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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F01N |
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管理番号 | 1342566 |
審判番号 | 不服2017-6822 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-05-11 |
確定日 | 2018-07-18 |
事件の表示 | 特願2013-538277「燃料改質装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年5月18日国際公開、WO2012/063082、平成25年11月21日国内公表、特表2013-542375〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、2011年(平成23年)11月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年(平成22年)11月11日、英国、2011年(平成23年)5月20日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする特許出願であって、平成27年9月11日付けで拒絶理由が通知され、平成27年12月15日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出され、さらに、平成28年5月19日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成28年8月24日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたが、平成29年1月5日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成29年5月11日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 2.本願発明 本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成28年8月24日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに出願当初の明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりである。 「管状形状から成る触媒(7)を備える排気ガス用の改質装置触媒ユニット(4)を備える、気筒毎に少なくとも1つの入口弁および出口弁(2)が設けられる入口側および出口側を有するディーゼルエンジン(1)であって、 (a)前記触媒(7)が管状のハウジング(8)内に配置され、高温排気ガスが前記ハウジング(8)の内部および外部表面にわたって流れることができるようになっており、 (b)前記触媒(7)が、一又は複数の出口弁(2)の下流に、かつ、高温排気の一部が触媒(7)を通過する一方で、前記高温排気の残部がターボチャージャー(6)および/または排気ガス後処理に移行するように配置され、 (c)前記触媒(7)が、排気マニホールド内に、またはシリンダヘッド内に配置され、 前記触媒ユニット(4)には、前記触媒(7)に熱を供給して有効な改質温度にこれを上昇させるためにディーゼル燃料が噴射され得るように、ディーゼル燃料噴射装置の形のディーゼル燃料供給手段(11)が設けられる、ディーゼルエンジン。」 3.引用文献 (1)引用文献1 ア.引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由(平成27年9月11日付け拒絶理由通知)に引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献である特表2007-526864号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「水素に富むガスを発生させるための炭化水素の触媒による変換のための方法及び装置」に関し、図面(特に、図1及び図2参照)とともに次の記載がある(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。 (ア)「【0045】 図1は本発明による装置の特別な実施態様の概略図を示す。ディーゼル機関(1)の希薄な排気ガスが排気導管(2)を通じてエンジンを退去する。排気導管(2)は第一の排気導管(3)と第二の排気導管(4)とに分かれる。第一の排気導管(3)は第一の部分排気ガス流を改質触媒(5)に導通させ、第二の排気ガス導管により運搬される第二の部分排気ガス流と再度合流する。再度合流した排気ガス流を排気ガス浄化ユニット(9)内で浄化し、その後、排気ガスを大気中に放出する。排気ガス浄化ユニット(9)は単一の触媒又は複数の触媒の適当な配列及び/又は粒子フィルターであってよい。一種以上の触媒の最終的な選択は、達成された排気ガス浄化の程度に依存する。 