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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04M
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04M
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04M
管理番号 1342894
審判番号 不服2017-11029  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-25 
確定日 2018-08-23 
事件の表示 特願2016- 33952「情報提供方法,情報提供プログラム,および情報提供システム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月31日出願公開,特開2017-152948〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成28年2月25日の出願であって,平成29年3月6日付けで通知された拒絶理由に対して,同年5月12日付けで手続補正がなされ,同年6月8日付けで拒絶査定され,これに対し,同年7月25日に拒絶査定に対する審判請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 補正却下の決定
[結論]
平成29年7月25日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 平成29年7月25日付けの手続補正の概要
平成29年7月25日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,同年5月12日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び前記請求項5に記載された
「【請求項1】
通信端末から送信されたユーザの音声情報に対する回答メッセージ,あるいは前記回答メッセージを特定できない場合には問合せメッセージを前記通信端末に送信し,
仮想オペレータを表示するように構成された前記通信端末において前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生する際,前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生しない時と比較し,前記仮想オペレータの一部が大きな動作を行うように前記仮想オペレータを表示する情報提供システム。」及び
「【請求項5】
通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報を受信し,
前記音声情報に関する音量データに応じて前記通信端末から前記質問を文字情報として受信することを,コンピュータに実行させるプログラム。」
をそれぞれ
「【請求項1】
通信端末から送信されたユーザの音声情報に対する回答メッセージ,あるいは前記回答メッセージを特定できない場合には問合せメッセージを前記通信端末に送信し,
現実の事業者のオペレータを模造した仮想オペレータを表示するように構成された前記通信端末において前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生する際,前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生しない時と比較し,前記仮想オペレータの一部が大きな動作を行うように前記仮想オペレータを表示する情報提供システム。」及び
「【請求項4】
通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報を受信し,
前記音声情報に関する音量データに基づき前記質問がその他の音声情報と区別できない場合に,前記通信端末から前記質問を文字情報として受信することを,コンピュータに実行させるプログラム。」
とすることを含むものである。

2 補正の適否
(1)新規事項の有無について
本件補正後の請求項4に係る発明の補正事項である
「通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報を受信し,
前記音声情報に関する音量データに基づき前記質問がその他の音声情報と区別できない場合に,前記通信端末から前記質問を文字情報として受信すること」は,
「通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報を受信」の記載から,「音声情報」は「通信端末から送信されるユーザの質問を含」んでおり,
「前記音声情報に関する音量データに基づき前記質問がその他の音声情報と区別できない場合に,前記通信端末から前記質問を文字情報として受信する」の記載から,「通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報」に関する「音量データ」に基づき「ユーザの質問がその他の音声情報と区別できない場合」に,「前記通信端末から前記質問を文字情報として受信する」ものである。してみると,上記補正事項は「通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報に関する音量データに基づき前記ユーザの質問がその他の音声情報と区別できない場合に,前記通信端末から前記ユーザの質問を文字情報として受信すること」との技術事項を実質的に含むものである。

一方,願書に最初に添付した明細書等(以下,「当初明細書等」という。)には,上記補正事項に関連して下記アないしエの記載があるので検討する。
ア 当初明細書の【0026】には「上記プログラムは,通信端末から通信端末周囲の音量データを受信し,音量データに応じて通信端末から質問を文字情報として受信することを実行させるように構成することができる。」と記載されている。当該記載によれば,「音量データに応じて」の「音量データ」は,「通信端末周囲の音量データ」であって,「ユーザの質問を含む音声情報に関する音量データ」ではないことは明らかである。

イ 当初明細書の【0088】には「例えばユーザ自身が発声を禁止されている場合,通信端末からの音声発信が禁じられている場合,喧噪な環境に起因してユーザの音声と周囲の雑音が区別できない場合,ユーザが通信端末の音声出力部112を他の用途(音楽や映像の視聴など)に用いている場合などには,自動的に,あるいはユーザが自主的にウェブチャットモードへ移行できるようにプログラムを構成してもよい。」と記載されており,喧噪な環境に起因してユーザの質問がその他の音声情報と区別できない場合,通信端末から質問を文字情報として受信することが記載されているが,「周囲の雑音」と上記補正事項の「その他の音声情報」との関係が不明であり,さらに,「ユーザの音声」と「周囲の雑音」とを何に基づいて区別するかについては何ら記載も示唆もされていない。

