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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C11D
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C11D
管理番号 1342451
審判番号 不服2016-10166  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-05 
確定日 2018-07-17 
事件の表示 特願2014- 30863「香料送達システムを含む漂白組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月31日出願公開、特開2014-139315〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下、「本件出願」という。)は、平成22年6月29日に出願した特願2012-516387号(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年6月30日、(EP)欧州)の一部を平成26年2月20日に新たな特許出願としたものであって、出願後の手続きの経緯の概略は、以下のとおりである。

平成26年 2月25日 手続補正書提出

平成27年 5月14日付け 拒絶理由通知

平成27年 9月24日 意見書及び手続補正書提出

平成28年 3月 4日付け 拒絶査定

平成28年 7月 5日 審判請求書及び手続補正書提出

平成28年 9月20日付け 前置報告

平成28年11月14日 上申書

平成29年 7月21日付け 当審における拒絶理由通知

平成29年10月24日 意見書及び手続補正書提出



第2 本願発明

本件出願の請求項1ないし3に係る発明は、平成29年10月24日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」ともいう。)は、次のとおりのものである

「【請求項1】
粒状漂白組成物であって、
a.酸素漂白剤と漂白活性化剤とを含む漂白系であって、前記漂白活性化剤が、次の式:
【化1】

を有するナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)およびテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む、漂白系と、
b.デンプン封入アコード(SEA)を含む香料送達システムと、
を含み、
前記香料送達システムが、アミン反応生成物を含み、前記アミン反応生成物が、ポリエチレンイミンと、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、又はイソダマスコンとの反応生成物であり、
前記組成物が、総組成物の30重量%?70重量%の酸素漂白剤を含み、
前記酸素漂白剤が、過炭酸塩であり、
前記組成物が、総組成物の1重量%?30重量%の漂白活性化剤を含む、組成物。」



第3 当審における拒絶理由の概要

当審において、平成29年7月21日付けで通知した理由(以下、「当審拒絶理由」という)は、以下のとおりである。


「理由1.(進歩性)この出願の請求項1?3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明及び周知技術(刊行物2?5)に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

理由2.(サポート要件)この出願は、具体的に課題を解決した旨の記載がされておらず、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」



第4 当審拒絶理由2の妥当性についての判断

1.はじめに

特許請求の範囲の記載が、明細書のサポート要件に適合するか否か、すなわち、特許法第36条第6項第1号に係る規定に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである(知財高裁特別部判決平成17年(行ケ)第10042号参照)から、以下、当該観点に立って検討する。


2.本件出願の発明の詳細な説明の記載事項

本件出願の発明の詳細な説明には、次の記載事項(以下、「摘記ア」のようにいう。)がある。


ア.「【0001】

本発明は、酸素漂白剤又はそれらの混合物と、漂白活性化剤と、香料送達システムとを含む、粒状漂白組成物に関する。」


イ.「【0002】

種々の表面、例えば布地、を漂白するための漂白剤含有組成物は、当該技術分野において周知である。一般的に見られる粒状漂白組成物は、主に、次亜塩素酸塩漂白剤、又は過酸素漂白剤などの酸素漂白剤をベースにしている。

【0003】

過酸素漂白剤をベースにした粒状漂白組成物は、種々の水和物形態の過ホウ酸ナトリウムなどのいわゆる過酸塩漂白剤、又は過炭酸ナトリウムをベースにしている。このような過酸塩漂白剤は、水性洗浄条件で使用される場合、過酸化水素の供給源である。しかしながら、このような過酸素漂白組成物は、次亜塩素酸塩漂白組成物よりも効率が悪いと考えられることがある。

【0004】

典型的には、過酸化水素のそのような不十分な漂白性能を克服するために、過酸塩漂白剤は、漂白活性化剤を有して粒状組成物に処方される。」


ウ.「【0005】

しかしながら、ある種の漂白活性化剤の使用に付随する主な欠点は、主に保存中にそれらが発生させる悪臭である。実際に、組成物自体が不快臭を有するだけでなく、悪臭は、この組成物で処理された表面又は布地上で顕著であり続ける場合がある。

【0006】

配合者は、香料を入れた漂白組成物を考案することによって、この問題を解決しようと取り組んできた。しかしながら、これは、多くの理由から、主に、そのような酸化環境で安定した香料成分がほとんどないという事実から、困難であった。更に、漂白活性化剤により生じる悪臭は強力であり、遮蔽するのが困難な場合さえある。」


エ.「【0007】

したがって、染みの付いた布地に対して有効な漂白性能を供給する、心地良い香りを有する有効な漂白組成物を提供することが、本発明の目的である。出願人らは、漂白活性化剤と特定の香料送達システムとを含む粒状漂白組成物は、洗濯用途で使用すると、上記目的を満たすことを見出した。したがって、本発明の組成物の利点は、組成物自体、及びこの組成物で処理された布地及び/又は表面によい香りを提供し、なおかつ優れた漂白性能を有することである。

【0008】

本発明の組成物の別の利点は、酵素による染み及び/又は油染みを含む様々な染みに対して有効な染み除去性能もまた示すことである。」


オ.「【0016】

酸素漂白剤
必須成分として、本発明の組成物は、酸素漂白剤を含む。好ましくは、この酸素漂白剤は、過酸素供給源、より好ましくは過酸化水素供給源である。

【0017】

過酸化水素の付加化合物の例としては、無機過酸化水素塩、過酸化水素と有機カルボキシレート、尿素で形成される化合物、及び過酸化水素が包接される化合物が挙げられる。

【0018】

無機過水和物塩の例としては、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩及び過ケイ酸塩が挙げられる。無機過水和物塩は、通常、アルカリ金属塩である。過炭酸塩、過ホウ酸塩又はそれらの混合物のアルカリ金属塩は、本明細書に用いるのに好ましい無機過水和物塩である。過炭酸塩の好ましいアルカリ金属塩は、過炭酸ナトリウムである。」


カ.「【0026】

漂白活性化剤
典型的には、酸素漂白剤の不十分な漂白性能を克服するために、過酸塩漂白剤は、いわゆる漂白活性化剤を有する粒状組成物に処方される。漂白活性化剤は、過酸化水素と反応してペルオキシ酸又は過酸を形成する種である。」


キ.「【0034】
最も好ましくは、本発明によると、漂白活性化剤は、次の式:
【化5】

を有し、これは、ナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(以下「NOBS」とも呼ばれる)とも称される。」


ク.「【0040】

本明細書において漂白活性化剤の好ましい混合物は、n-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)を、ジアシルペルオキシドを生成する傾向は低いが、主に過酸を生成する第2の漂白活性化剤とともに含む。この第2の漂白活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、クエン酸アセチルトリエチル(ATC)、アセチルカプロラクタム、ベンゾイルカプロラクタム等、又はその混合物を含んでよい。実際に、n-ノナノイルオキシベンゼン-スルホネートと、この第2の漂白活性化剤とを含む漂白活性化剤の混合物は、粒子状の汚れの除去性能を更に高めるのに貢献すると同時に、ジアシルペルオキシドに感受性が高い汚れ((例えば、β-カロチン)及び過酸に感受性が高い汚れ(例えば、身体の汚れ)に対して良好な性能を呈することが見出された。」


ケ.「【0041】

香料送達システム
本発明の組成物は、別の必須成分として香料送達システムを含む。香料送達システムとは、本明細書では、組成物に香料を提供するのに加えて、この組成物で処理された布地に香料効果をもたらすことが可能なシステムを意味する。好適な香料送達システム、特定の香料送達システムの製造方法及びかかる香料送達システムの使用が、米国特許出願第2007/0275866(A1)号に開示されている。かかる香料送達システムには、以下のものが挙げられる。」


コ.「【0051】

VI.デンプン封入アコード(SEA):デンプン封入アコード(SEA)技術の使用により、例えば、デンプンなどの成分を加えて液体香料を固体に転化することによって香料の性質を改変することが可能である。その効果としては、製品保存時の香料の保持率が特に非水性条件下において向上することがある。水分との接触時には香料のブルームが引き起こされ得る。デンプンによって製品の配合者は、通常であればSEAの非存在下では使用できないPRM又はPRMの濃度を選択することが可能となることから、他のモーメント・オブ・トゥルースにおける効果が更に得られる可能性がある。別の技術の例としては、香料を液体から固体に転化するうえでシリカなどの他の有機、及び無機材料を使用することが挙げられる。好適なSEA並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号及び米国特許第6,458,754(B1)号に見ることができる。

【0052】

一態様では、SEAは、デンプンと、水と、デンプン-水混合物のpHを少なくとも0.25単位だけ低下させるのに十分な量で混合物に組み込まれる酸と、香料とを含む混合物を調製し、この混合物を噴霧化及び乾燥させて、封入香料を形成することによって形成されてよい。香料封入プロセスの第1の工程では、デンプンと、水と、香料と、酸とを含む水性混合物を調製する。これらの成分は、任意の順番で加えてよいが、通常は、デンプン-水混合物を最初に調製し、次に、連続して又は同時に、酸及び香料を追加する。それらを連続して追加した場合、酸は、封入成分に先だって追加してよい。あるいはまた、酸は、封入成分の後に追加してもよい。水性混合物中のデンプン濃度は、下限が5?10重量%、上限が60あるいは75重量%であることも可能である。一般的には、混合物内のデンプン濃度は、20?50重量%、より一般的には水性混合物中にておよそ25?40重量%である。」


