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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F25D
管理番号 1346726
審判番号 不服2018-1052  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-25 
確定日 2018-12-25 
事件の表示 特願2014- 30310号「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月27日出願公開、特開2015-155766号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年2月20日の出願であって、平成29年5月19日付けで拒絶理由通知がされ、平成29年7月25日に手続補正がされ、平成29年12月21日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年1月25日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成29年12月21日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1、2に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献3、4に記載された事項に基いて、又、本願請求項3、4に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2?4に記載された事項に基いて、それぞれ、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2012-145303号公報
2.国際公開第2012/153515号
3.特開2013-178089号公報(周知技術を示す文献、新たに引用した文献)
4.特開2013-238348号公報(周知技術を示す文献、新たに引用した文献)

第3 本願発明
本願請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、平成30年1月25日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
断熱壁と断熱扉によって区画された収納室を複数設けた筐体と、前記収納室に複数の収納空間を区画形成する庫内収納棚と、前記収納室の扉開閉状態を検知する扉開閉検知手段と、前記収納室の内部を照射する庫内照明と、前記筐体の周囲の照度を検知する周囲照度検知手段と、前記収納室内の収納物の収納状態を検知する収納物検知手段とを有し、前記庫内収容棚の透過率は、50%以上であり、前記周囲照度検知手段と前記収納物検知手段が検知した情報から、前記庫内照明の光量を変化させる光量調整手段を備え、前記収納物検知手段は、前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知し、前記庫内照明は、前記上段に対応する上段側照明と前記下段に対応する下段側照明とを少なくとも含み、前記光量調整手段は、前記上段の収納量に基づいて前記上段側照明の光量を変化させ、前記下段の収納量に基づいて前記下段側照明の光量を変化させることを特徴とする冷蔵庫。」

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付与したものである。以下同様である。)。

「【請求項1】
断熱壁と断熱扉によって区画された収納室を複数設けた筐体と、前記収納室の内部を照射する庫内照明と、前記筐体の周囲の照度を検知する周囲照度検知手段と、前記断熱扉の開閉状態を検知する扉開閉検知手段と、前記扉開閉検知手段によって前記断熱扉が開状態になったことを検知した場合に、前記周囲照度検知手段により検知した検知照度に応じ、前記庫内照明の光量を調節する制御手段を備え、前記制御手段により、前記断熱扉が開状態になった場合に、前記庫内照明の光量や点灯パターンを変化させることを特徴とした冷蔵庫。」

「【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の構成は、常に最大の光量で庫内を照射するものであるため、省エネ性に欠け、また冷蔵庫が置かれた環境に適した光量で収納物を照射することができなかった。
【0015】
冷蔵庫は通常、キッチンの室内照明が点灯された環境下で使用されることが多く、庫内照明の光量が低くても庫内を見渡すことができるが、使用者にとって庫内を見難い状況を配慮して、照明の光量を明るく設定せざるを得ない。即ち周囲が明るいときには無駄な消費電力を発生させていることになる。
【0016】
また、光量が増加するほど光源の発熱量は高くなり、冷蔵庫の冷却性能の劣化と、照明の寿命低下といった課題が発生する。
【0017】
或いは、冷蔵庫周囲が暗いときに冷蔵庫の扉を開け、突然明るい庫内照明が点灯すると使用者の目が眩むことがあるため、光量を抑制することが好まれることもある。
【0018】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、冷蔵庫周囲の照度に応じて、庫内照明の光量を調節することができる照明装置を具備した冷蔵庫を提供することを目的とする。」

「【0023】
第1の発明は、断熱壁と断熱扉によって区画された収納室を複数設けた筐体と、前記収納室内を照射する庫内照明と、前記収納室のうち最上部の収納室の断熱扉に設けられ、前記筐体周囲の照度を検知する周囲照度検知手段と、前記断熱扉の開閉状態を検知する扉開閉検知手段と、前記扉開閉検知手段が前記断熱扉が開状態になったことを検知した場合の前記周囲照度検知手段による検知照度に応じ、前記庫内照明の光量を調節する制御手段を備え、前記制御手段により、前記断熱扉が連続して開いている場合に、前記庫内照明の光量や点灯パターンを変化させるものであり、使用者の周囲の明るさに応じた最適な光量で庫内を照射することができ、省エネ、照明の長寿命化、及び使用者の目にやさしい照明を可能とする。」