ウ 当初明細書の【0092】には「例えば通信端末100周辺の音量を測定し,その音量データを対話サーバなどに送信し(ステップ720),ある一定レベル以上であればウェブチャットモードへ移行する旨を表示部106に表示し(ステップ722),ウェブチャットモードへ自動的に移行する(ステップ704)ようにしてもよい。周囲の音量測定は,例えばアプリケーションを起動した後,ユーザが声入力部110をアクティブにする前に行うことができる。ウェブチャットモードへ移行する閾値としては,例えば90デシベル以上,あるいは110デシベル以上とすればよい。」と記載されているから,通信端末周辺の音量測定に応じて,ウェブチャットモードへ移行することが記載されている。ここで,当初明細書の【0119】に記載のように,ユーザはアプリケーションを起動し,その後アイコン300を操作して音声入力部110をアクティブにし,質問を口頭で述べるのであり,【0092】の「周辺の音量測定」は,アプリケーションを起動した後,ユーザが声入力部110をアクティブにする前に行うから,ユーザが質問をする前である。すなわち,【0092】の「周辺の音量測定」は,ユーザが質問をする前に測定するのであるから,前記「周辺の音量測定」の対象にユーザの質問を含む音声情報が含まれていないことは明らかである。

エ 当初明細書の【0093】には「通信端末100の周囲の雑音とユーザが入力した音声情報が区別できない場合,ウェブチャットモードへ移行するようにプログラムを構成してもよい。例えば音声認識サーバが音声情報の解析を行う際に音声区間検出を行ってもユーザの音声情報が含まれる区間を検出できない場合,あるいは検出区間が一定の時間に満たない場合,あるいは入力された音声情報から雑音を十分に除去できずユーザの音声(質問)を検出,解析できない場合,ウェブチャットモードへの移行を案内すると同時に,ウェブチャットモードへ移行するためのアイコンを表示部106に表示してもよい。」と記載されている。当該記載から,当初明細書には,音声認識サーバが行う音声情報の解析の途中結果又は結果に基づきユーザの質問がその他の音声情報と区別できない場合に,通信端末から質問を文字情報として受信することは記載されているが,音声認識サーバが行う音声情報の解析において「音量データ」を用いることは記載されていないから,通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報に関する「音量データ」に基づきユーザの質問がその他の音声情報と区別できない場合に,通信端末から質問を文字情報として受信することは記載も示唆もされていない。

してみると,当初明細書等には,「通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報を受信し,前記音声情報に関する音量データに基づき前記質問がその他の音声情報と区別できない場合に,前記通信端末から前記質問を文字情報として受信すること」については記載も示唆もされていない。
よって,本件補正後の請求項4に係る発明の
「通信端末から送信されるユーザの質問を含む音声情報を受信し,
前記音声情報に関する音量データに基づき前記質問がその他の音声情報と区別できない場合に,前記通信端末から前記質問を文字情報として受信すること」
との補正事項は,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものである。
したがって,本件補正後の請求項4に係る発明の上記補正事項を含む本件補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものとは認められない。
よって,本件補正は,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

(2)独立特許要件について
上記(1)のとおり,本件補正は,特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないが,更に進めて,本件補正後の請求項1を含む本件補正が同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件を満たしているか否かについて検討する。

ア 補正後の発明
本件補正後の発明は,本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるものと認められるところ,その請求項1に係る発明(以下,「補正後の発明」という。)は,以下のとおりのものである。
「 通信端末から送信されたユーザの音声情報に対する回答メッセージ,あるいは前記回答メッセージを特定できない場合には問合せメッセージを前記通信端末に送信し,
現実の事業者のオペレータを模造した仮想オペレータを表示するように構成された前記通信端末において前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生する際,前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生しない時と比較し,前記仮想オペレータの一部が大きな動作を行うように前記仮想オペレータを表示する情報提供システム。」(再掲)

