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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H02P
管理番号 1344808
異議申立番号 異議2016-700923  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-27 
確定日 2018-08-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5899648号発明「駆動装置、画像形成装置および画像形成装置の周辺装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5899648号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?13]について訂正することを認める。 特許第5899648号の請求項1?9、11?13に係る特許を取り消す。 特許第5899648号の請求項10に係る特許についての特許異議申立を却下する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第5899648号に係る出願は、平成23年4月25日(優先権主張平成22年7月27日、平成23年3月18日)の出願であって、平成28年3月18日に特許権の設定登録がなされた。
これに対して、特許異議申立人小池利恵より、平成28年9月27日に、本件請求項1ないし13に係る発明の特許について特許異議の申立がなされ、平成29年1月20日付で取消理由が通知され(発送日:平成29年1月25日)、これに対し特許権者より平成29年3月27日付で意見書及び訂正請求書、平成29年3月31日付で手続補正書が提出され、平成29年6月2日付で訂正請求があった旨が通知され(発送日:平成29年6月8日)、これに対し特許異議申立人より平成29年7月5日付で意見書が提出され、平成29年9月8日付で取消理由が通知され(発送日:平成29年9月13日)、これに対し特許権者より平成29年11月13日付で意見書及び訂正請求書が提出され、平成29年11月29日付で手続補正指令が通知され(発送日:平成29年12月1日)、これに対し特許権者より平成29年12月28日付で手続補正書が提出され、平成30年2月13日付で取消理由通知(決定の予告)がされ(発送日:平成30年2月16日)、これに対し特許権者より平成30年4月6日付で意見書及び訂正請求書が提出されたものである。


2.平成30年4月6日付の訂正請求による訂正の適否
(1)訂正の内容
(a)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「出力される駆動信号に基づいて」とあるのを「出力されるPWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号に基づいて」に訂正する。
(b)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記制御手段の外部から入力された信号」とあるのを「前記制御手段の外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号」に訂正する。
(c)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に「特徴とする駆動装置。」とあるのを「駆動装置と、前記エンコーダ信号と外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号とに基づいて、少なくとも前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転位置を制御する前記駆動信号を出力する、前記駆動装置外部の前記制御手段と、を有するモータシステム。」に訂正する。
(d)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項2?9に「駆動装置」とあるのを「モータシステム」に訂正する。
(e)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項10を削除する。
(f)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項11?13に「請求項10」とあるのを「請求項1」に訂正する。
(g)訂正事項7
明細書の段落【0008】に「本発明に係る駆動装置は、負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータと、前記インナーロータ型DCブラシレスモータに対して前記負荷の逆側に設けられた基板とを有する駆動装置であって、前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転軸と同軸に取り付けられたエンコーダディスクと、前記エンコーダディスクの回転に応じてエンコーダ信号を出力するセンサと、前記駆動装置の外部の制御手段から出力される駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路と、前記基板に設けられた入出力部と、を備え、前記エンコーダ信号は前記入出力部を介して前記制御手段へ出力され、前記制御手段の外部から入力された信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力部を介してドライバ回路へ入力されることを特徴とする。」と、記載されているのを「本発明に係るモータシステムは、負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータと、前記インナーロータ型DCブラシレスモータに対して前記負荷の逆側に設けられた基板とを有する駆動装置であって、前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転軸と同軸に取り付けられたエンコーダディスクと、前記エンコーダディスクの回転に応じてエンコーダ信号を出力するセンサと、前記駆動装置の外部の制御手段から出力されるPWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路と、前記基板に設けられた入出力部と、を備え、前記エンコーダ信号は前記入出力部を介して前記制御手段へ出力され、前記制御手段の外部から入力された信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力部を介してドライバ回路へ入力されることを特徴とする。」に訂正する。


(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.一群の請求項について
訂正前の請求項1?13について、訂正前の請求項2?13はそれぞれ訂正前の請求項1を引用しているものであり、又、訂正事項7は、特許請求の範囲の訂正に伴い、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載との整合を図るためのものである。したがって、訂正事項1?7は一群の請求項ごとに請求されたものである。


イ.訂正の適否
(ア)訂正事項1
a 訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 訂正事項1は、願書に添付した明細書の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1?13について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(イ)訂正事項2
a 訂正事項2は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 訂正事項2は、願書に添付した明細書の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1?13について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項2に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(ウ)訂正事項3
a 訂正事項3は、訂正前の請求項1に記載の構成に訂正前の請求項10に記載の構成を加えるとともに駆動信号について制御対象をより具体的に示しているので、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項3は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 訂正事項3は、願書に添付した明細書の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1?13について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(エ)訂正事項4
a 上記「(ウ)」aに記載したように、訂正前の請求項1に記載の構成に訂正前の請求項10に記載の構成を加えて請求項1を「モータシステム」に係るものとしたので、訂正前の請求項1の従属項の訂正前の請求項2?9についての訂正事項4は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項4は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 訂正事項4は、訂正前の請求項10の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1?13について特許異議申立がされてい記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第るので、訂正前の請求項2?9に係る訂正事項4に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(オ)訂正事項5
a 訂正事項5は、訂正前の請求項10を削除するというものであるので、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項5は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 上記aの理由から明らかなように、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1?13について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項10に係る訂正事項5に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(カ)訂正事項6
a 訂正事項6は、訂正前の請求項1に記載の構成に訂正前の請求項10に記載の構成を加え訂正前の請求項10を削除したことによる訂正前の請求項10の従属項である請求項11?13を請求項1の従属項とするものであるので、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項6は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 上記aの理由から明らかなように、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1?13について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項11?13に係る訂正事項6に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(キ)訂正事項7
a 訂正事項7は、訂正事項1?3に係る訂正に伴い、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載との整合を図るための訂正であり、明りょうでない記載の釈明をしようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項7は、訂正事項1?3に係る訂正に伴って発明の詳細な説明の記載を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明をしようとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 上記aの理由から明らかなように、訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1?13について特許異議申立がされ、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正事項7に関して特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。


(3)むすび
したがって、本件訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項?第6項の規定に適合するので、本件訂正を認める。


3.当審の判断
(1)本件発明
本件訂正により訂正された請求項1?9、11?13に係る発明(以下、請求項順に「本件発明1」、「本件発明2」等といい、請求項1?9、11?13に係る発明を「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1?9、11?13に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】
負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータと、前記インナーロータ型DCブラシレスモー夕に対して前記負荷の逆側に設けられた基板とを有する駆動装置であって、
前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転軸と同軸に取り付けられたエンコーダディスクと、
前記エンコーダディスクの回転に応じてエンコーダ信号を出力するセンサと、
前記駆動装置の外部の制御手段から出力されるPWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路と、
前記基板に設けられた入出力部と、を備え、
前記エンコーダ信号は前記入出力部を介して前記制御手段へ出力され、
前記制御手段の外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力部を介してドライバ回路へ入力される駆動装置と、前記エンコーダ信号と外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号とに基づいて、少なくとも前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転位置を制御する前記駆動信号を出力する、前記駆動装置外部の前記制御手段と、を有するモータシステム。
【請求項2】
前記エンコーダディスクは、前記インナーロータ型DCブラシレスモータを介して前記負荷と逆側に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
【請求項3】
前記基板には前記ドライバ回路が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のモータシステム。
【請求項4】
前記入出力部はコネクタであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項5】
前記ドライバ回路は、前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転に伴って発生するホール信号と前記駆動信号とに基づいて前記電流を供給することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項6】
前記ドライバ回路は4象限ドライバであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項7】
前記エンコーダディスク1周で前記センサが出力する前記エンコーダ信号のパルス数は、12×Nパルス(Nは自然数)、又は50×Nパルスであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項8】
前記インナーロータ型DCブラシレスモータの軸受けに玉軸受けを用いることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項9】
前記回転軸にギヤの歯を直接設けたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項10】削除
【請求項11】
前記エンコーダ信号は、前記回転軸の回転量と回転方向を検知可能な信号であることを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
【請求項12】
請求項1又は11に記載のモータシステムを有する画像形成装置。
【請求項13】
請求項1又は11に記載のモータシステムを有する画像形成装置の周辺装置。」


(2)刊行物
平成29年9月8日付取消理由(以下、「取消理由」という。)で通知した刊行物1[特開2005-287133号公報(甲第1号証)]には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「本発明は、ACサーボモータ等のモータの回転出力を利用して所定の動作を行わせるべく構成されたアクチュエータ装置に関し、またこのアクチュエータ装置を構成するモータユニット及びコントローラユニットに関する。」(【0001】)

b「これらの問題を改善するため、ドライバを一体に備えるモータに汎用のコントローラを外付けして使用する構成とすることも考えられるが、この場合、アクチュエータに固有の特性パラメータを、使用するコントローラに個別に設定する作業が別途必要となり、十分な改善効果が期待できない上、パラメータの設定ミスによる動作不良の発生を引き起こす虞れがある。」(【0005】)

c「以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1及び図2は、本発明に係るアクチュエータ装置の縦断面図であり、図示の如くアクチュエータ装置は、駆動源としてのモータ1と、該モータ1に駆動電流を供給するモータ駆動回路2と共に、前記モータ1に固有の特性パラメータを記憶させてあるパラメータメモリ(記憶手段)3を、円筒形をなす共通のハウジングに内蔵してある本発明に係るモータユニット4と、該モータユニット4の外側に着脱可能に取り付けられる本発明に係るコントローラユニット5とを備えている。なお図1は、コントローラユニット5が取り付けられた状態を、図2は、コントローラユニット5が取り外された状態を夫々示している。
モータ1は、モータユニット4のハウジングの内部に、両端壁の軸受を介して同軸上での回転自在に支持されたモータ軸11と、該モータ軸11の中途部に一体回転可能に固着されたロータ12と、該ロータ12の外側を囲繞するようにハウジングの内周面に固設されたステータ13とを備えるACサーボモータであり、ステータ13への通電により生じるロータ12の回転を、ハウジングの一側端壁から外部に突出するモータ軸11の軸端部に回転出力として取り出す構成となっている。」(【0016】-【0017】)

