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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1344366
審判番号 不服2017-15763  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-25 
確定日 2018-10-02 
事件の表示 特願2016- 84848「サービス提供装置、サービス提供方法およびサービス提供プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月26日出願公開、特開2017-194845、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成28年4月20日の出願であって、平成29年2月28日付けで拒絶理由通知がなされ、平成29年5月8日付けで手続補正がなされたが、平成29年7月31日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、平成29年10月25日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(平成29年7月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1
本願請求項1-19に記載されたものは、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。

理由2
本願請求項1-3、9、12、18、19に係る発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。

理由3
(1)本願請求項1-3、9、12、18、19に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(2)本願請求項4-8、10、11、13-17に係る発明は、引用文献1-3に記載された発明、及び、引用文献4、5に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2013-222412号公報
2.特開2015-222458号公報
3.特開2009-169541号公報
4.特開2008-269537号公報
5.梅澤 俊雄,SEMの専門コンサルが教える「差」をつける検索対策 変わる「サーチエンジンマーケティング」その把握と対処法,Net hanbai 第7巻 第7号,日本,宏文出版株式会社,2006年 6月25日,第7巻,p.34-35

第3 本願発明

本願請求項1-19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明19」という。)は、平成29年10月25日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-19に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示することにより、前記検索結果ページのうち、前記配信対象のコンテンツが表示される領域に関する情報を編集可能な編集権利を販売するサービスを提供するサービス提供部と、
前記編集権利が購入された場合に、前記編集権利を購入した配信元から前記配信対象のコンテンツが表示される領域の編集に関する情報を受け付け、受け付けた当該情報を所定の記憶部に記憶するとともに、受け付けた当該情報に基づいて検索結果ページを生成させる受付部と
を有することを特徴とするサービス提供装置。」

なお、本願発明2-19の概要は以下のとおりである。

本願発明2-17は、本願発明1を減縮した発明である。

本願発明18は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

本願発明19は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の各部を、コンピュータに実行させる各手順とした発明である。

第4 引用文献、引用発明等

1.引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1(特開2013-222412号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

ア.「【0011】
[1.検索情報提供処理]
まず、実施形態に係る検索情報提供装置が行う検索情報提供処理について説明する。図1は、実施形態に係る検索情報提供処理の説明図である。図1に示す検索情報提供装置、ユーザ端末および広告主端末は、それぞれインターネットなどの通信網に接続されており、例えば、アドレス等を指定したアクセスにより通信網を介して互いに通信可能となっている。
【0012】
検索情報提供装置は、ユーザ端末が指定した検索キーワードが特定の検索キーワードである場合に、かかる特定の検索キーワードに対応する広告を背景とする検索結果ページを生成して、ユーザ端末へ送信する検索情報提供処理を実行する。検索結果ページの背景とする広告は、広告掲載権を購入した広告主から提供される。広告掲載権は、検索結果ページ背景の編集権であり、以下、背景編集権と呼ぶ。
【0013】
かかる背景編集権は、図1に示すように、検索サービスを提供する検索情報提供装置の運営者(以下、検索サービス業者と記載する)から広告主に対して販売される(Step1)。背景編集権の販売は、例えば、検索情報提供装置から広告主端末に対して、背景編集権についての情報を送信し、広告主端末から背景編集権の発注情報を検索情報提供装置が受信することによって成立する。
【0014】
背景編集権を購入した広告主は、広告主端末から検索情報提供装置に対して編集情報を送信する(Step2)。かかる編集情報には、広告主が希望するキーワード(以下、指定キーワードと記載する)の情報および広告情報が含まれる。検索情報提供装置は、広告主端末から取得した編集情報に含まれる指定キーワード(特定の検索キーワードの一例に相当)の情報および広告情報を互いに関連付けて広告DBに記憶する。」

