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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 A23F 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A23F |
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管理番号 | 1344826 |
異議申立番号 | 異議2017-700693 |
総通号数 | 227 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-11-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-07-13 |
確定日 | 2018-08-31 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6061314号発明「加温販売用容器詰ジャスミン茶飲料及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6061314号の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、3、4について、訂正することを認める。 特許第6061314号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6061314号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成28年12月22日付けでその特許権の設定登録がされ、平成29年1月18日にその特許掲載公報が発行され、その後、平成29年7月13日に特許異議申立人羽川照江より全請求項に対して特許異議の申立てがなされた。 当審において、平成29年9月12日付けで取消理由を通知したところ、特許権者より、平成29年10月2日に意見書及び訂正請求書が提出がされ、特許異議申立人より、平成29年11月16日に意見書が提出された。 その後、当審において、平成30年1月26日付けで取消理由(決定の予告)を通知したところ、特許権者より、平成30年2月20日に意見書及び訂正請求書が提出され、特許異議申立人より、平成30年4月5日に意見書が提出された。 また、その後平成30年6月18日付けで訂正拒絶理由を通知したところ、特許権者より平成30年7月11日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。 なお、平成29年10月2日付けの訂正請求書に係る訂正の請求は、本件訂正の請求により、取り下げられたものとみなす(特許法第120条の5第7項)。 第2 本件訂正の適否 1.訂正請求書の補正の適否 (1)補正事項の内容 平成30年7月11日付け手続補正書による補正は、平成30年2月20日の訂正請求(以下、「原訂正請求」という。)の訂正事項5(平成30年6月18日付け訂正拒絶理由通知書で指摘した、訂正明細書の段落【0050】の【表1】を削除する訂正)を削除するものである。 (2)補正の適否 上記補正は、原訂正請求における訂正事項5を削除するものであるから、原訂正請求の要旨を変更するものではない。 (3)小括 したがって、平成30年7月11日の訂正請求書の補正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第131条の2第1項の規定に適合する。 2.本件訂正の内容 上記1.のとおり、原訂正請求の補正は認められるから、補正後の訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下(1)ないし(4)のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「飲料液中の塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下であることを特徴とするジャスミン茶飲料。」とあるのを、 「飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下であることを特徴とするジャスミン茶飲料。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3に 「飲料液中の塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の製造方法。」とあるのを、 「飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の製造方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム: [分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4に 「飲料液中の塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.03以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の香味調整方法。」とあるのを、 「飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.03以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の香味調整方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]」に訂正する。 (4)訂正事項4 明細書の段落【0008】に 「すなわち本発明は、以下のとおりである。 (1)飲料液中の塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下であることを特徴とするジャスミン茶飲料。 (2)前記塩基性アミノ酸がアルギニンであることを特徴とする1に記載のジャスミン茶飲料。 (3)前記アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニンであることを特徴とする1又は2に記載のジャスミン茶飲料。 (4)飲料液中の没食子酸の含有量Cが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記没食子酸に対する前記飲料液中のカテキン類含有量D(mg/100g)の含有割合[D/C]が30.00以上110.00以下であることを特徴とする1?3いずれか1に記載のジャスミン茶飲料。 (5)飲料液中の塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の製造方法。 (6)飲料液中の塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の香味調整方法。」とあるのを、 「すなわち本発明は、以下のとおりである。 (1)飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.03以上0.100以下であることを特徴とするジャスミン茶飲料。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] (2)飲料液中の没食子酸の含有量Cが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中の没食子酸に対する前記飲料液中のカテキン類含有量D(mg/100g)の含有割合[D/C]が30.00以上110.00以下であることを特徴とする1に記載のジャスミン茶飲料。 (3)飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の製造方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム: [分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] (4)飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の香味調整方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]」に訂正する。 3.訂正の適否 (1)訂正事項1?3について ア.訂正の目的の適否 訂正事項1?3に係る訂正は、いずれも「塩基性アミノ酸含有量A」を「アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量A」と特定し(以下、「訂正A」という。)、「アミノ酸合計含有量B」を「アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B」と特定する(以下、「訂正B」という。)と共に、塩基性アミノ酸含有量Aを「0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下」から「0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下」へとより狭い範囲に減縮するものである(以下、「訂正C」という。)。さらに、訂正事項1?3に係る訂正は、塩基性アミノ酸含有量A及びアミノ酸合計含有量Bの特定を「以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定される」として、 「<塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルターろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]」という具体的な高速液体クロマトグラフィーの定量分析条件を特定する(以下、「訂正D」という。)ものである。 よって、訂正事項1?3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、請求項1を引用する請求項2についても、同様に特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。 イ.新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正Aは、本件特許明細書の「本発明において塩基性アミノ酸は、塩基性アミノ酸であれば特に制限されず、必須アミノ酸及び非必須アミノ酸のいずれから選択されたものであってもよい。また本発明において、塩基性アミノ酸の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明に使用することが好ましい塩基性アミノ酸として、例えば、アルギニン、ヒスチジン、シトルリン、リジンや、γアミノ酪酸(GABA)などを挙げることができる。塩基性アミノ酸としてアルギニンを用いることが最も好ましい。塩基性アミノ酸含有量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することが可能である。」(段落【0014】)との記載に基づいて、塩基性アミノ酸の種類をアルギニンに特定するものであるから、訂正Aは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正Bは、本件特許明細書の「本発明において、アミノ酸合計含有量は、飲料液中に含まれるアミノ酸の総量を意味するものであり、アミノ酸とは特に制限はないが、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グルタミン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グリシン、セリンから選ばれる1種以上の遊離アミノ酸のほか、γアミノ酪酸(GABA)やテアニンのような、αアミノ酸以外のアミノ酸やアミノ酸誘導体をあげることができる。好ましくは、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニンを含むものである。アミノ酸合計含有量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することが可能である。」(段落【0015】)との記載に基づいて、アミノ酸の種類を特定するものであるから、訂正Bは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正Cの、塩基性アミノ酸含有量Aの「0.70mg/100g」の数値については、 「【表1】 」(段落【0050】) に、実施例4として塩基性アミノ酸量を0.70mg/100mlとするものが記載されており、当該訂正Cは、特許明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 更に、訂正Dについては、本件特許明細書に、 「(各成分の測定方法) 各成分の測定方法は、公知の方法を適宜用いることができるが、例えば、以下記載の測定方法を用いることができる。 <塩基性アミノ酸及びアミノ酸合計含有量> Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。 サンプル調整法: サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルターろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム: [分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]」(段落【0024】?段落【0025】) と記載されており、訂正Dは当該記載に基づいて、「塩基性アミノ酸含有量A」及び「アミノ酸合計含有量B」の定量分析条件を特定するものであるから、当該訂正Dは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ.一群の請求項に係る訂正について 訂正前の請求項1及び2について、請求項2は請求項1を引用しているものであり、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 また、訂正事項2及び3に係る訂正は、それぞれ請求項3及び4を訂正するものである。 よって、本件訂正請求は一群の請求項ごとになされたものである。 (2)訂正事項4について 訂正事項4に係る訂正は、訂正前の本件特許明細書の段落【0008】の記載が、訂正前の請求項1?4に係る発明の構成を記載したものであったのを、訂正事項1?3により、訂正後の請求項1?4に訂正されたことに伴って、当該段落【0008】の記載を、訂正後の請求項1?4に係る発明の構成に対応するように改めたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものにあたる。 そして、訂正事項4は上記のとおり適法になされた訂正事項1?3の訂正内容との整合をとるものであるから、新規事項を追加するものではなく、実質的に特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであって、同条第4項及び同条第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するものであるから、訂正後の請求項〔1、2〕、3、4について本件訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1.