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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1342766
審判番号 不服2017-14605  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-03 
確定日 2018-08-03 
事件の表示 特願2015-144817号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年2月2日出願公開、特開2017-23380号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年7月22日の出願であって、平成28年5月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月4日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月15日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成29年2月20日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年6月29日付け(発送日:同年7月5日)で、同年2月20日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年10月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含むものであり、本件補正前の平成28年7月4日にされた手続補正の特許請求の範囲の請求項1の記載と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。また、A?Eについては発明を分説するため当審で付与した。)。

(本件補正前)
「【請求項1】
A 遊技者に認識させたい第1強調文字群及び第2強調文字群を含む複数の文字群を表示する表示手段を備えた遊技機であって、
B 前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され、且つ、前記第3文字群の色とは異なる色にて前記表示手段に表示され、
C 前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示される際、音出力手段にて音声を出力してなる
遊技機。」

(本件補正後)
「【請求項1】
A 遊技者に認識させたい第1強調文字群及び第2強調文字群を含む複数の文字群を表示する表示手段と、
B 遊技者による所定操作が可能な操作手段と、を備えた遊技機であって、
C 前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され、且つ、前記第3文字群の色とは異なる色にて前記表示手段に表示され、
D 前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示されるとともに、当該表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示され、
E 前記表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示される際、前記表示手段に前記第2強調文字群の大きさを変化させずに遊技者が視認できる程度に視認性を下げて表示させ、音出力手段にて、前記操作手段の操作を促す画像の表示に伴う音声を出力してなる
遊技機。」

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「遊技機」について、「遊技者による所定操作が可能な操作手段」を備えることを追加して限定し、また、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示される」際に、それとともに「当該表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示され」ることを追加して限定し、さらに、その追加して限定した「前記表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示される」ことについて、それが「表示される際、前記表示手段に前記第2強調文字群の大きさを変化させずに遊技者が視認できる程度に視認性を下げて表示させ」ることを追加して限定し、そのうえ、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「音出力手段にて」「出力」する「音声」について、「前記操作手段の操作を促す画像の表示に伴う」ものであることを追加して限定するものである。

また、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、明細書の段落【0049】、【0050】、図4の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。

そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、前記1(本件補正後)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献に記載された事項
本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-249924号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。」

「【0054】
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。」

「【0457】
〔大当り遊技開始時〕
図31中(A):大当り遊技の開始に伴い、液晶表示器42の画面に例えば「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを表す文字情報が大きく表示される。これにより、遊技者に対して今回の大当り遊技が「何らかにチャレンジする大当りである」ということを分かりやすく伝達することができる。
【0458】
〔開放2?3回目〕
図31中(B):例えば、大当り遊技中に2?3回目の可変入賞装置30の開閉動作が行われる期間を利用して以下の演出が行われる。すなわち、「チャレンジボーナス」の遊技タイトル表示に続いて、例えば画面に女性キャラクターが大きく表示され、「ミニゲームにチャレンジして上乗せをゲットしてね!」といった遊技内容を説明する台詞を発する演出が行われる。これにより、遊技者に対して「今回の大当りでミニゲームにチャレンジし、これに成功すれば何らかの上乗せが得られる」ということを想起させることができる。
【0459】
〔開放4?5回目〕
図31中(C):また、例えば大当り遊技中に4?5回目の可変入賞装置30の開閉動作が行われる期間を利用して、以下の演出が行われる。すなわち、上記の女性キャラクターによる説明の後、画面が例えば大きく3つの領域に分割され、各領域に「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」、「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルが表示される。画面は、その中央位置から放射状に拡がって3分割され、例えば画面の右上領域には「クレーンチャレンジ」のタイトルが表示されており、また、画面の下部領域には「ゴルフチャレンジ」のタイトルが表示されており、そして左上領域には「ダーツチャレンジ」のタイトルが表示されている。3つの領域は、瞬間的にいずれか1つを強調した態様(例えば他より明度を高くする等)で表示され、その強調表示が順繰りに3つの領域を周回移動していく演出(いわゆるルーレット演出)が行われる。そして、画面中央位置には演出切替ボタン45の形態を模した画像が点滅表示され、合わせてスピーカ54,55,56から「ボタンを押してミニゲームを選択してね!」等の音声を出力する演出が行われる。これにより、遊技者に対して演出切替ボタン45の押し込み操作を促し、積極的に遊技に取り組む意欲を喚起することができる。」

