• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  D21C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  D21C
管理番号 1342960
異議申立番号 異議2017-700742  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-28 
確定日 2018-06-21 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6075976号発明「溶解クラフトパルプの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6075976号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 特許第6075976号の請求項1?3に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6075976号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?3に係る特許についての出願は、平成24年6月15日に特許出願され、平成29年1月20日にその特許権の設定登録がされた。
その後、請求項1?3に係る特許について、特許異議申立人実川栄一郎(以下、「申立人」という。)により、平成29年7月28日に、特許異議の申立てがされ、平成29年11月27日付けで取消理由が通知され、平成30年1月29日付けで意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、平成30年2月13日付けで申立人に対し本件訂正請求があった旨の通知がされ、申立人から平成30年3月15日付けで意見書が提出されたものである。

2.本件訂正請求についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。(訂正箇所を下線で示す。)
ア.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「(a)カラマツ属(Larix)および/またはマツ属(Pinus)の針葉樹チップを含む木材チップ」とあるのを、
「(a)カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップ」に訂正する。
イ.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、
「(b)処理後の木材チップを洗浄し」とあるのを、
「(b)処理後の木材チップを水で洗浄し」に訂正する。
ウ.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項2に、
「溶解クラフトパルプのセルロース含有量が90%以上である、請求項1に記載の方法」とあるのを、
「前加水分解処理を35分間以上行い、溶解クラフトパルプのセルロース含有量が90%以上である、請求項1に記載の方法」に訂正する。

(2)訂正の適否
ア.一群の請求項
訂正前の請求項1及び請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2及び3は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、訂正事項1?3による訂正は当該一群の請求項1?3に対し請求されたものである。
イ.訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「針葉樹チップを含む木材チップ」について、訂正前の「針葉樹チップ」が「カラマツ属(Larix)および/またはマツ属(Pinus)」であったところ、「カラマツ属(Larix)」に限定して特定するものである。
ゆえに、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ.訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項1の「処理後の木材チップを洗浄」について、訂正前の「洗浄」が何を用いて洗浄するのかを特定していなかったところ、本件特許明細書の段落【0023】の「次いで、前加水分解処理後の木材チップは、前加水分解液を除去し、チップを十分に水で洗浄して回収する。」との記載に基づき、「水で洗浄」することに限定して特定するものである。
ゆえに、訂正事項2による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
エ.訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項2の「溶解クラフトパルプのセルロース含有量が90%以上である、請求項1に記載の方法」について、訂正前の請求項2では「前加水分解処理」に関する発明特定事項が「Pファクター=∫exp(40.48-15106/T)dt[式中、Tは、木材チップに水を添加した時点から前加水分解の終了時点までの絶対温度である]で表される前加水分解のPファクターが350?800となるように温度150?180℃で30?400分間、耐圧性容器において木材チップ1kgあたりの水の液比を1.5?5.0L/kgとして前加水分解処理し」であり、「前加水分解処理」の時間の下限値が「30」分間であったところ、本件特許明細書の段落【0019】の「前加水分解処理は、150?180℃の温度範囲で行うことが好ましい。・・・処理時間は特に制限されないが、30?400分が好ましく、35?250分がより好ましく、40?150分がさらに好ましい。」との記載に基づき、「前加水分解処理を35分間以上行」うことに限定して特定するものである。
ゆえに、訂正事項3による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
上記2.のとおり訂正が認められるから、本件特許の請求項1?3に係る発明(以下「本件発明1?3」という。)は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
【請求項1】
(a)カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップに水を添加し、下式:
Pファクター=∫exp(40.48-15106/T)dt
[式中、Tは、木材チップに水を添加した時点から前加水分解の終了時点までの絶対温度である]
で表される前加水分解のPファクターが350?800となるように温度150?180℃で30?400分間、耐圧性容器において木材チップ1kgあたりの水の液比を1.5?5.0L/kgとして前加水分解処理し、木材チップに含まれるヘミセルロース分の分解または溶出を行う前加水分解工程と、
(b)処理後の木材チップを水で洗浄し、木材チップを回収する工程と、
(c)回収した木材チップを、150?220℃にて60?240分間、耐圧性容器において木材チップ1kgあたりのクラフト蒸解液の液比を1.0?4.5L/kgとしてクラフト蒸解する工程と、
を含む、カッパー価が10?20である溶解クラフトパルプを針葉樹材から製造する方法。
【請求項2】
前加水分解処理を35分間以上行い、溶解クラフトパルプのセルロース含有量が90%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クラフト蒸解した溶解クラフトパルプを漂白する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。