【0046】 前記装置は、一酸化炭素及び水素に富む排気ガスを製造するために、要求に合わせて、例えば浄化ユニット中に含まれる触媒を処理するために使用される。そのような処理は、排気ガス浄化ユニット中に含まれる粒子フィルター又は窒素酸化物吸蔵触媒を再生するために開始されることができる。 【0047】 図1中の矢印(8)は炭化水素、例えばディーゼル燃料を改質触媒(5)の前で第一の排気ガス流中に導入するための手段を表す。この炭化水素はその後、改質触媒上での自己熱水蒸気改質により、一酸化炭素及び水素に変換される。この課題のために当業者に公知の任意の適当な改質触媒、例えばUS2002/0009408A1に記載された、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン又はその混合酸化物又はゼオライトから成る群から選択された酸化担持材料上に少なくとも1種の白金群金属を含有する触媒を使用することができる。極めて有利に、触媒は活性酸化アルミニウム上のロジウム及び場合により白金を含有する。慣用の三元触媒を使用することもできる。 【0048】 (8)で炭化水素を第一の排出ガス流に導入するための手段は、当業者に公知の任意の噴霧ノズル、例えば、ディーゼル燃料を霧化するために空気を使用する超音波ノズル、単一成分ノズル又は二成分ノズルであってよい。 【0049】 バルブ(6)及び(7)は任意のものであり、第一の排気流と第二の排気流との間の質量流量関係を変化させることができる。それにより、再合流された排気ガス流の空気/燃料比を、希薄な状態から後続の排気ガス浄化ユニット(9)で処理するために必要な値にまで変化させることができる。 【0050】 図2は本発明の装置の有利な配置を示す。ノズル(8)を介して導入された炭化水素の自己熱改質のための触媒(5)を含む第一の排気ガス導管(3)が、第二の排気ガス導管(4)の内部に配置されている。この装置内では、第二の排気ガス導管(4)はディーゼル機関の排気ガス導管(2)の一区域のみを形成している。ディーゼル機関のマニホルドから生じる排気ガス流(10)は第一の排気ガス流(11)と第二の排気ガス流(12’及び12’’)とに分かれる。第一の排気ガス流は第一の排気ガス導管(3)に進入する。第一の排気ガス導管を去った後、第一の排気ガス流は第二の排気ガス流と再合流し、再合流した排気ガス流(13)を形成する。 【0051】 第一の排出ガス導管に進入する排気ガス流の温度はディーゼル機関の運転ポイントに依存し、100?500℃の間で変動し得る。図2の実施態様において、第二の排気ガス流は第一の排気ガス導管のジャケット表面に沿って流動し、自己熱改質の開始温度を確立しかつ維持するのに役立ち、これは接触部分酸化のための触媒(5)の着火温度に依存する。従って、自己熱水蒸気改質を実施するための第一の排気ガス流への炭化水素の導入は、ディーゼル機関の排気ガス温度が前記の着火温度を超えた時にのみ開始される。 【0052】 第一の排気ガス導管を去る改質された排気ガス流は約600?800℃の温度を有する。」(段落【0045】ないし【0052】) (イ)上記(ア)の特に段落【0045】の記載から、改質触媒(5)は、排気ガス流が導通するものであるから、管状形状から成るものであることが明らかである。 (ウ)上記(ア)の特に段落【0050】及び図2の記載から、改質触媒(5)を含む第一の排気ガス導管(3)と、第一の排気ガス導管(3)が内部に配置された第二の排気ガス導管(4)とで改質触媒ユニットを構成していることが明らかである。 (エ)ディーゼル機関(1)が気筒毎に少なくとも1つの吸気弁および排気弁が設けられる吸気側および排気側を有することは、技術常識から明らかである。 (オ)改質触媒(5)が、ディーゼル機関(1)の一又は複数の排気弁の下流に配置されることは、技術常識から明らかである。 (カ)図2の記載から、第一の排気ガス流(11)が改質触媒(5)を通過する一方で、第二の排気ガス流(12’,12’’)が排気ガス浄化ユニット(9)に流入するように配置されることが看取できる。 (キ)上記(ア)の特に段落【0048】及び図2の記載から、上記改質触媒ユニットには、ディーゼル燃料が導入され得るように、炭化水素を導入するための手段が設けられることが明らかである。 イ.引用発明 上記ア.及び図面の記載から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 <引用発明> 「管状形状から成る改質触媒(5)を備える改質触媒ユニットを備える、気筒毎に少なくとも1つの吸気弁および排気弁が設けられる吸気側および排気側を有するディーゼル機関(1)であって、 (a)前記改質触媒(5)が第一の排気ガス導管(3)に含まれ、排気ガスが前記第一の排気ガス導管(3)の内部および外部表面にわたって流れることができるようになっており、 (b)前記改質触媒(5)が、一又は複数の排気弁の下流に、かつ、第一の排気ガス流(11)が改質触媒(5)を通過する一方で、第二の排気ガス流(12’,12’’)が排気ガス浄化ユニット(9)に流入するように配置され、 前記改質触媒ユニットには、ディーゼル燃料が導入され得るように、炭化水素を導入するための手段が設けられる、ディーゼル機関(1)。」 (2)引用文献2 ア.