ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F16C 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する F16C 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F16C 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する F16C 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する F16C |
---|---|
管理番号 | 1343266 |
審判番号 | 訂正2018-390101 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2018-06-28 |
確定日 | 2018-08-16 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3651591号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第3651591号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第3651591号(以下、「本件特許」という。)は、平成13年5月28日に出願され、平成17年3月4日に特許権の設定登録がされ、平成30年6月28日に本件訂正審判請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第3651591号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである(審決注:下線部分が訂正箇所である。)。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の「前記保持器の被案内面上に、グリースを保持する凹部が2箇所以上形成されて、」との記載を、「前記保持器の被案内面上に、グリースを保持する凹部が10箇所以上形成されて、」に訂正する(請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2及び3において同様に訂正する。)。 2 訂正事項2 発明の詳細な説明の段落【0007】の「前記保持器の被案内面上に、グリースを保持する凹部が2箇所以上形成されて、」との記載を、「前記保持器の被案内面上に、グリースを保持する凹部が10箇所以上形成されて、」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、転がり軸受の保持器の被案内面上に形成されているグリースを保持する凹部の個数について、「2箇所以上」とされているのを、「10箇所以上」に狭めるものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の、特許請求の範囲の請求項1及び段落【0007】には、凹部が2箇所以上形成されていることが記載されており、段落【0017】には、「表1に、保持器の被案内面に形成する凹部の数を0、1、2、3、10、20と形成した場合」と記載されており、更に、段落【0018】(【表1】)には、試料5の凹部数が「10」であり、試料6の凹部数が「20」であることが、それぞれ記載されているから、凹部が「10箇所以上」との事項は、本件特許明細書に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、転がり軸受の保持器の被案内面上に形成されているグリースを保持する凹部の個数について、より狭くするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件について ア 訂正後の請求項1について 前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、転がり軸受の保持器の被案内面上に形成されているグリースを保持する凹部の個数について、より狭くするものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1により当該請求項に係る発明が特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。 イ 訂正後の請求項2及び3について 訂正後の請求項2及び3に係る発明は、訂正事項1により間接的に訂正されるものであるが、訂正後の請求項1に係る発明を更に限定したものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1により特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。 ウ 小括 以上のことから、訂正後の請求項1?3に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 2 訂正事項2について (1)訂正の目的について 訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正である。