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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04L
管理番号 1344768
審判番号 不服2017-13228  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-06 
確定日 2018-10-29 
事件の表示 特願2015-196450「複数のセンサから1つのセンサを確定的に選択する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月12日出願公開、特開2016- 76928、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成27年10月2日(パリ条約による優先権主張2014年10月2日、独国)の出願であって、平成28年9月28日付けで拒絶理由通知がされ、同年12月28日に意見書を提出するとともに手続補正がされ、平成29年5月11日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年9月6日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(平成29年5月11付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-8に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特表2013-546096号公報

第3 審判請求時の補正について

審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
審判請求時の補正によって請求項1に「前記複数のセンサ(S1、S2)から出力されたデータの信号が、前記3線バスのうちの1本のデータライン(DATA)にまとめられて前記制御ユニット(ECU)に入力される」という事項を追加する補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、このことは、当初明細書の段落【0026】及び図1に記載されているから、当初明細書等に記載された事項であり、新規事項を追加するものではないといえる。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1-8に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。


第4 本願発明
本願請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、平成29年9月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
1つの制御ユニット(ECU)と、該制御ユニット(ECU)に3線バス(GND、DATA、VDD)を介して接続された複数のセンサ(S1、S2)と、を用いて、前記複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法であって、該センサ(S1、S2)は前記3線バス(GND、DATA、VDD)の中の少なくとも2線を介して相互に並列接続されており、前記制御ユニット(ECU)と前記センサ(S1、S2)との間でデータ交換するためにSENT仕様によるプロトコルフレーム(TPC)を使用し、前記制御ユニット(ECU)を用いて該プロトコルフレーム(TPC)内で特定のセンサ(S1、S2)を選択信号の所定の持続時間(T1)に基づいて選択する、方法において、
前記選択信号の持続時間(T1)は、第1の立ち下がり信号エッジ(F1)から第2の立ち下がり信号エッジ(F2)までの距離によって規定され、
前記選択信号の持続時間(T1)は、各センサ(S1、S2)にそれぞれ割り当てられた一義的な持続時間(T1)であることを特徴とする、複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択し、
前記複数のセンサ(S1、S2)から出力されたデータの信号が、前記3線バスのうちの1本のデータライン(DATA)にまとめられて前記制御ユニット(ECU)に入力される、方法。

【請求項2】
前記第1の信号エッジ(F1)と前記第2の信号エッジ(F2)との間に、信号のハイレベル状態を1つだけ形成することを特徴とする、請求項1記載の複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法。

【請求項3】
前記選択信号の後に、前記制御ユニット(ECU)又は前記センサ(S1、S2)より休止信号(TP)が送信されることを特徴とする、請求項1又は2記載の複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法。

【請求項4】
前記制御ユニット(ECU)を用いて、前記選択信号及び前記休止信号(TP)を照会信号部分(RA)として伝送することを特徴とする、請求項3記載の複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法。

【請求項5】
前記センサ(S1、S2)にそれぞれ割り当てられた一義的な持続時間(T1)の差は、4マイクロ秒以上とすることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項記載の複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法。

【請求項6】
前記持続時間(T1)は8マイクロ秒以上とすることを特徴とする、請求項4又は5記載の複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法。

【請求項7】
各センサは、それぞれ固有の電源電圧ライン(VDD)により駆動制御されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項記載の複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法。

【請求項8】
前記制御ユニット(ECU)を用いて、前記選択信号のパルス(TL)の立ち下がりエッジからそれに続く立ち上がりエッジまでの持続時間を、センサより前もって与えられたパルス(TS)の持続時間よりも長く設定することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項記載の複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法。」


第5 引用文献、引用発明等

1.引用文献について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献には、図面とともに次の事項が記載されている。

(a)段落【0025】の記載
「図1を参照する。システム10は、制御モジュール12により制御することができる物体18に関連付けられるパラメータを感知するセンサ14aを含む。センサ14aは、双方向性ノード16aを備えて、(例えば、ラッチのような)センサ・データを生成、更新、および任意に格納する。更に、センサ・データをシリアル・データ信号26aでシステム・コントローラ20に伝達するように構成される。シリアル・データ信号26aの伝送、および幾つかの実施形態ではまたセンサ・データの格納は、双方向性ノードで受け取るトリガ信号24aに応答することで生じる。シリアル・データ信号26aを発生したセンサ、およびトリガ信号24aを発生したコントローラは、共通の通信バスOUT1上で搬送される。Out1は、センサ双方向ノード16aとコントローラ間で結合される。センサ14aは、図示のとおり、更に、電源(すなわちV_(CC)接続25およびグランド接続28)を通じてコントローラ20に結合される。コントローラ20は、物体18を制御するのに使用される制御モジュール12にフィードバック信号22を供給することができる。」

