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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 G02F 審判 全部申し立て 2項進歩性 G02F 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 G02F 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 G02F |
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管理番号 | 1346765 |
異議申立番号 | 異議2017-700717 |
総通号数 | 229 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2019-01-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-07-25 |
確定日 | 2018-10-15 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6064655号発明「画像表示装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6064655号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲とおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 特許第6064655号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6064655号の請求項1ないし3に係る特許についての出願は、平成25年2月15日の出願であって、平成29年1月6日にその特許権の設定登録がされ、同年1月25日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年7月25日に特許異議申立人鈴木美香により特許異議の申立てがされたものである。 以後の手続の経緯は、以下のとおりである(なお、下線は、当審で付した。以下同じ。)。 平成29年 9月11日:一回目の取消理由通知(9月13日発送) 同年11月10日:一回目の訂正請求書・意見書 同年11月28日:二回目の取消理由通知(11月30日発送) 平成30年 1月29日:二回目の訂正請求書・意見書 同年 2月 6日:通知書(2月8日発送) 同年 3月 9日:意見書(特許異議申立人) 同年 3月27日:(予告)取消理由通知(3月29日発送) 同年 5月28日:三回目の訂正請求書・意見書 同年 6月 8日:通知書(6月13日発送) 同年 7月12日:意見書(特許異議申立人) 第2 訂正の適否 1 訂正の趣旨 平成30年5月28日付けの訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。また、本件訂正請求書による訂正を、以下「本件訂正」という。)は、特許第6064655号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正することを求めるものである。 2 訂正の内容 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「(3)前記画像表示セルよりも視認側に配置される偏光子、及び (4)前記偏光子よりも視認側に配置される少なくとも2枚の飛散防止フィルム」と記載されているのを、 「(3)前記画像表示セルよりも視認側に配置される偏光子、 (4)前記偏光子の視認側に積層された偏光子保護フィルム、及び (5)前記偏光子保護フィルムよりも視認側に配置される少なくとも2枚の飛散防止フィルム」に訂正する(請求項1を引用する請求項2ないし5も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に、 「該高リタデーション飛散防止フィルムは、残る飛散防止フィルムのうちの少なくとも1枚(視認側飛散防止フィルム)よりも光源側に配置される、画像表示装置。」と記載されているのを、 「該高リタデーション飛散防止フィルムは、残る飛散防止フィルムのうちの少なくとも1枚(視認側飛散防止フィルム)よりも光源側に配置され、且つ、該該高リタデーション飛散防止フィルムは、その配向主軸が前記偏光子の偏光軸に対して45度±10度以下となるように配置され、 該光源側飛散防止フィルムは、200nm以上3000nm未満のリタデーションを有する、 画像表示装置。」に訂正する(請求項1を引用する請求項2ないし5も同様に訂正する。)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、 「前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項1又は2に記載の画像表示装置。」と記載されているのを、 「前記高リタデーション飛散防止フィルムが、3000nm以上1020 00nm以下のリタデーションを有し、前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項1又は2に記載の画像表示装置(但し、前記高リタデーション飛散防止フィルムが、粘着層を介して前記偏光板の最外層に直接積層されたものを除く)。」に訂正する。 