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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G02B
管理番号 1341730
審判番号 不服2017-12895  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-31 
確定日 2018-07-17 
事件の表示 特願2016-202860「積層光学フィルムの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月17日出願公開、特開2017-142483、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年10月14日(優先権主張平成28年2月8日)の出願であって、同年11月24日付けで拒絶理由が通知され、平成29年1月30日に意見書の提出とともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされ、同年3月31日付けで拒絶理由が通知され、同年5月30日に意見書の提出とともに手続補正がなされ、同年6月21日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し同年8月31日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。


第2 原査定の概要
原査定の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。

(進歩性)
本願の請求項1?9に係る発明は、その優先権主張の日(以下、「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1?10に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2014-191155号公報
引用文献2:特開2014-16450号公報
引用文献3:特開2014-85631号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特許第5399890号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開2007-256688号公報(周知技術を示す文献)
引用文献6:特開2002-40800号公報(周知技術を示す文献)
引用文献7:特開2013-29754号公報(周知技術を示す文献)
引用文献8:特開2013-92763号公報(周知技術を示す文献)
引用文献9:特開2000-86849号公報(周知技術を示す文献)
引用文献10:特表2003-505552号公報(周知技術を示す文献)


第3 本願発明
本願の請求項1?9に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明9」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定される発明であって、以下のとおりのものである。
「 【請求項1】
回転する一対の貼合ロールの間に、第1の光学フィルムと、前記第1の光学フィルムの片面側又は両面側に接着剤層又は粘着剤層を介して配置した第2の光学フィルムと、を導入して前記第1の光学フィルムと前記第2の光学フィルムとを貼合する、積層光学フィルムの製造方法であって、
前記一対の貼合ロールのうち、少なくとも一方の前記貼合ロールの最外層がゴムであり、
前記ゴムの弾性回復率が70%以上であり、
JIS K 6253に準拠して測定した前記ゴムのゴム硬度が、83?97°である、積層光学フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記第2の光学フィルムのうち少なくとも1枚は、透明フィルムである、請求項1記載の積層光学フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記透明フィルムは、保護フィルムであり、
前記第1の光学フィルムは、偏光フィルムである、請求項2記載の積層光学フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を含む、請求項3記載の積層光学フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記偏光フィルムの厚さが20μm以下であり、
前記保護フィルムの厚さが30μm以下であり、
当該積層光学フィルムの厚さが100μm以下である、請求項3又は4記載の積層光学フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記第1の光学フィルムは、偏光フィルムと保護フィルムとを備える偏光板であり、
前記第1の光学フィルムと前記第2の光学フィルムとを、前記粘着剤層を介して貼合する、請求項2記載の積層光学フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記偏光フィルムの厚さが20μm以下であり、
前記保護フィルムの厚さが30μm以下であり、
前記偏光板の厚さが100μm以下である、請求項6記載の積層光学フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記一対の貼合ロールは、いずれも最外層がゴムであり、
前記ゴムの弾性回復率が70%以上である、請求項1?7のいずれか一項記載の積層光学フィルムの製造方法。
【請求項9】
少なくとも1つの押圧ロールを前記一対の貼合ロールのうち少なくとも一方の前記貼合ロールに接触させ、当該貼合ロールを、前記一対の貼合ロールが互いに接近する方向へ押圧する、請求項1?8のいずれか一項記載の積層光学フィルムの製造方法。」


第4 引用文献の記載事項及び引用発明
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2014-191155号公報)には、以下の記載事項がある(なお、記載事項中の下線は合議体が付与した。以下同様である。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置などを構成する光学部品の一つとして有用な偏光板を製造する方法であって、偏光フィルムに貼合する前の状態の、透明フィルムの原料となる原料フィルムの水分含有率を調整する工程を含む、偏光板の製造方法に関する。

(中略)

【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、逆カールやウェーブカールの発生を防止することができる偏光板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、透明フィルムの原料となる原料フィルムの水分含有率を調整する工程と、水分含有率を調整後の原料フィルムを偏光フィルムの片面または両面に貼合する工程とを含む、偏光板の製造方法に関する。

(中略)

【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、得られる偏光板において、逆カールやウェーブカールが発生することを防止することができる。」

