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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  F02M
審判 全部申し立て 2項進歩性  F02M
管理番号 1342991
異議申立番号 異議2017-700947  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-04 
確定日 2018-06-29 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6111358号発明「高圧燃料供給ポンプ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6111358号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正することを認める。 特許第6111358号の請求項1ないし9に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6111358号の請求項1ないし9に係る発明についての出願(特願2016-62968号)は、平成23年9月20日に出願した特願2011-204041号(以下、「原々出願」という。)の一部を平成26年10月1日に新たな特許出願とした特願2014-202733号の一部を、さらに平成28年3月28日に新たな特許出願としたものであって、平成29年3月17日に設定登録がされたものである。
その後、平成29年10月4日に特許異議申立人金田政毅(以下、「異議申立人」という。)より請求項1ないし9に係る特許に対して本件特許異議の申立てがされ、平成29年12月21日付けで取消理由が通知され、平成30年3月2日に特許権者より意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、当該訂正の請求を「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)がされ、平成30年3月15日付けで訂正請求があった旨の通知がされ、平成30年4月19日に特許異議申立人から意見書が提出されたものである。

第2 本件訂正の適否についての判断
1 本件訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)ないし(6)のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を、本件訂正前の
「加圧室が形成されたポンプハウジングと、
有底筒状のダンパー収納室に収納されたダンパーと、
前記ダンパーを覆って前記ダンパー収納室の筒状部の内周に嵌合するダンパーカバーと、
前記ダンパーカバーと前記ダンパーとの間に配置されるダンパーホルダーと、を備え、
前記ダンパーホルダーには、燃料が流通可能な連通穴が複数形成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。」
から、本件訂正後の、
「加圧室が形成されたポンプハウジングと、
底部と筒状部とを有する有底筒状のダンパー収納室に収納されたダンパーと、
前記ダンパーを覆って前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に嵌合するダンパーカバーと、
前記ダンパーカバーと前記ダンパーとの間に配置されるダンパーホルダーと、を備え、
前記ダンパーカバーの最外径部が、前記筒状部の内周に嵌合し、
前記ダンパーカバーの前記底部側の端面が、前記底部側とは反対側の前記筒状部の端面に対して前記底部側の位置において、前記ダンパーホルダーに当接し、
前記ダンパーホルダーには、燃料が流通可能な連通穴が複数形成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。」
に訂正する。
(請求項1の記載を引用する請求項2ないし9も同様に訂正する。)

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4を、本件訂正前の
「請求項2又は3に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーホルダーの前記上方縁部を押圧するように構成されていることを特徴とする。」
から、本件訂正後の、
「請求項2又は3に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーホルダーの前記上方縁部を前記底部に向かって押圧するように構成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。」
に訂正する。
(請求項4の記載を引用する請求項5ないし9も同様に訂正する。)

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5を、本件訂正前の
「請求項2乃至4のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記連通穴は、前記湾曲部に形成されることを特徴とする燃料ポンプ。」
から、本件訂正後の、
「請求項2乃至4のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記連通穴は、前記湾曲部に形成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。」
に訂正する。
(請求項5の記載を引用する請求項6ないし9も同様に訂正する。)

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6を、本件訂正前の
「請求項2乃至5のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記上方縁部および前記下方縁部は、前記ダンパー収納室における筒状部の軸方向に沿って重なるように配置される高圧燃料ポンプ。」
から、本件訂正後の、
「請求項2乃至5のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記上方縁部および前記下方縁部は、前記ダンパー収納室における前記筒状部の軸方向に沿って重なるように配置される高圧燃料ポンプ。」
に訂正する。
(請求項6の記載を引用する請求項7ないし9も同様に訂正する。)

