文献1に周知の事項を適用して本願請求項1と同様の構成を想到することは困難であると思料致します。
また、仮に、引用文献1の傾斜台に換えてコンベヤとすることを容易に想到できたとしても、本願請求項1の第2コンベヤは、『第2搬送方向で下流側ほど下方に位置する搬送面を備えた下流側搬送部と、搬送面が水平で且つ下流側搬送部に対して上流側に位置する上流側搬送部と、を備え、下流側搬送部の搬送面の水平面に対する傾斜角度は、中継コンベヤの水平面に対する傾斜角度より小さい』ものです。そのため、本願請求項1では、『第2コンベヤが水平又は中継コンベヤの傾斜角度より緩やかな傾斜であるため、第2コンベヤを水平方向に沿って設置し易く第2コンベヤのレイアウトの自由度を高めることができながら、第2コンベヤから中継コンベヤへの物品の受け渡しを円滑に行える』という作用効果を奏することができます。」と主張している。
しかしながら、文献1の傾斜台2は、重力を利用してワークwを斜めコンベヤ3にまで運ぶものということができ、斜めコンベヤ3までの運搬を傾斜台2によってのみでしか行うことができないとは認められない。
そうすると、斜めコンベヤ3までのワーク搬送手段としてコンベヤを用いることに阻害要因があるとまでは認められない。
そして、被搬送物を水平に搬送するコンベヤは文献を挙げるまでもなく一般的に用いられているものであること、文献1の段落0020に、斜めコンベア3の傾斜角度は、本実施形態では傾斜面21の角度θと同角度に設定されているが、ワークwを斜めコンベア3に沿った斜めの姿勢で搬送できる角度であれば、傾斜面21の角度θより多少大きな或いは小さな角度でも構わない点が記載されていること、及び、文献2の図3に記載されたフリーローラ27、フリーローラ部35、シュート部36を参酌すれば、上述したコンベヤとして、第2搬送方向で下流側ほど下方に位置する搬送面を備えた下流側搬送部と、搬送面が水平で且つ下流側搬送部に対して上流側に位置する上流側搬送部と、を備え、下流側搬送部の搬送面の水平面に対する傾斜角度は、中継コンベヤの水平面に対する傾斜角度より小さいものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
したがって、上記出願人の主張は採用することができない。
(中略)
<引用文献一覧>
1.特開2013-28413号公報
2.特開2002-179217号公報(周知技術を示す文献)
3.特開昭53-96165号公報(周知技術を示す文献)
4.実公昭42-8257号公報(周知技術を示す文献)
5.特表2009-525243号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明は、平成29年7月31日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下、「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)。

