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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1345502
審判番号 不服2017-8770  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-15 
確定日 2018-11-13 
事件の表示 特願2015-559219「オブジェクトストレージインデキシングシステムのためのコンテンツクラス」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月 4日国際公開、WO2014/133495、平成28年 4月28日国内公表、特表2016-512634、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2013年2月27日を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

平成27年9月24日 :翻訳文提出,手続補正書の提出
平成28年11月14日付け:拒絶理由の通知
平成29年1月31日 :意見書,手続補正書の提出
平成29年2月23日付け :拒絶査定
平成29年6月15日 :審判請求書,手続補正書,上申書の提出
平成29年7月24日付け :前置報告
平成29年8月14日 :上申書の提出
平成29年8月23日 :上申書の提出
平成30年5月31日付け :拒絶理由の通知
平成30年7月26日 :意見書,手続補正書の提出
平成30年9月11日付け :拒絶理由(最後の拒絶理由)の通知
平成30年9月25日 :意見書,手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(平成29年2月23日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項 1-21
・引用文献等 1-6

<引用文献等一覧>
1.特開2010-272141号公報
2.特開2009-75678号公報
3.伊藤一成 外1名、「メタデータ解析に基づくマルチメディア検索システム」、電子情報通信学会技術研究報告、Vol.103、No.191、DE2003-74、p.253-258
4.特開2003-296355号公報
5.特開2002-269123号公報
6.特開平9-319757号公報


第3 本願発明

本願請求項1乃至15に係る発明(以下「本願発明1」乃至「本願発明15」という。)は,平成30年9月25日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1乃至15に記載された,次のとおりのものと認める。

