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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A23L 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A23L |
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管理番号 | 1342965 |
異議申立番号 | 異議2017-700668 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-07-07 |
確定日 | 2018-06-18 |
分離された異議申立 | 有 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6059407号発明「酸性飲料」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6059407号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?6〕について訂正することを認める。 特許第6059407号の請求項1、3、5に係る特許を維持する。 特許第6059407号の請求項2、4、6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6059407号の請求項1?6に係る特許についての出願は、2015年11月20日を国際出願日とする出願であって、平成28年12月16日に特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年7月11日に特許異議申立人藤本博基より特許異議の申立てがされ、平成29年9月11日付けで取消理由が通知され、平成29年11月13日に意見書の提出及び訂正の請求がされ、当該訂正の請求に対して平成29年12月6日に特許異議申立人から意見書の提出がされたものである。そして、平成30年1月22日に取消理由(決定の予告)が通知され、平成30年3月23日に意見書の提出及び訂正の請求がされ、当該訂正の請求に対して平成30年4月24日に特許異議申立人から意見書の提出がされたものである。 第2 訂正の請求についての判断 1 訂正の内容 平成30年3月23日の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6059407号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?6について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。 なお、平成29年11月13日の訂正請求書は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の請求項1に「(A)ルチン 0.00001?0.002質量%」とあるのを、「(A)ルチン 0.00045?0.0009質量%」に訂正する。 (訂正事項2) 特許請求の範囲の請求項1に「(B)塩化物イオン 0.0005?0.4質量%」とあるのを、「(B)塩化物イオン 0.0048?0.238質量%」に訂正する。 (訂正事項3) 特許請求の範囲の請求項1に「(C)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で1?9質量%」とあるのを、「(C)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で3?8質量%」に訂正する。 (訂正事項4) 特許請求の範囲の請求項1の「成分(C)として成分(C1)高甘味度甘味料を含み、」の記載と「成分(B)と成分(C1)との質量比[(C1)/(B)]が0.001?5であり、」の記載との間に、「(C1)高甘味度甘味料がスクラロースであり、」の記載を追加する。 (訂正事項5) 特許請求の範囲の請求項1に「質量比[(C1)/(B)]が0.001?5」とあるのを、「質量比[(C1)/(B)]が0.1?2.7」に訂正する。 (訂正事項6) 特許請求の範囲の請求項1に「成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が1?1000」とあるのを、「成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が10.7?264.4」に訂正する。 (訂正事項7) 特許請求の範囲の請求項1に「酸性飲料」とあるのを、「非アルコール酸性飲料」に訂正する。 (訂正事項8) 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (訂正事項9) 特許請求の範囲の請求項3に「成分(C1)としてスクラロース、アセスルファムカリウム及びステビアから選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1又は2記載の酸性飲料。」とあるのを、「成分(C)の含有量がショ糖甘味換算濃度で8質量%である、請求項1記載の酸性飲料。」に訂正する。 (訂正事項10) 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (訂正事項11) 特許請求の範囲の請求項5に「質量比[(B)/(A)]が4?400である、請求項1?4にいずれか1項記載の酸性飲料。」とあるのを、「容器詰酸性飲料である、請求項3記載の酸性飲料。」に訂正する。 (訂正事項12) 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 2 訂正の適否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 上記訂正事項1は、ルチンの含有量について、訂正前の「0.00001?0.002質量%」から、訂正後の「0.00045?0.0009質量%」へと、その範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項1は、本件特許明細書の実施例17?21にルチン含有量が「0.00045質量%」のものが、実施例2?7には、ルチン含有量が「0.0009質量%」のものが記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 上記訂正事項2は、塩化物イオンの含有量について、訂正前の「0.0005?0.4質量%」から、訂正後の「0.0048?0.238質量%」へと、その範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項2は、本件特許明細書の実施例17に塩化物イオン含有量が「0.0048質量%」であるものが、実施例5には、塩化物イオン含有量が「0.238質量%」であるものが記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 上記訂正事項3は、甘味料の含有量について、訂正前のショ糖甘味換算濃度で「1?9質量%」から、訂正後の「3?8質量%」へと、その範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項3は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項3は、本件特許明細書の【0019】に「本発明の酸性飲料中の成分(C)のショ糖甘味換算濃度による含有量は1?9質量%であるが、喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善する観点から、・・・、3質量%以上がより好ましく、そして、・・・、8質量%以下がより好ましい。かかるショ糖甘味換算濃度の範囲としては、本発明の酸性飲料中に、・・・、より好ましくは3?8質量%である。」と記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的 上記訂正事項4は、訂正前の「(C1)高甘味度甘味料」を、具体的に「スクラロース」に限定するものであるから、 特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項4は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項4は、訂正前の請求項3に「成分(C1)としてスクラロース、・・・から選択される1種又は2種以上を含有する」、段落【0013】に「また、高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、・・・等が挙げられる。・・・。高甘味度甘味料としては、スクラロース、・・・から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、更にスクラロース、・・・から選ばれる1種又は2種以上が喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善する観点から好ましく、殊更に好ましくはスクラロース・・・から選択される少なくとも1種である。」と記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 上記訂正事項5は、成分(B)と成分(C1)との質量比[(C1)/(B)]について、訂正前の「0.001?5」から、訂正後の「0.1?2.7」へと、その範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項5は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項5は、本件特許明細書の実施例4,5に質量比[(C1)/(B)]が「0.1」であるものが、実施例17に質量比[(C1)/(B)]が2.7のものが記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的 上記訂正事項6は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]について、訂正前の「1?1000」から、訂正後の「10.7?264.4」へと、その範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項6は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項6は、本件特許明細書の実施例17に質量比[(B)/(A)]が「10.7」であるものが、実施例5に質量比[(B)/(A)]が「264.4」であるものが記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的 上記訂正事項7は、訂正前の「酸性飲料」を、「非アルコール酸性飲料」に限定するものであるから、 特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項7は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項7は、本件特許明細書の段落【0035】に「本発明の酸性飲料は、非アルコール飲料でも、アルコール飲料でもよいが、喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善する観点から、非アルコール飲料が好ましい。非アルコール飲料とは、エタノールが1質量%未満の飲料を意味し、例えば、炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、茶飲料、ビアテイスト飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等を挙げることができる。」