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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65D |
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管理番号 | 1346679 |
審判番号 | 不服2017-6978 |
総通号数 | 229 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-01-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-05-15 |
確定日 | 2018-11-29 |
事件の表示 | 特願2013-114577「合成樹脂製ボトル」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月15日出願公開、特開2014-234162〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件出願は、平成25年5月30日の特許出願であって、平成28年9月16日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月22日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成29年2月14日付けで拒絶をすべき旨の査定がなされた。 これに対し、平成29年5月15日に該査定の取消を求めて本件審判の請求がされ、その後、平成30年6月20日付けで当審から拒絶の理由が通知され、同年8月27日に意見書とともに手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明は、上記平成30年8月27日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認めるところ、その請求項1の記載は以下のとおりである。(以下請求項1に係る発明を「本願発明」という。) 「 【請求項1】 口部、首部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿ってこの順に連設された合成樹脂製のボトルであって、 前記首部と前記肩部との連結部分は、ボトル内側に向けて突の曲面状に形成され、 前記肩部は、前記首部側から前記胴部側に向かうに従い漸次拡径されるとともに、ボトル外側に向けて突の曲面状に形成され、 このボトルの縦断面視において、前記連結部分の曲率半径が5mm以上とされるとともに、前記肩部の曲率半径が前記連結部分の曲率半径より大きく、かつ40mm以上となっていて、前記連結部分と前記肩部とが段差なく連なり、 前記口部には、径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延びるネックリングが形成され、前記首部は、前記ネックリングから下方に向けて延び、 このボトルの縦断面視において、前記ネックリングと前記首部との連結部分を通り、かつ前記肩部に外接する直線の、ボトル軸に対する傾斜角度が、30°以上35°以下となっており、 前記肩部の縦断面視形状が、全長にわたって単一の円弧形状となっていることを特徴とする合成樹脂製ボトル。」 第3 拒絶の理由 平成30年6月20日付けで当審が通知した拒絶理由のうち理由2は、本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明又は頒布された以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特表2005-504662号公報 引用文献2:特開平4-173538号公報 第4 引用文献記載の発明又は事項 当審での平成30年6月20日付けの拒絶の理由に引用された、本件の出願前に頒布された刊行物である引用文献1及び2には、以下の発明又は事項が記載されていると認められる。なお、下線は当審で付したものである。 1 引用文献1 (1)引用文献1に記載された事項 引用文献1には、「合成樹脂製壜体」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (ア)特許請求の範囲 「【請求項1】 エチレングリコールテレフタレートの反復単位に基づくポリエステルを射出成形/ブロー成形するプロセスによって中空容器を製造するにあたり、プレフォームを射出成形する第一工程及びプレフォームを容器に一致する造形用金型においてブロー成形する第二工程を含む方法であって、ポリエステルが下記: 粘度数VN≧95ml/g、 ジ酸モノマーのモルの合計数に基づいて多くて3.5%のモル量の、エチレングリコール及びテレフタル酸と異なるモノマー を有することを特徴とし、かつ 遊離の又は組み合わされたジエチレングリコールのモル量がジ酸モノマーのモル数に基づいて2.5%以下に相当する ことを特徴とする方法。」 (イ)「【0001】 本発明は、ポリエステルを射出成形/ブロー成形することによる中空品、一層特に発泡性飲料、或はミネラル又は天然水のようなドリンクを包装するために使用される中空品の製造に関する。 【0002】 一層詳細には、発明は、高いレベルの熱機械的性質を有する中空品、例えば温液を充填する又は内容物を低温殺菌するような手順の過程で遭遇される相対的に過酷な熱応力に有意に変形しないで耐えることができるボトルの製造に関する。」 (ウ)「【0066】 図1に従うボトルを、上記の4種のポリエステルによって製造してVRB測定及びフリーブロー成形によってこれらのポリエステルの耐クリープ性を求めた。得られた結果を下記の表1に挙げ、表1は、また、得られたボトル及び対応するプレフォームに関して測定した粘度数も示す。」 (エ)「【0068】 これらの結果は、発明に従うポリエステルDだけが、高いレベルの熱機械的挙動を有するボトルを得ることを可能にし、それらを、液体製品を低温殺菌するプロセス又は該ボトルをホット充填するプロセスにおいて使用することを可能にする。」 (2)引用文献1発明 (オ)上記(ウ)に示した図1のボトルに関し、技術常識を踏まえれば、下の「当審で注釈を付加した図」に示すように、引用文献1記載の「ボトル」は、その「口部」、「ネックリング」、「首部」、「胴部」及び「底部」を矢印図示の位置に有するものと認められる。 (カ)図1のボトルに示される縦方向の一点鎖線は、「当審で注釈を付加した図」に矢示するように、「ボトル軸」ということができる。 (キ)図1における「首部」と「肩部」との連結部に、「R10」という引出線が付されていることなどから、図1記載のボトルは、“首部と肩部との連結部分は、ボトル内側に向けて突の曲面状に形成され”、また、“ボトルの縦断面視において”その“連結部分の曲率半径は10mm”であるものと認められる。 (ク)図1における「肩部」は、“首部側から胴部側に向かうに従い漸次拡径されるとともに、ボトル外側に向けて突の曲面状に形成され”ているものと認められる。 (ケ)図1における「肩部」に、「R100」という引出線が付されていることなどから、図1記載のボトルは、“肩部の曲率半径100mmとなっていて、連結部分と肩部とが段差なく連な”っているものと認められ、したがって、肩部の曲率半径は“連結部分の曲率半径より大き”いといえる。 (コ)図1に示される「ネックリング」は、技術常識を踏まえれば、“径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延び”ているものと認められ、また、“ネックリングから下方に向けて”「首部」が延びていることが看取できる。 引用文献1の上記記載事項(ア)ないし(エ)及び認定事項(オ)ないし(コ)を図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、引用文献1には以下の発明が記載されていると認められる。(以下「引用文献1発明」という。) 「口部、首部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿ってこの順に連設されたポリエステル製ボトルであって、 前記首部と前記肩部との連結部分は、ボトル内側に向けて突の曲面状に形成され、 前記肩部は、前記首部側から前記胴部側に向かうに従い漸次拡径されるとともに、ボトル外側に向けて突の曲面状に形成され、 このボトルの縦断面視において、前記連結部分の曲率半径が10mmとされるとともに、前記肩部の曲率半径が前記連結部分の曲率半径より大きく、かつ100mmとなっていて、前記連結部分と前記肩部とが段差なく連なり、 前記口部には、径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延びるネックリングが形成され、前記首部は、前記ネックリングから下方に向けて延びるポリエステル製ボトル。」 2 引用文献2 (1)引用文献2に記載された事項 引用文献2には、「耐圧耐熱性二軸延伸ブロー成形合成樹脂ボトル」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (ア)「特許請求の範囲 1. 首部、肩部、胴部および底部とを有する容器において首部から拡がって肩部と結合する器壁の変曲部の円弧の中心と円弧状に張り出した肩部の円弧の中心とを結ぶ直線が肩部の器壁と交差する点にひいた器壁の接線と水平線とのなす角度が40°?65°であり、且つ円弧状に張り出した肩部の膨出部とネックリングの下面と首部の接点とを結ぶ直線と垂直線とのなす角度が35°以下である形状の肩部を有する耐圧耐熱性二軸延伸ブロー成形合成樹脂ボトル。 ・・・」(公報第1ページ左下欄) (イ)「〔従来技術の間題点〕 従来使用されている合成樹脂製ボトルは優れた諸性能を有するが耐圧耐熱性、特に耐内圧性が良好でなく、保存中に器膜にクラックが発生したり、ボトルの高さが変化したりする欠点がある。本発明者はこの点について種々研究した結果ボトルの首部から拡がって肩部と結合する部分の壁部の変曲部位の応力が最も大きく、この部分にクラックが発生したり、形状の変化が発生してボトル高さの変化がおこる事がわかった。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明者はこの首部から拡がって肩部と結合する部分の壁部の変曲部分の以上に就いて研究した結果、この部分を特殊な構造にする事により上記の問題を解決して本発明を完成した。」(公報第2ページ右上欄中段付近?左下欄上段付近) (ウ)「そして更に研究した結果、首部から拡がって肩部と結合する器壁の変曲部の円弧の中心と円弧状に張り出した肩部の円弧の中心とを結ぶ直線が器壁と交差する点にひいた器壁の接線と水平線とのなす角度が40°?65°であり、且つ円弧状に張り出した肩部の膨出部とネックリングの下面と首部の接点とを結ぶ直線と垂直線とのなす角度が35°以下であると変曲部の形状は安定し変化せず、保存中にストレスクラッキングが発生しないことを見出した。」