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項8を、本件訂正前の
「請求項1乃至7のいずれかに記載に高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、前記ダンパーを押圧する弾性体として構成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。」
から、本件訂正後の、
「請求項1乃至7のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、前記ダンパーを押圧する弾性体として構成され、前記底部側に向かって圧縮された状態で保持されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。」
に訂正する。
(請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項9を、本件訂正前の
「請求項1乃至8のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーカバーの最外径において前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に勘合する高圧燃料ポンプ。」
から、本件訂正後の、
「請求項1乃至8のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーカバーの最外径において前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に嵌合し、
前記ダンパーカバーの最外径と前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周との間には、接合部が形成される高圧燃料ポンプ。」
に訂正する。

2 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正、及び同項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(6)訂正事項6について
訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正、及び同項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(7)訂正前の請求項1ないし9は、請求項2ないし9が、訂正の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、本件訂正請求は、一群の請求項ごとにされたものである。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項[1-9]について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件訂正発明
前記第2のとおり、本件訂正請求は認められるから、請求項1ないし9に係る発明(以下、それぞれを「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明9」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
加圧室が形成されたポンプハウジングと、
底部と筒状部とを有する有底筒状のダンパー収納室に収納されたダンパーと、
前記ダンパーを覆って前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に嵌合するダンパーカバーと、
前記ダンパーカバーと前記ダンパーとの間に配置されるダンパーホルダーと、を備え、
前記ダンパーカバーの最外径部が、前記筒状部の内周に嵌合し、
前記ダンパーカバーの前記底部側の端面が、前記底部側とは反対側の前記筒状部の端面に対して前記底部側の位置において、前記ダンパーホルダーに当接し、
前記ダンパーホルダーには、燃料が流通可能な連通穴が複数形成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、前記ダンパーカバー側に形成された上方縁部と、前記ダンパー側に形成された下方縁部と、前記上方縁部と前記下方縁部とを接続する湾曲部と、を有することを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーは、内部にガスを封入するように外周で溶接された2枚の金属ダイアフラムを有し、
前記ダンパーホルダーの前記下方縁部は、前記ダンパーの溶接部よりも内周側のつば部に当接することを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーホルダーの前記上方縁部を前記底部に向かって押圧するように構成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記連通穴は、前記湾曲部に形成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記上方縁部および前記下方縁部は、前記ダンパー収納室における前記筒状部の軸方向に沿って重なるように配置される高圧燃料ポンプ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、ドーナツ状の部材であることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、前記ダンパーを押圧する弾性体として構成され、前記底部側に向かって圧縮された状態で保持されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーカバーの最外径において前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に嵌合し、
前記ダンパーカバーの最外径と前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周との間には、接合部が形成される高圧燃料ポンプ。」

2 取消理由の概要
訂正前の請求項1ないし9に係る特許に対して平成29年12月21日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
[理由1]
請求項1に係る発明は、引用発明1であるから、特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当する。
請求項7に係る発明は、引用発明4であるから、特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当する
請求項8に係る発明は、引用発明5であるから、特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当する。
したがって、請求項1、7及び8に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

[理由2]
請求項2に係る発明は、引用発明1及び甲1技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
請求項3に係る発明は、引用発明2、甲1技術1及び甲2技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
請求項4に係る発明は、引用発明3、甲1技術1、甲1技術2及び甲2技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
請求項5に係る発明は、引用発明3、甲1技術1、甲1技術2、甲2技術及び甲1技術3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
請求項6に係る発明は、引用発明3、甲1技術1、甲1技術2、甲2技術、甲1技術3及び甲1技術4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
請求項7に係る発明は、引用発明4、甲1技術1、甲1技術2、甲2技術、甲1技術3及び甲1技術4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
請求項8に係る発明は、引用発明5、甲1技術1、甲1技術2、甲2技術、甲1技術3及び甲1技術4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
請求項9に係る発明は、引用発明5、甲1技術1、甲1技術2、甲2技術、甲1技術3、甲1技術4及び甲4技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、請求項2ないし9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