本件発明 前記第2のとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1ないし4に係る発明は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 以下、本件特許に係る発明を請求項の番号に従って、「本件発明1」等といい、総称して「本件発明」という。 【請求項1】 飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下であることを特徴とするジャスミン茶飲料。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] 【請求項2】 飲料液中の没食子酸の含有量Cが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中の没食子酸に対する前記飲料液中のカテキン類含有量D(mg/100g)の含有割合[D/C]が30.00以上110.00以下であることを特徴とする請求項1に記載のジャスミン茶飲料。 【請求項3】 飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の製造方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法)グラジエントプログラム: [分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] 【請求項4】 飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.03以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の香味調整方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルター ろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] 2.取消理由の概要 本件訂正前の本件特許に対して通知した取消理由は、概ね、次のとおりである。 なお、上記取消理由は、本件特許異議申立において申し立てられたすべての申立理由を含んでいる。 (1)取消理由1 本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備であるため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 すなわち、 ア.本件発明における「アミノ酸」と「塩基性アミノ酸」の定義が不明であり、実施例及び比較例にて含有量を求める対象のアミノ酸が明記されていないので、この実施例及び比較例の記載はどのアミノ酸を基にした結果であるのかが不明瞭であり、本件発明と発明の詳細な説明に記載された実施例が同じものか否かが不明であるから、特許請求の範囲に記載された発明が発明の詳細な説明に記載されたものであると認定できない。 イ.実施例における塩基性アミノ酸含有量Aが0.70mg/100mLを超えて、1.00mg/mLに近い値を有するジャスミン茶の効果を確認できておらず、その効果を確認できていない範囲のジャスミン茶は、僅かに数値が本発明の範囲を逸脱する比較例3及び4の効果を考慮すると、当業者が十分に効果を予測することができないものとなる。そしてこのような実施例の記載では、本件発明は、その効果の点において発明の詳細な説明に十分に記載されたものではない。 (2)取消理由2 本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 すなわち、本件発明における「アミノ酸」が具体的にどのアミノ酸を指しているのかが不明である。そして結果的に「アミノ酸合計含有量B」も不明である。 また、本件発明における「塩基性アミノ酸含有量A」の範囲がどの塩基性アミノ酸による値であるのか不明瞭である。 そして、「アミノ酸」と「塩基性アミノ酸」の範囲が共に不明瞭であるために、飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量Aの割合[A/B]が意味するところも不明瞭となる。 (3)取消理由3 本件特許は、発明の詳細な説明の記載が不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 すなわち、本件発明における塩基性アミノ酸とアミノ酸の定義が不明であり、かつ実施例及び比較例において測定したこれらのアミノ酸の種類も記載されていないので、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件発明を実施できるように記載されているとはいえない。 3.当審の判断 (1)取消理由1(36条6項1号)について ア.前記2.(1)ア.について 本件訂正により、塩基性アミノ酸含有量Aが「アルギニンの合計含有量である」点、及びアミノ酸合計含有量Bが「アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量である」点が特定された。 そして、アミノ酸の種類が特定されれば、当該アミノ酸を高速液体クロマトグラフィーにより定量分析するための標準試薬を特定することは当業者にとって可能であるから、請求項1,3,4に記載された定量分析条件に基づいて、当業者であれば塩基性アミノ酸の含有量及びアミノ酸の合計含有量を計測することができるといえる。 なお、本件訂正明細書の実施例及び比較例において、塩基性アミノ酸としてアルギニンを、またアミノ酸としてアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニンを用いた旨の明記はないが、段落【0014】に、最も好ましい塩基性アミノ酸としてアルギニンが、また段落【0015】に、好ましいアミノ酸としてアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニンが開示されている以上、実施例及び比較例に用いられる塩基性アミノ酸及びアミノ酸として、当業者であればこれら最も好ましい塩基性アミノ酸及び好ましいアミノ酸を選択したというべきであり、明記はなくとも,発明の詳細な説明には本件発明が実質的に記載されていたというべきである。 よって、前記2.(1)ア.の理由によっては、本件発明が発明の詳細な説明に記載されたものではないとはいえない。 イ.前記2.(1)イ.について 本件訂正により塩基性アミノ酸含有量Aの上限値が0.70mg/100gとなったことにより、明細書によりサポートされていない範囲の数値は削除された。 よって、前記2.(1)イ.の理由によっては、本件発明が発明の詳細な説明に記載されたものではないとはいえない。 (2)取消理由2(36条6項2号)について 本件訂正により、「塩基性アミノ酸含有量A」が、「アルギニンの合計含有量」であり、また、「アミノ酸合計含有量B」が、「アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量」であるとされ、「塩基性アミノ酸含有量A」及び「アミノ酸合計含有量B」の内容が明確となった。 そして、「塩基性アミノ酸含有量A」及び「アミノ酸合計含有量B」が明確になることにより、「アミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]」も明確となった。 