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 前記「1(2)」と同様の理由により、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項2は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 第4 まとめ 以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 転がり軸受 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 外輪と内輪との間に、転動体と、該転動体を保持し前記外輪または前記内輪に案内される保持器とを介挿して構成され、工作機械の主軸支持に用いられる転がり軸受において、 前記保持器が、ガラス繊維又は炭素繊維を添加した合成樹脂材料で形成されており、 前記保持器の被案内面上に、グリースを保持する凹部が10箇所以上形成されて、グリース潤滑されていることを特徴とする転がり軸受。 【請求項2】 前記凹部は、深さが0.3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。 【請求項3】 Dmn値が1×10^(6)を超える高速回転域で用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転がり軸受。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、転がり軸受に関し、詳しくは、外輪と内輪との間に介挿された転動体を保持する保持器に特徴を有する転がり軸受に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、転がり軸受においては、内輪の外周面および外輪の内周面に形成された軌道面間に玉やころ等の転動体が介挿されている。このような転がり軸受においては、転動体を軌道面上に軸受周方向等間隔に保持するために、環状の保持器が、外輪と内輪との間に介挿されている。 転がり軸受の一例である工作機械主軸用軸受においては、工作精度向上のため、低振動、低騒音であることが求められる。また、近年においては、取り扱いやすさや、環境、コストの面から有効であるグリース潤滑での高速回転性(高回転速度で長時間安定して使用できること)が求められている。このような特性を満たすために従来は、軽量で柔軟性に優れ、強度向上のため強化繊維を添加した合成樹脂製の保持器が使用されることが多かった。 【0003】 図6、および図6のvii-vii線断面を示す図7に、外輪案内形式で、かつ、両側案内の保持器を用いた従来のころ軸受を示す。ころ軸受30は、外輪31、内輪32、転動体33、保持器34から概略構成されている。 図7に示すように、内輪32の軸方向の両端には径方向外輪側に突出した鍔部32aが設けられている。 保持器34は合成樹脂製であり、その周方向に間隔を隔てて転動体33を保持するポケット部35を有している。保持器34は、軸方向の両側に径方向外輪側に向けて立設された側壁34b、34bを有し、側壁34bの先端面(外輪31に相対する面。本例における被案内面34a)は、外輪31に摺接もしくは近接している。保持器34は、被案内面34aと外輪31の内周面(案内面)との摺接によって案内(すべり案内)されるため、外輪31と相対回転をする。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 上述のような外輪案内保持器を有するころ軸受30が、工作機械の主軸の軸受として用いられる場合、主軸が高速回転で運転されると、軸受の内部に充填されたグリースは、遠心力により軸受の外輪側へと飛ばされてしまい、その飛ばされたグリースは、保持器により保持器の脇に掻き出されて土手を作るような状態となる。その状態から微量な基油の漏れにより転動面や保持器の被案内面が潤滑されている。しかし、保持器34の被案内面34aと、外輪31の内周面(内輪32の外周面の場合もある)とがすべり案内されているため、油膜が切れてしまうと、保持器34の被案内面34aの磨耗や、保持器34の強度を向上させるために添加されている強化繊維による外輪31もしくは内輪32の磨耗を引き起こしてしまう。このとき、軌道面や被案内面34aで発生する磨耗粉が、グリースを劣化させてしまう可能性があった。 さらに、最近では工作機械の主軸回転の高速化に伴い、例えばDmn値(軸受ピッチ円径mm×回転数rpm)が1×10^(6)を超える領域で主軸を回転させることも珍しくない。このような高速回転の場合、上述したように保持器のグリースが遠心力により被案内面の外側に掻き出されてしまうため、保持器34の被案内面34a上においてグリースを保持することができない。このため、保持器34の被案内面34aでの油膜の形成が困難となり、被案内面34aが磨耗するだけでなく、強度向上のために保持器34に添加された強化繊維が、対向する外輪31の内周面を磨耗させてしまい、このとき発生する磨耗粉によってグリースを早期に劣化させてしまう。 【0005】 内輪案内保持器の場合は、保持器の側壁の内輪に対向する面が被案内面となり、被案内面に対向する内輪の外周面が案内面となる。この場合、内輪が回転すると、すべり案内される保持器の被案内面のグリースが遠心力により外輪側に飛ばされてしまう。このため、保持器の被案内面と内輪の案内面との潤滑性が著しく低下し、保持器や内輪の早期破損の要因となる。 