サ.「【0061】

VIII.プロ香料(PP):この技術は、1つ以上のPRMと1つ以上のキャリアとの間に共有結合を有する材料を形成するために香料材料と他の基材又は化学物質とを反応させることから得られる香料技術を指す。PRMは、プロPRM(即ち、プロ香料)と呼ばれる新たな材料へと転化され、これは、水や光などの誘因に暴露されると最初のPRMを放出する。プロ香料は、増大した香料蓄積量、持続性、安定性、保持率などの向上した香料送達特性を与えることができるものである。プロ香料には、モノマー性(非ポリマー性)又はポリマー性のものがあり、プロ香料は、予め形成してよく、製品内保存時又は湿潤又は乾燥部位に存在しうるような平衡条件下でその場で形成してもよい。プロ香料の非限定的な例としては、マイケル付加物(例えば、β-アミノケトン)、芳香族又は非芳香族イミン(シッフ塩基)、オキサゾリジン、β-ケトエステル、及びオルトエステルが挙げられる。別の態様には、例えば、α、β-不飽和ケトン、アルデヒド又はカルボキシルエステルなどの、PRMを放出可能な1つ以上のβ-オキシ又はβ-チオカルボニル部分を有する化合物が含まれる。香料を放出させるための一般的な誘因は、水との接触であるが、他の誘因として、酵素、熱、光、pH変化、自動酸化、平衡のシフト、濃度又はイオン強度の変化などを挙げることができる。水ベースの製品では、光誘因プロ香料が特に適している。こうした光プロ香料(PPP)には、これらに限定されるものではないが、誘発時にクマリン誘導体、及び香料、及び/又はプロ香料を放出するものが挙げられる。放出されたプロ香料は、上記に述べた誘因のいずれかによって1つ以上のPRMを放出し得る。一態様では、光プロ香料は、光及び/又は水分誘因に暴露された場合に、窒素系プロ香料を放出する。別の態様では、光プロ香料から放出された窒素系プロ香料は、例えば、アルデヒド、ケトン(エノンを含む)及びアルコールから選択される1つ以上のPRMを放出する。更なる別の態様では、PPPは、ジヒドロキシクマリン誘導体を放出する。光誘因プロ香料はまた、クマリン誘導体及び香料アルコールを放出するエステルであってもよい。一態様では、プロ香料は、米国特許出願第2006/0020459(A1)号に記載のジメトキシベンゾイン誘導体である。別の態様では、プロ香料は、電磁放射に暴露されるとアルコールを放出する3’,5’-ジメトキシベンゾイン(DMB)誘導体である。更なる別の態様では、プロ香料は、リナロール、テトラヒドロリナロール、又はジヒドロミルセノールなどの第3級アルコールを含む1つ以上の低ODTのPRMを放出する。好適なプロ香料及びその製造方法は、米国特許第7,018,978(B2)号、同第6,987,084(B2)号、同第6,956,013(B2)号、同第6,861,402(B1)号、同第6,544,945(B1)号、同第6,093,691号、同第6,277,796(B1)号、同第6,165,953号、同第6,316,397(B1)号、同第6,437,150(B1)号、同第6,479,682(B1)号、同第6,096,918号、同第6,218,355(B1)号、同第6,133,228号、同第6,147,037号、同第7,109,153(B2)号、同第7,071,151(B2)号、同第6,987,084(B2)号、同第6,610,646(B2)号及び同第5,958,870号、並びに米国特許出願第2005/0003980(A1)号及び同第2006/0223726(A1)号に見ることができる。

【0062】

アミン反応生成物(ARP):本願の目的では、ARPは、PPの下位に分類されるものである。アミン官能基が1つ以上のPRMと予備反応してアミン反応生成物(ARP)を生成することから、「反応性」ポリマー性アミンという呼び方をすることもできる。一般に、反応性アミンは、1級及び/又は2級アミンであり、ポリマー又はモノマー(非ポリマー)の一部であり得る。こうしたARPは、更なるPRMと混合することでポリマー支援型送達及び/又はアミン支援型送達の効果を与えることも可能である。ポリマー性アミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(PVAm)に基づいたポリマーが挙げられる。モノマー性(非ポリマー性)アミンの非限定的な例としては、2-アミノエタノール及びこのアルキル置換誘導体などのヒドロキシルアミン、並びにアントラニレートなどの芳香族アミンが挙げられる。ARPは、香料と予め混合してよく、リーブオン又はリンスオフの用途では香料と別に添加してもよい。別の態様では、例えば酸素、硫黄、リン又はセレニウムなどの窒素以外のヘテロ原子を含む物質をアミン化合物の代わりに使用することができる。更なる別の態様では、上記の代替化合物をアミン化合物と組み合わせて使用することができる。更なる別の態様では、1個の分子がアミン部分と、例えば、チオール、ホスフィン及びセレノールなどの1個以上の代替ヘテロ原子部分とを有していてよい。その効果としては、香料の送達が向上すること、並びに香料の放出制御が挙げられる。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号及び米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。

【0063】

一態様では、アミンと反応してアミン反応生成物を形成するアミン反応生成物の香料成分は、ケトン部分及び/又はアルデヒド部分を含む香料から選択される。一態様では、このような香料は、少なくとも5個の炭素原子を含有する鎖を含む。一態様では、ケトン部分を含む好適な香料は、α-ダマスコン、δ-ダマスコン、イソダマスコン、カルボン、γ-メチル-イオノン、イソ-E-Super、2,4,4,7-テトラメチル-オクト-6-エン-3-オン、ベンジルアセトン、β-ダマスコン、ダマセノン、メチルジヒドロジャスモネート、メチルセドリロン、及びこれらの混合物から選択されてよい。一態様では、アルデヒド部分を含む好適な香料は、1-デカナール、ベンズアルデヒド、フロルヒドラル、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、シス/トランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アール、ヘリオトロピン、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、2,6-ノナジエナール、α-n-アミルシンナミックアルデヒド、α-n-ヘキシルシンナミックアルデヒド、P.T.ブシナール、リラール、サイマール、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、トランス-2-ヘキセナール、及びこれらの混合物から選択されてよい。一態様では、好適な香料は、ウンデシレンアルデヒド、ウンデカラクトンγ、ヘリオトロピン、ドデカラクトンγ、p-アニスアルデヒド、パラヒドロキシフェニルブタノン、サイマール、ベンジルアセトン、イオノンα、p.t.ブシナール、ダマセノン、イオノンβ及びメチル-ノニルケトン、並びに/又はそれらの混合物から選択されてよい。典型的には、香料の濃度は、アミン反応生成物の10重量%?90重量%、30重量%?85重量%、又は更に45重量%?80重量%であってよい。一態様では、好適なアミン反応生成物は、Lupasolポリマーのようなポリエチレンイミンポリマーと、以下のα-ダマスコン、δ-ダマスコン、カルボン、ヘジオン、フロルヒドラル、リリアール、ヘリオトロピン、γ-メチル-イオノン及び2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの1つ以上との反応によって得られるものであり、アミン反応生成物は、アストラモルデンドリマーとカルボンとの反応によって得られるものであり、アミン反応生成物は、エチル-4-アミノベンゾエートと2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドとの反応によって得られるものである。一態様では、好適なアミン反応生成物は、Lupasol HFとδ-ダマスコン、LupasolG35とα-ダマスコン、LupasolG100と2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、エチル-4-アミノベンゾエートと2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドとの反応によって得られるものである。」


シ.「【実施例】
【0113】
【表1】




3.本願発明が解決しようとする課題

本願発明の技術分野は、「酸素漂白剤又はそれらの混合物と、漂白活性化剤と、香料送達システムとを含む、粒状漂白組成物」(摘記ア参照)に関するものであるところ、本件出願の発明の詳細な説明には、本願発明の背景技術に関して、過酸素漂白剤をベースにした粒状漂白組成物は、次亜塩素酸塩漂白組成物よりも効率が悪いと考えられることがあり、不十分な漂白性能を克服するために、過酸素塩漂白剤は、漂白活性化剤を有して粒状組成物に処方されること(摘記イ参照)、漂白活性化剤を使用すると、保存中に悪臭を発生させ、組成物自体が不快臭を有するだけでなく、この組成物で処理された表面又は布地上で顕著であること、上記不快臭を解決するために香料を入れた漂白組成物を考案するが、酸化環境で安定した香料成分がほとんどないこと、更に、漂白活性化剤により生じる悪臭は強力であるから隠蔽することが困難である(摘記ウ参照)ことが記載されている。

そして、本願発明の目的に関して、「染みの付いた布地に対して有効な漂白性能を供給する、心地良い香りを有する有効な漂白組成物を提供することが、本発明の目的である。」、「本発明の組成物の利点は、組成物自体、及びこの組成物で処理された布地及び/又は表面によい香りを提供し、なおかつ優れた漂白性能を有することである。」と記載されている(摘記エ参照)。

以上の通りであるから、本願発明が解決しようとする課題は、「染みの付いた布地に対して有効な漂白性能を供給する、心地良い香りを有する、酸素漂白剤と漂白活性化剤と特定の香料送達システムとを含む粒状漂白組成物を提供すること」(以下、「本願発明の課題」という。)であると認められる。


4.判断

本願発明では、酸素漂白剤と漂白活性化剤と特定の香料送達システムとを含む粒状漂白組成物(以下、「本願発明の漂白組成物」という。)が、「酸素漂白剤と漂白活性化剤とを含む漂白系であって、前記漂白活性化剤が、次の式:(式略)を有するナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)およびテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む、漂白系と、
b.デンプン封入アコード(SEA)を含む香料送達システムと、
を含み、
前記香料送達システムが、アミン反応生成物を含み、前記アミン反応生成物が、ポリエチレンイミンと、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、又はイソダマスコンとの反応生成物であり、
前記組成物が、総組成物の30重量%?70重量%の酸素漂白剤を含み、
前記酸素漂白剤が、過炭酸塩であり、
前記組成物が、総組成物の1重量%?30重量%の漂白活性化剤を含む、組成物。」であることが規定されている。

しかしながら、本件出願の発明の詳細な説明には、実施例として、過炭酸塩、ナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)及びテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む、漂白系と、デンプン封入アコード(SEA)及びポリエチレンイミンとδ-ダマスコンとのアミン反応生成物を含む香料送達システムと、を含む漂白組成物II及びIIIが記載されてはいるものの、これらは、単に配合例として列記されているに過ぎず(摘記シ表1参照)、実際に漂白性能や香りにおいてどのような作用効果を奏するものであるのかについては具体的に何ら説明されていない。