イ 引用発明等
[引用発明,引用例1]
原査定の理由で引用された,本願の出願前に頒布された刊行物である特開2016-24765号公報(平成28年2月8日出願公開,以下,「引用例1」という。)には,次の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
(ア) 「【0012】
<定義>
「対話型処理システム」:所定の目的に適合するようにカスタマイズされたQ&Aシステムをいう。
「ユーザ」:対話型処理システムに接続した自らの端末装置を介して質問をする者をいう。
「管理者」:対話型処理システムを管理する者であり,コンテンツテーブル作成装置を用いて当該対話型処理システムに登録されるコンテンツテーブル等を作成する者である。ただし,上記「ユーザ」と同じ者であってもよい。
「ユーザ質問」:ユーザからの対話型処理システムへの問いかけを意味し,ユーザが発声する音声そのものを示す場合とユーザが発声する音声を文字列に変換したものを示す場合とを含む。
「ユーザ音声質問」:「ユーザ質問」であって,ユーザが発声する音声そのものである場合と音声を変換した電気信号である場合とを含む。
「ユーザ文字列質問」:「ユーザ質問」であって,特にユーザ音声質問を音声認識により対応する内容に変換した文字列(を特定する電気信号)であることを示す場合に用いる。
「想定質問」:予測される「ユーザ質問」をいい,コンテンツテーブルに予め登録された質問例をいう。
「回答内容」:「想定質問」に対応付けられた,対話型処理システムが返答する内容全てをいう。以下の「聞き返し質問」や「想定回答」を含む概念である。
「聞き返し質問」:一つの「ユーザ質問」に対して複数の「回答内容」が該当しうる場合に,当該「ユーザ質問」をさらに具体的な質問内容に絞り込ませるための質問をいう。
「想定回答」:「聞き返し質問」以外の返答であって,「ユーザ質問」に対する答えとして用意された回答である。
「コンテンツ」:「想定質問」と「回答内容」との組み合わせを含むレコードの単位をいい,「分類」及び「遷移先分類」をさらに含む場合がある。
「相関度」:第1の文字列と第2の文字列とがどの程度近似しているのかの相関関係の程度を示す指標であり,一方の文字列が正解であり,他方の文字列が試験される文字列である場合には「正解率」という表現も妥当する。近似や相関関係の程度は,例えば文字列に含まれているキーワードが一致するか,そのキーワードの重要度,テストされる文字列の信頼度などに基づき,種々の演算式に基づき計算される。」

(イ) 「【0020】
図2は,対話型処理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように,対話型処理システム1は,ユーザ端末装置10と,サーバ部20と,を備える。
【0021】
ユーザ端末装置10は,第一受付部22と,第一通信部24と,出力部26と,操作表示部28と,を備える。ユーザ端末装置10の上記各部は,例えば,メモリやハードディスク等の記憶領域に格納されているプログラムをプロセッサが実行することにより機能的に実現される。
【0022】
第一受付部22は,例えば音声を電気信号に変換するマイクロフォンを含む。これにより,第一受付部22は,ユーザが発話した質問を受付け,これを電気信号の音声情報としてのユーザ音声質問に変換する。そして,第一受付部22は,電気信号のユーザ音声質問の送信を第一通信部24に要求する。
【0023】
第一通信部24は,所定のネットワークを介して,各種情報を送受信する。例えば,第一通信部24は,第一受付部22の要求に応じて,電気信号のユーザ音声質問をサーバ部20に送信したり,サーバ部20からユーザ音声質問に対応する第二音声情報である回答内容を受信したりする。
【0024】
出力部26は,例えばスピーカを含む。これにより,出力部26は,第一通信部24が受信した電気信号である回答内容を音声に変換して出力する。
【0025】
操作表示部28は,例えば,ユーザによる各種設定操作を受付けたり,回答内容を表示したりする。」

(ウ) 「【0026】
サーバ部20は,図1で説明したように,サーバ管理装置12と,音声認識処理サーバ14と,言語処理サーバ18と,及び音声合成処理サーバ16と,を備える。ただし,サーバ部20は,上記複数のサーバを全て含む一台のサーバ装置で構成されてもよいし,上記複数のサーバのうち2以上を組み合わせて構成されてもよい。」
【0027】
サーバ管理装置12は,例えば,第二通信部30と,管理部32と,を備える。サーバ管理装置12の上記各部は,例えば,メモリやハードディスク等の記憶領域に格納されているプログラムをプロセッサが実行することにより機能的に実現される。
【0028】
第二通信部30は,所定のネットワークを介して,各種情報を送受信する。例えば,第二通信部30は,ユーザ端末装置10からユーザ音声質問を受信したり,受信したユーザ音声質問を音声認識処理サーバ14に送信したり,回答内容をユーザ端末装置10に送信したりする。」

