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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F01D
管理番号 1344623
審判番号 不服2018-1905  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-09 
確定日 2018-10-16 
事件の表示 特願2014-67278「回転機械及び回転機械制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月2日出願公開、特開2015-190355、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年3月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年8月29日付け :拒絶理由通知書
平成29年10月25日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年11月30日付け:拒絶査定
平成30年2月9日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成29年11月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1、5及び6に係る発明は、引用文献2及び3に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、本願の請求項3及び4に係る発明は、引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2014-40795号公報(本審決における引用例3)
引用文献2:特開平4-124407号公報(同引用例1)
引用文献3:特開2012-112254号公報(同引用例2)
引用文献4:特開平11-336752号公報(同引用例4)
引用文献5:特開2003-269108号公報(同引用例5)

第3 本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、平成30年2月9日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
ロータと、
前記ロータに固定された動翼と、
前記動翼と対面して配置され、内面に静翼が固定された車室と、
前記車室の外に配置され、前記ロータを支持し、架台に支持される軸受と、
前記ロータの径方向において、前記架台に対する前記車室の位置を移動させる移動部と、
運転状態を検出する検出部と、
前記検出部で検出した運転状態の結果に基づいて、前記移動部を制御し、前記車室と前記ロータとの相対位置を制御する制御部と、を有し、
前記車室は、内部車室であり、
前記内部車室を覆う外部車室をさらに有し、
前記移動部は、前記外部車室の内部、かつ、前記内部車室と前記外部車室との間に配置され、
前記内部車室は、前記外部車室及び前記移動部を介して、前記架台に支持されることを特徴とする回転機械。
【請求項2】
前記検出部は、前記ロータの回転速度を検出する回転速度検出部を含むことを特徴とする請求項1に記載の回転機械。
【請求項3】
前記軸受を収容する軸受箱をさらに有し、
前記検出部は、前記軸受箱の温度を検出する温度検出部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の回転機械。
【請求項4】
前記検出部は、前記車室と連結した復水器内の気圧を検出する気圧検出部を含み、
前記制御部は、前記気圧検出部で検出した前記復水器内の真空度に基づいて、前記移動部の動作を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転機械。
【請求項5】
前記移動部は、油圧で作動することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回転機械。
【請求項6】
ロータと、前記ロータに固定された動翼と、前記動翼と対面して配置され、内面に静翼が固定された内部車室と、前記内部車室を覆う外部車室、前記内部車室の外に配置され、前記ロータを支持し、架台に支持される軸受と、を有する回転機械を制御する回転機械制御方法であって、
運転状態を検出し、
検出した運転状態の結果に基づいて、前記外部車室の内部、かつ、前記内部車室と前記外部車室との間に配置される移動部を用いて、前記ロータの径方向において前記架台に対する前記内部車室の位置を移動させ、前記外部車室及び前記移動部を介して前記架台に支持される前記内部車室と前記ロータとの相対位置を制御することを特徴とする回転機械制御方法。」
(下線は、請求人による補正箇所を示す。)

第4 引用例、引用発明、引用技術
1 引用例1について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開平4-124407号公報(以下「引用例1」という。)には、「蒸気タービンの径方向間隙調整装置」に関して、図面(特に、第1図ないし第3図及び第5図参照。)とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)

ア 「第1図は本発明に係る蒸気タービンの径方向間隙調整装置の一例として、低圧タービンに適用した場合を示すもので、図中、符号1は外部ケーシングであり、この外部ケーシング1には、内部ケーシング2が内蔵されている。内部ケーシング2内には、回転エネルギを発生させるためのロータ5等が収容されている。
各ケーシング1,2は、第1図に示すように、上下の二分割構造になっており、内部ケーシング2の下半ケース両側部には、水平方向に延びて外部ケーシング1を貫通する支持アーム11がそれぞれ突設されている。
これら各支持アーム11の外部ケーシング1の外側位置は、第1図に示すように、油圧等の駆動装置12でそれぞれ支持されており、これらの駆動装置12の駆動により、支持アーム11を介し内部ケーシング2の上下位置を調節できるようになっている。」(第3ページ左上欄第15行ないし右上欄第12行)