また、本件出願の発明の詳細な説明には、「酸素漂白剤・・・、過炭酸塩・・・は、本明細書に用いるのに好ましい」(摘記オ参照)と記載され、「酸素漂白剤の不十分な漂白性能を克服するために、過酸塩漂白剤は・・・、漂白活性化剤を有する粒状組成物に処方される」(摘記カ)と記載されており、更に、「最も好ましくは・・・、漂白活性化剤は・・・ナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(・・・NOBS・・・)」であること(摘記キ)、「NOBS・・・を、・・・過酸を生成する第2の漂白活性化剤とともに含」み、「第2の漂白活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)」等であること、NOBS「と、この第2の漂白活性化剤とを含む漂白活性化剤の混合物は、粒子状の汚れの除去性能を更に高めるのに貢献するのと同時に、ジアシルペルオキシドに感受性が高い汚れ・・・及び過酸に感受性が高い汚れ・・・に対して良好な性能を呈することが見出された」旨(摘記ク)、「本発明の組成物は、別の必須成分として香料送達システムを含」み(摘記ケ)、当該香料送達システムとして「デンプン封入アコード(SEA)」を使用することにより、「製品保存時の香料の保持率が特に非水性条件下において向上する」こと、「水分との接触時には香料のブルームが引き起こされ得る」こと(摘記コ)、一方、当該香料送達システムとして「アミン反応生成物」を使用すること、好適なアミン反応生成物としてポリエチレンイミンポリマーと「α-ダマスコン、δ-ダマスコン、イソダマスコン・・・β-ダマスコン・・・から選択されてよい」香料とを反応させたもの(摘記サ)が記載されているから、本願発明の粒状漂白組成物としては、酸素漂白剤として過炭酸塩が、漂白活性化剤の混合物としてNOBSとTAEDが、香料送達システムとしてSEAとポリエチレンイミンポリマーと「α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン又はイソダマスコン」の香料とを反応させたアミン反応生成物が好適に用いられるものとされていることが読み取れる。
このように、各成分の作用機序についての説明はされているものの、一般に、香りが心地良いものになるかどうかは、悪臭の原因物質とその悪臭を隠蔽する香料とのバランスが大きく影響するものであり、表1に記載されたII及びIIIの配合成分の名称及び量比を見るだけでは、これらの成分を組み合わせた場合の香りがどのようなものであるのかを理解することは困難であり、まして、上記「本願発明の漂白組成物」を用いることによって、一般的に「心地良い香り」の組成物が得られるものと解することはできないし、香りと漂白性能の効果が両立するものと解することもできない。さらに、上記「本願発明の漂白組成物」を用いることによって上記の課題を解決し得ることが、本件出願の優先日時点の技術常識から見て自明な事項であったとも認められない。

そうすると、本願発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえず、本件出願の優先日時点の技術常識を参酌しても、発明の詳細な説明に開示された内容を本願発明にまで拡張ないし一般化できるとはいえないから、本願発明は発明の詳細な説明に実質的に記載したものとすることができない。


5.請求人の主張についての検討

請求人は、平成29年10月24日に提出の意見書において、

「 審判官殿は、『本願明細書の発明の詳細な説明の実施例では、【0113】【表1】に組成物I、II、及びIIIが記載されており、当該組成物には、香料、デンプン封入アコード、及びδ-ダマスコンとLupasolとの反応生成物は含まれているものの、本願請求項1に係る「香料マイクロカプセル(PMC)」が含まれていない(この点については、<理由3>(2)も参照されたい。)ために、これら実施例が本願発明の具体的態様を示すのかどうかは不明であって、本願発明が上記課題を解決することが確認できない。』と指摘しております。
このご指摘に鑑み、実施例に記載の組成物I?IIIの具体的態様に合わせて、請求項1において香料送達システムがデンプン封入アコードを含むことを限定致しました。
当業者であれば、本願発明の具体的態様である組成物I?IIIの漂白作用等の効果について、過度の試験負担無しに確認することができ、組成物I?IIIは本願発明の課題を解決できる具体的態様であることを十分に理解することができます。
したがって、補正後の請求項1?3に係る発明は発明の詳細な説明に記載されたものです。したがって、ご指摘の拒絶理由は解消されたものと思料します。」

と主張している。

上記主張は、本願発明の具体的態様である【表1】の組成物I?IIIの漂白作用等の効果について、過度の試験負担無しに確認することができ、組成物I?IIIは本願発明の課題を解決できる具体的態様であることを十分に理解することができるという主張ではあるが、上記4.でも述べたとおり、表1には単に配合組成が記載されているに過ぎず、当該【表1】に記載された組成物II及びIIIの効果の検証を、具体的に、どのような条件のもとで実施し、どのような結果が得られたのかは、全く明らかにされていない。
また、摘記エ?サには、各成分の作用機序についての説明はされているものの、一般に、香りには、臭いの原因となる対象物質とその臭いを抑制する香料とのバランスが大きく影響することを考慮すると、特定の漂白系と特定の香料送達システムを含む組成物における実際の作用効果は明らかではないから、この【表1】の記載をもって本願発明が上記課題を解決し得るものであることを当業者が理解することは困難と言わざるを得ない。
まして、表1に記載された具体的な配合組成を超える本願発明の組成物全般が、上記課題を解決し得るものであることを当業者が過度の負担無く理解できるものとは認められない。

よって、請求人の上記主張を採用することはできない。



第5 当審拒絶理由1の妥当性についての判断

1.引用刊行物について

1.特表平11-503192号公報(当審で新たに引用した文献)

2.特表2003-518165号公報(前置報告の引用文献8)

3.特表2003-504350号公報(前置報告の引用文献9)

4.特表2002-524573号公報(前置報告の引用文献10)

5.国際公開第08/100411号(原査定の引用文献4)

(以下、本件出願の出願日前に頒布された上記刊行物1?5を、「引用例1」?「引用例5」という。)


2.引用例の記載

引用例1?5には、以下の点が記載されている。

なお、引用例5の摘示事項については、翻訳文が記載されている特表2010-518271号公報(以下、「公表公報」という)の該当箇所の訳文をもって示し、国際公開及び公表公報双方における記載箇所を明示した。


(1)引用例1

(1a)「【特許請求の範囲】
1. (a)ペルオキシゲン漂白剤;
(b)ブリーチ活性剤;および
(c)香料のうち、
(i)分子量200AMU以上のアルデヒド、分子量200AMU以上のエステル、分子量120?160AMUのアルコールおよびそれらの混合物からなる群より選択される芳香物質、少くとも25重量%(その芳香物質の少くとも10重量%は100部/兆以下の臭気検出閾値(ODT)を有している);および
(ii)100部/兆以下の臭気検出閾値(ODT)の補助芳香物質少くとも1.0重量%を含有している香料(上記香料はハロゲン化芳香物質とニトロムスクを実質上含んでいない)により特徴付けられる漂白組成物。

・・・

9. 請求項1?8のいずれか一項に記載された漂白組成物を含有している洗浄水溶液と衣類を接触させるステップにより特徴付けられる、汚れた衣類を洗濯する方法。」(請求の範囲参照)(下線部は当審が付与したものであり、以下同様である。)

(1b)「本発明は、一般的には、漂白組成物に伴う“ブリーチ”臭を遮蔽するために特に適する選択された香料を含有する漂白組成物に関する。更に詳しくは、本発明は漂白剤、ブリーチ活性剤と、使用前および使用中に組成物の臭気を有効に遮蔽する香料を含有した漂白組成物に関する。」(5頁4?7行参照)

(1c)「最も好ましくは、ブリーチ活性剤は下記式を有している:

これはn‐ノニルオキシベンゼンスルホネートとも称される(以下、“NOBS”と称される)。」(12頁9?12行参照)

(1d)「 例II‐IV
これらの例は、本発明の範囲内にあって、例Iの香料処方を含んだ、いくつかの組成物について示している。

表IIに示された組成物は慣用的な洗剤加工処理技術により作る。具体的には、ベース顆粒成分をスラリーとして一緒にミックスし、タワーでスプレー乾燥させて顆粒を作る。次いで乾燥成分を顆粒と混合させ、液体成分をその上にスプレーして最終組成物を作る。」(23頁表I下1行?24頁表II注釈下4行、及び、表II参照)



(2)引用例2

(2a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドリー及び/又はクリーニング及び/又はファブリックケア組成物であって、洗剤成分及び又はクリーニング成分及び/又は界面活性剤成分及び/又はファブリックケア成分及び有用薬剤を含み、この有用薬剤はキャリアに担持され、担持された有用薬剤が20℃で少なくとも400cpsの粘度を有することを特徴とする、組成物。」(請求の範囲参照)

(2b)「【0032】
本発明で使用するのに好適なポリアミン、ポリエチレンイミンポリマー、ポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]、α-(2-アミノメチルエチル)-ω-(2-アミノメチル-エトキシ)-(=C.A.S番号9046-10-0);ポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]、α-ヒドロ-)-ω-(2-アミノメチルエトキシ)-、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールとのエーテル(=C.A.S.番号39423-51-3);ジェファミン(Jeffamines)T-403、D-230、D-400、D-2000の商品名で市販の製品;2,2’,2”-トリアミノトリエチルアミン;2,2’-ジアミノ-ジエチルアミン;3,3’-ジアミノ-ジプロピルアミン、1,3-ビスアミノエチル-シクロヘキサン(ミツビシから市販されている)及びC_(12)シュテルンアミン(Sternamine)(例えばクラリアント(Clariant)から市販されているC_(12)シュテルンアミン(プロピルアミン)_(n)、ここでn=3/4)、及びこれらの混合物がある。好ましいポリアミンはポリエチレンイミンであって、ルパゾル(Lupasol)の商品名で市販されているもので、例えば、ルパゾル(Lupasol)HF(MW25000)、P(MW750000)、PS(MW750000)、SK(MW2000000)、SNA(MW1000000)、G20(MW1300)、G35(MW2000)、G100、PR8515(MW2000)、FG(MW800)などである。」 (段落【0032】参照)