イ 「【0131】
本発明の偏光板の製造方法において、原料フィルムのガラス転移温度よりも10?20℃低い温度にまで原料フィルムを加熱する工程以外の工程は特に制限はなく、従来公知の偏光板の製造方法における各工程を適用できる。偏光板の製造方法は、通常、(1)接着剤塗工工程、(2)貼合工程、(3)活性エネルギー線照射工程、(4)偏光板巻き取り工程を含む。以下、各工程について説明する。

(中略)

【0133】
(貼合工程)
本工程では、ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出された偏光フィルムの片面または両面に、透明フィルムが接着剤を介して積層させる。この積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロールの間に挟んで透明フィルムと偏光フィルムとを貼合する。
【0134】
貼合ロールの材質としては、金属やゴムが挙げられる。一対の貼合ロールの一方が金属製ロールであり、他方がゴム製ロールであることが好ましい。さらに、フラットロールが金属製であり、クラウンロールがゴム製であることがより好ましい。

(中略)

【0136】
ゴム製ロールの材質は、特に限定されないが、NBR(ニトリルゴム)、タイタン、ウレタン、シリコン、EPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)などが挙げられ、好ましくは、NBR、タイタン、ウレタンである。ゴムロールの硬度は、特に限定されないが、通常60?100°であり、好ましくは85?95°である。なお、ゴムロールの硬度は、JIS K 6253に準拠した硬度計で測定することができる。市販の硬度計としては、たとえばアスカ社製のゴム硬度計「Type-A」などが用いられる。具体的には、表面を棒のようなもので押しつけた時の、ゴムロールの表面の抵抗を硬度計で測定する。」

(2)引用文献1に記載された発明
引用文献1の記載事項イに基づけば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出された偏光フィルムの片面または両面に、透明フィルムを接着剤を介して積層させ、この積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロールの間に挟んで透明フィルムと偏光フィルムとを貼合する貼合工程を含む偏光板の製造方法であって、
一対の貼合ロールの一方が金属製ロールであり、他方がゴム製ロールであり、ゴム製ロールの材質は、NBR(ニトリルゴム)であり、ゴムロールの硬度は85?95°であり、ゴムロールの硬度は、JIS K 6253に準拠した硬度計で測定する、偏光板の製造方法。」

2 引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2014-16450号公報)には、以下の記載事項がある。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等を構成する光学部品の一つとして有用な偏光板の製造方法に関する。

(中略)

【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、皺等の変形や気泡の混入が抑制された偏光板の製造方法および偏光板の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、偏光フィルムの片面または両面に透明フィルムが貼合されてなる偏光板の製造方法であって、
前記透明フィルムの片面または前記偏光フィルムの片面もしくは両面に、活性エネルギー線硬化型の接着剤を塗布する接着剤塗工工程と、
前記透明フィルムが前記偏光フィルムの片面または両面に前記接着剤を介して積層されてなる積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロールの間に挟んだ状態で、少なくとも一方の貼合ロールを他方の貼合ロールの方向に押圧することで、前記透明フィルムと前記偏光フィルムとを貼合する貼合工程と、
前記積層体に活性エネルギー線を照射して前記接着剤を硬化させる活性エネルギー線照射工程とを備え、
前記一対の貼合ロールの少なくとも一方は金属製ロールであり、該金属製ロールの表面粗さが0.5S以上であることを特徴とする、偏光板の製造方法である。

(中略)

【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、皺等の変形や気泡の混入が抑制された偏光板を提供することができる。また、搬送の流れが悪くなること等に起因する製造工程でのトラブルの発生も抑制される。」