3 甲号証
(1)甲第1号証
ア 甲第1号証の記載
本件特許の原々出願の出願前に頒布された甲第1号証(米国特許出願公開第2011/0108007号)には、「高圧燃料ポンプ」に関して、次のような記載がある。なお、( )内の翻訳文は、異議申立人による翻訳文を参考として当審において作成したものである。
(ア)「[0021] According to that shown in FIG. 2 , the high pressure pump 4 comprises a main body 12 that has a longitudinal axis 13 and internally defines a cylindrically-shaped pumping chamber 14 . A piston 15 is slidingly mounted inside the pumping chamber 14 such that, by moving with an alternating motion along the longitudinal axis 13 , it causes a cyclic variation in the volume of the pumping chamber 14 . A lower portion of the piston 15 is coupled, on the one hand, to a spring 16 that tends to push the piston 15 towards a position of maximum volume for the pumping chamber 14 and, on the other, is coupled to a cam (not shown) that is driven in rotation by a drive shaft of the engine to cyclically move the piston 15 upwards, compressing the spring 16 .
[0022] An intake duct 17 , which is connected to the low pressure pump 8 via feed line 10 and is controlled by an inlet valve 18 arranged in correspondence to the pumping chamber 14 , runs from a side wall of the pumping chamber 14 . The inlet valve 18 is normally pressure controlled and, without external action, the inlet valve 18 is closed when the fuel pressure in the pumping chamber 14 is higher than the fuel pressure in the intake duct 17 and is open when the fuel pressure in the pumping chamber 14 is lower than the fuel pressure in the intake duct 17 .」
([0021]図2に示すように、高圧ポンプ4は、長手方向軸線13を有し、円筒形状のポンプ室14を内部に規定する主本体部12を備える。ピストン15が、ポンピングチャンバ14の内部に摺動可能に取り付けられ、その結果、長手方向軸線13に沿って交互に移動することによって、ポンピングチャンバ14の容積に周期的な変動が生じる。ピストン15の下部では、一方では、ピストン15をポンピングチャンバ14のための最大容積の位置に向けて付勢するばね16に結合され、他方ではカム(図示せず)に結合されるエンジンの駆動軸によって回転駆動されてピストン15を上方に周期的に動かしてばね16を圧縮する。
[0022]ポンピングチャンバ14の側壁には、供給ライン10を介して低圧ポンプ8に接続され、ポンピングチャンバ14に対応して設けられた吸込み弁18によって制御される吸入管17が設けられている。 吸込み弁18は通常は圧力制御されており、外部作用なしで、ポンピングチャンバ14内の燃料圧力が吸入管17内の燃料圧力よりも高いときに吸込み弁18が閉じられ、ポンピングチャンバ14内の燃料圧力が吸入管17内の燃料圧力より低いとき、吸込み弁18が開く。)

(イ)「[0037]The damper device 36 comprises a cylindrically-shaped box 37 inside which a damping chamber 38 is defined that houses two elastically deformable (or rather elastically compressible) damper bodies 39 . The function of the damper bodies 39 is to dampen the fluctuations (pulsations) in the fuel flow along the feed line 10 . The supply of fuel inside the pumping chamber 14 takes place in a extremely discontinuous manner, i.e. there are moments when fuel enters the pumping chamber 14 (during the intake stage with the inlet valve 18 open), moments when fuel does not enter and does not leave the pumping chamber 14 (during the pumping stage with the inlet valve 18 closed), and moments when fuel leaves the pumping chamber 14 (during the pumping stage with the inlet valve 18 open due to the action of the flow regulating device 6 ). These discontinuities in the supply of fuel inside the pumping chamber 14 are partially dampened by the volume variation of the damper bodies 39 and thus the flow of fuel through the feed line 10 can be more constant, i.e. less pulsating (or rather, the pulsations remain, but have reduced amplitude).」
([0037]ダンパー装置36は、その内部に2つの弾性的に変形可能な(または弾性的に圧縮可能な)ダンパー本体39を収容する減衰室38が内部に形成された円筒形状の筐体37を含む。 ダンパー本体39の機能は、供給ライン10に沿った燃料流の変動(脈動)を減衰させることである。 ポンピングチャンバ14内の燃料の供給は、極めて不連続な態様で行われる。すなわち、燃料がポンピングチャンバ14に入る時点(吸込み弁18が開いている吸気段階中)、燃料が流入しない時点ポンピングチャンバ14を(ポンピングステージの間、吸込み弁18を閉じた状態で)、燃料がポンピングチャンバ14から出る瞬間(フロー制御装置6の作用により吸込み弁18が開いたポンピングステージの間) ポンピングチャンバ14内の燃料の供給におけるこれらの不連続性は、ダンパー本体39の容積変化によって部分的に減衰され、従って、供給ライン10を通る燃料の流れは、より一定であり、すなわち脈動が少ない振幅は減少している)。 )