3 訂正の適否 一群の請求項、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)一群の請求項 訂正前の請求項2及び3は、請求項1の記載を引用し、訂正事項1及び訂正事項2により記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1ないし3は、「一群の請求項」に該当し、本件訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。 (2)訂正事項1 ア 訂正事項1は、訂正前の「少なくとも2枚の飛散防止フィルム」について、偏光子の視認側に積層された偏光子保護フィルムよりも視認側に配置されるものであると限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ また、願書に添付した明細書及び図面には、以下の記載がある。 「【0014】 <配向フィルムの位置関係> …図1の液晶表示装置において、配向フィルムは、典型的に、液晶セル(4)より視認側にある偏光子(8)(以下、「視認側偏光子」と称する)の視認側にあるフィルム、すなわち視認側偏光子(8)より視認側にある偏光子保護フィルム(10b)(以下、「視認側偏光子保護フィルム」と称する)、スペーサー(13)より光源側にある透明導電性フィルム(11)の基材フィルム(11a)(以下、「光源側基材フィルム」と称する)、スペーサー(13)より視認側にある透明導電性フィルム(12)の基材フィルム(12a)(以下、「視認側基材フィルム」と称する)、視認側偏光子保護フィルム(10b)と光源側基材フィルム(11a)との間にある飛散防止フィルム(14)(以下、「光源側飛散防止フィルム」と称する)及び視認側基材フィルム12aより視認側にある飛散防止フィルム(15)(以下、「視認側飛散防止フィルム」と称する)に使用され得る。」 「図1 」 上記記載からして、上記訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内でするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項2 ア 訂正事項2は、訂正前の「高リタデーション飛散防止フィルム」について、その配向主軸と偏光子の偏光軸との角度を限定するとともに、 訂正前の「視認側飛散防止フィルム」について、リタデーションの値を限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ また、願書に添付した明細書には、以下の記載がある。 「【0017】 高リタデーション配向フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度(高リタデーション配向フィルムと偏光子とが同一平面状にあると仮定する)は、特に制限されないが、虹斑を低減するという観点から、45度に近いことが好ましい。…特に、画像表示装置をサングラス等の偏光フィルムを介して斜め方向から観察する場合における虹斑の低減、低リタデーション配向フィルムの角度依存性をより小さくする観点から、前記角度は好ましくは45度±15度以下、好ましくは45度±10度以下、好ましくは45度±5度以下、好ましくは45度±3度以下、45度±2度以下、45度±1度以下、45度である。尚、本書において、「以下」という用語は、「±」の次の数値にのみかかることを意味する。即ち、前記「45度±15度以下」とは、45度を中心に上下15度の範囲の変動を許容することを意味する。」 「【0025】 低リタデーション配向フィルムのリタデーションは、3000nm未満であれば特に制限されない。低リタデーション配向フィルムのリタデーションの下限値は、それを単独で用いた場合に虹斑が生じ得るという観点から、50nm以上、100nm以上、200nm以上、300nm以上、400nm以上、又は500nm以上である。また、低リタデーション配向フィルムのリタデーションの上限は、高リタデーション配向フィルムとの組合せで虹斑の抑制が可能であるという観点から、3000nm未満、2500nm未満、又は2300nm未満である。画像表示装置が低リタデーション配向フィルムは2枚以上有する場合、それらのリタデーションは同一であっても異なっていてもよい。低リタデーション配向フィルムのリタデーションが、2500nm以上の場合は、高リタデーション配向フィルムとのリタデーションの値の差を1800nm以上とすることが好ましい。」 上記記載からして、上記訂正事項2は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内でするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項3 ア 訂正事項3は、請求項1の記載を引用する「高リタデーション飛散防止フィルム」が「3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する」ものであったところ、より狭い範囲の「3000nm以上10200nm以下」とするとともに、高リタデーション飛散防止フィルムと偏光板の特定の積層形態を除くものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ また、願書に添付した明細書には、以下の記載がある。 「【0110】 【表1】 【0111】 上記表1に示される通り、光源側飛散防止フィルムとして高リタデーション配向フィルムを用い、視認側飛散防止フィルムとして低リタデーション配向フィルムを使用することにより、虹斑の発生が抑制されることが確認された。