【図31】において、(A)の「チャレンジボーナス」の文字情報並びに(C)の「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」の文字情報は、(B)の「ミニゲームにチャレンジして上乗せをゲットしてね!」の文字情報より太く大きく表示されていることが見て取れる。

上記記載事項を総合すれば、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる(a?gについては本願補正発明のA?Gに対応させて付与した。)。

「a 画面に遊技者に対して今回の大当り遊技が「何らかにチャレンジする大当りである」ということを分かりやすく伝達する「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを太く大きく表す文字情報を表示し、画面が大きく3つの領域に分割され各領域に「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」、「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを太く大きく表す文字情報を表示する液晶表示器42(【0457】、【0459】、【図31】)と、
b 遊技者による押し込み操作が可能な演出切替ボタン45(【0054】、【0459】)と、を備えたパチンコ遊技機1(【0030】)であって、
c 前記「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを太く大きく表す文字情報並びに前記「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを太く大きく表す文字情報は、遊技者に対して「今回の大当りでミニゲームにチャレンジし、これに成功すれば何らかの上乗せが得られる」ということを想起させる「ミニゲームにチャレンジして上乗せをゲットしてね!」といった遊技内容を説明する台詞を発する演出である文字情報より太く大きく前記液晶表示器42に表示され(【0457】、【0458】、【0459】、【図31】)、
d 前記液晶表示器42に前記「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを太く大きく表す文字情報が表示された後、前記「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを太く大きく表す文字情報が表示されるとともに、前記液晶表示器42の画面中央位置には遊技者に対して前記演出切替ボタン45の押し込み操作を促す演出切替ボタン45の形態を模した画像が点滅表示され(【0457】、【0459】、【図31】)、
e 前記液晶表示器42の前記3つの領域は、瞬間的にいずれか1つを強調した態様(例えば他より明度を高くする等)で表示され、その強調表示が順繰りに3つの領域を周回移動していく演出(いわゆるルーレット演出)が行われ、前記液晶表示器42の画面中央位置には演出切替ボタン45の形態を模した画像が点滅表示され、合わせてスピーカ54,55,56から「ボタンを押してミニゲームを選択してね!」等の音声を出力する演出が行われる(【0457】、【0459】)
パチンコ遊技機1。」

(3)対比・判断
本願補正発明と引用発明1とを対比する。なお、見出し(a)?(e)は、本願補正発明のA?Eに対応させている。

(a)引用発明1のaの「「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを太く大きく表す文字情報」は「遊技者に対して今回の大当り遊技が「何らかにチャレンジする大当りである」ということを分かりやすく伝達する」ものであってこれを遊技者に認識させたいことは明らかであるから、本願補正発明のAの「遊技者に認識させたい第1強調文字群」に相当する。
また、引用発明1のaの「「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」、「ダーツチャレンジ」といった」「太く大きく表す文字情報」は、3種類の「ミニゲーム」のタイトルを表すのであってこれを遊技者に認識させたいことは明らかであるから、本願補正発明のAの「遊技者に認識させたい第2強調文字群」に相当する。
さらに、引用発明1のaの「液晶表示器42」は、本願補正発明のAの「表示手段」に相当する。
したがって、引用発明1の「a 画面に遊技者に対して今回の大当り遊技が「何らかにチャレンジする大当りである」ということを分かりやすく伝達する「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを太く大きく表す文字情報を表示し、画面が大きく3つの領域に分割され各領域に「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」、「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを太く大きく表す文字情報を表示する液晶表示器42」は、本願補正発明の「A 遊技者に認識させたい第1強調文字群及び第2強調文字群を含む複数の文字群を表示する表示手段」に相当する。

(b)引用発明1の「b 遊技者による押し込み操作が可能な演出切替ボタン45と、を備えたパチンコ遊技機1」は、本願補正発明の「B 遊技者による所定操作が可能な操作手段と、を備えた遊技機」に相当する。

(c)引用発明1のcの「「ミニゲームにチャレンジして上乗せをゲットしてね!」といった遊技内容を説明する台詞を発する演出である文字情報」は、本願補正発明のCの「第3文字群」に相当する。
したがって、引用発明1の「c 前記「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを太く大きく表す文字情報」並びに「前記「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを太く大きく表す文字情報は、」「「ミニゲームにチャレンジして上乗せをゲットしてね!」といった遊技内容を説明する台詞を発する演出である文字情報より太く大きく表示される」ことと、本願補正発明の「C 前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され、且つ、前記第3文字群の色とは異なる色にて前記表示手段に表示され」ることとは、「C’前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され」る点で共通する。

