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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A62C
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A62C
管理番号 1346443
審判番号 不服2017-17527  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-27 
確定日 2018-12-12 
事件の表示 特願2015-511751「自動消火具」拒絶査定不服審判事件〔平成27年4月2日国際公開、WO2015/045195、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)12月25日(優先権主張2013年9月27日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成29年5月15日付け(発送日:平成29年6月6日)で拒絶の理由が通知され、その指定期間内の平成29年7月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成29年8月22日付け(発送日:平成29年8月28日)で拒絶査定がなされ、これに対し、平成29年11月27日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正がされ、その後、平成30年7月19日付け(発送日:平成30年7月30日)で当審より拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、その指定期間内の平成30年9月25日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成29年8月22日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1ないし14に係る発明は、以下の引用文献AないしDに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2004-196926号公報
B.特開2003-117021号公報
C.特開2008-22884号公報
D.米国特許第6161624号明細書

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

1(サポート要件)本願は、特許請求の範囲の請求項1ないし14の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

2(明確性)本願は、特許請求の範囲の請求項10の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

3(進歩性)本願の下記の請求項1ないし14に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項1ないし14
・引用文献1ないし3

引用文献一覧
1.国際公開第91/08022号 (当審において新たに引用した文献)
2.特開2003-117021号公報 (原査定の引用文献B)
3.特開2004-196926号公報 (原査定の引用文献A)

第4 本願発明
本願の請求項1ないし12に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明12」という。)は、平成30年9月25日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された以下の通りのものと認める。

「【請求項1】
熱可塑性樹脂層にガスバリヤー層を積層したものからなるチューブ状の容器と、該容器内に充填された消火剤と、該容器内に加圧状態で充填された不活性ガスと、該容器の両端部を密閉している電気融着継手とを備えてなり、消火対象物の近くに設置し、該消火対象物から出火した場合、火災の熱と該消火剤及び該不活性ガスの圧力によって該容器の一部に噴出口を形成させ、該消火剤及び該不活性ガスの圧力によって該噴出口から該消火剤を噴出させて該火災を消火させる自動消火具であって、該ガスバリヤー層はエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(ethylenevinylalcohol copolymer:EVOH)からなり、該熱可塑性樹脂層の厚さは0.5mm?2.5mm、該ガスバリヤー層の厚さは0.01mm?1mmであり、該ガスバリヤー層は該熱可塑性樹脂層に挟まれており、該消火剤は25℃(常温)で液体、沸点が75℃以下の消火作用を有する化合物からなることを特徴とする自動消火具。
【請求項2】
前記ガスバリヤー層と前記熱可塑性樹脂層は接着剤層を介して積層していることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂層がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はその他のポリオレフィン樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動消火具。
【請求項4】
前記ポリエチレン樹脂が密度930kg/m^(3)?960kg/m^(3)のポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の自動消火具。
【請求項5】
前記消火剤が、150℃の蒸気圧が0.6Mpa以上の特性を有する消火剤であることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項6】
前記消火剤がCF_(3)CF_(2)C(O)CF(CF_(3))_(2)の化学式で示される物質であることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項7】
前記容器の容積の50%?90%が前記消火剤で占められ、前記容器の容積の50%?10%が気体で占められていることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項8】
前記容器の25?75℃における耐圧が0.1MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項9】
前記容器のSDR(管の外径÷肉厚)が6?18であることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項10】
前記容器の外径が4mm?40mmであることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項11】
前記容器がスパイラル状の防護材によって囲繞されていることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。
【請求項12】
前記消火対象物が、分電盤、配電盤、電力盤又は二次電池であることを特徴とする請求項1に記載の自動消火具。」

第5 特許法第29条第2項(進歩性)についての判断
1 引用文献、引用発明等
(1)引用文献1
平成30年7月19日付けの当審拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献1(国際公開第91/08022号)には、「A FIRE EXTINGUISHER」に関して、図面(特にFig.1及びFig.2を参照。)とともに以下の事項が記載されている(なお、下線部は当審が付した。以下同様。)。