「【0067】
(実施の形態2)
図8は本発明の実施の形態2における冷蔵庫の側面断面図、図9は同実施の形態における冷蔵庫の制御ブロック図である。ここで、実施の形態1と同一の構成要件については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
図8および図9において、収納物検知手段12は、収納室4内に設置されている。この収納物検知手段12は収納物の位置や量を検知するもので、照度センサによって、収納物による光の遮蔽で減衰する光量を検知することで実現している。他にも、圧力センサによって収納物を検知する手法も考えられる。
【0069】
実施の形態1では、照度センサ7による検知照度のみによって庫内照明8の光量を調節していたが、収納室4内に多くの収納物があった場合、収納物の影によって庫内を十分に照射できないことが考えられる。このため、冷蔵庫周囲の明るさだけではなく、収納物の位置や量も配慮し、庫内照明8の光量を調節することが望ましい。
【0070】
表2には、収納量に対しての庫内照明の光量補正値を示している。
【0071】
【表2】

【0072】
表2の庫内照明の光量は、表1を基準として、表2の補正値を加算するものである。例えば、収納物検知手段12が、収納量が少ないと検知したときは、庫内の隅々まで光が届きやすいので光量をマイナス20%とする。また、収納量がやや多いと検知したときは補正を行わず、収納量が多いと検知したときは、庫内に光が届き難くなるため光量をプラス20%としている。
【0073】
以上のように、本実施の形態では、収納室4内に収納物検知手段12を備え、冷蔵庫の周囲照度だけではなく、庫内の収納物も検知することで、使用者にとって必要な光量で庫内を照射し、より使い勝手の良い照明を実現することができる。」

「図8



「図9



したがって、上記記載事項を総合すると、実施の形態2で示唆されている、検知した収納物の位置や量を検知する収納物検知手段を備えた、庫内照明の光量を調節する冷蔵庫に着目すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「断熱壁と断熱扉によって区画された収納室を複数設けた筐体と、前記収納室に設けられた複数の収納棚と、前記収納室の内部を照射する庫内照明と、前記筐体の周囲の照度を検知する周囲照度検知手段と、前記収納室内に設置されている照度センサによって、収納物の位置や量を検知する収納物検知手段と、前記断熱扉の開閉状態を検知する扉開閉検知手段と、前記扉開閉検知手段によって前記断熱扉が開状態になったことを検知した場合に、前記周囲照度検知手段により検知した検知照度と、前記収納物検知手段により検知した収納物の位置や量とに応じ、前記庫内照明の光量を調節する制御手段を備え、前記制御手段により、前記断熱扉が開状態になった場合に、前記庫内照明の光量や点灯パターンを変化させる、冷蔵庫。」

2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、冷蔵庫内の収納物検知や庫内照明の制御について、以下の事項が記載されている。
「[0048] ここで、収納状況検知手段を構成する発光部20および光量検知部21の動作を詳細に説明する。
[0049] 図4は、本発明の第1の実施の形態における冷蔵庫50の収納状況検出動作を説明するための図である。
[0050] 冷蔵庫50の左右両壁面に配置された発光部20から出力された照射光34aは、冷蔵室12内および冷蔵室12内部に収納された収納物33を照射する。また、この照射光34aの一部は、冷蔵室12内に配置した光量検知部21に入射する。図4は、冷蔵室12内に収納物33が収納されている場合に、収納物33の存在により、左右両壁面からの照射光34aが共に遮蔽される領域A、何れか一方の照射光34aが遮蔽される領域B、および左右の何れの照射光34aも遮蔽されない領域Cが発生する様子を示している。
[0051] この場合、光量検知部21は、何れか一方の照射光34aが遮蔽される領域Bにあり、該当する光量を検知して出力する。また、収納物33の量が多い場合には、共に遮蔽される領域Aが増加するため、光量検知部21の検知光量は減少する。
[0052] また、収納量が少ない場合には、何れの照射光34aも遮蔽されない領域Cが増加するため、光量検知部21の検知光量は増加する。
[0053] このように、収納物33の存在、および収納物33の量の違いに起因した光量変化を光量検知部21で検出し、検知結果を、予め設定した所定の閾値を用いて判別することにより、庫内の収納物33の量(例:多いか少ないか)を分類することができる。
[0054] なお、発光部20を、冷蔵庫50内に設けられている照明部19と兼用する、または、発光部20の基板と照明部19の基板とを兼用することにより、新たな光源、材料を設けることなく、より簡易な構成で収納状態の検知が可能となる。」