イ 「0096】
<<偏光板の製造方法>>
次に図面を参照しながら本発明の偏光板の製造装置および製造方法を説明する。図1は本発明の偏光板の製造装置の一実施形態を示す概略図である。
【0097】
図1に示す偏光板の製造装置30では、透明フィルム2,3の片面に接着剤を塗布するための接着剤塗工装置11,12と、透明フィルム2,3と偏光フィルム1とを貼合して積層体4を得るための貼合ロール(ニップロール)51,52と、積層体4において透明フィルム2、3と偏光フィルム1とを密着させるためのロール13と、該ロール13の外周面と相対する位置に設置された第1の活性エネルギー線照射装置14,15と、さらにこれより搬送方向下流側に設置された第2以降の活性エネルギー線照射装置16?18と、搬送用ニップロール19とが、搬送方向に沿って順に設けられている。
【0098】
まず、ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出される透明フィルム2,3の片面に、接着剤塗工装置11、12によって活性エネルギー線硬化型の接着剤が塗布される<接着剤塗工工程>。
【0099】
そして、ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出された偏光フィルム1の両面に、接着剤が塗布された透明フィルム2,3が接着剤を介して積層されてなる積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロール51,52の間に挟んだ状態で、少なくとも一方の貼合ロールを他方の貼合ロールの方向に押圧することで、偏光フィルム1と透明フィルム2,3とが貼合され、積層体4が形成される<貼合工程>。

(中略)

【0105】
<貼合工程>
本工程では、ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出された偏光フィルム1の両面に、上記工程により接着剤が塗布された透明フィルム2,3が接着剤を介して積層される。この積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロール51,52の間に挟んだ状態で、例えば貼合ロール51を貼合ロール52の方向に押圧することで、偏光フィルム1と透明フィルム2,3とが貼合され、積層体4が形成される。

(中略)

【0110】
[貼合ロール]
本発明においては、上記一対の貼合ロール51,52の少なくとも一方は金属製ロールであり、該金属製ロールの表面粗さは0.5μm以上である。ここで、表面粗さとは、Rzの値(10点平均粗さ)であり、表面粗さ計:東京精密社製 HANDY SURF E35Bで測定することができる。表面粗さが0.5μm未満であると、偏光フィルムと透明フィルムとが狭圧される際に生じる皺が逃げにくくなり、このような皺の部分において両フィルム間に混入した気泡が外部に逃げにくくなるため、得られる偏光板に皺等の変形や気泡の混入が生じることがある。通常の偏光板の製品仕様に合致するためには、表面粗さは10μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.6μm以上5μm以下、更に好ましくは0.8μm以上3μm以下である。

(中略)

【0113】
貼合ロールの材質としては、金属やゴムが挙げられる。一対の貼合ロールの一方が金属製ロールであり、他方がゴム製ロール(少なくとも外周表面がゴム製である貼合ロール)であることが好ましい。一対の貼合ロールが共に金属製である場合、使用によりロール間に傷が付きやすいため、連続して使用することが難しい。一方、一対の貼合ロールの外周表面が共にゴム製である場合、高い圧力が発生しにくい。
【0114】
従来の貼合ロールは、通常、押圧する上側の貼合ロールがゴム製であり、下側の貼合ロールが金属製であった。これは、下側の貼合ロールに駆動モーターをつけて回転速度を制御するため、下側の貼合ロールが金属製であった方が、押圧時に下側の貼合ロールが変形せず、貼合ロールの周速度を一定に維持しやすいためである。しかし、上述の正カールのカール調整をしやすくするため、本発明においては、押圧する(上側の)貼合ロールが金属製であり、他方の(下側の)貼合ロールの少なくとも外周表面がゴム製であることが好ましい。

(中略)

【0116】
ゴム製ロールを構成するゴムの材質は、特に限定されないが、NBR(ニトリルゴム)、タイタン、ウレタン、シリコン、EPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)などが挙げられ、好ましくは、NBR、タイタン、ウレタンである。ゴムロールの硬度は、特に限定されないが、通常60?100°であり、好ましくは85?95°である。なお、ゴムロールの硬度は、JISK6253に準拠した硬度計で測定することができる。市販の硬度計としては、例えばアスカ社製のゴム硬度計「Type-A」などが用いられる。
【0117】
押圧ロールの材質としては、金属やゴムが挙げられる。金属製の貼合ロールに接して設けられる押圧ロールはゴム製であることが好ましい。一方、ゴム製の貼合ロールに接して設けられる押圧ロールは金属製・ゴム製のどちらでもよい。互いに接する貼合ロールと押圧ロールとが共に金属製である場合、使用によりロール間に傷が付きやすいため、連続して使用することが難しい。一方、互いに接する貼合ロールと押圧ロールとが共にゴム製である場合は特に問題がない。」
合議体注:図1は以下のとおりのものである。