「 【請求項1】
コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むオブジェクトからインデキシングを行うために利用する第1のコンテンツプロパティ及び第2のコンテンツプロパティを記憶するコンテンツプロパティ記憶手段と、
前記第1のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示す第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する値を抽出することのできる、前記オブジェクトの前記コンテンツデータ及び前記メタデータのうちの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第1の表現とを含んでおり、
前記第2のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示し、且つ、前記第1のコンテンツプロパティに含まれているコンテンツプロパティ名と同じコンテンツプロパティ名である前記第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティに含まれている前記第1の表現とは異なる表現であり、且つ前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記値を抽出することのできる、前記オブジェクトのコンテンツデータ及びメタデータの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第2の表現とを含んでおり、
前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つに基づき、複数のオブジェクトの各々について、前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つによって特定されるフィールドから値を抽出する抽出手段と、
前記複数のオブジェクトの各々を、そのオブジェクトの前記フィールドから抽出された値を用いて、インデキシングすることにより、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応するインデックスを生成するインデキシング手段と、
前記第1のコンテンツプロパティ名と或る値とを指定したクエリを受信した場合、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記インデックスを用いて、その或る値に対応するオブジェクトを検索する検索手段と
を備えるサーバ。
【請求項2】
前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトのメタデータは、その第1のオブジェクトのコンテンツデータに関連し、前記コンテンツデータを使用するアプリケーションが生成可能な値を含むカスタムメタデータとしての複数のアノテーションを含み、
前記複数のアノテーションは、第1のアプリケーションによって生成された第1のアノテーションと、第2のアプリケーションによって生成された第2のアノテーションとを含み、
前記抽出手段は、前記第1のコンテンツプロパティの前記第1の表現に基づいて前記第1のアノテーションから第1の値を抽出し、且つ、前記第2のコンテンツプロパティの前記第2の表現に基づいて前記第2のアノテーションから第2の値を抽出する、
請求項1記載のサーバ。
【請求項3】
前記第1のコンテンツプロパティ及び前記第2のコンテンツプロパティの各々は、
(A)コンテンツプロパティ名として前記第1のコンテンツプロパティ名を特定するための名前フィールドと、
(B)前記複数のオブジェクトの各々からどのように値が抽出されるかを特定するための表現フィールドと、
(C)下記(c1)乃至(c3)のうちの少なくとも1つと
(c1)抽出される値のデータ型を特定するためのデータ型フィールド、
(c2)数値及び日付データ型のフォーマットを特定するためのフォーマットフィールド、及び、
(c3)前記表現フィールドにおいて指定された表現が同一オブジェクトにおける複数の値に評価される可能性があるかどうかを特定するための複数値フィールド、
を含む、
請求項1又は請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記複数のオブジェクトにアクセスするために複数の名前空間のうちの1以上の名前空間にアクセスするアクセス手段、
を更に備え、
前記複数の名前空間の各々は、論理的に区切られた記憶空間であり、
前記複数のオブジェクトのそれぞれは、前記1以上の名前空間のいずれか1つの名前空間に格納されている、
請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1のコンテンツプロパティ及び前記第2のコンテンツプロパティを含む複数のコンテンツプロパティを持ったコンテンツクラスを記憶するコンテンツクラス記憶手段、
を更に備え、
前記コンテンツクラスは、前記複数のコンテンツプロパティを、ユーザ定義コンテンツクラス名の下で、名前付けされたカテゴリに分類され、
前記コンテンツクラスは、前記複数の名前空間に関連付けられている、
請求項4記載のサーバ。
【請求項6】
コンピュータにより、インデックスの対象とする第1のコンテンツプロパティ名に対応する値を抽出することのできる、オブジェクトのコンテンツデータ及びメタデータのうちの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第1の表現及び第2の表現の少なくとも1つに基づき、複数のオブジェクトの各々について、前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つによって特定されるフィールドから前記値を抽出する抽出ステップと、
前記第1の表現は、前記第1のコンテンツプロパティ名を含む第1のコンテンツプロパティに含まれており、
前記第2の表現は、
前記第1のコンテンツプロパティに含まれている前記第1の表現とは異なる表現であり、且つ、前記第1のコンテンツプロパティに含まれているコンテンツプロパティ名と同じコンテンツプロパティ名である前記第1のコンテンツプロパティ名を含んだ第2のコンテンツプロパティに含まれており、
前記コンピュータにより、前記複数のオブジェクトの各々を、そのオブジェクトの前記フィールドから抽出された値を用いて、インデキシングすることにより、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応するインデックスを生成するインデキシングステップと、
前記コンピュータにより、前記第1のコンテンツプロパティ名と或る値とを指定したクエリを受信した場合、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記インデックスを用いて、その或る値に対応するオブジェクトを検索する検索ステップと
を有する方法。
【請求項7】
前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトのメタデータは、その第1のオブジェクトのコンテンツデータに関連し、前記コンテンツデータを使用するアプリケーションが生成可能な値を含むカスタムメタデータとしての複数のアノテーションを含み、
前記複数のアノテーションは、第1のアプリケーションによって生成された第1のアノテーションと、第2のアプリケーションによって生成された第2のアノテーションとを含み、
前記抽出ステップでは、前記コンピュータにより、前記第1のコンテンツプロパティに基づいて前記第1のアノテーションから第1の値を抽出し、且つ、前記第2のコンテンツプロパティに基づいて前記第2のアノテーションから第2の値を抽出する、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1のコンテンツプロパティ及び前記第2のコンテンツプロパティの各々は、
(A)コンテンツプロパティ名として前記第1のコンテンツプロパティ名を特定するための名前フィールドと、
(B)前記複数のオブジェクトの各々からどのように値が抽出されるかを特定するための表現フィールドと、
(C)下記(c1)乃至(c3)のうちの少なくとも1つと
(c1)抽出される値のデータ型を特定するためのデータ型フィールド、
(c2)数値及び日付データ型のフォーマットを特定するためのフォーマットフィールド、及び、
(c3)前記表現フィールドにおいて指定された表現が同一オブジェクトにおける複数の値に評価される可能性があるかどうかを特定するための複数値フィールド、
を含む、
請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータにより、前記複数のオブジェクトにアクセスするために複数の名前空間のうちの1以上の名前空間にアクセスするアクセスステップ、
を更に有し、
前記複数の名前空間の各々は、論理的に区切られた記憶空間であり、
前記複数のオブジェクトは、前記1以上の名前空間に格納されている、
請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記コンピュータにより、前記第1のコンテンツプロパティ及び前記第2のコンテンツプロパティを含む複数のコンテンツプロパティを持ったコンテンツクラスを記憶するコンテンツクラス記憶ステップ、
を更に有し、
前記コンテンツクラスは、前記複数のコンテンツプロパティを、ユーザ定義コンテンツクラス名の下で、名前付けされたカテゴリに分類され、
前記コンテンツクラスは、前記複数の名前空間に関連付けられている、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
インデックスの対象とする第1のコンテンツプロパティ名に対応する値を抽出することのできる、オブジェクトのコンテンツデータ及びメタデータのうちの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第1の表現及び第2の表現の少なくとも1つに基づき、複数のオブジェクトの各々について、前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つによって特定されるフィールドから前記値を抽出する抽出ステップと、
前記第1の表現は、前記第1のコンテンツプロパティ名を含む第1のコンテンツプロパティに含まれており、
前記第2の表現は、
前記第1のコンテンツプロパティに含まれている前記第1の表現とは異なる表現であり、且つ、前記第1のコンテンツプロパティに含まれているコンテンツプロパティ名と同じコンテンツプロパティ名である前記第1のコンテンツプロパティ名を含んだ第2のコンテンツプロパティに含まれており、
前記複数のオブジェクトの各々を、そのオブジェクトの前記フィールドから抽出された値を用いて、インデキシングすることにより、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応するインデックスを生成するインデキシングステップと、
前記第1のコンテンツプロパティ名と或る値とを指定したクエリを受信した場合、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記インデックスを用いて、その或る値に対応するオブジェクトを検索する検索ステップと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトのメタデータは、その第1のオブジェクトのコンテンツデータに関連し、前記コンテンツデータを使用するアプリケーションが生成可能な値を含むカスタムメタデータとしての複数のアノテーションを含み、
前記複数のアノテーションは、第1のアプリケーションによって生成された第1のアノテーションと、第2のアプリケーションによって生成された第2のアノテーションとを含み、
前記抽出ステップでは、前記第1のコンテンツプロパティに基づいて前記第1のアノテーションから第1の値を抽出し、且つ、前記第2のコンテンツプロパティに基づいて前記第2のアノテーションから第2の値を抽出する、
請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記第1のコンテンツプロパティ及び前記第2のコンテンツプロパティの各々は、
(A)コンテンツプロパティ名として前記第1のコンテンツプロパティ名を特定するための名前フィールドと、
(B)前記複数のオブジェクトの各々からどのように値が抽出されるかを特定するための表現フィールドと、
(C)下記(c1)乃至(c3)のうちの少なくとも1つと
(c1)抽出される値のデータ型を特定するためのデータ型フィールド、
(c2)数値及び日付データ型のフォーマットを特定するためのフォーマットフィールド、及び、
(c3)前記表現フィールドにおいて指定された表現が同一オブジェクトにおける複数の値に評価される可能性があるかどうかを特定するための複数値フィールド、
を含む、
請求項11又は請求項12のうちのいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記複数のオブジェクトにアクセスするために複数の名前空間のうちの1以上の名前空間にアクセスするアクセスステップ、
を更に有し、
前記複数の名前空間の各々は、論理的に区切られた記憶空間であり、
前記複数のオブジェクトは、前記1以上の名前空間に格納されている、
請求項11乃至13のうちのいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記第1のコンテンツプロパティ及び前記第2のコンテンツプロパティを含む複数のコンテンツプロパティを持ったコンテンツクラスを記憶するコンテンツクラス記憶ステップ、
を更に有し、
前記コンテンツクラスは、前記複数のコンテンツプロパティを、ユーザ定義コンテンツクラス名の下で、名前付けされたカテゴリに分類され、
前記コンテンツクラスは、前記複数の名前空間に関連付けられている、
請求項14記載のコンピュータプログラム。」


第4 引用例

1 引用例1に記載された事項及び引用発明
原査定の拒絶の理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2010-272141号公報(平成22年12月2日公開。以下,これを「引用例1」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。(下線は説明のために当審で付加。以下同様。)

A 「【0032】
本発明の実施形態は、ワールドワイドウェブのようなコーパスに見られる種々のドキュメント(又は他のコンテンツアイテム)に関連した注釈をユーザが共有するのを許すシステム及び方法を提供する。ここで使用する「注釈(アノテーション)(annotation)」という語は、一般に、コーパスからのドキュメントに関係した記述及び/又は評価メタデータを指し、ここで、メタデータは、ユーザから収集され、そしてその後、そのユーザの識別子及び対象ドキュメント(即ち、メタデータに関係したドキュメント)の識別子に関連して記憶される。注釈は、メタデータの種々のフィールド、例えば、ページ又はサイトのレーティング(好意的又は否定的でよい)、ページ又はサイトのトピック(又はトピックス)を識別する1つ以上のキーワード又はラベル、ページ又はサイトのフリーテキスト記述、及び/又は他のフィールドを含んでもよい。注釈は、コーパスのユーザから収集され、そして注釈を生成したユーザの識別子、及びそれに関連したドキュメント(又は他のコンテンツアイテム)の識別子と共に記憶されるのが好都合である。注釈、及びユーザから注釈を収集するプロセスの一例が、前記特許出願(代理人ドケット第017887-013720US)に説明されている。本発明は、特定のメタデータにも、メタデータを収集する特定の技術にも限定されないことを理解されたい。」