(b)段落【0028】の記載
「コントローラ20は、センサ・システム10およびそのアプリケーションに応じて様々な形態をとることができる。例えば、車輛システムの場合、コントローラ20は、車両安全性および動作における様々な態様を制御するために、プロセッサ30、メモリ32およびトランシーバ34を含むエンジン制御ユニット(ECU)としてもよい。」

(c)段落【0030】の記載
「システム10は、複数のセンサ14a ? 14nを含み、それぞれは、例示のセンサ14aについて本明細書において説明する一般的構成とすることができる。つまり、各センサ14a-14nは、双方向ノード16a-16nを有し、双方向ノード16a-16nのそれぞれで受け取った各トリガ信号24a-24nに応答して、各双方向ノード16a-16nにおいてセンサ・データをシリアル・データ信号26a-26nで伝達するように構成される。センサは、トリガ信号に応答してセンサ・データを付加的に格納することができる。通信バスOUT1,OUT2,...,OUTnは、センサ14a-14nおよびコントローラ20の間で結合することができる。各センサ14a-14nは、更に、図示のとおり、V_(CC)接続25およびグランド接続28を通じてコントローラ20に結合される。」

(d)段落【0048】の記載
「図3も参照する。センサ14aによって伝達されるシリアル・データ信号26aは、図示するSENT信号フォーマットのような標準単一方向信号フォーマットを有することができる。SENT信号150は、伝送モジュール(ここでは、センサ14a)によって繰り返し送られる一連のパルスから成る。SENT150は、少なくとも4つの部分を含む。即ち、同期較正部分152、ステータスおよびシリアル伝達部分154、データ部分158、並びに、チェックサム(すなわち巡回冗長検査CRC)部分160である。「チック」とは、名目クロック信号期間に関連し、「ニブル」は4ビットである。各ニブルには、低状態および高状態のための特定の時間がある。低状態の期間はデフォルトで5チックであり、また、高状態期間はニブルの情報値により命令される。同期/較正部分152は、SENTメッセージの開始を識別して、常に56チックのパルス持続期間を有する。ステータスおよびシリアル伝達部分154は、コントローラ20にセンサ状態または特徴(例えばパート番号またはエラー・コード情報)を通知するのに使用され、また、4ビットを供給するために、12チックと27チックの間の期間を有する。データ部分158は、最大6ニブルのデータを含み、各ニブルは0から15までの値を有する4ビットを収容する。つまり、各データ・ニブルは、12チックから27チックまでパルス持続期間を有する。データ・ニブルの数は、アプリケーションごとに固定であるが、アプリケーション間で変化することができる。図示のように、12ビット値を伝送するために、6データ・ニブルが伝達される。」

(e)段落【0059】の記載
「例示の実施形態では、共通特徴は、最低1つのチック時間の間、低いトリガ信号に続くトリガ信号96立ち上がりエッジである。換言すると、この実施形態では、有効なトリガ信号は、出力バスOUT1が最低1つのクロック・チックの間低いレベルに引き下げられるものとして規定される。しかしながら、より一般的にいえば、特徴は、トリガ信号の所定のエッジ方向、1つ以上の信号パルス(すなわち、第1のエッジ方向および第2の対向エッジ方向の検出)、予め定められた持続時間内の同一のまたは異なる方向における複数のエッジ検出、その他如何なる適切な特徴ともすることができる。」

(f)段落【0063】の記載
「図5についても参照する。データ伝達の代替モードが示されており、ここでは、センサの双方向ノードで受け取ったトリガ信号の第1の特徴の検出に応答して、センサ・データが格納され、トリガ信号の第2の特徴の検出に応答して、コントローラに伝達される。図5は、n個のセンサ14a,14b,...,14nを収容するセンサ・システム10(図1)とそれぞれ接続される複数の複合伝送信号171a,171b,...,171nを示す。各センサ14a-14nは、センサ・データを格納するために受け取ったトリガ信号96a-96nについて、図5に立ち下がりエッジとして示した第1の特徴210a-210nに反応し、また、格納されたセンサ・データをシリアル・データ信号で伝達するために受け取ったトリガ信号について、立ち上がりエッジとして図5に示した第2の特徴214a-214nに反応する。」