イ.『【0017】
検索情報提供装置は、ユーザ端末から検索要求を受信する(Step3)。かかる検索要求に含まれる検索キーワードに基づいて、インデックスDBを検索し、当該検索キーワードに対応する情報をインデックスDBから取得する検索処理を実行する(Step4)。ここでは、ユーザ端末から送信される検索キーワードは、「サッカー&ソックス」であり、「サッカー」と「ソックス」のAND条件のキーワードである。検索情報提供装置は、「サッカー」および「ソックス」の双方に関連する情報をインデックスDBから取得する。
【0018】
さらに、検索情報提供装置は、検索キーワードが広告DBに記憶された指定キーワードと一致する場合、かかる指定キーワードに対応する広告情報を広告DBから取得する取得処理を実行する(Step5)。広告DBには、検索キーワードと一致する指定キーワードとして「サッカー&ソックス」が記憶されている。したがって、検索情報提供装置は、「サッカー&ソックス」に対応する広告情報として、LogoB情報を広告DBから取得する。
【0019】
そして、検索情報提供装置は、取得処理によって取得された広告情報に基づく画像を背景画像として検索処理による検索結果を表示する検索結果ページを生成し、検索要求元のユーザ端末へ送信する(Step6)。検索情報提供装置から送信された検索結果ページは、ユーザ端末のディスプレイに表示される。ここでは、かかる検索結果ページは、「サッカー&ソックス」に対応する検索結果に、LogoB情報に基づく画像を背景とする表示内容のページとなる。
【0020】
このように検索結果ページの背景画像に広告情報に基づく画像を表示することで、検索結果ページの背景領域を広告領域として用いることができ、これにより、効果的な広告表示を行うことができる。』

ウ.「【0036】
・・・(中略)・・・広告情報は、検索結果ページの背景となる画像を生成するための情報であり、例えば、画像データ(例えば、jpegデータやgifデータ)や、ブラウザに埋め込まれたプラグインで画像を表示するためのデータである。
【0037】
広告情報は画像を生成するデータ自体でなくてもよく、例えば、広告主サイト4におけるデータの格納位置を示すURL(Uniform Resource Locator)などであってもよい。」

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>
「 背景編集権は検索結果ページ背景の編集権であり(【0012】)、広告主端末に対して背景編集権についての情報を送信し、広告主端末から背景編集権の発注情報を受信することによって、背景編集権の販売が成立し(【0013】)、
背景編集権を購入した広告主の広告主端末から編集情報を受信し、かかる編集情報には、広告主が希望する指定キーワードの情報および広告情報が含まれ(【0014】)、当該広告情報は、検索結果ページの背景となる画像を生成するための情報であり、例えば、画像データ、プラグインで画像を表示するためのデータ、データの格納位置を示すURLであり(【0036】【0037】)、
受信した指定キーワードの情報および広告情報を互いに関連付けて広告DBに記憶し(【0014】)、
ユーザ端末から検索要求を受信すると、かかる検索要求に含まれる検索キーワードに基づいて、インデックスDBを検索し、当該検索キーワードに対応する情報をインデックスDBから取得する検索処理を実行し(【0017】)、
さらに、検索キーワードが広告DBに記憶された指定キーワードと一致する場合、かかる指定キーワードに対応する広告情報を広告DBから取得する取得処理を実行し(【0018】)、
取得処理によって取得された広告情報に基づく画像を背景画像として検索処理による検索結果を表示する検索結果ページを生成し、検索要求元のユーザ端末へ送信し(【0019】)、
検索結果ページの背景領域を広告領域として用いる(【0020】)、
検索情報提供装置(【0011】)。」

2.引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(特開2015-222458号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

ア.「【0023】
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、インターネット広告を買い付けるための広告買付装置であって、特に、多くのユーザが検索や閲覧する有効なキーワードを選択して買い付けることを特徴とする広告買付装置の発明に関するものである。」

イ.「【0027】
広告買付業者とは、広告依頼主から広告対象に関する広告出稿依頼を受けて、広告依頼主に代行して複数の広告媒体の中から広告依頼主にとって最適な広告媒体を選定し、その広告媒体を提供する広告媒体業者に対して掲載条件を指定して広告対象に関する広告の掲載を依頼する業者である。」