(d)引用発明1の「遊技者に対して前記演出切替ボタン45の押し込み操作を促す演出切替ボタン45の形態を模した画像」は、本願補正発明の「遊技者に前記操作手段の操作を促す画像」に相当する。
したがって、引用発明1の「d 前記液晶表示器42に前記「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを太く大きく表す文字情報が表示された後、前記「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを太く大きく表す文字情報が表示されるとともに、前記液晶表示器42の画面中央位置には遊技者に対して前記演出切替ボタン45の押し込み操作を促す演出切替ボタン45の形態を模した画像が点滅表示され」ることは、本願補正発明の「D 前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示されるとともに、当該表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示され」ることに相当する。

(e)引用発明1において、「e 前記液晶表示器42の前記3つの領域は、瞬間的にいずれか1つを強調した態様(例えば他より明度を高くする等)で表示され、その強調表示が順繰りに3つの領域を周回移動していく演出(いわゆるルーレット演出)が行われ」るとき、dの「前記液晶表示器42」に「表示される」「前記「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを表す強調文字情報」の大きさを変化させずに表示させることは明らかである。
また、引用発明1のeの「スピーカ54,55,46」は、本願補正発明のEの「音出力手段」に相当する。
したがって、引用発明1の「e 前記液晶表示器42の前記3つの領域は、瞬間的にいずれか1つを強調した態様(例えば他より明度を高くする等)で表示され、その強調表示が順繰りに3つの領域を周回移動していく演出(いわゆるルーレット演出)が行われ、前記液晶表示器42の画面中央位置には演出切替ボタン45の形態を模した画像が点滅表示され、合わせてスピーカ54,55,56から「ボタンを押してミニゲームを選択してね!」等の音声を出力する演出が行われる」ことと、本願補正発明の「E 前記表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示される際、前記表示手段に前記第2強調文字群の大きさを変化させずに遊技者が視認できる程度に視認性を下げて表示させ、音出力手段にて、前記操作手段の操作を促す画像の表示に伴う音声を出力してなる」こととは、「E’前記表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示される際、前記表示手段に前記第2強調文字群の大きさを変化させずに表示させ、音出力手段にて、前記操作手段の操作を促す画像の表示に伴う音声を出力してなる」点で共通する。

そうすると、両者は、
「A 遊技者に認識させたい第1強調文字群及び第2強調文字群を含む複数の文字群を表示する表示手段と、
B 遊技者による所定操作が可能な操作手段と、を備えた遊技機であって、
C’前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され、
D 前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示されるとともに、当該表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示され、
E’前記表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示される際、前記表示手段に前記第2強調文字群の大きさを変化させずに表示させ、音出力手段にて、前記操作手段の操作を促す画像の表示に伴う音声を出力してなる
遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
「前記第1強調文字群及び第2強調文字群」は、本願補正発明では「前記第3文字群の色とは異なる色にて前記表示手段に表示され」るのに対し、引用発明1ではそのようなものか否か明らかでない点。

(相違点2)
「前記表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示される際」に表示される「前記第2強調文字群」について、本願補正発明は「遊技者が視認できる程度に視認性を下げて」表示させるのに対し、引用発明1はそのようなものか否か明らかでない点。

(相違点1について)
遊技機において、遊技者に認識させたい文字情報を、それ以外の文字情報とは異なる色にて目立たせて強調して表示することは、例えば、原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-87411号公報(下線は当審で付した。)に
「【0097】…第2選択画像表示における選択肢の表示を、第1選択画像表示における選択肢の表示よりも強調されるように設定する。つまり、これは、図15(G)?(J)に示すように、第2選択画像表示の選択肢を表す文字等を強調(色や大きさ、形等を目立たせる)したり…すればよい。」
と記載されているように周知技術である。
そうすると、引用発明1において、第1強調文字群たる「「チャレンジボーナス」といった遊技タイトルを表す強調文字情報」及び第2強調文字群たる「「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」、「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを表す強調文字情報」を目立たせて強調して表示するために、この周知技術を適用して、第3文字群たる「「ミニゲームにチャレンジして上乗せをゲットしてね!」といった遊技内容を説明する台詞を発する演出である文字情報」と異なる色にて表示するようにして、相違点1に係る本願補正発明の構成に想到することは当業者が容易になし得たものである。