よって、請求項1,3,4の記載が明確でないとはいえない。 (3)取消理由3(36条4項1号)について 本件発明における「塩基性アミノ酸」とは、アルギニンであり、「アミノ酸」とは、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニンであることが、本件訂正により特定された。 そして、当該特定の根拠は上記(1)で指摘したように本件特許明細書の段落【0014】及び【0015】に記載されている。 してみれば、本件明細書の発明の詳細な説明には、段落【0050】の【表1】の「塩基性アミノ酸量(A)」、「アミノ酸合計含有量(B)」及び「塩基性アミノ酸量/アミノ酸合計含有量[A/B]」が、それぞれ本件発明の「塩基性アミノ酸含有量A」、「アミノ酸合計含有量B」及び「アミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]」に相当するものとして記載されていたと認められる。 よって、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明を実施できる程度に記載されていたといえる。 (4)特許異議申立人の意見について 特許異議申立人は、本件訂正について、平成30年4月5日付け意見書(以下、「意見書」という。)において、「塩基性アミノ酸としてアルギニンを選択することと、その含有量の上限を0.70mg/100gとすることの組合せとする上記訂正請求書による訂正、及びA/Bの範囲を、アルギニンを基とする訂正は出願当初の明細書に記載の事項の範囲を超える訂正です。」(4頁3行?4頁6行参照。)と主張している。 当該主張は、塩基性アミノ酸が複数種含有されていることを前提とするものであるが、本件特許明細書の段落【0014】の「本発明のジャスミン茶飲料において、飲料液中の塩基性アミノ酸含有量A(mg/100g)は0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であることを特徴とする。これにより、苦渋みが抑制され、しつこくなくまろやかな風味を有したジャスミン茶を製造することができる。この特徴をより発揮させるためには、塩基性アミノ酸含有量を0.25mg/100g以上0.75mg/100g以下、好ましくは0.28mg/100g以上0.68mg/100g以下、さらに好ましくは0.32mg/100g以上0.50mg/100g以下に調整する。 本発明において塩基性アミノ酸は、塩基性アミノ酸であれば特に制限されず、必須アミノ酸及び非必須アミノ酸のいずれから選択されたものであってもよい。また本発明において、塩基性アミノ酸の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。」(審決注:下線は合議体が強調のため加入)の記載からすれば、本件発明には、塩基性アミノ酸として、アルギニン1種のみを含有するように調整したものも包含されることになるから、特許異議申立人の上記主張は採用できない。 また、同様にアミノ酸についても、本件特許明細書の段落【0015】の「本発明のジャスミン茶飲料において、飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)は2.5mg/100g以上15.0mg/100g以下であることを特徴とする。これにより、しつこすぎることなく、まろやかでほどよい旨みのある風味を有したジャスミン茶を製造することができる。この特徴をより発揮させるためには、アミノ酸合計含有量を5.0mg/100g以上12.0mg/100g以下、好ましくは6.0mg/100g以上11.0mg/100g以下、さらに好ましくは7.0mg/100g以上10.0mg/100g以下に調整する。 本発明において、アミノ酸合計含有量は、飲料液中に含まれるアミノ酸の総量を意味するものであり、アミノ酸とは特に制限はないが、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グルタミン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グリシン、セリンから選ばれる1種以上の遊離アミノ酸のほか、γアミノ酪酸(GABA)やテアニンのような、αアミノ酸以外のアミノ酸やアミノ酸誘導体をあげることができる。」(審決注:下線は合議体が強調のため加入)の記載からすれば、本件発明は、特許異議申立人が意見書で主張するように、アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン以外にも複数種含有されるものに限定されるとは認められないから、アミノ酸に、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン以外にも複数種含有されていることを前提とする、特許異議申立人の主張(意見書の4頁7行?6頁23行参照。)は採用できない。 4.むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件請求項1ないし4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 加温販売用容器詰ジャスミン茶飲料及びその製造方法 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、ジャスミンの花、特にマツリカ(茉莉花)の花の香気を着香した茶葉から抽出されるジャスミン茶の加温販売用容器詰飲料及びその製造方法、並びに前記ジャスミン茶飲料の香味改善方法に関する発明である。 【背景技術】 【0002】 近年、様々な清涼飲料製品が流通する中で、茶系飲料についても緑茶系飲料、紅茶飲料、烏龍茶飲料をはじめ、非常に多種多様な製品が上市されており、そのバリエーションは年々拡大しつつある。 その中において、茶葉のみから抽出された緑茶、紅茶、烏龍茶といった一般的な茶系飲料の他に、玄米、黒豆等の焙煎穀物を混合したもの、フルーツフレーバー等が着香されたフレーバーティー等も様々な種類のものが流通しており、フレーバーとしては各種フルーツの他、ジャスミン、キンモクセイ(桂花)、バラ等の花香を着香させた所謂花茶も多種存在し、中でもジャスミン茶は、今日ポピュラーなフレーバーティーの一つである。 【0003】 ジャスミン茶はその爽やかで甘い花香から、油分や香味野菜等の臭みを消し去り、口中をスッキリさせるという目的で、中国料理等、油分が多い食事の後、若しくは食事中に、熱水で抽出したものを熱いまま飲用する形態が一般的であった。 従って、花香が強く、且つ重厚なボディ感を有し、飲み応えがあるものが好まれていたが、近年においては、容器詰飲料の形態で提供されるジャスミン茶飲料も存在している。特に近年、冬季に加温販売するホット飲料が定番化しつつある。容器詰ジャスミン茶飲料をホット販売する場合、前述のような油分の多い食事と共に飲用するよりもむしろ、リラックスしたい時などに単独飲用目的で購入されるシーンが多い。このような単独飲用の場合、通常のジャスミン茶では味が重過ぎてしつこいと感じられ、飲用中に飽きを感じることがあった。 【0004】 冷温状態で飲用されるジャスミン茶飲料に関する知見としては、リナロール及びメチルアンスラニレイト、並びにベンジルアルコールを含有しそれらの割合を所定の範囲に調整したジャスミン茶飲料が提案されている(特許文献1)。 しかしながら、加温販売用の容器詰ジャスミン茶飲料に関しては、依然として改良の余地がある。 