「【請求項1】
第1搬送方向に沿って物品を載置搬送する第1コンベヤと、
前記第1搬送方向と平面視で交差する第2搬送方向に沿って物品を載置搬送する第2コンベヤとを備える物品搬送設備であって、
前記第1コンベヤに沿って平行に配置され、前記第2コンベヤから前記第1コンベヤへ物品を中継搬送する中継コンベヤを備え、
前記第2コンベヤの下流端部は、前記中継コンベヤの前記第2コンベヤ側の側端部である中継第2側端部よりも上方に配置され、
前記中継コンベヤは、前記第1コンベヤ側の側端部である中継第1側端部が前記中継第2側端部よりも下方に位置するように傾斜して配置されるとともに、前記第1搬送方向の成分を有する方向に物品を中継搬送し、
前記第2コンベヤは、前記第2搬送方向で下流側ほど下方に位置する搬送面を備えた下流側搬送部と、搬送面が水平で且つ下流側搬送部に対して上流側に位置する上流側搬送部と、を備え、
前記下流側搬送部の搬送面の水平面に対する傾斜角度は、前記中継コンベヤの水平面に対する傾斜角度より小さい物品搬送設備。
【請求項2】
前記第2コンベヤが、前記第1搬送方向において異なる複数の供給位置に対応して複数配設され、
前記第1コンベヤと前記第2コンベヤと前記中継コンベヤとの搬送作動を制御する制御装置をさらに備え、
前記第1コンベヤは、前記第1搬送方向で前記複数の供給位置のうち最も下流側に位置する供給位置よりも下流側に設定された検査用位置において物品の通過を検出する第1物品検出センサを備え、
前記複数の第2コンベヤの夫々は、前記第2搬送方向の下流端部において前記中継コンベヤに供給される物品の通過を検出する第2物品検出センサを備え、
前記複数の第2コンベヤは、予め設定された物品群に属する複数の物品を分担して搬送し、
前記制御装置は、
物品の前記第1コンベヤにおける前記第1搬送方向での位置と物品の前記第2コンベヤにおける前記第2搬送方向での位置とを管理するとともに、
前記複数の第2コンベヤにて分担して搬送される前記物品群を構成する各物品が、前記第1コンベヤにおいて前記物品群に対応して設定される単一の搬送領域内で前記第1搬送方向に互いに離間して並ぶ状態で、かつ、前記第1搬送方向に隣り合う前記搬送領域のうちの上流側の前記搬送領域における最下流側に位置する物品と、下流側の前記搬送領域における最上流側に位置する物品との間隔が、前記搬送領域内に並ぶ各物品同士の間隔よりも大きくなる状態で、前記第1コンベヤにて載置搬送されるように、前記第1コンベヤと前記第2コンベヤと前記中継コンベヤとの搬送作動を制御するように構成され、
さらに、前記物品群を構成する各物品が前記複数の第2コンベヤにより前記中継コンベヤに供給されたときの前記第2物品検出センサの検出情報と当該物品群が前記検査用位置を通過するときの前記第1物品検出センサの検出情報とに基づいて、当該物品群を構成する全ての物品が前記第1コンベヤにおいて前記第1搬送方向に互いに離間して連続して並んだ状態で搬送されている適正搬送状態であるか否かを判別するように構成されている請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記第1コンベヤにより搬送される物品の前記第1搬送方向での位置を表示する表示画面を備えた表示装置を更に備え、
前記制御装置は、
前記第1コンベヤにおいて前記第1搬送方向に沿って等分割に区分けして設定された仮想領域のうち、前記物品群を構成する各物品に対して連続して並んだ前記各仮想領域を割り当てて構成される仮想領域群を前記搬送領域として設定するとともに、前記第1搬送方向に隣り合う前記搬送領域の間には、いずれの物品も割り当てない空白仮想領域を設定し、
前記物品群を構成する各物品が前記割り当てられた各仮想領域に供給されるように、前記第1コンベヤと前記第2コンベヤと前記中継コンベヤとの搬送作動を制御し、
前記第2物品検出センサにおいて前記中継コンベヤに供給される物品の通過を検出した場合には、当該物品は当該物品に対して割り当てられた前記仮想領域内に存在していると管理し、
前記第1コンベヤにおける前記仮想領域の配列と対応させて、前記第1搬送方向に対応する方向である前記表示画面における第1画像方向に、当該第1画像方向の長さが等しい区画領域を連続して並べて表示させるように前記表示装置の表示作動を制御するとともに、当該区画領域を表示させる際には、各物品が割り当てられた各仮想領域に対応する区画領域については、前記各仮想領域内に物品が存在しているか否かに応じて表示態様を異ならせるように前記表示装置の表示作動を制御する請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第1コンベヤは、物品を容器へ投入する投入装置と連結されており、
前記投入装置は、前記物品群毎に同一の容器へ投入するように構成されている請求項2又は3に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記第2搬送方向は、平面視で前記第1搬送方向と直交する請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記中継コンベヤにおける前記第1搬送方向に沿う搬送速度が、前記第1コンベヤにおける搬送速度と同速である請求項1から5のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記中継コンベヤの搬送面である中継搬送面を形成する移動体と、前記第1コンベヤの搬送面である第1搬送面を形成する移動体とが一体的に形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の物品搬送設備。」

第4 引用文献
1 引用文献1
原査定の理由に引用され、本願出願前に頒布された引用文献1(特開2013-28413号公報)には、「板状ワークの整列方法及び整列装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。