また、前記構成を取る場合は、低リタデーション配向フィルムが高リタデーション配向フィルムより光源側に配置される場合に、低リタデーション配向フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度によって生じ得る虹斑の発生も抑制することが出来ることが確認された。」 ※ 上記表1には、「光源側飛散防止フィルム」のリタデーションを「10200nm」としたものが示されている。 上記記載からして、 訂正事項3は、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内でするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (5)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の5第2項第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 4 訂正の適否のまとめ 本件訂正請求は適法であることから、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1-3]について訂正することを認める。 第3 本件発明 本件訂正により訂正された訂正後の請求項1ないし3に係る発明(以下「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明3」等という。)は、訂正特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 (1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源、 (2)画像表示セル、 (3)前記画像表示セルよりも視認側に配置される偏光子、 (4)前記偏光子の視認側に積層された偏光子保護フィルム、及び (5)前記偏光子保護フィルムよりも視認側に配置される少なくとも2枚の飛散防止フィルム を有し、 前記少なくとも2枚の飛散防止フィルムは配向フィルムであり、そのうちの少なくとも1枚は、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する高リタデーション飛散防止フィルムであって、 該高リタデーション飛散防止フィルムは、残る飛散防止フィルムのうちの少なくとも1枚(視認側飛散防止フィルム)よりも光源側に配置され、且つ、該該高リタデーション飛散防止フィルムは、その配向主軸が前記偏光子の偏光軸に対して45度±10度以下となるように配置され、 該視認側飛散防止フィルムは、200nm以上3000nm未満のリタデーションを有する、 画像表示装置。 【請求項2】 前記高リタデーション飛散防止フィルムが、その配向主軸が前記偏光子の偏光軸に対して45度となるように配置される、請求項1に記載の画像表示装置。 【請求項3】 前記高リタデーション飛散防止フィルムが、3000nm以上10200nm以下のリタデーションを有し、前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項1又は2に記載の画像表示装置(但し、前記高リタデーション飛散防止フィルムが、粘着層を介して前記偏光板の最外層に直接積層されたものを除く)。」 第4 平成30年3月27日付け取消理由通知の取消理由について 1 取消理由の概要 当審において、訂正前の請求項1ないし3に係る発明の特許に対して通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 「本件発明1ないし本件発明3は、当業者が甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1ないし本件発明3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第2号の規定により、取り消されるべきものである。 甲第1号証:特開2011-107198号公報 周知技術を示すために引用した文献 特開2013-20130号公報(【0067】及び図2) 特開2011-168652号公報(【0011】及び【0012】) 特開2010-85453号公報(【0020】及び図3) 特開2008-216913号公報(【0001】及び【0026】) 特開2000-263702号公報(【0008】) 国際公開第2012/049977号(【要約】及び【0003】) 国際公開第2009/116363号(【要約】及び【0069】) 国際公開第2008/047785号(【0070】及び図12) 」 国際公開第2012/161078号(【0113】及び図15) 国際公開第2012/035919号(【0035】及び図1) 2 甲第1号証に記載された発明 (1)甲第1号証には、以下の記載がある。 「ア 「【請求項1】 バックライト光源と、液晶セルと、液晶セルの視認側に配した偏光板とを少なくとも有する液晶表示装置において、 バックライト光源として白色発光ダイオードを用いるとともに、 前記偏光板の視認側に、3000?30000nmのリタデーションを有する高分子フィルムを、前記偏光板の吸収軸と前記高分子フィルムの遅相軸とのなす角が凡そ45度となるように配して用いることを特徴とする液晶表示装置の視認性改善方法。 【請求項2】 前記白色発光ダイオードが、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の視認性改善方法。 