B 「【0037】
I.概略
A.ネットワーク実施の概略
図1は、本発明の一実施形態によるクライアントシステム20を備えた情報検索及び通信ネットワーク10の一般的概略を示す。このコンピュータシステム10において、クライアントシステム20は、インターネット40、又は他の通信ネットワーク、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)接続を経て、多数のサーバーシステム501乃至50Nに結合される。以下に述べるように、クライアントシステム20は、本発明により、サーバーシステム501乃至50Nのいずれかと通信するように構成され、例えば、メディアコンテンツや他の情報、例えば、ウェブページをアクセスし、受け取り、検索し及び表示するように構成される。」

C 「【0044】
一実施形態によれば、サーチサーバーシステム160は、サーチ結果データ及びメディアコンテンツをクライアントシステム120へ与えるように構成され、そしてコンテンツサーバーシステム150は、例えば、サーチサーバーシステム160により与えられるサーチ結果ページにおいて選択されたリンクに応答して、ウェブページのようなデータ及びメディアコンテンツをクライアントシステム120へ与えるように構成される。ある変形例において、サーチサーバーシステム160は、コンテンツ、及び、又はそれに代わって、コンテンツへのリンク及び/又は他のリファレンスを返送する。サーチサーバーシステムは、ユーザから問合せを受け取ってそれに対するサーチ結果データを発生するように構成された問合せ応答モジュール162と、ユーザ供給される注釈情報とのユーザ相互作用をマネージするように構成されたユーザ注釈モジュール164と、ユーザに対する信頼性ネットワークをマネージするように構成された信頼性ネットワークモジュール165とを備えている。サーチサーバーシステム160は、サーチサーバーシステム160の特定ユーザに関するデータを記憶する個人化データベース166と、サーチされるべきコーパス(ある場合には、ワールドワイドウェブ)へインデックスを与えるページインデックス170とに通信可能に結合される。個人化データベース166及びページインデックス170は、一般的に従来のデータベース技術を使用して実施することができる。」

D 「【0062】
C.注釈の概略
個人化データベース166に記憶された注釈データは、サーチサーバー160の登録されたユーザから種々の適当なインターフェイスを経て収集することができる。注釈を収集するための注釈フォーマット及びインターフェイスの幾つかの例が、前記特許出願(代理人ドケット第017887-013720US)に説明されており、これについて以下に簡単に要約する。しかしながら、本発明は、特定の注釈フォーマット又は注釈収集技術に限定されないことを理解されたい。
【0063】
1.注釈のコンテンツ
上述したように、ここで使用する「注釈」という語は、一般に、ページ又はサイトに関係した記述及び/又は評価メタデータ(又はコーパスにおける他のコンテンツアイテム)であって、ユーザから収集された後に、そのユーザの識別子及びページ又はサイトの識別子に関連して記憶されたものを指す。注釈は、メタデータの種々のフィールド、例えば、ページ又はサイトのレーティング(好意的又は否定的な見解を指示する任意のデータでよい)、ページ又はサイトのトピック(又はトピックス)を識別する1つ以上のキーワード、ページ又はサイトのテキスト記述、及び/又は他のフィールドを含んでもよい。例示の目的で、特定の注釈構造を以下に述べるが、この特定の注釈構造は、本発明にとって重要ではないことを理解されたい。
【0064】
ここで使用する「ページ」とは、独特のロケータ(例えば、URL)によって識別可能で且つ適当に構成されるブラウザプログラムにより表示可能なコンテンツの単位を指す。「サイト」とは、共通の要旨に関係し且つ同じサーバーに位置する1つ以上のページのグループを指す。本発明のある実施形態では、注釈を生成するユーザは、その注釈を単一のページに適用すべきか又は関連ページのグループ(サイト)に適用すべきかを指示することができる。後者のケースでは、ユーザは、サイトの範囲を定義できるのが好都合である。ある実施形態では、ページ注釈とサイト注釈との間には、その注釈が潜在的に適用されるページの数以外の差がない。
【0065】
一実施形態では、各注釈は、個人化データベース166における構造化エントリーである。図3は、注釈300に対するコンテンツフィールドを示す。左欄302のフィールドは、ユーザ注釈モジュール164により自動的に発生され及び更新され、一方、右欄304のフィールドは、ユーザ供給されるのが好ましい。
【0066】
自動的に発生されるフィールドは、注釈を生成(又はセーブ)したユーザのユーザIDを記憶する「著者ID(Author ID)」306と、注釈の対象であるページ(又はページのグループ)を識別する「URL」フィールド308とを備えている。この実施形態では、注釈は、IDが著者IDフィールド306に現われるユーザと、URLがURLフィールド308に記憶されたURLに一致するドキュメントとに関連される。「ホストフラグ」フィールド310は、注釈がページに適用されるかページのグループに適用されるかを指示する。ホストフラグが「ページ」にセットされた場合には、注釈は、URLがフィールド308のストリングに厳密に一致するページだけに適用され、一方、ホストフラグが「サイト」にセットされた場合には、注釈は、URLがフィールド308に示されたストリングで始まるページに適用される。従って、ホストフラグが「サイト」にセットされた注釈は、多数のページ(1つのページのみを含む)に適用することができる。ホストフラグフィールド310は、デフォールト値(例えば、「ページ」)に自動的にセットされてもよく、そしてユーザには、値を変更するオプションを与えることができる。
【0067】
「タイトル」フィールド312は、対象ページのタイトルを記憶する。このフィールドは、デフォールトにより、注釈付きページのソースコードから抽出されたページタイトルで埋めるのが好都合であり、ある実施形態では、ユーザがタイトルを変更することが許される。「アブストラクト」フィールド314は、対象ページ又はサイトのテキストアブストラクトを記憶し、このアブストラクトは、自動的に発生することもできるし、ユーザにより供給することもできる。
【0068】
欄302における残りのフィールドは、注釈に関する経歴情報を与える。例えば、「参照(Referral)」フィールド316は、ユーザが対象ページにどのように到達するかに関するコンテクスト情報を与える。この参照フィールド316は、例えば、ユーザが対象ページに導かれたときに応答した問合せ(図3に示すように)、ユーザが注釈付きページへナビゲートされる前に何を見たかに関する経歴情報、又は著者が注釈をインポートしたところの別のユーザの識別子(インポートについては、以下に述べる)を含んでもよい。
【0069】
ユーザがページに注釈付けし、その後に、その注釈を修正する場合には、参照フィールド316は、その修正された注釈へ導いた参照ソースを識別するように更新されるのが好都合である。「古い参照(Old referral)」フィールド318は、以前の注釈バージョンに関するコンテクスト情報を記憶するのに使用でき、この情報は、参照フィールド316に記憶された情報と同様である。いかなる数の古い参照(古い参照なしも含む)が維持されてもよい。
【0070】
「最後の更新(Last updated)」フィールド320は、いつユーザが注釈を最後に更新したか指示するタイムスタンプを与える。「最後の訪問(Last visited)」フィールド322は、いつユーザが注釈付きページに訪問したか指示するタイムスタンプを与える。図3は、これらのタイムスタンプをYYYY-MM-DDHH:MM:SSフォーマットで示しているが、他のフォーマット及び希望の精度に置き換えてもよいことを理解されたい。この情報は、例えば、古い注釈を、おそらく信頼性の低いものとして識別するのに使用できる(特に、注釈付きページが、ユーザがそのページに最後に訪問したときより最近に更新された場合)。
【0071】
欄304におけるフィールドは、著者により供給されるもので、ユーザがデータを供給するまで及び供給しない限り、空のままであるのが好都合である。好ましい実施形態では、ユーザは、全てのこれらフィールドに対するデータを供給することが要求されず、注釈がサーチ処理に使用されるときには空きフィールドを無視することができる。
【0072】
「キーワード」フィールド324は、対象ページを記述する1つ以上のユーザ供給キーワード又はユーザ選択ラベルを記憶する。ここで使用する「キーワード」(この技術では「タグ」と称することもある)とは、ワード又はフレーズを自由に選択するユーザにより供給されるワード又は短いフレーズを指し、一方、「ラベル」とは、システム定義語彙、例えば、カテゴリー識別子のハイアラーキーリストからユーザにより選択されたワード又は短いフレーズを指す。」