(2)引用文献2に記載された発明
引用文献2の記載事項イに基づけば、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出される透明フィルム2,3の片面に、活性エネルギー線硬化型の接着剤が塗布される接着剤塗布工程、
ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出された偏光フィルム1の両面に、接着剤が塗布された透明フィルム2,3が接着剤を介して積層されてなる積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロール51,52の間に挟んだ状態で、少なくとも一方の貼合ロールを他方の貼合ロールの方向に押圧することで、偏光フィルム1と透明フィルム2,3とが貼合され、積層体4が形成される貼合工程を含む偏光板の製造方法であって、
一対の貼合ロールの一方が金属製ロールであり、他方がゴム製ロール(少なくとも外周表面がゴム製である貼合ロール)であり、ゴム製ロールを構成するゴムの材質は、NBR(ニトリルゴム)であり、ゴムロールの硬度は85?95°であり、ゴムロールの硬度は、JISK6253に準拠した硬度計で測定する、
偏光板の製造方法。」

3 引用文献3
(1)引用文献3の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2014-85631号公報)には、以下の記載事項がある。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光子の両面に、第1および第2透明保護フィルムを接着層を介して貼り合わせる偏光板の製造方法に関する。

(中略)

【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一対のロール間で、偏光子の両面に透明保護フィルムを貼り合わせる偏光板の製造方法であって、偏光子と透明保護フィルムの間に発生する気泡を抑えることができる偏光板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】

(中略)

【0010】
即ち、偏光子の両面に、第1透明保護フィルムおよび第2透明保護フィルムを接着層を介して、貼り合わせる偏光板の製造方法において、
前記第1透明保護フィルムおよび第2透明保護フィルムは、弾性率(MPa)×厚み(μm)の値で定義される弾性が異なり、高い弾性を有する方を高弾性フィルム、低い弾性を有する方を低弾性フィルムと定義し、
かつ、前記一対の各ロールの各中心点と前記一対のロール間で前記3枚のフィルム(前記偏光子、第1透明保護フィルムおよび第2透明保護フィルム)が貼り合わされる接点を結ぶ線を第1仮想線とし、当該第1仮想線に対して直交する方向の線を第2仮想線と定義する場合に、
前記3枚のフィルムは、一対のロール間を同時に通過することにより圧着し、
かつ、前記偏光子を前記一対のロール間に投入して通過させる搬送方向が、前記第2仮想線よりも、高弾性フィルムの側に傾いていることを特徴とする偏光板の製造方法、に関する。

(中略)

【発明の効果】
【0012】

(中略)

【0013】
本発明の偏光板の製造方法では、一対のロール間において、偏光子の両面に、異なる弾性を有する第1および第2透明保護フィルムを貼り合わせるが、偏光子を一対のロール間に投入する時に、前記第1および第2透明保護フィルムのなかで、弾性の高い方の高弾性フィルムの側に偏光子を傾けている。このように、弾性の異なる第1および第2透明保護フィルムを用いた場合においても、偏光子の投入角度の制御によって、シワが改善されて、気泡を抑制することができる偏光板を製造することができる。」

イ 「【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の偏光板の製造方法を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の偏光板の製造方法の一例を示すものであり、偏光子Aの両面に第1透明保護フィルムB1と第2透明保護フィルムB2が、第1ロールR1と第2ロールR2の一対のロール間を通過することにより圧着して偏光板Lを形成している。

(中略)