「[0210] 図20において、照明部19は、冷蔵庫内の扉開放側前面から見て、庫内の奥行寸法の1/2より手前で且つ、収納棚18の先端より前方に位置する左側壁面と右側壁面にそれぞれ縦方向に配置されている。
[0211] また、照明部19には、発光部20a?20dが縦方向に等間隔で配置され、冷蔵室12内の上部から下部までを満遍なく照射することができる。さらに、光量検知部21a?21dが、冷蔵室12内の後方位置に配置されており、主に収納物33による光の遮蔽による光量減衰を検知する。また、光量検知部21eは、冷蔵室12の天面に配置されており、主に収納物33による光の反射による光量減衰を検知する。光量検知部21a?21eとしては、照度センサや、照度に加えて色度(RGB)の識別が可能な色度センサ等を用いる。
[0212] また、図21のように、庫内の天面に発光部20eを設け、下方に光量検知部21fを設けても精度良く収納量を検知できる。天面の発光部20eは、冷蔵庫50内の扉開放側から見て、庫内奥行き寸法の1/2よりも手前側に設置する。さらに、本実施の形態では、天面の発光部20eを、収納棚18の先端よりも扉側で、かつ扉に取り付けられた扉棚27a?27cよりも奥側に配置している。このように配置することにより、天面の発光部20eの正面(光軸方向)が、収納棚18や扉棚27a?27cへの収納物33によって遮蔽されることが無い。
[0213] また、下方の光量検知部21fも、同様の理由で、収納棚18の先端よりも扉側で、かつ扉に取り付けられた扉棚27a?27cよりも奥側に配置されており、さらに最下段の収納棚18以下の高さに配置されている。なお、下方の光量検知部21fの設置面は、庫内の側面、または下面等いずれの面でもよい。また、天面の発光部20eと下方の光量検知部21fの位置関係を反対にしてもよい。
[0214] このように、天面から庫内を照射し、下方で光量を検知する構成とすることで、収納棚18および扉棚27a?27cへと光が行渡るため、収納量の検知を正確に行うことができる。」

3.引用文献3について
また、原査定の周知例として引用された上記引用文献3には、冷蔵庫内の収納物検知や庫内照明の制御について、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、前記収納室の内部に設置された光源と、前記光源から照射された照射光を検知する光センサと、前記光センサの検知結果に基づいて演算処理する演算制御部とを有し、前記光センサでの検知照度は、前記収納室内における壁面および前記収納物での反射光を含めた間接的な照射光を検知するもので、前記収納室内に収納棚を備え、前記収納棚の透過率を70%以上とするとともに、前記収納室の壁面の反射率を0.5以上として前記演算制御部が演算処理する範囲に関する最低照度を定義し、前記演算制御部は、前記光センサの検知照度の減衰率と収納量との関係において収納量を定量的に推定するのに用いられる相関データを保有し、前記最低照度以上で収納物の収納率を推定することを特徴とする冷蔵庫。」