E 「【0149】
図11は、本発明の一実施形態によるパーソナルウェブサーチインターフェイスページ1100の一例を示す。ページ1100は、ユーザのパーソナルウェブ内のフィールド特有サーチのためのユーザインターフェイスを与える。範囲セクション1102は、サーチが、他の信頼性ネットワークメンバーからの注釈付きコンテンツを含むべきか、ユーザ自身の注釈付きコンテンツだけを含むべきか、或いは全ユーザからの注釈付きコンテンツを含めて全ウェブを含むべきかをユーザが指示するのを許す。「Show My Trust Network(自分の信頼性ネットワークを示す)」ボタン1104は、好都合にも、ユーザが「My Trust Network(自分の信頼性ネットワーク)」ページ600(図6)又は同様のページへナビゲートするのを許し、これにより、ユーザは、自分の現在信頼性ネットワーク定義を見て変更し、次いで、ページ1100へ戻ることができる。又、ある実施形態では、ユーザは、自分の信頼性ネットワークメンバーのリストを見て、1人以上の個々のメンバーを選択し、これらメンバーによる注釈にサーチを制限することができてもよい。
【0150】
ページ1100の問合せセクション1112は、ページコンテンツをサーチし及び/又は注釈における特定フィールドをサーチするためのサーチ用語をユーザが入力できるところの種々のテキストボックスを備えている。この例では、ユーザは、サーチ用語をページコンテンツについて(テキストボックス1114)、注釈タイトルについて(テキストボックス1116)、キーワードフィールドについて(テキストボックス1118)、記述について(テキストボックス1120)、及び/又は参照について(テキストボックス1121)、別々に指定することができる。無線ボタン1122は、ヒットのレーティング(例えば、上述した集計レーティング又は平均レーティング)を制限するのに使用できる。デフォールトにより、「任意のレーティング」が選択され、従って、レーティングがサーチを制限することはなく、ユーザは、サーチを、例えば、好意的レーティングをもつヒットに、又は否定的レーティングをもつヒットに制限するよう選択することができる。「Search」ボタン1126は、処理のための問合せを提示し、そして「Reset」ボタン1128は、問合せセクション1112における全てのフィールドをクリアする。
【0151】
ユーザは、セクション1112におけるテキストボックスの幾つか又は全部を空のままにしてもよく、テキストボックスが空の場合には、それに対応するフィールドがサーチの制限に使用されないことを理解されたい。例えば、ユーザは、テキストボックス1114にサーチ用語を入力し、そして他のテキストボックスを空のままにすることにより、自分のパーソナルウェブのページコンテンツをサーチすることができ、実際のサーチは、ページインデックス170を使用して行うことができ、注釈付きページ又はサイトに対応しないヒットは、ユーザに結果を送信する前に破棄される。サーチの結果は、上述したページ900(図9A)又は940(図9B)と同様のサーチ結果ページを使用して配送されるのが好都合であるが、ユーザのパーソナルウェブに制限されたサーチでは、各ヒットが少なくとも1つの注釈しかもたない。」