(相違点2について)
遊技機において、ルーレット演出を行う際に、各選択肢が暗い状態となり、そのうち1つだけが順に明るい状態となる、という表示が高速でループされる演出を行うことは、例えば、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-161589号公報(下線は当審で付した。)に
「【0044】
その後、図7の(b)に示すように、4つのキャラクタ選択肢201,202,203,204の何れかが選択されるようにルーレットが開始される。具体的には、各選択肢が暗い状態となり(図7の(b)では犬キャラクタ選択肢201,うさぎキャラクタ選択肢203,くまキャラクタ選択肢204が暗い状態となっている)、そのうちの1つだけが順に明るい状態となる(図7の(b)では猫キャラクタ選択肢202が明るい状態となっている)、という表示が高速でループされるものである。」
と記載されているように周知技術である。
そうすると、引用発明1における「ルーレット演出」の「瞬間的にいずれか1つを強調した態様(例えば他より明度を高くする等)」の具体化手段として、この周知技術を適用して、「「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを表す強調文字情報」を暗い状態とする(ただし、そのうちの1つだけ順に明るい状態となる)ことによって、遊技者が視認できる程度に視認性を下げること、すなわち、相違点2に係る本願補正発明の構成に想到することは当業者が容易になし得たものである。

したがって、本願補正発明は、引用発明1及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(4)請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、引用文献1には、本願補正発明の「前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示されるとともに、当該表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示され、前記表示手段に遊技者に前記操作手段の操作を促す画像が表示される際、前記表示手段に前記第2強調文字群の大きさを変化させずに遊技者が視認できる程度に視認性を下げて表示させてなること」が何ら記載も示唆もなされていない、すなわち、引用文献1に記載の発明は、画面が大きく3つの領域に分割され、各領域に「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」、「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルが表示され、画面中央位置には演出切替ボタン45の形態を模した画像が表示されておりますが、「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」、「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトル表示は、本願発明のように、大きさを変化させずに遊技者が視認できる程度に視認性を下げて表示させるようにしていない、それゆえ、これでは、遊技者の視線を操作手段の操作を促す画像に誘導させることができず、遊技者が何をどうして良いか理解できず、遊技者の興趣を低下させてしまう可能性があるのに対し、本願補正発明は、表示手段に遊技者に操作手段の操作を促す画像が表示される際、表示手段に第2強調文字群の大きさを変化させずに遊技者が視認できる程度に視認性を下げて表示させており、それゆえ、このようにすれば、遊技者の視線を、遊技者に操作手段の操作を促す画像に誘導させることができ、そして、第2強調文字群の表示を消去するのではなく、第2強調文字群の大きさを変化させずに遊技者が視認できる程度に視認性を下げて表示手段に表示させていることから、遊技者は任意のタイミングで演出ルールを再確認することができ、これにより、本願補正発明は、遊技者に対し、表示された操作手段をどのようにすれば良いかを認識させることができ、もって、遊技者の興趣を低下させてしまう事態を低減させることができるという特有の作用効果を発揮させることができる旨主張する。

しかしながら、上記(相違点2について)で検討したように、遊技機において、ルーレットの演出を行う際に、各選択肢が暗い状態となり、そのうち1つだけが順に明るい状態となる、という表示が高速でループされる演出を行うことは周知技術であり、そうすると、引用発明1における「ルーレット演出」の「瞬間的にいずれか1つを強調した態様(例えば他より明度を高くする等)」の具体化手段として、この周知技術を適用して、「「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを表す強調文字情報」を暗い状態とする(ただし、そのうちの1つだけ順に明るい状態となる)ことによって、遊技者が視認できる程度に視認性を下げることは当業者が容易になし得たものである。
また、引用発明1に周知技術を適用した際、液晶表示装置42の画面において「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルを表す強調文字情報」を暗い状態とする(ただし、そのうちの1つだけ順に明るい状態となる)ルーレット演出を行うとともに、画面中央位置に点滅表示されている演出切替ボタン45の形態を模した画像を見た遊技者であれば、「クレーンチャレンジ」、「ゴルフチャレンジ」及び「ダーツチャレンジ」といった3種類の「ミニゲーム」のタイトルのいずれかを選択するために演出切替ボタン45の押し込み操作を行えばよいことを容易に認識し得ることは明らかである。
したがって、請求人の主張は採用できない。

(5)本件補正についてのむすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成28年7月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1の(本件補正前)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定の拒絶の理由は、
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に頒布された以下の引用例に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
というものである。

引用例1:特開2005-334033号公報
引用例2:特開2006-122363号公報(周知技術を示す文献)
引用例3:特開2014-87411号公報(周知技術を示す文献)