d「モータ駆動回路2は、ロータ12及びステータ13の一側に面してモータユニット4の内部に固設され、中央部にモータ軸11の挿通が可能な貫通孔を備える中抜き円板形の駆動基板20に実装されており、電源ケーブル23を介して外部電源に接続されている。また駆動基板20には、ロータ12の回転位置を検出するための3つのホール素子21,21,21が、ロータ12の回転域に面して取り付けられ、また、回転検出回路22及びパラメータメモリ3が実装されており、更に、前記コントローラユニット5との接続のための信号コネクタ6aが、ハウジングに設けた開口に面して設けられている。
なおモータ駆動回路2は、巻線コイル14,14…への通電を行わせるためのデバイスとして、パワートランジスタ、パワーFET等のパワー素子24を備えているが、このパワー素子24は、動作中に発熱を伴うため、駆動基板20に対向するモータユニット4のハウジング内面に取り付けてあり、この取り付け位置に対応するように前記ハウジングの外面に放熱フィン25を固設して、パワー素子24の発熱を外部に放熱するようにしてある。
ホール素子21,21,21は、図3に示す如く、ステータ13を構成する3つの相隣するステータ鉄心15,15,15の間に、各60°の位相差を有して配設されており、ロータ12を構成する4極のマグネットの通過に応じて生じる夫々のホール素子21,21,21の出力変化は、ステータ13に対するロータ12の相対回転位置を示す信号としてモータ駆動回路2に与えられて、巻線コイル14,14…への通電電流の切換えに用いられている。」(【0020】-【0022】)

e「回転検出回路22は、モータ軸11に固設されたスリット円板26に面して取り付けられている。図5は、スリット円板26と回転検出回路22との位置関係を示す説明図である。モータ軸11と共に回転するスリット円板26は、周方向に等配された複数のスリット孔 26a,26a…を備えており、回転検出回路22は、これらのスリット孔 26a,26a…の回転周上に所定の間隔を隔てて並ぶ2つの光検出器 22a,22bを備えている。
図6は、光検出器 22a,22bの出力例を示す図である。光検出器 22a,22bは、前記スリット孔 26a,26a…の通過時にハイレベルとなるパルス信号を、図示の如く、所定の位相差を有して出力すべく位置決めされている。回転検出回路22は、このような光検出器 22a,22bの出力を、後述の如くコントローラユニット5に出力すべくなしてあり、コントローラユニット5 においては、両出力の遅れ又は進みによりモータ軸11の正、逆転の判別がなされ、また夫々の出力中のパルス数のカウントによりモータ軸11の回転速度が求められる。なお図6(a)は、モータ軸11の正転時における光検出器 22a,22bの出力例を、図6(b)は、モータ軸11の逆転時における光検出器 22a,22bの出力例を夫々示してある。」(【0024】-【0025】)

f「コントローラユニット5は、板状のケーシング内部のコントローラ基板50上に実装されたモータ制御回路51及び通信制御回路52を備えている。またコントローラ基板51には、ケーブルコネクタ54が設けられ、更に、駆動基板20の信号コネクタ6aと対をなす信号コネクタ6bが、外部に突出するように設けられており、コントローラユニット5は、図2中に白抜矢符にて示す如く、モータユニット4のハウジングに設けた開口に信号コネクタ6bを差し込み、駆動基板20の信号コネクタ6aに接続することにより、図1に示す如く、モータユニット4の外側に沿うように取り付けて用いられる。またこのとき、ケーブルコネクタ54は、シリアルバスケーブル53を介して図示しない上位コントローラに接続される。
モータ制御回路51は、後述の如く、モータ駆動回路2に与える電流指令値を演算する演算回路であり、この演算は、信号コネクタ6a,6bを介してパラメータメモリ3から与えられる前述した特性パラメータを用い、同じく回転検出回路22から与えられるエンコーダ信号を用いて行われ、演算により得られた電流指令値は、信号コネクタ6a,6bを介してモータ駆動回路2に与えられる。
通信制御回路52は、上位コントローラからシリアルバスケーブル53を介して与えられるアクチュエータ動作コマンドを受信し、モータ制御回路51にモータ制御コマンドを出力する動作をなし、モータ制御回路51における電流指令値の演算は、通信制御回路52から与えられるモータ制御コマンドに従って行われる。なお、モータ制御回路51及び通信制御回路52への電源供給も、信号コネクタ6a,6bを介して行われる。図7は、信号コネクタ6a,6bの仕様例を示す図表である。
図8は、本発明に係るアクチュエータ装置の制御系の構成を示すブロック図である。上位コントローラからコントローラユニット5に与えられるアクチュエータ動作コマンドは、前述の如く、シリアルバスケーブル53を介して通信制御回路52にシリアルデータ信号として入力される。シリアルバスとしては、USB(Universal Serial Bus)2.0を採用することができ、通信制御回路52は、バスのプロトコルに合わせた信号処理を行い、モータ制御コマンド又はパラメータ設定コマンドを作成してモータ制御回路51に出力する。」(【0027】-【0030】)

g「モータ制御回路51には、通信制御回路52からモータ制御コマンド又はパラメータ設定コマンドが入力されると共に、信号コネクタ6a,6bを介して、モータユニット4内部の回転位置検出回路22からのエンコーダ信号が与えられ、またパラメータメモリ3から、モータ1の特性パラメータ及び回転位置検出回路22に関するパラメータ情報が与えられる。モータ制御回路51は、前記エンコーダ信号の処理によりモータ1の回転状態を認識し、この認識結果と前記モータ制御コマンドとの誤差に応じて電流指令値を演算し、この電流指令値を信号コネクタ6a,6bを介してモータ駆動回路2に出力する。」(【0031】)

h「図10は、モータ1の回転速度の制御を可能としたモータ制御回路51の構成の一例を示すブロック線図であり、図11は、ロードされるパラメータ情報の一例を示す図表である。」(【0037】)

i「以上の如く本発明に係るアクチュエータ装置においては、駆動源としてのモータ1、及び該モータ1に駆動電流を供給するモータ駆動回路2と共に、前記モータ1の制御に必要な特性パラメータを記憶させてあるパラメータメモリ3を備えるモータユニット4に、コントローラユニット5を着脱自在に取り付け、信号コネクタ6a,6bを介してモータ駆動回路2及びパラメータメモリ3との信号の授受が可能に接続したから、仕様の異なるモータ1を駆動源として備えるモータユニット4に対して共通のコントローラユニット5を用い、パラメータメモリ3からロードされる特性パラメータを設定することにより専用のコントローラユニット5とすることができ、経済面において優位性が得られる上、必要に応じてコントローラユニット5の取り換えが可能であり、再利用性及び拡張性の面でも優れたものとなる。」(【0040】)

上記d及び図面を参照すると、モータは負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータであり、インナーロータ型DCブラシレスモー夕に対して負荷の逆側に駆動基板が設けられている。
上記f及び図面を参照すると、電流指令値は信号コネクタを介してモータ駆動回路へ入力されている。
上記f、g及び図面を参照すると、モータ制御コマンドはインナーロータ型DCブラシレスモータの駆動に用いられる。
上記f、g及び図面を参照すると、上位コントローラからコントローラユニットにアクチュエータ動作コマンドが与えられ、コントローラユニットの通信制御回路がプロトコルに合わせた処理を行ってモータ制御回路にモータ制御コマンドを出力しているから、上位コントローラからモータ制御回路にモータ制御コマンドが与えられている。

上記記載事項からみて、刊行物1には、
「負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータと、前記インナーロータ型DCブラシレスモー夕に対して前記負荷の逆側に設けられた駆動基板とを有するモータユニットであって、
前記インナーロータ型DCブラシレスモー夕のモータ軸に固設されたスリット円板と、
前記スリット円板に面して取り付けられたエンコーダ信号を出力する回転検出回路と、
前記モータユニットの外側に着脱可能に取り付けられたコントローラユニットに備えられたモータ制御回路が出力する電流指令値が与えられる前記インナ一ロータ型DCブラシレスモータに駆動電流を供給するモータ駆動回路と、
前記駆動基板に設けられた信号コネクタと、を備え、
前記エンコーダ信号は前記信号コネクタを介して前記モータ制御回路へ与えられ、
上位コントローラから前記モータ制御回路に与えられるインナーロータ型DCブラシレスモータの駆動に用いられるモータ制御コマンドと前記エンコーダ信号に応じて前記モータ制御回路が出力する前記電流指令値は、前記信号コネクタを介して前記モータ駆動回路へ入力される前記モータユニットと、前記エンコーダ信号と前記上位コントローラから与えられるインナーロータ型DCブラシレスモータの駆動に用いられる前記モータ制御コマンドとに応じて、前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転速度を制御する前記電流指令値を出力する、前記モータユニットの外側に着脱可能に取り付けられた前記コントローラユニットに備えられた前記モータ制御回路と、を有するアクチュエータ装置。」
との発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されている。

取消理由で通知した刊行物2[特開平11-178380号公報(参考資料2)]には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「第2発明に係るモータ速度制御装置によれば、角速度変動が無視できるDCモータ又はブラシレスDCモータを用いて、設定パルス列のパルス単位でモータの回転角度を制御することができ、ステッピングモータと同様の機能を実現できるモータ速度制御装置を、高価なCPU及びD/A変換器等を使用せずに安価に提供することができる。」(【0081】)