(ウ)「[0039] Each damper body 39 has a closed internal chamber 43 filled with as under pressure and formed by two cup-shaped sheets of metal 44 and 45 , welded together in correspondence to an annular edge 46 by means of a continuous annular weld 47 (i.e. the annular weld 47 extends for 360°, forming a closed circumference in correspondence to the annular edge 46 ).
[0040] The damper bodies 39 are supported inside the damping chamber 38 by annular support elements 48 that grip between each other the outer edges 46 of the damper bodies 39 external to the annular weld 47 . In other words, the annular edge 47 of each damper body 39 is gripped above and below by two support elements 48 arranged externally to the annular weld 47 . In particular, three support elements 48 are present: two outer or lateral support elements 48 that each hold just one damper body 39 and an inner or central support element 48 that holds both damper bodies 39 and is arranged between the two damper bodies 39 .
[0041] The set of three support elements 48 is pressed in a pile inside the box 37 by the pressing action of the lid 40 that is transmitted by a disk spring 49 inserted between the lid 40 and the set of three support elements 48 ; the function of the disk spring 49 inserted between the lid 40 and the set of three support elements 48 is to compensate for constructional tolerances and keep the three support elements 48 pressed in a pile with a predetermined force. According to another embodiment (not shown), the disk spring 49 is not present and its function is performed by support elements 48 that have a certain level of elastic compressibility in the axial direction; in other words, the support elements 48 are axially elastic so as to be able to deform elastically and in an axial direction when compressed by the lid 40 .
[0042] According to a preferred embodiment, each support element 48 has a series of through holes 50 made in the cylindrical side wall to allow the fuel to flow through the support element 48 .」
([0039]各ダンパ本体39は、圧力のかかった状態で充填された閉じた内部チャンバ43を有し、連続した環状溶接部47(すなわち環状の溶接部)によって環状縁部46で溶接された2つのカップ形状の金属シート44,45によって形成されている。(すなわち、溶接部47は、360°にわたって延在し、環状エッジ46に対応して閉じた円周を形成する。)
[0040] ダンパ本体39は、環状溶接部47の外側のダンパ本体39の外縁部46を相互に把持する環状の支持要素48によって減衰チャンバ38内に支持されている。換言すれば、各ダンパ本体39の環状エッジ47には、特に環状溶接部47の外部に配置された2つの支持要素48によって上下に把持される。特に、3つの支持要素48が存在する。各々がただ1つのダンパ本体39を保持する2つの外側または側方の支持要素48と、両方のダンパ本体39を保持し、2つのダンパ本体39の間に配置される内側または中央の支持要素48と、である。
[0041] 1組の3つの支持要素48は、蓋40と3つの支持要素48の組との間に挿入された皿ばね49によって伝達される蓋40の押圧作用によって筐体37内のパイル内に押し込まれ、蓋40と1組の3つの支持要素48との間に挿入された皿ばね49の機能は、構造上の公差を補償し、3つの支持要素48を所定の力でパイル内に押しつけることである。 別の実施形態(図示せず)によれば、皿ばね49は存在せず、その機能は、軸方向にある程度の弾性圧縮性を有する支持要素48によって実行される。言い換えれば、支持要素48は、蓋40によって圧縮されたときに弾性的かつ軸方向に変形することができるように、軸方向に弾性的である。
[0042] 好ましい実施形態によれば、各支持要素48は、燃料が支持要素48を通って流れることを可能にするために円筒形の側壁に作られた一連の貫通孔50を有する。 )