ウ.「【0030】
・・・(中略)・・・
広告媒体業者とは、ネットワークを介してユーザの端末装置に広告データを配信する業者であって、検索エンジンやウェブサイト等の広告媒体に表示される広告枠を提供する側となる者である。」

エ.「【0036】
まず、広告依頼主から広告買付業者に対して、広告依頼を行う。
具体的には、広告依頼主が自己の広告依頼主端末2で所定の操作を行うことにより、広告依頼主端末2が広告買付装置1と通信し、広告買付装置1に、広告対象となる商品、役務又はアイデアの名称、広告対象をイメージするキーワード、予算等の広告対象の情報を含む広告依頼情報(依頼情報)を送信する。この広告依頼情報には、その他に、例えば、広告データを配信する地域、広告データの配信を開始又は終了する時期や時間に関する情報を含むこととしてもよい。
広告買付装置1は、広告依頼情報を受信すると、その受信した広告依頼情報をハードディスクドライブ15内の広告依頼情報データベース21に記憶する。」

オ.「【0039】
広告効果の検証を経て、最終的な買付キーワードを決定すると、広告買付装置1は、広告媒体サーバ3に対してRTB(リアルタイムビッティング)等の方法により、例えば、その買付キーワードが検索されたときに表示される広告枠を買い付ける。」

カ.「【0040】
広告媒体サーバ3は、その買付キーワードが検索されると広告枠に該当広告依頼主の広告を表示する。」

キ.「【0042】
図1に示すように、本実施形態の広告買付システムSは、広告買付業者に設置された広告買付装置1、広告依頼主に設置された広告依頼主端末2、広告媒体業者に設置された広告媒体サーバ3及びDSP事業者に設置されたDSPサーバ4、とから主に構成されている。」

ク.「【0043】
広告買付装置1は、広告買付業者が保有するサーバコンピュータにより構成され、少なくとも、広告依頼情報データベース21、TVメタ情報データベース22、SNS情報データベース23、広告効果情報データベース24、視聴者DMP情報データベース25、買付キーワード情報データベース26、及び、番組評価情報データベース27を備えている。」

ケ.「【0051】
図5は、広告依頼情報テーブルの一例を示す図である。
広告依頼情報データベース21に保存されている広告依頼情報テーブルの広告依頼情報レコードは、広告依頼主端末2より送信された情報を記録したものであり、・・・(中略)・・・
【0052】
具体的には、図5に示すように、広告依頼情報レコードには、商品名、広告依頼主、ジャンル、販売地域、販売対象、販売時期、広告依頼主より指定されたキーワード、広告予算の項目を含む。ここで、広告依頼主より指定されたキーワードとは、広告依頼主が、その商品や役務に関する広告を表示させるために指定してきた検索キーワードである。」

コ.「【0053】
図6A、図6B及び図7は、TVメタ情報テーブルの一例を示す図である。・・・(中略)・・・
TVメタ情報データベース22に保存されているTVメタ情報テーブルのTVメタ情報レコードは、放送局又はTVメタ情報収集業者が保有するTVメタ情報データベース31に記録された情報の全部又は一部を取り込んだものであり、・・・(中略)・・・
【0054】
具体的には、図6に示すように、テレビ番組のTVメタ情報レコードには、放送日、曜日、放送局、番組名、番組開始時間、番組終了時間、地域、番組ジャンル、ヘッドライン(コーナー名)、概要、分類、出稿開始時間、出稿終了時間、出稿時間、視聴率、大カテゴリ、中カテゴリ、小カテゴリ、商品種別、商品名、紹介者、関連人物、関連キーワード、連想キーワードの項目を含む。
このTVメタ情報レコードは、一商品や一コーナーごとに1つのレコードを形成しており、1つの番組であっても、多数のレコードが作成される。
【0055】
・・・(中略)・・・また、関連キーワードとは、実際に番組内で登場したキーワードである。」