(g)段落【0065】の記載
「センサ14aは、トリガ信号の第1の特徴210a、ここでは立ち下がりエッジを検出し、これに応答してセンサ・データをラッチ86に格納する。センサは、更に、トリガ信号の第2の特徴214a、ここでは立ち上がりエッジ検出し、その結果としてシリアル・データ信号の伝達を開始する。より具体的には、ここでは、センサは、検出に続く6クロック・チックのような、トリガ信号の第2の特徴に続く所定の時間において、シリアル・データ信号170’を伝達する。つまり、センサは、休止部分の間でトリガ・パルスの立ち下がりエッジの検出に応じてセンサ・データを格納し、また、休止部分の間でトリガ信号の立ち上がりエッジの検出の後に、所定の時間においてシリアル・データ信号170’を伝達する。図4に示したトリガ信号に関して先に述べたように、本実施形態で用いるトリガ信号の特徴が特定方向の信号エッジである一方で、様々な他の信号の特徴が代替として用いることができ、これには1つ以上の信号パルス(すなわち、第1のエッジ方向および第2の対向エッジ方向における検出)や、同一または異なる方向における複数のエッジ検出等が含まれるが、これらに限定されない。」

そうしてみると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

〈引用発明〉
「センサ14a-14nは、双方向性ノード16a-16nを備えて、センサ・データをシリアル・データ信号26a-26nをシステム・コントローラ20に伝達するように構成され、
車輛システムの場合、コントローラ20は、エンジン制御ユニット(ECU)としてもよく、
各センサ14a-14nは、双方向ノード16a-16nのそれぞれで受け取った各トリガ信号24a-24nに応答して、各双方向ノード16a-16nにおいてセンサ・データをシリアル・データ信号26a-26nで伝達するように構成され、
通信バスOUT1-OUTnのそれぞれは、センサ14a-14nおよびコントローラ20の間で結合され、シリアル・データ信号26a-26n、およびトリガ信号24a-24nが、各通信バスOUT1-OUTn上で搬送され、
各センサ14a-14nは、更に、V_(CC)接続25およびグランド接続28を通じてコントローラ20に結合され、
各センサ14a-14nによって伝達されるシリアル・データ信号26a-26nは、SENT信号フォーマットのような標準単一信号フォーマットを有しており、
各センサ14a-14nは、センサ・データを格納するために受け取ったトリガ信号96a-96nについて、立ち下がりエッジとして示した第1の特徴210a-210nに反応し、また、格納されたセンサ・データをシリアル・データ信号で伝達するために受け取ったトリガ信号について、立ち上がりエッジとして示した第2の特徴214a-214nに反応する
センサ・データを同期させるための方法」


第6 対比・判断

1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

(あ)引用発明の「各センサ14a-14n」は、本願発明1の「複数のセンサ(S1、S2)」に相当する。

(い)引用発明の「コントローラ20」は、車輛システムの場合、「エンジン制御ユニット(ECU)」としてもよいことから、本願発明1の「1つの制御ユニット(ECU)」に相当する。

(う)引用発明の「V_(CC)接続25およびグランド接続28」は、本願発明1の「3線バス」のうちの「VDD」及び「GND」に相当する。また、引用発明のこれらの接続は、本願発明1のセンサを「少なくとも2線を介して相互に並列接続」する接続に相当する。

(え)引用発明の「通信バスOUT1,OUT2,...,OUTn」は、各センサ14a-14nの「シリアル・データ信号26a-26n」をコントローラ20に搬送することから、本願発明1の「3線バス」のうちの「DATA」に対応している。また、引用発明は、これらの通信バス上で、「格納されたセンサ・データをシリアル・データ信号で伝達するために受け取ったトリガ信号」に基づいて「1つのセンサを確定的に選択」しているといえる。

(お)引用発明の「各センサ14a-14nによって伝達されるシリアル・データ信号26a-26nは、SENT信号フォーマットのような標準単一信号フォーマットを有して」いることは、本願発明1の「制御ユニット(ECU)と前記センサ(S1、S2)との間でデータ交換するためにSENT仕様によるプロトコルフレーム(TPC)を使用」することに相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

〈一致点〉
「1つの制御ユニット(ECU)と、該制御ユニット(ECU)に3線バス(GND、DATA、VDD)を介して接続された複数のセンサ(S1、S2)と、を用いて、前記複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択する方法であって、該センサ(S1、S2)は前記3線バス(GND、DATA、VDD)の中の少なくとも2線を介して相互に並列接続されており、前記制御ユニット(ECU)と前記センサ(S1、S2)との間でデータ交換するためにSENT仕様によるプロトコルフレーム(TPC)を使用する、方法において、
前記複数のセンサ(S1、S2)から出力されたデータの信号が、前記3線バスのデータライン(DATA)により前記制御ユニット(ECU)に入力される、方法。」