(エ) 「【0041】
検索部46は,第二受付部44が受付けたユーザ文字列質問に基づき,コンテンツテーブル58内の複数のコンテンツ(複数の回答内容)の全部又は一部を検索して,ユーザ文字列質問に対応する,複数の回答内容のうち想定回答及び聞き返し質問の何れか一方を取得する。具体的には,検索部46は,コンテンツテーブル58を検索することによりユーザ質問文字列と各コンテンツとの相関関係を所定の計算式により算出して相互に比較して一つのコンテンツを特定する。一つのコンテンツを特定することができるのであれば,ユーザ文字列質問が応答するに足りる程度に具体的であることを意味しており,そのコンテンツに記録されている回答内容を取得する。また,検索部46は,コンテンツテーブル58を検索しても複数のコンテンツが該当する可能性があるため一つのコンテンツを特定できない場合では,ユーザ文字列質問が曖昧であることを示唆しているので,さらに検索して曖昧なユーザ質問を絞るための聞き返し質問が格納されているコンテンツを特定し,当該コンテンツに記録されている聞き返し質問を取得する。」

(オ) 「【0054】
例えば,図5に示すように,ユーザ端末装置10からユーザが「A携帯電話について教えて」という音声による質問(ユーザ音声質問)をしたとする。このユーザ音声質問を入力した音声認識サーバ14では音声認識処理を実行し,ユーザ音声質問を対応する文字列に変換したユーザ文字列質問を言語処理サーバ18に送信する。言語処理サーバ18では,検索部46により,当該質問に対応するコンテンツテーブル58(図3)のうち第一分類フィール58Bに「A携帯電話」と記録されている,ID番号1のコンテンツ59が特定され,特定されたコンテンツ59の本文フィールド58Fに記録されている聞き返し質問として回答内容,例えば「A携帯電話の何について知りたいですか?」という文字列が取得されて音声合成サーバ16に転送され,音声合成サーバ16が音声合成処理を行い,当該文字列に対応する音声としてユーザ端末装置10に出力される。
【0055】
・・・(中略)・・・
【0057】
これに応答して,例えば「ホームボタンが知りたい」という更なるユーザ音声質問が入力され,音声認識サーバ14からこれに対応するユーザ文字列質問が転送されてくると,検索部46は,コンテンツテーブル58において第二分類フィールド58Cに当該質問に対応する「操作」が分類されているコンテンツ59としてID番号3?4が特定され,これらの中でタイトル58Eに登録された文字列の相関関係が最も高いID番号3のコンテンツ59が特定され,その本文フィールド58Fに記録された回答内容である,「A携帯電話ホームボタンとは・・・」が取得されて出力される。
【0058】
このように分類と遷移先分類とを参照しながら,ユーザ質問と聞き返し質問とを繰り返して回答内容を絞り込んでいくことにより,少なくとも3回目には,ユーザの求める回答内容が返されるのである。」

上記(ア)ないし(オ)から,以下のことがいえる。
上記(イ)の【0020】より,「対話型処理システム」は,「ユーザ端末装置10」と「サーバ部20」とを備える。
上記(ア)及び(イ)の【0021】,【0023】より,「ユーザ端末装置10」の「第一通信部24」は,「ユーザ音声質問をサーバ部20に送信」するから,「ユーザ端末装置10からユーザ音声質問をサーバ部20に送信し」といえる。
上記(ウ),(エ)及び(オ)より,「サーバ部20」を構成する各サーバ管理装置12,音声認識処理サーバ14,言語処理サーバ18,音声合成処理サーバ16間で,「ユーザ音声質問」を処理して,前記「ユーザ音声質問」に対応する「想定回答」又は「聞き返し質問」を「ユーザ端末装置10」に送信するから,「前記サーバ部20は,前記ユーザ音声質問に対応する想定回答又は聞き返し質問を前記ユーザ端末装置10に送信し」といえる。
上記(イ)の【0021】,【0024】,【0025】より,「ユーザ端末装置10」は,「想定回答」又は「聞き返し質問」を「音声に変換して出力する」ものである。また,「ユーザ端末装置10」の「操作表示部28」は,「回答内容を表示したりする」ものである。よって,「前記ユーザ端末装置10は前記想定回答又は前記聞き返し質問を,音声出力し,操作表示部28に表示する」といえる。

したがって,引用例1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「ユーザ端末装置10からユーザ音声質問をサーバ部20に送信し,前記サーバ部20は,前記ユーザ音声質問に対応する想定回答又は聞き返し質問を前記ユーザ端末装置10に送信し,前記ユーザ端末装置10は前記想定回答又は前記聞き返し質問を,音声出力し,操作表示部28に表示する,対話型処理システム。」

[引用発明2,引用例2]
原査定の理由で引用された,本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-28566号公報(平成27年2月12日出願公開,以下,「引用例2」という。)には,次の事項が記載されている。