ア「According to the present invention, there is provided a fire extinguisher comprising an enclosure with thermoplastic walls containing a fire extinguishing medium under pressure.
In use, the extinguisher will be placed with at least part of its thermoplastic wall adjacent to a place where a fire might start. When that place becomes hot, the thermoplastic wall heats up and because of the internal pressure in the enclosure the wall of the enclosure is ruptured and the extinguishing medium sprays out. The result is an extinguishing of the fire.
In a preferred form, the enclosure is a length of thermoplastic tubing, and the tubing can be wound around a component which it is necessary to protect from fire. For example the tubing could be wound around and between circuit boards in a computer casing such that if any dangerous overheating occurs on any one of the boards around which the tubing is wound, then the tubing will rupture at that point and put out the fire.
The tubing can be any thermoplastic tubing which is capable of withstanding the necessary internal pressures, and nylon 12 has been found to be a particularly effective material. The internal pressure used will depend upon the nature of the extinguishing medium. When using BCF as the extinguishant, the pressure can be in the range of 75 to 450 psi (500 to 3,000 kPa).
BCF is the preferred extinguishant, but other extinguishants such as water and even power extinguishants can also be used.
The pressurization of the enclosure can be achieved by the use of a known inert gas, in a manner conventionally known for fire extinguishers.」(1ページ20行ないし2ページ22行)
当審で作成したアの仮訳は以下のとおりである。
「本発明によれば、加圧下で消火媒体を収容する熱可塑性の壁を有するエンクロージャーからなる消火器が提供される。
使用するとき、消火器は火災が発生する可能性のある場所に隣接した場所に少なくとも熱可塑性の壁の一部が置かれる。その場所が熱くなると熱可塑性の壁が加熱されエンクロージャー内の内圧によりエンクロージャーの壁が破裂し、消火媒体が噴出する。その結果、消火が行われる。
好ましい形態では、エンクロージャーは長い熱可塑性のチューブであり、チューブは防火が必要なコンポーネントの周りに巻付けることができる。例えば、チューブはコンピュータケースの中の回路ボードの間と周りに巻付けられ、もし危険な加熱がチューブが巻付けられたボードの回りに発生するとチューブはその場所で破裂し消火する。
チューブは必要な内圧に耐えられる任意の熱可塑性のチューブとすることができる。ナイロン12は特に効果的な材料であることが知られている。内圧は消火媒体の性質に依存する。BCFを消火媒体として用いる場合、内圧は75から450psi(500から3000kPa)の範囲内とすることができる。
BCFは好ましい消火剤である。しかし水と粉末消火剤のような他の消火剤も使うことができる。
エンクロージャー内の加圧は、従来消火器で知られている方法で、公知の不活性ガスを使用することにより達成することができる。」

イ「Figure 1 shows a length of tubing 10 which has its end sealed at 12 and 14. The internal bore of the tube contains an extinguishant 16 which can conveniently be bromochlorodifluoromethane (BCF). Part of the internal bore also contains gas 18 under pressure to pressurize the extinguishant 16.
Figure 1 also shows a fire 20 burning close to the tube. The fire will heat up the tube wall, and as a result partly of the heat and partly of the internal pressure exerted on the tube walls, at a certain critical stage the tube will rupture where it has been softened by the heat and the gas pressure 18 inside the tube will force the extinguishant out onto the fire to extinguish the fire. Such an extinguisher can be very simply made by taking a length of nylon or other thermoplastic tube, about 95% full with BCF under pressure and then supercharging the remaining 5% volume of the tube bore with an inert gas before sealing the other end 12.
The exceptional feature of this extinguisher is that it opens to allow the escape of extinguishant at any point along its length, and at that point which happens to get hot under the particular circumstances. This is to be contrasted with a conventional extinguisher where the nozzle through which the extinguishant escapes is in one fixed position. As a result, the actual quantity of extinguishant needed to put out a fire is very much less resulting in smaller discharges of the environmentally harmful extinguishant.」(4ページ2行ないし30行)
当審で作成したイの仮訳は以下のとおりである。
「図1は閉じられた端部12及び14を持つ長いチューブ10を示す。チューブの内部空間は好適にはブロモクロロジフルオロメタン(BCF)である消火剤16を含む。内部空間の一部は消火剤を加圧するためのガス18が加圧下で含まれる。
図1はチューブの近くで燃える火20を示す。火はチューブの壁を加熱し、部分的な加熱とチューブの壁に作用する部分的な内圧の結果として、臨界的な段階でチューブは熱と消火のために火に向かって出る消火剤の力を受けるチューブ内のガス18の内圧により軟化した場所で破裂する。このように、消火器はナイロンか他の熱可塑性の長いチューブを使い、一方を閉じ、チューブ内の95%を圧力下でBCFを充填し、他端12を閉じる前にチューブの内部空間の残りの5%を不活性ガスで加圧することで、とても単純に作ることができる。
この、消火器の例外的な特徴は、長さに沿い、特定の状況の下で加熱された任意の場所で消火剤が出ることを許すように開くことである。これは、消火剤の出口が一箇所で固定されたノズルである従来の消火器と対照的である。結果、消火に必要な消火剤の実際の量は、結果として環境に有害な消火剤のより小さい放出の中でとても少ない。」