(エ)上記(ア)及び図2の記載から、主本体部12には、ポンピングチャンバ14が形成されることが明らかである。

(オ)図3の記載から、ダンパ本体39は、底部と筒状部とを有する有底筒状の筐体37に収納されていることが看取できる。

(カ)図3の記載から、蓋40は、ダンパ本体39を覆って、筐体37の筒状部の内周に嵌合することが看取できる。

(キ)上記(ウ)の特に段落[0041]の記載から、引用文献1の高圧燃料ポンプにおいて、皿ばね49がない場合には、支持要素48が弾性体として構成されることが明らかである。

(ク)上記(ウ)の特に段落[0041]及び図3の記載から、皿ばね49がない場合には、蓋40が、支持要素48の上面を押圧することが看取できる。

(ケ)図3の記載から、支持要素48は、ドーナツ状の部材であることが看取できる。

(コ)上記(ウ)の特に段落[0042]には「各支持要素48は、燃料が支持要素48を通って流れることを可能にするために円筒形の側壁に作られた一連の貫通孔50を有する。」との記載があり、また、図3の記載から、3つの支持要素48のうち中央の支持要素48には、複数の貫通孔50が形成されていることが看取できるから、支持要素48には、燃料が流通可能な貫通孔50が複数形成されることが明らかである。

イ 甲第1号証に記載された発明
上記ア及び図面を総合すると、甲第1号証(以下、「甲1」という。)には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。

「ポンピングチャンバ14が形成された主本体部12と、
底部と筒状部とを有する有底筒状の筐体37に収納されたダンパ本体39と、
前記ダンパ本体39を覆って前記筐体37の前記筒状部の内周に嵌合する蓋40と、
前記蓋40と前記ダンパ本体39との間に配置される支持要素48と、を備え、
前記蓋40の前記底部側の端面が、前記支持要素48に当接し、
前記支持要素48には、燃料が流通可能な貫通孔50が複数形成される高圧燃料ポンプ。」

(2)甲第2号証
ア 甲第2号証の記載
本件特許の原々出願の出願前に頒布された甲第2号証(独国特許公開第102004047601号)には、「高圧燃料ポンプ」に関して、次のような記載がある。なお、( )内の翻訳文は、異議申立人による翻訳文を参考として当審において作成したものである。
(ア)「[0035]・・・Diese weisen jeweils einen zentralen und mit kozentrischen Sicken versehenen Federabschnitt 54a bzw. 54b auf, sowie einen planen und umlaufenden Randschnitt 56a bzw.56b. Letztere sind an ihrem radial aeusseren freien Rand miteinander in 58 verschweisst.(aのウムラウトはae、エスツェットはssと標記した。)」
(これらは、それぞれ、同心円状のかしめられたバネ部54a、54bと、周縁部56a、56bを示している。後者は、互いに半径方向外側の自由端に溶接部58を設けている。)

(イ)上記(ア)と図2の記載から、ダンパーホルダー(vorpannhaube62)の下方縁部は、ダンパー(druckdampfer)の溶接部(58)よりも内周側のつば部に当接していることが明らかである。

イ 甲第2号証に記載の技術
上記ア及び図2の記載からみて、甲第2号証(以下、「甲2」という。)には次の技術が記載されている。

「高圧燃料ポンプにおいて、ダンパーホルダーの下方縁部は、ダンパーの溶接部よりも内周側のつば部に当接している技術。」(以下、「甲2技術」という。)

