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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B09B
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  B09B
審判 全部申し立て 2項進歩性  B09B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B09B
管理番号 1346770
異議申立番号 異議2018-700189  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-02-28 
確定日 2018-10-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6190082号発明「生成物の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6190082号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕について訂正することを認める。 特許第6190082号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6190082号の請求項1?8に係る特許についての出願は、平成28年 6月27日を国際出願日とする出願であって、平成29年 8月10日にその特許権の設定登録がされ、同年 8月30日に特許掲載公報が発行されたものであり、その後、その請求項1?8に係る特許について、平成30年 2月28日付けで特許異議申立人「畑山 千里」(以下、「申立人」という。)によって特許異議の申立てがされ、同年 5月18日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年 7月20日付けで特許権者より意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して申立人から同年 9月 7日付けで意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
平成30年 7月20日付け訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のア.?キ.のとおりである(下線は訂正箇所である。)。

ア.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「加水分解処理された前記原料を洗浄液で洗浄する洗浄工程」とあるのを、「加水分解処理された前記原料を水のみで洗浄する洗浄工程」に訂正する。

イ.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、「洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程」とあるのを、「水のみで洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程」に訂正する。

ウ.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に、「前記固液分離工程後の前記固形分中のカリウムの濃度を、」とあるのを「前記固液分離工程直後の前記固形分中のカリウムの濃度を、」に訂正する。

エ.訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3に、「加水分解処理された前記原料を洗浄液で洗浄する洗浄工程」とあるのを、「加水分解処理された前記原料を水のみで洗浄する洗浄工程」に訂正する。

オ.訂正事項5
特許請求の範囲の請求項3に、「洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程」とあるのを、「水のみで洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程」に訂正する。

カ.訂正事項6
特許請求の範囲の請求項3に、「前記固液分離工程後の前記固形分中のカリウムの濃度を、」とあるのを「前記固液分離工程直後の前記固形分中のカリウムの濃度を、」に訂正する。

キ.訂正事項7
特許請求の範囲の請求項6に、「前記洗浄工程の前記洗浄液は、水である」とあるのを、「前記洗浄工程は、前記原料の体積の5倍以上の体積の水のみを用いて洗浄する」に訂正する。

(2)訂正の目的、新規事項の追加、及び、特許請求の範囲の拡張/変更の有無について

ア.訂正事項1
訂正事項1は、訂正前の請求項1について、「洗浄液で」と記載されているのを、「水のみで」に訂正するものであって、洗浄液の種類を限定することにより、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正前の請求項6に「前記洗浄工程の前記洗浄液は、水である」との記載及び、本件明細書の段落【0039】に「生成物の洗浄液に特殊な薬液を使用することがないため、安価な工場用水又は水道水が利用できる」との記載があり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

イ.訂正事項2
訂正事項2は、訂正前の請求項1について、「洗浄された前記原料」と記載されているのを、「水のみで洗浄された前記原料」に訂正するものであって、原料が、水のみで洗浄されていることを限定することにより、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正前の請求項6に「前記洗浄工程の前記洗浄液は、水である」との記載及び、本件明細書の段落【0039】に「生成物の洗浄液に特殊な薬液を使用することがないため、安価な工場用水又は水道水が利用できる」との記載があり、「水のみで洗浄された前記原料」であることは明らかであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ.訂正事項3
訂正事項3は、訂正前の請求項1について、「前記固液分離工程後」と記載されているのを、「前記固液分離工程直後」に訂正するものであって、固液分中のカリウムの濃度の測定時期を限定することにより、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件明細書の段落【0030】に「この分離工程後の固形分(EFB)には、4g/Kg(0.4%DM)から2g/Kg(0.2%DM)以下のカリウムしか含まれていない」との記載があり、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

エ.訂正事項4?6
訂正事項4?6は、それぞれ、上記訂正事項1?3と対象請求項が異なる点を除き同じ訂正であって、上記訂正事項1?3と同じく特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、上記訂正事項1?3と同じく、訂正事項4?6は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項4?6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

オ.訂正事項7
訂正事項7は、訂正前の請求項6について、「前記洗浄工程の前記洗浄液は、水である」と記載されているのを、「前記洗浄工程は、前記原料の体積の5倍以上の体積の水のみを用いて洗浄する」に訂正するものであって、水の使用量を限定することにより、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件明細書の段落【0027】に「洗浄液は、工場用水又は水道水などの水でよく、EFBの体積の5倍以上、好ましく10倍から20倍を用いるとよい。」との記載があり、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(3)一群の請求項について
訂正事項1?3は、訂正前の請求項1を訂正するものであり、訂正前の請求項2,5?8は、請求項1を直接又は間接的に引用するため、請求項1,2,5?8は一群の請求項である。
また、訂正事項4?6は、訂正前の請求項3を訂正するものであり、訂正前の請求項4?8は、請求項3を直接又は間接的に引用するため、請求項3?8は一群の請求項である。
そして、訂正後の請求項1,2,5?8からなる一群の請求項と、訂正後の請求項3?8からなる一群の請求項とは、請求項5?8が共通しているから、本件訂正請求は、一群の請求項〔1?8〕について請求するものと認められる。