イ 「そこで本実施例では、タービン運転中に接触の徴候が見られたならば、各駆動装置12を駆動するようにしている。そして、この駆動により、支持アーム11を介して内部ケーシング2が上下方向に移動する。
内部ケーシング2が上下方向に移動すると、内部ケーシング2内に設けられている静止部の構造物、すなわちノズルダイアフラム3(第5図参照)も、内部ケーシング2と同じ量だけ動くことになる。このため、回転部である動翼4およびロータ5(第5図参照)と、静止部であるノズルダイアフラム3との径方向間隙を調整することが可能となる。
しかして、タービン運転中であっても、何等支障なく回転部と静止部との径方向間隙を調整すこるとができ、しかも従来の真空調整等と異なり、機械的な駆動装置12により調整できるので、迅速かつ正確に間隙調整を行なうことができる。
第2図は、本発明の第2実施例を示すもので、回転部と静止部との径方向間隙を常時計測・監視し、この信号に基づき、径方向間隙調整を自動的に行なわせるようにしたものである。
内部ケーシング2の内側にノズルダイアフラム3が設けられ、このノズルダイアフラム3には、第2図に示すように、ロータ5に固設した動翼4先端のシュラウド21との間隙を常時計測・監視するセンサ22が設置されている。このセンサ22の検出信号は、データ処理装置23に入力されて解析されるようになっている。このデータ処理装置23は、前記解析結果に基づき駆動装置12を制御し、事前に間隙調整を行なうようになっている。
なお、その他の点については、前記第1実施例と同一構成となっており、作用も同一である。
しかして、蒸気タービンの回転部と静止部とが接触する前に、径方向間隙の調整が行なわれるので、より高い信頼性が得られ、しかも自動制御であるので、操作が容易である。」(第3ページ左下欄第20行ないし第4ページ左上欄第17行)

ウ 上記イ並びに第3図及び第5図の図示内容からみて、内部ケーシング2は動翼4と対面して配置されることが分かる。

エ 上記イ、第3図及び第5図のロータに係る図示内容、並びにロータは軸受を介して支持されるとの技術常識に鑑みれば、ロータ5を支持する軸受が設けられることは明らかである。

オ 第2図には、駆動装置12の下部に架台が示されている。そうすると、上記イ及び第2図の図示内容からみて、蒸気タービンは架台を有し、内部ケーシング2は、駆動装置12を介して、架台に支持されており、架台に対して上下方向に移動することが分かる。

カ 上記イの「内部ケーシング2が上下方向に移動すると、内部ケーシング2内に設けられている静止部の構造物、すなわちノズルダイアフラム3(第5図参照)も、内部ケーシング2と同じ量だけ動くことになる。」との記載、「このノズルダイアフラム3には、第2図に示すように、ロータ5に固設した動翼4先端のシュラウド21との間隙を常時計測・監視するセンサ22が設置されている。」との記載及び「このデータ処理装置23は、前記解析結果に基づき駆動装置12を制御し、事前に間隙調整を行なう」との記載から、内部ケーシング2とロータ5との間隙調整を行なうデータ処理装置23が設けられることが分かる。

キ 上記ア及び第2図の図示内容からみて、駆動装置12は外部ケーシング1の外部に配置されることが分かる。

上記アないしキ並びに第1図ないし第3図及び第5図の図示内容を総合すると、引用例1には、「蒸気タービン」に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

〔引用発明〕
「ロータ5と、
前記ロータ5に固設された動翼4と、
前記動翼4と対面して配置され、内側にノズルダイアフラム3が設けられた内部ケーシング2と、
前記ロータ5を支持する軸受と、
上下方向において、架台に対する前記内部ケーシング2の位置を移動させる駆動装置12と、
前記ノズルダイアフラム3と前記ロータ5に固設した前記動翼4先端のシュラウド21との間隙を常時計測・監視するセンサ22と、
前記センサ22の検出信号に基づく解析結果に基づいて、前記駆動装置12を制御し、前記内部ケーシング2と前記ロータ5との間隙調整を行なうデータ処理装置23と、を有し、
前記内部ケーシング2を内蔵する外部ケーシング1をさらに有し、
前記駆動装置12は、前記外部ケーシング1の外部に配置され、
前記内部ケーシング2は、前記駆動装置12を介して、前記架台に支持される蒸気タービン。」