【0023】
なお、第1ロールR1と第2ロールR2の一対のロール間では、偏光子Aの両面において第1透明保護フィルムB1と第2透明保護フィルムB2が接着層(図示せず)を介して貼り合わせる。前記接着層は、第1透明保護フィルムB1、第2透明保護フィルムB2に設けていてもよく、偏光子Aに設けていてもよく、両者の側に設けられていれてもよい。また、偏光子Aと、第1透明保護フィルムB1、第2透明保護フィルムB2を貼り合せる直前に、濃度や粘度を調整した接着剤(溶液)または粘着剤(溶液)とともに、第1ロールR1と第2ロールR2の一対のロール間を通すことにより圧着することができる。
【0024】
なお、ロールの材質、ロール径、貼り合わせるときの搬送速度等は適宜に調整され、また接着層の厚さも適宜調整することができる。
【0025】
前記第1ロールR1、第2ロールR2としては、例えば、弾性ロール、金属ロールのいずもれ使用することができる。第1ロールR1、第2ロールR2は同じでもよく、異なるものであってもよい。
【0026】
弾性ロールとしては、金属製の芯部がゴム層または樹脂層でコーティングされた弾性ロールを好ましく用いることができる。このゴム層または樹脂層の硬度としては、70以上のものが好ましく用いられ、80以上のものがより好ましく用いられ、85以上のものが更に好ましく用いられる。また、フィルム表面の傷つきを防止するためには100以下、さらには95以下のものが好ましい。このときの硬度としては、例えば、JIS K6253(1997)に開示される方法にて、市販のデュロメータ(タイプA)を用いて測定できる。なお、ゴム層または樹脂層の厚みは、面圧分布の均一性の点から、1?15mm程度、さらには3?10mm程度であるのが好ましい。」
合議体注:図1は、以下のとおりのものである。


(2)引用文献3に記載された発明
引用文献3の記載事項イに基づけば、引用文献3には、以下の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
「偏光子Aの両面に第1透明保護フィルムB1と第2透明保護フィルムB2を、接着剤または粘着剤とともに、第1ロールR1と第2ロールR2の一対のロール間を通過させることにより圧着して偏光板Lを形成する、偏光板の製造方法であって、
前記第1ロールR1、第2ロールR2は、弾性ロール、金属ロールのいずれかであり、
弾性ロールは、金属製の芯部がゴム層または樹脂層でコーティングされた弾性ロールであり、このゴム層または樹脂層の硬度は85以上であり、フィルム表面の傷つきを防止するために95以下であり、硬度は、JIS K6253(1997)に開示される方法にて測定し、ゴム層または樹脂層の厚みは、面圧分布の均一性の点から3?10mm程度である、
偏光板の製造方法。」

4 引用文献4
(1)引用文献4の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特許第5399890号公報)には、以下の記載事項がある。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの一方の面に接着剤層を介して保護フィルムを、偏光フィルムのもう一方の面に剥離可能な保護フィルムを積層した偏光板を製造する方法に関するものである。

(中略)

【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明の目的は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面に接着剤層を介して保護フィルムが貼合され、当該保護フィルムが貼合されていない偏光フィルムのもう一方の面に剥離可能な剥離保護フィルムが貼合されてなる偏光板であって、凹み状欠陥の少ない偏光板を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、かかる目的のもとで鋭意研究を行った結果、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの一方の面に接着剤層を介して保護フィルムを、偏光フィルムのもう一方の面に剥離可能な保護フィルムを積層した偏光板を製造するにあたり、偏光フィルムと保護フィルムおよび剥離可能な保護フィルムとを貼合(積層)する際に、特定の貼合(積層)条件にて貼合(積層)することにより、凹み状欠陥の少ない偏光板が得られることを見出した。

(中略)

【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの一方の面に保護フィルムが積層されているので、両側に保護フィルムが積層されている偏光板に比べ、偏光板厚みを薄くすることができ、しかも凹み欠陥の少ない偏光板を製造することができる。」

イ 「【0064】
<貼合工程および乾燥工程>
本発明の製造方法は、上述した保護フィルム、偏光フィルム、および剥離保護フィルムを、偏光フィルムの片面に接着剤層を介して保護フィルムが接し、かつ偏光フィルムの接着剤層と接していない面に剥離保護フィルムが接するようにして、少なくとも一対のロールで挟み、当該ロールを回転させることによって各フィルムを貼合させる貼合工程を含む。このとき上記一対のロールのうち少なくとも1つのロールは、ロール面がゴムであるゴムロールを用い、かつ、下記式(A)を満たすことを特徴としている。
(貼合速度)^(1/2)/ゴム硬度≧0.0375〔(m/分)^(1/2)/°〕・・・(A)
ここで、貼合速度は貼合工程におけるロールで挟まれた各フィルムの進行速度〔m/分〕であり、ゴム硬度はゴムロールのロール面の硬度〔°〕である。