(2c)「【0099】
【実施例】
I-キャリア及び香気成分を混合した有用薬剤の合成例
ロータリエバポレータに取付けた、2Lの反応容器に、100gのδ-ダマスコン及び150gのルパゾル(Lupasol)P(水含量約50%)及び175gの香気成分混合物を入れ、4時間、42℃で混合する。混合中には、この反応混合物の温度はサーモスタットで調節し、42℃以上にはならないようにする。335gの生成物が得られ、未反応のδ-ダマスコンは微量しか残らない。この合成品の粘度は55000cpsである。
・・・
【0109】
加工方法
担持された組成物の加工は次のようにして行う:80gの、上で合成した担持化合物の1種を、120gの分散用キャリア、例えばTAE80又はPEG1000から10,000を入れたウルトラ・ツラックス(Ultra Turrax)中で5分間混合するが、混合温度は約70℃(キャリアの融点)とし、混合スピードはそのような温度を実質的に一定に保つに充分なものとする。温度と時間は分散用キャリアの性質によって決まってくるが、当業熟練者にとっては従来の工程である。得られる混合物の温度をキャリア物質の融点と実質的に同じに維持する。混合物が適温となったら、コーティング物質、例えば、炭酸塩の中に注ぎ込んで、ブラウン・ミキサー(Braun Mixer)の様な電気式の撹拌機を使用して凝集させる。混合の際の温度がキャリア物質の融点を実質的に超えないように注意をする必要がある。例えば、90gのTAE80と60gの担持された組成物とを含む150gの混合物を60℃で、300gの炭酸塩を含むブラウン・ミキサーに注ぎ込む。これらの成分を約5分間混合する。混合の際の温度が65℃を超えないよう注意する。更に、温度と時間はコーティング物質の性質によって決まってくるが、当業熟練者にとっては従来の工程である。
【0110】
以下のランドリー及びクリーニング組成物例で使用される略号
ランドリー及びクリーニング組成物で、略記された成分の呼称は以下の意味を有する。
・・・
過炭酸塩: 過炭酸ナトリウム、呼称式(nominal formula)2Na_(2)CO_(3)・3H_(2)O_(2)
NOBS: ナトリウム塩の形のノナノイルオキシベンゼンスルホネート
NAC-OBS: (6-ノナミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート
TAED: テトラアセチルエチレンジアミン
・・・
CaP1: 合成例Iでd-ダマスコンをルパゾルP及び香気成分混合物と反応させて得られる加工アミンで、前記の加工法にしたがって、キャリアと混合し、TAE80コーティング剤と凝集させたもの」 (段落【0099】?【0110】参照)

(2d)「【0118】
(実施例4)
以下に記す、粒状洗剤処方は、本発明にに合わせて調製された。
・・・
【0120】
【表7】

」 (段落【0118】?【0120】参照)


(3)引用例3
(3a)「【0001】
【技術分野】
本発明は、アミン反応生成物の粒子の製造方法に関するものである。」 (段落【0001】参照)

(3b)「【0027】
本発明に用いるのに適したポリアミンは、ポリエチレンイミンポリマー、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールとのポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)],α-(2-アミノメチルエチル)-ω-(2-アミノメチル-エトキシ)エーテル(=C.A.S.No.9046-10-0);2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールとのポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)],α-ヒドロ-)-ω-(2-アミノメチルエトキシ)エーテル(=C.A.S.No.39423-51-3);ジェファミンT-403、D-230、D-400、D-2000という商品名で市販されているもの;2,2’,2’’-トリアミノトリエチルアミン;2,2’-ジアミノ-ジエチルアミン;3,3’-ジアミノ-ジプロピルアミン、三菱により市販されている1,3-ビスアミノエチル-シクロヘキサン、およびクラリアントにより市販されている、C12スターンアミン(プロピレンアミン)_(n)(n=3/4)といったC12スターンアミン、並びにそれらの混合物である。好ましいポリアミンは、ルパゾールFG(分子量800)、G20wfv(分子量1300)、PR8515(分子量2000)、WF(分子量25000)、FC(分子量800)、G20(分子量1300)、G35(分子量1200)、G100(分子量2000)、HF(分子量25000)、P(分子量750000)、PS(分子量750000)、SK(分子量2000000)、SNA(分子量1000000)のような、ルパゾールという商品名で市販されているポリエチレンイミンである。」 (段落【0027】参照)

(3c)「【0163】
III)ルパゾールとダマスコンまたは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドからの合成
ルパゾールG100(バスフにより市販されているもの、水の含有率50%、ルパゾールG100(分子量5000)の含有率50%)とα-ダマスコン(またはδ-ダマスコン)から、以下に述べる三つの異なる手順の内のいずれか一つを用いてβ-アミノケトンを調製した。

【0164】
1.市販のルパゾールG100を以下の手順で乾燥させた。20gのルパゾール溶液を、ロータリーエバポレーターで数時間乾燥させた。水をなお約4.5g含んでいる得られた残留物を、トルエンを使用して、ロータリーエバポレーターで共沸蒸留させた。その後、残留物をデシケーターの中に入れ、60℃で乾燥させた(水吸収物質としてP_(2)O_(5)を使用)。得られた重量を基にして、我々は、オイルには水が10%未満含まれているとの結論を下した。NMRスペクトルを基に、我々は、水の含有率はおそらく5%未満であろうと結論付けた。この乾燥サンプルを、この後、β-アミノケトンの調製に用いた。

【0165】
7mlのエタノールに、上で得た乾燥ルパゾールG100を1.38g溶かした。磁気攪拌機を用いてこの溶液を数分間静かに攪拌し、Na_(2)SO_(4)(無水)を2g添加した。数分間にわたり再度攪拌した後、1分かけてα-ダマスコンを2.21g添加した。二日間反応させた後、セライトフィルターに通して混合物を濾過し(上を見よ)、残留物をエタノールで十分に洗浄した。やや泡立った濾液が約180ml得られた。ロータリーエバポレーターを用いてこの濾液を濃縮乾固し、デシケーター中、P_(2)O_(5)上で室温で乾燥させた。無色のオイルが約3.5g得られた。

【0166】
2.ルパゾールG100溶液4.3gを、乾燥させずに10mlのエタノールに溶かした。磁気攪拌機を用いてこの溶液を数分間攪拌し、1.5分かけてα-ダマスコンを3.47g添加した。室温で二日間反応させた後、この反応混合物をセライトフィルターに通して濾過し(上を見よ)、残留物をエタノールで十分に洗浄した。濾液(200ml、やや泡立っている)をエバポレーターで濃縮し、デシケーター(乾燥剤としてP_(2)O_(5)を使用)中で室温で乾燥させた。無色のオイルが約5.9g得られた。

【0167】
3.ルパゾールG100溶液(そのまま使用)3.0gに、α-ダマスコンを2.41g添加した。この混合物を、溶剤を用いずに攪拌した。4日間攪拌した後、得られたオイルをTHF100mlに溶かし、MgSO_(4)で乾燥させ、濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。デシケーター(P_(2)O_(5))中で室温で乾燥させると、無色のオイルが約4g得られた。このオイルには、長時間(3日間)乾燥させた後でもなおTHFが約13%(w/w)含まれていた。

【0168】
これら三つの手順で得られた生成物は、同じNMRスペクトルを有していた。

【0169】
ルパゾールG100の代わりにルパゾールG35、またはルパゾールHFを用いても、同様の結果が得られる。

・・・

【0173】
処理方法
1) 噴霧用にする為の処理方法
アミン反応生成物を、前に述べたようにキャリアを用いて処理する。詳しくは、上で合成したアミン反応生成物20gと、例えば疎水性香料組成物、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレートといったキャリア10?80gを、均質な混合物が得られるまでウルトラ・トゥラックス中で混合する。混合温度は室温付近であり、また混合速度は、この温度を実質的に一定に保てる速度である。温度と時間はキャリアの性質によって異なるが、当業者にとって通常の程度である。勿論、アミン反応生成物に対するキャリアの量は、所望の噴霧性と、得られる混合物の最終粘度により異なる。本発明の実施例においては、ティー・エー・インスツルメントのレオメーターCSL^(2)_(100)を用い、温度25℃、間隙設定500μmで測定した粘度は、500Cps以下であった。

【0174】
2)被覆の為の処理方法
アミン反応生成物を、前に述べたようにキャリアを用いて処理する。詳しくは、上で合成したアミン反応生成物20gと、例えばメタノール、香料混合物、または香料組成物といったキャリア20gを、ウルトラ・トゥラックス中で5分間混合する。混合温度は室温付近であり、また混合速度は、この温度を実質的に一定に保てる速度である。温度と時間はキャリアの性質によって異なるが、当業者にとって通常の程度である。

・・・

【0176】
所望ならば、上で得られた処理済みアミン反応生成物を、その後で被覆する。詳しくは、得られた混合物をキャリア物質の融点と実質的に同じ温度に保ち、被覆物質中に流し入れ、ブラウンミキサーのような電気ミキサーの中で凝集させる。混合中に温度がキャリア物質の融点を実質的に超えることがないよう、注意する。例えば、メタノールまたは香料混合物と、アミン反応生成物20gを含有する混合物100gを、炭酸塩を300g入れたブラウンミキサーの中に室温で流し入れる。これらの成分を、約5分間混合する。ここでも、温度と時間は被覆剤の性質によって異なるが、当業者にとって通常の程度である。