取消理由で通知した刊行物3[特表2007-503198号公報(甲第2号証)]には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「発電機の出力は、負荷に直接接続するか、或いはパワーエレクトロニクス回路を用いて調整することもできる。任意選択的に、所与の機械は、異なる運転期間中に機械的エネルギーの発生源又はシンクとして機能する機械的発生源に接続される。従って、該機械は、例えば4象限運転の可能な電力調整回路による接続によって回生モータとして動作できる。」(【0004】)

取消理由で通知した刊行物4[特開2010-142015号公報(甲第3号証)]には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【請求項8】請求項1?請求項7のいずれかに記載のモータ制御装置を搭載した画像形成装置。」

「図5において24は設定された速度ターゲットとモータから得られた速度情報との差分を17により算出し、算出した値の大きさをモニタするための差分モニタ手段。25は速度検出手段で強磁性磁気抵抗効果型素子などにより、ロータに均等に着磁されたパターンを、ロータの回転スピードに応じたSin波形として読み取り、波形変換器により矩形のパルス波(例えば500パルス/回転)に変換した速度情報を制御手段へ出力する。速度検出手段にはその他にロータ近傍に形成したFGパターンによる回転速度検出や、円周に沿って等間隔にスリットのある円盤と、フォトインタラプタ(光透過型センサ)から構成されるエンコーダなどが用いられる。」(【0038】)

取消理由で通知した刊行物5[特開平4-360159号公報(甲第4号証)]には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「具体的には感光体1の非印字領域端面に歯車13を取付け、その歯車13とモータ回転シャフト14の歯車14′によって駆動モータ6の駆動力を感光体1に伝えている。」(【0006】)

取消理由で通知した刊行物6[特開2010-74887号公報(甲第5号証)]には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置全体の概略構成を示す図である。図1において、本実施形態に係る画像形成装置は、プリンタ部1、スキャナ部2、自動原稿給送部3、給紙部4から構成され、プリンタ部1が給紙部4の上に、スキャナ部2がプリンタ部1の上に自動原稿給送部3がスキャナ部2の上に設けられ、プリンタ機能、複写機能、ファクシミリ機能などの複数の機能を備えたデジタル複合機MFPとして構成されている。」(【0019】)


(3)本件発明と刊行物1発明との対比・判断
(3-1)本件発明1と刊行物1発明との対比・判断
刊行物1発明の「駆動基板」、「モータユニット」、「モータ軸」、「スリット円板」、「回転検出回路」、「コントローラユニットに備えられたモータ制御回路」又は「モータ制御回路」、「電流指令値」、「モータ駆動回路」、「信号コネクタ」、「アクチュエータ装置」は、本件発明1の「基板」、「駆動装置」、「回転軸」、「エンコーダディスク」、「センサ」、「制御手段」、「駆動信号」、「ドライバ回路」、「入出力部」、「モータシステム」に相当する。

刊行物1発明の「前記インナーロータ型DCブラシレスモー夕のモータ軸に固設されたスリット円板」は、本件発明1の「前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転軸と同軸に取り付けられたエンコーダディスク」に相当する。
刊行物1発明の「前記スリット円板に面して取り付けられたエンコーダ信号を出力する回転検出回路」は、本件発明1の「前記エンコーダディスクの回転に応じてエンコーダ信号を出力するセンサ」に相当する。

刊行物1発明の「前記モータユニットの外側に着脱可能に取り付けられたコントローラユニットに備えられたモータ制御回路が出力する電流指令値が与えられる前記インナ一ロータ型DCブラシレスモータに駆動電流を供給するモータ駆動回路」と、本件発明1の「前記駆動装置の外部の制御手段から出力されるPWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路」は、「前記駆動装置の外部の制御手段から出力される駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路」の点で一致する。
刊行物1発明の「上位コントローラから前記モータ制御回路に与えられるインナーロータ型DCブラシレスモータの駆動に用いられるモータ制御コマンドと前記エンコーダ信号に応じて前記モータ制御回路が出力する前記電流指令値は、前記信号コネクタを介して前記モータ駆動回路へ入力される前記モータユニット」と、本件発明1の「前記制御手段の外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力部を介してドライバ回路へ入力される駆動装置」は、「前記制御手段の外部から入力されたモータの駆動に用いられる制御信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力部を介してドライバ回路へ入力される駆動装置」の点で一致する。
刊行物1発明の「前記エンコーダ信号と前記上位コントローラから与えられるインナーロータ型DCブラシレスモータの駆動に用いられる前記モータ制御コマンドとに応じて、前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転速度を制御する前記電流指令値を出力する、前記モータユニットの外側に着脱可能に取り付けられた前記コントローラユニットに備えられた前記モータ制御回路」と、本件発明1の「前記エンコーダ信号と外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号とに基づいて、少なくとも前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転位置を制御する前記駆動信号を出力する、前記駆動装置外部の前記制御手段」は、「前記エンコーダ信号と外部から入力されたモータの駆動に用いられる制御信号とに基づいて、少なくとも前記インナーロータ型DCブラシレスモータを制御する前記駆動信号を出力する、前記駆動装置外部の前記制御手段」の点で一致する。

したがって、両者は、
「負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータと、前記インナーロータ型DCブラシレスモー夕に対して前記負荷の逆側に設けられた基板とを有する駆動装置であって、
前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転軸と同軸に取り付けられたエンコーダディスクと、
前記エンコーダディスクの回転に応じてエンコーダ信号を出力するセンサと、
前記駆動装置の外部の制御手段から出力される駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路と、
前記基板に設けられた入出力部と、を備え、
前記エンコーダ信号は前記入出力部を介して前記制御手段へ出力され、
前記制御手段の外部から入力されたモータの駆動に用いられる制御信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力部を介してドライバ回路へ入力される駆動装置と、前記エンコーダ信号と外部から入力されたモータの駆動に用いられる制御信号とに基づいて、少なくとも前記インナーロータ型DCブラシレスモータを制御する前記駆動信号を出力する、前記駆動装置外部の前記制御手段と、を有するモータシステム。」
の点で一致し 、以下の点で相違している。

〔相違点1〕
駆動装置の外部の制御手段から出力される駆動信号に関し、本件発明1は、PWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号であるのに対し、刊行物1発明は、電流指令値である点。
〔相違点2〕
駆動装置の制御手段の外部から入力されたモータの駆動に用いられる制御信号に関し、本件発明1は、ステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号であるのに対し、刊行物1発明は、インナーロータ型DCブラシレスモータの駆動に用いられるモータ制御コマンドである点。
〔相違点3〕
制御手段に関し、本件発明1は、ステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号を用いて回転位置を制御するのに対し、刊行物1発明は、インナーロータ型DCブラシレスモータの駆動に用いられるモータ制御コマンドを用いて回転速度を制御する点。