(中略)

【0066】
図3において、保護フィルム(2)、偏光フィルム(1)、および剥離保護フィルム(3)を、偏光フィルム(1)の片面に接着剤層(図示せず)を介して保護フィルム(2)が接し、かつ偏光フィルム(1)の接着剤層と接していない面に剥離保護フィルム(3)が接するようにして、少なくとも一対のゴムロール(4)で挟まれている様子がわかる。換言すれば、保護フィルム(2)-接着剤層-偏光フィルム(1)-剥離保護フィルム(3)の順に重ねあわされた3枚のフィルムが一対のゴムロール(4)に挟持された状態になっている。一対のゴムロールに挟持された際の圧力によって上記3枚のフィルムが貼合される。そしてゴムロール(4)が回転することによって貼合されたフィルムが進行し、乾燥炉(5)において乾燥され、偏光板(10)となる。このときのフィルムの進行速度が貼合速度Vである。

(中略)

【0069】
ゴムロールのゴム硬度は柔らかい方がフィルムに傷がつきにくいために好ましいが、柔らかすぎるとローラー面が傷つきやすいため、30°?100°、好ましくは50°?90°、より好ましくは60°?90°である。ゴム硬度は、JIS K 7215 デュロメータ タイプA(ショアA)に準じて測定することができる。
【0070】
ゴムロールの素材は、シリコーンゴム、EPDMゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどが挙げられるが、中でも寸法安定性や取扱いの面からシリコーンゴムやEPDMゴムが好ましく用いられる。これらのゴムロールは、都ローラ工業、加貫ローラー、明和ゴム、東洋化学工業などから入手することが可能である。」
合議体注:図3は、以下のとおりのものである。


(2)引用文献4に記載された発明
引用文献4の記載事項イに基づけば、引用文献4には、以下の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。
「保護フィルム、偏光フィルム、および剥離保護フィルムを、偏光フィルムの片面に接着剤層を介して保護フィルムが接し、かつ偏光フィルムの接着剤層と接していない面に剥離保護フィルムが接するようにして、少なくとも一対のロールで挟み、当該ロールを回転させることによって各フィルムを貼合させる貼合工程を含む、偏光板の製造方法であって、
上記一対のロールのうち少なくとも1つのロールは、ロール面がゴムであるゴムロールを用い、ゴムロールのゴム硬度は柔らかい方がフィルムに傷がつきにくいために好ましいが、柔らかすぎるとローラー面が傷つきやすいため、60°?90°であり、ゴム硬度は、JIS K 7215 デュロメータ タイプA(ショアA)に準じて測定することができ、ゴムロールが回転することによって貼合されたフィルムが進行し、乾燥炉において乾燥され、偏光板となり、かつ、下記式(A)を満たす、
偏光板の製造方法。
(貼合速度)^(1/2)/ゴム硬度≧0.0375〔(m/分)^(1/2)/°〕・・・(A)
ここで、貼合速度は貼合工程におけるロールで挟まれた各フィルムの進行速度〔m/分〕であり、ゴム硬度はゴムロールのロール面の硬度〔°〕である。」


第5 対比・判断
1 引用発明1
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と引用発明1とを対比する。

(ア)引用発明1は、「ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出された偏光フィルムの片面または両面に、透明フィルムを接着剤を介して積層させ、この積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロールの間に挟んで透明フィルムと偏光フィルムとを貼合する貼合工程を含む偏光板の製造方法」である。そうしてみると、引用発明1の「偏光板」は、「偏光フィルム」と「透明フィルム」を積層させたフィルム状のものである。また、「偏光板」が光学素子であることは技術常識である。
したがって、引用発明1の「偏光板」は、本件発明1の「積層光学フィルム」に相当する。また、引用発明1の「偏光板の製造方法」は、本件発明1の「積層光学フィルムの製造方法」に相当する。