と記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的 上記訂正事項8は、請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項8は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項8は、上記のとおり請求項2を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (9)訂正事項9について ア 訂正の目的 上記訂正事項9は、上記訂正事項4に伴い訂正前の請求項3の「成分(C1)としてスクラロース、アセスルファムカリウム及びステビアから選択される1種又は2種以上を含有する」との記載を削除するとともに、酸性飲料の成分(C)の含有量について、「ショ糖甘味換算濃度で8質量%」に限定し、上記訂正事項8の請求項2の削除に伴い、請求項2を引用するものを削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項9は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項9は、本件特許明細書の実施例2?7、17?21に、成分(C)の含有量がショ糖甘味換算濃度で「8質量%」のものが記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (10)訂正事項10について ア 訂正の目的 上記訂正事項10は、請求項4を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項10は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項10は、上記のとおり請求項4を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (11)訂正事項11について ア 訂正の目的 上記訂正事項11は、上記訂正事項6に伴い訂正前の請求項5の「質量比[(B)/(A)]が4?400である」との記載を削除するとともに、請求項5の引用する請求項について、訂正前の「請求項1?4にいずれか1項記載の酸性飲料」から「請求項3記載の酸性飲料」へと、引用する請求項を減らし、酸性飲料が「容器詰酸性飲料」であることを限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項11は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項11は、本件特許明細書の段落【0037】に「本発明の酸性飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、瓶等の通常の包装容器に充填し容器詰酸性飲料として提供することができる。」と記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (12)訂正事項12について ア 訂正の目的 上記訂正事項12は、請求項6を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項12は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項12は、上記のとおり請求項6を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (13)一群の請求項に対する訂正であること 訂正前の請求項1?6は、請求項2?6が、訂正請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。 したがって、本件訂正は、一群の請求項ごとにされたものである。 (14)小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、同条第4項の規定に適合し、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?6〕についての訂正を認める。 第3 本件特許発明 上記のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1?6に係る発明(以下「本件発明1?6」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?6に記載された以下の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C); (A)ルチン 0.00045?0.0009質量% (B)塩化物イオン 0.0048?0.238質量%、及び (C)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で3?8質量% を含有し、 成分(C)として成分(C1)高甘味度甘味料を含み、 (C1)高甘味度甘味料がスクラロースであり、 成分(B)と成分(C1)との質量比[(C1)/(B)]が0.1?2.7であり、 成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が10.7?264.4であり、かつ pHが2?5.4である、 非アルコール酸性飲料。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 成分(C)の含有量がショ糖甘味換算濃度で8質量%である、請求項1記載の酸性飲料。 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 容器詰酸性飲料である、請求項3記載の酸性飲料。 【請求項6】 (削除) 第4 特許異議の申立てについての判断 1 取消理由通知に記載した取消理由について (1)取消理由の概要 訂正前の請求項1?6に係る特許に対して、平成29年9月11日付けで通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。 ア 特許法第36条第6項1号について 請求項1?6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (アー1)本件特許明細書の実施例の官能評価では、「喉に残る刺激感」の抑制及び「酸味のキレ」の改善を客観的に評価できているとはいえないから、本件発明1?6は、「喉に残る刺激感」の抑制及び「酸味のキレ」の改善という発明の課題を解決できると当業者が認識できない。ゆえに、サポート要件を満たさない。 (アー2)ルチンが0.0009質量%よりも大きい場合に、請求項1?6の全範囲において発明の課題が解決できること、つまり「喉に残る刺激感」の抑制と「酸味のキレ」の改善の効果を奏することが発明の詳細な説明に記載されているとはいえないから、ルチンの含有量が0.0009質量%を超えて0.002質量%という高濃度のルチンを含有する飲料にまで発明の詳細な説明の内容を拡張ないし一般化できない。 (アー3)塩化物イオン濃度が0.0048質量%よりも低い場合に、請求項1?6の全範囲において発明の課題が解決できること、つまり「喉に残る刺激感」の抑制と「酸味のキレ」の改善の効果を奏することが発明の詳細な説明に記載されているとはいえないから、塩化物イオン濃度が0.0048質量%よりも低い0.0005質量%という低濃度の塩化物イオンを含有する飲料にまで発明の詳細な説明の内容を拡張ないし一般化できない。 (アー4)実施例における酸性飲料は、高甘味度甘味料としてスクラロ-スの例しかない。高甘味度甘味料の各々のマスキング効果が異なるため、スクラロース以外の高甘味度甘味料にまで発明の詳細な説明の内容を拡張ないし一般化できない。 (アー5)実施例では、[(C1)/(B)]について、0.1から2.7の限られた比の範囲しか記載されていないから、0.001という低い値を含む範囲まで発明の詳細な説明の内容を拡張ないし一般化できない。 (アー6)発明の詳細な説明の実施例には、多価アルコールとしてグリセリンしか記載されていないから、本件発明4?6のグリセリン以外の多価アルコールの範囲にまで発明の詳細な説明の内容を拡張ないし一般化できない。 (アー7)発明の詳細な説明の実施例に記載された酸性飲料(表1?3)から、段落【0035】に記載された様々な風味を有する酸性飲料の範囲まで効果があることは認識できないから、請求項1?6に係る発明の酸性飲料の範囲まで発明の詳細な説明の内容を拡張ないし一般化できない。 イ 特許法第36条第6項2号について 本件発明4?6の「多価アルコール」は、その技術的意義が不明確であるから、その特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許に対してされたものである (2)判断 ア 特許法第36条第6項1号について (アー1)について a 発明の課題 本件発明の課題は、「ルチンを含有するにも拘わらず、喉に残る刺激感が抑制され、かつ酸味のキレの良好な酸性飲料」を得ることである(【0006】?【0008】)。 b 実施例における評価 発明の詳細な説明には、上記「喉に残る刺激感」、「酸味のキレ」の官能評価に関し、以下のように記載されている。 「【0053】 8.官能評価 各容器詰酸性飲料の「喉に残る刺激感」、「酸味のキレ」について、専門パネル4名が下記の基準に基づいて評価し、その後評点の平均値を求めた。 【0054】 1)喉に残る刺激感 実施例4の容器詰酸性飲料の「喉に残る刺激感」を評点1とし、比較例1の容器詰酸性飲料の「喉に残る刺激感」を評点5として、下記の5段階で評価を行った。 評点1:喉に刺激感がなく問題ない 2:喉に刺激感が僅かにあるが問題ない 3:喉に刺激感がややあるが問題ない 4:喉に刺激感がある 5:喉に刺激感が強い 【0055】 2)酸味のキレ 実施例4の容器詰酸性飲料の「酸味のキレ」を評点1とし、比較例1の容器詰酸性飲料の「酸味のキレ」を評点5として、下記の5段階で評価を行った。 評点1:酸味のキレがよい 2:酸味のキレがややよい 3:酸味のキレが僅かに良い 4:酸味のキレがやや悪い 5:酸味のキレが悪い」 そして、実施例1?21及び比較例1?3について、評点の平均値が記載されている(【0057】【表2】、【0059】【表3】、【0061】【表4】)。 実施例1?21及び比較例1?3の当該官能評価は、専門パネル4名が実施例4の酸性飲料の評点を「1」とし、比較例1の評点を「5」とした5段階評価で行われているから、専門パネル間で評価基準が合意されているといえるし、専門パネル間で評点が極端に偏ることは通常考えられないこと、及び平均値を用いることは通常の手法であることを考慮すると、【表2】?【表4】の結果が客観的に評価できているというべきである。 よって、本件発明が課題を解決できることを当業者は、認識できるといえる。 (アー2)?(アー5)及び(アー7)について a 発明の詳細な説明には、以下の点が記載されている。 ・酸性飲料中の成分(A)の含有量は、生理効果発現の観点から、0.0003質量%以上が殊更に好ましく、酸味のキレ改善の観点から、0.0012質量%以下が更に好ましい(【0009】)。 ・喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善するために、成分(B)として塩化物イオンを含有する(【0010】)。成分(B)の含有量は、酸味のキレ改善の観点から、0.001質量%以上がより好ましく、0.24質量%以下が殊更に好ましい(【0011】)。 ・成分(A)と、成分(B)との質量比 [(B)/(A)]は、より一層の酸味のキレ改善の観点から、8以上が殊更に好ましく、300以下が殊更に好ましい(【0012】)。 ・成分(C)として甘味料を含有することにより、成分(B)と相まって、酸性飲料における成分(A)由来の喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善することができる。(C)甘味料としては、例えば、糖質系甘味料、高甘味度甘味料等が挙げられ、高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース等が挙げられる。喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善する観点から、(C1)高甘味度甘味料を含有することが好ましく、殊更に好ましくはスクラロース及びアセスルファムカリウムから選択される少なくとも1種である(【0013】)。成分(C)の含有量は、ショ糖甘味換算濃度により規定され、喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善する観点から、3質量%以上がより好ましく、8質量%以下がより好ましい(【0017】?【0019】)。 ・酸性飲料のpH(20℃)は2?5.4である(【0033】)。 ・酸性飲料は、喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善する観点から、非アルコール飲料が好ましい(【0035】)。 b 発明の詳細な説明には、本件発明に関し、具体的に「喉に残る刺激感」と「酸味のキレ」を確認した酸性飲料として実施例1?21及び比較例1?3が記載されているところ(【0056】?