(カ) 「【0038】
ナビゲーション装置1は,車両に搭載されるものであって,一般的なナビゲーション装置と同様の経路案内を行う機能を有している他に,例えば,第1センター3や,携帯電話機2を介して第2センター4と通信を行う機能を有している。ナビゲーション装置1は,図1に示すように,トークスイッチ(以降,トークSW)11,マイクロフォン(以降,マイク)12,表示装置13,スピーカ14,メモリ15,第1通信部16,第2通信部17,および制御部18を備えている。」

(キ) 「【0058】
また,それぞれの応答システムが利用可能な状態となると,エージェント表示制御部18Fは,表示装置13に図6(A)に示すように,それぞれの応答システムに対応するエージェントA,Bを同時に表示させる。図6中のエージェントAは,第1センター3による応答システムに対応するエージェントの画像であり,エージェントBが第2センター4による応答システムに対応するエージェントの画像である。なお,エージェントとは,架空の人物や擬人化された動物などのキャラクターである。」

(ク) 「【0064】
ステップS113では,回答出力部18Dが,回答側センター設定部18Cによって回答側センターからの応答音声データをスピーカ14に音声出力させる。また,回答側センターの応答音声データをスピーカ14から音声出力させるとともに,図6の(B)や(C)に示すように回答側センターに対応するエージェントを相対的に大きく表示し,かつ,当該エージェントが話しているように画像を表示させる。ステップS113を実施すると,ステップS115に移る。
【0065】
なお,各センターから応答音声データとともに応答音声データの内容に対応するテキストデータも取得できる場合には,当該エージェントのそばに当該テキストを表示しても良い。当該エージェントが話しているように画像を表示させる視覚効果は適宜設計されれば良い。」

(ケ) 図6の「(A) 待機中の表示例(S103)」,「(B) 第1センター回答時の表示例」を参照すると,待機中は口を閉じ,回答時は口を開いているエージェントの画像が読み取れる。

すなわち,引用例2には,「エージェントを表示装置に表示するナビゲーション装置において,当該エージェントが話しているように表示するため,待機中と比較して,回答側センターの応答音声データをスピーカから出力させる際に,当該エージェントの口を開くように当該エージェントを表示すること。」(以下,「引用発明2」という。)が記載されていると認める。

[引用例3]
新たに引用する,本願出願前に頒布された刊行物である,竹林 洋一,他,音声自由対話システムTOSBURG II-マルチモーダル応答と音声応答キャンセルの利用-,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会,平成4年11月13日,92巻,89号,93頁?100頁(以下,「引用例3」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

(コ) 「2.2 音声自由対話システムの試作
不特定話者大語彙連続音声認識の研究成果を音声対話システムに適用する場合には,実世界の応用で重要なリアルタイム処理や耐雑音性が必要であり,発話の文型や形式に関する「制約のない自由発話」を理解することが望ましい[15][16]。自由発話(Spontaneous speech)を対象とするシステムでは,環境の雑音[17],不要語,言い直し,省略,ポーズ,対象外の単語などを含む多様な話し言葉に対処する必要があるが[18],このような現象を文法として完全に記述することは困難である。さらに,認識処理により生じる曖昧性や誤認識などに対しても,ユーザに不安感を与えずに,対話をスムーズに進行する必要があり,また,リアルタイム処理や音声以外のメディアの利用も必要である[12]。
上記の点を考慮し,筆者等は不特定のユーザに対して何ら制約を設けずに,通常の話し言葉で計算機と自然に対話できるシステムの構築を目指した。現状の技術レベルの制約下で自然な対話を実現するため,日常馴染みの深いハンバーガーショップでの注文をタスクとして選択した。この様なシステムの実現のためには,自由発話を対象とした音声理解の他に,対話用の音声合成,対話制御のための知識処理,視覚メディアの利用など,種々の知識やメディアの融合を試みた。」(95頁左欄1行?24行)