サ.「【0069】
・・・(中略)・・・
図13のフローチャートに示す買付キーワード作成処理は、広告依頼情報データベース21に保存された広告依頼情報テーブルに新しいレコードが登録される度に広告買付装置1により実行される。
・・・(中略)・・・
【0070】
まず、広告依頼情報データベース21に保存されている広告依頼情報テーブルに新しいレコードが登録されると、買付キーワード作成処理を開始し、図5に示す広告依頼情報テーブルに新しく登録された広告依頼情報のレコードを広告依頼情報データベース21(広告依頼情報テーブル)から取り出してRAM13に読み出す(S101)。
そして、取り出した広告依頼情報のレコードの商品名をキーとして、TVメタ情報データベース22に保存されたTVメタ情報テーブルの商品種別、商品名、及び、関連キーワードを検索し、図6に示すTVメタ情報テーブルの中から広告依頼情報に含まれる商品名、すなわち、広告対象に関連する関連キーワードを抽出する(S102)。このとき、関連キーワードが複数存在するときは、その全てを抽出する。なお、複数存在しないときは、一の関連キーワードを抽出することとしてもよい。
その抽出した複数の関連キーワードの中から図5の広告依頼情報に元々含まれる広告依頼主より指定されたキーワードを削除することにより、広告依頼主が指定してきたキーワードとは別のユニークな関連キーワードを選択する(S103)。具体的には、関連キーワードを一件ずつ読み込み、広告依頼情報に元々含まれる広告依頼主より指定されたキーワードと照合して、同じキーワードであれば削除する処理を行う。そして、この処理を抽出した全ての関連キーワードに対して実行する。
【0071】
次に、ステップS103で選択したユニークな関連キーワードをキーとして、図8のSNS情報、図9の広告効果情報、及び、図10の視聴者DMP情報と比較して、そのユニークな関連キーワードの有効性を検証する(S104)。なお、上述のステップS102からこのステップS104までの処理が、特許請求の範囲の注目度判定手段に該当する。
ここで、有効性とは、そのユニークな関連キーワードを広告対象の検索用のキーワードとして設定したときに、テレビ番組の放映直後から1ヶ月間等の所定期間内において、検索数が伸びるか、又はその広告対象の需要者に的確に検索されるか等を示すものである。
・・・(中略)・・・
【0073】
そして、ユニークな関連キーワード及び/又は類推した連想キーワードの広告枠取引市場での価格が広告依頼情報にて指定されている広告予算と照合し、ユニークな関連キーワード又は連想キーワードの中からキーワードを選抜する(S106)。
・・・(中略)・・・
【0074】
そして、ステップS106で選抜したユニークな関連キーワードや連想キーワードを買付キーワードとして買付キーワード情報データベース26に保存されている買付キーワード情報テーブルに記憶して(S107)、買付キーワード作成処理を終了する。」