3 引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由で引用された刊行物である特開2005-334033号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0019】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。」

「【0160】
図27は、演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、演出制御用CPUは、まず、受信した変動パターンがミッションモードで使用される変動パターンであって、リーチ態様をもつ変動パターンであるか否かを確認する(ステップS831)。ミッションモードで使用される変動パターンであって、リーチ態様をもつ変動パターンであれば、ミッションの報知内容と合致し、大当りを生じる可能性がある(チャンスである)ことを表示や音声によって遊技者に報知するチャンス表示(例えば、可変表示装置9に「チャンス」の表示)・チャンス音(例えば、スピーカー27から「ミッションチャンス!」の音声出力)に関するプロセスデータを選択する(ステップS832)。」

「【0174】
まず、図30(A)に示すように、はずれ図柄が特別図柄表示エリア8a?8cに停止表示されたとき、4つの始動記憶(保留記憶)が始動記憶表示エリア18に表示されている。ミッション回数が1回目であるとき、はずれ時ミッション態様パターン選択テーブル(図10(A))からミッションモード開始変動としてテーブルT7(変動パターン7)が使用テーブルとして選択され、ミッション開始表示90として「4回転以内に○のリーチを出せ」を可変表示装置9に表示する(図30(B))ことにより、特別図柄の変動表示が4回実行されるまで(4回転以内)に、ミッション開始表示90の内容が実行されると(実際には、「4回転以内に7のリーチを出せ」の内容が実行されると)大当りとなることを遊技者に報知している。」

「【0177】
次に、ミッション回数が3回目であるとき、はずれ時ミッション態様パターン選択テーブル(図10(A))からミッションモード中通常変動としてテーブルT14(変動パターン14)が使用テーブルとして選択され、ミッション中表示91として「4回転以内に○のリーチを出せ」を可変表示装置9に表示し、始動記憶表示エリア18に表示されている始動入賞記憶を1つ消灯するとともに、この始動入賞記憶にもとづいて特別図柄の変動表示を開始する。そして、変動中の始動入賞記憶がはずれリーチと判定されていることにもとづいて、リーチ図柄が特別図柄表示エリア8a,8cに停止表示される(特別図柄「4」のリーチ態様が表示される)。このとき、ミッション中表示91として可変表示装置9に表示されている「4回転以内に○のリーチを出せ」の報知内容を満たしているとして、チャンス表示92として「チャンス」がミッション中表示91の左方に表示されるとともに、チャンス音93として「ミッションチャンス!」という音声がスピーカー27から出力される(図30(F))。」

【図30】には、ミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」という文字群及びチャンス表示92としての「チャンス」という文字群が、ミッション中表示91としての「4回転以内に○のリーチを出せ」という文字群より大きく可変表示装置9に表示されていることが見て取れる。

上記記載事項を総合すれば、引用文献2には以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる(a?cについては本願発明のA?Cに対応させて付与した。)。

「a 特別図柄の変動表示が4回実行されるまでに、ミッション開始表示90の内容が実行されると大当りとなることを遊技者に報知するミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」と大きく表示される文字群、及び、「4回転以内に○のリーチを出せ」というミッションの報知内容と合致し、大当りを生じる可能性があることを遊技者に報知するチャンス表示92として「チャンス」と大きく表示される文字群を表示する可変表示装置9(【0160】、【0174】、【0177】、【図30】)を備えたパチンコ遊技機1(【0019】)であって、
b 前記ミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」と大きく表示される文字群、及び、チャンス表示92としての「チャンス」と大きく表示される文字群が、ミッション中表示91としての「4回転以内に○のリーチを出せ」という文字群より大きく前記可変表示装置9に表示され(【0174】、【0177】、【図30】)、
c 前記可変表示装置9に前記ミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」と大きく表示される文字群が表示された後、前記チャンス表示92としての「チャンス」と大きく表示される文字群が表示されるとともに、チャンス音93として「ミッションチャンス!」という音声がスピーカー27から出力される(【0174】、【0177】、【図30】)
遊技機。」

3 対比・判断
本願発明と引用発明2とを対比する。なお、見出し(a)?(c)は、本願発明のA?Cに対応させている。

(a)引用発明2のaの「ミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」と大きく表示される文字群」は、「特別図柄の変動表示が4回実行されるまでに、ミッション開始表示90の内容が実行されると大当りとなることを遊技者に報知する」ものであってこれを遊技者に認識させたいことは明らかであるから、本願発明のAの「遊技者に認識させたい第1強調文字群」に相当する。
また、引用発明2のaの「チャンス表示92としての「チャンス」と大きく表示される文字群」は、「大当りを生じる可能性があることを遊技者に報知する」ものであってこれを遊技者に認識させたいことは明らかであるから、本願発明のAの「遊技者に認識させたい第2強調文字群」に相当する。
さらに、引用発明2のaの「可変表示装置9」は、本願発明のAの「表示手段」に相当する。
したがって、引用発明2の「a 特別図柄の変動表示が4回実行されるまでに、ミッション開始表示90の内容が実行されると大当りとなることを遊技者に報知するミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」と大きく表示される文字群、及び、「4回転以内に○のリーチを出せ」の報知内容を満たしていることを遊技者に報知するチャンス表示92として「チャンス」と大きく表示される文字群を表示する可変表示装置9を備えたパチンコ遊技機1」は、本願発明の「A 遊技者に認識させたい第1強調文字群及び第2強調文字群を含む複数の文字群を表示する表示手段を備えた遊技機」に相当する。

(b)引用発明2のbの「ミッション中表示91としての「4回転以内に○のリーチを出せ」という文字群」は、本願発明のBの「第3文字群」に相当する。
したがって、引用発明2の「b 前記ミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」と大きく表示される文字群、及び、チャンス表示92としての「チャンス」と大きく表示される文字群が、ミッション中表示91としての「4回転以内に○のリーチを出せ」という文字群より大きく前記可変表示装置9に表示され」ることと、本願発明の「B 前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され、且つ、前記第3文字群の色とは異なる色にて前記表示手段に表示され」ることとは、「B’前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され」る点で共通する。

(c)引用発明2のcの「スピーカー27」は、本願発明のCの「音出力手段」に相当する。
したがって、引用発明2の「c 前記可変表示装置9に前記ミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」と大きく表示される文字群が表示された後、前記チャンス表示92としての「チャンス」と大きく表示される文字群が表示されるとともに、チャンス音93として「ミッションチャンス!」という音声がスピーカー27から出力される」ことは、本願発明の「C 前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示される際、音出力手段にて音声を出力してなる」ことに相当する。

そうすると、両者は、
「A 遊技者に認識させたい第1強調文字群及び第2強調文字群を含む複数の文字群を表示する表示手段を備えた遊技機であって、
B’前記第1強調文字群及び第2強調文字群は、当該第1強調文字群及び第2強調文字群以外の第3文字群より大きく前記表示手段に表示され、
C 前記表示手段に前記第1強調文字群が表示された後、前記第2強調文字群が表示される際、音出力手段にて音声を出力してなる
遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)
「前記表示手段に表示され」る「前記第1強調文字群及び第2強調文字群」が、本願発明は「前記第3文字群の色とは異なる色にて前記表示手段に表示され」るのに対し、引用発明2はそのようなものか否か明らかでない点。

(相違点について)
遊技機において、遊技者に認識させたい文字情報を、それ以外の文字情報とは異なる色にて目立たせて強調して表示することは、例えば、原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-87411号公報(下線は当審で付した。)に
「【0097】…第2選択画像表示における選択肢の表示を、第1選択画像表示における選択肢の表示よりも強調されるように設定する。つまり、これは、図15(G)?(J)に示すように、第2選択画像表示の選択肢を表す文字等を強調(色や大きさ、形等を目立たせる)したり…すればよい。」
と記載されているように周知技術である。
そうすると、引用発明2において、第1強調文字群たる「ミッション開始表示90としての「4回転以内に○のリーチを出せ」という強調文字群」及び第2強調文字群たる「チャンス表示92としての「チャンス」という強調文字群」を目立たせて強調して表示するために、この周知技術を適用して、第3文字群たる「ミッション中表示91としての「4回転以内に○のリーチを出せ」という文字群」と異なる色にて表示するようにして、相違点に係る本願発明の構成に想到することは当業者が容易になし得たものである。

したがって、本願発明は、引用発明2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-06-04 
結審通知日 2018-06-06 
審決日 2018-06-19 
出願番号 特願2015-144817(P2015-144817)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩永 寛道尾崎 俊彦齋藤 智也  
特許庁審判長 服部 和男
特許庁審判官 濱野 隆
藤田 年彦
発明の名称 遊技機  
代理人 藤川 忠司  
代理人 三上 祐子  
代理人 正木 裕士  
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