【0006】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、潤滑性を向上でき、高速安定性を確保できる転がり軸受を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 前述した目的を達成するために、本発明は、外輪と内輪との間に、転動体と、該転動体を保持し前記外輪または前記内輪に案内される保持器とを介挿して構成され、工作機械の主軸支持に用いられる転がり軸受において、前記保持器が、ガラス繊維又は炭素繊維を添加した合成樹脂材料で形成されており、前記保持器の被案内面上に、グリースを保持する凹部が10箇所以上形成されて、グリース潤滑されていることを特徴とする。 【0008】 ここで、合成樹脂製の保持器としては、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を母材とし、保持器強度向上のためにガラス繊維や、炭素繊維、アラミド繊維を10?40重量%添加した保持器を例示できる。 また、保持器の被案内面とは、外輪の内周面および内輪の外周面のいずれか1つの案内面に対向し、かつ、摺接する保持器の円周上の面である。 【0009】 このような転がり軸受によれば、Dmn値が1×10^(6)を超えるような高速回転域における使用に際しても、合成樹脂製の保持器の被案内面においてグリースを保持することができるだけでなく、凹部でくさび効果が発生するため、適宜にグリースによる油膜が形成される。つまり、保持器の被案内面と軌道輪の案内面との間のすきま量が、凹部が設けられた箇所で大きく、それ以外の箇所で小さくなっており、凹部に保持されたグリースはすきま量が小さい箇所へと引き込まれる。こうして、外輪および内輪の軌道面との摺動による保持器の被案内面の磨耗が防止され、高速安定性(低トルク、低騒音、低振動、耐焼付性)に優れた転がり軸受を提供できる。また、この転がり軸受によれば、磨耗による鉄粉の発生を抑えることができるため、グリースの劣化が防止され、長期の使用が可能となる。 【0010】 上記構成において、凹部は、保持器の半径方向の深さが0.3mm以上であることが好ましい。こうすれば、合成樹脂製の保持器の被案内面において、十分な量のグリースを保持することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】 以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。 図1に本発明の第1実施形態である両側案内、外輪案内形式の合成樹脂製の保持器を有する単列円筒ころ軸受(以下ころ軸受)10の全体側面図を示す。図2に、図1に示す保持器14の要部斜視図を示す。 図1に示すころ軸受10は、内周面に外輪軌道を有する外輪11と、外周面に内輪軌道を有する内輪12と、外輪軌道および内輪軌道の間に介挿され、ころ軸受10の周方向に複数配置された転動体としてのころ13と、ころ13をころ軸受10の周方向に等間隔に配置する保持器14とから概略構成されている。 保持器14は所定の幅を有した筒形状をしており、図2に示すようにその周方向に間隔を隔てて転動体を保持するポケット部15を有している。保持器14の軸方向両端には径方向外輪側に延びた側壁14b,14bがそれぞれ形成されている。 保持器14は合成樹脂材で成形されている。 【0012】 内輪12が回転するとき、保持器14の側壁14b,14bの先端面(被案内面14a)が、それに対向する外輪11の内周面(案内面)にすべり案内されることで、保持器14は外輪11と相対回転する。 外輪11の案内面に対向する被案内面14aに、凹部Cが周方向に間隔を隔てて複数設けられている。ここでは、側面視矩形状の凹部Cが、側面視におけるころ間の中央近傍(柱部14d近傍)にそれぞれ1つずつ形成される。この凹部Cはグリースを保持するために、保持器14の側壁14bの径方向に十分な深さで形成されている。 凹部Cの深さは、グリースを保持する機能を考慮すれば、0.3mm以上とすることが好ましい。 また、保持器14の被案内面14aと凹部Cとの繋ぎ部14cは、エッジあたりしないようにR0.2以上で丸め加工が施されている。 【0013】 ここで、保持器14の被案内面14aに形成する凹部Cの数は2つ以上とする。凹部Cが1つだけでは保持器14の被案内面14aにおける潤滑を十分に行えないためである。 【0014】 図3(a)から図3(c)は、それぞれ本発明に係る保持器14の被案内面14aに形成される凹部Cの変形例を示している。 図3(a)は側面視において半円形状の凹部Cである。図3(b)は側面視においてV字形状の凹部Cである。図3(c)は側面視において略コ字状の断面を有する凹部Cである。このように、保持器14の被案内面14aに形成する凹部Cは、グリースを保持できるものであればどのような形状でもかまわない。 また、上記のような凹部のうちいずれか1つを形成する場合においても、保持器14の被案内面14aと凹部Cの繋ぎ部14cはエッジあたりしないようにR0.2以上で湾曲させることが好ましい。 【0015】 次に、図4に本発明の第2実施形態である両側案内、内輪案内形式の合成樹脂製の保持器24を有するころ軸受20の全体側面図を示す。基本的な構成は図1のころ軸受10と同じである。 