(1)引用文献1の記載事項
ア 「【0001】
本発明は、板状のワークをコンベアの搬送方向に沿って一列に整列させる整列方法及び整列装置に関する。」

イ 「【0017】
図1?図4に示すように、本実施形態に係る板状ワークwの整列装置1は、ワークwが供給されて滑り落ちる傾斜台2と、傾斜台2の下部に配設された斜めコンベア3と、斜めコンベア3に並設された水平コンベア4と、斜めコンベア3上のワークwを水平コンベア4に案内する幅規制部5と、水平コンベア4上のワークwを一枚ずつ送出する高さ規制部6とを備えている。また、整列装置1は、傾斜台2に複数のワークwを供給する供給手段7を備えている。供給手段7は、複数のワークwを保持又は解放するチャック8と、チャック8に保持されたワークwを傾斜台2に近付けるアーム9とを有する多関節ロボット71から主に構成されている。
【0018】
以下、本実施形態に係る板状ワークwの整列装置1を構成要素毎に説明する。
【0019】
(傾斜台)
傾斜台2は、複数(本実施形態では縦横3×3の9個)のワークwを同時に滑り落とすことができる面積の傾斜面21を有している。傾斜面21の傾斜角度θは、ワークwが摩擦で止まることなく滑り落ちる角度以上で、滑り落ちたワークwが斜めの状態から裏返しになって水平コンベア4に載ってしまうことを回避する角度に設定されている。この角度θは、凡そ45度?60度が好ましい。傾斜台2の両側部には、側壁22が設けられており、傾斜台2上を滑り落ちるワークwが両側部から落下しないようになっている。ワークwは、本実施形態では直径150mm、厚さ2mmの円板が用いられ、クラッチ板の素材となるものである。
【0020】
(斜めコンベア)
傾斜台2の下部には、斜めコンベア3が設けられている。斜めコンベア3は、傾斜台2の下部に、ワークwが滑り落ちる方向と交差する方向(本実施形態では直交方向)に沿って、傾斜面21の傾斜角度θに応じて斜めに配設されている。斜めコンベア3の傾斜角度は、本実施形態では傾斜面21の角度θと同角度に設定されているが、ワークwを斜めコンベア3に沿った斜めの姿勢で搬送できる角度であれば、傾斜面21の角度θより多少大きな或いは小さな角度でも構わない。斜めコンベア3の幅は、ワークwを斜めの姿勢で安定して搬送するため、ワークwの大きさ(直径)の1倍以上2倍以下(本実施形態では約1.5倍)に設定されている。斜めコンベア3には、本実施形態ではベルトコンベアが用いられているが、ローラーコンベアを用いてもよい。
【0021】
(水平コンベア)
斜めコンベア3の隣には、水平コンベア4が設けられている。水平コンベア4は、斜めコンベア3の幅方向の下端に沿って、斜めコンベア3と隣り合うようにして配置されており、ワークwを水平姿勢で搬送するものである。水平コンベア4は、本実施形態ではその搬送方向が地面と平行となるように配置されているが、多少登り勾配或いは下り勾配であっても構わない。水平コンベア4の幅方向の一端(斜めコンベア3とは反対側の端部)には、傾斜台21を滑り落ちたワークwがバウンドしたとしても水平コンベア4から飛び出ることを防止するための側壁41が、水平コンベア4の長手方向に沿って設けられている。水平コンベア4には、本実施形態ではベルトコンベアが用いられているが、ローラーコンベアを用いてもよい。
【0022】
水平コンベア4の搬送速度は、本実施形態では斜めコンベア3の搬送速度と等しく設定されているが、斜めコンベア3の搬送速度より速くすること或いは遅くすることを妨げるものではない。例えば、水平コンベア4及び斜めコンベア3の少なくとも一方の搬送速度を可変に制御できるようにし、双方のコンベア3、4によるワークwの搬送状況に応じて、一方のコンベアの搬送速度を他方のコンベアの搬送速度よりも速く或いは遅くしたり、双方のコンベアの搬送速度を等しくする制御を行ってもよい。
【0023】
(幅規制部)
斜めコンベア3の下流側の部分には、斜めコンベア3上を斜めの姿勢で搬送されるワークwを幅方向の一方から規制することで、水平コンベア4上に滑り落とす幅規制部5が配置されている。幅規制部5は、細長い板体を弓型に湾曲させた形状の規制板51からなり、その一端が傾斜台2の傾斜面21に固定され、他端が水平コンベア4の出口部の出口部材(図4参照)42に固定されている。また、規制板51の下面は、斜めコンベア3の搬送面及び水平コンベア4の搬送面から隙間G1(図4参照)が隔てられている。隙間G1は、ワークwの板厚tの1倍未満(好ましくは0.5倍未満)に設定されており、ワークwが隙間G1を潜り抜けないようになっている。本実施形態では、隙間G1はワークwの板厚tの約0.2倍に設定されている。」