(2)取消理由の概要
当審において通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。
なお、上記取消理由通知において申立人の特許異議申立理由は全て採用した。

《理由1》
本件発明1及び3は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
《理由2》
本件発明1?3は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


《刊行物》
1.米国特許第3532597号明細書
2.特開2009-52187号公報
3.


4.中国特許出願公開第102493257号明細書
5.亜硫酸パルプ・溶解パルプ,紙パルプ技術協会,昭和41年11月15日,p.338-341,364-375
6.Herbert Sixta,Handbook of Pulp,WILEY-VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,2006年,p.343-345

刊行物1?5は、特許異議申立書に添付された甲第1号証?甲第5号証であり、刊行物6は、同書に添付された参考文献1である。
刊行物1に記載された発明を、刊行物1発明といい、刊行物1?6に記載された事項を、各々、刊行物1記載事項?刊行物6記載事項という。

ア.理由1について
刊行物6記載事項を参酌すると、本件発明1は刊行物1発明である。

イ.理由2について
本件発明1?3は、刊行物1発明、刊行物1記載事項?刊行物6記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)判断
ア.刊行物1発明
刊行物1には以下の記載がある。
(ア)「PREPARATION OF DISSOLVING PULPS FROM WOOD BY HYDROLYSIS AND ALKALINE SULFITE DIGESTION」(第1欄第2?4行)(当審訳:加水分解及びアルカリ亜硫酸塩蒸解による、木材からの溶解パルプの調整)
(イ)「Conventionally,such chemical or dissolving pulps are produced from wood by sulfate cooking or digesting techniques, usually preceded by prehydrolysis step in which the wood chips are heated under pressure with water or dilute mineral acids in a manner which may remove part of the hemicellulose materials but which is substantially ineffectual for lignin removal, prior to a conventional sulfate cook for dissolving lignin and the major portion of the remaining hemicellulose materials as in the manufacture of wood pulp for paper making.」(第1欄第65行?第2欄3行)(当審訳:従来技術では、そのような化学パルプ若しくは溶解パルプは、製紙用木材パルプの製造の場合のように、リグニン及び残留ヘミセルロース材料の大部分を分解するための従来の硫酸塩を用いたクッキングに先立って行われる硫酸塩を用いた表面クッキング又は蒸解技法によって木材から製造され、通常、それに先立ち前加水分解工程が行われ、そこでは、ヘミセルロース材料の一部が除去されるが、リグニン除去については非効率的である方法で、木材チップを水又は希釈した鉱酸溶液中、加圧下で加熱する。)
(ウ)「The prehydrolysis step in accordance herewith is carried out at a temprature of about 150-180℃ utilizing only water(which may be in the form of steam, asan alternative to actually soaking the wood chips in hot water.)」(第3欄第65?69行)(当審訳:本発明の加水分解工程は、水のみを用いて(水蒸気の形で、木材チップを実際に熱湯に浸漬させる形の代案として)、約150?180℃の温度で実施される。)
(エ)「The digestion is generally carried out at temperature of 165-180℃ a preferable range being 170-175℃.」(第4欄第43?44行)(当審訳:蒸解は通常、165?180℃、好ましくは170?175℃の温度で実施する。)
(オ)「They will be generally within the range of 4-100minutes for the prehydrolysis and 40-180 minutes for the digestion.」(第4欄第52?54行)(当審訳:前記時間は通常、前加水分解では4?100分間、蒸解では40?180分間の範囲である。)
(カ)「That is, in the various specific examples to which reference is made below, in most cases the wood involved is pine (pinus silvestris), and prehydrolysis of such wood materials to produce satisfactory results in accordance herewith may embody, as will be well understood, differing conditions from the prehydrolysis of other cellulose-base materials to which this invention is satisfactorily applicable, and may even lead to additional variations of the applicable processing or operational conditions depending upon the choice of the operator, etc., yet all without inventive experimentation to achieve results in accordance herewith which produce a satisfactorily enhanced dissolving pulp product. Similarly, wheteher the prehydrolyzed wood chips are merely separated from the prehydrolysis liquor by draining or washed or whether they are subjected to the prehydrolysis treatment by steaming instead of immersing in heated water appears not to be of significant importance in connection herewith, with such varying operational techniques well within the disclosure hereof and more or less equivalent in achieving the enhanced results of this invention.」(第5欄第8?29行)(当審訳:すなわち、以下において様々な具体例を参照するが、殆どの場合、使用する木材は松材(pinus silvestris)であり、本発明における好適な結果を生じさせる当該木材の前加水分解は、以下に詳細に説明するように、本発明が好適に適用できる他のセルロース系木材の前加水分解とは異なる条件を用いる場合もあり、操作者等の選択により、適用できる処理又は操作条件が更に変更される場合もあるが、好適に強化された溶解パルプ製品を製造する本発明に係る試験を行わない。同様に、前加水分解された木材チップが、前加水分解液から単に排出されたか若しくは洗浄されたものであっても、又は、それらが熱水浸漬の代わりに蒸気噴射によって前加水分解処理されたものであっても、本発明においては、それほど重要性はないと考えられ、そのような様々な操作技術上の変更は本発明の開示範囲内であり、本発明の有利な結果を達成するのに多少の差はあれ同等の役割を果たす。)
(キ)「Several batches of pine wood chips were heated with water in a 10-litre autoclave at a wood-to-liquor ratio of 1:4 under different conditions to produce three batches of differently prehydrolyzed chips.」(第8欄第14?17行)(当審訳:松材チップの幾つかのバッチを、異なる条件下で、1:4の木材:液比率で、10L容量のオートクレープ中で、水を用いて加熱し、チップの前加水分解の程度の異なる3つのバッチを得た。)
(ク)