(3)甲第3号証
ア 甲第3号証の記載
本件特許の原々出願の出願前に頒布された甲第3号証(特開2009-264239号公報)には、「燃料の圧力脈動低減機構、及びそれを備えた内燃機関の高圧燃料供給ポンプ」に関して、次のような記載がある。
(ア)「【0095】
図8は、図3において圧力脈動を吸収するための金属ダイアフラムダンパ9部の拡大図と、斜視図である。
【0096】
図9は、ダンパユニット118をポンプハウジング1に固定する際の組み立て手順を示している。」

(イ)「【0099】
金属ダイアフラムダンパ9は、上側挟持部材104と下側挟持部材105によって上下から挟持されており、組み立て時は図9にあるように、まずこの状態にてユニット化しダンパユニット118を形成する。
【0100】
上側挟持部材104はカール部119を有し、下側挟持部材105の上端がカール部119と対面して金属ダイアフラムダンパ9の平板部を挟持している。上側挟持部材104と金属ダイアフラムダンパ9の接触部と、下側挟持部材105と金属ダイアフラムダンパ9の接触部の径は等しく、全周に渡って接触している。
【0101】
上側挟持部材104の内周部110と、下側挟持部材105の外周部111が圧力によって固定され、金属ダイアフラムダンパ9よりも外側の周縁部にて互いが固定され、さらに、上側挟持部材104と下側挟持部材105の間に形成された空間107内に金属ダイアフラムダンパ9の溶接部9dが配置される構造となっている。」

(ウ)上記(イ)及び図8、9の記載から、上側挟持部材104及び下側挟持部材105は、ダイヤフラムダンパ収容室における筒状部の軸方向に沿って重なるように配置されることが看取できる。

イ 甲第3号証に記載の技術
上記ア及び図8、9の記載からみて、甲第3号証(以下、「甲3」という。)には次の技術が記載されている。

「高圧燃料供給ポンプにおいて、上側挟持部材104及び下側挟持部材105は、ダイヤフラムダンパ収容室における筒状部の軸方向に沿って重なるように配置される技術。」(以下、「甲3技術」という。)

(4)甲第4号証
ア 甲第4号証の記載
本件特許の原々出願の出願前に頒布された甲第4号証(特開2009-257197号公報)には、「高圧燃料供給ポンプ」に関して、次のような記載がある。
(ア)「【0045】
ダンパカバー14は、ポンプハウジング1に固定されており、低圧通路としての吸入通路は10a,10b,10c,10dからなる。プランジャ2の往復運動に伴ってポンプ内で発生するポンプハウジング1内で発生した圧力脈動の燃料配管28への波及を低減させる圧力脈動低減機構9は2枚の金属ダイアフラムで形成された金属ダイアフラム組体9Aからなる。金属ダイアフラム組体9Aは2枚の金属ダイアフラムがその外周部で溶接接合され、内部には不活性ガスが注入されている。
【0046】
金属ダイアフラム組体9Aは周縁部がダンパカバー14の支持部10A1、および支持部材10A2により支持されている。支持部材10A2は外周がダンパカバー14の内周に圧入固定されており、金属ダイアフラム組体9Aをダンパカバー14に固定している。
【0047】
ダンパハウジング10Bの内周に設けたねじ溝10Cにダンパカバー14の外周に刻設したねじを螺合し、シール部材10Dを押圧してシールすることで、ダンパ室が外気に対して密閉される。これにより、吸入通路10内にダンパ室が画成され、圧力脈動低減機構9が形成される。」

(イ)上記(ア)の特に段落【0046】と図2の記載から、金属ダイアフラム組体9Aは、その周縁部がダンパカバー14の支持部10A1、および支持部材10A2により支持されることにより、ダンパーカバー14に固定されていることが明らかである。

(ウ)図2の記載から、ダンパーカバー14は、ダンパーカバー14の最外径においてダンパーハウジング10Bの筒状部の内周に螺合していることが看取できる。

イ 甲第4号証に記載の技術
上記ア及び図2の記載からみて、甲第4号証(以下、「甲4」という。)には次の技術が記載されている。

「高圧燃料供給ポンプにおいて、金属ダイアフラム組体9Aは、その周縁部がダンパカバー14の支持部10A1、および支持部材10A2により支持されることにより、ダンパーカバー14に固定されており、ダンパーカバー14は、ダンパーカバー14の最外径においてダンパーハウジング10Bの筒状部の内周に螺合している技術。」(以下、「甲4技術」という。)