したがって、上記引用文献2には次の発明が記載されている。

<引用文献2記載の発明>
「広告買付業者に設置された広告買付装置1、広告依頼主に設置された広告依頼主端末2、広告媒体業者に設置された広告媒体サーバ3とから構成され(【0042】)、
広告買付業者は、広告依頼主からの広告依頼を受けて、広告媒体業者に対して掲載条件を指定して広告の掲載を依頼する業者であり(【0027】)、 広告媒体業者は、ユーザの端末装置に広告データを配信する業者であって、検索エンジンやウェブサイト等の広告媒体に表示される広告枠を提供する者であり(【0030】)、
広告依頼主端末2は、広告買付装置1に、広告対象となる商品の名称、広告対象をイメージするキーワード、予算を含む広告依頼情報を送信し(【0036】)、当該キーワードは、広告依頼主が指定した検索キーワードであり(【0052】)、
広告買付装置1は、広告依頼情報データベース21と、TVメタ情報データベース22とを備え(【0043】)、
広告依頼情報データベース21は、広告依頼主端末2から受信した広告依頼情報を記憶し(【0036】【0051】)、
TVメタ情報データベース22は、放送日、番組名、商品名、関連キーワードの項目を含むテレビ番組のTVメタ情報レコードを保存し、関連キーワードは番組内で登場したキーワードであり(【0053】-【0055】)、
広告買付装置1は、広告依頼情報データベース21に新しいレコードが登録される度に買付キーワード作成処理を実行し(【0069】)、
当該買付キーワード作成処理は、
広告依頼情報データベース21から、新しく登録された広告依頼情報のレコードを取り出し(【0070】)、
取り出した広告依頼情報のレコードの商品名をキーとして、TVメタ情報データベース22を検索し、商品名に関連する関連キーワードを抽出し(【0070】)、
その抽出した関連キーワードの中から広告依頼主より指定されたキーワードを削除して、広告依頼主が指定してきたキーワードとは別のユニークな関連キーワードを選択し(【0070】)、
選択したユニークな関連キーワードの有効性を検証し、当該有効性は、関連キーワードを検索用のキーワードとして設定したときに、テレビ番組の放映直後から1ヶ月間等の所定期間内において、検索数が伸びるか、又はその広告対象の需要者に的確に検索されるか等を示すものであり(【0071】)、
ユニークな関連キーワードの広告枠取引市場での価格と広告依頼情報の予算とを照合して、ユニークな関連キーワードを選抜し(【0073】)、
選抜したユニークな関連キーワードを買付キーワードとして買付キーワード情報データベース26に保存して、買付キーワード作成処理を終了し(【0074】)、
買付キーワードを決定すると、広告買付装置1は、広告媒体サーバ3に対して、その買付キーワードが検索されたときに表示される広告枠を買い付け(【0039】)、
広告媒体サーバ3は、その買付キーワードが検索されると広告枠に該当広告依頼主の広告を表示する(【0040】)、
広告買付システム(【0042】)。」

3.引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3(特開2009-169541号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

ア.「【0055】
図7は、広告の送信に係る概略図である。クエリがブラウザからサーバに送信されて、サーバによる広告の選択後、広告が挿入されたWebページが送信されるまでの流れを示している。サーバは、Webページを表示する際、広告DBに記録された広告プールから所定のルールに従い、表示すべきバナー広告を選択する。選択は、次の2段階の手続で行うことができる。
【0056】
選択手続の説明をする前に、まず、選択手続において使用するテーブルについて説明する。
【0057】
図8は、広告と当該広告に関連する関連語との関係を示す広告関連語テーブルである。これは、後述の広告関連語記録手段により記録されている。関連語とは、入力されたクエリが当該関連語のいずれかと一致する場合、当該広告を表示するというものである。広告は広告IDで識別され、当該広告を表示する際の優先度の判断に用いるための優先度指標(契約額)が広告IDに関連づけて保有されている。ここでは、優先度指標として広告の契約額を用いているが、これに限るものではない。関連語欄には、その広告に関連する関連語が保有されている。・・・(中略)・・・
【0058】
このような仕組みの下において、クエリが入力され、検索結果リストを表示する際、当該クエリと同じ言葉を関連語に持つ広告IDを抽出する。もし、クエリが「特許&採用」
のように、複数個の単語を含むときは、これらの複数個の単語をともに関連語に持つ広告IDを抽出する。」

イ.「【0060】
このように、上記の第1段階の手続で複数個の広告IDが抽出された場合は、第2段階の手続に進む。これは抽出された広告IDに係る優先度指標に基づいて判断する。例えば、A001とB001の2つの広告IDが抽出された場合、前者の契約額が400万円であり、後者の契約額が100万円であるので、4:1の比率で表示回数を振り分ける。」

ウ.「【0064】
[Webページ検索システムの全体構成図]
図10は、Webページ検索システムの全体構成を示す図である。上記で説明した処理を全体構成図における各手段と対応付けて説明する。
【0065】
Webページ検索サーバ10とユーザ端末30がインターネット(図示せず)を介して通信可能となっている。
【0066】
ユーザはユーザ端末30のクエリ入力手段31に対してクエリの入力を行う。クエリ入力手段31に入力されたクエリはWebページ検索サーバ10に送信され、Webページ検索サーバ10のクエリ受付手段11が送信されたクエリを受け付ける。
【0067】
次に、ユーザはユーザ端末30の検索実行指示手段32に対し検索実行の指示の入力を行う。そうするとユーザ端末30は、その指示をWebページ検索サーバ10の検索実行手段12に伝える。検索実行手段12は、検索実行の指示を受け取ると、先に受け付けたクエリに基づいて当該クエリを含むWebページの検索を行う。そして、検索結果送信手段13が検索結果をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30の検索結果リスト表示手段33は、受け取った検索結果をリストにして画面に表示する。」