(第8欄 TABLE II)
(当審訳)

(ケ)「Some of each of the three batches of prehydrolyzed chips were digested according to a conventional sulfate method of cooking or digestion, as noted above, at a wood-to-liquor ratio of 1:4. Ineach instance, the digestion temperature was raised from 80℃ to 170℃ in about 215 minutes, and was maintained at this higher temperatue for about 100 minutes.」(第8欄第43?49行)(当審訳:前加水分解されたチップの3つのバッチのそれぞれの一部を、1:4の木材:液比率で、上記のように、従来の硫酸塩法に基づくクッキング又は蒸解により蒸解させた。各場合において、蒸解温度を約215分間を要して80℃から170℃まで上昇させ、約100分間この高温を維持した。)
(コ)

(第8欄 TABLE III)
(当審訳)

(サ)

(第8欄 TABLE V)
(当審訳)


これらの記載事項を踏まえると、刊行物1には、以下の刊行物1発明が記載されている。
《刊行物1発明》
松材チップを、1:4の木材:液比率で、10L容量のオートクレープ中で、水を用いて、126分かけて20℃から170℃へ温度を上昇させ、最高温度である170℃の状態を32分維持する(表2のバッチC)ように加熱して、チップの前加水分解を行った後、洗浄し、1:4の木材:液比率で、従来の硫酸塩法に基づき、蒸解温度を約215分間を要して80℃から170℃まで上昇させ、約100分間この高温を維持することで蒸解し、カッパー価が11(表3の操作1c)である溶解パルプを製造する方法。

イ.本件発明1と刊行物1発明との対比
本件発明1と刊行物1発明を対比すると、刊行物1発明の「オートクレープ」、「蒸解」は、本件発明1の「耐圧性容器」、「クラフト蒸解」に、それぞれ相当し、両者は、少なくとも、以下の点で相違する。
《相違点》
本件発明1は、「カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップ」を用いて、クラフト蒸解する工程を「耐圧性容器において」行うのに対し、刊行物1発明は「松材チップ」を用いており、クラフト蒸解する工程を、「耐圧性容器において」行うか否かが不明である点。