引用文献2の記載 原査定の拒絶の理由(平成27年9月11日付け拒絶理由通知)に引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献である特開2005-83304号公報(以下、「引用文献2」という。)には、「内燃機関の排気浄化装置」に関し、図面(特に、図1及び図2参照)とともに次の記載がある。 (ア)「【0017】 (第1の実施の形態) 図1は本発明の排気浄化装置を内燃機関としてのディーゼルエンジン1に適用した実施の形態を示した図、図2は触媒の配置態様の詳細を示した図である。本発明の排気浄化装置は、図1に示すようにエンジン1の排気系に適用される。エンジン1の排気系は、排気通路を含み、排気通路はシリンダブロック2に接続される第1の排気管としての排気マニホールド20及び第2の排気管としての排気管21とを含んで構成されている。排気マニホールド20はエンジン1の気筒毎に設けられた分岐部20aとこれら分岐部20aが集合する集合部20bとを含む。排気マニホールド20の集合部20bは管状に絞りこまれており、その端部は排気管21の一端とフランジ接合部23を介して接合されている。排気管21の途中にはフランジ接合部23より下流側に過給機6及びNOx触媒28がそれぞれ設けられている。本実施の形態ではNOx触媒を用いたが、これに替えて排気浄化手段として、ディーゼルパティキュレートフィルタにNOx吸着剤を付加し、浮遊粒子状物質(PM)とNOxの同時削減を可能とする触媒を用いてもよい。本実施の形態では、排気マニホールド20から過給機6まで排気通路内に触媒22を設けているので、排気系の下流側に流れる排気ガスよりも高温の排気ガスを触媒22へ導入することができる。しかも、触媒22が過給機6の上流側に設けられているため、過給機6の下流側の排気ガスよりも高温の排気ガスを触媒22へ導入できる。」(段落【0017】) (イ)「【0019】 本発明の排気浄化装置は、上記排気通路内に配置された触媒22を含んで構成されている。触媒22はフランジ接合部23を跨いで排気マニホールド20側及び排気管21側のそれぞれに伸びて配置されている。本実施の形態においては、触媒22はその上流に設けられた燃料添加弁(不図示)から噴射された燃料を改質させる機能を持つ。触媒22は金属製のいわゆるメタル触媒であり、触媒担体22aに例えば白金等が担持されている。燃料添加弁により噴射され触媒22によって改質された燃料は触媒22の下流側に位置するNOx触媒28に還元剤として供給される。触媒22は所定温度以下では上記機能を発揮できないため、触媒22の昇温速度を高めることが必要であり、また触媒22の温度が低下し易いと上記機能も低下してしまうので触媒22の温度低下を抑制することが必要である。そこで、触媒22は図2に示すような態様で排気通路内に配置されている。(段落【0019】) イ.引用文献2技術 上記ア.及び図面の記載から、引用文献2には次の技術(以下、「引用文献2技術」という。)が記載されていると認める。 「その上流に設けられた燃料添加弁から噴射された燃料を改質させる機能を持つ触媒22を含む排気浄化装置を備えるディーゼルエンジン1の技術であって、触媒22に排気系の下流側に流れる排気ガスよりも高温の排気ガスを導入し、触媒22の温度低下を抑制するために、当該触媒22は、排気マニホールド20側及び排気管21側のそれぞれに伸びて配置されるディーゼルエンジン1の技術。」 4.対比・判断 本願発明と引用発明とを対比すると、その構造、機能又は技術的意義からみて、引用発明における「改質触媒(5)」は本願発明における「触媒(7)」に相当し、以下同様に、「改質触媒ユニット」は「排気ガス用の改質装置触媒ユニット(4)」あるいは「触媒ユニット(4)」に、「吸気弁」は「入口弁」に、「排気弁」は「出口弁(2)」に、「吸気側」は「入口側」に、「排気側」は「出口側」に、「ディーゼル機関(1)」は「ディーゼル機関」に、「第一の排気ガス導管(3)」は「管状のハウジング(8)」あるいは「ハウジング(8)」に、「含まれ」ることは「内に配置され」ることに、「排気ガス」は「高温排気ガス」に、「第一の排気ガス流(11)」は「高温排気の一部」に、「第二の排気ガス流(12’,12’’)」は「高温排気の残部」に、「排気ガス浄化ユニット(9)」は「ターボチャージャー(6)および/または排気ガス後処理」に、「流入」は「移行」に、「炭化水素を導入するための手段」は「ディーゼル燃料供給手段(11)」にそれぞれ相当する。 したがって、本願発明の記載に倣って整理すると、本願発明と引用発明とは、 「管状形状から成る触媒を備える排気ガス用の改質装置触媒ユニットを備える、気筒毎に少なくとも1つの入口弁および出口弁が設けられる入口側および出口側を有するディーゼルエンジンであって、 (a)触媒が管状のハウジング内に配置され、高温排気ガスがハウジングの内部および外部表面にわたって流れることができるようになっており、 (b)触媒が、一又は複数の出口弁の下流に、かつ、高温排気の一部が触媒を通過する一方で、高温排気の残部がターボチャージャーおよび/または排気ガス後処理に移行するように配置され、 触媒ユニットには、ディーゼル燃料が噴射され得るように、ディーゼル燃料供給手段が設けられる、ディーゼルエンジン。」 である点で一致し、次の点で相違する。 <相違点1> 本願発明においては、「前記触媒(7)が、排気マニホールド内に、またはシリンダヘッド内に配置され」るのに対し、 引用発明においては、改質触媒(5)は、排気マニホールド内に、またはシリンダヘッド内に配置されていない点(以下、「相違点1」という。)。 <相違点2> 本願発明においては、前記触媒ユニット(4)には、「前記触媒(7)に熱を供給して有効な改質温度にこれを上昇させるために」ディーゼル燃料が噴射され得るように、「ディーゼル燃料噴射装置の形の」ディーゼル燃料供給手段(11)が設けられるのに対し、 引用発明においては、改質触媒ユニットには、改質触媒(5)に熱を供給して有効な改質温度にこれを上昇させるためにディーゼル燃料が噴射され得るように、ディーゼル燃料噴射装置の形の炭化水素を導入するための手段が設けられるか否か明らかでない点。(以下、「相違点2」という。) 上記相違点1について検討する。 引用文献1の段落【0051】(上記3.(1)ア.)の「図2の実施態様において、第二の排気ガス流は第一の排気ガス導管のジャケット表面に沿って流動し、自己熱改質の開始温度を確立しかつ維持するのに役立ち、これは接触部分酸化のための触媒(5)の着火温度に依存する。従って、自己熱水蒸気改質を実施するための第一の排気ガス流への炭化水素の導入は、ディーゼル機関の排気ガス温度が前記の着火温度を超えた時にのみ開始される。」との記載によれば、引用発明において、自己熱改質を開始するためには、排気ガス温度が改質触媒(5)の着火温度を超えることが必要であるところ、引用文献2技術は、燃料を改質させる機能を持つ触媒22に排気系の下流側に流れる排気ガスよりも高温の排気ガスを導入し、触媒22の温度低下を抑制するために、当該触媒22を排気マニホールド20側及び排気管21側のそれぞれに伸びて配置するものであり、引用発明において、自己熱改質をより確実に開始するために、引用文献2技術を適用して、改質触媒(5)を排気系の下流側よりも排気ガス温度の高い排気マニホールド側と排気管側のそれぞれに伸びて設けることは、当業者が容易なし得たことであって、その際、改質触媒(5)を、燃焼室に近く、より温度の高いマニホールド内、またはシリンダヘッド内に配置することも、当業者が適宜なし得たことである。 なお、触媒をマニホールド内に配置することは、例えば、実願平4-74665号(実開平6-34123号)のCD-ROM(特に段落【0002】、【0006】及び【0008】並びに図1ないし図3参照)、特開2010-216380号公報(特に段落【0013】及び【0035】ないし【0042】並びに図1及び図2参照)、特表2001-524638号公報(特に段落【0001】及び【0005】並びに図2参照)及び特開平9-119313号公報(特に段落【0006】及び図2参照)に記載されるように周知技術でもある。 上記相違点2について検討する。 引用文献1の段落【0051】(上記3.(1)ア.)の「図2の実施態様において、第二の排気ガス流は第一の排気ガス導管のジャケット表面に沿って流動し、自己熱改質の開始温度を確立しかつ維持するのに役立ち、これは接触部分酸化のための触媒(5)の着火温度に依存する。従って、自己熱水蒸気改質を実施するための第一の排気ガス流への炭化水素の導入は、ディーゼル機関の排気ガス温度が前記の着火温度を超えた時にのみ開始される。」との記載によれば、引用発明も、改質触媒に熱を供給して有効な改質温度にこれを上昇させるために、炭化水素を導入するための手段が設けられているものである。 そして、引用文献1の段落【0048】(上記3.(1)ア.)の「(8)で炭化水素を第一の排出ガス流に導入するための手段は、当業者に公知の任意の噴霧ノズル、例えば、ディーゼル燃料を霧化するために空気を使用する超音波ノズル、単一成分ノズル又は二成分ノズルであってよい。」との記載によれば、炭化水素を導入するための手段は、ディーゼル燃料を霧化するための任意の噴霧ノズルであればよく、ディーゼル燃料噴射装置はディーゼル燃料を霧化するための手段として用いられるものであるから、改質触媒に熱を供給して有効な改質温度にこれを上昇させるためにディーゼル燃料が噴射され得るための噴霧ノズルとして、ディーゼル燃料噴射装置の形の炭化水素を導入するための手段を設けることも当業者が適宜なし得たことである。 そして、本願発明は、全体としてみても、引用発明及び引用文献2記載技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5.結語 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願のその他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-02-15 |
結審通知日 | 2018-02-20 |
審決日 | 2018-03-05 |
出願番号 | 特願2013-538277(P2013-538277) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(F01N)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今関 雅子 |
特許庁審判長 |
冨岡 和人 |
特許庁審判官 |
佐々木 芳枝 松下 聡 |
発明の名称 | 燃料改質装置 |
代理人 | 園田・小林特許業務法人 |