エ.「【0072】
一方、クエリが入力されて検索実行が指示されると、当該クエリに関連するバナー広告を表示するため、判定手段22が、いずれのバナー広告を表示すべきか判定を行う。この判定は、予めバナー広告を表示するための判定に用いる関連語が広告関連語記録手段20に記録されているので、これに基づいて行う。表示すべきバナー広告が決定されると当該バナー広告に係る情報がバナー広告送信手段23によりユーザ端末30に送信される。通常は、この送信は検索結果とともに行われ、ユーザ端末30のバナー広告表示手段37により、検索結果リストの表示画面にバナー広告が表示される。」

オ.図10には、クエリ入力手段31、検索実行指示手段32、検索結果リスト表示手段33、バナー広告表示手段37を有するユーザ端末30と、クエリ受付手段11、検索実行手段12、検索結果通知手段13、広告関連語記録手段20,判定手段22、バナー広告送信手段23を有するWebページ検索サーバ10が記載されている。

したがって、上記引用文献3には次の発明が記載されている。

<引用文献3記載の発明>
「Webページ検索サーバ10とユーザ端末30がインターネットを介して通信可能であり(【0065】)、
ユーザ端末30にクエリの入力を行うと、当該クエリはWebページ検索サーバ10に送信され(【0066】)、
ユーザ端末30に検索実行の指示の入力を行うと、その指示をWebページ検索サーバ10に伝え(【0067】)、
Webページ検索サーバ10は、クエリが入力されて検索実行が指示されると、当該クエリに関連するバナー広告を表示するため、いずれのバナー広告を表示すべきかの判定を行い(【0072】)、
この判定には、広告と当該広告に関連する関連語との関係を示す広告関連語テーブルを使用し、当該広告関連語テーブルからクエリと同じ言葉を関連語に持つ広告IDを抽出し、もし、クエリが複数個の単語を含むときは、これらの複数個の単語をともに関連語に持つ広告IDを抽出し(【0055】-【0058】)、
複数個の広告IDが抽出された場合は、抽出された広告IDに係る優先度指標に基づいて判断し、例えば、A001とB001の2つの広告IDが抽出され、前者の契約額が400万円であり、後者の契約額が100万円であれば、4:1の比率で表示回数を振り分け(【0060】)、
表示すべきバナー広告が決定されると当該バナー広告に係る情報が Webページ検索サーバ10からユーザ端末30に送信され、この送信は検索結果とともに行われ、ユーザ端末30の検索結果リストの表示画面にバナー広告が表示される(【0072】)、
Webページ検索システム(【0064】)。」

4.引用文献4について

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4(特開2008-269537号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

ア.「【0022】
次に、本発明の実施形態について図1を参照して、広告配信システムについて説明する。」

イ.「【0023】
広告主は、自身の管理運営する広告主サイト20のURL(Uniform Resource Locator)と、広告主情報と、決済方法と、サイト紹介文と、広告ページのURLと、広告説明文と、広告掲載カテゴリと、広告掲載キーワード等の広告ターゲット情報を広告管理サーバ50に登録する。広告配信運営者は、広告主の登録した情報を基に独自の審査基準に照らし合わせる。
【0024】
広告主が、広告配信運営者の審査基準に適合した場合、広告主へ電子メール等で連絡し、広告主は広告掲載カテゴリと広告掲載キーワード等の広告ターゲット情報を所定の入札条件に従い入札を行い、広告管理サーバ50に登録し、広告の配信が開始される。」