以上上記記載事項A乃至Eから,引用例1には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「ワールドワイドウェブのようなコーパスに見られる種々のドキュメントに関連した注釈をユーザが共有するのを許すシステムであって,
ここで使用する「注釈(アノテーション)(annotation)」という語は,一般に,コーパスからのドキュメントに関係した記述及び/又は評価メタデータを指し,ここで,メタデータは,ユーザから収集され,そしてその後,そのユーザの識別子及び対象ドキュメント(即ち,メタデータに関係したドキュメント)の識別子に関連して記憶され,
クライアントシステムは,多数のサーバーシステムに結合され,メディアコンテンツや他の情報,例えば,ウェブページをアクセスし,受け取り,検索し及び表示するように構成され,
サーチサーバーシステムは,サーチ結果データ及びメディアコンテンツをクライアントシステムへ与えるように構成され,
個人化データベースに記憶された注釈データは,サーチサーバーの登録されたユーザから種々の適当なインターフェイスを経て収集することができ,
注釈は,メタデータの種々のフィールド,例えば,ページ又はサイトのレーティング,ページ又はサイトのトピック(又はトピックス)を識別する1つ以上のキーワード,ページ又はサイトのテキスト記述,及び/又は他のフィールドを含み,
左欄302のフィールドは,ユーザ注釈モジュールにより自動的に発生され及び更新され,一方,右欄304のフィールドは,ユーザ供給され,右欄304におけるフィールドは,著者により供給されるものであり,
「キーワード」フィールド324は,対象ページを記述する1つ以上のユーザ供給キーワード又はユーザ選択ラベルを記憶し,ここで使用する「キーワード」(この技術では「タグ」と称することもある)とは,ワード又はフレーズを自由に選択するユーザにより供給されるワード又は短いフレーズを指し,一方,「ラベル」とは,システム定義語彙,例えば,カテゴリー識別子のハイアラーキーリストからユーザにより選択されたワード又は短いフレーズを指し,
パーソナルウェブサーチインターフェイスページは,ユーザのパーソナルウェブ内のフィールド特有サーチのためのユーザインターフェイスを与え,
ページの問合せセクションは,ページコンテンツをサーチし及び/又は注釈における特定フィールドをサーチするためのサーチ用語をユーザが入力できるところの種々のテキストボックスを備え,
ユーザは,サーチ用語をページコンテンツについて(テキストボックス1114),注釈タイトルについて(テキストボックス1116),キーワードフィールドについて(テキストボックス1118),記述について(テキストボックス1120),及び/又は参照について(テキストボックス1121),別々に指定することができ,
「Search」ボタン1126は,処理のための問合せを提示し,
ユーザは,テキストボックス1114にサーチ用語を入力し,自分のパーソナルウェブのページコンテンツをサーチすることができ,実際のサーチは,ページインデックス170を使用して行うことができる
システム。」

2 引用例2に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2009-75678号公報(平成21年4月9日公開。以下,これを「引用例2」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

F 「【0033】
(装置構成例)
図2は、本実施形態1に係る画像処理装置の機能の構成例を示す図である。図2において、画像処理装置1は、アプリケーション部10、サーバ部20を有する。また、アプリケーション部10は、UI提供部110、画像データ入力部120、メタデータ生成部130、(画像等)登録要求部140、(画像等)取得要求部150を有する。さらに、サーバ部20は、登録要求制御部210、検索キー生成部220、記憶部230、取得要求制御部240を有する。
【0034】
UI提供部(画像登録・取得指示部)110は、各種ユーザインタフェースを提供する機能部である。ここで提供するユーザインタフェースは、当該画像処理装置1に画像データを登録する登録指示若しくは当該画像処理装置1から画像データ等を取得する取得指示を行うためのユーザインタフェースである。例えば、非図示の操作パネル上に画像データの登録指示、取得指示を入力するための表示を行ったり、同操作パネル上でのユーザによる登録指示、取得指示を入力したりする。」

G 「【0040】
検索キー生成部220は、登録要求制御部210が受信した画像データ及びメタデータから、当該画像データの検索のために用いられる例えばタグデータ(又はタグデータの候補)等の検索キーを生成する。検索キーは、単にランダムに選ぶ場合もあるし、所定のルールに従って決定する場合もある。
【0041】
記憶部230は、各種データを記憶する。例えば図1のストレージ21、検索キーストレージ22等である。検索キー格納部232は、検索キー生成部220で生成された検索キーを格納する。メタデータ格納部234は、登録要求制御部210が受信したメタデータを格納する。画像データ格納部236は、登録要求制御部210が受信した画像データを格納する。なお、登録される検索キー、メタデータ、画像データは、例えばID情報等により互いに対応付けて登録されるものとする。
【0042】
取得要求制御部240は、アプリケーション部10から受信した画像データ等の取得要求に応じて、記憶部230に記憶されたデータから該当するデータを取得し、取得したデータをアプリケーション部10に対して送信する。また、例えば後述の検索キー生成部220が複数の検索キーを生成した場合に、ユーザに検索キーの選択を促すための検索キーの候補一覧を送信するようにしてもよい。
【0043】
以上の機能の構成により、本実施形態1に係る画像処理装置1では、例えばスキャナによる読み取り等により入力された画像データ等を、検索対象の画像データとしてサーバ部20に対して登録する。このとき、入力された画像データから該画像データの検索のために用いられる検索キーを生成して、生成した検索キーを画像データに付加して登録する。」

3 引用例3に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,“伊藤一成 外1名、「メタデータ解析に基づくマルチメディア検索システム」、電子情報通信学会技術研究報告、Vol.103、No.191、DE2003-74、p.253-258”(平成15年7月10日公開。以下,これを「引用例3」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

H 「あらまし メディアデータに対して,その内容を記述したメタ(アノテーション)データを直接の対象として検索を行うシステムを開発した.アノテーションには,メディアの種類やフォーマットに依存しない記述仕様MAML(Multimedia Annotation Markup Language)を用いた.これによりテキスト,画像,音声,動画などの複数メディアを統一的に扱うことができる.本システムの特徴は,キーワード入力による単純マッチング検索に加え,自然文章によるあいまい検索が可能な点である.」(353ページ「あらまし」の項)

I 「4. 検索処理の流れ
GDAタグ付けされた質問文章をs,s8中のi番目の文に対応するXML部分木をs_(i)とする.s_(i)が非キーワード入力文の場合,名詞と未知語(以後キーワードと呼ぶ)を抽出し,文中のキーワードを少なくとも1語以上含むエレメントを検索対象とする.s_(i)がキーワード入力文の場合,その論理式を満たすものが検索対象となる.複文からなる質問要求表現の場合,すべての文それぞれに対して,上の条件を満たさなければならない.名詞の種別が異なるもの,例えば場所の伊東(<placement>伊東</placement>)と人名の伊東(<persname>伊東</persname>)は単語の表記が同じであっても異なる単語とみなす.また,キーワードがひらがなの場合は,読みが同一である漢字もGDAのprn属性値から抽出し検索対象に含める.(以下略)」(257ページ「4.検索処理の流れ」の項)

4 引用例4に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2003-296355号公報(平成15年10月17日公開。以下,これを「引用例4」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