【0062】)、実施例2?7、17?21の容器詰酸性飲料として、成分(A)ルチンが0.0009質量%(実施例2?7)及び0.00045質量%(実施例17?21)、成分(B)塩化物イオンが0.0048質量%(実施例17)?0.238質量%(実施例5)、成分(C)甘味料がショ糖甘味換算濃度で8質量%、成分(B)と成分(C1)スクラロースとの質量比[(C1)/(B)]が0.1(実施例4、5)?2.7(実施例17)、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が10.7(実施例17)?264.4(実施例5)、pHが3.4である容器詰酸性飲料が記載され、飲料の「喉に残る刺激感」と「酸味のキレ」についての評価はいずれも良好であることが記載されている。 c このように、発明の詳細な説明には、本件発明が記載されている上、(A)ルチン 0.00045?0.0009質量%、(B)塩化物イオン 0.0048?0.238質量%、成分(B)と成分(C1)スクラロースとの質量比[(C1)/(B)]が0.1?2.7、及び成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が10.7?264.4であり、スクラロースを含む成分(C)甘味料をショ糖甘味換算濃度で8質量%含有する飲料に関し、喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善する効果を奏することが具体的に裏付けられていることがわかる。 そして、喉に残る刺激感を抑制し,かつ酸味のキレを改善するために,成分(B)として塩化物イオンを含有する。」(【0010】)ことを前提に,「成分(C)を含有することにより、成分(B)と相まって、酸性飲料における成分(A)由来の喉に残る刺激感を抑制し、かつ酸味のキレを改善することができる。」(【0013】)ことにも照らせば、成分(C)甘味料の含有量の多少の変動や,スクラロース以外の甘味料の違いにより、その効果が格別に減ずるとも解されないから、成分(C)甘味料がショ糖甘味換算濃度で3質量%の場合でも同様の効果が期待できる。 また、実施例2?7、17?21の酸性飲料は、その配合された各成分を見れば(【0057】【表2】、【0061】【表4】)、非アルコール飲料を模式的に実現したルチン含有の酸性水といえるものである。 そして、当該酸性水において、「ルチンを含有するにも拘わらず、喉に残る刺激感が抑制され、かつ酸味のキレの良好な」飲料であることから、更に各種成分が配合された非アルコール飲料においても、同様に効果を期待できると理解される。 d したがって、発明の詳細な説明には、本件発明の非アルコール酸性飲料が、本件発明の課題を解決できるものとして記載されているといえる。 (アー6)について 本件訂正により、請求項4は削除されたので、当該取消理由は解消した。 (小括) したがって、本件発明1、3、5は、発明の詳細な説明の記載や出願時の技術常識に照らし、当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものである。 よって、請求項1、3、5に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえない。 イ 特許法第36条第6項2号について 本件訂正により、請求項4、6は削除され、請求項5は請求項4を引用しないものとなったので、当該取消理由は解消した。 2 取消理由通知に採用しなかった特許異議の申立理由について (1)取消理由通知に採用しなかった特許異議の申立理由の概要は以下のとおりである。 ア 特許法第36条第6項1号について 特許異議申立人は、請求項1?6に係る発明は、以下の点で発明の詳細な説明に記載したものでないから、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである旨主張する。 (アー1)本件特許明細書の「喉に残る刺激感」は、いかなるものであるのか不明であるから、本件発明1?6は、本件発明の課題を解決できると当業者が認識できない。ゆえに、サポート要件を満たさない。 (アー2)KClの濃度が0.03質量%を超える場合には、本件発明の飲料は、苦いはずであるため、本件発明の課題が解決できるとはいえない。 イ 特許法第29条第2項について 本件発明1?6は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 甲第4号証:特開2014-168401号公報 甲第5号証:浜島教子、「味の相互関係について(第3報) 塩から味と苦味の関係」、家政学雑誌、1977年、Vol.28、No.4、p.278-281 甲第6号証:P.A.S. Breslin et al.、Suppression of Bitterness by Sodium:Variation Among Bitter Taste Stimuli、Chemical Senses、1995、Vol.20、No.6、p.609-623 甲第7号証:河合崇行 外1、「苦味マスキング効果の定量的解析」、食総研報、2012年、No.76、p.9-16 甲第8号証:「高甘味度甘味料 スクラロースのすべて」、株式会社光琳、平成15年5月30日、p.58-65 甲第9号証:特開2008-99677号公報 甲第10号証:特開2002-363105号公報 (2) 当審の判断 ア 特許法第36条第6項1号について (アー1)について 本件特許明細書の【0006】には、「本発明者は、ルチン含有飲料について検討を行ったところ、液性が中性領域ではルチンを微量に含有する飲料を飲用したときに味に違和感を生じないが、酸性領域においては、ルチンの含有量が僅かであったとしても、喉にヒリヒリするような刺激感が残り、酸味のキレが悪く、酸性飲料の風味に影響を与えることを見出した。 本発明は、ルチンを含有するにも拘わらず、喉に残る刺激感が抑制され、かつ酸味のキレの良好な酸性飲料に関する。」と記載されている。 したがって、「喉に残る刺激感」は、舌上で感じる「苦味」とは異なり、ルチンを含有する酸性飲料を飲用した後に喉に残るヒリヒリするような刺激感と理解できる。 したがって、当該主張は採用できない。 (アー2)について 本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例2?5、18、19を参照すれば、KCl濃度が0.03質量%を超える酸性飲料でも、本件発明の課題を解決できることが理解できる。既に述べたとおり、「喉に残る刺激感」が酸性飲料を飲用した後に喉に残るヒリヒリするような刺激感であって、「苦味」とは異なるから、仮にKClの濃度が0.03質量%を超える飲料が苦いとしても、本件発明の課題を解決できるものである。 