(イ)引用発明1の「貼合ロール」は、「搬送方向に回転する一対」のものである。ここで、引用発明1の「回転」、「一対」、「貼合」及び「ロール」は、その文言のとおり、本件発明1の「回転」、「一対」、「貼合」及び「ロール」と同じ事項を意味する。
したがって、引用発明1の「貼合ロール」は、本件発明1の「貼合ロール」に相当する。また、引用発明1の「貼合ロール」は、本件発明1の「貼合ロール」の「回転する一対の」という要件を満たすものである。

(ウ)引用発明1の「偏光フィルム」及び「透明フィルム」は、積層体における配置からみて、それぞれ、本件発明1の「第1の光学フィルム」及び「第2の光学フィルム」に相当する。そして、引用発明1は、「偏光フィルムの片面または両面に、透明フィルムを接着剤を介して積層させ」ていることから、引用発明1の「透明フィルム」は、本件発明1の「第1の光学フィルムの片面側又は両面側に接着剤層又は粘着剤層を介して配置した」とする要件を具備している。

(エ)引用発明1の「偏光フィルムの片面または両面に、透明フィルムを接着剤を介して積層させ」た「積層体」は、本件発明1の「第1の光学フィルムと、前記第1の光学フィルムの片面側又は両面側に接着剤層又は粘着剤層を介して配置した第2の光学フィルム」との要件を具備している。そうすると、引用発明1の「偏光フィルムの片面または両面に、透明フィルムを接着剤を介して積層させ、この積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロールの間に挟んで透明フィルムと偏光フィルムとを貼合する」ことは、本件発明1の「回転する一対の貼合ロールの間に、第1の光学フィルムと、前記第1の光学フィルムの片面側又は両面側に接着剤層又は粘着剤層を介して配置した第2の光学フィルムと、を導入して前記第1の光学フィルムと前記第2の光学フィルムとを貼合する」ことに相当する。

(オ)引用発明1の「ゴム製ロール」は、その「ゴム製ロール」の最外層も当然ゴムであるといえる。
したがって、引用発明1の一対の貼合ロールの他方が「ゴム製ロール」であることは、本件発明1の「前記一対の貼合ロールのうち、少なくとも一方の前記貼合ロールの最外層がゴム」であることに相当する。

(カ)引用発明1の「ゴムロールの硬度は85?95°」であることは、「ゴムロールの硬度は、JIS K 6253に準拠した硬度計で測定」されることから、JIS K 6253に準拠して測定したゴムロールのゴム硬度が、85?95°であるといえる。そうすると、引用発明1のゴムロールのゴム硬度は、JIS K 6253に準拠して測定したゴム硬度83?97°に包含されているといえる。
したがって、引用発明1の「ゴムロールの硬度は85?95°であり、ゴムロールの硬度は、JIS K 6253に準拠した硬度計で測定する」ことは、本件発明1の「JIS K 6253に準拠して測定した前記ゴムのゴム硬度が、83?97°である」ことに相当する。

(キ)以上より、本件発明1と引用発明1とは、
「回転する一対の貼合ロールの間に、第1の光学フィルムと、前記第1の光学フィルムの片面側又は両面側に接着剤層又は粘着剤層を介して配置した第2の光学フィルムと、を導入して前記第1の光学フィルムと前記第2の光学フィルムとを貼合する、積層光学フィルムの製造方法であって、
前記一対の貼合ロールのうち、少なくとも一方の前記貼合ロールの最外層がゴムであり、
JIS K 6253に準拠して測定した前記ゴムのゴム硬度が、83?97°である、積層光学フィルムの製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]本件発明1は、ゴムの弾性回復率が70%以上であるのに対し、引用発明1は、ゴムロールのゴムの弾性回復率を特定していない点。