「【0067】
冷蔵室12は、その幅方向よりも、高さ方向に長いこと(縦長形状)が一般的である。このため、主として冷蔵室12を上下二区画に区分して、収納状態を検知する例について説明する。
【0068】
図7Aに示したように、まず、扉開閉検知センサ3により冷蔵室扉12aの開閉が検知される(S101)。扉が閉状態となったこと(閉められたこと)を検知した場合には、演算制御部1は、収納物の出し入れの可能性があったと判定して、演算処理を開始する。
・・・
【0076】
演算制御部1は、収納状態検知動作を開始すると、最初に冷蔵庫100の上区画である天面に配置された天面LED20a,20bの光源を点灯させる(S103)。
【0077】
例えば、図8に示したように、庫内収納棚18上に収納物23aである食品が収納され、扉収納棚19にも収納物23bが収納されている場合を想定する。この場合、天面LED20aから出力された光24a(光の成分を図8に矢印で示す。点線は光度が減衰していることを示す。)は、収納物23aに反射して減衰し、光24b,24cのように別方向へ拡散する。そして、光24b,24cは、さらに冷蔵室12の壁面や他の食品等での反射を繰り返す。また、扉収納棚19の収納物23bで反射した光24dも減衰し、光24eのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室12の壁面や他の食品等の収納物での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、冷蔵室12内の明るさの分布は飽和し、安定する。
・・・
【0081】
このときのメイン光センサ21aによって検知された、収納状態検知特性の一例を図9に示す。図9に示したように、収納量の増加とともに照度が低下していくことが分かる。ただし、天面LED20a,20bだけを点灯させた場合(側面下方LED20gを点灯させない場合)には、同じ収納量であっても最大値(収納物が下方に偏ったとき)と最小値(収納物が上方に偏ったとき)との間に誤差が生じる。このため、この誤差を補正する必要がある。補正の方法については後述する。演算制御部1は、測定した照度情報を、検知データAとしてメモリ2に記録する(S104)。
【0082】
なお、図9において、グラフの縦軸を「照度」としているが、収納物がないときの基準収納室照度を基準とした「相対照度」または「照度減衰率」等の相対値を用いることもできる。つまり、演算制御部1の減衰率演算部81は、収納室内に収納物がない状態における基準収納室照度と光センサ21の検知照度とに基づいて、収納物を収納した状態における基準収納室照度からの減衰率を演算する。この場合、LEDが初期特性として持つ光度ばらつき等に対応しやすい。また、縦軸を、収納物がないときの基準収納室照度を基準とした「照度減衰量」としてもよい。以下、「照度」に関する考え方は同様である。
・・・
【0085】
また、照度減衰率と収納量の相関データは、冷蔵庫100の容量、幅、高さ等の異なる形態毎に予め実験的に求められ、演算制御部1に内蔵されている。これにより、収納室内の収納棚や壁面を含めた実際の冷蔵庫の収納物がない空の状態を基準に推定することができ、収納量の推定精度を高めることができる。また、冷蔵庫内部の収納物の収納量の定量(絶対量)推定が可能となる。
【0086】
そして、収納室内に収納物がない状態における光センサ21の照度減衰率と収納量の相関データは、複数の光源のそれぞれに対応して複数の相関データを保有している。
・・・
【0088】
次に、演算制御部1は、天面LED20a,20bを消灯した後に、冷蔵庫100の下区画である側面下方の壁面に配置された側面下方LED20gを点灯する(S105)。例えば、図10のように庫内収納棚18上に収納物23c,23d(例えば食品)が収納されている場合を想定する。このとき、LED20gから出力された光24f(光の成分を図10に矢印で示す。点線は光度が減衰していることを示す。)は、収納物23cに反射して減衰し、光24gのように別方向へ拡散する。光24gはさらに冷蔵室12の壁面や他の収納物での反射を繰り返す。また、収納物23dで反射した光24hも減衰し、光24i,24jのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室12の壁面や他の収納物での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、冷蔵室12内の明るさの分布は飽和し、安定する。
【0089】
なお、必要な検知精度にあわせて、側面下方LED20g、20hの少なくとも一方を点灯させればよい。
【0090】
側面下方LED20gを点灯するときには、メイン光センサ21aで検知を行う。側面下方LED20gおよびメイン光センサ21aは、同じ壁面に取り付けられている(図3Aおよび図3B)ので、対向しない。このような組合せで検知するので、側面下方LED20gからのほとんどの光の成分は、メイン光センサ21aに直接入射せず、壁面や収納物での反射を介して入射する。これにより、収納室内における収納物での反射光を含めた間接的な照射光を検知することができる。
【0091】
このときのメイン光センサ21aによる収納状態検知特性の一例を図11に示す。図11に示したように、収納量の増加とともに照度は低下していくことが分かる。しかしながら、側面下方LED20gだけを点灯した場合(天面LED20a,20bを点灯しない場合)には、同じ収納量であっても、最大値(収納物が上方に偏ったとき)と最小値(収納物が下方に偏ったとき)との間に誤差がある。よって、この誤差を補正する必要がある。補正の方法については後述する。これによって、収納室内における収納物の偏りによるばらつき要因を低減することができ、収納物の収納状態に起因する収納量の推定精度を高めることができる。
演算制御部1は、測定した照度情報を検知データBとしてメモリ2に記録する(S106)。
【0092】
以上述べたように、収納物が上区画に偏った場合、天面LED20a,20bを点灯したときには収納量増加による照度減衰が大きく(図9)、側面下方LED20gを点灯したときは収納量増加による照度減衰が小さい(図11)。一方で、収納物が下区画に偏った場合、天面LED20a,20bを点灯したときには収納量増加による照度減衰が小さく(図9)、側面下方LED20gを点灯したときには収納量増加による照度減衰が大きい(図11)。
【0093】
すなわち、上区画にある天面LED20a,20bを点灯したときは、上区画の収納物に対し感度が高く、下区画にある側面下方LED20gを点灯したときは、下区画の収納物に対して感度が高いといえる。
【0094】
本実施の形態においては、上区画の天面LED20a,20b、および下区画の側面下方LED20gを順次点灯させることによる測定結果を組み合わせて、収納物の収納状態の検知を行う。具体的には、演算制御部1は、例えば検知データA(図9に示した特性)と検知データB(図11に示した特性)とを平均した値を検知データCとして算出する(S107)。検知データCの収納状態検知特性を図12に示す。図12と、図9および図11とを比較すると、平均した値を用いることで、誤差がほとんど解消され、収納物の上下への配置の偏りに関わらず、精度良く収納状態を検知することができるように補正されたことが分かる。このとき、演算制御部1は、収納室内における収納物の上下方向の収納状態に基づき減衰率演算部81の基準データを補正する減衰率演算補正部として機能する。これによって、収納物の上下方向の偏りに起因する収納量の推定精度を確実に高めることができる。」