2 引用例2について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開2012-112254号公報(以下「引用例2」という。)には、「低圧蒸気タービンの車室構造」に関して、図面(特に、図1ないし図5参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0026】
図1は低圧蒸気タービンの全体構成例を示す断面図である。同図に示すように、低圧蒸気タービン1は、主として、ロータ2を収納する内車室10と、内車室10の外側に設けられた外車室20とを備え、外車室20の下部には、低圧蒸気タービン1で仕事をした蒸気を復水する復水器30が設けられている。」

イ 「【0031】
次に、低圧蒸気タービン1の車室構造について、具体的に説明する。図2は、低圧蒸気タービン1の車室構造の外観斜視図である。図3は内車室10の支持構造を示す斜視図であり、図4は内車室10が支持される様子を示す上面図であり、図5は図4におけるA-A線に沿った断面図である。また、図6は、後述の第2支持部材12Bの支持板12Cへの固定構造を示す横面図である。
【0032】
図2に示すように、外車室20は、上側ケーシング20A及び下側ケーシング20Bからなる半割り構造になっている。この外車室20に収納された内車室10(図2では不図示)は、外車室20の下側ケーシング20Bのロータ軸方向に沿った側壁面を貫通する内車サポート12(具体的には、後述の第1支持部材12A及び第2支持部材12B)により、外車室20とは独立に基礎40に支持される。
【0033】
内車サポート12は、図3及び4に示すように、内車室10の両側(ロータ軸に直交する方向における内車室10の両側)に一対ずつ設けられ、外車室20の下側ケーシング20Bの側壁面を貫通して基礎40に取り付けられている。内車サポート12の内車室10側の端部にはライナ14が設けられており、このライナ14上に内車室10が載置される。これにより、ライナ14の厚さを変更して、内車室10の鉛直方向位置や傾きを微調整することができる。」

ウ 上記イ及び図5の図示内容からみて、厚さを変更して、内車室10の鉛直方向位置や傾きを微調整するライナ14は、外車室20の内部、かつ、内車室10と外車室20との間に配置されることが分かる。

上記アないしウ並びに図1ないし図5の図示内容を総合すると、引用例2には、次の技術(以下「引用技術」という。)が記載されている。

〔引用技術〕
「厚さを変更して、内車室10の鉛直方向位置や傾きを微調整するライナ14は、外車室20の内部、かつ、前記内車室10と前記外車室20との間に配置され、前記内車室10は、前記外車室20の側壁面を貫通する内車サポート12により、前記ライナ14を介して、前記外車室20とは独立に基礎40に支持される、低圧蒸気タービン1の車室構造に関する技術。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「ロータ5」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本願発明1における「ロータ」に相当し、以下同様に、「固設された」は「固定された」に、「動翼4」は「動翼」に、「内側にノズルダイアフラム3が設けられた内部ケーシング2」は「内面に静翼が固定された車室」に、「軸受」は「軸受」に、「上下方向」は「ロータの径方向」に、「架台」は「架台」に、「駆動装置12」は「移動部」に、「ノズルダイアフラム3と前記ロータ5に固設した前記動翼4先端のシュラウド21との間隙を常時計測・監視するセンサ22」は「運転状態を検出する検出部」に、「センサ22の検出信号に基づく解析結果」は「検出部で検出した運転状態の結果」に、「内部ケーシング2と前記ロータ5との間隙調整を行なうデータ処理装置23」は「車室と前記ロータとの相対位置を制御する制御部」に、「内部ケーシング2を内蔵する外部ケーシング1」は「内部車室を覆う外部車室」に、「蒸気タービン」は「回転機械」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「内部ケーシング2」は、本願発明1における「車室」及び「内部車室」に相当する。そうすると、引用発明が、本願発明1の「車室は、内部車室であり」との事項を有することは明らかである。

したがって、本願発明1と引用発明との一致点、相違点は、次のとおりである。

〔一致点〕
「ロータと、
前記ロータに固定された動翼と、
前記動翼と対面して配置され、内面に静翼が固定された車室と、
前記ロータを支持する軸受と、
前記ロータの径方向において、架台に対する前記車室の位置を移動させる移動部と、
運転状態を検出する検出部と、
前記検出部で検出した運転状態の結果に基づいて、前記移動部を制御し、前記車室と前記ロータとの相対位置を制御する制御部と、を有し、
前記車室は、内部車室であり、
前記内部車室を覆う外部車室をさらに有し、
前記内部車室は、前記移動部を介して、前記架台に支持される回転機械。」