相違点1?3について
ステッピングモータをブラシレスDCモータに置き換えることは回転電機の分野において周知の事項(刊行物2【0081】参照)である。そして、ステッピングモータの駆動にPWM信号を用いることは回転電機の分野において周知の事項(必要があれば特開2002-84793号公報等参照)であり、又、ブラシレスDCモータのステッピング駆動のためにPWM信号を用いることは回転電機の分野において周知の事項(必要があれば特開昭64-1498号公報、特開2000-162941号公報(第3実施形態)等参照。)であり、ステッピングモータを駆動するには、移動パルス数の信号と回転方向信号が必要であることは、特許権者平成29年3月27日付意見書第3頁に記載があるように技術常識であるから、刊行物1記載のインナーロータ型DCブラシレスモータをステッピングモータと同様の機能を実現できるように、PWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号をドライバ回路に与え、移動パルス数の信号と回転方向信号を用いて制御することは当業者が容易に考えることができたものである。
ステッピングモータはパルス数に応じた回転角で回転するものである(乙第1号証)から、ステッピングモータ駆動を採用すれば、当然に回転位置を制御するものとなる。
そして、本件発明1の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明1は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-2)本件発明2と刊行物1発明との対比・判断
本件発明2と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明2はインナーロータ型DCブラシレスモータのエンコーダディスクが負荷と逆側に取り付けられる点で相違する。
しかし、刊行物1にはエンコーダディスクがインナーロータ型DCブラシレスモータを介して負荷と逆側に取り付けられる構成(図1参照)が示されており、又、モータ制御装置は通常負荷駆動側とモータを挟んで反対側に設置されるものであるから、刊行物1発明においてエンコーダディスクをインナーロータ型DCブラシレスモータを介して負荷と逆側に取り付けることは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明2の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明2は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-3)本件発明3と刊行物1発明との対比・判断
本件発明3と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明3は基板にはドライバ回路が設けられる点で相違する。
しかし、刊行物1には基板にドライバ回路が設けられる構成(d参照)が示されており、又、ドライバ回路は通常基板に設けられているから、刊行物1発明において基板にドライバ回路を設けることは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明3の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明3は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-4)本件発明4と刊行物1発明との対比・判断
本件発明4は、入出力部はコネクタである構成を有しているが、刊行物1発明も入出力部はコネクタである構成を有している。
そして、本件発明4の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明4は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-5)本件発明5と刊行物1発明との対比・判断
本件発明5と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明5はドライバ回路はホール信号と駆動信号とに基づいて電流を供給する点で相違する。
しかし、刊行物1発明は、駆動装置の外部の制御手段から出力される駆動信号に基づいてインナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路を有しており、しかも、刊行物1には、ドライバ回路であるモータ駆動回路には制御のためにホール素子の出力信号と駆動信号が与えられる構成(d、図8参照)が示されているから、刊行物1発明においてドライバ回路がインナーロータ型DCブラシレスモータの回転に伴って発生するホール信号と駆動信号とに基づいて電流を供給することは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明5の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明5は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-6)本件発明6と刊行物1発明との対比・判断
本件発明6と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明6はドライバ回路は4象限ドライバである点で相違する。 しかし、ドライバ回路として4象限ドライバを用いて回生を行うことは、例えば刊行物3(【0004】)にもみられるように周知の事項であるから、刊行物1発明においてドライバ回路として4象限ドライバを採用することは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明6の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明6は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-7)本件発明7と刊行物1発明との対比・判断
本件発明7と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明7は、エンコーダ信号のパルス数は12×Nパルス(Nは自然数)又は50×Nパルスである点で相違する。
しかし、エンコーダ信号のパルス数が12×Nパルス(Nは自然数)又は50×Nパルスであることはエンコーダにおいて周知の事項[刊行物1図5にスリット数24個(=12×2)のエンコーダディスクが、刊行物4に500パルス/回転(=50×10)のエンコーダディスクが示されている。]であるから、刊行物1発明においてエンコーダディスク1周でセンサが出力するエンコーダ信号のパルス数を12×Nパルス(Nは自然数)、又は50×Nパルスとすることは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明7の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明7は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-8)本件発明8と刊行物1発明との対比・判断
本件発明8と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明8は、軸受けが玉軸受けである点で相違する。
しかし、刊行物1の図1には軸受けに玉軸受けを用いることが示されているから、刊行物1発明においてインナーロータ型DCブラシレスモータの軸受けを玉軸受けとすることは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明8の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明8は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-9)本件発明9と刊行物1発明との対比・判断
本件発明9と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明9は、モータの回転軸にギヤの歯を直接設ける点で相違する。
しかし、モータの回転軸にギヤの歯を直接設けることは、例えば刊行物5(【0006】)にもみられるように周知の事項であるから、刊行物1発明において回転軸にギヤの歯を直接設けることは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明9の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明9は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-10)本件発明11と刊行物1発明との対比・判断
本件発明11と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明11はエンコーダ信号が回転軸の回転量と回転方向を検知可能な信号である点で相違する。
しかし、エンコーダは本来回転軸の回転量と回転方向を検知可能な機能を有しており、しかも、刊行物1には、エンコーダ信号が回転軸の回転量と回転方向を検知可能な信号である点(e参照)が示されているから、実質的な相違点ではない。
そして、本件発明11の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明11は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-11)本件発明12と刊行物1発明との対比・判断
本件発明12と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明12はモータシステムを有する画像形成装置である点で相違する。
しかし、モータシステムの用途を画像形成装置とすることは、例えば刊行物4(【請求項8】)、刊行物6(【0019】)にもみられるように周知の事項であるから、刊行物1発明において用途を画像形成装置用とすることは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明12の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明12は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3-12)本件発明13と刊行物1発明との対比・判断
本件発明13と刊行物1発明を対比すると本件発明1と同じ一致点・相違点に加え、本件発明13はモータシステムを有する画像形成装置の周辺装置である点で相違する。
しかし、モータシステムの用途を画像形成装置の周辺装置とすることは、例えば刊行物6(【0019】)にもみられるように周知の事項であるから、刊行物1発明において用途を画像形成装置の周辺装置用とすることは当業者であれば適宜選択し得ることと認められる。
そして、本件発明13の作用効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本件発明13は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(4)むすび
以上のとおり、本件発明1?9、11?13は、刊行物1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1?9、11?13の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明1?9、11?13に係る特許は、特許法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものである。
また、請求項10に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項10に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立については、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
駆動装置、画像形成装置および画像形成装置の周辺装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、画像形成装置の駆動装置および画像形成装置の周辺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、パスル制御により位置・速度・Hold制御が可能なステッピングモータが、これらの制御が必要なレジスト部、紙搬送部、読取部等の多くの部位で駆動力源として用いられてきた。
【0003】
このステッピングモータは、パスル制御により位置・速度・Hold制御が可能であるという利点はあるが、負荷変動や経時変化による脱調を考慮して必要以上のトルクを出力して使用する必要が有るため、エネルギー効率が悪く、また、実負荷異常の高出力モータが必要になることから、必然的に大きく重いモータとなってしまうという欠点がある。
【0004】
一方、DCモータは、負荷に応じた電流が流れるため高効率であるという利点があるが、モータ単体ではステッピングモータのような位置・Hold制御ができないという欠点がある。
【0005】