4.引用文献4について
また、原査定の周知例として引用された上記引用文献4には、冷蔵庫内の収納物検知や庫内照明の制御について、以下の事項が記載されている。
「【0112】
演算制御部47は、収納状態検知動作を開始すると、最初に冷蔵室2の上区画である天面に配置された天面LED45a,45bの光源を点灯させる(S103)。
【0113】
例えば、図12に示したように、庫内収納棚55上に収納物58aである食品が収納され、扉収納棚56にも収納物58bが収納されている場合を想定する。この場合、天面LED45aから出力された光59a(光の成分を図12に矢印で示す。点線は光度が減衰していることを示す。)は、収納物58aに反射して減衰し、光59b,59cのように別方向へ拡散する。そして、光59b,59cは、さらに冷蔵室2の壁面や他の食品等での反射を繰り返す。また、扉収納棚56の収納物58bで反射した光59dも減衰し、光59eのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室2の壁面や他の食品等の収納物での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、冷蔵室2内の明るさの分布は飽和し、安定する。
【0114】
なお、一般的に、LEDの照射光は所定の照射角度をもって発光する。このため、図12内に矢印で示した光59a,59dは、LEDが放つ光の成分の一部である。以下、光の描写については同様である。
【0115】
天面LED45a,45bの光軸は鉛直下方向を向き、メイン光センサ46a,46cの検出方向は水平方向を向き、それぞれが対向しない配置である。このため、天面LED45a,45bから発生したほとんどの光の成分は、メイン光センサ46a,46cに直接入射せず、壁面や収納物で反射した光が、メイン光センサ46a,46cに入射するように構成されている。
【0116】
具体的には、メイン光センサ46a,46cを、光源となる天面LED45a,45bの光軸からずらした位置に配置すればよい。すなわち、LEDは指向性が高いので、メイン光センサ46a,46cを、天面LED45a,45bからの光が直接入らない位置に配置するか、または、入らないように配置することが望ましい。
【0117】
このときのメイン光センサ46aによって検知された、収納状態検知特性の一例を図14に示す。図14に示したように、収納量の増加とともに照度が低下していくことが分かる。ただし、天面LED45a,45bだけを点灯させた場合(側面下方LED45gを点灯させない場合)には、同じ収納量であっても最大値(収納物が下方に偏ったとき)と最小値(収納物が上方に偏ったとき)との間に誤差が生じる。このため、この誤差を補正するのが好ましい。補正の方法についてはすでに出願済みの特願2012-42946号に詳述してある。演算制御部47は、測定した照度情報を、検知データAとしてメモリ51に記録する(S104)。
【0118】
なお、図14において、グラフの縦軸を「照度」としているが、収納物がないときの基準収納室照度を基準とした「相対照度」または「照度減衰率」等の相対値を用いることもできる。つまり、演算制御部47の減衰率演算部49は、収納室内に収納物がない状態における基準収納室照度と光センサ46の検知照度とに基づいて、収納物を収納した状態における基準収納室照度からの減衰率を演算する。この場合、LEDが初期特性として持つ光度ばらつき等に対応しやすい。また、縦軸を、収納物がないときの基準収納室照度を基準とした「照度減衰量」としてもよい。以下、「照度」に関する考え方は同様である。
【0119】
なお、天面LED45a,45bの光度は、収納室内に収納物がない状態における光センサ46の検知照度に基づく出力値が所定値となるように、演算制御部47で調整することができる。前記天面LED45a,45bの光度調整は、冷蔵庫が利用者によって使われる前に実行される。これにより、天面LED45a,45bの個々の光度ばらつきを吸収することができる。
【0120】
また、光センサ46の検知照度に基づく出力値は、電流値、あるいは電圧値であり、前記出力値の比較により減衰率(%)を演算するものである。この減衰率(%)をメモリ51で記憶すればよく、演算制御部47での制御が容易となる。
【0121】
また、照度減衰率と収納量の相関データは、冷蔵室2の容量、幅、高さ等の異なる形態毎に予め実験的に求められ、演算制御部47に内蔵されている。これにより、収納室内の収納棚や壁面を含めた実際の冷蔵庫の収納物がない空の状態を基準に推定することができ、収納量の推定精度を高めることができる。また、冷蔵庫内部の収納物の収納量の定量(絶対量)推定が可能となる。