以上から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「熱可塑性のチューブ10と、該チューブ10内に含まれる消火剤16と、該チューブ10内に加圧状態で含まれる不活性ガス18と、チューブ両端の閉じられた端部12及び14とを備えてなり、消火が必要なコンポーネントの回りに巻付けられ、該コンポーネントに危険な加熱が発生すると、熱と該消火剤16及び不活性ガス18の圧力によって該チューブ10の一部が破裂し、該消火剤16を噴出させる消火器。」

(2)引用文献2
平成30年7月19日付けの当審拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献2(特開2003-117021号公報)の段落【0023】、【0040】、【0041】ないし【0044】、【0069】ないし【0072】、【0097】、及び【0115】ないし【0118】並びに【図6】の記載からみて、当該引用文献2には、次の事項が記載されていると認められる。

「常温で液体であり、沸点が48℃である化学物質を消火剤として用いること。」

(3)引用文献3
平成30年7月19日付けの当審拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献3(特開2004-196926号公報)の段落【0003】、【0006】ないし【0026】、【0035】及び【0036】の記載からみて、当該引用文献3には、次の事項が記載されていると認められる。

「ナイロン樹脂とオレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂と、ポリビニルアルコール(EVOH)が好適に使用されるナイロン樹脂以外の熱可塑性樹脂とが多層構造を有すること。」

2 対比・判断
(1)本願発明1
本願発明1と引用発明とを対比すると、後者の「加圧状態で含まれる」はその機能、構成及び技術的意義からみて前者の「加圧状態で充填された」に相当し、以下同様に、「不活性ガス18」は「不活性ガス」に、「消火剤16」は「消火剤」に、「消火が必要なコンポーネントの周りに巻付けられ」は「消火対象物の近くに設置し」に、「コンポーネントに危険な加熱が発生すると、熱と該消火剤16及び不活性ガス18の圧力によって該チューブの一部が破裂し、該消火剤16を噴出させ」は「消火対象物から出火した場合、火災の熱と該消火剤及び該不活性ガスの圧力によって該容器の一部に噴出口を形成させ、該消火剤及び該不活性ガスの圧力によって該噴出口から該消火剤を噴出させて該火災を消火させる」に、「消火器」は「自動消火具」にそれぞれ相当する。
また、後者の「熱可塑性のチューブ10」と前者の「熱可塑性樹脂層にガスバリヤー層を積層したものからなるチューブ状の容器」とは、「熱可塑性樹脂層からなるチューブ状の容器」という限りで一致する。
同様に、後者の「チューブ両端の閉じられた端部12及び14」と前者の「容器の両端部を密閉している電気融着継手」とは、「容器の両端部を密閉しているもの」という限りで一致する。

したがって、両者は、
「熱可塑性樹脂層からなるチューブ状の容器と、該容器内に充填された消火剤と、該容器内に加圧状態で充填された不活性ガスと、該容器の両端部を密閉しているものとを備えてなり、消火対象物の近くに設置し、該消火対象物から出火した場合、火災の熱と該消火剤及び該不活性ガスの圧力によって該容器の一部に噴出口を形成させ、該消火剤及び該不活性ガスの圧力によって該噴出口から該消火剤を噴出させて該火災を消火させる自動消火具。」
である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
「容器の両端部を密閉しているもの」に関し、前者は、「電気融着継手」であるの対し、後者はかかる構成を備えていない点。