(公報第3ページ右上欄下段付近?左下欄上段付近) (エ)「〔実施例〕 次に実施例をあげて本発明を説明する。 第1図は本発明の実施例を示す本発明のボトルの正面図である。1はポリエチレンテレフタレート樹脂により二軸延伸ブロー成形されたボトルである。2は肩部であり3は首部である。4は半球殻状の底部であり5は装着されたベースカップである。このベースカップによりボトルの自立性が与えられる。 6は首部から肩部に連結する円弧状の変曲部であり、7はこの変曲部の円弧の中心である。9は円弧状に張り出した肩部円弧の中心である。この7と9を結んだ直線25が肩部の器壁と交差する点8に引いた器壁の接線10と水平線とは47°の角度をなしている。 14は半球殻状の肩部の円弧の最膨出部であり、いわゆる最も肩の張った部分である。11はサポートリング13の下面が首部3と接する点である。11と14を結んだ直線12が垂直線15と28°の角をなしている。この二つの角度は本発明者の解明した安定範囲にあることがわかる。」(公報第5ページ右上欄下段付近?左下欄下段付近) (2)引用文献2事項 (オ)第1図の図示内容から、引用文献2記載の「合成樹脂ボトル」が“口部”を有することは明らかである (カ)上記記載事項(エ)及び第1図に示される「垂直線15」は、“ボトル軸”ということができる。 (キ)上記記載事項(エ)及び第1図に示される「サポートリング13」は、技術常識を踏まえれば、“径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延び”ているものと認められ、また、「サポートリング13」から下方に向けて「首部」が延びていることが看取できる。 そこで、引用文献2の上記記載事項(ア)ないし(エ)及び認定事項(オ)ないし(キ)を技術常識を踏まえて整理すると、引用文献2には以下の事項が記載されていると認められる。(以下「引用文献2事項」という。) 「口部、首部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿ってこの順に連設された合成樹脂ボトルにおいて、 前記首部と前記肩部との連結部分は、ボトル内側に向けて突の円弧状に形成され、 前記肩部は、前記首部側から前記胴部側に向かうに従い漸次拡径されるとともに、ボトル外側に向けて突の円弧状に形成され、 前記口部には、径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延びるサポートリングが形成され、前記首部は、前記サポートリングから下方に向けて延び、 円弧状に張り出した肩部の膨出部とネックリングの下面と首部の接点とを結ぶ直線とボトル軸とのなす角度を35°以下とすること。」 第5 対比 本願発明と引用文献1発明とを対比すると、引用文献1発明の「ポリエステル製ボトル」が本願発明の「合成樹脂製のボトル」又は「合成樹脂製ボトル」に相当することは、その機能及び技術常識に照らして明らかである。 次に、引用文献1発明の「連結部分の曲率半径が10mmとされる」ことは、本願発明の「連結部分の曲率半径が5mm以上とされる」ことと、“連結部分の曲率半径が10mmとされる”ものである点において一致する。 また、引用文献1発明の「肩部の曲率半径が」「100mmとなってい」ることは、本願発明の「肩部の曲率半径が」「40mm以上となってい」ることと、“肩部の曲率半径が100mmとなってい”るものである点において一致する。 したがって、本願発明と引用文献1発明とは、以下の点で一致しているということができる。 <一致点> 「口部、首部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿ってこの順に連設された合成樹脂製のボトルであって、 前記首部と前記肩部との連結部分は、ボトル内側に向けて突の曲面状に形成され、 前記肩部は、前記首部側から前記胴部側に向かうに従い漸次拡径されるとともに、ボトル外側に向けて突の曲面状に形成され、 このボトルの縦断面視において、前記連結部分の曲率半径が10mmとされるとともに、前記肩部の曲率半径が前記連結部分の曲率半径より大きく、かつ100mmとなっていて、前記連結部分と前記肩部とが段差なく連なり、 前記口部には、径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延びるネックリングが形成され、前記首部は、前記ネックリングから下方に向けて延びる合成樹脂製のボトル。」 そして、本願発明と引用文献1発明とは、以下の2点で相違している。 <相違点1> 本願発明は、ボトルの縦断面視において、ネックリングと首部との連結部分を通り、かつ肩部に外接する直線の、ボトル軸に対する傾斜角度が、30°以上35°以下となっているのに対し、引用文献1発明は、その点が明らかでない点。 <相違点2> 本願発明は、肩部の縦断面視形状が、全長にわたって単一の円弧形状となっているのに対し、引用文献1発明は、その点が明らかでない点。 