〔相違点1〕
本願発明1においては、軸受は、「車室の外に配置され」「架台に支持される」のに対して、
引用発明においては、軸受は、ロータ5を支持するものの、内部ケーシング2の外に配置され、架台に支持されるかは不明である点。

〔相違点2〕
本願発明1においては、移動部は、「外部車室の内部、かつ、前記内部車室と前記外部車室との間」に配置され、内部車室は、「外部車室及び」前記移動部を介して、架台に支持されるのに対して、
引用発明においては、駆動装置12は、外部ケーシング1の外部に配置されており、外部ケーシング1の内部、かつ、内部ケーシング2と外部ケーシング1との間に配置されるものではなく、さらに、内部ケーシング2は、駆動装置12を介して架台に支持されるものの、外部ケーシング1を介して架台に支持されてはいない点。

(2)判断
事案に鑑み、先ず、上記相違点2について検討する。
引用技術は、「厚さを変更して、内車室10の鉛直方向位置や傾きを微調整するライナ14は、外車室20の内部、かつ、前記内車室10と前記外車室20との間に配置され、前記内車室10は、前記外車室20の側壁面を貫通する内車サポート12により、前記ライナ14を介して、前記外車室20とは独立に基礎40に支持される、低圧蒸気タービン1の車室構造に関する技術」である。
そして、本願発明1と引用技術とを対比すると、引用技術における「内車室10」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本願発明1における「内部車室」に相当し、以下同様に、「外車室20」は「外部車室」に、「基礎40」は「架台」に、「支持」は「支持」に、「低圧蒸気タービン1」は「回転機械」に、それぞれ相当し、また、引用技術における「厚さを変更して、内車室10の鉛直方向位置や傾きを微調整するライナ14」と本願発明1における「車室の位置を移動させる移動部」とは、「車室の位置を調整する部材」という限りにおいて一致するから、引用技術は、本願発明1の用語を用いて整理すると、
「車室の位置を調整する部材は、外部車室の内部、かつ、内部車室と前記外部車室との間に配置され、前記内部車室は、前記調整する部材を介して、前記外部車室とは独立に架台に支持される、回転機械の車室構造に関する技術」
を備えるものといえる。
すなわち、引用技術は、「内部車室は、車室の位置を調整する部材を介して、外部車室とは独立に架台に支持される」ものであるから、「内部車室が外部車室を介して架台に支持される」ものではない。
そうすると、引用発明に引用技術を適用しても、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項とはならないから、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項は、当業者が容易になし得たとはいえない。
また、原査定の拒絶の理由に引用された特開2014-40795号公報(以下「引用例3」という。)、特開平11-336752号公報(同「引用例4」)及び特開2003-269108号公報(同「引用例5」)も、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を開示又は示唆するものではないから、引用発明及び引用例3ないし5に記載された事項に基いて、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項とすることはできない。
したがって、引用発明、引用技術及び引用例3ないし5に記載された事項に基いて、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。

したがって、本願発明1は、上記相違点1について検討するまでもなく、引用発明、引用技術及び引用例3ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2 本願発明2ないし5について
本願の特許請求の範囲における請求項2ないし5は、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく直接又は間接的に引用して記載されたものであるから、本願発明2ないし5は、本願発明1の発明特定事項をすべて含むものである。
したがって、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用技術及び引用例3ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

3 本願発明6について
本願発明6は、本願発明1に対応する方法の発明であり、上記「1(2)」で検討した相違点2に係る発明特定事項に対応する発明特定事項を有するものである。
したがって、本願発明6は、上記「1(2)」と同様の理由により、引用発明、引用技術及び引用例3ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第6 原査定について
平成30年2月9日の手続補正により、本願発明1ないし5は、「前記移動部は、前記外部車室の内部、かつ、前記内部車室と前記外部車室との間に配置され、前記内部車室は、前記外部車室及び前記移動部を介して、前記架台に支持される」という発明特定事項を有するものとなり、また、本願発明6も当該発明特定事項に対応する発明特定事項を有するものとなった。
そして、上記「第5」で検討したとおり、本願発明1ないし6は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1ないし5に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-10-01 
出願番号 特願2014-67278(P2014-67278)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F01D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 倉田 和博  
特許庁審判長 水野 治彦
特許庁審判官 鈴木 充
粟倉 裕二
発明の名称 回転機械及び回転機械制御方法  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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