【請求項3】 前記高分子フィルムが、配向ポリカーボネートフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の視認性改善方法。 【請求項4】 前記高分子フィルムが、配向ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の視認性改善方法。 【請求項5】 請求項1?4のいずれかに記載の視認性改善方法を用いたことを特徴とする液晶表示装置。」 イ 「【0026】 本発明に用いられる高分子フィルムは、液晶セルの視認側に配した偏光板の視認側に、前記偏光板の吸収軸と前記高分子フィルムの遅相軸とのなす角が凡そ45度となるように配して使用される。高分子フィルムを偏光板の視認側に配する方法は、偏光板の最外層に直接に高分子フィルムを積層しても構わないし、他の透明部材を介して配しても構わない。また、液晶表示装置の視認側最表面に高分子フィルムを設置、貼り合わせてもよい。高分子フィルムを直接、または他の透明部材を介して配する際は、粘着層を設けた高分子フィルムを用いることも好ましい態様である。 【0027】 高分子フィルムを配する際は、偏光板の吸収軸と前記高分子フィルムの遅相軸とのなす角が凡そ45度となるようにすることが望ましい。これによりサングラスなどの偏光板がどのような角度であっても高い透過光を得ることができる。なお、上記角度は厳密に45度である必要はなく、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて適宜調節しても良い。前記角度の好ましい範囲は30?60度、より好ましくは40?50度である。」 ウ 「【0035】 本発明に用いられる高分子フィルムの厚みは任意であるが、25?500μmの範囲であることが好ましい。25μmを下回る厚みのフィルムでも、原理的には3000nm以上のリタデーションを得ることは可能である。しかし、その場合にはフィルムの力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下する。特に好ましい厚みの下限は35μmである。一方、500μmを超えるフィルムは非常に剛直であり、高分子フィルム特有のしなやかさが低下し、やはり工業材料としての実用性が低下するので好ましくない。特に好ましいフィルム厚みの上限は350μmである。 エ 「【0048】 実験例2 ここでは、高分子フィルムとして配向ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた例を示す。 ジメチルテレフタレートを1000部、エチレングリコールを700部、および酢酸マンガン4水塩を0.16部をエステル交換反応缶に仕込み、120?210℃でエステル交換反応を行い、生成するメタノールを留去した。エステル交換反応が終了した時点で三酸価アンチモンを0.13部、正リン酸を0.017部を加え、系内を徐々に減圧にし、75分間で133Paとした。同時に徐々に昇温し、280℃とした。この条件で70分間重縮合反応を実施し、溶融ポリマーを吐出ノズルより水中に押出し固有粘度が0.62dl/gのPET樹脂を得た。 【0049】 固有粘度が0.62dl/gのPET樹脂を水冷却した回転急冷ドラム上にフィルム形成ダイを通して押出し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを幅方向に100℃で4.0倍延伸した後、150℃で熱固定を行い、更に130℃から100℃に冷却しながら、幅方向に3%弛緩処理を行い、厚さ38μmの配向PETフィルム(PETフィルム-1)を得た。 【0050】 また、PETフィルム-1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚さ200μmの配向PETフィルム(PETフィルム-2)を得た。 【0051】 PETフィルム-1と同様の方法を用いて作成した未延伸フィルムを、加熱されたロール群および赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向(走行方向)に3.4倍延伸して、厚さ700μmの配向PETフィルム(PETフィルム-3)を得た。 【0052】 上記の方法で得られた配向PETフィルムの特性を表1に示した。また、これらのフィルムを、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色LEDを光源(日亜化学、NSPW500CS)とする液晶表示装置(液晶セルが2枚の偏光板に挟まれた構成を有する)、及び冷陰極管をバックライト光源とする液晶表示装置(液晶セルが2枚の偏光板に挟まれた構成を有する)の上に置き、それぞれサングラスを通して画面を見た時の様子を表2に示した。 【0053】 上記の結果より、作成したフィルムは、白色LEDをバックライト光源として用いた場合には視認性改善効果が得られるものの、冷陰極管をバックライト光源として用いた場合には視認性の改善効果が得られないことが解った。 【0054】 【表1】(横長に表記した。) 【0055】 【表2】(横長に表記した。) 【0056】 本発明の液晶表示装置の視認性改善方法は、屋外で用いられる液晶表示装置、例えば車、船、飛行機などの計器盤、車載カーナビゲーション、デジタルカメラ、携帯電話やパソコンなどのモバイル機器、あるいはビル、スーパーなどで用いられるデジタルサイネージなどに好適に利用可能である。」 (2)甲第1号証に記載された発明 ア 上記(1)アの記載からして、甲1号証には、 「バックライト光源と、液晶セルと、液晶セルの視認側に配した偏光板とを少なくとも有する液晶表示装置において、 前記バックライト光源は、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた白色発光ダイオードであり、 前記偏光板の視認側に、3000?30000nmのリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムを、前記偏光板の吸収軸と前記配向ポリエステルフィルムの遅相軸とのなす角が凡そ45度となるように配した、液晶表示装置。」(請求項1-2-4-5)が記載されているものと認められる。 イ 上記(1)イの記載からして、 上記アの「偏光板の視認側」とは、具体的には、少なくとも、以下の二箇所であることが理解できる。 (ア)偏光板の最外層 (イ)液晶表示装置の視認側最表面 ウ また、上記(1)イの記載からして、 上記アの「配向ポリエステルフィルム」は、粘着層を介して偏光板の最外層に直接積層又は液晶表示装置の視認側最表面に貼り合わせてもよいことが理解できる。 エ さらに、上記(1)ウ及びエの記載からして、 上記アの「3000?30000nmのリタデーションを有する配向ポリエステルフィルム」は、具体的には、表1及び表2に示された「PETフィルム-1」又は「PETフィルム-2」のうち、例えば、「PETフィルム-2」、つまり、「厚さ200μm及びリタデーション21520nm(Nx1.5902、Ny1.6978、Nz1.5147)の配向ポリエステルフィルム」であってもよいものと認められる。 オ 上記アないしエより、甲第1号証には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「バックライト光源と、液晶セルと、液晶セルの視認側に配した偏光板とを少なくとも有する液晶表示装置において、 前記バックライト光源は、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた白色発光ダイオードであり、 厚さ200μm及びリタデーション21520nm(Nx1.5902、Ny1.6978、Nz1.5147)の配向ポリエステルフィルムを、前記偏光板の吸収軸と前記配向ポリエステルフィルムの遅相軸とのなす角が凡そ45度となるように、粘着層を介して偏光板の最外層に直接積層した、液晶表示装置。」 3 当審の判断 (1)本件訂正発明1について ア 本件訂正発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 (ア)引用発明の「青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた白色発光ダイオード」は、本件訂正発明1の「連続的な発光スペクトルを有する白色光源」に相当する。 (イ)引用発明の「液晶セル」及び「液晶表示装置」は、それぞれ、本件訂正発明1の「画像表示セル」及び「画像表示装置」に相当する。 (ウ)引用発明の「液晶セルの視認側に配した偏光板」が、「偏光子」を備えていることは明らかであるから、引用発明においては、「液晶セル」よりも視認側に偏光子が配置されているといえる。 (エ)引用発明の「配向ポリエステルフィルム」は、粘着層を介して偏光板の最外層に直接積層したものであるから、偏光子よりも視認側に配置されていることは明らかである。 (オ)上記(ア)ないし(エ)より、 本件訂正発明1と引用発明とは、 「連続的な発光スペクトルを有する白色光源、 画像表示セル、 前記画像表示セルよりも視認側に配置される偏光子、及び 前記偏光子よりも視認側に配置されるフィルム を有し、 前記フィルムは配向フィルムであり、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する高リタデーションフィルムである」点で一致する。 (カ)本件特許明細書の【0016】における「視認側偏光子の偏光軸(出射する偏光の振動方向と平行な軸)」との記載からして、偏光軸とは「透過軸」と認められる(偏光子においては、「透過軸」と「吸収軸」とは直交する。)。 してみると、引用発明においては、「偏光板の吸収軸」と「配向ポリエステルフィルムの遅相軸」とのなす角が凡そ45度であることから、「偏光子の偏光軸」と「配向ポリエステルフィルムの遅相軸(配向主軸)」とのなす角は、凡そ45度である。 よって、本件訂正発明1と引用発明とは、 「高リタデーションフィルムは、その配向主軸が偏光子の偏光軸に対して45度±10度以下となるように配置されている」点で一致する。 (キ)以上のことから、本件訂正発明1と引用発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> 「連続的な発光スペクトルを有する白色光源、 画像表示セル、 前記画像表示セルよりも視認側に配置される偏光子、及び 前記偏光子よりも視認側に配置されるフィルム を有し、 前記フィルムは配向フィルムであり、3000nm以上150000nm以下の高リタデーションを有するフィルムであり、 該高リタデーションフィルムは、その配向主軸が偏光子の偏光軸に対して45度±10度以下となるように配置されている、画像表示装置。」 (ク)一方、両者は、以下の点で相違する。 <相違点1> 偏光子に関して、 本件訂正発明1は、「視認側に『偏光子保護フィルム』が積層され」ているのに対して、 引用発明は、「視認側に偏光子保護フィルム」が積層されているか否か不明である点。 <相違点2> 偏光子よりも視認側に配置されるフィルムに関して、 本件訂正発明1は、 a 「少なくとも2枚の飛散防止フィルム」であって、 b 「少なくとも2枚の飛散防止フィルムは配向フィルムであり」、 c 「そのうちの少なくとも1枚は、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する高リタデーション飛散防止フィルムであって」、「該高リタデーション飛散防止フィルムは、残る飛散防止フィルムのうちの少なくとも1枚(視認側飛散防止フィルム)よりも光源側に配置され」、「該高リタデーション飛散防止フィルムは、その配向主軸が前記偏光子の偏光軸に対して45度±10度以下となるように配置され」、 d 「視認側飛散防止フィルムは200nm以上3000nm未満のリタデーションを有する」のに対して、 引用発明は、偏光子よりも視認側に配置されるフィルム(配向ポリエステルフィルム)を備えているものの、それ以外の上記aないしdに係る構成を備えていない点。 イ 判断 (ア)上記<相違点1>について検討する。 a 引用発明の「液晶セルの視認側に配した偏光板」を、偏光子の両側に偏光子保護フィルムを積層した構成、すなわち、[偏光子保護フィルム/偏光子/偏光子保護フィルム]からなるものとすることに何ら困難性は認められない。 b 以上の検討によれば、引用発明において、上記<相違点1>に係る本件訂正発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が容易になし得たことである。 (イ)上記<相違点2>について検討する。 a 上記<相違点2>のうち、aないしcについて (a)甲第1号証の記載(【0056】)によれば、引用発明の「液晶表示装置」は、具体的には、車載カーナビゲーション、携帯電話、パソコン、電子看板等であるところ、 平成30年3月27日付け取消理由通知において、文献Aないし文献Jを提示して「周知技術」であると指摘したように、このような装置においては、表示面保護又は飛散防止等のために延伸フィルムが採用されていることから、引用発明の「液晶表示装置」において、例えば、文献H(国際公開第2008/047785号)の図12に示された「(視認側の)飛散防止フィルム18」や文献I(国際公開第2012/161078号)の図15に示された「(視認側の)飛散防止フィルム13」等を採用することは、当業者がその用途等を勘案して適宜なし得たことである。 その図12は、以下のものである。 1、2……ガラス基板 3、4……偏光板 5……強化ガラス 8……光学接着剤 10……反射フィルム 11……LED 12……導光板 18……飛散防止フィルム 30……液晶パネル また、文献Iの図15は、以下のものである。 11…センサガラスからなるタッチパネル本体 12…LCDパネル12 13、24…飛散防止フィルム 25…BM層25 30…タッチパネル用印刷フィルム 31…基材フィルム(光学用PETフィルム) 34…ハードコート層 35…印刷層35 36…第1光学用透明粘着層 38…第2光学用透明粘着層 (b)そして、引用発明の「配向ポリエステルフィルム」は、粘着層を介して偏光板(例えば、上記図12に示された「偏光板3」に相当する。)の最外層に直接積層したものであるから、「(視認側の)飛散防止フィルム18」や「(視認側の)飛散防止フィルム13」等と同様に、飛散防止機能を奏するものと認められる。 (c)したがって、引用発明において、上記<相違点2>のうち、aないしcに係る本件訂正発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が上記周知技術に基づいて適宜なし得たことである。 b 上記<相違点2>のうち、dについて (a)本件訂正発明1における、「視認側飛散防止フィルムは200nm以上3000nm未満のリタデーションを有し」との発明特定事項の技術的意義を本件特許明細書の記載を参酌して検討する。 本件特許明細書には、以下の記載がある。 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 …しかしながら、現在流通しているフィルムの多くは、リタデーションの値が3000nm未満のフィルムであり、前記方法では、そのようなフィルムを画像表示装置に使用することができないという問題がある。そこで、本発明は、リタデーションの値が3000nm未満のような汎用される配向フィルムの使用を可能にしながら、サングラス等の偏光フィルムを介して視認した際の干渉色(即ち、虹斑)による視認性の低下を改善することを目的とする。」 「【0025】 低リタデーション配向フィルムのリタデーションは、3000nm未満であれば特に制限されない。本発明に好適に用いられる低リタデーション配向フィルムのリタデーションの下限値は、それを単独で用いた場合に虹斑が生じ得るという観点から、50nm以上、100nm以上、200nm以上、300nm以上、400nm以上、又は500nm以上である。虹斑が効果的に改善されるという点では、好ましくは800nm以上、好ましくは1000nm以上、好ましくは1300nm以上である。また、低リタデーション配向フィルムのリタデーションの上限は、高リタデーション配向フィルムとの組合せで虹斑の抑制が可能であるという観点から、3000nm未満、2500nm未満、又は2300nm未満である。画像表示装置が低リタデーション配向フィルムを2枚以上有する場合、それらのリタデーションは同一であっても異なっていてもよい。」 