(2)引用発明
上記(1)並びに図1及び2の記載からみて、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「第1搬送方向に沿って板状ワークwを載置搬送する水平コンベア4と、
第1搬送方向と平面視で交差する第2搬送方向に沿って板状ワークwを滑り落とす傾斜台2とを備える板状ワークwの整列装置1であって、
水平コンベア4に沿って平行に配置され、傾斜台2から水平コンベア4へワークWを中継搬送する斜めコンベア3を備え、
傾斜台2の下流端部は、斜めコンベア3の傾斜台2側の側端部である第2側端部よりも上方に配置され、
斜めコンベア3は、水平コンベア4側の側端部である第1側端部が第2側端部よりも下方に位置するように傾斜して配置されるとともに、第1搬送方向の成分を有する方向に物品を中継搬送し、
傾斜台2は、第2搬送方向で下流側ほど下方に位置する傾斜面21を備えた傾斜台2を備える板状ワークの整列装置1。」

2 引用文献2
原査定の理由に引用され、本願出願前に頒布された引用文献2(特開2002-179217号公報)には、「ピッキング装置」に関して、図面(特に図1ないし図3参照)とともに次の事項が記載されている。

(1)引用文献2の記載事項
ア 「【0017】図1において、1はピッキング装置で、このピッキング装置1は、複数のオーダ情報を含むピッキングデータに基づいて物品Wを自動ピッキングするための装置である。
【0018】そして、ピッキング装置1は、物品Wを搬送面2上に載せて搬送方向Xに搬送する複数段、例えば4段の物品搬送手段3を備え、各段の物品搬送手段3の側方位置には複数の物品保管取出手段4がそれぞれ設けられており、複数の物品保管取出手段4は互いに隣接した状態で物品搬送手段3の搬送方向Xに並んで位置している。
【0019】各物品保管取出手段4は、例えば、同一種類の物品Wを搬送方向Xと交差する方向に列状に複数保管する物品保管手段としての保管部6、この保管部6に保管された物品Wを搬送面2上に払い出すように取り出す物品取出手段としての取出部7等にて構成されている。
【0020】また、物品搬送手段3の搬送終端側には傾斜コンベヤ8、ベルトコンベヤ9、シュート10等にて構成されたピックアップステーション等の集約部11が連設されている。そして、この集約部11の搬送終端部において作業者12が手作業で1オーダ情報に応じた複数種の物品Wである1オーダ単位の物品W群をボックス載置部15上に位置する収容ボックス13内に収容する。物品Wが収容された収容ボックス13は、ボックス用コンベヤ14にて次工程に送られて行く。
【0021】ここで、物品搬送手段3は、図2および図3に示すように、例えば水平状のベルトコンベヤ等で、無端体である搬送ベルト21を有し、搬送ベルト21は図示しない複数の回転体であるローラに巻き掛けられている。
【0022】そして、物品搬送手段3の搬送ベルト21は、駆動手段としての駆動モータ22からの駆動力に基づいて駆動回行し、その結果、搬送ベルト21の上面にて構成された搬送面2上に位置する物品Wが載置状態で搬送方向Xに搬送される。なお、各段の物品搬送手段3は、下部に車輪24を有する共通の可動機枠25に取り付けられており、物品保管取出手段4側に対して進退可能な構成となっている。」

イ 「【0023】また、物品保管取出手段4の保管部6は、図2および図3に示すように、例えば傾斜状のフリーローラコンベヤ等で、支持手段である固定機枠26に取り付けられた図示しないフリーローラを有し、このフリーローラの上面にて保管搬送面27が構成されている。保管搬送面27は、物品搬送手段3側である搬送終端側から反物品搬送手段3側である搬送始端側に向って徐々に上方に傾斜した傾斜状に位置している。なお、保管搬送面27の搬送終端側には物品搬送手段3側に向って開口した物品取出し用の開口部28が形成されており、保管搬送面27の搬送始端側には物品補充用の補充開口部29が形成されている。
【0024】そして、保管部6の保管搬送面27上に載置保管された物品Wは、取出部7の取出し動作に基づいて、自重により載置状態のまま搬送方向Yに搬送される。
【0025】さらに、物品保管取出手段4の取出部7は、図3に示すように、例えば電動式のディスペンサ等で、固定機枠26の取付け板26aの上面上に取り付けられた基体31を有し、この基体31の上部には軸方向が水平方向に一致した回動軸32を介して移動規制部としてのストッパ体33が取り付けられている。ストッパ体33は、ストッパ用駆動手段としてのモータ34からの駆動力に基づいて回動軸32を中心として回動することにより、物品Wの移動位置に対して進退可能な構成となっている。また、ストッパ体33の上面部は複数のフリーローラ部35にて構成されている。
【0026】そして、図3の実線で示すように、取出部7のストッパ体33が物品Wの移動位置側に進出した状態時、すなわち、ストッパ体33の先端側の当接部33aが保管搬送面27より高い位置に位置した状態時には、保管搬送面27上の先頭の物品Wの前側面下部がストッパ体33の当接部33aと当接し、各物品Wが移動規制された状態で保管搬送面27上に載置保管されている。
【0027】図3の二点鎖線で示すように、ストッパ体33が、モータ34からの駆動力で回動軸32を中心として回動することにより物品Wの移動位置側から退避すると、ストッパ体33の当接部33aが保管搬送面27より低い位置に位置した状態となり、保管搬送面27上の先頭の物品Wが開口部28からフリーローラ部35およびシュート部36上を経て物品搬送手段3の搬送面2上に切り出される。」