DCモータを制御する技術としては、所定のデューティから成るパルス信号を出力するパルス幅変調手段と、パルス幅変調手段から出力されたパルス信号に基づきブリッジ回路を介して所定方向に回転する直流モータと、直流モータの回転停止を維持するに当たり、直流モータの回転の有無およびその回転方向をエンコーダの出力に基づき検出し、この検出結果に基づいてパルス幅変調手段におけるパルス信号のデューティを補正する制御を行う制御手段とを備えたモータ制御装置により、DCモータにて位置・速度・Hold制御を可能とする制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ステッピングモータと同等の加減速時の追従性を得ることができず、また、モータの耐久性について考慮されていないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、高効率であるとともにステッピングモータと同等の加減速時の追従性やモータの耐久性を得ることができる駆動装置、画像形成装置および画像形成装置の周辺装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るモータシステムは、負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータと、前記インナーロータ型DCブラシレスモータに対して前記負荷の逆側に設けられた基板とを有する駆動装置であって、前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転軸と同軸に取り付けられたエンコーダディスクと、前記エンコーダディスクの回転に応じてエンコーダ信号を出力するセンサと、前記駆動装置の外部の制御手段から出力されるPWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路と、前記基板に設けられた入出力部と、を備え、前記エンコーダ信号は前記入出力部を介して前記制御手段へ出力され、前記制御手段の外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力部を介してドライバ回路へ入力される駆動装置と、前記エンコーダ信号と外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号とに基づいて、少なくとも前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転位置を制御する前記駆動信号を出力する、前記駆動装置外部の前記制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高効率であるとともにステッピングモータと同等の加減速時の追従性やモータの耐久性を得ることができる駆動装置、画像形成装置および画像形成装置の周辺装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のプロセスカートリッジの構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置のローラ駆動部の概略構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置のローラ駆動部の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置の駆動装置の概略構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置の駆動装置の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置の構成を示す図である。
【図9】(a)、(b)は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置のモータの構成を示す斜視図である。
【図10】(a)、(b)は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置のエンコーダディスクの構成を示す斜視図である。
【図11】(a)、(b)は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置のモータの他の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置のモータの他の構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
まず、構成について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0014】
この画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、それぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」と記す。)の可視像たるトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kを備えている。
【0015】
これらは、画像形成剤として、互いに異なる色のYトナー、Mトナー、Cトナー、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kは、それぞれ画像形成装置100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっており、寿命到達時に交換される。以下、Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Yを例に挙げて説明する。
【0016】
図2は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のプロセスカートリッジの構成を示す図であり、Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Yを示す概略構成図である。
このプロセスカートリッジ6Yは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備えている。
【0017】
上記帯電装置4Yは、図示しないドラム駆動機構によって図中時計回りに回転せしめられる感光体ドラム1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体ドラム1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0018】
ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体ドラム1Y表面に残留したトナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体ドラム1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体ドラム1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
【0019】
他のプロセスカートリッジ6M、6C、6Kにおいても、同様にして各感光体ドラム1M、1C、1K上にそれぞれMトナー像、Cトナー像、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト8上に中間転写される。
また、図1に示したように、各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの図中下方には、露光装置7が配設されている。
【0020】
潜像形成手段たる露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kにおけるそれぞれの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに照射して露光する。
【0021】
この露光により、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上にそれぞれY静電潜像、M静電潜像、C静電潜像、K静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体ドラムに照射するものである。
また、図1において、露光装置7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27、レジストローラ対28等を有する給紙手段が配設されている。
【0022】
紙収容カセット26は、記録材としての用紙99を複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の用紙99には給紙ローラ27を当接させている。給紙ローラ27が図示しない駆動機構によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の用紙99がレジストローラ対28のローラ間に向けて給紙される。
【0023】
レジストローラ対28は、用紙99を挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、用紙99を適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
また、図1において、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの図中上方には、被転写材である中間転写体としての中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる中間転写ユニット15が配設されている。
【0024】
この中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8のほか、ベルトクリーニング装置10等を備えている。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14等も備えている。
【0025】
中間転写ベルト8は、これら7つのローラに張架されながら、少なくともいずれか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス極性)の転写バイアスを印加する方式のものである。
【0026】
1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY、M、C、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上のYトナー像、Mトナー像、Cトナー像、Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、「4色トナー像」という。)が形成される。
【0027】
また、上記中間転写ユニット15には、中間転写ベルト8が感光体ドラム1Kに接触した状態で、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して接離するための図示しない接離機構も設けられている。
【0028】
上記2次転写バックアップローラ12は、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色トナー像は、この2次転写ニップで用紙99に転写される。そして、用紙99の白色と相まって、フルカラートナー像となる。
【0029】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、用紙99に転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、上記ベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。2次転写ニップにおいては、用紙99が互いに順方向に表面移動する中間転写ベルト8と2次転写ローラ19との間に挟まれて、上記レジストローラ対28側とは反対方向に搬送される。
【0030】
2次転写ニップから送り出された用紙99は、画像形成装置100本体に対して着脱自在なユニットとしての定着ユニット20のローラ間を通過する際に、熱と圧力と影響を受けて、表面のフルカラートナー像が定着される。その後、用紙99は、排紙ローラ対29のローラ間を経て機外へと排出される。
【0031】
画像形成装置100本体の筺体の上面には、スタック部30が形成されており、上記排紙ローラ対29によって機外に排出された用紙99は、このスタック部30に順次スタックされる。
【0032】
上記中間転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部30との間には、ボトル支持部31が配設されている。このボトル支持部31には、各色トナーをそれぞれ収容する剤収容器としてのトナーボトル32Y、32M、32C、32Kがセットされている。
【0033】
各トナーボトル32Y、32M、32C、32K内の各色トナーは、それぞれ図示しないトナー供給装置により、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの現像装置に適宜補給される。各トナーボトル32Y、32M、32C、32Kは、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kとは独立して画像形成装置100本体に対して脱着可能である。
【0034】
図3は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置の構成を示す図である。なお、この原稿搬送装置は、被読取原稿を固定された読取装置部に搬送し、所定の速度で搬送しながら画像読取を行う、被読取原稿処理装置(以下ADF)に適用されるものである。
【0035】
以下その基本的な構成、動作、作用について説明する。
【0036】
原稿搬送装置150は、コピー装置、MFP等として構成された画像形成装置100の一部としてその上部に配置されるものであり、被読取原稿束をセットする原稿セット部A、セットされた原稿束から1枚毎原稿を分離して給送する分離給送部B、給送された原稿を一次、突当整合する働きと、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部C、搬送される原稿をターンさせて、原稿面を読取り側(下方)に向けて搬送するターン部D、原稿の表面画像を、コンタクトガラスの下方より読取を行わせる第1読取搬送部E、読取後の原稿の裏面画像を読取る第2読取搬送部F、表裏の読取が完了した原稿を機外に排出する排紙部G、読取完了後の原稿を積載保持するスタック部Hを備える。
【0037】
また原稿搬送装置150は、図示しないが、これら搬送動作の駆動を行う駆動部であるピックアップモータ、給紙モータ、読取モータ、排紙モータ、底板上昇モータ、更に、一連の動作を制御するADF制御部を備えている。
【0038】
原稿テーブル42は、可動原稿テーブル43を備えて構成され、読取られる用紙99がセットされる。用紙99は原稿テーブル42に原稿面を上向きの状態でセットされる。原稿テーブル42には、図示しないサイドガイドが備えられ、用紙99の幅方向を搬送方向と直行する方向に位置する。
【0039】
セットされた用紙99はセットフィラー44、セットセンサ45により検知され、本体制御部に送信される。
更に原稿テーブル42には、原稿長さ検知センサ70、71(反射型センサまたは、用紙99枚にても検知可能なアクチエーター・タイプのセンサが用いられる)が配置され、原稿長さ検知センサ70、71は、原稿の搬送方向長さを判定する。このとき原稿長さ検知センサ70、71は少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能に配置される。
【0040】
可動原稿テーブル43は、底板上昇モータにより矢印a、b方向に上下動可能となっている。可動原稿テーブル43に原稿がセットされたことをセットフィラー44、セットセンサ45により検知すると、底板上昇モータを正転させて原稿束の最上面がピックアップローラ47と接触するように可動原稿テーブル43を上昇させる。
