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審決分類 |
審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 A47J 審判 一部申し立て 判示事項別分類コード:857 A47J |
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管理番号 | 1341959 |
異議申立番号 | 異議2017-701144 |
総通号数 | 224 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-08-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-12-05 |
確定日 | 2018-05-25 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6145863号発明「炊飯器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6145863号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6145863号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし4に係る特許についての出願は、平成25年3月1日(優先権主張平成24年3月12日)に特許出願され、平成29年5月26日にその特許権の設定登録(特許掲載公報の発行日:平成29年6月14日)がされ、その後、その特許について、平成29年12月5日に特許異議申立人 小山 輝晃(以下、「申立人1」という。)により請求項1、3及び4に対して特許異議の申立て(以下、「申立て1」という。)がされ、平成29年12月8日に特許異議申立人 田中 貞嗣 ほか1名(以下、「申立人2」という。)により請求項1、3及び4に対して特許異議の申立て(以下、「申立て2」という。)がされ、平成30年3月2日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年4月27日に特許権者 パナソニックIPマネジメント株式会社から訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされたものである。 第2 訂正の請求について 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、本件特許の特許請求の範囲を、平成30年4月27日付け訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし4について訂正することを求めるものであって、次の訂正事項よりなる。(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する(以下、「訂正事項1」という。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記制御部は、前記無線通信部が受信した前記メニュー選択情報に基づく炊飯を終了すると、前記記憶部に記憶した前記メニュー選択情報を消去する、請求項1に記載の炊飯器」と記載されているのを、 「調理物を入れる鍋と、 前記鍋を加熱する加熱装置と、 炊飯メニューを予め記憶する記憶部と、 炊飯開始を指示するための開始指示部と、 無線通信端末と無線通信を行う無線通信部と、 前記開始指示部にて炊飯開始が指示されたとき、前記記憶部に記憶された炊飯メニューに基づいて前記加熱装置を制御し、前記鍋内の調理物の炊飯を行う制御部と、 を備え、 前記制御部は、前記無線通信部が前記無線通信端末からメニュー選択情報を受信したとき、当該メニュー選択情報を前記記憶部に記憶させ、その後、前記開始指示部にて炊飯開始が指示されたとき、前記記憶部に予め記憶されている炊飯メニューに代えて、前記メニュー選択情報に基づいて前記加熱装置を制御し、前記鍋内の調理物の炊飯を行い、 前記制御部は、前記無線通信部が受信した前記メニュー選択情報に基づく炊飯を終了すると、前記記憶部に記憶した前記メニュー選択情報を消去する、炊飯器」に訂正する(以下、「訂正事項2」という。)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する(以下、「訂正事項3」という。)。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する(以下、「訂正事項4」という。)。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1、3及び4について ア 訂正の目的について 訂正事項1、3及び4は、それぞれ順に特許請求の範囲の請求項1、3及び4を削除するというものである。 したがって、訂正事項1、3及び4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記アに記載したとおり、訂正事項1、3及び4は、それぞれ順に特許請求の範囲の請求項1、3及び4を削除するというものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 したがって、訂正事項1、3及び4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アに記載したとおり、訂正事項1、3及び4は、それぞれ順に特許請求の範囲の請求項1、3及び4を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1、3及び4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 エ 訂正事項1、3及び4は、特許異議の申立てがされている訂正前の請求項1、3及び4についての訂正であるから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項2において、訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、訂正後の請求項2において、その内容を変更することなく訂正前の請求項1の記載を引用しない形へと書き換える記載としたものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項を引用する請求項を当該他の請求項を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記アに記載したとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項2において、訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、訂正後の請求項2において、その内容を変更することなく訂正前の請求項1の記載を引用しない形へと書き換える記載としたものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アに記載したとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項2において、訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、訂正後の請求項2において、その内容を変更することなく訂正前の請求項1の記載を引用しない形へと書き換える記載としたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 3 一群の請求項について 訂正前の請求項1ないし4は、請求項2ないし4が請求項1を引用する関係にあり、訂正事項1に係る請求項1の訂正に基づいて連動して訂正されるものであるから、本件訂正請求は、請求項〔1-4〕という一群の請求項について請求されたものであり、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。 4 小括 以上のとおり、訂正事項1、3及び4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、また、訂正事項2は、同項ただし書第4号に掲げる事項を目的とするものであり、さらに、訂正事項1ないし4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、また、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 第3 特許異議の申立てについて 申立人1及び申立人2は、申立て1及び申立て2において、それぞれ本件特許の請求項1、3及び4に係る特許について特許異議の申立てをしているところ、本件訂正の訂正事項1、3及び4により請求項1、3及び4は削除されたことから、申立て1及び申立て2の対象が存在しないものとなった。 したがって、申立て1及び申立て2は、不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (削除) 【請求項2】 調理物を入れる鍋と、 前記鍋を加熱する加熱装置と、 炊飯メニューを予め記憶する記憶部と、 炊飯開始を指示するための開始指示部と、 無線通信端末と無線通信を行う無線通信部と、 前記開始指示部にて炊飯開始が指示されたとき、前記記憶部に記憶された炊飯メニューに基づいて前記加熱装置を制御し、前記鍋内の調理物の炒飯を行う制御部と、 を備え、 前記制御部は、前記無線通信部が前記無線通信端末からメニュー選択情報を受信したとき、当該メニュー選択情報を前記記憶部に記憶させ、その後、前記開始指示部にて炊飯開始が指示されたとき、前記記憶部に予め記憶されている炊飯メニューに代えて、前記メニュー選択情報に基づいて前記加熱装置を制御し、前記鍋内の調理物の炊飯を行い、 前記制御部は、前記無線通信部が受信した前記メニュー選択情報に基づく炊飯を終了すると、前記記憶部に記憶した前記メニュー選択情報を消去する、炊飯器。 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 (削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-05-17 |
出願番号 | 特願2013-40330(P2013-40330) |
審決分類 |
P
1
652・
857-
XA
(A47J)
P 1 652・ 851- XA (A47J) |
最終処分 | 決定却下 |
前審関与審査官 | 仲村 靖 |
特許庁審判長 |
紀本 孝 |
特許庁審判官 |
莊司 英史 槙原 進 |
登録日 | 2017-05-26 |
登録番号 | 特許第6145863号(P6145863) |
権利者 | パナソニックIPマネジメント株式会社 |
発明の名称 | 炊飯器 |
代理人 | 徳山 英浩 |
代理人 | 松谷 道子 |
代理人 | 岡部 博史 |
代理人 | 徳山 英浩 |
代理人 | 松谷 道子 |
代理人 | 岡部 博史 |