J 「【0012】
【実施例】図1?図6に構造化文書の処理装置2の実施例を示す。これらの図において、4は入力手段としてのキーボードで、6は出力手段の例としての表示部、8は同様に出力手段の例としてのプリンタで、他に外部装置へのデータ転送用のインターフェースなどを出力手段としても良い。10はシソーラス(類義語検索用の辞書)で、12は属性名(タグ名)と属性の値(タグの値)とを検索語として、構造化文書14を検索するための検索手段である。構造化文書14は、実施例で用いたXMLに限らず、SVL(Scalable Vector Graphics)、SMIL(Synchronized Multimedia Integrated Language)などの任意のものでよい。実施例では複数の構造化文書を用いるが、1つの巨大な構造化文書を検索対象としても良い。
【0013】16?18は記憶部で、記憶部16はシソーラス展開により得られた類義語のタグ名のグループを記憶し、記憶部17は検索語の一部として入力されたタグの値(属性の値)を記憶する。記憶部18は検索条件に一致する属性、あるいはこれを含む上位概念の属性、もしくは検索条件に一致する属性を含む構造化文書を記憶する。記憶部16?18は検索語や検索結果を記憶するための作業用の記憶部である。
【0014】図1の実線は、タグ名(属性名)やその上位概念のグループ名による検索を示し、破線はタグの値(属性値)による検索を示す。一点鎖線は検索結果の流れを示し、2点差線はシソーラス10を作成するための入力を示す。キーボード4からは、検索語として属性名を入力し、属性名が欧文であるような場合に備えて、属性名の上位概念(グループ名)を入力するようにしても良い。このほかに、属性の値を入力する。これらの組み合わせが入力された時点での検索語である。
【0015】属性名やその上位概念はシソーラス10で、一群の互いに類義語となる属性名に展開され、これを記憶部16に記憶し、表示部6に表示する。表示部6で表示された属性名に対して、キーボード等から検索に用いるものを絞り込むように入力することもでき、あるいはシソーラス展開された属性名が検索書の意図にそぐわない場合、検索を中断して検索語を変更することもできる。
【0016】検索手段12は、構造化文書14に対して、タグ名が、シソーラス展開されたタグ名のいずれかと一致するものを検索し、この内で検索語中のタグの値と値が一致するタグを出力する。一致したタグを含む項目を出力する範囲は、そのタグのみが問題で他は不要な場合は、そのタグのみを出力すれば良い。これは、検索するタグ名がなどで、メッセージの内容が問題なときなどに適している。また検索したタグがより大きなタグの一部で、より大きなタグに意味がある場合には、より大きなタグを出力する。また多数の構造化文書を記憶している場合で構造化文書自体を探している場合は、検索条件と一致したタグを含む構造化文書を出力すればよい。なおここに、検索条件と一致とは、タグ名がシソーラス展開されたタグ名と一致し、かつタグの値が一致することである。
【0017】図2にシソーラス10の構成を示すと、欧文のタグ名の上位概念としてグループ名があり、1つのグループに対して複数のグループ名、例えば”価格”と”値段”や”単価”、を持たせて記憶しても良い。1つのグループ内でのタグ名は互いに類義語ないしは同義語で、構造化文書の処理を容易にするため欧文で定義してある。また文書型は構造化文書の文書型を意味し、タグ名とタグの値の他に、文書型を検索語に加えても良い。シソーラス10は、例えばキーボード4からグループ名やグループ内のタグ名、及び各タグ名の文書型を入力して記憶することで作成される。」

5 引用例5に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2002-269123号公報(平成14年9月20日公開。以下,これを「引用例5」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

K 「【0025】本発明では、項目名対応情報を用意することにより、各事業者ごとの固有項目名の相違を克服して、複数の事業者が発行した電子カタログに対して横断型検索を行うことができるようにし、複数の事業者に跨がった商品情報を抽出することができるようにしている。ここで、項目名対応情報は、カタログへの掲載項目を特定する識別子として複数の事業者間で共通して利用できるように定められた文字列もしくはコードからなる共通項目名と、各事業者ごとに定められた固有項目名と、の対応関係を示す情報である。たとえば、図1に示す例の場合、「品名」、「型番」、「価格」なる共通項目名が定義されている。そして、事業者Xの項目名対応情報X2としては、事業者Xの固有項目名である「品名」、「品番」、「希望価格」なる文字列が、共通項目名である「品名」、「型番」、「価格」なる文字列に対応することが示されている(「品名」については、偶然、固有項目名が共通項目名に一致している)。同様に、事業者Yの項目名対応情報Y2としては、事業者Yの固有項目名である「商品名」、「商品番号」、「標準価格」なる文字列が、共通項目名である「品名」、「型番」、「価格」なる文字列に対応することが示されている。」

L 「【0028】検索指示入力部30は、ユーザが必要としている商品情報を得るための検索指示を入力する構成要素であるが、この検索指示には、各事業者ごとの固有項目名ではなく、共通項目名が用いられる。図1には、「検索内容:品名=ボールペン」および「抽出データ:品名,型番,価格」なる検索指示S1が入力された状態が示されている。この検索指示S1は、「品名」が「ボールペン」である商品(レコード)を検索し、当該商品に関する情報(レコード)の中から、「品名」,「型番」,「価格」なる掲載項目に該当するデータを抽出せよ、との指示を示している。このように、特定の項目名を指定して種々の検索指示を与えること自体は、従来の一般的な電子カタログにおいても行われている公知の検索方法であるが、本発明の特徴は、各事業者ごとの固有項目名を用いる代わりに、共通項目名を用いた指定を行う点にある。このような共通項目名を用いた指定を含む検索指示S1を入力すれば、複数の事業者についてのカタログ本体情報を横断的に検索することが可能になる。」

M 「【0037】結局、図2に示す項目名対応情報X2、図3に示す項目名対応情報Y2、図4に示す共通項目名テーブルによって、図5に示すような対応関係が定義されていることになる。ここで、同一の共通項目IDが付与された各項目名は、文言は異なっていても(偶然、文言が一致しているものもある)、それぞれ同じ概念を示す項目になっている。もっとも、各固有項目名は、必ずしも他の事業者が定めた固有項目名に対応するわけではなく、他の事業者で定義されている項目には、該当する項目が存在しないケースもある(図5において斜線が引かれた欄に対応する項目)。なお、実用上は、図2に示すカタログ本体情報X1内には、「メーカー名」,「商品ジャンル」,…といった固有項目名を示す文字列データを含ませておく必要はない。これらの文字列データは、項目番号を介して、項目名対応情報X2から転記してくることができる。図3に示すカタログ本体情報Y1についても同様である。」