[相違点2]
チューブ状の容器に関し、前者は、「熱可塑性樹脂層にガスバリヤー層を積層したもの」からなり、「該ガスバリヤー層はエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(ethylenevinylalcohol copolymer:EVOH)からなり、該熱可塑性樹脂層の厚さは0.5mm?2.5mm、該ガスバリヤー層の厚さは0.01mm?1mmであり、該ガスバリヤー層は該熱可塑性樹脂層に挟まれて」いるのに対し、後者は、かかる事項を備えるか不明である点。

[相違点3]
「消火剤」に関し、前者は「該消火剤は少なくとも25℃(常温)で液体、沸点が少なくとも75℃以下の消火作用を有する化合物からなる」のに対し、後者はこのような消火剤ではない点。

相違点について検討する。
相違点1について検討する。
引用文献2の記載事項は、
「常温で液体であり、沸点が48℃である化学物質を消火剤として用いること。」
である。

また、引用文献3の記載事項は、
「ナイロン樹脂とオレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂と、ポリビニルアルコール(EVOH)が好適に使用されるナイロン樹脂以外の熱可塑性樹脂とが多層構造を有すること。」
である。

そして、引用文献2及び引用文献3には、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項について、記載も示唆もされていない。

してみると、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項は、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を備えていない。
そうすると、このような引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項を引用発明に適用しても、上記相違点1にかかる本願発明1の発明特定事項にはならない。
そして、上記相違点1にかかる本願発明1の発明特定事項を備えることで、本願発明1は、「容器内に加圧状態で充填された不活性ガスの圧力を更に長期間に亘って維持することができ、消火対象物の近くにメンテナンスフリーな状態で更に長期間に亘って設置することができる」という、引用発明、引用文献2記載の技術及び引用文献3記載の技術から予測し得ない格別な効果を奏するといえる。

そうすると、引用発明、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項を総合しても、上記相違点1にかかる本願発明1の発明特定事項を容易になし得ることはできない。

したがって、相違点2及び相違点3の検討をするまでもなく、本願発明1は、当業者が引用発明、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)本願発明2ないし本願発明12について
本願の特許請求の範囲における請求項2ないし12は、請求項1の記載を直接又は間接的に、かつ、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく引用して記載されたものであるから、本願発明2ないし本願発明12は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。

したがって、本願発明2ないし本願発明12は、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 特許法第36条第6項第1号(サポート要件)の判断
平成30年9月25日の手続補正により、特許法第36条第6項第1号の拒絶の理由の対象であった補正前の請求項1の「容器の両端部が溶融により密閉されている」について「容器の両端部を密閉している電気融着継手とを備えてなり」と補正された結果、該記載を含む請求項1に係る発明は、本願の発明の詳細な説明に記載されたものとなったので、この拒絶の理由は解消した。

第7 特許法第36条第6項第2号(明確性)の判断
平成30年9月25日の手続補正により、特許法第36条第6項第2号の拒絶の対象であった補正前の請求項10は削除された。その結果、この拒絶の理由は解消した。

第8 原査定についての判断
平成30年9月25日の補正により、補正後の請求項1ないし12は、第5 2(1)で上述した本願発明1の相違点1にかかる技術的事項を有するものとなった。当該第5 2(1)で上述した本願発明1の相違点1にかかる技術的事項は、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献3)、引用文献B(当審拒絶理由における引用文献2)、引用文献C及び引用文献Dには記載されていないので、本願発明1ないし12は、当業者が原査定における引用文献AないしDに基いて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第9 むすび
以上のとおり、当審が通知した理由及び原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-11-20 
出願番号 特願2015-511751(P2015-511751)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A62C)
P 1 8・ 121- WY (A62C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅家 裕輔  
特許庁審判長 金澤 俊郎
特許庁審判官 水野 治彦
鈴木 充
発明の名称 自動消火具  
代理人 窪田 法明  
代理人 窪田 法明  

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