(5)証拠方法
甲第1号証:米国特許出願公開第2011/0108007号
甲第2号証:独国特許公開第102004047601号
甲第3号証:特開2009-264239号公報
甲第4号証:特開2009-257197号公報

4 判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア 本件訂正発明1について
本件訂正発明1と引用発明1とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、引用発明1における「ポンピングチャンバ14」は、本件訂正発明1における「加圧室」に相当し、以下同様に、「主本体部12」は「ポンプハウジング」に、「ダンパ本体39」は「ダンパー」に、「蓋40」は「ダンパーカバー」に、「筐体37」は「ダンパー収容室」に、「支持要素48」は「ダンパーホルダー」に、「貫通孔50」は「連通穴」に、それぞれ相当する。
したがって、本件訂正発明1と引用発明1とは、以下の点で一致する。
「加圧室が形成されたポンプハウジングと、
底部と筒状部とを有する有底筒状のダンパー収納室に収納されたダンパーと、
前記ダンパーを覆って前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に嵌合するダンパーカバーと、
前記ダンパーカバーと前記ダンパーとの間に配置されるダンパーホルダーと、を備え、
前記ダンパーカバーの前記底部側の端面が、前記底部側の位置において、前記ダンパーホルダーに当接し、
前記ダンパーホルダーには、燃料が流通可能な連通穴が複数形成される高圧燃料ポンプ。」(以下、「一致点1」という。)

そして、両者は以下の点で相違している。
(相違点)
本件訂正発明1においては、「前記ダンパーカバーの最外径部が、前記筒状部の内周に嵌合し」ており、また、「前記ダンパーカバーの前記底部側の端面が、前記底部側とは反対側の前記筒状部の端面に対して前記底部側の位置において、前記ダンパーホルダーに当接し」ているのに対し、引用発明1においては、蓋40の最外径部が、筐体37の筒状部の内周に嵌合しておらず、また、蓋40の底部側の端面が、支持要素48に当接するものであるが、底部側とは反対側の筒状部の端面に対して底部側の位置において、支持要素48に当接していない点。

そこで、上記相違点について検討する。
甲第4号証には、「ダンパーカバー14は、ダンパーカバー14の最外径においてダンパーハウジング10Bの筒状部の内周に螺合している」ことが記載されている。
しかしながら、甲4技術は、ダンパーカバー14と金属ダイアフラム組体9Aとの間に配置されるダンパーホルダーに相当する部材を備えておらず、金属ダイアフラム組体9Aは、その周縁部がダンパカバー14の支持部10A1、および支持部材10A2により支持されることにより、ダンパーカバー14に固定されているものであるから、引用発明1と甲4技術とは、ダンパ本体39又は金属ダイヤフラム組体9Aの支持構造が異なるものである。
また、甲4技術は、ダンパーカバー14の底部側の端面が、ダンパーホルダーに当接するものではないから、引用発明1における蓋40と、甲4技術におけるダンパーカバー14とは、その機能が異なるものである。
さらに、甲4技術は、ダンパーカバー14はダンパーハウジング10Bに螺合するものであって嵌合するものではない。
そうすると、引用発明1において、蓋40の筐体37に対する嵌合態様として、甲4技術を採用する動機づけが見当たらず、引用発明1において甲4技術を適用することが容易であるとはいえない。
また、甲第2号証及び甲第3号証には、上記相違点に係る本件訂正発明1の発明特定事項である「前記ダンパーカバーの最外径部が、前記筒状部の内周に嵌合し」ていることは記載も示唆もない。
したがって、本件訂正発明1は、特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当しない。