6 引用例6に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開平9-319757号公報(平成9年12月12日公開。以下,これを「引用例6」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

N 「【0039】検索指示解釈部21は、検索項目対応テーブルを参照して、共通インタフェースで定義された検索情報を、検索するデータベース31A、31Bの検索エンジン毎の個別の検索情報に変換する。すなわち、図3に示すように、「タイトル」の項目名に対して、データベースシステムによって、同種の項目について、「TITLE」または「SUBJECT」等のように、異なった項目名が用いられていることがある。このため、共通インタフェースで定義された項目名例えば「TI」と各データベースの検索エンジン用のAPIの項目名を検索項目対応テーブルにて対応付けている。」


第5 対比・判断

1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(あ)引用発明の「ワールドワイドウェブのようなコーパスに見られる種々のドキュメント」は,本願発明1の「コンテンツデータ」に相当し,引用発明の「ワールドワイドウェブのようなコーパスに見られる種々のドキュメントに関連した注釈」は,「「注釈(アノテーション)(annotation)」という語は,一般に,コーパスからのドキュメントに関係した記述及び/又は評価メタデータを指し,ここで,メタデータは,ユーザから収集され,そしてその後,そのユーザの識別子及び対象ドキュメント(即ち,メタデータに関係したドキュメント)の識別子に関連して記憶され」るものであって,「メタデータの種々のフィールド,例えば,ページ又はサイトのレーティング,ページ又はサイトのトピック(又はトピックス)を識別する1つ以上のキーワード,ページ又はサイトのテキスト記述,及び/又は他のフィールドを含」むものであるので,本願発明1の「前記コンテンツデータのメタデータ」に相当する。

(い)引用発明の「メディアコンテンツや他の情報,例えば,ウェブページ」や,「注釈」或いは「注釈データ」といった,ユーザによって「種々の適当なインターフェイスを経て収集」されたものは,まとめて,本願発明1の「コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むオブジェクト」と,“コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むデータ”である点で共通する。そして引用発明も,これらのデータを記憶する記憶手段を有することは明らかであるから,引用発明と本願発明1とは,下記の点(相違点1,2)で相違するものの,“コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むデータを記憶する記憶手段”を備える点で一致する。

(う)引用発明は,「左欄302のフィールド」,「右欄304のフィールド」,「「キーワード」フィールド324」といった“フィールド”を備え,また,「パーソナルウェブサーチインターフェイスページ」は,「ユーザのパーソナルウェブ内のフィールド特有サーチのためのユーザインターフェイス」を与え,「ページの問合せセクションは,ページコンテンツをサーチし及び/又は注釈における特定フィールドをサーチするためのサーチ用語をユーザが入力できるところの種々のテキストボックス」を備えると共に,ユーザは,「サーチ用語をページコンテンツについて(テキストボックス1114),注釈タイトルについて(テキストボックス1116),キーワードフィールドについて(テキストボックス1118),記述について(テキストボックス1120),及び/又は参照について(テキストボックス1121),別々に指定することができ」,「「Search」ボタン1126」によって,「処理のための問合せを提示」し,「テキストボックス1114にサーチ用語を入力し,自分のパーソナルウェブのページコンテンツをサーチすることができ,実際のサーチは,ページインデックス170を使用して行うことができる」ことから,引用発明は,本願発明1の「前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つに基づき、複数のオブジェクトの各々について、前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つによって特定されるフィールドから値を抽出する抽出手段」とは,下記の点(相違点4)で相違するものの,“複数のデータの各々について,フィールドから値を抽出する抽出手段”を備える点で一致する。

(え)引用発明の「サーチサーバーシステム」は,「サーチ結果データ及びメディアコンテンツをクライアントシステムへ与えるように構成され」,「ユーザ」が,「テキストボックス1114にサーチ用語を入力し,自分のパーソナルウェブのページコンテンツをサーチすることができ,実際のサーチは,ページインデックス170を使用して行うことができる」ものであるから,引用発明の「サーチサーバーシステム」は,何らかのサーチを行うための手段,すなわち“検索手段”を備えているといえ,当該手段を有するサーバが存在することも当業者に自明である。すると,引用発明と本願発明1とは,下記の点(相違点6)で相違するものの,“或る値を指定したクエリを受信した場合,その或る値に対応するデータを検索する検索手段”を備える“サーバ”の点においても共通するといえる。

(お)以上,(あ)乃至(え)の検討から,引用発明と本願発明1とは,次の一致点及び相違点を有する。

〈一致点〉
コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むデータを記憶する記憶手段と,
複数のデータの各々について,フィールドから値を抽出する抽出手段と,
或る値を指定したクエリを受信した場合,その或る値に対応するデータを検索する検索手段と
を備えるサーバ。

〈相違点1〉
本願発明1のデータが,「コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むオブジェクト」であるのに対し,引用発明のデータが,「コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むオブジェクト」であることが特定されていない点。

〈相違点2〉
本願発明1が,「オブジェクトからインデキシングを行うために利用する第1のコンテンツプロパティ及び第2のコンテンツプロパティを記憶するコンテンツプロパティ記憶手段」を備えるのに対し,引用発明は,単にデータを記憶する記憶手段を備えるに過ぎない点。

〈相違点3〉
本願発明1の「第1のコンテンツプロパティ」及び「第2のコンテンツプロパティ」につき,それぞれ,「第1のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示す第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する値を抽出することのできる、前記オブジェクトの前記コンテンツデータ及び前記メタデータのうちの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第1の表現とを含んで」いると共に,「第2のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示し、且つ、前記第1のコンテンツプロパティに含まれているコンテンツプロパティ名と同じコンテンツプロパティ名である前記第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティに含まれている前記第1の表現とは異なる表現であり、且つ前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記値を抽出することのできる、前記オブジェクトのコンテンツデータ及びメタデータの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第2の表現とを含んで」いるのに対し,引用発明は,そのようなコンテンツプロパティを有しない点。

〈相違点4〉
本願発明1の「抽出手段」が,「前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つに基づ」いて,「前記第1の表現及び前記第2の表現の少なくとも1つによって特定されるフィールド」から値を抽出するものであるのに対し,引用発明は,単なるフィールドから値を抽出する手段を備えるに過ぎない点。