上記記載からして、 「視認側飛散防止フィルムは200nm以上3000nm未満のリタデーションを有し」における「200nm以上」は、敢えて虹斑が生じ得るという観点から決められたものであって、格別の技術的意義を有する数値であるとは認められない。 また、「3000nm未満」は、現在流通している多くの配向フィルムが有するリタデーションであって、格別の技術的意義を有する数値であるとは認められない(必要ならば、例えば、特開2012-214026号公報の【0002】及び特開2004-170875号公報の【0003】を参照。)。 (b)してみると、「(視認側の)飛散防止フィルム18」や「(視認側の)飛散防止フィルム13」として、現在流通している多くの配向フィルムと同程度のものを選択することに何ら困難性は認められない。 (c)したがって、引用発明において、上記<相違点2>のうち、dに係る本件訂正発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が適宜なし得たことである。 c 以上の検討によれば、引用発明において、上記<相違点2>に係る本件訂正発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が上記周知技術に基づい容易になし得たことである。 (ウ)以上のことから、引用発明において、上記<相違点1>及び上記<相違点2>に係る本件訂正発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が上記周知技術に基づいて容易になし得たことである。 (エ)効果 本件訂正発明1の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び周知技術の奏する効果から予測し得る範囲内のものである。 (2)本件訂正発明2について 引用発明の「配向ポリエステルフィルム」は、その遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角が凡そ45度となるように、粘着層を介して偏光板の最外層に直接積層したものであるから、「45度」となるようにすることに何ら困難性は認められない。 (3)本件訂正発明3について ア 引用発明の「配向ポリエステルフィルム」は、甲第1号証の表1及び表2に記載された「PETフィルム-2」であるところ、表1及び表2には、リタデーションを3724nmとした「PETフィルム-1」も示されており、引用発明において、該「PETフィルム-1」、つまり、「厚さ38μm及びリタデーション3724nm(Nx1.5874、Ny1.6854、Nz1.5209)の配向ポリエステルフィルム」を採用することに何ら困難性は認められない。 イ また、甲第1号証の【0026】には「…偏光板の最外層に直接に高分子フィルムを積層しても構わないし、他の透明部材を介して配しても構わない。…」と記載されていることから、引用発明の「配向ポリエステルフィルム」を他の透明部材を介して配置することに何ら困難性は認められない。 4 平成30年5月28日提出の意見書(特許権者) 特許権者は、意見書において、以下(1)ないし(4)のように主張することから、この点について、各々続けて検討する。 (1)「すなわち、甲1には、特定のPETフィルム-2を『粘着層を介して偏光板の最外層に直接積層した』液晶表示装置について具体的に開示されておらず、かかる液晶表示装置を引用発明Aとして認定することは妥当ではない。」(第9頁上段) ア しかしながら、甲第1号証の、【特許請求の範囲】、【0026】及び【0054】の記載を見れば、「配向ポリエステルフィルム」として、「PETフィルム-1」又は「PETフィルム-2」を採用し、粘着層を介して「偏光板の最外層」又は「液晶表示装置の視認側最表面」に配置した液晶表示装置の発明が開示されていると理解できることである。 イ よって、特許権者の主張は、甲第1号証の記載を理解する際の、当業者の理解力及び技術水準をあまりにも低く設定するものであるから、採用できない。 (2)「甲1には、高リタデーションフィルムを2枚重ねることについて記載とされているが[表2 PETフィルム-1(2枚重ね使用)]、高リタデーション飛散防止フィルムと低リタデーション飛散防止フィルムを組合わせることについて記載も示唆もされておらず、当然ながらこれらを組合わせた場合に虹斑が発生し得るという課題は存在しない。」(第11頁中段) ア 甲第1号証の表2には、「PETフィルム-1」を2枚重ねることにより、リタデーションを正確に2倍(3724*2=7448)とした例が記載されている。これは、意識的に相加の関係となるように正確に重ねたものであることは当業者にとって明らかである。言い換えれば、フィルムを重ねた際のリタデーションが「3000nm未満」とならないようにしたものであるといえる。 イ 一方、甲第1号証の【0016】には「…また、これら以外の他の構成、例えばカラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルムなどを適宜有しても構わない。」と記載されているように、このような液晶表示装置には、各種フィルム(低リタデーションフィルム)が利用されているのが普通であるから、低リタデーションフィルムとの組合せが記載も示唆もされていないとはいえない ウ よって、特許権者の上記主張は、上記「3」の判断を左右するものではない。 (3)「すなわち、甲1において高リタデーションフィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸との角度を凡そ45度にしているのは、高い透過率を得るためであり、虹斑を抑制するためではなく、ましてや何ら開示のない低リタデーション飛散防止フィルムとの位置関係で虹斑を抑制するためでもない。」