イ 本件訂正発明2ないし9
本件訂正発明2ないし9は、本件訂正発明1の上記相違点に係る発明特定事項である、「前記ダンパーカバーの最外径部が、前記筒状部の内周に嵌合し」ていること、及び「前記ダンパーカバーの前記底部側の端面が、前記底部側とは反対側の前記筒状部の端面に対して前記底部側の位置において、前記ダンパーホルダーに当接し」ていることを有するものであるところ、かかる事項は、上記アで示したと同様の理由により、引用発明1に甲4技術を適用して容易に発明をすることができたものとはいえず、また、甲第2号証及び甲第3号証には、記載も示唆もない。
したがって、本件訂正発明7及び8は、特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当せず、また、本件訂正発明2ないし9は、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1、7及び8に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものとはいえず、同法第113条第2号に該当するものではない。
また、本件訂正後の請求項2ないし9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとはいえず、同法第113条第2号に該当するものではない。

(3)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、訂正前の特許請求の範囲に関し、特許異議申立書において、請求項2及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、本件の特許請求の範囲の請求項2及び4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである旨主張する。
しかしながら、上記(1)イのとおり、本件訂正発明2及び4は、本件訂正発明1の上記相違点に係る発明特定事項である、「前記ダンパーカバーの最外径部が、前記筒状部の内周に嵌合し」ていること、及び「前記ダンパーカバーの前記底部側の端面が、前記底部側とは反対側の前記筒状部の端面に対して前記底部側の位置において、前記ダンパーホルダーに当接し」ている点で、甲第1号証に記載された発明と相違するから、本件訂正後の請求項2及び4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものとはいえず、同法第113条第2号に該当するものではない。

第4 結語
上記第3のとおりであるから、平成29年12月21日付け取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正後の請求項1ないし9に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧室が形成されたポンプハウジングと、
底部と筒状部とを有する有底筒状のダンパー収納室に収納されたダンパーと、
前記ダンパーを覆って前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に嵌合するダンパーカバーと、
前記ダンパーカバーと前記ダンパーとの間に配置されるダンパーホルダーと、を備え、
前記ダンパーカバーの最外径部が、前記筒状部の内周に嵌合し、
前記ダンパーカバーの前記底部側の端面が、前記底部側とは反対側の前記筒状部の端面に対して前記底部側の位置において、前記ダンパーホルダーに当接し、
前記ダンパーホルダーには、燃料が流通可能な連通穴が複数形成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、前記ダンパーカバー側に形成された上方縁部と、前記ダンパー側に形成された下方縁部と、前記上方縁部と前記下方縁部とを接続する湾曲部と、を有することを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーは、内部にガスを封入するように外周で溶接された2枚の金属ダイアフラムを有し、
前記ダンパーホルダーの前記下方縁部は、前記ダンパーの溶接部よりも内周側のつば部に当接することを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーホルダーの前記上方縁部を前記底部に向かって押圧するように構成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記連通穴は、前記湾曲部に形成されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記上方縁部および前記下方縁部は、前記ダンパー収納室における前記筒状部の軸方向に沿って重なるように配置される高圧燃料ポンプ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、ドーナツ状の部材であることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーホルダーは、前記ダンパーを押圧する弾性体として構成され、前記底部側に向かって圧縮された状態で保持されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ダンパーカバーは、前記ダンパーカバーの最外径において前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周に嵌合し、
前記ダンパーカバーの最外径と前記ダンパー収納室の前記筒状部の内周との間には、接合部が形成される高圧燃料ポンプ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-06-19 
出願番号 特願2016-62968(P2016-62968)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (F02M)
P 1 651・ 113- YAA (F02M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 櫻田 正紀  
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 金澤 俊郎
佐々木 芳枝
登録日 2017-03-17 
登録番号 特許第6111358号(P6111358)
権利者 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明の名称 高圧燃料供給ポンプ  
代理人 戸田 裕二  
代理人 江口 昭彦  
代理人 内藤 和彦  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  
代理人 戸田 裕二  

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