【0005】 【特許文献1】特開2010-000049号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、加温された温度範囲において飲用する場合に、重過ぎず、しつこくなく適度な濃度感と旨みを有し、すっきりとした甘味のある香味を有した、単独飲用に適した加温販売用容器詰飲料として好適なジャスミン茶飲料を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 前記課題を解決する手段として、飲料液中における塩基性アミノ酸含有量を所定範囲に調整しつつ、飲料液中のアミノ酸合計含有量(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合を所定の割合とすることによって、加温販売用容器詰飲料とした場合であってもしつこくなく適度な濃度感と旨みを有し、すっきりとした甘味のある香味を有した、単独飲用に適したジャスミン茶が得られる旨の知見を見い出した。 【0008】 すなわち本発明は、以下のとおりである。 (1)飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.03以上0.100以下であることを特徴とするジャスミン茶飲料。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルターろ 過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] (2)飲料液中の没食子酸の含有量Cが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中の没食子酸に対する前記飲料液中のカテキン類含有量D(mg/100g)の含有割合[D/C]が30.00以上110.00以下であることを特徴とする1に記載のジャスミン茶飲料。 (3)飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の製造方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルターろ 過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム: [分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] (4)飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の香味調整方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィル ターろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] 【発明の効果】 【0009】 本発明により、加温販売用容器詰飲料とした場合であってもしつこくなく適度な濃度感と旨みを有し、すっきりとした甘味のある良好な香味バランスを有した、単独飲用に好適なジャスミン茶飲料を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本願発明を実施する為の形態について、以下詳述するが、本願発明の技術的範囲から逸脱しない限りにおいて、以下に示す実施形態以外の公知手法を適宜選択することも可能である。 【0011】 (ジャスミン茶) ジャスミン茶に用いられるジャスミンは、モクセイ科ソケイ属(素馨属 Jasminum)の植物の総称であり、世界で約300種が知られている。例えばベニバナソケイ(Jasminum beesianum)、リュウキュウオウバイ(Jasminum floridum)、ソケイ(Jasminum grandiflorum)、ヒマラヤソケイ(Jasminum humile)、ウンナンソケイ(Jasminum humile var. glabrum)、キソケイ(Jasminum humile var. revolutum)、オウバイ(Jasminum nudiflorum)、マリアナソケイ(Jasminum marianum)、オウバイモドキ(Jasminum mesnyi)、ボルネオソケイ(Jasminum multiflorum)、シロソケイ(Jasminum nervosum var. elegans)、オオシロソケイ(Jasminum nitidum)、オウバイ(Jasminum nudiflorum)、シロモッコウ(Jasminum officinale)、ハゴロモジャスミン(Jasminum polyanthum)、マツリカ(茉莉花、Jasminum sambac)、オキナワソケイ(Jasminum sinense)などを挙げることができる。 本実施形態においてジャスミン茶とは、上述したモクセイ科ソケイ属様の香りを着香させた茶葉の総称を言う。ジャスミン茶の着香は、花蕾を茶葉と混合して着香させる方法が従来から行われているが、香料の添加による着香等、モクセイ科ソケイ属様の香りを着ける方法は問わないものとする。 原料茶葉としては、緑茶、烏龍茶(半発酵茶)、白茶(弱発酵茶)等を選択することができ、花弁が茶葉に混合された形態のものも含む。 【0012】 (茶葉原料) 本実施形態において原料茶葉は、本願発明の要件を満たす限りにおいて、形態や種類を特に制限するものではない。例えば、緑茶であれば、蒸し茶、煎茶、玉緑茶、釜炒り茶、焙じ茶、番茶、柳、中国緑茶等、不発酵茶に分類される茶を広く包含し、これら2種類以上をブレンドしたものも包含する。 更に、烏龍茶等の半発酵茶、並びに、白茶等の弱発酵茶についても同様であり、茶葉自体の形態は問わない。また、乾燥度合や焙煎強度についても問わない。 また、モクセイ科ソケイ属以外のフレーバーが別途添加されていてもよいが、本発明の効果を顕著に発揮させるためには、モクセイ科ソケイ属以外のフレーバーが着香されていないことが望ましい。 【0013】 (ジャスミン茶飲料) 本実施形態にあってジャスミン茶飲料は、上述のジャスミン茶を水、若しくは所定温度の熱水にて抽出して得られた抽出液を主成分とする液体をいい、容器に充填された容器詰飲料の形態である。 本発明のジャスミン茶飲料は加温販売用である。加温販売用とは、最終消費者への販売時において、加温器などの什器に収容されて40℃以上80℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下の温度帯で提供されることを想定して製造されているものをいう。 なお、前記抽出液は、複数種のジャスミン茶の抽出液を混合しても良く、また必要に応じて濃縮若しくは希釈しても良い。 【0014】 (塩基性アミノ酸) 本発明のジャスミン茶飲料において、飲料液中の塩基性アミノ酸含有量A(mg/100g)は0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であることを特徴とする。 これにより、苦渋みが抑制され、しつこくなくまろやかな風味を有したジャスミン茶を製造することができる。この特徴をより発揮させるためには、塩基性アミノ酸含有量を0.25mg/100g以上0.75mg/100g以下、好ましくは0.28mg/100g以上0.68mg/100g以下、さらに好ましくは0.32mg/100g以上0.50mg/100g以下に調整する。 本発明において塩基性アミノ酸は、塩基性アミノ酸であれば特に制限されず、必須アミノ酸及び非必須アミノ酸のいずれから選択されたものであってもよい。また本発明において、塩基性アミノ酸の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 本発明に使用することが好ましい塩基性アミノ酸として、例えば、アルギニン、ヒスチジン、シトルリン、リジンや、γアミノ酪酸(GABA)などを挙げることができる。塩基性アミノ酸としてアルギニンを用いることが最も好ましい。