したがって、当該主張は採用できない。 イ 特許法第29条第2項について (ア)甲4発明 甲第4号証の請求項1、請求項3、【0024】及び【0025】を参酌すると、甲第4号証には、以下の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されているといえる。 「(A) L-アスコルビン酸と、(B) ルチン、ハマナス抽出物、及びクロロゲン酸から選ばれる1種又は2種以上とを合計で10?200ppm含有し、スクラロース等の甘味料を配合し、かつpHが3.0以上である、白ぶどう果汁入り飲料。」 (イ)対比 本件発明1と甲4発明とを対比すると、少なくとも以下の点が相違する。 <相違点> 本件発明1では、「(A)ルチン 0.00045?0.0009質量% (B)塩化物イオン 0.0048?0.238質量%、及び(C)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で3?8質量%を含有し、」「成分(B)と成分(C1)との質量比[(C1)/(B)]が0.1?2.7であり、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が10.7?264.4で」あるのに対して、甲4発明には、ルチン、甘味料を含むもののその含有量は不明で、塩化物イオンを含んでいない点。 (ウ)判断 以下、相違点について検討する。 甲第4号証には、「本発明の課題は、白ぶどう果汁入り飲料について、保存中に発生する異臭を抑制する有効な手段を提供することにある。」(【0007】)と記載されており、ルチンに起因する喉に残る刺激感や酸味のキレの悪さについて記載も示唆もない。 甲4発明において、ルチン含有量を適宜調整できるとしても、ルチン由来の味に関する課題があることを認識することは、当業者にとって困難である。甲第4号証には、本件発明1よりも、ルチンの含有量が相当程度高い場合(実施例1(0.01%))であっても官能評価の結果は良好であった旨(【0030】?【0035】)記載されており、ルチン由来の味に関する課題について特段認識されていない。仮に、本件発明1と同程度のルチン含有量(最大で0.0009質量%)とする場合には、苦味などの問題があるとはより一層認識し難いものと解される。 また、甲第5号証?甲第7号証に、様々な種類の苦味の抑制に塩化ナトリウムを用いることが記載されているとしても、甲4発明の「白ぶどう果汁入り飲料」は、ルチンを含有しているが、飲料として苦味を有していることは甲第4号証に記載されておらず、甲第5号証?甲第7号証は、塩化ナトリウムがルチンの苦味を抑制できることまでを示すものではないから、甲4発明において、塩化ナトリウムを用いる動機付けはない。 さらに、甲第8号証、甲第9号証に、スクラロースがポリフェノールの渋味や収斂味を抑制することが記載されているが、ルチンによる喉に残る刺激感、酸味のキレの悪さに有効であるかは不明であるため、甲4発明において、スクラロース等の甘味料の含有量を、ルチンの含有量との関係で本件発明1のように設定することが、当業者にとって容易であったとはいえない。 ゆえに、本件発明1は、甲4発明及び甲第5号証?甲第10号証記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 そして、本件発明3、5は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに限定した発明であるから、同様の理由により、甲4発明及び甲第5号証?甲第10号証記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1、3、5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1、3、5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 請求項2、4、6は、訂正により、削除されたため、本件特許の請求項2、4、6に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C); (A)ルチン 0.00045?0.0009質量% (B)塩化物イオン 0.0048?0.238質量%、及び (C)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で3?8質量% を含有し、 成分(C)として成分(C1)高甘味度甘味料を含み、 (C1)高甘味度甘味料がスクラロースであり、 成分(B)と成分(C1)との質量比[(C1)/(B)]が0.1?2.7であり、 成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が10.7?264.4であり、かつ pHが2?5.4である、 非アルコール酸性飲料。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 成分(C)の含有量がショ糖甘味換算濃度で8質量%である、請求項1記載の酸性飲料。 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 容器詰酸性飲料である、請求項3記載の酸性飲料。 【請求項6】 (削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-06-08 |
出願番号 | 特願2016-532017(P2016-532017) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(A23L)
P 1 651・ 537- YAA (A23L) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 川合 理恵 |
特許庁審判長 |
紀本 孝 |
特許庁審判官 |
佐々木 正章 窪田 治彦 |
登録日 | 2016-12-16 |
登録番号 | 特許第6059407号(P6059407) |
権利者 | 花王株式会社 |
発明の名称 | 酸性飲料 |
代理人 | 特許業務法人アルガ特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人アルガ特許事務所 |