【0177】
被覆粒子が得られたら、真空蒸留によりメタノールを除去するのが望ましいことがある。

【0178】
以下の洗濯用および洗浄用組成物の実施例で用いる略号
洗濯用組成物、および洗浄用組成物においては、略記された成分識別名の意味は、以下の通りである。
・・・
過炭酸塩:表示式2Na_(2)CO_(3)・3H_(2)O_(2)の過炭酸ナトリウム
NOBS:ナトリウム塩の形のノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩
NAC-OBS:(6-ノナミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン
・・・
PARP2:合成例IIIで作ったルパゾールG35とα-ダマスコンとの反応生成物を、上記の方法に従って前述の香料混合物キャリアと混合し完成品に噴霧して得た処理済みアミン反応生成物」(段落【0163】?【0178】参照)

(3d)「【0183】
実施例4
以下の粒状洗濯配合物を、本発明に従って製造した。

・・・

【表9】

」 (段落【0183】、【表9】参照)


(4)引用例4

(4a)「【0001】
発明の分野
本発明は、アミン反応生成物の粒子の製造方法に関する。」(段落【0001】参照)

(4b)「【0023】
本発明で使用するのに好適なポリアミンは、ポリエチレンイミン重合体、ポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]、α-(2-アミノメチルエチル)-ω-(2-アミノメチル-エトキシ)-(=C.A.S No.9046-10-0)、ポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]、α-ヒドロ-)-ω-(2-アミノメチルエトキシ)-、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールとのエーテル(=C.A.S No.39423-51-3)、Jeffamine T-403、D-230、D-400、D-2000の商品名で市販、2,2’,2”-トリアミノトリエチルアミン、2,2’-ジアミノジエチルアミン、3,3’-ジアミノ-ジプロピルアミン、Mitsubishiから市販の1,3ビスアミノエチル-シクロヘキサン、およびClariantから市販のC12 Sternamines、例えばn=3/4のC12 Sternamin(プロピレンアミン)_(n) 、およびそれらの混合物である。好ましいポリアミンは、Lupasolの商品名で市販のポリエチレンイミン、例えばLupasol FG、G20、wfv、PR8515、WF、FC、G20、G35、G100、HF、P、PS、SK、SNA、である。」
」(段落【0023】参照)

(4c)「【0143】
III Lupasolとダマスコンおよび2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの反応
Lupasol G100(BASFから水50%、Lupasol G100 (Mw. 5000)50%含有で市販)およびα-ダマスコン(またはδ-ダマスコン)からβ-アミノケトンを下記の3通りの手順のいずれかにより製造した。

【0144】
1.市販のLupasol G100を下記の手順により乾燥させた。Lupasol 溶液20gを回転蒸発装置で数時間かけて乾燥させた。得られた残留物は約4.5gのH_(2)Oをなお含んでいるので、これを、回転蒸発装置でトルエンを使用して共沸蒸留した。次いで、残留物をデシケーター(吸収剤としてP_(2)O_(5)を使用)に入れ、60℃で乾燥させた。得られた重量から、このオイルはなお10%未満のH_(2)Oを含むことが分かった。NMRスペクトルから、我々はこの水量が5%未満であると結論付けた。次いで、乾燥させた試料をβ-アミノケトンの製造に使用した。
上記の様にして得た乾燥Lupasol G1001.38gをエタノール7mlに溶解させた。この溶液を磁気攪拌機で穏やかに数分間攪拌してから、Na_(2)SO_(4)(無水)2gを加えた。再度数分間攪拌した後、α-ダマスコン2.21gを1分間かけて加えた。2日間の反応後、混合物をCeliteフィルター(上記参照)で濾過し、残留物をエタノールで十分に洗浄した。軽く泡だった濾液約180mlが得られた。これを回転蒸発装置で乾燥するまで濃縮し、デシケーター中、P_(2)O_(5)上で室温で乾燥させた。約3.5gの無色オイルが得られた。

【0145】
2.Lupasol G100溶液4.3gを、乾燥させずに、エタノール10mlに溶解させた。この溶液を磁気攪拌機で数分間攪拌してから、α-ダマスコン3.47gを1.5分間かけて加えた。室温で2日間の反応後、反応混合物をCeliteフィルター(上記参照)で濾過し、残留物をエタノールで十分に洗浄した。濾液(200ml、軽い発泡)を蒸発装置で濃縮し、デシケーター(乾燥剤としてP_(2)O_(5))中、室温で乾燥させた。約5.9gの無色オイルが得られた。

【0146】
3.Lupasol G100溶液3.0g(そのまま使用)にα-ダマスコン2.41gを加えた。この混合物を、溶剤を使用せずに攪拌した。4日間攪拌した後、得られたオイルをTHF100mlに溶解させ、MgSO_(4)で除湿し、濾過し、濾液を回転蒸発装置で濃縮した。デシケーター(P_(2)O_(5))中、室温で乾燥させた後、約4gの無色オイルが得られた。このオイルは、長時間乾燥(3日間)の後も約13%(w/w) のTHFをなお含んでいた。

【0147】
3通りの手順で得られた生成物は、同一のNMRスペクトルを有していた。

【0148】
Lupasol G100の代わりにLupasol G35 またはLupasol HFを使用しても類似の結果が得られる。
・・・

【0152】
処理方法
キャリヤーによるアミン反応生成物の処理は上記の様に行なう。特に、上記の様に合成したアミン反応生成物20gを、キャリヤー、例えばTAE80 、80gを含むUltra Turrax中、混合温度約70℃で、その様な温度を実質的に一定に維持するのに十分な混合速度で5分間混合する。温度および時間はキャリヤーの性質により異なるが、当業者には通常の事項である。得られた混合物を、キャリヤー材料の融点と実質的に等しい温度に維持する。混合物が好適な温度になったら、被覆材料の上に注ぎ、ブラウンミキサーの様な電気的ミキサー中で凝集させる。混合中の温度がキャリヤー材料の融点を大幅に超えない様にも注意する。例えば、TAE80 および20%のアミン反応生成物を含む混合物150gを60℃で、炭酸塩300gを含むブラウンミキサー中に注ぎ込む。成分の混合は約5分間行なう。混合中の温度が65℃を超えない様にも注意する。ここでも、温度および時間はキャリヤーの性質により異なるが、当業者には通常の事項である。

【0153】
下記の洗濯および洗浄組成物の例で使用する略号
洗濯および洗浄組成物中で、略記された成分は、下記の意味を有する。
・・・
過炭酸塩:公称式2Na_(2)CO_(3).3H_(2)O_(2)の過炭酸ナトリウム
NOBS:ナトリウム塩の形態にあるノナノイルオキシベンゼンスルホネート
NAC-OBS:(6-ノナミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン
・・・
PARP3:合成例III で製造したLupasol HFとδ-ダマスコンのアミン反応生成物を、上記の処理方法により、TAE80 キャリヤーと混合し、被覆剤で凝集させた、処理したアミン反応生成物」(段落【0143】?【0153】参照)

(4d)「【0158】
例4
下記の顆粒状洗濯洗剤組成物を本発明により製造した。

・・・

【表6】


」 (段落【0158】、【表6】参照)


(5)引用例5

(5a)「CLAIMS
What is claimed is:

1. A consumer product comprising:
a.) from 0.01% to 20%, preferably from 0.03% to 15%, more preferably from 0.5% to 10%, most preferably from 0.1 % to 5% of a neat perfume comprising, based on weight of said neat perfume:
(i) from 1% to 30%, preferably from 2% to 20%, more preferably from 3% to 15%, most preferably from 4 % to 10% of a perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5;
(ii) from 5% to 70%, preferably from 10% to 60%, more preferably from 15% to 50%, most preferably from 20% to 40% of a perfume raw material having boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP greater than 2.5;
(iv) from 1% to 30%, preferably from 2% to 20%, more preferably from 3% to 15%, most preferably from 4% to 10% of a perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280 ° C; and
b.) from 0.01% to 20%, preferably from 0.03% to 15%, more preferably from 0.5% to 10%, most preferably from 0.1% to 5% of a perfume delivery system; and
c.) the balance of said consumer product being a consumer product ingredient.

2. The consumer product of Claim 1 wherein:
a.) said perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5 being selected from a Table 1 perfume raw materials and mixtures thereof, preferably said perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5 being selected from a Table 1 perfume raw materials numbers 1 through 39 and mixtures thereof, more preferably said perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5 being selected from a Table 1 perfume raw materials numbers 1 through 29 and mixtures thereof;
b.) said perfume raw material having boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP greater than 2.5 being selected from a Table 2 perfume raw materials and mixtures thereof, preferably said perfume raw material having boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP greater than 2.5 being selected from a Table 2 perfume raw materials numbers 1 through 116 and mixtures thereof, more preferably said perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280° C being selected from a Table 3 perfume raw materials numbers 1 through 58 and mixtures thereof; and
c.) said perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280° C being selected from a Table 3 perfume raw materials and mixtures thereof, preferably said perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280° C being selected from a Table 3 perfume raw materials numbers 1 through 58 and mixtures thereof, more preferably said perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280° C being selected from a Table 3 perfume raw materials numbers 1 through 58 and mixtures thereof.

3. A consumer product according to any one of the preceding claims wherein said perfume delivery system comprises a perfume delivery system selected from the group consisting of: a polymer assisted delivery system, a reservoir system, a monomer-assisted delivery system, an amine assisted delivery system, a cyclodextrin system, a starch encapsulated accord system, inorganic carrier system, a pro-perfume, an amine reaction product and mixtures thereof.

4. A consumer product according to any one of the preceding claims wherein said perfume delivery system comprises a perfume microcapsule, preferably said perfume microcapsule comprises, based on total perfume microcapsule weight, from 50% to 95%, preferably from 60% to 90%, more preferably from 75% to 85% perfume, at least 50%, preferably at least 75%, more preferably at least 85%, most preferably at least 100% of said perfume being a perfume raw material having a ClogP great than or equal to 1 and a boiling point less than or equal to 350° C; preferably a ClogP great than or equal to 1.5 and a boiling point less than or equal to 300° C; more preferably a ClogP great than or equal to 2 and a boiling point less than or equal to 280° C.