塩基性アミノ酸含有量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することが可能である。 塩基性アミノ酸含有量は、原料茶の摘採時期及び使用部位の選択並びに茶葉抽出時の抽出温度と、攪拌抽出にあっては時間と攪拌のタイミング、浸漬抽出においては浸漬時間により調整することができる。 【0015】 (アミノ酸合計含有量) 本発明のジャスミン茶飲料において、飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)は2.5mg/100g以上15.0mg/100g以下であることを特徴とする。これにより、しつこすぎることなく、まろやかでほどよい旨みのある風味を有したジャスミン茶を製造することができる。この特徴をより発揮させるためには、アミノ酸合計含有量を5.0mg/100g以上12.0mg/100g以下、好ましくは6.0mg/100g以上11.0mg/100g以下、さらに好ましくは7.0mg/100g以上10.0mg/100g以下に調整する。 本発明において、アミノ酸合計含有量は、飲料液中に含まれるアミノ酸の総量を意味するものであり、アミノ酸とは特に制限はないが、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グルタミン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グリシン、セリンから選ばれる1種以上の遊離アミノ酸のほか、γアミノ酪酸(GABA)やテアニンのような、αアミノ酸以外のアミノ酸やアミノ酸誘導体をあげることができる。 好ましくは、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニンを含むものである。アミノ酸合計含有量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することが可能である。 アミノ酸合計含有量は、原料茶の摘採期の選択、加熱加工(乾燥あるいは焙煎等)や粉砕等の形状加工により調整することができるほか、抽出時の温度と、攪拌抽出にあっては時間と攪拌のタイミング、浸漬抽出においては浸漬時間によっても調整が可能である。 【0016】 (飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する塩基性アミノ酸含有量A(mg/100g)の割合[A/B])本発明のジャスミン茶飲料において、塩基性アミノ酸含有量をA(mg/100g)とし、飲料液中のアミノ酸合計含有量(mg/100g)をBとした場合に、飲料液中のアミノ酸合計含有量Bに対する塩基性アミノ酸含有量Aの割合[A/B]が0.030以上0.100以下であることを特徴とする。これにより、適度な濃度感と旨みを有し、すっきりとした甘味のある香味バランスを有したジャスミン茶を製造することができる。この特徴をより発揮させるためには、[A/B]が0.032以上0.095以下、好ましくは0.034以上0.080以下、更に好ましくは0.036以上0.060以下に調整する。 【0017】 (没食子酸) 本発明のジャスミン茶飲料において、飲料液中の没食子酸含有量C(mg/100g)は0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であることを特徴とする。これにより、味わいの余韻が少な過ぎたり強過ぎたりすることなく、トップの香り立ちを邪魔しないジャスミン茶を製造することができる。この特徴をより発揮させるためには、没食子酸含有量を0.25mg/100g以上0.90mg/100g以下、好ましくは0.28mg/100g以上0.75mg/100g以下、0.30mg/100g以上0.52mg/100g以下に調整する。 没食子酸とは、3,4,5-トリヒドロキシベンゼンカルボン酸の慣用名である。没食子酸濃度を上記範囲に調整するには、単体を添加するか、または茶葉の萎凋(発酵)工程や殺青と呼ばれる加熱工程による調整のほか、焙煎加工や抽出条件で適宜調整することができる。没食子酸含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することが可能である。 【0018】 (カテキン類) 本発明において、カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種のカテキン類を含み、カテキン類の濃度とは、前記8種のカテキンの合計濃度をいう。 本実施形態にあっては、カテキン類の濃度D(mg/100g)は、18.0mg/100g以上60.0mg/100g以下であり、22.0mg/100g以上55.0mg/100g以下であることが望ましく、30.0mg/100g以上50.0mg/100g以下がより望ましく、32.0mg/100g以上48.0mg/100g以下がさらに望ましい。 カテキン類の合計濃度が18.0mg/100g未満であると、メリハリのない香り立ちとなり、60.0mg/100gを超過した場合は、トップの香り立ちはよくなるものの、味の強さが香り立ちを阻害してしまうことになる。 なお、カテキン類の濃度を調整するためには、抽出条件等、特に抽出温度・加水倍率のほか、ニーダー式抽出においては攪拌の強弱で調整することができる。 カテキン類は高温ほど抽出され易くなることから、抽出時に用いる湯の温度調整、抽出時間の長短によって、茶葉の量等によって抽出されるカテキン類の量を任意に調整することができる。 またカテキン類を直接添加して調整することも可能であるが、茶飲料としてのバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整することがより望ましい。カテキン類は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することが可能である。 【0019】 (飲料液中の没食子酸の含有量C(mg/100g)に対する前記飲料液中のカテキン類含有量D(mg/100g)の含有割合[D/C])本発明のジャスミン茶飲料において、没食子酸含有量をC(mg/100g)とし、飲料液中のカテキン類含有量(mg/100g)をDとした場合に、飲料液中の没食子酸に対する前記飲料液中のカテキン類含有量D(mg/100g)の含有割合[D/C]が30.00以上110.00以下であることを特徴とする。これにより、さらに香り立ちと程良い爽快感が向上されたジャスミン茶を製造することができる。この特徴をより発揮させるためには、[D/C]が47.00以上100.00以下、好ましくは53.00以上98.00以下、更に好ましくは61.00以上94.00以下に調整する。 【0020】 (pH) 本実施形態にあっては、飲料液のpHは、20℃で5.0?7.0であることが望ましく、5.0?6.4であるのがより望ましく、6.0?6.4であることが更に望ましい。pHは堀場製作所F-52型・卓上pHメーターにて測定することが可能である。 【0021】 (容器) 本発明のジャスミン茶飲料を充填する容器は、特に限定するものではなく、例えばプラスチック製ボトル(所謂ペットボトル)、スチール、アルミなどの金属缶、ビン、紙容器などを用いることができ、特に、ペットボトルなどの透明容器等を望ましく用いることができる。 【0022】 (製造方法) 本発明のジャスミン茶飲料は、例えば、茶葉原料の選定と共に、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出の条件を適宜調整するか、調合時に塩基性アミノ酸・アミノ酸類・没食子酸・カテキン類単体を適宜添加して、飲料液中の塩基性アミノ酸含有量Aを0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下、かつ前記飲料液中のアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]を0.030以上0.100以下に調整した後、容器への充填及び加熱殺菌処理を行うことにより製造することができる。