ピックアップローラ47は、ピックアップモータによりカム機構で矢印c、dの方向に動作すると共に、可動原稿テーブル43が上昇し可動原稿テーブル43上の原稿上面により押されてc方向に上がりテーブル上昇検知センサ48により上限を検知可能となっている。
本体操作部のプリントキーが押下され、本体制御部からI/Fを介してADF制御部に原稿給紙信号が送信されると、ピックアップローラ7は給紙モータの正転によりコロが回転駆動し、原稿テーブル42上の数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップする。回転方向は、最上位の原稿を給紙口に搬送する方向である。
給紙ベルト49は給紙モータの正転により給紙方向に駆動され、リバースローラ50は給紙モータの正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の原稿とその下の原稿を分離して、最上位の原稿のみを給紙できる構成となっている。
【0041】
即ち、リバースローラ50は給紙ベルト49と所定圧で接し、給紙ベルト49と直接接しているとき、または用紙99枚を介して接している状態では給紙ベルト49の回転に連れられて反時計方向に連れ回り、原稿が2枚以上給紙ベルト49とリバースローラ50の間に侵入したときは連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されており、リバースローラ50は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをし、重送が防止される。
給紙ベルト49とリバースローラ50との作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト49によって更に送られ、突き当てセンサ51によって先端が検知され更に進んで停止しているプルアウトローラ52に突き当たる、その後前出の突き当てセンサ51の検知から所定量の定められた距離だけ送られ、結果的には、プルアウトローラ52に所定量撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータを停止させることにより、給紙ベルト49の駆動が停止する。
【0042】
このとき、ピックアップモータを回転させることでピックアップローラ47を原稿上面から退避させ、原稿を給紙ベルト49の搬送力のみで送ることにより、原稿先端は、プルアウトローラ52の上下ローラ対のニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。 プルアウトローラ52は、前記スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿を中間ローラ54まで搬送するものであり、給紙モータの逆転により駆動される。なお、給紙モータ逆転時、プルアウトローラ52と中間ローラ54は駆動されるが、ピックアップローラ47と給紙ベルト49は駆動されていない。
【0043】
原稿幅センサ53は、奥行き方向に複数個並べられ、プルアウトローラ52により搬送された原稿の搬送方向に直行する幅方向のサイズを検知する。また、原稿の搬送方向の長さは原稿の先端後端を突き当てセンサ51で読取ることによりモータパルスから原稿の長さを検知する。
プルアウトローラ52および中間ローラ54の駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第1読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定して原稿を読取部へ送り込む処理時間の短縮が図られている。
【0044】
原稿の先端が読取入口センサ55により検出されると、読取入口ローラ56の上下ローラ対のニップに原稿先端が進入前に、原稿搬送速度を読取搬送速度と同速にするために減速を開始すると同時に、読取モータを正転駆動して読取入口ローラ56、読取出口ローラ63、CIS出口ローラ67を駆動する。
【0045】
原稿の先端をレジストセンサ57にて検知すると、所定の搬送距離をかけて減速し、図示していない第1読取部が配置される読取位置60の手前で一時停止すると共に、本体制御部にI/Fを介してレジスト停止信号を送信する。
【0046】
続いて本体制御部より読取り開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿は、読取位置に原稿先端が到達するまでに所定の搬送速度に立ち上がるように増速されて搬送される。
【0047】
読取モータのパルスカウントにより検出された原稿先端が読取部に到達するタイミングで、本体制御部に対して第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が、第1読取部を原稿後端が抜けるまで送信される。
【0048】
片面原稿の読取の場合には、第1読取搬送部Eを通過した原稿は第2読取部65を経て排紙部Gへ搬送される。この際、排紙センサ64により原稿の先端を検知すると、排紙モータを正転駆動して排紙ローラ68を反時計方向に回転させる。
【0049】
また、排紙センサ64による原稿の先端検知からの排紙モータパルスカウントにより、原稿後端が排紙ローラ68の上下ローラ対のニップから抜ける直前に排紙モータ駆動速度を減速させて、排紙トレイ69上に排出される原稿が飛び出さないように制御される。
【0050】
両面原稿読取りの場合には、排紙センサ64にて原稿先端を検知してから読取りモータのパルスカウントにより第2読取部65に原稿先端が到達するタイミングでCCDラインセンサで構成される第2読取部65に対してADF制御部から副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が読取部を原稿後端が抜けるまで送信される。
【0051】
第2読取部65表面は、原稿に付着した糊上のものが読取ライン上に転写することによる縦すじを防止するため、コーティング処理が施されコーティング部材が配置されている。
【0052】
このコーティング部材は、第2読取部65の読取面に汚れ分解機能を有するコーティング材、または、親水性を有するコーティング材を塗布して形成したものである。これらのコーティング材は公知のものを使用することができる。
【0053】
図4、図5は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置のローラ駆動部の概略構成を示す図である。
【0054】
図4、図5において、駆動装置151は、図3に示す原稿搬送装置150の何れかの駆動ローラを駆動するモータおよびその制御回路等からなるものである。
【0055】
駆動装置151において、駆動源であるモータ101は、インナーロータ型DCブラシレスモータとして構成されており、出力軸124に固定されたギヤ102a、減速ギヤ102b、102c、102d、102e、102fを介し、ローラ104を回転させるようになっている。このローラ104は、例えば、図3における原稿搬送装置150の読取入口ローラ56、読取出口ローラ63、またはCIS出口ローラ67である。なお、ローラ104は、例えば、図1における画像形成装置100本体の給紙ローラ27等であってもよい。
【0056】
また、エンコーダディスク123は、周方向に所定の角度間隔で所定数のスリットを有し、出力軸124に対して垂直かつ同心にて固定され、出力軸124の回転とともに回転するようになっている。
【0057】
光学センサであるフォトセンサ122は、エンコーダディスク123を挟み込む状態でモータ101に取り付けられ、エンコーダディスク123のスリットにより光路の伝達・遮断がなされ、パルス信号を制御回路121へと伝達するようになっている。
【0058】
制御回路121では、フォトセンサ122からのパルス信号を計測することで、モータ101の回転量および回転速度を導出し、ローラ104の位置および速度情報から、用紙99の位置および速度情報を得ることが可能となる。
【0059】
なお、フォトセンサ122は、2組の発光素子と受光素子を有し、各々のパルス信号の位相差が所定量(本実施の形態ではπ/2[rad])となるように配置されている。
【0060】
制御回路121は、図示しない目標駆動信号生成装置およびフォトセンサ122からの信号に基づいて、モータ101の動作信号を生成し、ドライバ回路125に動作信号を送り、その後、ドライバ回路125から動作信号に合った電流をモータ101に流すことで、ローラ104を駆動させる。
【0061】
図6は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置の駆動装置の概略構成を示す図である。
【0062】
図6において、駆動装置151は、図3に示す原稿搬送装置150の何れかの駆動ローラを駆動するモータおよびその制御回路等からなるものである。
【0063】
駆動装置151において、ローラ対103a、103bに挟まれながら用紙99(図3参照)が搬送されていく。このローラ対103a、103bは、例えば、図3における原稿搬送装置150の読取入口ローラ56、読取出口ローラ63、またはCIS出口ローラ67である。なお、ローラ104は、例えば、図1における画像形成装置100本体の給紙ローラ27等であってもよい。
【0064】
モータ101は、出力軸124に固定されたギヤ102a、減速ギヤ102b、102c、102d、102eを介し、ローラ対103a、103bを回転させる。
【0065】
また、エンコーダディスク123は、周方向に所定の角度間隔で所定数のスリットを有し、出力軸124に垂直かつ同心にて固定され、出力軸124の回転とともに回転する。
【0066】
光学センサであるフォトセンサ122は、エンコーダディスク123を挟み込む形でモータ101に取り付けられ、エンコーダディスク123のスリットにより光路の伝達・遮断がなされ、フォトセンサ122の受光素子にてパルス信号となって制御回路121へと伝達する。
【0067】
制御回路121では、このパルス信号を計測することで、モータ101の回転量および回転速度を導出し、ローラ対103a、103bの位置および速度情報から、用紙99の位置および速度情報を得ることが可能となる。
【0068】
なお、フォトセンサ122は、2組の発光素子と受光素子を有し、各々のパルス信号位相差が所定量(本実施の形態ではπ/2[rad])となるように配置されている。
【0069】
制御回路121は、図示しない目標駆動信号生成装置およびフォトセンサ122からの信号に基づいて、モータ101の動作信号を生成し、ドライバ回路125に動作信号を送り、その後、ドライバ回路125から動作信号に合った電流をモータ101に流すことで、ローラ対103a、103bを駆動させる。
【0070】
図7は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の原稿搬送装置の駆動装置の概略構成を示す図である。
【0071】
図7において、駆動装置151は、図3に示す原稿搬送装置150の何れかの駆動ローラを駆動するモータおよびその制御回路等からなるものである。
【0072】
駆動装置151において、ローラ対103a、103bに挟まれながら用紙99(図3参照)が搬送されていく。このローラ対103a、103bは、例えば、図3における原稿搬送装置150の読取入口ローラ56、読取出口ローラ63、またはCIS出口ローラ67である。なお、ローラ104は、例えば、図1における画像形成装置100本体の給紙ローラ27等であってもよい。
【0073】
モータ101は、出力軸124に固定されたギヤ102a、減速ギヤ102b、102c、102d、102eを介し、ローラ対103a、103bを回転させる。
【0074】
また、エンコーダディスク123は周方向に所定の角度間隔で所定数のスリットを有し、出力軸124とカップリング126を介してモータ101の軸に対して垂直かつ同心にて固定され、出力軸124の回転とともに回転する。
【0075】
光学センサであるフォトセンサ122は、エンコーダディスク123を挟み込む形で図示しない固定部材に取り付けられ、エンコーダディスク123のスリットの無い箇所にて光の反射がおき、フォトセンサ122の受光素子にて光を検知する、この検知の有無でパルス信号を生成し、このパルス信号を制御回路121へと伝達する。
【0076】
制御回路121では、このパルス信号を計測することで、モータ101の回転量および回転速度を導出し、ローラ対103a、103bの位置および速度情報から、用紙99の位置および速度情報を得ることが可能となる。
【0077】
なお、フォトセンサ122は、2組の発光素子と受光素子を有し、各々のパルス信号位相差が所定量(本実施の形態ではπ/2[rad])となるように配置されている。
【0078】
制御回路121は、図示しない目標駆動信号生成装置およびフォトセンサ122からの信号に基づいて、モータ101の動作信号を生成し、ドライバ回路125に動作信号を送り、その後、ドライバ回路125は、制御回路121からの動作信号に合った電流をモータ101に流すことで、ローラ対103a、103bを駆動させる。
【0079】
図8は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置の構成を示す図である。
【0080】
図8において、駆動装置151は、図1に示す画像形成装置100または図3に示す原稿搬送装置150の何れかの駆動ローラを駆動するモータおよびその制御回路等からなるものである。
【0081】
駆動装置151において、外部の目標駆動信号生成手段130から、制御回路121内の目標位置・速度計算回路131に、回転方向信号と移動パルス数の信号が渡されるようになっている。すなわち、制御回路121内の目標位置・速度計算回路131は、外部の目標駆動信号生成手段130から、目標駆動信号としての回転方向信号と移動パルス数の信号を取得するようになっている。
【0082】
目標位置・速度計算回路131では、得られた情報と図示しないオシレータの時間情報から、目標位置および目標速度を導出し、位置・速度追従制御器133へと信号を伝達するようになっている。
【0083】
また、制御回路121内のモータ位置・速度計算回路132では、2チャンネルフォトセンサとして構成されたフォトセンサ122にて、エンコーダディスク123のパルスを計測している。フォトセンサ122およびエンコーダディスク123は、2チャンネルロータリエンコーダとして構成されている。
【0084】
エンコーダディスク123の1周当りのパルス数は、本実施の形態では100パルスとしている。エンコーダディスク123の1周当りのパルス数は、安価にモータ101の出力軸124の回転を検出するために、200パルス以下であることが好ましい。