5. A consumer product according to any one of the preceding claims wherein said perfume delivery system comprises a microcapsule, and an amine assisted delivery system, preferably said amine assisted delivery system comprises a polyakylamine, more preferably a polyethyleneamine, most preferably a polyethyleneamine having a weight average molecular weight in daltons of from 500 to 5,000,000, preferably from 1000 to 1,000,000, more preferably from 7,000 to 200,000 and the neat perfume comprises:
(i) from 2% to 40%, preferably from 4% to 30%, more preferably from 8% to 20% of a perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5;
(ii) from 4% to 60%, preferably from 7% to 50%, more preferably from 10% to 40%, most preferably from 15% to 30% of a perfume raw material having boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP greater than 2.5; and
(v) from 1% to 20%, preferably from 1% to 15%, from 2% to 10%, more preferably from 3% to 6% of a perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280 ° C.

6. A consumer product according to any one of Claims 1 to 4 comprising a product, a container, preferably said container having a cap, and packaging a neat perfume, a perfume microcapsule, and a perfume delivery system that comprises a polymer assisted delivery matrix system comprising a perfume comprising:
(i) from 0% to 100%, preferably from 1% to 30%, more preferably from 2 % to 20%, from 3% to 15%, most preferably from 4 % to 10% of a perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5;
(ii) from 0% to 100%, preferably from 5% to 70%, more preferably from 10% to 60%, from 15% to 50%, most preferably from 20% to 40% of a perfume raw material having boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP greater than 2.5; and
(iii) from 0% to 100%, preferably from 1% to 30%, more preferably from 2% to 20%, more preferably from 3% to 15%, most preferably from 4% to 10% of a perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280 ° C;
said neat perfume comprises:
(i) from 1% to 30%, preferably from 2% to 20%, more preferably from 3% to 15%, most preferably from 4% to 10% of a perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5;
(ii) from 10% to 90%, preferably from 15% to 80%, more preferably from 20% to 70%, most preferably from 25% to 60% of a perfume raw material having boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP greater than 2.5; and
(iv) from 1% to 30%, preferably from 2% to 20%, more preferably from 3% to 15%, most preferably from 4% to 10% of a perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280 ° C.
preferably said polymer assisted delivery matrix system being in either in whole or in part, in communication with the packaged product's packaging and/or the exterior of the packaged product's container, more preferably said polymer assisted delivery matrix system is either in whole or in part in communication with the underside of said cap.

7. A consumer product according to any one of Claims 1 to 4 comprising a product, a container and packaging, a neat perfume, a perfume microcapsule, and a perfume delivery system that comprises an amine assisted delivery system and a polymer assisted delivery matrix system said neat perfume comprising:
(i) from 2% to 40%, preferably from 4% to 30%, more preferably from 8% to 20% of a perfume raw material having a boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP less than or equal to 2.5;
(ii) from 4% to 60%, preferably from 7% to 50%, more preferably from 10% to 40%, most preferably from 15% to 30% of a perfume raw material having boiling point less than or equal to 250° C and a ClogP greater than 2.5; and
(iii) from 1% to 20%, preferably from 1% to 15%, more preferably from 2% to 10%, most preferably from 3% to 6% of a perfume raw material having boiling point greater than 250° C but less than or equal to 280 ° C.」(特許請求の範囲参照)
(日本語訳:【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者製品であって、
a.)0.01%?20%、好ましくは0.03%?15%、より好ましくは0.5%?10%、最も好ましくは0.1%?5%の未希釈香料であって、前記未希釈香料の重量に基づいて、
(i)1重量%?30重量%、好ましくは2重量%?20重量%、より好ましくは3重量%?15重量%、最も好ましくは4重量%?10重量%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)5重量%?70重量%、好ましくは10重量%?60重量%、より好ましくは15重量%?50重量%、最も好ましくは20重量%?40重量%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、
(iv)1重量%?30重量%、好ましくは2重量%?20重量%、より好ましくは3重量%?15重量%、最も好ましくは4重量%?10重量%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む未希釈香料と、
b.)0.01%?20%、好ましくは0.03%?15%、より好ましくは0.5%?10%、最も好ましくは0.1%?5%の香料送達系と、
c.)消費者製品成分である、前記消費者製品の残部と、
を含む、消費者製品。

【請求項2】
a.)250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する前記香料原材料が、表1の香料原材料及びこれらの混合物から選択され、好ましくは250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する前記香料原材料が、表1の香料原材料の番号1?39及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する前記香料原材料が、表1の香料原材料の番号1?29及びこれらの混合物から選択され、
b.)250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する前記香料原材料が、表2の香料原材料及びこれらの混合物から選択され、好ましくは250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する前記香料原材料が、表2の香料原材料の番号1?116及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料の番号1?58及びこれらの混合物から選択され、かつ
c.)250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料及びこれらの混合物から選択され、好ましくは250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料の番号1?58及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料の番号1?58及びこれらの混合物から選択される、
請求項1に記載の消費者製品。

【請求項3】
前記香料送達系が、ポリマー支援型送達系、リザーバ系、モノマー支援型送達系、アミン支援型送達系、シクロデキストリン系、デンプン封入アコード系、無機担体系、プロ香料、アミン反応生成物、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料送達系を含む、請求項1又は2に記載の消費者製品。

【請求項4】
前記香料送達系が、香料マイクロカプセルを含み、好ましくは前記香料マイクロカプセルが、総香料マイクロカプセルの重量に基づいて、50重量%?95重量%、好ましくは60重量%?90重量%、より好ましくは75重量%?85重量%の香料を含み、前記香料の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも100%が、1以上のClogP及び350℃以下の沸点、好ましくは1.5以上のClogP及び300℃以下の沸点、より好ましくは2以上のClogP及び280℃以下の沸点を有する香料原材料である、請求項1?3のいずれか一項に記載の消費者製品。

【請求項5】
前記香料送達系が、マイクロカプセル及びアミン支援型送達系を含み、好ましくは前記アミン支援型送達系が、ポリアルキルアミン、より好ましくはポリエチレンアミン、最も好ましくは、500?5,000,000ダルトン、好ましくは1000?1,000,000ダルトン、より好ましくは7,000?200,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレンアミンを含み、前記未希釈香料が、
(i)2%?40%、好ましくは4%?30%、より好ましくは8%?20%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)4%?60%、好ましくは7%?50%、より好ましくは10%?40%、最も好ましくは15%?30%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(v)1%?20%、好ましくは1%?15%、2?10%、より好ましくは3?6%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む、請求項1?4のいずれか一項に記載の消費者製品。

【請求項6】
製品、容器、好ましくはキャップを有する前記容器を含み、未希釈香料、香料マイクロカプセル、及び香料送達系をパッケージ化し、前記香料送達系が、
(i)0%?100%、好ましくは1%?30%、より好ましくは2%?20%、3%?15%、最も好ましくは4%?10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)0%?100%、好ましくは5%?70%、より好ましくは10%?60%、15%?50%、最も好ましくは20%?40%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iii)0%?100%、好ましくは1%?30%、より好ましくは2%?20%、更に好ましくは3%?15%、最も好ましくは4%?10%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む香料を含むポリマー支援型送達マトリックス系を含む、請求項1?4のいずれか一項に記載の消費者製品であって、
前記未希釈香料が、
(i)1%?30%、好ましくは2%?20%、より好ましくは3%?15%、最も好ましくは4%?10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)10%?90%、好ましくは15%?80%、より好ましくは20%?70%、最も好ましくは25%?60%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iv)1%?30%、好ましくは2%?20%、より好ましくは3%?15%、最も好ましくは4%?10%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含み、
好ましくは前記ポリマー支援型送達マトリックス系が、全体又は部分のいずれかで、前記パッケージ化された製品の包装及び/又は前記パッケージ化された製品の容器の外側と連通しており、より好ましくは前記ポリマー支援型送達マトリックス系が、全体又は部分のいずれかで、前記キャップの下面と連通している、消費者製品。

【請求項7】
製品、容器を含み、未希釈香料、香料マイクロカプセル、並びにアミン支援型送達系及びポリマー支援型送達マトリックス系を含む香料送達系をパッケージ化する、請求項1?4のいずれか一項に記載の消費者製品であって、前記未希釈香料が、
(i)2%?40%、好ましくは4%?30%、より好ましくは8%?20%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)4%?60%、好ましくは7%?50%、より好ましくは10%?40%、最も好ましくは15%?30%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料並びに
(iii)1%?20%、好ましくは1%?15%、より好ましくは2%?10%、最も好ましくは3%?6%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む、消費者製品。)