(2)引用文献2記載の技術
上記(1)及び図面からみて、引用文献2には以下の技術が記載されている。

「ピッキング装置1において、物品搬送手段3の搬送終端側に、傾斜コンベヤ8、ベルトコンベヤ9、シュート10等にて構成されたピックアップステーション等の集約部11が連接される技術。」(以下、「引用文献2記載の技術1」という。)

「ピッキング装置1において、保管搬送面27上の先頭の物品Wが開口部28からフリーローラ部35およびシュート部36上を経て物品搬送手段3の搬送面2上に切り出される技術。」(以下、「引用文献2記載の技術2」という。)

3 引用文献3
原査定の理由に引用され、本願出願前に頒布された引用文献3(特開昭53-96165号公報)には、「コンベア合流制御装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。

(1)引用文献3の記載事項
「第1図は合流制御を行なうコンベアシステムを示す。支流コンベア(2)に投入された搬送物(3)はリミットスイッチ(4)を作動させる。このことにより支流コンベア#1は図示しない方式にて停止され、搬送物は合流直前で待機している。本流コンベア(1)は一定速度で動いており、各々の支流コンベアを後述のタイミングで再起動することにより、搬送物が投下され、最終的に下流においてある決められた間隔xをもって搬送物(5)が送られることになる。」(第1ページ右下欄第11行ないし第20行)

(2)引用文献3記載の技術
上記(1)及び図面からみて、引用文献3には次の技術(以下、「引用文献3記載の技術」という。)が記載されている。

「コンベアシステムにおいて、支流コンベア2から、本流コンベア1に、搬送物5が投下される技術。」

4 引用文献4
原査定の理由に引用され、本願出願前に頒布された引用文献4(実公昭42-8257号公報)には、「ベルトコンベヤー」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。

(1)引用文献4の記載事項
「本考案はベルトコンベヤーに関するもので、ゴム等より成る弾性ベルト1の下面に中央部と左右両側に分割した帆布等より成る分割ベルト2,3,4を一体に貼着し、この分割ベルト2,3,4の移送部5の下面位置に適当間隔で中央と左右両側に分割した案内ローラー6,7,8を配置したものである。
而して図面中9は下側ローラー、10は両端屈曲部ローラーである。
本考案は上述のように構成したから、図に示すように移送部5の中央案内ローラー6を平面状とし、左右案内ローラー7,8を稍上向に傾斜させて移送すれば、弾性ベルト1は移送部5に於て樋型に形成され、又一側の案内ローラー7を中央の案内ローラー6と平行させて一側縁のみを開放させることも出来、移送物の態様及び作業状況に応じて種々に変形させて用いることが出来るものである。」(第1ページ左上欄第13行ないし右上欄第13行)

(2)引用文献4記載の技術
上記(1)及び図面の記載からみて、引用文献4には次の技術(以下、「引用文献4記載の技術」という。)が記載されている。

「ベルトコンベヤーにおいて、弾性ベルト1の左右の部分を斜め上に傾斜させる技術。」

5 引用文献5
原査定の理由に引用され、本願出願前に頒布された引用文献5(特表2009-525243号公報)には、「トラフ形の低摩擦ポジティブドライブベルトを備えるコンベヤ」に関して、図面(特に、図2及び図3を参照)とともに次の事項が記載されている。