したがって、上記引用文献4には次の事項が記載されている。

<引用文献4の記載事項>
「広告主は、自身の管理運営する広告主サイト20のURL(Uniform Resource Locator)と、広告主情報と、決済方法と、サイト紹介文と、広告ページのURLと、広告説明文と、広告掲載カテゴリと、広告掲載キーワード等の広告ターゲット情報を広告管理サーバ50に登録し(【0023】)、
広告配信運営者は、広告主の登録した情報を基に独自の審査基準に照らし合わせ、審査基準に適合した場合、広告主へ電子メール等で連絡し(【0023】【0024】)、
広告主は広告掲載カテゴリと広告掲載キーワード等の広告ターゲット情報を所定の入札条件に従い入札を行い、広告管理サーバ50に登録し、広告の配信が開始される(【0024】)、
広告配信システム(【0022】)。」

5.引用文献5について

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5(Net hanbai)には、図面とともに次の事項が記載されている。

<引用文献5の記載事項>
『Google、キーワードの検索トレンド測定ツールであるGoogle Trendsをリリース
「Google Trends」では、任意のキーワードの検索動向やトレンドが、グラフと共に表示される。たとえば「クリスマス」と入力してみると、右上のグラフのように、大体10月頃から検索数が上昇していることが推測できる(検索数や時系列のゲージは明示されない)。
また、検索ボリュームの多い都市・地域・言語等も表示される。
例えば「うどん」を入力すると、検索ボリュームのグラフと共に、下図のような、検索元の地域情報が表示される。これを見ると、香川県や岡山県、広島県、京都府など、関西以西の都市からの検索が多いことが見て取れる。
AdWordsには出稿ターゲットを地域別に設定する機能もあるため、広告予算が足りないという場合には、この機能を参照しつつ、地域別に出稿を行うことも可能である。
また、複数のキーワードをカンマで並べることで、検索ボリュームを比較することも簡単だ(35ページ 左欄下から7行-右欄13行)。』

第5 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア.引用発明の「背景画像」は、本願発明1の「配信対象のコンテンツ」に相当する。

イ.引用発明の「背景領域」は、本願発明1の「配信対象のコンテンツが表示される領域」に相当する。

ウ.引用発明の「編集情報」は、本願発明1の「配信対象のコンテンツが表示される領域の編集に関する情報」に相当する。

エ.引用発明の「広告情報」は、背景となる画像を生成するための情報であるから、背景領域、すなわち、配信対象のコンテンツが表示される領域に関する情報といえる。
したがって、引用発明の「広告情報」は、本願発明1の「配信対象のコンテンツが表示される領域に関する情報」に相当する。

オ.引用発明の「背景編集権は検索結果ページ背景の編集権であり、広告主端末に対して背景編集権についての情報を送信し、広告主端末から背景編集権の発注情報を受信することによって、背景編集権の販売が成立し」は、検索結果ページのうち、配信対象のコンテンツが表示される領域(背景領域)に関する情報を編集可能な編集権利を販売するサービスを提供することといえる。
したがって、引用発明の上記販売に係る手段と、本願発明1の「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示することにより、前記検索結果ページのうち、前記配信対象のコンテンツが表示される領域に関する情報を編集可能な編集権利を販売するサービスを提供するサービス提供部」は、「検索結果ページのうち、配信対象のコンテンツが表示される領域に関する情報を編集可能な編集権利を販売するサービスを提供するサービス提供部」の点で共通する。

カ.引用発明の「背景編集権を購入した広告主の広告主端末から編集情報を受信し、かかる編集情報には、広告主が希望する指定キーワードの情報および広告情報が含まれ、当該広告情報は、検索結果ページの背景となる画像を生成するための情報であり、例えば、画像データ、プラグインで画像を表示するためのデータ、データの格納位置を示すURLであり、受信した指定キーワードの情報および広告情報を互いに関連付けて広告DBに記憶し」に係る手段は、本願発明1の「前記編集権利が購入された場合に、前記編集権利を購入した配信元から前記配信対象のコンテンツが表示される領域の編集に関する情報を受け付け、受け付けた当該情報を所定の記憶部に記憶する」、「受付部」に相当する。