イ 判断
上記[相違点1]について検討すると、引用文献9の段落【0038】?【0045】や引用文献10の段落【0013】に例示されるとおり、「弾性回復率が70%以上のゴム材料」は周知であったといえる。また、引用文献3の記載事項イの「なお、ゴム層または樹脂層の厚みは、面圧分布の均一性の点から、1?15mm程度、さらには3?10mm程度であるのが好ましい。」との記載や、引用文献4の記載事項イの「上記のごとく貼合工程において使用されるロールの内、少なくとも一方にゴムロールを使用するのは、貼合されるそれぞれのフィルムにシワなどが発生しにくく、均一な貼合が可能となるからである。(中略)一対のロールは、同一のロールまたは略同一の硬度を有する素材からなるロールであることが、均一な貼合や、偏光板のカールを予防する上で好ましい。」との記載に基づけば、「貼合ロールにおいて、均一な押圧、均一な貼合を行う」という課題は、当業者に認識されている一般的な課題であるといえる。
しかしながら、「貼合ロールにおいて、均一な押圧、均一な貼合を行う」という課題を解決する手段として、「弾性回復率が70%以上のゴム材料」という構成を採用することについては、上記引用文献3、4、9及び10には記載されていない。また、引用文献5には導電性ロールに関する技術についての記載があり、引用文献6にはトナー担持体(現像ローラ)に関する技術についての記載があるが、何れも、均一な押圧、均一な貼合を行うものではない。そして、弾性回復率は、変形してもその後に元の形状に戻る程度を示す指標である。弾性回復率が高いゴムを貼合ローラに用いた場合、貼合時に生じた変形が、その後に回復する率が高いものとなるが、事後に形状が回復する率が高いことが、貼合時における均一な押圧、均一な貼合に寄与することは、当業者にとって自明な事項とはいえない。
したがって、引用発明1において、当業者であっても、ゴムの弾性回復率を70%以上とすることを容易に想到し得たということはできない。
よって、本件発明1は、当業者であっても、引用発明1及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(2)本件発明2?9
本件発明2?9は、いずれも、本件発明1のゴムの弾性回復率が70%以上であるとする構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 引用発明2
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と引用発明2とを対比すると、両者は以下の点で相違する。
[相違点2]本件発明1は、ゴムの弾性回復率が70%以上であるのに対し、引用発明2は、ゴムロールのゴムの弾性回復率を特定していない点。

イ 判断
上記[相違点2]は、前記1(1)ア(キ)に記載した[相違点1]と実質的に同じ相違点である。そうしてみると、前記1(1)イに記載したのと同じ理由により、本件発明1は、当業者であっても、引用発明2及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(2)本件発明2?9
本件発明2?9は、いずれも、本件発明1のゴムの弾性回復率が70%以上であるとする構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明2及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 引用発明3
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と引用発明3とを対比すると、両者は以下の点で相違する。
[相違点3]本件発明1は、ゴムの弾性回復率が70%以上であるのに対し、引用発明3は、ゴムロールのゴムの弾性回復率を特定していない点。

イ 判断
上記[相違点3]は、前記1(1)ア(キ)に記載した[相違点1]と実質的に同じ相違点である。そうしてみると、前記1(1)イに記載したのと同じ理由により、本件発明1は、当業者であっても、引用発明3及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(2)本件発明2?9
本件発明2?9は、いずれも、本件発明1のゴムの弾性回復率が70%以上であるとする構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明3及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4 引用発明4
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と引用発明4とを対比すると、両者は以下の点で相違する。
[相違点4-1]本件発明1は、ゴムの弾性回復率が70%以上であるのに対し、引用発明4は、ゴムロールのゴムの弾性回復率を特定していない点。
[相違点4-2]本件発明1は、JIS K 6253に準拠して測定した前記ゴムのゴム硬度が、83?97°であるのに対し、引用発明4は、JIS K 7215 デュロメータ タイプA(ショアA)に準じて測定するゴム強度が60°?90°である点。

イ 判断
上記[相違点4-1]は、前記1(1)ア(キ)に記載した[相違点1]と実質的に同じ相違点である。そうしてみると、前記1(1)イに記載したのと同じ理由により、本件発明1は、当業者であっても、引用発明4及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(2)本件発明2?9
本件発明2?9は、いずれも、本件発明1のゴムの弾性回復率が70%以上であるとする構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明4及び周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第6 むすび
以上のとおり、本件発明1?9は、当業者が引用発明1?引用発明4及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-07-03 
出願番号 特願2016-202860(P2016-202860)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 福村 拓井上 徹南 宏輔  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 宮澤 浩
川村 大輔
発明の名称 積層光学フィルムの製造方法  
代理人 阿部 寛  
代理人 吉住 和之  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 福山 尚志  
代理人 三上 敬史  
代理人 清水 義憲  

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