(サ) 「3.2マルチモーダル応答生成
システムとの対話を円滑に進めるためには,計算機の内部状態や対話の状況を把握しやすいようにユーザに提示する必要があり,システムからの応答としてマルチメディアをいかに利用するかが重要である。聴覚的メディアは情報を送るタイミングや対話進行のキーとなる一方,視覚的メディアは複数の情報をパラレルに送り多くの情報を一度に伝えることができるという特徴を持つ。
TOSBURGの応答生成部は,合成音声を用いた聴覚的メディアと,応答文テキスト,アニメーション,アイコンなどの視覚的メディアを用い,対話制御部から送られる応答意味表現からマルチモーダル応答を生成する。音声応答は,ターミナルアナログ型ホルマント合成器を用いた規則合成により生成する。応答意味表現により表現された応答内容に合った応答文の標準形を決め,状況に応じて省略表現を行い,生成された応答文に対して音韻処理などを行い合成音声を生成する(図4)。合成音声の韻律ば,藤崎モデル[20]を用いて与え,強調すべき情報がある場合は,対応する位置のイントネーションの変化を大きくする。応答文テキストは,音声応答と同じ応答文のテキストを視覚的に表示する。音声メディアには一過性という欠点があるが,応答文テキストはこの欠点を補うことができる。
注文品目とその個数および店員の姿を表わすアニメーションを提示し,単純明快でわかりやすい応答をユーザに出カする(図5参照)。また,店員の表情は過度にリアルにせずに設計した。注文品目とその個数を表わすグラフィックスは,システムの内部状態を視覚的に示す。店員の姿のアニメーションでは,音声応答にあわせて口を動かすことにより,動いている実感のある目標(attention getter)を具体的に示し,ユーザが自然に計算機ヘ音声入力できる雰囲気を作るとともに,店員というコミュニケーション対象を明示することにより,特に意識することなく自然な大きさの声で入力できる。さらに,店員の表情は,対話の状況に合わせて,微笑んだ顔,申し訳なさそうな顔などにかえ,システムからの応答の理解を助けている(図6参照)。」(96頁18行?97頁12行)


[引用例4]
新たに引用する,本願の出願前に頒布された刊行物である特開2010-79103号公報(平成22年4月8日出願公開,以下,「引用例4」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

(シ) 「【0040】
図4に示すように,訪問客が自動受付装置として機能する音声対話装置の前に立つと,音声対話装置は赤外線センサ5(図2)で客の来訪を検知する(ステップS101)。
来客があったことを検知した音声対話装置は,後に詳述する来客受付シナリオを参照して,所定の発話音声(セリフ)と入力項目のリストを取得する(ステップS102)。
【0041】
次いで,タッチパネルディスプレイ2上に,入力項目に対応する区画領域を表示し(ステップS103),音声ガイダンスを発話する(ステップS104)。
【0042】
例えば,図6に示すように,タッチパネルディスプレイ2上には,受付嬢をイメージしたキャラクタ画像と,訪問客が音声入力すべき客自身の「会社名入力区画」領域や「名前入力区画」領域が,円形で表示された領域内にそれぞれ「会社」,「名前(苗字)」と文字書された態様で表示される。また,スピーカ4からは,あたかも受付嬢が発話しているように,「いらっしゃいませ。先ずお名前と所属を教えてください。」などと音声ガイダンスを出力する。」


[引用例5]
原査定の理由で引用された,本願の出願前に頒布された刊行物である特開2010-153956号公報(平成22年7月8日出願公開,以下,「引用例5」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

(ス) 「【0028】
(A)システムの基本構成
図1は,本実施形態の来訪者受付システム1の全体構成の概略構成を表すシステム構成図である。図1において,来訪者受付システム1は,例えば,ビルや会社その他の建造物への来訪者に対する受付業務を行うシステムである。この例では会社へ設置されている場合を例にとって説明する。
【0029】
来訪者受付システム1は,例えば会社の入口付近に設置された受付端末20(来訪者受付装置)と,周知のパーソナルコンピュータにより構成されるDBサーバ10と,会社の従業員それぞれに対応して設けられた複数のIP電話機60と,それら複数のIP電話機60の回線交換を行う周知の交換装置であるIP-PBX(Intenet Protocol Private Branch eXchange)50とを有し,これらはすべてルータ40を介して接続されている。
【0030】
受付端末20は,端末本体20Aと,この端末本体20Aに接続された,タッチパネル210,マイク207,及びスピーカ208とを有している。
【0031】
スピーカ208は,端末本体20Aから入力された音声信号を音声に変換して出力し,来訪者に対し報知を行う報知手段(この例では聴覚的報知手段)として機能する。マイク207は音声入力手段として機能し,来訪者により入力された音声を音声情報に変換し,端末本体20Aへ出力する。
【0032】
・・・(中略)・・・
【0034】
図3は,タッチパネル210における表示画面の一例を表す図である。この画面においては,後述の描画プログラムによって生成された,受付業務を行う仮想人物M(以下適宜,仮想受付者Mという)がオフィス風の背景Gとともに表示される。また,スピーカ208から発話される音声に対応する文章L(図中では「***」で略記している)が併せて表示される。」