キ.引用発明の「検索キーワードが広告DBに記憶された指定キーワードと一致する場合、かかる指定キーワードに対応する広告情報を広告DBから取得する取得処理を実行し 取得処理によって取得された広告情報に基づく画像を背景画像として検索処理による検索結果を表示する検索結果ページを生成し」は、上記受付部からみれば、「受け付けた当該情報に基づいて検索結果ページを生成させる」ことといえる。
したがって、引用発明の当該構成は、本願発明1の「受け付けた当該情報に基づいて検索結果ページを生成させる」ことに相当する。

ク.引用発明の「検索情報提供装置」は、背景編集権の販売サービスを提供するといえるから、本願発明1の「サービス提供装置」に相当する。

よって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

<一致点>
「 検索結果ページのうち、配信対象のコンテンツが表示される領域に関する情報を編集可能な編集権利を販売するサービスを提供するサービス提供部と、
前記編集権利が購入された場合に、前記編集権利を購入した配信元から前記配信対象のコンテンツが表示される領域の編集に関する情報を受け付け、受け付けた当該情報を所定の記憶部に記憶するとともに、受け付けた当該情報に基づいて検索結果ページを生成させる受付部と
を有するサービス提供装置。」

<相違点>
サービス提供部が、本願発明1では「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」のに対し、引用発明では、当該画面を提示しない点。

(2)相違点についての判断

相違点に係る本願発明1の「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」という構成は、上記引用文献1-5に記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2、3に記載された発明、引用文献4,5に記載された技術的事項、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-17について

本願発明2-17も、本願発明1の「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2、3に記載された発明、引用文献4,5に記載された技術的事項、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3.本願発明18について

本願発明18は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2、3に記載された発明、引用文献4,5に記載された技術的事項、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

4.本願発明19について

本願発明19は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2、3に記載された発明、引用文献4,5に記載された技術的事項、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について

1.理由1(特許法第29条第1項柱書)について

審判請求時の補正により、本願発明1-19は「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」、「受け付けた当該情報を所定の記憶部に記憶するとともに、受け付けた当該情報に基づいて検索結果ページを生成させ」という事項を有するものとなっている。
これらの事項は、検索結果ページの編集に用いるインタフェース技術、記憶部の編集情報を用いて検索結果ページを生成する情報処理技術を特定するものであり、ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されているといえる。
また、全体としてみても、本願発明1-19は、配信元に検索結果ページの編集画面を提示して、編集情報を受けつけ、この編集情報を記憶部に記憶し、この情報に基づいて検索結果ページを生成するという、検索結果ページの編集処理技術に特徴を有することから、ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されており、自然法則を利用した技術的思想の創作といえる。
したがって、原査定の理由1を維持することはできない。

2.理由2(特許法第29条1項3号)について

審判請求時の補正により、本願請求項1-3、9、12、18、19に係る発明は、「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」という事項を有するものとなっており、引用文献1にされた発明とはいえない。
したがって、原査定の理由2を維持することはできない。

3.理由3(特許法第29条2項)について

(1)審判請求時の補正により、本願請求項1-3、9、12、18、19に係る発明は、「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。

(2)また、審判請求時の補正により、本願請求項4-8、10、11、13-17に係る発明も、「所定の検索クエリに対応するコンテンツを配信し得る配信元から送信された要求が受け付けられた場合に、前記配信元に対して、前記所定の検索クエリに対応する検索結果が表示される領域と、前記検索結果が表示される領域に重ならない領域であって前記配信元により配信される配信対象のコンテンツが表示される領域とを含む検索結果ページのフォーマットであって所定の記憶部に記憶されるフォーマットに基づき検索結果ページを編集させるための画面を提示する」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。

(3)したがって、原査定の理由3を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-09-18 
出願番号 特願2016-84848(P2016-84848)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 関 博文  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 金子 幸一
宮久保 博幸
発明の名称 サービス提供装置、サービス提供方法およびサービス提供プログラム  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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