【0122】
そして、収納室内に収納物がない状態における光センサ46の照度減衰率と収納量の相関データは、複数の光源のそれぞれに対応して複数の相関データを保有している。
【0123】
また、光センサ46の検知照度は、天面LED45a,45bが点灯して所定時間後(たとえば2秒後)の値を読み取るものである。なお、天面LED45a,45bが点灯している間の時間の平均値としてもよい。
【0124】
次に、演算制御部47は、天面LED45a,45bを消灯した後に、冷蔵室2の下区画である側面下方の壁面に配置された側面下方LED45gを点灯する(S105)。例えば、図15のように庫内収納棚55上に収納物58c,58d(例えば食品)が収納されている場合を想定する。このとき、LED45gから出力された光59f(光の成分を図14に矢印で示す。点線は光度が減衰していることを示す。)は、収納物58cに反射して減衰し、光59gのように別方向へ拡散する。光59gはさらに冷蔵室2の壁面や他の収納物での反射を繰り返す。また、収納物58dで反射した光59hも減衰し、光59i,59jのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室2の壁面や他の収納物での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、冷蔵室2内の明るさの分布は飽和し、安定する。
【0125】
なお、必要な検知精度にあわせて、側面下方LED45g、45hの少なくとも一方を
点灯させればよい。
【0126】
側面下方LED45gを点灯するときには、メイン光センサ46aで検知を行う。側面下方LED45gおよびメイン光センサ46aは、同じ壁面に取り付けられている(図8Aおよび図8B)ので、対向しない。このような組合せで検知するので、側面下方LED45gからのほとんどの光の成分は、メイン光センサ46aに直接入射せず、壁面や収納物での反射を介して入射する。これにより、収納室内における収納物での反射光を含めた間接的な照射光を検知することができる。
【0127】
このときのメイン光センサ46aによる収納状態検知特性の一例を図16に示す。図16に示したように、収納量の増加とともに照度は低下していくことが分かる。しかしながら、側面下方LED45gだけを点灯した場合(天面LED45a,45bを点灯しない場合)には、同じ収納量であっても、最大値(収納物が上方に偏ったとき)と最小値(収納物が下方に偏ったとき)との間に誤差がある。よって、この誤差を補正するのが好ましい。補正の方法についてはすでに述べたように特願2012-42946号に記載してある。これによって、収納室内における収納物の偏りによるばらつき要因を低減することができ、収納物の収納状態に起因する収納量の推定精度を高めることができる。
演算制御部47は、測定した照度情報を検知データBとしてメモリ51に記録する(S106)。
【0128】
以上述べたように、収納物が上区画に偏った場合、天面LED45a,45bを点灯したときには収納量増加による照度減衰が大きく(図14)、側面下方LED45gを点灯したときは収納量増加による照度減衰が小さい(図16)。一方で、収納物が下区画に偏った場合、天面LED45a,45bを点灯したときには収納量増加による照度減衰が小さく(図14)、側面下方LED45gを点灯したときには収納量増加による照度減衰が大きい(図16)。
【0129】
すなわち、上区画にある天面LED45a,45bを点灯したときは、上区画の収納物に対し感度が高く、下区画にある側面下方LED45gを点灯したときは、下区画の収納物に対して感度が高いといえる。
【0130】
本実施の形態においては、上区画の天面LED45a,45b、および下区画の側面下方LED45gを順次点灯させることによる測定結果を組み合わせて、収納物の収納量と収納状態の検知を行う。具体的には、演算制御部47は、例えば検知データA(図14に示した特性)と検知データB(図16に示した特性)とを平均した値を検知データCとして算出する(S107)。検知データCの収納状態検知特性を図17に示す。図17と、図14および図16とを比較すると、平均した値を用いることで、誤差がほとんど解消され、収納物の上下への配置の偏りに関わらず、精度良く収納量と収納状態を検知することができるように補正されたことが分かる。このとき、演算制御部47は、収納室内における収納物の上下方向の収納状態に基づき減衰率演算部49の基準データを補正する減衰率演算補正部として機能する。これによって、収納物の上下方向の偏りに起因する収納量の推定精度を確実に高めることができる。