〈相違点1〉
本願発明1では、「前記制御ユニット(ECU)を用いて該プロトコルフレーム(TPC)内で特定のセンサ(S1、S2)を選択信号の所定の持続時間(T1)に基づいて選択する」ものであり、「前記選択信号の持続時間(T1)は、第1の立ち下がり信号エッジ(F1)から第2の立ち下がり信号エッジ(F2)までの距離によって規定され、前記選択信号の持続時間(T1)は、各センサ(S1、S2)にそれぞれ割り当てられた一義的な持続時間(T1)であることを特徴とする、複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択し」ているのに対し、引用発明では、複数のセンサから1つのセンサを確定的に選択するために、そのような構成を備えていない点。

〈相違点2〉
本願発明1では、「前記複数のセンサ(S1、S2)から出力されたデータの信号が、前記3線バスのうち1本のデータライン(DATA)にまとめられて」いるのに対し、引用発明では、そのような構成を備えていない点。


(2)相違点についての判断
上記相違点1および2について検討する。

引用発明において、通信バスOUT1-OUTnのそれぞれは、センサ14a-14nおよびコントローラ20の間で結合され、シリアル・データ信号26a-26n、およびトリガ信号24a-24nが、各通信バスOUT1-OUTn上で搬送されており、各通信バスOUT1-OUTnは1本にまとめられることなく、コントローラ20と各々接続されている。
このため、引用発明において、センサーからのシリアル・データ信号は、センサーごとに別個の通信バスを介して送信されることから、「SENT仕様によるプロトコルフレーム(TPC)内で選択信号の所定の持続時間(T1)に基づいて」、複数のセンサから1つのセンサを確定的に選択する必要性はない。
そうしてみると、引用発明において、「通信バスOUT1-OUTnを1本にまとめる」という相違点2に係る構成を採用した上で、「SENT仕様によるプロトコルフレーム(TPC)内で選択信号の所定の持続時間(T1)に基づいて、複数のセンサから1つのセンサを確定的に選択する」という相違点1に係る構成を採用することが、当業者が容易に想到し得たものとは認められない。
また、相違点1、2に係る構成が、本願の優先日前において周知技術であったともいえない。

そして、本願発明1は、当該構成により、「個々のセンサを簡単かつ確実に選択でき、その結果、各センサの応答が非常に速くなるため、制御ユニットとセンサとの間のデータ伝送が迅速になる。」との作用効果を奏するものである。

したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。


2.本願発明2-8について
本願発明2-8は、本願発明を引用する発明であり、本願発明1の「前記複数のセンサ(S1、S2)から出力されたデータの信号が、前記3線バスのうち1本のデータライン(DATA)にまとめられて」おり、「前記制御ユニット(ECU)を用いて該プロトコルフレーム(TPC)内で特定のセンサ(S1、S2)を選択信号の所定の持続時間(T1)に基づいて選択する」ものであり、「前記選択信号の持続時間(T1)は、第1の立ち下がり信号エッジ(F1)から第2の立ち下がり信号エッジ(F2)までの距離によって規定され、前記選択信号の持続時間(T1)は、各センサ(S1、S2)にそれぞれ割り当てられた一義的な持続時間(T1)であることを特徴とする、複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択し」ているという同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない


第7 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-8は「前記複数のセンサ(S1、S2)から出力されたデータの信号が、前記3線バスのうち1本のデータライン(DATA)にまとめられて」おり、「前記制御ユニット(ECU)を用いて該プロトコルフレーム(TPC)内で特定のセンサ(S1、S2)を選択信号の所定の持続時間(T1)に基づいて選択する」ものであり、「前記選択信号の持続時間(T1)は、第1の立ち下がり信号エッジ(F1)から第2の立ち下がり信号エッジ(F2)までの距離によって規定され、前記選択信号の持続時間(T1)は、各センサ(S1、S2)にそれぞれ割り当てられた一義的な持続時間(T1)であることを特徴とする、複数のセンサ(S1、S2)から1つのセンサ(S1、S2)を確定的に選択し」ているという事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。


第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-10-12 
出願番号 特願2015-196450(P2015-196450)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 速水 雄太西村 純  
特許庁審判長 千葉 輝久
特許庁審判官 ▲吉▼田 耕一
稲葉 和生
発明の名称 複数のセンサから1つのセンサを確定的に選択する方法  
代理人 前川 純一  
代理人 二宮 浩康  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 上島 類  
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