図5に示すように、保持器24の側壁24b、24bの被案内面24aは内輪22の外周面に対向し、この被案内面24aには複数の凹部Cが設けられている。凹部Cは図1にみられるものと同様に側面視略矩形状に形成されていて、保持器24のポケット部25間に1つずつ形成されている。 【0016】 本実施形態においては、凹部Cとして、保持器の柱部24dに形成されて軸方向に伸びた溝が採用されている。凹部Cは径方向に深さを有しており、その深さは前記実施形態と同様に0.3mm以上が好ましい。 また、保持器24の被案内面24aと凹部Cとの繋ぎ部24cは、前記実施形態と同様に、エッジあたりしないようにR0.2以上で丸め加工が施されていることが好ましい。 【0017】 【実施例】 上述した本発明の転がり軸受のように、保持器の被案内面に2つ以上凹部を形成した場合の効果を確認するために、以下のような高速寿命評価試験を行なった。 本試験で使用した軸受は、図1に示した単列円筒ころ軸受けであって、日本精工(株)社製 呼び番号N1014(外径φ110mm×内径φ70mm、ころ径9mm、ころ長さ9mm、ころ数20)と同等品である。 また、その保持器としては、外径99.5mm、材質 PEEK(ポリエーテルエーテルケトン 炭素繊維強化グレード)で、図1および図2に見られるような両側案内、外輪案内形式のものを用いた。 潤滑はグリース潤滑で、NOKクリューバー(株)社製のイソフレックスNBU15を用いた。 さらに、保持器の被案内面と凹部の繋ぎ部は、エッジあたりを防ぐため、前述の如くR0.2以上で丸め加工が施された形状とした。 目標耐久時間を1000時間と定め、回転数16500Min^(-1)(Dmn値150万)として、外輪の案内面の磨耗およびグリースの状況を調べた。 表1に、保持器の被案内面に形成する凹部の数を0、1、2、3、10、20と形成した場合の耐久時間と、外輪の案内面およびグリースの状況を示した。 【0018】 【表1】 【0019】 試料1に関しては開始から200時間付近で異常な温度上昇のため試験機が停止した。このとき、外輪の案内面に、保持器の幅に相当した幅で深さ10μmの磨耗の発生が確認できた。また、グリースは黒色に変色しており、鉄含有量(wt%)が5%であり、劣化の目安値である0.1を大きく上回った。 試料2に関しても、600時間付近で試料1と同様に異常な温度上昇のため試験機が停止した。 試料3、4、5、6に関しては問題なく目標耐久時間である1000時間を達成できた。外輪の案内面の磨耗やグリースの劣化はなく、良好な状態であり、継続使用可能な状態であった。 この試験結果より、保持器の被案内面に形成する凹部を2つ以上と設定することで、外輪の案内面の磨耗とグリースの劣化を抑制することができ、また軸受の長い耐久使用期間を確保できることがわかった。 【0020】 なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。 上記実施の形態によれば、ポケット部間に1つずつ凹部を設けたが、1つ置きに設けてもよいし、各ポケット部間に複数形成してもよい。 また、凹部を保持器の柱部と対応するように形成したが、これに限らない。例えば、保持器の転動体(ころ)に対応する箇所に形成してもよい。 【0021】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、保持器の被案内面上にグリースを保持する凹部が、2ヶ所以上形成されていることで、軸受の高速回転域における使用に際しても、外輪および内輪の案内面の磨耗と、グリースの劣化とを抑制でき、潤滑性および高速安定性(低トルク、低騒音、低振動、耐焼付性)に優れた転がり軸受を提供できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態である円筒ころ軸受の全体側面図である。 【図2】図1に示した保持器の部分拡大図である。 【図3】図1の保持器の変形例を示す図である。 【図4】本発明の一実施形態である円筒ころ軸受の全体側面図である。 【図5】図4に示した保持器の部分拡大図である。 【図6】従来の円筒ころ軸受を示す全体側面図である。 【図7】図6のvii-vii線断面図である。 【符号の説明】 10 円筒ころ軸受 11 外輪 12 内輪 13 転動体(ころ) 14 保持器 14c 繋ぎ部 15 ポケット C 凹部 30 従来の円筒ころ軸受 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2018-07-25 |
結審通知日 | 2018-07-27 |
審決日 | 2018-08-07 |
出願番号 | 特願2001-158980(P2001-158980) |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(F16C)
P 1 41・ 854- Y (F16C) P 1 41・ 856- Y (F16C) P 1 41・ 851- Y (F16C) P 1 41・ 853- Y (F16C) |
最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
大町 真義 |
特許庁審判官 |
内田 博之 小関 峰夫 |
登録日 | 2005-03-04 |
登録番号 | 特許第3651591号(P3651591) |
発明の名称 | 転がり軸受 |
代理人 | 松山 美奈子 |
代理人 | 松山 美奈子 |