【0131】
なお、上述の例においては、収納物の上下方向の配置の偏りを補正する例を示した。他にも、収納物の左右方向、または奥・手前方向への配置の偏りについては、上述と同様の考え方で冷蔵室2を各方向に二区画に区分し、それぞれにLEDまたは光センサ46を設ければよい。LEDや光センサ46の数は増加するが、より精度の高い収納量及び収納状態検知が可能である。
【0132】
以上のようにこの収納量検出手段28によれば冷蔵室2内の収納物の収納量とともに、収納状態、例えば冷蔵室2の上区画に収納物が多いとか、下区画の奥部分に収納物が多いとかが検出でき、これを携帯端末22の表示部39に表示することができる。これは図形化して表示するなど、種々の手法を利用して表示することができる。
【0133】
従って、使用者はこの表示部39に示された表示を確認して、冷蔵室扉11a、11bを開放し、迷うことなく収納物が少ないと表示された区画の庫内収納棚55へ食品等の収納物を載置し、迅速に冷蔵室扉11a、11bを閉めることができる。これによって、扉開閉時間の短縮化が図れ、更なる省エネ化が促進できる。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、各文言の意味、機能または作用等からみて、引用発明の「断熱壁」、「断熱扉」、「収納室」、「筐体」、「収納棚」、「扉開閉検知手段」、「庫内照明」、「周囲照度検知手段」、「収納物検知手段」及び「冷蔵庫」は、それぞれ、本願発明1の「断熱壁」、「断熱扉」、「収納室」、「筐体」、「庫内収納棚」、「扉開閉検知手段」、「庫内照明」、「周囲照度検知手段」、「収納物検知手段」及び「冷蔵庫」に相当する。
引用発明の「収納物検知手段」が「収納物の位置や量を検知する」ことは、収納物の位置や量を検知することが、収納室内の収納物の収納状態を検知しているといえるので、本願発明1の「収納物検知手段」が「前記収納室内の収納物の収納状態を検知する」ことに相当する。
引用発明の「前記庫内照明の光量を調節する制御手段」は、光量を調節することが光量を変化させることになるので、本願発明1の「前記庫内照明の光量を変化させる光量調整手段」に相当する。
そうすると、引用発明の「前記断熱扉の開閉状態を検知する扉開閉検知手段と、前記扉開閉検知手段によって前記断熱扉が開状態になったことを検知した場合に、前記周囲照度検知手段により検知した検知照度と、前記収納物検知手段により検知した収納物の位置や量とに応じ、前記庫内照明の光量を調節する制御手段を備え」ることと、本願発明1の「前記周囲照度検知手段と前記収納物検知手段が検知した情報から、前記庫内照明の光量を変化させる光量調整手段を備え」ることは、「前記周囲照度検知手段と前記収納物検知手段が検知した情報から、前記庫内照明の光量を変化させる光量調整手段を備え」る限りで一致している。
そして、引用発明の「前記制御手段(光量を調節する制御手段)により、前記断熱扉が開状態になった場合に、前記庫内照明の光量や点灯パターンを変化させる」ことと、本願発明1の「前記収納物検知手段は、前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知し、前駆庫内照明は、前記上段に対応する上段側照明と前記下段に対応する下段側照明とを少なくとも含み、前記光量調整手段は、前記上段の収納量に基づいて前記上段側照明の光量を変化させ、前記下段の収納量に基づいて前記下段側照明の光量を変化させる」こととは、「光量調整手段により、庫内照明の光量を変化させる」との限りで一致している。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「断熱壁と断熱扉によって区画された収納室を複数設けた筐体と、前記収納室に複数の収納空間を区画形成する庫内収納棚と、前記収納室の扉開閉状態を検知する扉開閉検知手段と、前記収納室の内部を照射する庫内照明と、前記筐体の周囲の照度を検知する周囲照度検知手段と、前記収納室内の収納物の収納状態を検知する収納物検知手段とを有し、前記周囲照度検知手段と前記収納物検知手段が検知した情報から、前記庫内照明の光量を変化させる光量調整手段を備え、前記光量調整手段により、前記庫内照明の光量を変化させる、冷蔵庫。