(5b)「As used herein "consumer products" includes, unless otherwise indicated, articles, baby care, beauty care, fabric & home care, family care, feminine care, health care, snack and/or beverage products or devices intended to be used or consumed in the form in which it is sold, and is not intended for subsequent commercial manufacture or modification. Such products include but are not limited to diapers, bibs, wipes; products for and/or methods relating to treating hair (human, dog, and/or cat), including bleaching, coloring, dyeing, conditioning, shampooing, styling; deodorants and antiperspirants; personal cleansing products, including cleansers, moisturizing cleansers, and combinations thereof; cosmetics; skin care including application of creams, lotions, mousses, masks, exfoliating compositions, peels, and combinations thereof; hair removal products, including device-assisted hair removal products; shaving products; and other topically applied products for consumer use; products for and/or methods relating to treating fabrics, hard surfaces and any other surfaces in the area of fabric and home care, including: air care, car care, dishwashing, fabric conditioning (including softening), laundry detergency, laundry and rinse additive and/or care, hard surface cleaning and/or treatment, and other cleaning for consumer or institutional use; products and/or methods relating to bath tissue, facial tissue, paper handkerchiefs, and/or paper towels; tampons, feminine napkins; products and/or methods relating to oral care including toothpastes, tooth gels, tooth rinses, denture adhesives, tooth whitening; over-the-counter health care including cough and cold remedies, pain relievers, pet health and nutrition, and water purification; processed food products intended primarily for consumption between customary meals or as a meal accompaniment (non-limiting examples include potato chips, tortilla chips, popcorn, pretzels, corn chips, cereal bars, vegetable chips or crisps, snack mixes, party mixes, multigrain chips, snack crackers, cheese snacks, pork rinds, corn snacks, pellet snacks, extruded snacks and bagel chips); and coffee and cleaning and/or treatment compositions.」(1頁29行?2頁18行参照)
(日本語訳:【0009】
本明細書で使用するとき、「消費者製品」には、特に断りのない限り、販売される形態での使用又は消費を意図し、後の商業的製造又は改変を意図しない物品、ベビーケア、ビューティケア、衣類及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック及び/又は飲料製品又は装置が包含される。このような製品には、これらに限定されるものではないが、おむつ、よだれかけ、拭取り布;漂白、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングといった毛髪処理(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)のための製品、及び/又はこれに関する方法;脱臭剤及び制汗剤;洗浄剤、保湿洗浄剤、及びこれらの組み合わせを含む個人用洗浄製品;化粧品;クリーム、ローション、ムース、美容パック、角質除去剤、剥離剤、及びこれらの組み合わせなどを含むスキンケア製品;装置補助型毛髪除去製品を含む毛髪除去製品;ヒゲソリ製品;並びに消費者用の他の局所適用製品;空気のケア、自動車のケア、皿洗い、衣類のコンディショニング(柔軟化など)、洗濯用洗剤、洗濯用及びリンス用添加剤及び/又はケア、硬質表面のクリーニング及び/又は処理、並びに消費者又は業務用の他のクリーニング製品などの、衣類、硬質表面、並びに衣類及びホームケアの分野の他のあらゆる表面の処理のための製品、及び/又はこれに関する方法;トイレットペーパー、フェイシャルティシュー、ペーパーハンカチーフ、及び/又はペーパータオルに関する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;歯磨き粉、歯磨き用ジェル、歯磨き用リンス、入れ歯用接着剤、歯の漂白剤を含む口腔ケアに関する製品及び/又は方法;咳及び風邪の治療薬、痛み止め、ペットの健康及び栄養、並びに、浄水などの市販ヘルスケア製品;主として普段の食事の間における消費又は食事の付け合わせ食品としての消費を意図した加工食品(非限定的な例としては、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップ、シリアルバー、野菜チップス又はクリスプ、スナックミックス、パーティミックス、マルチグレインチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、豚の皮揚げ、コーンスナック、ペレットスナック、押出し加工スナック、及びベーグルチップス)、及びコーヒー、並びにクリーニング及び/又はトリートメント組成物が包含される。)

(5c)「Reservoir Systems: Reservoir systems can be described as a core-shell type technology, or one in which the fragrance is surrounded by a perfume release controlling membrane (protective shell). Microparticles or pressure sensitive capsules are examples of this technology. The possible shell materials vary widely in their stability toward water. Among the most stable are polyoxymethyleneurea (PMU)-based materials, which can hold certain PRMs for even long periods of time in aqueous solution (or product). Such systems include but are not limited to urea-formaldehyde and/or melamine-formaldehyde. Gelatin-based microcapsules can be prepared to dissolve quickly or slowly in water, depending for example on the degree of cross-linking. Many other capsule wall materials are available and vary in the degree of perfume diffusion stability observed. The rate of release of perfume from a capsule, for example, once deposited on a surface is typically in reverse order of in-product stability. As such, urea-formaldehyde and melamine- formaldehyde microcapsules for example, typically require a release mechanism other than, or in addition to, diffusion for release, such as mechanical force (e.g., friction) that serves to break the capsule and increase the rate of perfume (fragrance) release. The use of pre-loaded microcapsules requires the proper ratio of in-product stability and in-use and/or on-surface (on-situs) release, as well as proper selection of PRMs. Microcapsules that are based on urea-formaldehyde and/or melamine-formaldehyde are relatively stable, especially in near neutral aqueous-based solutions. These materials can require a friction trigger which may not be suitable to all product applications. Other microcapsule materials (e.g., gelatin) can be unstable in water and can even provide reduced benefit (versus free perfume control) when in-product aged. Perfume microcapsules (PMC) may include those described in the following references: US Patent Applications: 2003/0125222 Al; 2003/215417 Al; 2003/216488 Al; 2003/158344 Al; 2003/165692 Al; 2004/071742 Al; 2004/071746 Al; 2004/072719 Al; 2004/072720 Al ; 2006/0039934A1; 2003/203829 Al; 2003/195133 Al; 2004/087477 Al; 2004/0106536 Al; and US Patents 6,645,479 Bl; 6,200,949 Bl ; 4,882,220; 4,917,920; 4,514,461; and 4,234,627, and US RE 32713. In one aspect, said perfume microcapsule comprises, based on total perfume microcapsule weight, from about 50% to about 95%, from about 60% to about 90%, from about 75% to about 85% perfume, at least 50%, 75%, 85% or even 100% said perfume being a perfume raw material having a ClogP great than or equal to 1 and a boiling point less than or equal to 350° C; a ClogP great than or equal to 1.5 and a boiling point less than or equal to 300° C; or even a ClogP great than or equal to 2 and a boiling point less than or equal to 280° C. For purposes of the present invention, and unless indicated otherwise, the terms "perfume nanocapsule" and "microcapsule" is within the scope of the term "perfume microcapsule."」(20頁32行?21頁33行参照)
(日本語訳:【0043】
リザーバ系:リザーバ系はコア/シェル型技術、すなわち芳香剤が香料放出制御膜によって包囲される技術(保護シェル)として記載することができる。マイクロ粒子又は感圧カプセルはこの技術の例である。使用可能なシェル材料は水に対する安定性が大きく異なる。最も安定したものとして、水溶液(又は製品)中に特定のPRMをより長期にわたって保持することができるポリオキシメチレン尿素(PMU)系材料がある。このような系にはこれらに限定されるものではないが、尿素-ホルムアルデヒド及び/又はメラミン-ホルムアルデヒドが包含される。例えば架橋度に応じて水に速やかに又はゆっくりと溶解するように、ゼラチン系マイクロカプセルを調製することができる。多くの他のカプセル壁材料が入手可能であり、観察される香料の拡散安定性の程度が異なっている。カプセルからの香料の放出速度は、例えば、いったん表面に付着したものであれば、典型的には、製品内安定性の逆の次数である。このため、例えば尿素-ホルムアルデヒド及びメラミン-ホルムアルデヒドマイクロカプセルは典型的には、機械力(例、摩擦力)などの、カプセルを破壊して香料(芳香剤)の放出速度を増大させる、拡散以外又は拡散に加えての放出機構を必要とする。予備充填されたマイクロカプセルの使用には、製品内安定性及び使用時及び/又は表面上(部位上)放出の適正な比に加えて、PRMの適切な選択が求められる。尿素-ホルムアルデヒド及び/又はメラミン-ホルムアルデヒドに基づいたマイクロカプセルは、特に中性に近い水溶液中で比較的安定している。これらの材料は摩擦誘因を必要とする場合があるが、これは全ての製品用途に適用できるものではない。他のマイクロカプセル材料(例、ゼラチン)は、水中では不安定な場合があり、製品内エイジングしたときに(自由香料制御に対して)効果が低下する場合さえある。香料マイクロカプセル(PMC)には、以下の参照、米国特許公開第2003/01215222 A1号、同第2003/215417 A1号、同第2003/216488 A1号、同第2003/158344 A1号、同第2003/165692 A1号、同第2004/071742 A1号、同第2004/071746 A1号、同第2004/072719 A1号、同第2004/072720 A1号、同第2006/0039934 A1号、同第2003/203829 A1号、同第2003/195133 A1号、同第2004/087477 A1号、同第2004/0106536 A1号、並びに米国特許第6,645,479 B1号、同第6,200,949 B1号、同第4,882,220号、同第4,917,920号、同第4,514,461号及び同第4,234,627号、並びに米国再発行特許第32713号に記載されているものを挙げることができる。1つの態様では、香料マイクロカプセルは、総香料マイクロカプセルの重量に基づいて、約50重量%?約95重量%、約60重量%?約90重量%、約75重量%?約85重量%の香料を含み、香料の少なくとも50%、75%、85%、又は更には100%が、1以上のClogP及び350℃以下の沸点、1.5以上のClogP、及び300℃以下の沸点、又は更には2以上のClogP及び280℃以下の沸点を有する香料原材料である。本発明の目的において及び特に断りのない限り、用語「香料ナノカプセル」及び「マイクロカプセル」は、用語「香料マイクロカプセル」の範囲内にある。)


(6)引用発明の認定

a 摘示事項(1a)から、引用例1に記載された技術は、ペルオキシゲン漂白剤、ブリーチ活性剤、及び香料を含有する漂白組成物、及び、当該漂白組成物を用いた衣類を洗濯する方法に関するものと認められる。

b 摘示事項(1d)から、表IIに示された組成物は、ベース顆粒成分をスラリーとして一緒にミックスし、タワーでスプレー乾燥させて顆粒を造り、乾燥成分を顆粒と混合させ、液体成分をその上にスプレーして作製することから、粒状の組成物であると認められる。

c 摘示事項(1c)を参酌するに、摘示事項(1d)に記載されるNOBSとは、n-ノニルオキシベンゼンスルホネートのナトリウム塩であると認められる。(前記「n-ノニルオキシベンゼンスルホネート」は、引用例1の10頁27行?12頁4行を参酌するに、脱離基の共役酸のpK_(a)がブリーチ活性作用に関与すること、好ましい脱離基は「-O-C_(6)H_(4)-Y」(式中YはSO_(3)^(-)M^(+)等)であることから、摘示事項(1c)の式も「n-ノニルオキシベンゼンスルホネート」の用語も「n-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート」の誤記であると認定した。)

d 上記a?cから、摘示事項(1d)の表IIにおける「組成物」、「NOBS」は、それぞれ、「粒状漂白組成物」、「n-ノニルオキシベンゼンスルホネート」に相当するといえるから、摘示事項(1d)の例IIには、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
「粒状漂白組成物であって、
C_(12-13)直鎖アルキルベンゼンスルホネート,Na3.7重量%、C_(14-15)アルキルサルフェート/アルキルエトキシレート(EO=0.35)サルフェート3.0重量%、サルフェート3.0重量%、ポリアクリレート,Na(MW=1400)10.7重量%、ポリエチレングリコール(MW=4000)0.5重量%、ケイ酸ナトリウム0.4重量%、DTPA(ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸)0.2重量%、増白剤0.2重量%、TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)5.5重量%、NOBS(n-ノニルオキシベンゼンスルホネートのナトリウム塩)6.2重量%、ナトリウムペルカーボネート31.9重量%、アミラーゼ酵素0.3重量%、プロテアーゼ酵素0.5重量%、クエン酸10.3重量%、香料A0.5重量%、水及びその他を残部含む、組成物。」


3.対比・判断

ア 本願発明と引用発明1とを対比する。

(ア)引用発明1の「ナトリウムペルカーボネート」は、本願発明の「酸素漂白剤」である「過炭酸塩」に相当し、また、両者の総組成物に対する配合量は、31.9重量%の点で重複する。

(イ)引用発明1の「NOBS(n-ノニルオキシベンゼンスルホネートのナトリウム塩)」は、本願発明の「漂白活性化剤であるナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)」に相当する。さらに、引用発明1の「TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)」は、その構造からみて、本願発明の「テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)」であることは明らかである。そして、 引用発明1の「NOBS(n-ノニルオキシベンゼンスルホネートのナトリウム塩)」及び「TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)」は、摘示事項(1c)及び引用発明1の明細書13頁1行?2行より、共にブリーチ活性剤であるから、本願発明の「漂白活性化剤」に相当するといえる。
また、引用発明1の「NOBS(n-ノニルオキシベンゼンスルホネートのナトリウム塩)」と「TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)」の合計量は総組成物の11.7重量%であり、本願発明の漂白活性化剤の総組成物に対する配合量と重複する。
そして、引用発明1の「過炭酸塩」(ペルオキシゲン漂白剤)及び「ブリーチ活性剤」は、漂白作用を発揮する化合物群であるから、本願発明の「漂白系」に相当するといえる。

(ウ)引用発明1と本願発明とは、香料を含む点で共通する。

(エ)したがって、本願発明と引用発明1とは、
「粒状漂白組成物であって、
a.酸素漂白剤と漂白活性化剤とを含む漂白系であって、前記漂白活性化剤が、次の式(式の定義は、上記第2の請求項1を参照。)
を有するナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)およびテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む、漂白系と、
b.香料と、
を含み、
前記組成物が、総組成物の31.9重量%の酸素漂白剤を含み、
前記酸素漂白剤が、過炭酸塩であり、
前記組成物が、総組成物の11.7重量%の漂白活性化剤を含む、組成物。」である点で一致し、次の点で相違する。

【相違点1】
香料について、本願発明が、「デンプン封入アコード(SEA)を含む香料送達システム」であり、かつ、「前記香料送達システムが、アミン反応生成物を含み、前記アミン反応生成物が、ポリエチレンイミンと、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、又はイソダマスコンとの反応生成物」であるのに対し、引用発明1は、当該特定のない点。


イ 判断

上記相違点1について検討する。

引用例2には、ランドリー及び/又はクリーニング及び/又はファブリックケア組成物において、過炭酸塩、NOBS、及びTAED等と併用される香料送達システムとして、CaP1が記載されている(摘示事項)(2a)及び摘示事項(2d))。そして、摘示事項(2c)を参照するに、当該CaP1は、δ-ダマスコンとルパゾルPとの反応生成物であり、ルパゾルPは、摘示事項(2b)からポリエチレンイミンと認められる。

また、上記CaP1と同様に、引用例3及び4には、洗剤組成物において、過炭酸塩、NOBS、及びTAED等と併用される香料送達システムとして、α-ダマスコン又はδ-ダマスコンと、ルパゾル(すなわち、ポリエチレンイミン)との反応生成物であるPARP2(摘示事項(3c)、併せて摘示事項(3a)、(3b)及び(3d)も参照)、及び、PARP3(摘示事項(4c)、併せて摘示事項(4a)、(4b)及び(4d)も参照)が記載されている。

したがって、ポリエチレンイミンとα-ダマスコン又はδ-ダマスコンとの反応生成物を、香料送達システムとして用いることは、本願の優先日前に周知の技術である。

そして、引用例2?4に記載の発明は、過炭酸塩、NOBS、及びTAED等を含有するランドリー及び/又はクリーニング及び/又はファブリックケア組成物であり、引用発明1と技術分野が共通するものである。また、引用発明1は、漂白組成物に伴うブリーチ臭を遮蔽するために、香料を含有するものである(摘示事項(1b))。
してみれば、衣類を洗浄する工程に用いられる洗剤組成物において、ポリエチレンイミンとダマスコンとの反応生成物からなる香料送達システムを用いることは、当該技術分野において周知の技術的事項であることから、同じく衣類を洗浄する工程に用いられる引用発明1における香料として、周知の、ポリエチレンイミンとダマスコンとの反応生成物からなる香料送達システムを用いてみることは、当業者が容易に想到し得ることである。

また、引用例5には、衣類のコンディショニング、洗濯用洗剤などの消費者製品において、ポリエチレンイミンとダマスコンとの反応生成物やデン
プン封入アコードなどの香料送達系を使用することが記載されている(摘示事項(5a)の請求項3及び4、摘示事項(5b))ことから、衣類を洗浄する工程に用いられる引用発明1における香料として、ポリエチレンイミンとダマスコンとの反応生成物のみならず、引用例5に同等物として記載されているデンプン封入アコードを用いることは、当業者が容易に想到し得ることである。

さらに、本願明細書の実施例、その他の記載及び当該技術分野における技術常識を参酌しても、本願発明の効果を確認できず(この点については、第4 当審拒絶理由2の妥当性についての判断も参照されたい。)、漂白性能及び悪臭の遮蔽という本願発明の効果が、従来技術に比して格別優れたものとも依然として認められない。


ウ 小括
以上の検討によれば、本願発明は、引用発明1及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


エ 請求人の主張についての検討

請求人は、平成29年10月24日に提出の意見書において、

「 上記相違点1に関して、引用文献2?4のいずれにも、香料送達システムとして、デンプン封入アコード(SEA)を用いることは何ら開示も示唆もされていません。
一方、引用文献5には、請求項3には、「前記香料送達系が、ポリマー支援型送達系、リザーバ系、モノマー支援型送達系、アミン支援型送達系、シクロデキストリン系、デンプン封入アコード系、無機担体系、プロ香料、アミン反応生成物、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料送達系を含む」と記載されておりますが、実施例1では未希釈香料組成物が記載され、実施例2ではポリマー支援型送達系のリザーバ系(コア/シェル型)の一種である香料マイクロカプセルが記載されているに過ぎず、デンプン封入アコード系とアミン反応生成物とを組み合わせた具体的態様の開示はございません。
してみると、当業者が引用文献5を参照したとしても、引用発明1Aの粒状漂白組成物において、数多の香料送達系の手法の中から、デンプン封入アコード(SEA)と特定のアミン反応生成物(ARP)とを選択して、ナトリウムn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)およびテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む漂白系と組み合わせて用いることは容易に想到し得ません。」

と主張している。

しかしながら、上記第5 3.でも述べたとおり、引用例2?5には、衣類のコンディショニング、洗濯用洗剤などの消費者製品において、ポリエチレンイミンとダマスコンとの反応生成物またはデンプン封入アコードなど
の香料送達系を使用することが記載されており、引用例5においてはアミン反応生成物とデンプン封入アコードとは同等の選択肢として記載されているのであるから、衣類を洗浄する工程に用いられる引用発明1における香料として、ポリエチレンイミンとダマスコンとの反応生成物及びデンプン封入アコードを用いることは、当業者が容易に想到し得ることである。

効果について、本願明細書の段落【0113】【表1】には、特定の漂白系と特定の香料送達システムとを含む漂白組成物II及びIIIが単に配合例として列記されているに過ぎず、当該【表1】に記載された組成物II及びIIIの効果の検証を、具体的に、どのような条件のもとで実施し、どのような効果が得られたのかは、全く明らかにされていないので、この【表1】をもって本願発明の効果を直ちに参酌することできない。

よって、請求人の上記主張を採用することはできない。



第6 むすび

本願発明は、本件出願の明細書の発明の詳細な説明に記載されたものではなく、本件出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。また、本願発明は、上記引用例1?5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


したがって、本件出願は、その他の請求項について検討するまでもなく、特許を受けることができない。


よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-02-21 
結審通知日 2018-02-23 
審決日 2018-03-06 
出願番号 特願2014-30863(P2014-30863)
審決分類 P 1 8・ 537- WZ (C11D)
P 1 8・ 121- WZ (C11D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柴田 啓二▲吉▼澤 英一  
特許庁審判長 冨士 良宏
特許庁審判官 阪▲崎▼ 裕美
天野 宏樹
発明の名称 香料送達システムを含む漂白組成物  
代理人 出口 智也  
代理人 佐藤 泰和  
代理人 小島 一真  
代理人 中村 行孝  
代理人 永井 浩之  
代理人 朝倉 悟  
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