(第12頁上段) ア 甲第1号証に記載された「配向ポリエステルフィルム」は、甲第1号証の【0013】等の記載からして、直線偏光を解消するための部材であることが理解でき、さらに、その角度を凡そ45度にする技術的意義は、直線偏光を円偏光に変換することにあることは、当業者にとって明らかである。 イ そして、本件訂正発明1ないし本件訂正発明3は、「(視認側)低リタデーション飛散防止フィルム」を「その配向主軸が偏光子の偏光軸に対して45度±10度以下となるように配置」した発明、つまり、相加の関係となるように配置した発明を包含するものであるから、干渉色の発生が抑制されることは、当業者に予測し得ることである。 ウ よって、特許権者の上記主張は、上記「3」の判断を左右するものではない。 (4)「しかしながら、(4.1)で述べたとおり、高リタデーション飛散防止フィルムと低リタデーション飛散防止フィルムを組合わせる場合、高リタデーション飛散防止フィルムが存在するからといって必ずしも虹斑が抑制されるわけではなく、2枚の飛散防止フィルムの積層順序、及び、各飛散防止フィルムの配向主軸と偏光子の偏光軸との角度によって虹斑が発生し得る。」(第15頁上段) ア 甲第1号証に記載された発明において、「配向ポリエステルフィルム」の遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角が凡そ45度となるように配置する技術的意義は、甲第1号証の表2等の記載からして、偏光板から出射された「連続的な発光スペクトル」の直線偏光を解消することにより、サングラスの角度に影響されることなく、「連続的な発光スペクトル」がサングラスの偏光子を透過できるようにすることにあるものと解される。 イ そうすると、「(視認側)低リタデーション飛散防止フィルム」を採用した際にも、「連続的な発光スペクトル」がサングラスの偏光子を透過できるようにする必要がある。 つまり、「(視認側)低リタデーション飛散防止フィルム」が引用発明の「配向ポリエステルフィルム」の作用を、少なくとも阻害しないようにするための工夫が必要になることは、明らかである。 ウ そして、直線偏光が解消された光がサングラスに向けて出射されれば、干渉色の発生が防止されることになる。 エ よって、特許権者の上記主張は、上記「3」の判断を左右するものではない。 5 まとめ 本件訂正発明1ないし本件訂正発明3は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 本件訂正発明1ないし本件訂正発明3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第2号の規定により、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源、 (2)画像表示セル、 (3)前記画像表示セルよりも視認側に配置される偏光子、 (4)前記偏光子の視認側に積層された偏光子保護フィルム、及び (5)前記偏光子保護フィルムよりも視認側に配置される少なくとも2枚の飛散防止フィルム を有し、 前記少なくとも2枚の飛散防止フィルムは配向フィルムであり、そのうちの少なくとも1枚は、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する高リタデーション飛散防止フィルムであって、該高リタデーション飛散防止フイルムは、残る飛散防止フィルムのうちの少なくとも1枚(視認側飛散防止フィルム)よりも光源側に配置され、且つ該高リタデーション飛散防止フィルムは、その配向主軸が前記偏光子の偏光軸に対して45度±10度以下となるように配置され、 前記視認側飛散防止フィルムは200nm以上3000nm未満のリタデーションを有する、 画像表示装置。 【請求項2】 前記高リタデーション飛散防止フィルムが、その配向主軸が前記偏光子の偏光軸に対して45度となるように配置される、請求項1に記載の画像表示装置。 【請求項3】 前記高リタデーション飛散防止フィルムが、3000nm以上10200nm以下のリタデーションを有し、前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項1又は2に記載の画像表示装置(但し、前記高リタデーション飛散防止フィルムが、粘着層を介して前記偏光板の最外層に直接積層されたものを除く)。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-09-05 |
出願番号 | 特願2013-27752(P2013-27752) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZAA
(G02F)
P 1 651・ 536- ZAA (G02F) P 1 651・ 537- ZAA (G02F) P 1 651・ 113- ZAA (G02F) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 磯野 光司 |
特許庁審判長 |
森 竜介 |
特許庁審判官 |
近藤 幸浩 星野 浩一 |
登録日 | 2017-01-06 |
登録番号 | 特許第6064655号(P6064655) |
権利者 | 東洋紡株式会社 |
発明の名称 | 画像表示装置 |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |