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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H02K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H02K
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H02K
管理番号 1345639
審判番号 不服2015-21566  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-04 
確定日 2018-10-31 
事件の表示 特願2013-156159「電気モーター及び発電機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 1月 9日出願公開、特開2014- 3891〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2010年7月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年9月3日:英国)を国際出願日とする特願2012-527407号の一部を平成25年7月26日に新たな出願としたものであって、平成27年7月28日付で拒絶査定がなされ(発送日:平成27年8月4日)、これに対し、平成27年12月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正書が提出され、当審により平成28年9月15日付で拒絶の理由が通知され(発送日:平成28年9月20日)、これに対し、平成29年3月21日に意見書及び手続補正書が提出され、当審により平成29年7月14日付で拒絶の理由が通知され(発送日:平成29年7月18日)、これに対し、平成30年1月18日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。


2.特許請求の範囲
平成30年1月18日の手続補正で、特許請求の範囲は以下のように補正された。
「【請求項1】
モーターに磁界が発生するように配置される2つのコイルセットを備えるステーターと、
2つの制御装置と、を備え、
各コイルセットは、複数のコイルサブセットを備え、
第一制御装置は、第一コイルセットの前記複数のコイルサブセットに接続し、
第二制御装置は、第二コイルセットの前記複数のコイルサブセットに接続し、
前記制御装置は、それぞれ、前記複数のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、前記コイルセットのそれぞれにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、三相電圧を供給する三相ブリッジインバーターを備え、
各ブリッジインバーターは、各コイルサブセットに接続してY又はデルタ構成を形成し、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記ステーターに搭載され、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記電気モーター内において各コイルサブセットに隣接して設置され、
前記複数のコイルセットは、前記ステーターの軸の周りに互いに異なる角度で前記軸の円周周辺に載置され、
前記制御装置は、それぞれ、前記コイルセットの各々と実質的に同じ角度で前記ステーターに載置され、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、通信インターフェースを介して互いに接続され、前記第一制御装置及び前記第二制御装置の通信が可能になり、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、回転磁界を発生させるように前記コイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記位置シグナルを用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成され、
前記コイルセットは、それぞれ、3つのコイルサブセットを備え、
前記コイルサブセットは、それぞれ、3つのコイルを備え、
前記3つのコイルは、電流の流れが所定の方向であるが位相は共通でその隣接するコイルと逆並行の磁界を生じるように、各コイルは互い違いに巻かれる、
電気モーター。
【請求項2】
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、パルス幅変調を用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成される、請求項1に記載の電気モーター。
【請求項3】
前記制御装置は、それぞれ、前記電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え、
前記制御装置は、それぞれ、各々の前記位置シグナルを用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成される、請求項1又は2に記載の電気モーター。
【請求項4】
前記ステーターは、前記第一制御装置に設けられたヒートシンクをさらに備え、前記第二制御装置は、前記ヒートシンク上に搭載されている、請求項1から3のいずれかに記載の電気モーター。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第一コイルセットに磁界を発生させるために用いるパルス幅変調電圧シグナルが前記第二コイルセットに磁界を発生させるために用いるパルス幅変調電圧制御シグナルに対してオフセットされるように構成される、請求項1から4のいずれかに記載の電気モーター。
【請求項6】
モーターに磁界が発生するように配置される2つのコイルセットを備えるステーターと、
2つの制御装置と、を備え、
各コイルセットは、複数のコイルサブセットを備え、
第一制御装置は、第一コイルセットの前記複数のコイルサブセットに接続し、
第二制御装置は、第二コイルセットの前記複数のコイルサブセットに接続し、
前記制御装置は、それぞれ、前記複数のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、前記コイルセットのそれぞれにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、三相電圧を供給する三相ブリッジインバーターを備え、
各ブリッジインバーターは、各コイルサブセットに接続してY又はデルタ構成を形成し、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記ステーターに搭載され、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記電気モーター内において各コイルサブセットに隣接して設置され、
前記複数のコイルセットは、前記ステーターの軸の周りに互いに異なる角度で前記軸の円周周辺に載置され、
前記制御装置は、それぞれ、前記コイルセットのそれぞれと実質的に同じ角度で前記ステーターに載置され、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、通信インターフェースを介して互いに接続され、前記第一制御装置及び前記第二制御装置の通信が可能になり、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、回転磁界を発生させるように前記コイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え、
前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記位置シグナルを用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成され、
前記コイルセットは、それぞれ、3つのコイルサブセットを備え、
前記コイルサブセットは、それぞれ、3つのコイルを備え、
前記3つのコイルは、電流の流れが所定の方向であるが位相は共通でその隣接するコイルと逆並行の磁界を生じるように、各コイルは互い違いに巻かれる、発電機。」


3.当審の特許法第36条に関する拒絶の理由
平成29年7月14日付の当審の特許法第36条に関する拒絶の理由の概要は以下のとおりである。
「I この出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で、特許法第36条第4項及び第6項に規定する要件を満たしていない。


(1)この出願の発明の構成が不明である。例えば、請求項1に、「前記コイルセットのそれぞれにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ」、「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、回転磁界を発生させるように前記コイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され」、「前記コイルセットは、それぞれ、3つのコイルサブセットを備え、前記コイルサブセットは、それぞれ、3つのコイルを備え、前記3つのコイルは、電流の流れが所定の方向であるが位相は共通でその隣接するコイルと逆並行の磁界を生じるように、各コイルは互い違いに巻かれる」との訳語があり、本願【図9】、【図10】のような意味であるとすると、コイルサブセットは回転磁界を発生させておらず[三相巻線は1つの相の巻線が同じ磁気位相の磁界を発生させる(U相が発生させる磁界は同じ磁気位相。VW相も同じ。UVW相は120°ずつ位相がずれる。三相交流波形と同様の磁界を発生させることによりモータに回転磁界が発生する]、何故回転磁界が発生するのか不明である。請求項6も同様である。
更に、【図10】のコイルサブセット44、46、48が、【図9】のような配置であるとすると、コイルサブセットが【図7】のようにY結線された場合、コイルサブセット44の右端のコイルとコイルサブセット46の左端のコイルが同じ磁気位相となって、コイルサブセット44、46の中央のコイルが発生する磁気位相の倍の電気角を有することとなり、回転子が回転できない、若しくは、回転できてもスムーズな回転とならず車両の車輪駆動用には不適切な回転となるものと考えられ、何故この様なコイル配置とするのか不明である。請求項6も同様である。」

平成28年9月15日付の当審の特許法第36条に関する拒絶の理由では以下の事項も通知している。
「更に、請求項1に、「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、通信インターフェースを介して互いに接続され、前記第一制御装置及び前記第二制御装置の通信が可能になる」との訳語があり、第一制御装置及び第二制御装置は必ずしも互いに制御信号を送受信しているものではないが、第一及び第二コイルセットは、バラバラに互いに独立して磁界を発生させれば、スムーズな回転が行えないから、何故第一制御装置及び第二制御装置は常に互いに制御信号を送受信していないのか不明である。請求項10も同様である。」


4.特許法第36条に関する拒絶の理由に対する当審の判断
(1)請求項1に、「前記コイルセットのそれぞれにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ」、「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、回転磁界を発生させるように前記コイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され」、「前記コイルセットは、それぞれ、3つのコイルサブセットを備え、前記コイルサブセットは、それぞれ、3つのコイルを備え、前記3つのコイルは、電流の流れが所定の方向であるが位相は共通でその隣接するコイルと逆並行の磁界を生じるように、各コイルは互い違いに巻かれる」とあり、本願発明は【図9】、【図10】に対応するものであって、その用途は車両の車輪駆動用三相モータを想定しているから、大きさが一定で向きが回転する回転磁界を発生させなければならないが、コイルサブセットは車両の車輪駆動用モータに適用可能な回転磁界を発生させておらず、何故所望の回転磁界が発生するのか明細書を参照しても不明(回転磁界を発生させるためには、三相交流波形と同様の磁界を発生させなければならない。三相交流は、U相位相が90°で出力1.0となり、そのときV相、W相はU相とそれぞれ120°位相がずれるから、それぞれ出力-0.5となる。平成30年1月18日に提出された意見書には回転磁界の説明図が示されているが、U相位相が90°のとき、U相のコイルABCには順にNSN極が発生し、V相も順にNSN極が発生し、W相も順にNSN極が発生するから、これらをベクトル的に合算すれば0になって磁界が発生しないこととなる。なお、スター結線の中点に、三相の内二相をコイルAを接続し、残り一相をコイルCを接続することは、出願当初には記載が無い。)である。請求項6も同様である。
(2)本願【図10】のコイルサブセット44、46、48が、本願【図9】のような配置であるとすると、コイルサブセットが平成30年1月18日に提出された意見書に記載された回転磁界の説明図のようにY結線された場合、コイルサブセット44の右端のコイルとコイルサブセット46の左端のコイルが同じ磁極となり、コイルサブセット46の右端のコイルとコイルサブセット48の左端のコイルが同じ磁極となって、コイルサブセット44、46、48の中央のコイルが発生する磁極の倍の電気角を有する、若しくは、コイルサブセット間に異極が形成されることとなり、回転子が回転できない、若しくは、回転できてもスムーズな回転とならず、車両の車輪駆動用には不適切な回転となるものと考えられ、何故この様なコイル配置とするのか明細書を参照しても不明である。
(3)請求項1に、「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、通信インターフェースを介して互いに接続され、前記第一制御装置及び前記第二制御装置の通信が可能になる」とあり、第一制御装置及び第二制御装置は互いに通信可能であるだけで、必ずしも互いに制御信号を送受信しているものではないので、第一及び第二コイルセットは、バラバラに互いに独立して磁界を発生させれば、スムーズな回転が行えないから、何故第一制御装置及び第二制御装置は常に互いに制御信号を送受信していないのか明細書を参照しても不明である。
請求人は、平成29年3月21日に提出された意見書で、「電気モーターのローターの位置に関する位置シグナルを第一制御装置及び第二制御装置が取得することができるため、これに基づけば、第一及び第二コイルセットがバラバラで互いに独立した磁界を発生させることはなくスムーズな回転が行えることが明確であると言えます。よって、当該拒絶理由は存在しないものと思慮致します。」と主張するが、位置検出用のセンサが何処にいくつ備えられるか特定されていないから、第一制御装置用のセンサ及び第二制御装置用のセンサを備え両制御装置を同期して制御できないものが含まれており、又、仮にセンサが第一制御装置及び第二制御装置に共通の信号を出力しても、第一制御装置・第二制御装置が同じ定格である特定はなく、第一制御装置と第二制御装置の間にバラツキがあれば制御もバラバラになるので、両制御装置を何故バラバラで互いに独立した磁界を発生させることはなくスムーズな回転を行わせることができるのか不明である。請求項6も同様である。
(4)したがって、発明の詳細な説明の記載は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないので、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、請求項1-6の記載は、発明の詳細な説明を参照しても明確ではないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


5.当審の特許法第29条に関する拒絶の理由
平成29年7月14日付の当審の特許法第29条第第2項に関する拒絶の理由の概要は以下のとおりである。
「この出願の請求項1-6に係る発明は、原出願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された国際公開第2008/007120号(特表2009-543538号公報参照)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」


6.特許法第29条に関する拒絶の理由に対する当審の判断
(1)引用例
当審の拒絶の理由で引用された、国際公開第2008/007120号(以下、「引用例1」という。翻訳は特表2009-543538号公報参照。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
a「1. An electric motor comprising: one or more separate coil sets arranged to produce a magnetic field of the motor, each coil set comprising a plurality of coil sub-sets, each coil sub-set comprising one or more coils, the magnetic field produced by the coils in each coil set having a substantially common phase; and a plurality of control devices each coupled to a respective coil subset for independently controlling a current in the coils of said respective coil sub-set, each control device being operable to control current in a respective coil sub-set without an input synchronisation signal.」
「【請求項1】モータの磁場を生成するよう構成された一つまたは複数の別々のコイルセットであって、
各コイルセットは複数のコイルサブセットを含み、各コイルサブセットは一つまたは複数のコイルを含み、各コイルセットのコイルにより生成される磁場は実質的に共通の位相を有する、コイルセットと、
それぞれのコイルサブセットに接続され前記コイルサブセットのコイルの電流を個別に制御する複数の制御装置であって、入力同期信号なしでそれぞれのコイルサブセットの電流を制御するよう動作する、制御装置と、
を備えることを特徴とする電気モータ。」

b「2. The electric motor of claim 1 , further comprising a sensor arranged to detect the position of a rotor of the motor to generate a position signal, wherein each control device is operable to control current in a respective coil sub-set using the position signal.
「【請求項2】電気モータのロータ位置を検出して位置信号を生成するよう構成されたセンサをさらに備え、各制御装置が前記位置信号を用いてそれぞれのコイルサブセットの電流を制御するよう動作することを特徴とする請求項1に記載の電気モータ。」

c「76. An electric motor operable in a regenerative braking mode comprising: one or more separate coil sets arranged to produce a magnetic field of the motor, each coil set comprising a plurality of coil sub-sets, each coil sub-set comprising one or more coils; and a plurality of control devices connected to a dc supply each coupled to a respective coil sub-set for independently controlling a current in the coils of said respective coil sub-set, wherein each control device comprises an H-bridge switching arrangement having first and second switches coupled to a first side of the dc supply and third and fourth switches coupled to a second side of the dc supply and configurable so that, in the regenerative braking mode, the first and second switches on the first side of the dc supply are opened, the third switch on the second side of the dc supply is closed and the fourth switch on the second side of the dc supply repeatedly opened and closed.」
「【請求項76】モータの磁場を生成するように構成された一つまたは複数の別々のコイルセットであって、各コイルセットは複数のコイルサブセットを備え、各コイルサブセットは一つまたは複数のコイルを備える、コイルセットと、
それぞれのコイルサブセットに接続され、前記コイルサブセットのコイルの電流を個別に制御する、一つのDC電源に接続された複数の制御装置と、を備え、
第1および第2のスイッチがDC電源の第1の側に接続され、第3および第4のスイッチがDC電源の第2の側に接続され、回生制動モードにおいて、DC電源の第1の側の第1および第2のスイッチが開かれ、DC電源の第2の側の第3のスイッチが閉じられ、DC電源の第2の側の第4のスイッチが繰り返し開閉されるように構成可能であるHブリッジスイッチング構成を各制御装置が備えていることを特徴とする、回生制動モードで動作可能な電気モータ。」

d「Coil Control
According to an aspect of the invention, there is provided an electric motor. The motor includes one or more separate coil sets arranged to produce a magnetic field of the motor. Each coil set includes a plurality of coil sub-sets. Each coil sub-set includes one or more coils. The magnetic field produced by the coils in each coil set have a substantially common phase. The motor also includes a plurality of control devices each coupled to a respective coil sub-set for controlling a current in the coils of that respective coil sub-set. Each control device is operable without requiring an input synchronisation signal.
Control of the currents in the coils of the motor is enhanced because the current in each coil sub-set can be controlled independently of the current in another coil sub-set. Because all of the coils of each coil set are not connected in series, the coil or coils of each coil sub-set can have a larger number of turns.The increased number of turns in each coil increases the overall inductance of the motor. This means that lower currents can be used in the coils of each coil sub-set, which leads to fewer heat dissipation problems, and which allows smaller switching devices to be used. The use of smaller switching devices in turn allows for faster switching speeds and lower switching losses.」(明細書5頁18-37行)
「コイル制御
本発明の一態様によると、電気モータが提供される。モータは、モータの磁場を発生させるように構成された一つまたは複数の別々のコイルセットを含む。各コイルセットは複数のコイルサブセットを含む。各コイルサブセットは一つまたは複数のコイルを含む。各コイルセットのコイルにより生じる磁場は、ほぼ共通の位相を持つ。モータは複数の制御装置も含み、各制御装置はそれぞれのコイルサブセットに接続され、そのコイルサブセットのコイルの電流を制御する。各制御装置は入力同期信号を必要とすることなく動作可能である。
各コイルサブセットの電流を別のコイルサブセットの電流と独立して制御できるので、モータのコイルの電流制御が強化される。各コイルセットの全てのコイルが直列に接続されている訳ではないので、各コイルサブセットのコイル(単数または複数)の巻数をより多くすることができる。各コイルの巻数が増加すると、モータ全体のインダクタンスが増大する。これは、各コイルサブセットのコイルでより低い電流を使用でき、熱放散問題を減少させ、使用するスイッチングデバイスをより小型にできることを意味する。より小型のスイッチングデバイスを使用することで、スイッチング速度をより高速にし、スイッチング損失をより低下させることができる。」(【0019】-【0020】)

e「The motor 40 in this example is a three phase motor. Again, it will be appreciated that motors according to this invention can include an arbitrary number of phases (N = 1 , 2, 3...). Being a three phase motor, the motor 40 includes three coil sets. In this example, each coil set includes two coil sub-sets. The coil sub-sets of each coil set are labelled 44, 46 and 48, respectively. The coil sub-sets 44, 46 and 48 are arranged around a periphery of the motor 40. In this example, each coil sub-set is positioned opposite the other coil sub-set in that coil set, although such an arrangement is not strictly essential to the working of the invention. Each coil sub-set includes one or more coils, as described below in relation to Figure 6. 」(明細書19頁26-35行)
「この実施例におけるモータ40は三相モータである。また、本発明によるモータは、任意の数の相(N=1、2、3、...)を含むことができることも認められよう。三相モータであるので、モータ40は三つのコイルセットを含む。この実施例では、各コイルセットは二つのコイルサブセットを含む。各コイルセットのコイルサブセットには、それぞれ44、46、48の符号が付されている。コイルサブセット44、46、48は、モータ40の周辺に配置される。この実施例では、各コイルサブセットはそのコイルセット内の他のコイルサブセットの反対側に位置するが、このような構成は本発明の作用にとって厳密に必須という訳ではない。各コイルサブセットは、図6に関して後述するように、一つ以上のコイルを含む。」(【0077】)

f「The motor 40 can include a rotor (not shown in Figure 5) positioned in the centre of the circle defined by the positioning of the various coils of the motor, thereby to allow rotation of the rotor within the rotating magnetic field produced by the coils. Preferably, though, the rotor is arranged around the coils as previously disclosed in Figures 3 and 4. The rotor may typically comprise one or more permanent magnets arranged to rotate such that their poles sweep across the ends of the coils of the motor 40. Appropriate switching of currents in the coils of the coil sub-sets allows synchronized attraction and repulsion of the poles of the permanent magnet of the rotor to produce the rotating action of the motor 40. It will be appreciated that Figure 5 is highly schematic and, in practice, the coil subsets will be arranged at the outer periphery of the stator with the rotor magnets surrounding the coils.
Each coil set 44, 46, 48 includes one or more coils. As shown in Figure 6, in the present example, there is a single coil per coil sub-set. An example with more than one coil per coil sub-set is described below in relation to Figures 7 and 8. Where more than one coil is provided in a given coil sub-set, these coils can generally be wound in opposite directions such that the magnetic field produced by each coil is in an anti-parallel configuration with respect to the magnetic field in an adjacent coil. As described above, appropriate switching of the current in the coils causes the permanent magnets of the rotor to rotate.
As shown in Figure 5, in accordance with an embodiment of this invention, the coil or coils of each coil sub-set can be connected to a separate control device 80. In Figure 5, it is schematically shown that each coil sub-set is connected to the terminals 54, 56, 58 of respective control devices 80. Accordingly, the coils of corresponding coil sub-sets within a given coil set are not connected in series. Instead, each coil sub-set is individually controlled and powered. The connections to the control device and the coils of each coil sub-set can be formed using, for example, a single piece of wire (e.g. copper wire) as is shown schematically in Figure 6. There are numerous advantageous to providing individual power control for the coils of each coil sub-set.」(明細書20頁1-32行)
「モータ40は、モータの様々なコイルの位置づけによって定まる円の中心に位置するロータ(図5には示さず)を備えることができ、これによって、コイルにより発生する回転磁場内でロータを回転させることができる。しかし、好ましくは、図3および図4で明らかにされるように、ロータはコイルの周りに配置される。通常、ロータは、磁石の極がモータ40のコイルの端部を横切って回転するように配置された一つ以上の永久磁石を備える。コイルサブセットのコイルの電流を適切にスイッチングすることで、ロータの永久磁石の極に同期された吸引と反発が起こり、モータ40の回転動作を生み出すことができる。図5は模式図であって、実際には、コイルサブセットはロータ磁石がコイルを囲んだ状態でステータの外周に配置されることは言うまでもない。
各コイルセット44、46、48は一つ以上のコイルを含む。図6で示すように、本実施例では、コイルサブセットにつき一つのコイルがある。コイルサブセットにつき複数のコイルがある例は、図7および図8に関連して以下で述べる。複数のコイルが所与のコイルサブセットに設けられる場合、これらのコイルは通常、各コイルにより生じる磁場が隣接するコイルの磁場に対して正反対(anti-parallel)の構成となるように反対方向に巻き付けられる。上述したように、コイルの電流を適切にスイッチングすることで、ロータの永久磁石が回転する。
図5で示すように、本発明の一実施形態によると、各コイルサブセットのコイル(単数または複数)が別々の制御装置80に接続していてもよい。図5において、各コイルサブセットがそれぞれの制御装置80の端子54、56、58に接続している様子が図式的に示されている。したがって、所与のコイルセット内の対応するコイルサブセットのコイルは直列接続されていない。その代わりに、各コイルサブセットは個別に制御され駆動される。制御装置と各コイルサブセットのコイルは、例えば、図6に模式的に示すように単一の導線(例えば銅の導線)を用いて接続することができる。各コイルサブセットのコイルを個別に電力制御することには多くの利点がある。」(【0078】-【0080】)

g「Another advantage of the use of smaller switching devices is that they can be located proximal the coils which they control. In prior electric motors, where relatively large switching devices have been employed to control the operation of coil sub-sets connected in series, the control device is sufficiently large that it can not be included with the other motor components (e.g. stator, rotor, etc.) but instead has been provided separately. In contrast, since small switching devices can be used, in accordance with an embodiment of this invention the switching devices and the control devices in which those switching devices are incorporated can be located in, for example the same housing/casing as the other motor components. Further detail regarding an example of a control device incorporating switching devices is given below in relation to Figures 10 and 11.
Figures 7 and 8 show another example arrangement for a motor 40 in accordance with an embodiment of this invention. The motor 40 shown in Figure 5 is a three phase motor. The motor therefore has three coil sets. In this example, each coil set includes eight coil sub-sets. The coil sub-sets of each coil set are labelled 44, 46 and 48, respectively in Figure 7. In common with the example described above in relation to Figure 5, each coil set includes pairs of coil sub-sets which are arranged opposite each other around the periphery of the motor 40. Again, however, it should be noted that there is no express need for each coil sub-set to have a corresponding coil sub-set located opposite from it on the opposite side of the periphery of the motor 40.
As described above in relation to Figure 7, each coil sub-set can be connected to a respective control device 80. The terminals for each coil sub-set of each coil set are labelled 54, 56 and 58, respectively in Figure 7. While the arrangement shown in Figure 7 includes a larger number of coil sub-sets than, for example, the arrangement shown in Figure 3, this does not significantly increase the size and bulk of the switching means which are used to operate the motor as would be the case if the increased number of coil sub-sets were connected together in series. Instead, it is merely necessary to provide an additional control device 80 incorporating relatively small switching devices as described above for each additional coil sub-set. As described above, these control devices 80 are sufficiently small such that they can be located adjacent to their corresponding coil sub-sets within, for example, the same casing as the motor 40.
As described above, each coil sub-set can include one or more coils. In this example, each coil sub-set includes three coils as is shown schematically in Figure 8. In Figure 8, these three coils are labelled 74A, 74B and 74C. The three coils 74A, 74B and 74C are alternately wound such that each coil produces a magnetic field which is anti-parallel with its adjacent coil/s for a given direction of current flow. As described above, as the permanent magnets of the rotor of the motor 40 sweep across the ends of the coils 74A, 74B and 74C, appropriate switching of the currents in the coils can be used to create the desired forces for providing an impulse to the rotor. As is shown schematically in Figure 6, each coil in a coil sub-set can be wound in series.」(明細書21頁21行-22頁29行)
「より小型のスイッチングデバイスを使用するもう一つの利点は、デバイスが制御するコイルの近くにデバイスを配置できることである。直列接続されたコイルサブセットの動作を制御するために比較的大きなスイッチングデバイスが採用された従来の電気モータでは、制御装置が比較的大きいため他のモータ部品(例えば、ステータ、ロータ等)に含めることができず、別個に設けなければならなかった。対照的に、本発明の一実施形態によると小型のスイッチングデバイスが使用できるため、スイッチングデバイスと、スイッチングデバイスを備える制御装置とを、例えば他のモータ部品と同じハウジング/ケーシングの中に配置することができる。スイッチングデバイスを備えた制御装置の例に関する詳細は、図10および図11に関連して以下で述べる。
図7および図8は、本発明の一実施形態によるモータ40の別の構成例を示す。図5に示すモータ40は三相モータである。したがって、モータは三つのコイルセットを有する。この実施例では、各コイルセットは8つのコイルサブセットを備える。コイルセットのコイルサブセットには、図7においてそれぞれ44、46、48の符号が付されている。図5に関して上述した例と同様に、各コイルセットは、モータ40の周囲に互いに反対側に配置されるコイルサブセットの組を有する。しかしながら、この場合も、各コイルサブセットは、モータ40の周囲の反対側に対応するコイルサブセットを有する明らかな必要性はないことに留意すべきである。
図7に関して上述したように、各コイルサブセットをそれぞれの制御装置80に接続することができる。各コイルセットの各コイルサブセットの端子には、図7においてそれぞれ54、56、58(審決注:「8」は誤記)と符号が付されている。図7に示す構成は、例えば図3に示した構成よりも多数のコイルサブセットを含むが、これは、増加した数のコイルサブセットを直列に接続する場合にモータを動作させるのに用いられるスイッチング手段の寸法および容積を著しく増大させる訳ではない。その代わりに、追加のコイルサブセットそれぞれに対し上述の比較的小さなスイッチングデバイスを備えた追加の制御装置80を設ける必要があるに過ぎない。上述したように、これらの制御装置80は、例えばモータ40と同一のケーシング内に、対応するコイルサブセットに近接して制御装置を配置できるほど十分に小さい。
上述したように、各コイルサブセットは一つまたは複数のコイルを含むことができる。この実施例では、図8に模式的に示すように、各コイルサブセットは三つのコイルを含む。図8では、これらの三つのコイルに74A、74B、74Cと符号が付されている。三つのコイル74A、74B、74Cは、所与の電流の方向に対して隣接するコイル(単数または複数)とは正反対の磁場を各コイルが生じるように、交互に巻線される。上述したように、モータ40のロータの永久磁石がコイル74A、74B、74Cの端部を横切るので、コイルの電流の適切なスイッチングを用いてロータにインパルスを与える所望の力を作り出すことができる。図6に模式的に示されているように、コイルサブセット内の各コイルを直列に巻くことができる。」(【0084】-【0087】)

h「The relative arrangement of magnets and coils, shown in Figure 9 can be repeated twice, three times, four times or indeed as many times as appropriate around 360 mechanical degrees of the rotor and stator arrangement. The larger the number of separate sub-sets of coils with independent phases, the lower the likelihood of high voltage transients or significant voltage ripple.」(明細書24頁9-13行)」
「図9に示す磁石とコイルの相対的な構成を、ロータおよびステータ構成の360度の機械角の周りに二回、三回、四回、または適切な数だけ繰り返すことができる。独立した相を持つ、コイルの別個のサブセットの数が多くなるほど、高電圧の過渡応答または重大な電圧リップルの可能性が低くなる。」(【0092】)

i「Control Circuitry
Figure 10 shows an example of a control device 80 in accordance with an embodiment of this invention. As described above, the control device 80 includes a number of switches which may typically comprise one or more semiconductor devices. The control device 80 shown in Figure 10 includes a printed circuit board 82 upon which a number of components are mounted. The circuit board 82 includes means for fixing the control device 80 within the motor, for example, adjacent to the coil sub-set which it the controls - directly to the cooling plate. In the illustrated example, these means include apertures 84 through which screws or suchlike can pass. In this example, the printed circuit board is substantially wedge-shaped. This shape allows multiple control device 80 to be located adjacent each other within the motor, forming a fan-like arrangement.
Mounted on the printed circuit board 82 of the control device 80 there can be provided terminals 86 for receiving wires to send and receive signals from a 92 control device as described below.
In the example shown in Figure 10, the control device 80 includes a number of switches 88. The switches can include semiconductor devices such as MOSFETs or IGBTs. In the present example, the switches comprise IGBTs. Any suitable known switching circuit can be employed for controlling the current within the coils of the coil sub-set associated with the control device 80. One well known example of such a switching circuit is the H-bridge circuit. Such a circuit requires four switching devices such as those shown in Figure 10. The wires (e.g. copper wires) of the coil sub-sets can be connected directly to the switching devices 88 as appropriate, and interconnections between the switching devices 88 can be formed on the printed circuit board 82. Since the switching devices 88 can be located adjacent the coil sub-sets as described above, termination of the wires of the coil sub-sets at the switching devices 88 is made easier.」(明細書25頁19-26頁12行)
「制御回路
図10は、本発明の一実施形態による制御装置80の一例を示す。上述したように、制御装置80は、典型的に一つ以上の半導体装置で構成できる複数のスイッチを備える。図10に示す制御装置80は、いくつかの部品が取り付けられるプリント回路基板82を含む。回路基板82は、制御装置80を、例えばそれが制御するコイルサブセットに隣接して、モータ内部で冷却プレートに直接固定する手段を備える。図示した例では、これらの手段はネジなどが貫通できる開口部84を含む。この例では、プリント回路基板は実質的にくさび形である。この形状により、複数の制御装置80を、モータ内部に扇状の構成で互いに隣接させて配置することが可能になる。
制御装置80のプリント回路基板82上には、後述する制御装置92からの信号を送受信するための導線を受け入れるための端子86を設けることができる。
図10に示す例では、制御装置80は複数のスイッチ88を含む。スイッチはMOSFETまたはIGBTなどの半導体デバイスであってもよい。本実施例では、スイッチはIGBTからなる。制御装置80に関連するコイルサブセットのコイル内の電流を制御するために、任意の適切な既知のスイッチング回路を利用することができる。そのようなスイッチング回路の周知例の一つは、Hブリッジ回路である。この回路は、図10に示すような四つのスイッチングデバイスを必要とする。コイルサブセットの導線(例えば、銅の導線)は適切なかたちでスイッチングデバイス88に直接接続することができ、スイッチングデバイス88間の接続はプリント回路基板82の上に形成することができる。上述のように、スイッチングデバイス88をコイルサブセットに隣接して配置することができるので、スイッチングデバイス88におけるコイルサブセットの導線の終端処理をより簡単にすることができる。」(【0098】-【0100】)

j「As shown in Figure 11 , the control device includes semiconductor switches arranged in an H-bridge arrangement. The H-bridge is of course known to those skilled in the art and comprises four separate semiconductor switches 88 connected to a voltage supply (here 300 volts) and to ground. The coils of each sub-coil are connected across the terminals 81 and 83. Here a sub-coil 44 is shown connected across the terminals. Simplistically, to operate the motor and supply a voltage in one direction, switches 88A and 88D are closed and the other switch is left open, so that a circuit is made with current in one direction. To operate the motor this current direction is changed in harmony with the alternating magnetic polarity passing the coil. To change the direction of rotation of the motor, the timing and polarity of the current flow in the coil is changed to cause the resulting forces in the opposite direction. The direction of current flow in the coil is reversed when switches 88B and 88C are closed and the other two switches are left open. In practice, the technique of pulse width modulating is used to pulse width modulate the signal applied to the gate of the semiconductor switches to control the voltage applied to the coils. The braking arrangement operates in a manner not known in the prior art and will be described after describing the overall control arrangement.」(明細書26頁14-31行)
「図11に示すように、制御装置はHブリッジ構成に配置された半導体スイッチを含む。当然ながらHブリッジは当業者にとって既知であり、電圧源(ここでは300ボルト)とグラウンドに接続された四つの別個の半導体スイッチ88からなる。各サブコイルのコイルは端子81および83をつないで接続される。ここでは、サブコイル44が端子間を接続するように示されている。単純化すると、モータを動かし電圧を一方向に供給するために、スイッチ88Aおよび88Dが閉じられ、他のスイッチが開いたままとされて、回路を電流が一方向に流れるようになる。モータを動かすために、この電流の向きは、交替磁極がコイルを通過するのと一致して変化する。モータの回転方向を変えるために、反対の方向に力が生じるようにコイルの電流のタイミングおよび極性が変化する。スイッチ88Bおよび88Cが閉じられ、他の二つのスイッチが開いたままにされると、コイルの電流の向きが逆になる。実際には、パルス幅変調の技術を用いて半導体スイッチのゲートに付与される信号をパルス幅変調して、コイルに付与される電圧を制御する。ブレーキ構成は従来技術では知られていない方法で動作し、全体的な制御構成を述べた後に説明される。」(【0101】)

k「Other control signals such as power up/power down control signals can also be sent/received via the interconnects. These signals can also include signals for adjusting/defining the voltage pulses applied by the control device 80 to the coils of its associated coil sub-set for powering the motor.」(明細書27頁36行-28頁2行)
「パワー・アップ/パワー・ダウン制御信号のような他の制御信号を、相互接続を介して送受信することもできる。これらの信号は、モータを駆動するために制御装置80により関連するコイルサブセットのコイルに付与される、電圧パルスを調整/定義する信号を含んでもよい。」(【0106】)

e、g及び図7を参照すると、コイルセットは三相コイルの各相コイルであるから、モータの磁場を生成するように構成された三相巻線を備えるステータが示されている。
e、g及び図7を参照すると、コイルサブセットはコイルセットを構成するコイルであって、各コイルセットのコイルサブセット44とコイルサブセット46とコイルサブセット48の、三相の各々の相(U相、V相、W相)のコイルサブセットからなる1群のコイルサブセットが、図7に示される様に8組配置されているから、三相巻線は、三相の各々の相のコイルサブセットが順に配置された1群のコイルサブセットを8組備えている。
e、g及び図7、11を参照すると、複数の制御装置はそれぞれコイルサブセットに接続されている。
e、g及び図7を参照すると、制御装置は、それぞれ、8組の1群のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、各1群のコイルサブセットにおいて、前記1群のコイルサブセットの1つのコイルサブセットに他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させている。
e、g、i及び図3、7を参照すると、制御装置は、ステータに搭載され、前記制御装置は、電気モータ内において各コイルサブセットに隣接して設置され、各1群のコイルサブセットは、ステータの軸の周りに互いに異なる角度で軸の円周周辺に載置され、前記制御装置は、それぞれ、前記コイルサブセットの各々と実質的に同じ角度でステータに載置されている。
e、f、g及び図7を参照すると、制御装置は、コイルサブセットのコイルの電流を適切にスイッチングすることで発生する回転磁界を発生するように構成されている。
b及び図7、10、11を参照すると、制御装置は、電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え、前記制御装置が前記位置信号を用いてそれぞれのコイルサブセットの電流を制御するよう構成されている。

上記記載事項からみて、引用例1には、
「モータの磁場を生成するように構成された三相巻線を備えるステータと、
複数の制御装置と、を備え、
三相巻線は、三相の各々の相のコイルサブセットが順に配置された1群のコイルサブセットを8組備え、
前記複数の制御装置は、それぞれ前記コイルサブセットに接続し、
前記制御装置は、それぞれ、前記8組の1群のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、前記各1群のコイルサブセットにおいて、前記1群のコイルサブセットの1つのコイルサブセットに他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ、
前記制御装置は、各コイルサブセットに接続されるHブリッジ回路を含み、
前記制御装置は、前記ステータに搭載され、
前記制御装置は、電気モータ内において各コイルサブセットに隣接して設置され、
前記各1群のコイルサブセットは、前記ステータの軸の周りに互いに異なる角度で軸の円周周辺に載置され、
前記制御装置は、それぞれ、前記コイルサブセットの各々と実質的に同じ角度でステータに載置され、
前記制御装置は、パワー・アップ/パワー・ダウン制御信号のような他の制御信号を、相互接続を介して送受信し、
前記制御装置は、コイルサブセットのコイルの電流を適切にスイッチングすることで発生する回転磁界を発生するように構成され、
前記制御装置は、前記電気モータのロータ位置を検出して位置信号を生成するよう構成されたセンサをさらに備え、
前記制御装置は、前記位置信号を用いてそれぞれのコイルサブセットの電流を制御するよう構成され、
前記各1群のコイルサブセットを備え、
前記各コイルサブセットは三つのコイルを含み、
前記三つのコイルは、所与の電流の方向に対して隣接するコイル(単数または複数)とは正反対の磁場を各コイルが生じるように、交互に巻線される、
電気モータ。」
との発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。


(2)対比
そこで、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と引用発明とを対比すると、引用発明の「モータ」、「磁場」、「ステータ」、「電気モータ」、「ロータ」、「位置信号」、「センサ」は、それぞれ本願発明の「モーター」、「磁界」、「ステーター」、「電気モーター」、「ローター」、「位置シグナル」、「センサー」に相当する。

本願発明のコイルセットは、制御装置に接続される三相巻線(図6コイルセット60参照)であり、本願発明のコイルサブセットは、制御装置に接続される三相巻線の各相コイルであるが、引用例1のコイルセットは、三相巻線の各相コイルであり、引用発明のコイルサブセットは、各相コイルを構成するコイルである。
本願発明のコイルセットは、複数のコイルサブセットを備え、特に3つのコイルサブセットを備えるものであって、各コイルセットが備える3つのコイルサブセットの各々は、三相の各々の相のコイルサブセットである。そうすると、引用発明の「三相の各々の相のコイルサブセットが順に配置された1群のコイルサブセット」は、本願発明の「コイルセット」が「複数のコイルサブセットを備え」、特に「3つのコイルサブセットを備え」るものと、「三相の各々の相のコイルサブセットが順に配置されたコイルグループ」(以下、単に「コイルグループ」という。)で一致するので、引用発明の「モータの磁場を生成するように構成された三相巻線を備えるステータ」「を備え、三相巻線は、三相の各々の相のコイルサブセットが順に配置された1群のコイルサブセットを8組備え」る態様と、本願発明の「モーターに磁界が発生するように配置される2つのコイルセットを備えるステーター」「を備え、各コイルセットは、複数のコイルサブセットを備え」「前記コイルセットは、それぞれ、3つのコイルサブセットを備え」る態様は、「モーターに磁界が発生するように配置される複数のコイルグループを備えるステーター」「を備え、各コイルグループは、複数のコイルサブセットを備え」「前記コイルグループは、それぞれ、3つのコイルサブセットを備え」る点で一致する。
また、引用発明の「複数の制御装置」と、本願発明の「2つの制御装置」は、「複数の制御装置」の点で一致する。
また、引用発明の「前記複数の制御装置は、前記それぞれコイルサブセットに接続」と、本願発明の「第一制御装置は、第一コイルセットの前記複数のコイルサブセットに接続し、第二制御装置は、第二コイルセットの前記複数のコイルサブセットに接続」は、「前記制御装置は、所定数のコイルサブセットに接続」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、それぞれ、前記8組の1群のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、前記各1群のコイルサブセットにおいて、前記1群のコイルサブセットの1つのコイルサブセットに他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ」と、本願発明の「前記制御装置は、それぞれ、前記複数のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、前記コイルセットのそれぞれにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ」は、「前記制御装置は、それぞれ、前記複数のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、前記コイルグループにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、各コイルサブセットに接続されるHブリッジ回路を含み」と、本願発明の「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、三相電圧を供給する三相ブリッジインバーターを備え、各ブリッジインバーターは、各コイルサブセットに接続してY又はデルタ構成を形成し」は、「前記複数の制御装置は、所定の回路を備え」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、前記ステータに搭載され」と、本願発明の「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記ステーターに搭載され」は、「前記複数の制御装置は、前記ステーターに搭載され」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、電気モータ内において各コイルサブセットに隣接して設置され」と、本願発明の「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記電気モーター内において各コイルサブセットに隣接して設置され」は、「前記複数の制御装置は、前記電気モーター内において各コイルサブセットに隣接して設置され」の点で一致する。
また、引用発明の「前記各1群のコイルサブセットは、前記ステータの軸の周りに互いに異なる角度で軸の円周周辺に載置され」と、本願発明の「前記複数のコイルセットは、前記ステーターの軸の周りに互いに異なる角度で前記軸の円周周辺に載置され」は、「前記複数のコイルグループは、前記ステーターの軸の周りに互いに異なる角度で前記軸の円周周辺に載置され」の点で一致する。
また、引用発明において、「前記制御装置は、それぞれ、前記コイルサブセットの各々と実質的に同じ角度でステータに載置され」ており、1群のコイルサブセットを構成する3つのコイルサブセットを制御する制御装置は、当然に3つのコイルサブセットの対応する1つと実質的に同じ角度でステータに載置されるから、引用発明の「前記制御装置は、それぞれ、前記コイルサブセットの各々と実質的に同じ角度でステータに載置され」と、本願発明の「前記制御装置は、それぞれ、前記コイルセットの各々と実質的に同じ角度で前記ステーターに載置され」は、「前記制御装置は、それぞれ、前記コイルグループの各々と実質的に同じ角度で前記ステーターに載置され」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、パワー・アップ/パワー・ダウン制御信号のような他の制御信号を、相互接続を介して送受信し」と、本願発明の「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、通信インターフェースを介して互いに接続され、前記第一制御装置及び前記第二制御装置の通信が可能になり」は、「前記複数の制御装置は、通信インターフェースを介して互いに接続され、前記複数の制御装置の通信が可能になり」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、コイルサブセットのコイルの電流を適切にスイッチングすることで発生する回転磁界を発生するように構成され」と、本願発明の「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、回転磁界を発生させるように前記コイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され」は、「前記複数の制御装置は、回転磁界を発生させるようにコイルグループの前記コイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、前記電気モータのロータ位置を検出して位置信号を生成するよう構成されたセンサをさらに備え」と、本願発明の「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え」は、「前記複数の制御装置は、前記電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え」の点で一致する。
また、引用発明の「前記制御装置は、前記位置信号を用いてそれぞれのコイルサブセットの電流を制御するよう構成され」と、本願発明の「前記第一制御装置及び前記第二制御装置は、前記位置シグナルを用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成され」は、「前記複数の制御装置は、前記位置シグナルを用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成され」の点で一致する。
また、引用発明の「前記各コイルサブセットは三つのコイルを含み」は、本願発明の「前記コイルサブセットは、それぞれ、3つのコイルを備え」に相当する。
また、引用発明の「前記三つのコイルは、所与の電流の方向に対して隣接するコイル(単数または複数)とは正反対の磁場を各コイルが生じるように、交互に巻線される」は、本願発明の「前記3つのコイルは、電流の流れが所定の方向であるが位相は共通でその隣接するコイルと逆並行の磁界を生じるように、各コイルは互い違いに巻かれる」に相当する。

したがって、両者は、
「モーターに磁界が発生するように配置されるコイルグループを備えるステーターと、
複数の制御装置と、を備え、
各コイルグループは、複数のコイルサブセットを備え、
前記制御装置は、所定数のコイルサブセットに接続し、
前記制御装置は、それぞれ、前記複数のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、前記コイルグループにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させ、
前記複数の制御装置は、所定の回路を備え、
前記複数の制御装置は、前記ステーターに搭載され、
前記複数の制御装置は、前記電気モーター内において各コイルサブセットに隣接して設置され、
前記複数のコイルグループは、前記ステーターの軸の周りに互いに異なる角度で前記軸の円周周辺に載置され、
前記制御装置は、それぞれ、前記コイルグループの各々と実質的に同じ角度で前記ステーターに載置され、
前記複数の制御装置は、通信インターフェースを介して互いに接続され、前記複数の制御装置の通信が可能になり、
前記複数の制御装置は、回転磁界を発生させるようにコイルグループの前記コイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され、
前記複数の制御装置は、前記電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え、
前記複数の制御装置は、前記位置シグナルを用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成され、
前記コイルグループは、それぞれ、3つのコイルサブセットを備え、
前記コイルサブセットは、それぞれ、3つのコイルを備え、
前記3つのコイルは、電流の流れが所定の方向であるが位相は共通でその隣接するコイルと逆並行の磁界を生じるように、各コイルは互い違いに巻かれる、
電気モーター。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

〔相違点1〕
本願発明は、2つのコイルセットを備え、2つの制御装置を備え、各コイルセットは3つのコイルサブセットを備えるのに対し、引用発明は、三相巻線を備え、複数の制御装置を備え、三相巻線は三相の各々の相のコイルサブセットが順に配置された1群のコイルサブセットを8組備える点。
〔相違点2〕
制御装置に関し、本願発明は、第一制御装置は、第一コイルセットの3つのコイルサブセットに接続し、第二制御装置は、第二コイルセットの3つのコイルサブセットに接続するのに対し、引用発明は、複数の制御装置は、それぞれコイルサブセットに接続する点。
〔相違点3〕
制御装置は、それぞれ、複数のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御するための構成部品を備えて、コイルグループにおいて、各コイルサブセットに、他の1又は複数のコイルサブセットと実質的に異なる磁気位相の磁界を発生させる点に関し、本願発明は、複数のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御し、コイルセットのそれぞれにおいて、各コイルサブセットに磁界を発生させるのに対し、引用発明は、8組の1群のコイルサブセットのそれぞれにおける電流を制御するための複数のスイッチの操作を制御し、各1群のコイルサブセットに磁界を発生させる点。
〔相違点4〕
複数の制御装置が所定の回路を備える点に関し、本願発明は、第一制御装置及び前記第二制御装置は、三相電圧を供給する三相ブリッジインバーターを備え、各ブリッジインバーターは、各コイルサブセットに接続してY又はデルタ構成を形成するのに対し、引用発明は、制御装置は、各コイルサブセットに接続されるHブリッジ回路を含む点。
〔相違点5〕
ステーターに搭載され、電気モーター内において各コイルサブセットに隣接して設置される複数の制御装置に関し、本願発明は、第一制御装置及び第二制御装置であるのに対し、引用発明は、複数の制御装置である点。
〔相違点6〕
ステーターの軸の周りに互いに異なる角度で前記軸の円周周辺に載置される複数のコイルグループに関し、本願発明は、複数のコイルセットであるのに対し、引用発明は、各1群のコイルサブセットである点。
〔相違点7〕
制御装置は、それぞれ、コイルグループの各々と実質的に同じ角度でステーターに載置される点に関し、本願発明は、コイルセットの各々と載置されるのに対し、引用発明は、コイルサブセットの各々と載置される点。
〔相違点8〕
通信インターフェースを介して互いに接続され通信が可能になり、回転磁界を発生させるようにコイルサブセットの各々を互いに異なる電圧位相で駆動するように構成され、電気モーターのローターの位置を検出して位置シグナルを生じるように構成されたセンサーを備え、位置シグナルを用いて各コイルサブセットに対する電圧を制御するように構成される複数の制御装置に関し、本願発明は、第一制御装置及び第二制御装置であるのに対し、引用発明は、複数の制御装置である点。
〔相違点9〕
それぞれ、3つのコイルサブセットを備えるコイルグループに関し、本願発明は、3つのコイルサブセットであるのに対し、引用発明は、各1群のコイルサブセットである点。


(3)判断
相違点1-9について
引用発明のモータは三相巻線を有する三相モータである。三相モータにおいて、三相巻線をY又はデルタ結線とすること、及びその際の駆動回路を三相インバータとすることは慣用手段であり、又、三相回路をHブリッジ回路で構成することも慣用手段である。三相モータにおいて、三相巻線をY又はデルタ結線として三相インバータで駆動するか、三相巻線を各相に分離独立して3つのHブリッジで駆動するかは、当業者であれば適宜選択し得る事項(必要があれば特開2004-254376号公報参照)である。
また、引用発明は、三相巻線が三相の各々の相のコイルサブセットが順に配置された1群のコイルサブセットを8組備えている。1群のコイルサブセットが1組以上あれば三相巻線として動作可能であるが、引用発明は1群のコイルサブセットを8組有しており、複数組とすればd記載のように小型化が可能であり、1群のコイルサブセットを2組とすることもeに記載されている。
そうであれば、引用発明において、1群のコイルサブセットの組数を2組とし、三相を構成するHブリッジ回路の1群のコイルサブセットをY又はデルタ結線として本願発明のコイルセットとし且つ駆動回路を三相インバータとし、制御装置を各組毎に設けて、相違点1-9のようにすることは当業者が容易に考えられることと認められる。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


7.むすび
したがって、発明の詳細な説明の記載は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないので、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、請求項1-6の記載は、発明の詳細な説明を参照しても明確ではないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、また、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、本願を拒絶すべきであるとした原査定は維持すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-05-28 
結審通知日 2018-05-29 
審決日 2018-06-19 
出願番号 特願2013-156159(P2013-156159)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (H02K)
P 1 8・ 121- WZ (H02K)
P 1 8・ 537- WZ (H02K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 下原 浩嗣  
特許庁審判長 久保 竜一
特許庁審判官 堀川 一郎
矢島 伸一
発明の名称 電気モーター及び発電機  
代理人 奥野 彰彦  
代理人 SK特許業務法人  
代理人 伊藤 寛之  

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