〈相違点5〉
本願発明1が,「前記複数のオブジェクトの各々を、そのオブジェクトの前記フィールドから抽出された値を用いて、インデキシングすることにより、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応するインデックスを生成するインデキシング手段」を備えるのに対し,引用発明は,「サーチサーバーシステム」が,「サーチされるべきコーパス(ある場合には,ワールドワイドウェブ)へインデックスを与えるページインデックス」に通信可能に結合されたり,「ユーザ」が「テキストボックス1114にサーチ用語を入力し,自分のパーソナルウェブのページコンテンツをサーチすることができ,実際のサーチは,ページインデックス170を使用して行うことができる」ものであるものの,具体的にどのようなインデキシングが行われるのか不明である点。

〈相違点6〉
本願発明1の「検索手段」が,「前記第1のコンテンツプロパティ名と或る値とを指定したクエリを受信した場合、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記インデックスを用いて」,「或る値に対応するオブジェクトを検索する」ものであるのに対し,引用発明の検索手段はそのような検索を行うことが特定されていない点。

(2) 相違点についての判断
事案に鑑み,先に相違点1及び3について検討する。
引用発明は,「ワールドワイドウェブのようなコーパスに見られる種々のドキュメントに関連した注釈をユーザが共有するのを許すシステム」に関し,「クライアントシステムは,多数のサーバーシステムに結合され,メディアコンテンツや他の情報,例えば,ウェブページをアクセスし,受け取り,検索し及び表示するように構成され」ているものの,当該「メディアコンテンツや他の情報」等の「検索」にあたり,「コンテンツデータ及び前記コンテンツデータのメタデータを含むオブジェクト」を対象とするものではないことから,そもそも「第1のコンテンツプロパティ」及び「第2のコンテンツプロパティ」といった情報を取り扱うものとは認められない。したがって,当該「第1のコンテンツプロパティ」及び「第2のコンテンツプロパティ」に関する,相違点3に係る構成を引用発明に見いだすことはできないばかりか,引用例2乃至引用例6に関する上記記載事項F乃至Nをもってしても,「第1のコンテンツプロパティ」につき,「オブジェクトを検索するインデックスの対象を示す第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する値を抽出することのできる、前記オブジェクトの前記コンテンツデータ及び前記メタデータのうちの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第1の表現とを含」むと共に,「第2のコンテンツプロパティ」につき,「オブジェクトを検索するインデックスの対象を示し、且つ、前記第1のコンテンツプロパティに含まれているコンテンツプロパティ名と同じコンテンツプロパティ名である前記第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティに含まれている前記第1の表現とは異なる表現であり、且つ前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記値を抽出することのできる、前記オブジェクトのコンテンツデータ及びメタデータの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第2の表現とを含」むよう構成することは,当業者にとって容易とはいえない。
したがって,上記その余の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明及び引用文献2乃至6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明6及び本願発明11について
本願発明6及び本願発明11は,本願発明1と概ねそのカテゴリーのみ異なるものであって,本願発明1と同様,当業者であっても,引用発明及び引用文献2乃至6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明2乃至5,本願発明7乃至10及び本願発明12乃至15
本願発明2乃至5,本願発明7乃至10及び本願発明12乃至15はそれぞれ,本願発明1,6及び11を直接または間接的に引用するものであって,本願発明1と同様,当業者であっても,引用発明及び引用文献2乃至6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第6 当審拒絶理由の概要
<特許法36条4項1号について>

平成30年5月31日付け拒絶理由通知において,本願明細書の発明の詳細な説明は,特に段落1乃至3及び106乃至110の記載を参照したとしても,当業者が本願請求項1乃至21に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではないとの拒絶理由に対し,平成30年7月26日付けの意見書による釈明に基づき,上記拒絶理由は解消された。

<特許法36条6項2号について>

1 平成30年5月31日付け拒絶理由通知について
平成30年5月31日付けの拒絶理由通知において,請求項1乃至4,6乃至21につき,(1)乃至(14)の点で不明確であるとの拒絶理由に対し,平成30年7月26日付けの手続補正により,下記「2 平成30年9月11日付け最後の拒絶理由通知について」で指摘する内容を除き明確化され,上記拒絶理由は解消された。

2 平成30年9月11日付け最後の拒絶理由通知について
平成30年9月11日付けの最後の拒絶理由通知において,請求項1に特定される「前記第1プロパティ名」,及び請求項14に特定される,「前記複数のファイル」の意味するところが不明確であるとの拒絶理由に対し,平成30年9月25日付け手続補正により,同「前記第1のコンテンツプロパティ名」及び同「前記複数のオブジェクト」と誤記の訂正を目的とする補正がなされることによって,上記拒絶理由は解消した。


第7 原査定についての判断

平成30年7月26日付けの手続補正により,補正後の請求項1は,「前記第1のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示す第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する値を抽出することのできる、前記オブジェクトの前記コンテンツデータ及び前記メタデータのうちの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第1の表現とを含」むとの技術的事項,及び「前記第2のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示し、且つ、前記第1のコンテンツプロパティに含まれているコンテンツプロパティ名と同じコンテンツプロパティ名である前記第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティに含まれている前記第1の表現とは異なる表現であり、且つ前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記値を抽出することのできる、前記オブジェクトのコンテンツデータ及びメタデータの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第2の表現とを含」むとの技術的事項を有するものとなった。当該「前記第1のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示す第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する値を抽出することのできる、前記オブジェクトの前記コンテンツデータ及び前記メタデータのうちの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第1の表現とを含」むとの技術的事項,及び「前記第2のコンテンツプロパティは、オブジェクトを検索するインデックスの対象を示し、且つ、前記第1のコンテンツプロパティに含まれているコンテンツプロパティ名と同じコンテンツプロパティ名である前記第1のコンテンツプロパティ名と、前記第1のコンテンツプロパティに含まれている前記第1の表現とは異なる表現であり、且つ前記第1のコンテンツプロパティ名に対応する前記値を抽出することのできる、前記オブジェクトのコンテンツデータ及びメタデータの少なくとも1つにおけるフィールドを特定可能な第2の表現とを含」むとの技術的事項は,原査定における引用文献1乃至6には記載されておらず,本願の出願前における周知技術でもないので,本願発明1乃至本願発明15は,当業者であっても,原査定における引用文献1乃至6に基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。


第8 むすび

以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-10-29 
出願番号 特願2015-559219(P2015-559219)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 月野 洋一郎  
特許庁審判長 仲間 晃
特許庁審判官 辻本 泰隆
山崎 慎一
発明の名称 オブジェクトストレージインデキシングシステムのためのコンテンツクラス  
代理人 特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所  

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