引用例3ないし5によれば,「音声対話システムおいて,現実の事業者を模造した人物を表示すること。」は周知の事項(以下,「周知の事項」という。)である。

ウ 対比・判断
(ア) 補正後の発明と引用発明とを対比すると,引用発明は「ユーザ端末装置10からユーザ音声質問をサーバ部20に送信」するから,引用発明の「ユーザ端末装置10」は,補正後の発明の「通信端末」に相当し,引用発明の「ユーザ音声質問」は,補正後の発明の「ユーザの音声情報」に含まれる。
(イ) 引用発明の「想定回答」はユーザ音声質問に対する答えであるから,補正後の発明の「回答メッセージ」に含まれる。引用発明の「聞き返し質問」は,引用例1の【0041】を参照すれば,複数のコンテンツが該当する可能性があるため一つのコンテンツを特定できない場合の回答内容であるから,補正後の発明の「回答メッセージを特定できない場合の問合せメッセージ」に相当する。
(ウ) 引用発明の「想定回答又は聞き返し質問をユーザ端末装置10に送信する」は,補正後の発明の「回答メッセージ,あるいは前記回答メッセージを特定できない場合には問合せメッセージを前記通信端末に送信し」に含まれる。
(エ) 補正後の発明の「現実の事業者のオペレータを模造した仮想オペレータを表示するように構成された前記通信端末において」と引用発明の「前記ユーザ端末装置10は前記想定回答又は前記聞き返し質問を」「操作表示部28に表示する」とは,「所定の事象を表示するように構成された通信端末において」で共通する。
(オ) 引用発明の「前記ユーザ端末装置10は前記想定回答又は前記聞き返し質問を,音声出力し」は,補正後の発明の「通信端末において前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生する」に相当する。
(カ) 引用発明の「対話型処理システム」は,ユーザの質問に対し回答(情報)を提供するものであるから,補正後の発明の「情報提供システム」に含まれる。

以上の対比から,補正後の発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。
(一致点)
「通信端末から送信されたユーザの音声情報に対する回答メッセージ,あるいは前記回答メッセージを特定できない場合には問合せメッセージを前記通信端末に送信し,
所定の事象を表示するように構成された前記通信端末において前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生する情報提供システム。」

(相違点)
一致点の「所定の事象」について,補正後の発明は「現実の事業者のオペレータを模造した仮想オペレータ」を表示するのに対し,引用発明は仮想オペレータを表示しない点。
それに伴い,補正後の発明は「前記通信端末において前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生する際,前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生しない時と比較し,前記仮想オペレータの一部が大きな動作を行うように前記仮想オペレータを表示する」のに対し,引用発明はそのような特定がない点。

以下,相違点について検討する。
まず,補正後の発明の「仮想オペレータの一部が大きな動作を行う」に関し,当初明細書の【0071】に,
「 また,上述した種々のメッセージを音声出力部112で再生する際,仮想オペレータが実際に喋っているように見せるため,仮想オペレータの口や目を動かすようにしてもよい。あるいは手を動かすなど,説明を行うジェスチャーをするようにしてもよい。すなわち,メッセージが再生されていない時と比較し,仮想オペレータの一部がより大きな動作を行うようにプログラムを構成してもよい。」
と記載されているから,上記「仮想オペレータの一部が大きな動作を行う」とは,仮想オペレータが実際に喋っているように見せるために,仮想オペレータの口や目を動かす,あるいは手などを動かす動作を含み得ると解釈される。
次に,引用発明2は「エージェントを表示装置に表示するナビゲーション装置において,当該エージェントが話しているように表示するため,待機中と比較して,回答側センターの応答音声データをスピーカから出力させる際に,当該エージェントの口を開くように当該エージェントを表示すること。」(再掲)である。
ここで,引用発明2の「当該エージェントの口を開く」は,上記解釈に照らして,補正後の発明の「仮想オペレータの一部が大きな動作を行う」に含まれることは明らかである。
そして,引用発明と引用発明2は,音声自動応答システムの技術分野に属する点で共通し,また,メディアコミュニケーションの円滑化を図ることは,周知の課題であって,当該課題の解決手段としてアバタを表示して動かすことは,従来より知られている(例えば,特開2010-250761号公報【0002】?【0005】参照。)から,引用発明に周知の課題を解決するための手段として引用発明2を適用して,ユーザ端末装置10の操作表示部28でエージェントを表示するように構成し,当該エージェントが話しているように表示するため,待機中と比較して当該ユーザ端末装置10において想定回答又は聞き返し質問を音声出力する際に,当該エージェントの口を開くように当該エージェントを表示することは,当業者が容易に想到し得たものである。その際,引用例2の【0058】には,「エージェント」が「人物」であっても良いことが示唆され,また,「音声対話システムにおいて,現実の事業者を模造した人物を表示すること。」が,周知の事項であることを考慮すると,「エージェント」を「現実の事業者のオペレータを模造した仮想オペレータ」とすることは,当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎない。
また,補正後の発明による効果も,引用発明並びに引用発明2及び周知の事項から予測できる範囲内のものである。