ウ.相違点の検討
「カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップ」を用いて溶解クラフトパルプを製造する際に、クラフト蒸解する工程を「耐圧性容器において」行うことは、刊行物1?6には、記載されていないし、これを示唆する記載もない。
そして、本件発明1は、前記相違点に係る事項を発明特定事項とすることにより、本件特許明細書の段落【0011】?【0013】に記載された「特に、針葉樹の中でもカラマツなどは、アラビノガラクタンを多く含むため、蒸解効率が低下しやすく、高品質の溶解パルプを製造する技術が求められている。」ところ、「針葉樹材を原料として、高品質の溶解パルプをクラフト蒸解法により製造する技術を提供する」という課題を解決し、段落【0015】に記載された「針葉樹材を原料として、クラフト蒸解法により溶解パルプを効率よく製造することができる。」という効果が得られるものである。
したがって、本件発明1は刊行物1発明であるとはいえない。
また、本件発明1は、刊行物1発明、刊行物1記載事項?刊行物6記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。

なお、申立人は、刊行物2及び平成30年3月15日付け意見書に添付された参考資料3(特開2004-169203号公報)に、クラフト蒸解を耐圧容器において行う技術が記載されており、同技術は周知慣用技術である旨を主張している。(特許異議申立書の第16頁第13?22行及び前記意見書の第3頁第5?23行)
しかし、刊行物2には、第2反応槽12を加圧されたガス相連続蒸解缶とし得ることが記載されているものの、「カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップ」を用いることは記載されていないし、前記参考文献3には、2.4L容回転型オートクレープを用いてクラフト蒸解を行ったことが記載されているものの、木材チップはユーカリであり、「カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップ」を用いることは記載されておらず、さらに、「カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップ」を用いて溶解クラフトパルプを製造する際に、クラフト蒸解する工程を「耐圧性容器において」行うことは、前記意見書に添付された参考文献1及び2にも記載されていないから、上記主張は採用できない。

エ.まとめ
上記のとおり、本件発明1は、刊行物1発明であるとはいえず、また、刊行物1発明、刊行物1記載事項?刊行物6記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
そして、本件発明1の発明特定事項の全てを含み、さらに、技術的な限定を加える事項を発明特定事項としている、本件発明2及び3は、上記と同様の理由により、刊行物1発明、刊行物1記載事項?刊行物6記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、取消理由通知に記載した取消理由の理由1及び2には、理由がない。

(4)小括
以上のとおり、本件発明1は、特許法第29条第1項3号に該当せず、また、本件発明1?3は、同法第29条第2項の規定に違反して特許されたものではないから、同法第113条第2号の規定に該当することを理由に取り消されるべきものとすることはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件発明1?3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)カラマツ属(Larix)の針葉樹チップを含む木材チップに水を添加し、下式:
Pファクター=∫exp(40.48-15106/T)dt
[式中、Tは、木材チップに水を添加した時点から前加水分解の終了時点までの絶対温度である]
で表される前加水分解のPファクターが350?800となるように温度150?180℃で30?400分間、耐圧性容器において木材チップ1kgあたりの水の液比を1.5?5.0L/kgとして前加水分解処理し、木材チップに含まれるヘミセルロース分の分解または溶出を行う前加水分解工程と、
(b)処理後の木材チップを水で洗浄し、木材チップを回収する工程と、
(c)回収した木材チップを、150?220℃にて60?240分間、耐圧性容器において木材チップ1kgあたりのクラフト蒸解液の液比を1.0?4.5L/kgとしてクラフト蒸解する工程と、
を含む、カッパー価が10?20である溶解クラフトパルプを針葉樹材から製造する方法。
【請求項2】
前加水分解処理を35分間以上行い、溶解クラフトパルプのセルロース含有量が90%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クラフト蒸解した溶解クラフトパルプを漂白する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-06-12 
出願番号 特願2012-136211(P2012-136211)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (D21C)
P 1 651・ 121- YAA (D21C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 阿川 寛樹  
特許庁審判長 井上 茂夫
特許庁審判官 西藤 直人
渡邊 豊英
登録日 2017-01-20 
登録番号 特許第6075976号(P6075976)
権利者 日本製紙株式会社
発明の名称 溶解クラフトパルプの製造方法  
代理人 小笠原 有紀  
代理人 中村 充利  
代理人 新井 規之  
代理人 中村 充利  
代理人 小笠原 有紀  
代理人 小野 新次郎  
代理人 新井 規之  
代理人 小野 新次郎  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