但し、本発明のジャスミン茶飲料の製造方法は、これらに限定されるものではない。 【実施例】 【0023】 以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、以下に記載の実施例に限定されるものではない。 【0024】 (各成分の測定方法) 各成分の測定方法は、公知の方法を適宜用いることができるが、例えば、以下記載の測定方法を用いることができる。 【0025】 <塩基性アミノ酸及びアミノ酸合計含有量> Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。 サンプル調整法: サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルターろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nmエミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法)グラジエントプログラム: [分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] 【0026】 <没食子酸> 没食子酸量は、Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。 カラム:wakosil 3C18HG φ3.0×150mm(和光純薬工業株式会社製) カラム温度:35℃ 移動相:A相 5%アセトニトリル(リン酸0.1%含有) :B相 50%アセトニトリル(リン酸0.1%含有) 流速:0.43mL/min 注入量:5μL 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:UV272nm グラジエントプログラム: [分析開始?7.0分(A相:B相=96:4)]→ [7.1分?12.0分(A相:B相=10:90 流速0.60mL/min)]→[12.1分?19.0分(A相:B相=96:4 流速0.60mL/min)]→[19.1分?21.0分(A相:B相=96:4)] 【0027】 <カテキン類> カテキン類(カテキン8種合計)量は、Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。 カラム:wakosil 3C18HG φ3.0×100mm(和光純薬工業株式会社製) カラム温度:35℃ 移動相:A相 5%アセトニトリル(リン酸0.1%含有) :B相 50%アセトニトリル(リン酸0.1%含有) 流速:0.43mL/min 注入量:5μL 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:UV272nm グラジエントプログラム: [分析開始?4.67分(A相:B相=96:4)]→[16.67分(A相:B相=83:17)]→[20.67分?25.37分(A相:B相=72:28)]→[25.47分?28.29分(A相:B相=10:90 流速0.60mL/min)]→[28.39分?32.06分(A相:B相=96:4 流速0.60mL/min)]→[32.14分?33.69分(A相:B相=96:4)] 【0028】 <ジャスミン茶飲料の製法> 本実施例中に示すジャスミン茶飲料の実施例試料並びに比較例試料の調整方法につき以下説明する。 本実施例に示す各試料(実施例1乃至実施例6、比較例1乃至比較例5)は、以下に示すジャスミン茶抽出液A乃至Dを単独若しくは所定比率で混合し、更に必要に応じ公知の成分調整手段により、飲用液中の各成分の含有量を調整することで製造した。 【0029】 (抽出液A) ジャスミン茶茶葉(秋茶)50gを1500mlの温水(40℃)に投入し、直後に30秒攪拌した後静置した。投入より5分後、80メッシュストレーナーでろ過した。25℃まで冷却した後、イオン交換水で6000mLに定容し、抽出液Aとした。 【0030】 (抽出液B) ジャスミン茶茶葉(秋茶)50gを1500mlの温水(65℃)に投入し、直後に30秒攪拌した後静置した。投入より3分後、80メッシュストレーナーでろ過した。25℃まで冷却した後、カテキン製剤(商品名:Nテアフラン90S 株式会社伊藤園 製)を終濃度450ppmとなるように添加し、イオン交換水で6000mLに定容し、抽出液Bとした。 【0031】 (抽出液C) ジャスミン茶茶葉(春茶を摘採1時間以内に殺青した茶葉を使用)25gを1500mlの温水(70℃)に投入し、直後に20秒、2分後に5秒攪拌後静置した。投入より10分後、80メッシュストレーナーでろ過した。25℃まで冷却した後、イオン交換水で6000mLに定容し、抽出液Cとした。 【0032】 (抽出液D) ジャスミン茶茶葉(春茶・芽部)20%及びジャスミン茶茶葉(春茶、萎凋あり)80%からなるジャスミン茶茶葉25gを1500mlの温水(70℃)に投入し、直後に20秒攪拌後静置した。投入より10分後、80メッシュストレーナーでろ過した。25℃まで冷却した後、イオン交換水で6000mLに定容し、抽出液Dとした。 【0033】 前記の各抽出液を用いて、実施例1乃至6及び比較例1乃至5を以下の通り調整した。各試料はアスコルビン酸を400ppm相当量添加した後に、重曹を添加して殺菌後のpHが6.2になるように調整し、イオン交換水を加えてメスアップした。 その液を、耐熱性の缶容器に充填して蓋をし、30秒間転倒殺菌後にレトルト殺菌(121℃、9分)を行い、20℃まで冷却して作成した。 【0034】 調整後の各試料の分析結果を表1に示す。 【0035】 (実施例1) 抽出液Aを20%、抽出液Bを47%、抽出液Dを33%混合した。 【0036】 (実施例2) 抽出液Aを45%、抽出液Bを25%、抽出液Dを30%混合した。 【0037】 (実施例3) 抽出液Aを5%、抽出液Bを25%、抽出液Cを40%、抽出液Dを30%混合した。 【0038】 (実施例4) ジャスミン茶春茶50gを、1500mlの温水(80℃)で5分間浸漬抽出し、80メッシュストレーナーでろ過した。25℃まで冷却した後、イオン交換水で6000mLに定容した。 【0039】 (実施例5) ジャスミン茶春茶10g、ジャスミン茶秋茶40gをブレンドして粉砕(6号篩にて切断加工)し、1500mlの温水(70℃)に投入し、直後に30秒攪拌した後静置した。投入より5分間抽出し、80メッシュストレーナーでろ過した。25℃まで冷却した後、イオン交換水で6000mLに定容した。 【0040】 (実施例6) ジャスミン茶春茶25g、ジャスミン茶秋茶25gをブレンドして、2000mlの温水(65℃)に投入し、直後に10秒攪拌した後静置した。投入より30分間抽出し、80メッシュストレーナーでろ過した。25℃まで冷却した後、イオン交換水で6000mLに定容した。 【0041】 (比較例1) 抽出液Aを質量100%使用した。 【0042】 (比較例2) 抽出液Bを質量100%使用した。 【0043】 (比較例3) 抽出液Cを質量100%使用した。 【0044】 (比較例4) 抽出液Dを質量100%使用した。 【0045】 (比較例5) 抽出液Bを90%、抽出液Dを10%混合した。 【0046】 <官能評価> 前記の通りに調整された実施例1乃至6、及び比較例1乃至5について、缶のまま60℃の恒温槽にて2時間加温した。