なお,請求人は,審判請求書において「引用文献2には,外部から受信した音声データを出力している間は,表示装置に複数個同時に表示される仮想オペレータの画像うちの一つが,他の画像に対して相対的に大きく表示されるとともに,あたかも話しているように表示を行うことが記載されているとしても,それは「ユーザの音声入力に対応する応答を行う応答システムを複数利用可能な場合に,応答を行わせる応答システムをユーザが選択する手間を省くことを可能にする応答制御システム」等を提供することを課題とするものであり,引用文献1に記載の発明が目的とする「ユーザの質問に対して適切な回答内容をユーザに返すことができるコンテンツテーブル作成プログラム及び装置を提供する」こととは異別のものです。したがって,引用文献1に記載の発明に引用文献2に記載の技術思想を適用することはできないものと思料いたします。」と主張する。
そこで,上記主張について検討する。たしかに,引用文献2(当審における引用例2に対応する。)は,応答を行わせる応答システムをユーザが選択する手間を省くことを主な課題とするものであるが,引用例2【0059】に「ある応答システムに応じたエージェントを表示する技術としては、例えば特開2006-195578に開示されている技術を適用すれば良い。」と記載されているとおり,エージェントを表示する技術は,従来より知られているものであり,そのエージェントを表示する技術の観点に基づいて,引用例2から引用発明2を抽出したに過ぎず,また,引用例2の応答システムをユーザが選択する手間を省く課題と,引用例2に開示されるエージェントを表示する技術とを切り離してはならない合理的な理由も特段見当たらない。
よって,引用例2より引用発明2を認定することに誤りはなく,引用発明に引用発明2を適用する理由については上述したとおりである。
したがって,請求人の主張は採用できない。

したがって,補正後の発明は,引用発明並びに引用発明2及び周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 結語
以上のとおり,本件補正は,特許法第17条の2第3項及び同法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年7月25日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,同年5月12日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「 通信端末から送信されたユーザの音声情報に対する回答メッセージ,あるいは前記回答メッセージを特定できない場合には問合せメッセージを前記通信端末に送信し,
仮想オペレータを表示するように構成された前記通信端末において前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生する際,前記回答メッセージ,前記問合せメッセージを再生しない時と比較し,前記仮想オペレータの一部が大きな動作を行うように前記仮想オペレータを表示する情報提供システム。」(再掲)

2 引用発明等
引用発明,引用発明2は,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(3)独立特許要件について」の項中の「イ 引用発明等」の項で認定したとおりである。

3 対比・判断
そこで,本願発明と引用発明とを対比するに,本願発明は補正後の発明から「仮想オペレータ」に係る「現実の事業者のオペレータを模造した」との限定を省いたものである。
そうすると,本願発明の構成に含まれる「仮想オペレータ」を「現実の事業者のオペレータを模造した仮想オペレータ」に限定した補正後の発明が,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(3)独立特許要件について」の項中の「ウ 対比・判断」の項で検討したとおり,引用発明並びに引用発明2及び周知の事項に基づいて容易に想到し得たものであるから,本願発明も同様の理由により,容易に想到し得たものである。

4 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明並びに引用発明2及び周知の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-09-21 
結審通知日 2017-09-26 
審決日 2017-10-13 
出願番号 特願2016-33952(P2016-33952)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (H04M)
P 1 8・ 575- Z (H04M)
P 1 8・ 121- Z (H04M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 白川 瑞樹高野 洋  
特許庁審判長 吉田 隆之
特許庁審判官 大塚 良平
金田 孝之
発明の名称 情報提供方法、情報提供プログラム、および情報提供システム  
代理人 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ  

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