(相違点1)
庫内収納棚について、本願発明1は、「庫内収容棚の透過率は、50%以上であ」ると特定しているのに対して、引用発明は、そのような特定はしていない点。

(相違点2)
光量調整手段により、庫内照明の光量を変化させることについて、本願発明1は、「前記収納物検知手段は、前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知し、前記庫内照明は、前記上段に対応する上段側照明と前記下段に対応する下段側照明とを少なくとも含み、前記光量調整手段は、前記上段の収納量に基づいて前記上段側照明の光量を変化させ、前記下段の収納量に基づいて前記下段側照明の光量を変化させる」のに対して、引用発明は、そのような特定事項を採用していない点。

(2)相違点についての判断
先ず、相違点2について、検討する。
引用発明の「収納物の位置や量を検知する収納物検知手段」について、引用文献1には、以下の事項が記載されている。
「【0068】
図8および図9において、収納物検知手段12は、収納室4内に設置されている。この収納物検知手段12は収納物の位置や量を検知するもので、照度センサによって、収納物による光の遮蔽で減衰する光量を検知することで実現している。他にも、圧力センサによって収納物を検知する手法も考えられる。
【0069】
実施の形態1では、照度センサ7による検知照度のみによって庫内照明8の光量を調節していたが、収納室4内に多くの収納物があった場合、収納物の影によって庫内を十分に照射できないことが考えられる。このため、冷蔵庫周囲の明るさだけではなく、収納物の位置や量も配慮し、庫内照明8の光量を調節することが望ましい。
【0070】
表2には、収納量に対しての庫内照明の光量補正値を示している。」

「【0072】
表2の庫内照明の光量は、表1を基準として、表2の補正値を加算するものである。例えば、収納物検知手段12が、収納量が少ないと検知したときは、庫内の隅々まで光が届きやすいので光量をマイナス20%とする。また、収納量がやや多いと検知したときは補正を行わず、収納量が多いと検知したときは、庫内に光が届き難くなるため光量をプラス20%としている。
【0073】
以上のように、本実施の形態では、収納室4内に収納物検知手段12を備え、冷蔵庫の周囲照度だけではなく、庫内の収納物も検知することで、使用者にとって必要な光量で庫内を照射し、より使い勝手の良い照明を実現することができる。」

しかしながら、これらの記載事項には、引用発明の「前記収納物検知手段は、前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知」することは、記載されておらず、また、「前記収納物検知手段は、前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知」することが、当業者にとって技術常識でとあるともいえない。
さらに、「前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知」することを前提に、「前記庫内照明は、前記上段に対応する上段側照明と前記下段に対応する下段側照明とを少なくとも含み、前記光量調整手段は、前記上段の収納量に基づいて前記上段側照明の光量を変化させ、前記下段の収納量に基づいて前記下段側照明の光量を変化させること」についても、引用文献1には、記載も示唆もない。
また、他の引用文献2?4においても、収納物検知手段により、冷蔵庫内の収納物を検知することに関し、「前記収納物検知手段は、前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知」することについて、記載するところはない。
そうすると、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の特定事項を採用することが、引用発明及び引用文献2?4に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到し得たとすることはできない。
そして、本願発明1は、相違点2に係る本願発明1の特定事項を採用することにより、「収納室内部の食品の収納状態を収納状態検知手段からの検知情報によって推定し、その収納状態に応じて最適な光量で庫内照射して視認性を向上させ、合わせて庫内灯の消費電力の低減を自動で行う」(本願明細書【0010】)との課題を解決したものと認められる。
したがって、本願発明1は、他の相違点1を検討するまでもなく、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?4に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について
理由2(特許法第29条第2項)について
審判請求時の補正により、本願発明1は、「前記収納物検知手段は、前記収納室の上段の収納量と前記収納室の下段の収納量とを区別して検知し、前記庫内照明は、前記上段に対応する上段側照明と前記下段に対応する下段側照明とを少なくとも含み、前記光量調整手段は、前記上段の収納量に基づいて前記上段側照明の光量を変化させ、前記下段の収納量に基づいて前記下段側照明の光量を変化させること」を備えるという事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1?4に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-12-11 
出願番号 特願2014-30310(P2014-30310)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F25D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 金丸 治之関口 勇  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 窪田 治彦
山崎 勝司
発明の名称 冷蔵庫  
代理人 鎌田 健司  
代理人 前田 浩夫  

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