第6 相違点の検討 1 <相違点1>について (1)上記第4の2(2)にて述べたように、引用文献2事項は、「口部、首部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿ってこの順に連設された合成樹脂ボトルにおいて、前記首部と前記肩部との連結部分は、ボトル内側に向けて突の円弧状に形成され、前記肩部は、前記首部側から前記胴部側に向かうに従い漸次拡径されるとともに、ボトル外側に向けて突の円弧状に形成され、前記口部には、径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延びるサポートリングが形成され、前記首部は、前記サポートリングから下方に向けて延び、円弧状に張り出した肩部の膨出部とネックリングの下面と首部の接点とを結ぶ直線とボトル軸とのなす角度を35°以下とすること。」というものであるところ、これを本願発明の用語で表現すれば、引用文献2事項の「合成樹脂ボトル」は「合成樹脂製のボトル」と表現でき、同様に「サポートリング」は「ネックリング」と表現できる。 また、引用文献2事項の「円弧状に張り出した肩部の膨出部とネックリングの下面と首部の接点とを結ぶ直線とボトル軸とのなす角度」は、本願発明の「ボトルの縦断面視において、前記ネックリングと前記首部との連結部分を通り、かつ前記肩部に外接する直線の、ボトル軸に対する傾斜角度」に実質的に相当するといえる。 したがって、引用文献2事項は、「口部、首部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿ってこの順に連設された合成樹脂製のボトルにおいて、前記首部と前記肩部との連結部分は、ボトル内側に向けて突の円弧状に形成され、前記肩部は、前記首部側から前記胴部側に向かうに従い漸次拡径されるとともに、ボトル外側に向けて突の円弧状に形成され、前記口部には、径方向の外側に向けて突出し全周にわたって連続して延びるネックリングが形成され、前記首部は、前記ネックリングから下方に向けて延び、このボトルの縦断面視において、前記ネックリングと前記首部との連結部分を通り、かつ前記肩部に外接する直線の、ボトル軸に対する傾斜角度を35°以下とすること。」と言い改めることができる。 (2)ここで、引用文献1発明と引用文献2事項は、いずれも、口部、首部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿ってこの順に連設された合成樹脂製ボトルである点で技術分野が共通している。また、引用文献1発明のような合成樹脂製ボトルにおいては、首部から拡がって肩部と結合する部分等にクラックを発生することを防止することは内在する課題であるところ、引用文献2事項はこのような課題の解決を目的とすることから(上記第4の2(1)(イ)参照)、これを引用文献1発明に適用することは、当業者において十分動機付けがあるといえる。 そうした場合、引用文献1発明は、ボトルの縦断面視において、前記ネックリングと前記首部との連結部分を通り、かつ前記肩部に外接する直線の、ボトル軸に対する傾斜角度を35°以下とする構成となり、相違点2に係る本願発明の角度範囲をカバーするものとなる。 (3)また、相違点1に係る本願発明は上記傾斜角度を(35°以下に加え)さらに30°以上と特定しているが、本願明細書には、該傾斜角度を30°未満とした比較例は記載されておらず(本件明細書段落【0017】【表1】参照)、また、本件明細書の他の記載を参酌しても、30°以上という限定に臨界的意義は認められない。したがって、傾斜角度をさらに30°以上と特定することをもって進歩性を肯定する根拠とはなり得ない。 (4)以上を総合すると、引用文献1発明に引用文献2事項を適用して相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものというべきである。 2 <相違点2>について 次に、相違点2について検討する。引用文献1発明の肩部は「ボトル外側に向けて突の曲面状に形成」されたものであるところ、一般に「曲面状」に形成するに際に、縦断面視形状を全長にわたって単一の円弧形状とするのはごく基本形態である。また、引用文献1発明において、肩部の形状において、その縦断面視形状を全長にわたって単一の円弧形状とすることを妨げる特段の事情も見当たらない。 そうすると、引用文献1発明の肩部の縦断面視形状を全長にわたって単一の円弧形状として、相違点2に係る本件発明の構成とすることは、当業者が通常の創作能力の範囲内でなし得たものというべきである。 3 小括 したがって、本願発明は、引用文献1発明及び引用文献2事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1発明及び引用文献2事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-09-27 |
結審通知日 | 2018-10-02 |
審決日 | 2018-10-15 |
出願番号 | 特願2013-114577(P2013-114577) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(B65D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小川 悟史 |
特許庁審判長 |
林 茂樹 |
特許庁審判官 |
長屋 陽二郎 関谷 一夫 |
発明の名称 | 合成樹脂製ボトル |
代理人 | 仁内 宏紀 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 鈴木 三義 |
代理人 | 棚井 澄雄 |