【0085】
また、エンコーダディスク123の1周当りのパルス数は、ステッピングモータからインナーロータ型DCブラシレスモータへの置き換えを容易にするために、12×Nパルス(Nは自然数)または50×Nパルスとすることが好ましい。
【0086】
ここで、2チャンネルフォトセンサとして構成されたフォトセンサ122は、2組の発光素子と受光素子を有し、各々のパルス信号位相差が所定量(本実施の形態ではπ/2[rad])となるように配置されている。そのため、モータ位置・速度計算回路132ではその位相差を利用して、回転方向を知ることができる。
【0087】
モータ位置・速度計算回路132では、得られた情報と図示しないオシレータの時間情報から、モータ位置およびモータ速度を導出し、位置・速度追従制御器133へと信号を伝達するようになっている。
【0088】
位置・速度追従制御器133では、目標位置とモータ位置が一致するよう、また目標速度とモータ速度が一致するよう制御し、必要に応じてPWM出力、回転方向、スタートストップ、ブレーキといった信号をドライバ回路125へと送るようになっている。
【0089】
ドライバ回路125は、4象限ドライバとして構成されており、位置・速度追従制御器133から得られた信号およびホールIC135からのホール信号から、モータ電流およびPWM電圧を制御するようになっている。
【0090】
すなわち、駆動装置151においては、制御回路121が、目標駆動信号から単位時間当りの目標回転量ΔXtおよび目標総回転量Xtを求めるとともに、フォトセンサ122、エンコーダディスク123からの出力信号から単位時間当りのモータ回転量ΔXmおよびモータ総回転量Xmを求め、その後、目標総回転量Xtとモータ総回転量Xmが等しく、且つ、単位時間当りの目標回転量ΔXtと単位時間当りのモータ回転量ΔXmが等しくなるようドライバ回路125への信号を変化させることで、モータ101の回転速度を制御するようになっている。
【0091】
本実施の形態では、ドライバ回路125がモータ101に搭載されていない形式で示しているが、ドライバ回路125をモータ101上の基板に搭載した場合は、ハーネス本数の削減が図れるため、コストダウンにつながる。
【0092】
なお、本実施の形態では、目標駆動信号生成手段130は、駆動装置151には含まれず、画像形成装置100の図示しない本体制御部や原稿搬送装置150の図示しないADF制御部等に設けられているが、目標駆動信号生成手段130が駆動装置151内に含まれていてもよい。
【0093】
図9(a)、図9(b)は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のモータの構成を示す斜視図である。
【0094】
図9(a)、図9(b)に示すように、モータ101の出力軸124にギヤ102aを直接歯切りすることで、モータ初段の減速比を大きくすることができ、コストダウンも実現できるようになっている。
【0095】
また、出力軸124の駆動伝達部であるギヤ102aと逆側の端部には、エンコーダディスク123が同軸上に固定されている。また、フォトセンサ122は、モータ101に取り付けられ、ドライバ回路125(図8参照)もモータ101上の基板に取り付けられている。モータ101上の基板には、コネクタ127が取り付けられており、モータ信号とエンコーダ信号の入出力がなされるようになっている。
【0096】
また、モータ101の軸受け部には、玉軸受けが用いられており、これにより、焼結軸受け等を用いた場合と比較して摩擦力が低減するので、DCモータであるモータ101を用いることによる高効率化を更に高められるとともに、高耐久化を図ることができるようになっている。
【0097】
図10(a)、図10(b)は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のエンコーダディスクの構成を示す斜視図である。
【0098】
図10(a)は、エンコーダディスク123を溝穴タイプとしたものである。図10(a)において、エンコーダディスク123は、金属板にエッチング加工等により周方向(回転方向)に等間隔にスリット形状の穴123aを開けたものから構成されており、このようにエンコーダディスク123がスリット形状を有することにより、このスリット形状の穴の有無により、フォトセンサ122の受光素子が信号の有無を検知し、パルス検知をするようになっている。
【0099】
図10(b)は、エンコーダディスク123をフォトエッチングタイプとしたものである。図10(b)において、エンコーダディスク123は、フィルム上に黒インクでスリット123bを印刷したものから構成されており、この黒インクの有無により、フォトセンサ122の受光素子が信号の有無または光量の差異を検知し、パルス検知をするようになっている。図10(b)に示すエンコーダディスク123では、黒インクを用いているが、光量の差異(有無を含む)が検知できれば、黒インクでなくても構わない。
【0100】
なお、本実施の形態において、原稿搬送装置150は、画像形成装置100の一部として位置付けて取り扱っており、駆動装置151は、画像形成装置100の駆動ローラや画像形成装置100の一部としての原稿搬送装置150の駆動ローラを駆動するものとして説明しているが、原稿搬送装置150を画像形成装置100の周辺装置として位置付ける場合は、駆動装置151は、画像形成装置100の駆動ローラや画像形成装置100の周辺装置としての原稿搬送装置150の駆動ローラを駆動することとなる。
【0101】
図11(a)、図11(b)、図12は、変形例として、アウターロータ型ブラシレスモータにエンコーダを取付けた構成を示している。図11(a)、図11(b)にその前面および背面をそれぞれ示すように、アウターロータ型ブラシレスモータをモータ101として用いるとともに、透過型センサをフォトセンサ122として用いて、このフォトセンサ122によってモータ101のアウターロータに一体的に形成した穴123aを検知する構成としたり、図12に示すように、アウターロータ型ブラシレスモータをモータ101として用いるとともに、反射型センサをフォトセンサ122として用いて、このフォトセンサ122によってモータ101のアウターロータに一体的に形成したスリット123bを検知する構成としてもよい。なお、図11(a)、図11(b)、図12のようにモータ101のアウターロータに直接的に穴123aやスリット123b等のスケールを形成する他に、図10(a)、図10(b)に示すエンコーダディスク123をモータ101に取り付け、エンコーダディスク123をフォトセンサ122で読取るように構成してもよい。
【0102】
本実施の形態では、図4?図9に示すインナーロータ型DCブラシレスモータとして構成されたモータ101、または図11(a)、図11(b)、図12に示すアウターロータ型ブラシレスモータとして構成されたモータ101の回転量と回転方向を検知し、制御回路121によりこのモータ101の回転速度または回転位置の少なくとも一方を制御するようになっている。
【0103】
以上のように、本実施の形態に係る駆動装置151は、駆動源としてのインナーロータ型DCブラシレスモータであるモータ101と、モータ101の出力軸124の回転量と回転方向を検知するフォトセンサ122、エンコーダディスク123と、モータ101の回転を制御する制御回路121と、制御回路121からの信号に基づいてモータ101に駆動電力を供給するドライバ回路125と、を備える駆動装置151において、制御回路121が、外部から取得したモータ101の目標駆動信号と、フォトセンサ122、エンコーダディスク123から検出される検出信号とに基づいて、ドライバ回路125への信号(動作信号)を変化させることで、モータ101の回転速度または回転位置の少なくとも一方を制御することを特徴とする。
【0104】
この構成により、モータ101としてインナーロータ型DCブラシレスモータを用いることにより、ステッピングモータを用いる場合よりエネルギー効率を高く、モータ重量を削減することができるとともに、アウターロータ型と比較してイナーシャが小さくなることから、ステッピングモータと同等の加減速時間にすることができ、また、ブラシ付モータと比較して、ブラシ磨耗が無いので高耐久にすることができる。
【0105】
また、仮にフォトセンサ122やエンコーダディスク123等の回転検出手段がモータ101の出力軸124の回転ではなく被駆動体(ローラ104等)の回転を検知するように構成した場合には、モータ1回転当りの被駆動体の移動量等を考慮した制御設計をしなければならないという不都合や、伝達系や被駆動体の構成が変わったり別の箇所に同じ駆動装置を適用する場合に制御手段の設計を変えなければならないという不都合が生じるが、フォトセンサ122やエンコーダディスク123でモータ101の出力軸124の回転量と回転方向を検知する構成とすることにより、これらの不都合を回避でき、設計を容易にすることができる。
【0106】
したがって、高効率であるとともにステッピングモータと同等の加減速時の追従性やモータ101の耐久性を得ることができる。
【0107】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、制御回路121が、目標駆動信号から単位時間当りの目標回転量ΔXtおよび目標総回転量Xtを求めるとともに、フォトセンサ122、エンコーダディスク123からの出力信号から単位時間当りのモータ回転量ΔXmおよびモータ総回転量Xmを求め、その後、目標総回転量Xtとモータ総回転量Xmが等しく、且つ、単位時間当りの目標回転量ΔXtと単位時間当りのモータ回転量ΔXmが等しくなるようドライバ回路125への信号を変化させることで、モータ101の回転速度を制御することを特徴とする。
【0108】
この構成により、目標駆動信号とフォトセンサ122、エンコーダディスク123からの出力信号から、位置・速度情報を取得し、差分によってドライバ回路125への信号を変化することで、モータ101の位置・速度・Hold制御を行うことができる。
【0109】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、ドライバ回路125として4象限ドライバを用いることを特徴とする。
【0110】
この構成により、4象限ドライバを用いない場合は、回生電流を流すことができず、機械的な負荷等により自然に止まるのを待つしかなく、無制御状態になってしまうが、4象限ドライバを用いることにより、回生電流を流して停止させること、すなわち、制御しながらの停止を行うことができるので、モータ101をステッピングモータと同様に用いることができる。
【0111】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、回転検出手段としてエンコーダディスク123を有する2チャンネルロータリエンコーダを用い、エンコーダディスク123の1周当りのパルス数が200パルス以下であることを特徴とする。
【0112】
この構成により、2チャンネルロータリエンコーダを用いることで、回転方向を判別することができ、また、1周200パルス以下のエンコーダディスク123を用いることで、安価にモータ101の出力軸124の回転を検出することができる。
【0113】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、エンコーダディスク123の1周当りのパルス数が、12×Nパルス(Nは自然数)または50×Nパルスであることを特徴とする。
【0114】
この構成により、一般に、PMモータは2相励磁にて1周48パルス、HBモータは2相励磁にて1周200パルスとなっているが、エンコーダにて検出される値あるいはその2逓倍・4逓倍の値を用いることで、モータ101の1回転当りの検出パルス数を、ステッピングモータの1回転当りのパルス数に合わせ、ステッピングモータからインナーロータ型DCブラシレスモータであるモータ101への置換え時に目標駆動信号生成手段130の出力信号を変えずに、そのまま制御回路121への目標駆動信号に使用することができる。
【0115】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、回転検出手段であるエンコーダディスク123を、モータ101の出力軸124の駆動伝達部とは逆側の端部に固定したことを特徴とする。
【0116】
この構成により、エンコーダディスク123を、モータ101の出力軸124の駆動伝達部とは逆側の端部に固定したことにより、エンコーダディスク123が出力軸124と一体構成となり、ハーネス経路を簡略化でき、設置スペースを小さく、また、エンコーダディスク123の取付精度の向上による1回転偏芯成分を少なくすることができる。
【0117】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、エンコーダディスク123が金属製であることを特徴とする。
【0118】
この構成により、エンコーダディスク123を金属製とすることにより、プラスチックやフィルム等を用いる場合と比較し、モータ101等の熱源による発熱の影響を抑えることができる。
【0119】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、エンコーダディスク123はスリット形状を有し、フォトセンサ122は、スリット形状の有無を検知することで、移動量を検出することを特徴とする。
【0120】
この構成により、スリット形状を設けずに反射率の違いにより検知する場合や、透過率の違いにより検出する場合と比較し、エンコーダディスク123へのゴミの付着等による誤検知を減らすことができる。
【0121】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、モータ101の軸受け部に、玉軸受けを用いることを特徴とする。
【0122】
この構成により、玉軸受けを用いることにより、焼結軸受け等を用いた場合と比較して摩擦力が低減するので、DCモータであるモータ101を用いることによる高効率化を更に高められるとともに、高耐久化を図ることができる。
【0123】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、モータ101に、ホールIC135を用いることを特徴とする。
【0124】
この構成により、ホール素子は、一般にホール信号が低電圧のアナログ信号で出力されるためノイズに弱いという性質があり、ドライバ回路125がモータ101の近傍に配置されている場合はノイズの影響を受けにくいが、ドライバ回路125がモータ101から離れた場所にある場合にその経路の途中でノイズを拾ってしまって誤検知する可能性が高くなるが、ホールIC135を用いることにより、High・Lowのデジタル信号で出力されるため、ノイズに強くすることができる。