飲用直前に恒温槽より取り出し、開缶して飲用に供し、以下の評価項目により官能評価試験を実施した。 官能評価試験は、熟練した10人のパネラーに委託して行い、各項目を以下に示す基準で評価したものである。その結果を表1に示す。ここで、表中の記号は、パネラーによる評価(2点満点)を行い、その平均値を算出し、凡例に従い記号としたものである。また商品としての適性を、各評価項目に基づく総合評価として、各項目の平均値を算出し、凡例に従い記号として記載した。 【0047】 <評価項目> 「味わい」とは、口に含んだ時のジャスミン茶における甘味とジャスミン香のバランスを指す。 「キレ」とは飲み込んだ後に口に残る味の余韻の持続性を指す。 「清涼感」とは口に含んだ瞬間に鼻に抜けるジャスミン香による爽快感の事を指す。 「香りの持続性」とは液を飲み込んだ後に鼻腔に感じられるジャスミン香の持続性のことを指す。 【0048】 <評価項目・記号凡例> ×:0.0 ? 0.5点 : 非常に物足りない、または非常に強くバランスに欠く △:0.5 ? 1.0点 : 強度・バランスがやや優れ、飲用に適する ●:1.0 ? 1.5点 : 強度・バランスに優れ、飲用に好適である ○:1.5 ? 2.0点 : 強度・バランスに特に優れ、飲用にさらに好適である ◎:2.0 : 強度・バランスに最も優れ、飲用に非常に好適である 【0049】 <総合評価基準・凡例> ×:0.0 ? 0.5点 : 商品としての適性が劣っている △:0.5 ? 1.0点 : 商品としての適性がやや優れている ●:1.0 ? 1.5点 : 商品としての適性が優れている ○:1.5 ? 2.0点 : 商品としての適性が特に優れている ◎:2.0 : 商品としての適性が最も優れている なお、各評価項目のうち×が1つでも入っていれば総合評価は×とする 【0050】 【表1】 【0051】 (考察) 官能評価を行った結果、飲料液中における塩基性アミノ酸含有量を0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下に調整しつつ、飲用液中の飲料液中のアミノ酸合計含有量(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合を所定の割合とすることでしつこくなく適度な濃度感と旨みを持たせることができ、更に没食子酸の濃度を0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下とし、カテキン類の合計含有量に対する前記没食子酸の含有割合が所定の範囲となるように調整することによって、香り立ちと程良い爽快感が向上され、単独飲用に適した加温販売用容器詰飲料として好適なジャスミン茶飲料が得られることが確認できた。 【産業上の利用可能性】 【0052】 モクセイ科ソケイ属様の花の香気を着香した茶葉から抽出されるジャスミン茶飲料及びその製造方法、並びに前記ジャスミン茶飲料の香味調整方法に利用可能である。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下であることを特徴とするジャスミン茶飲料。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルターろ 過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] 【請求項2】 飲料液中の没食子酸の含有量Cが0.20mg/100g以上1.00mg/100g以下であると共に、前記飲料液中の没食子酸に対する前記飲料液中のカテキン類含有量D(mg/100g)の含有割合[D/C]が30.00以上110.00以下であることを特徴とする請求項1に記載のジャスミン茶飲料。 【請求項3】 飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.030以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の製造方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィルターろ 過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器 検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム: [分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] 【請求項4】 飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アルギニンの合計含有量である塩基性アミノ酸含有量Aが0.20mg/100g以上0.70mg/100g以下であると共に、前記飲料液中において、以下に示す条件の高速液体クロマトグラフィーによる定量分析にて特定され、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニン及びテアニン合計含有量であるアミノ酸合計含有量B(mg/100g)に対する、前記塩基性アミノ酸含有量の割合[A/B]が0.03以上0.100以下に調整することを特徴とするジャスミン茶飲料の香味調整方法。 <塩基性アミノ酸含有量及びアミノ酸含有量の定量分析条件> 装置名:Allianceシステム(Waters株式会社製) 分析手法:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法 定量方法:検量線法 サンプル調整法:サンプルを適量はかりとり、蒸留水で希釈後、フィル ターろ過して分析に供した。 HPLC測定条件: カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm 温度 :40℃ 注入量 :5μL 移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0) 移動相B:アセトニトリル 検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器検出波長:励起335nm エミッション450nm(アミノ酸、テアニンの測定方法) グラジエントプログラム:[分析開始?15.0分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)]→[15.1分?28.0分(A相:B相=84:16、流速0.46mL/min)]→[28.1分?31.0分(A相:B相=40:60、流速0.92mL/min)]→[31.1分?34.0分(A相:B相=90:10、流速0.92mL/min)]→[35.0分?36.1分(A相:B相=90:10、流速0.46mL/min)] |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-08-23 |
出願番号 | 特願2015-116393(P2015-116393) |
審決分類 |
P
1
651・
536-
YAA
(A23F)
P 1 651・ 537- YAA (A23F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 藤澤 雅樹 |
特許庁審判長 |
山崎 勝司 |
特許庁審判官 |
窪田 治彦 井上 哲男 |
登録日 | 2016-12-22 |
登録番号 | 特許第6061314号(P6061314) |
権利者 | 株式会社 伊藤園 |
発明の名称 | 加温販売用容器詰ジャスミン茶飲料及びその製造方法 |
代理人 | 小西 達也 |
代理人 | 小西 達也 |