(1)引用文献5の記載事項
「【0020】
本発明によれば、ベルト12は、ベルト12の外面22上において搬送される物品の保持を容易にするために、ベルト12が長手方向トラフ40を形成することを可能にする手段をさらに備える。図2及び図3の実施例は、歯28に形成されるギャップ42としてこの手段を示している。図3に最適に示されるように、ギャップ42は、歯28のそれぞれを、ギャップ42の幅に等しい距離Aだけ第2の歯部分46から離間させた、第1の歯部分44に分割する。したがって、第1の歯部分44は、側縁24からギャップ42まで延び、第2の歯部分46は、他方の側縁26からギャップ42まで延びる。図3及び他の同様の図(すなわち、図5、図7、図9、図11及び図13)において、点線が、歯28の基部とベルト12の内面20との間のおおよその境目を示す。この点線は、単に説明のためだけに設けられており、必ずしも構造的特徴を表すものではない。図示の実施例によれば、ギャップ42は、歯28のそれぞれにおいてベルト12の縁24、26間に同じ距離で形成されるため、歯28のギャップ42が長手方向に整列する。ギャップ42及びその長手方向の整列の結果として、ベルト12はギャップ42において自然に曲がることができる。このような曲げは、ベルト上の搬送される物体又は場合によってはベルト自体の重量等の力がベルトの中間を撓ませるときに、上側スパンにおいて生じ得る。同様に、側縁24、26が、トラフ40を形成するように、ベルト12の残りの部分に対して撓み得る。
【0021】
第1の歯部分44と第2の歯部分46との間の距離A、及びギャップ42が歯28のそれぞれに延びる深さを表す範囲B等、ギャップ42の幾何学的特性が、トラフ40の深さを少なくとも或る程度は決める。図3において、ギャップ42は、歯28の全体に延びるものとして図示されているが、ギャップ42が歯の途中までしか延びないことは本発明の範囲内にある。図3aに示すように、好適な構成でトラフ40を保持するために縁ガイド41を縁24、26に設けることができる。この場合、縁ガイド41は、ベルトに横力を与えないことが好ましい。
【0022】
さらに、歯28のそれぞれにおけるギャップ42の数がトラフ40の形状に影響を及ぼす。そして、図示の実施例では歯28のそれぞれにギャップ42が1つしか示されていないが、所望のトラフ形状を得るために、歯28のそれぞれが複数のギャップ42含むこと、及びこれにより3つ以上の歯部分を含むことは、本発明の範囲内にある。例えば、平底43を有するトラフを形成するために、互いに離間している2つのギャップ42を示す図3bを参照されたい。さらに、図示の実施例では、ギャップ42は、トラフ40の最下点を側縁24、26間のほぼ中間に位置決めするように歯28のそれぞれの中央に位置付けられているが、ギャップ42を側縁24、26間の中央以外に位置付けてトラフをずらすことは本発明の範囲内にある。また、範囲Bが歯を越えてベルトの基部自体まで延びることは本発明の範囲内にある。例えば、図3cの実施例を参照されたい。」

(2)引用文献5記載の技術
上記(1)及び図面(特に図3bを参照)からみて、引用文献5には次の技術(以下、「引用文献5記載の技術」という。)が記載されている。

「コンベヤのベルト12の両側縁24、26の部分を斜め上に傾斜させる技術。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明における「水平コンベア4」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明1における「第1コンベヤ」に相当し、以下同様に、「板状ワークw」は「物品」に、「斜めコンベア3」は「中継コンベヤ」に、それぞれ相当する。
また、本願発明において「載置搬送する」ことは、本願明細書の段落【0039】等の記載からみて「滑動する」ことを包含するものであるから、引用発明における「滑り落とす」ことは、本願発明における「載置搬送する」ことに相当する。
したがって、引用発明における「第1搬送方向と平面視で交差する第2搬送方向に沿ってワークWを滑り落とす傾斜台2」は、本願発明における「第1搬送方向と平面視で交差する第2搬送方向に沿って物品を載置搬送する第2コンベヤ」(の「下流側搬送部」)に相当する。
そして、(傾斜台2の)「傾斜面21」は、その技術的意義からみて、(第2コンベヤの下流側搬送部の)「搬送面」に相当する。
また、引用発明における「第1側端部」及び「第2側端部」は、その技術的意義からみて、本願発明における「中継第1側端部」及び「中継第2側端部」に相当する。
また、引用発明における「板状ワークwの整列装置1」は、板状ワークwを搬送し整列させる装置であるから、本願発明における「物品搬送設備」に相当する。

したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「第1搬送方向に沿って物品を載置搬送する第1コンベヤと、
第1搬送方向と平面視で交差する第2搬送方向に沿って物品を載置搬送する第2コンベヤとを備える物品搬送設備であって、
第1コンベヤに沿って平行に配置され、第2コンベヤから第1コンベヤへ物品を中継搬送する中継コンベヤを備え、
第2コンベヤの下流端部は、中継コンベヤの第2コンベヤ側の側端部である中継第2側端部よりも上方に配置され、
中継コンベヤは、第1コンベヤ側の側端部である中継第1側端部が中継第2側端部よりも下方に位置するように傾斜して配置されるとともに、第1搬送方向の成分を有する方向に物品を中継搬送し、
第2コンベヤは、第2搬送方向で下流側ほど下方に位置する搬送面を備えた下流側搬送部を備える物品搬送設備。」

[相違点]
本願発明1においては第2コンベヤが、「搬送面が水平で且つ下流側搬送部に対して上流側に位置する上流側搬送部と、を備え、前記下流側搬送部の搬送面の水平面に対する傾斜角度は、前記中継コンベヤの水平面に対する傾斜角度より小さい」のに対し、引用発明においては、傾斜台2は第2搬送方向で下流側ほど下方に位置する傾斜面21を備えるものの、「搬送面が水平で且つ下流側搬送部に対して上流側に位置する上流側搬送部」を備えておらず、「下流側搬送部の搬送面の水平面に対する傾斜角度は、中継コンベヤの水平面に対する傾斜角度より小さい」とはいえない点。

(2)相違点の判断
引用文献2には、「ピッキング装置1において、物品搬送手段3の搬送終端側に、傾斜コンベヤ8、ベルトコンベヤ9、シュート10等にて構成されたピックアップステーション等の集約部11が連接される技術。」(上記「引用文献2記載の技術1」)及び「ピッキング装置1において、保管搬送面27上の先頭の物品Wが開口部28からフリーローラ部35およびシュート部36上を経て物品搬送手段3の搬送面2上に切り出される技術。」(上記「引用文献2記載の技術2」)が記載されている。
しかしながら、引用発明における傾斜台2に代えて、引用文献2記載の技術1における物品搬送手段3及び傾斜コンベヤ8、又は、引用文献2記載の技術2におけるフリーローラ部35及びシュート部36を設置する動機を見いだすことができない。
また、仮に、引用発明における傾斜台2に代えて、引用文献2記載の技術における物品搬送手段3及び傾斜コンベヤ8、又は、引用文献2記載の技術2におけるフリーローラ部35及びシュート部36を設置することができたとしても、本願発明1における「前記下流側搬送部の搬送面の水平面に対する傾斜角度は、前記中継コンベヤの水平面に対する傾斜角度より小さい」という発明特定事項を容易に想到することができない。
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2記載の技術1又は2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、さらに引用文献3ないし5記載の技術について検討しても、本願発明1は、引用発明及び引用文献2記載の技術1又は2並びに引用文献3ないし5記載の技術の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし7について
本願の特許請求の範囲における請求項2ないし7は、請求項1の記載を直接又は間接的に、かつ、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく引用して記載されたものであるから、本願発明2ないし7は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。

したがって、本願発明2ないし7は、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献2記載の技術1又は2並びに引用文献3ないし5記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 まとめ
以上から、本願発明1ないし7は、引用発明及び引用文献2記載の技術1又は2並びに引用文献3ないし5記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について
平成28年11月4日の補正及び審判請求時の補正により、本願発明1ないし7は、「搬送面が水平で且つ下流側搬送部に対して上流側に位置する上流側搬送部と、を備え、前記下流側搬送部の搬送面の水平面に対する傾斜角度は、前記中継コンベヤの水平面に対する傾斜角度より小さい」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1ないし5に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし7は、いずれも引用発明及び引用文献2記載の技術1又は2並びに引用文献3ないし5記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-06-25 
出願番号 特願2013-173967(P2013-173967)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B65G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中島 昭浩  
特許庁審判長 冨岡 和人
特許庁審判官 金澤 俊郎
水野 治彦
発明の名称 物品搬送設備  
代理人 特許業務法人R&C  
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