【0125】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、モータ101の出力軸124にギヤ102aの歯を直接設けることを特徴とする。
【0126】
この構成により、インナーロータ型DCブラシレスモータであるモータ101は、ステッピングモータと比較して高回転域で高効率となる特性があり、ステッピングモータより高回転で用いることが多いが、被駆動体までの減速比を多くするのに、出力軸124に圧入する等してギヤを設ける場合と比較して、1周の歯数を少なくすることにより減速比を多くすることができる。また、モータ101の出力軸124とは別にギヤを設ける場合と比較して、コストダウン・重量ダウンを図ることができる。
【0127】
また、本実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の駆動装置151を備えることを特徴とする。
【0128】
この構成により、駆動装置151を備える画像形成装置100において、高効率であるとともにステッピングモータと同等の加減速時の追従性やモータ101の耐久性を得ることができる。
【0129】
また、本実施の形態に係る原稿搬送装置150は、上記の駆動装置151を備えることを特徴とする。
【0130】
この構成により、駆動装置151を備える原稿搬送装置150において、高効率であるとともにステッピングモータと同等の加減速時の追従性やモータ101の耐久性を得ることができる。
【0131】
図13は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動装置の他の例を示す図である。
【0132】
図13において、駆動装置151は、図8で示す構成においてモータ101にモータFG136を設けるとともに制御回路121にPLL制御器137を設けた構成とすることにより、モータ101の回転条件によってFG信号に基づくPLL制御に切り替えることで回転安定度を高めるようにしたものである。なお、図8と同様の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0133】
制御回路121内のPLL制御器137では、モータ101に設けたモータFG(周波数ジェネレータ)136から出力されるFG信号から得られた情報と、図示しないオシレータの時間情報からモータ速度を導出し、目標速度とモータ速度が一致するよう制御し、必要に応じてPWM出力、回転方向、スタートストップ、ブレーキといった信号をドライバ回路125へと送るようになっている。
【0134】
図13の構成では、モータ101を制御方法として、モータFG136からのFG信号に基づいた制御も行うようになっている。このため、モータの回転安定度を高くすることが可能となる。
【0135】
また、制御回路121は、モータFG136から検出される検出信号に基づいてモータ101の回転速度を制御するときには、PLL制御を行うようになっている。このため、定常時(モータ101を速度変更することなく一定速度で回転させるとき)にPLL制御とすることで、回転安定度を高くすることが可能となる。
【0136】
また、制御回路121は、目標駆動信号から求められる目標速度変更時においては、フォトセンサ122とエンコーダディスク123から検出される検出信号に基づいてモータ101の回転速度を制御するとともに、一定速度回転時においては、モータFG136から検出される検出信号に基づいてモータ101の回転速度を制御するようになっている。
【0137】
このため、定常時にFG信号を用いることで速度安定性が特に求められる一定速度回転時に速度安定度を高くできる。また、速度変動時にはPI制御、PID制御などのFB制御を用いることで、加速時の立ち上げをなだらかにすることができる。これにより、PLL制御での立ち上げのように、急加速する場合と比較し、加速時、特に停止からの立ち上げ時におけるギヤへの衝撃負荷を低減することができ、ギヤ寿命を向上することが可能となる。
【0138】
また、制御回路121は、モータ101が500rpm以下の一定速度回転時であるときは、フォトセンサ122とエンコーダディスク123から検出される検出信号に基づいて、モータ101の回転速度を制御するようになっている。このため、定常時にPLL制御とすることで、回転安定度を高くすることが可能となる。
【0139】
また、フォトセンサ122とエンコーダディスク123が検知する1周当りの分解能をN1、モータFG136が検知する1周当りの分解能をN2、とすると、N1≧N2となっている。このため、モータFG136が検知する1周当りの分解能(N2)を小さくすることができるため、コストダウンが可能となる。
【0140】
また、フォトセンサ122とエンコーダディスク123が検知する1周当りの分解能をN1、モータFG136が検知する1周当りの分解能をN2、Aを自然数、とすると、N1=A・N2となっている。このため、N1=A・N2とすることで、制御回路121における変換が容易となり、制御プログラムの簡素化が可能となる。特に、N1=N2(A=1)の場合は変換を不要とすることができる。
【0141】
以上のように、本実施の形態に係る駆動装置151は、モータ101のFG信号を取得するモータFG136を更に備え、制御回路121が、外部から取得した目標駆動信号と、フォトセンサ122とエンコーダディスク123から検出される検出信号またはモータFG136から検出される検出信号の何れかに基づいて、ドライバ回路125への信号を変化させることで、モータ101の回転速度または回転位置の少なくとも一方を制御することを特徴とする。なお、本実施の形態におけるフォトセンサ122およびエンコーダディスク123は、本発明における回転検出手段を構成する。
【0142】
この構成により、FG信号を用いることでモータ101の回転安定度を高くすることが可能となる。
【0143】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、制御回路121が、モータFG136から検出される検出信号に基づいてモータ101の回転速度を制御するときには、PLL制御器137を用いたPLL制御を行うことを特徴とする。
【0144】
この構成により、定常時にPLL制御とすることで、回転安定度を高くすることが可能となる。
【0145】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、制御回路121が、目標駆動信号から求められる目標速度変更時においては、フォトセンサ122とエンコーダディスク123から検出される検出信号に基づいて、モータ101の回転速度を制御するとともに、一定速度回転時においては、モータFG136から検出される検出信号に基づいて、モータ101の回転速度を制御することを特徴とする。
【0146】
この構成により、定常時にFG信号を用いることで、速度安定性が特に求められる一定速度回転時に速度安定度を高くすることができる。また、速度変動時にはPI制御PID制御などのFB制御を用いることで、加速時の立ち上げをなだらかにすることができる。これにより、PLL制御での立ち上げのように、急加速する場合と比較し、加速時、特に停止からの立ち上げ時におけるギヤへの衝撃負荷を低減することができ、ギヤ寿命を向上することが可能となる。
【0147】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、制御回路121が、モータ101が500rpm以下の一定速度回転時であるときは、フォトセンサ122とエンコーダディスク123から検出される検出信号に基づいて、モータ101の回転速度を制御することを特徴とする。
【0148】
この構成により、定常時にPLL制御とすることで、回転安定度を高くすることが可能となる。
【0149】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、フォトセンサ122とエンコーダディスク123が検知する1周当りの分解能をN1、モータFG136が検知する1周当りの分解能をN2、とすると、N1≧N2であることを特徴とする。
【0150】
この構成により、モータFG136が検知する1周当りの分解能(N2)を小さくすることができるため、コストダウンが可能となる。
【0151】
また、本実施の形態に係る駆動装置151は、フォトセンサ122とエンコーダディスク123が検知する1周当りの分解能をN1、モータFG136が検知する1周当りの分解能をN2、Aを自然数、とすると、N1=A・N2であることを特徴とする。
【0152】
この構成により、N1=A・N2とすることで、制御回路121における変換が容易となり、制御プログラムの簡素化が可能となる。特に、N1=N2(A=1)の場合は変換を不要とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0153】
以上説明したように、本発明に係る駆動装置および画像形成装置は、高効率であるとともにステッピングモータと同等の加減速時の追従性やモータの耐久性を得ることができるという効果を有し、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、画像形成装置の駆動装置および画像形成装置の周辺装置として有用である。
【符号の説明】
【0154】
100 画像形成装置
101 モータ
102a ギヤ
102b、102c、102d、102e、102f 減速ギヤ
103a、103b ローラ対
104 ローラ
121 制御回路(制御手段)
122 フォトセンサ
123 エンコーダディスク
123a 穴
123b スリット
124 出力軸
125 ドライバ回路(ドライバ)
126 カップリング
127 コネクタ
130 目標駆動信号生成手段
131 目標位置・速度計算回路
132 モータ位置・速度計算回路
133 位置・速度追従制御器
135 ホールIC
136 モータFG(FG信号検出手段)
137 PLL制御器
150 原稿搬送装置(画像形成装置の周辺装置)
151 駆動装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0155】
【特許文献1】特許第3503429号公報
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を駆動するインナーロータ型DCブラシレスモータと、前記インナーロータ型DCブラシレスモータに対して前記負荷の逆側に設けられた基板とを有する駆動装置であって、
前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転軸と同軸に取り付けられたエンコーダディスクと、
前記エンコーダディスクの回転に応じてエンコーダ信号を出力するセンサと、 前記駆動装置の外部の制御手段から出力されるPWM信号及び回転方向信号を含む駆動信号に基づいて前記インナーロータ型DCブラシレスモータに電流を供給するドライバ回路と、
前記基板に設けられた入出力部と、を備え、
前記エンコーダ信号は前記入出力部を介して前記制御手段へ出力され、
前記制御手段の外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号と前記エンコーダ信号とに基づいて前記制御手段から出力された前記駆動信号は、前記入出力蔀を介してドライバ回路へ入力される駆動装置と、前記エンコーダ信号と外部から入力されたステッピングモータの駆動に用いられる移動パルス数の信号及び回転方向信号とに基づいて、少なくとも前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転位置を制御する前記駆動信号を出力する、前記駆動装置外部の前記制御手段と、を有するモータシステム。
【請求項2】
前記エンコーダディスクは、前記インナーロータ型DCブラシレスモータを介して前記負荷と逆側に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
【請求項3】
前記基板には前記ドライバ回路が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のモータシステム。
【請求項4】
前記入出力部はコネクタであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項5】
前記ドライバ回路は、前記インナーロータ型DCブラシレスモータの回転に伴って発生するホール信号と前記駆動信号とに基づいて前記電流を供給することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項6】
前記ドライバ回路は4象限ドライバであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項7】
前記エンコーダディスク1周で前記センサが出力する前記エンコーダ信号のパルス数は、12×Nパルス(Nは自然数)、又は50×Nパルスであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項8】
前記インナーロータ型DCブラシレスモータの軸受けに玉軸受けを用いることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項9】
前記回転軸にギヤの歯を直接設けたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のモータシステム。
【請求項10】削除
【請求項11】
前記エンコーダ信号は、前記回転軸の回転量と回転方向を検知可能な信号であることを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
【請求項12】
請求項1又は11に記載のモータシステムを有する画像形成装置。
【請求項13】
請求項1又は11に記載のモータシステムを有する画像形成装置の周辺装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-06-25 
出願番号 特願2011-97262(P2011-97262)
審決分類 P 1 651・ 121- ZAA (H02P)
最終処分 取消  
前審関与審査官 高橋 祐介  
特許庁審判長 久保 竜一
特許庁審判官 堀川 一郎
矢島 伸一
登録日 2016-03-18 
登録番号 特許第5899648号(P5899648)
権利者 株式会社リコー
発明の名称 駆動装置、画像形成装置および画像形成装置の周辺装置  
代理人 有我 軍一郎  
代理人 有我 軍一郎  
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