(4)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?8〕について訂正を認める。

3.本件発明
上記2.のとおり訂正を認めたので、訂正後の請求項1?8に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明8」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものである(下線は訂正箇所である。)。

【請求項1】
植物性廃棄物を含む原料を加水分解処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、
前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程であって、処理容器の内部圧力を1.8MPaから3.0MPaとする加水分解処理工程と、
加水分解処理された前記原料を水のみで洗浄する洗浄工程と、
水のみで洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程と、を含み、
前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とするとともに、
前記固液分離工程直後の前記固形分中のカリウムの濃度を、0.2%DM以下とし、
前記固形分から、バイオマス燃料を製造する
ことを特徴とする生成物の製造方法。
【請求項2】
前記液体分から、液体肥料を製造する
ことを特徴とする請求項1に記載の生成物の製造方法。
【請求項3】
植物性廃棄物を含む原料を加水分解処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、
前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程であって、処理容器の内部圧力を1.8MPaから3.0MPaとする加水分解処理工程と、
加水分解処理された前記原料を水のみで洗浄する洗浄工程と、
水のみで洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程と、を含み、
前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とするとともに、
前記固液分離工程直後の前記固形分中のカリウムの濃度を、0.2%DM以下とし、
前記液体分から、液体肥料を製造する
ことを特徴とする生成物の製造方法。
【請求項4】
前記固形分から、バイオマス燃料を製造する
ことを特徴とする請求項3に記載の生成物の製造方法。
【請求項5】
前記固液分離工程の後、前記洗浄工程に戻し、前記固液分離工程及び前記洗浄工程を複数回繰り返す
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。
【請求項6】
前記洗浄工程は、前記原料の体積の5倍以上の体積の水のみを用いて洗浄する
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。
【請求項7】
前記固形分を乾燥する乾燥工程を、含む
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。
【請求項8】
前記固形分をペレット化する成形工程を、含む
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。

4.当審の判断
(1)証拠
申立人は、特許異議申立書(平成30年 2月28日付け)と共に、証拠として甲第1号証?甲第4号証を提出し、意見書(平成30年 9月 7日付け)と共に、証拠として、甲第5号証を提出した。

<証拠>
甲第1号証:米国特許出願公開2011/0192791号明細書
甲第2号証:国際公開2010/093310号
甲第3号証:米国特許出願公開2014/0033777号明細書
甲第4号証:国際公開2013/162355号
甲第5号証:国際公開2010/123141号
(以下、それぞれ、「甲1」?「甲5」という。)

(2)取消理由通知に記載した取消理由について
平成30年 5月18日付けの取消理由の概要は、
取消理由1)訂正前の請求項1?4、6、7に係る発明が、甲3に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、その発明に係る特許を取り消すべきものである。
取消理由2)訂正前の請求項5、8に係る発明が、甲3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、その発明に係る特許を取り消すべきものである。

(3)証拠に記載された事項
取消理由通知において引用した甲3には、以下の事項が記載されている。

(ア)「[0019]Furthermore, the aqueous residue herein remaining after the removal/separation therefrom of the synthetic coal can be used as a nutritive fermentation supplement and as a fertilizer.」
当審仮訳:さらに、合成炭の除去/分離後に残った水性残留物を栄養発酵補助剤や肥料として使用することができる。

(イ)「[0031]As used herein, “fermentation residues” are meant to refer to residues or by-products from various fermentation operations including ethanol production, whiskey and beer production, microbially-assisted antibiotics production, and other bacterial, yeast and fungal fermentation reactions. In association with the dry-grind corn ethanol manufacturing industry, “fermentation residues” also means and includes WS, WDG, DDG, DDGS, TS, CDS and mixed grains.」
当審仮訳:本明細書で使用される「発酵残渣」は、エタノール製造、ウィスキー、ビール製造、微生物補助抗生物質製造、および他の細菌、酵母および真菌の発酵反応を含む種々の発酵操作からの残留物または副生成物をいうことを意味する。乾式粉砕トウモロコシエタノール製造産業に関連して、「発酵残渣」は、WS、WDG、DDG、DDGS、TS、CDS及び混合された粒子も含む。

(ウ)「[0038]The present invention provides a process for preparing a fermentation residue-derived synthetic coal product, said process comprising the steps of: obtaining a starting fermentation residue material comprising a fermentation residue-containing aqueous composition; subjecting said starting material to hydrothermal carbonization; filtering the resulting materials to separate a solid synthetic coal material from the aqueous suspending medium; and obtaining separate fermentation residue-derived synthetic coal and aqueous solution products. ・・・The hydrothermal carbonization process may be performed using a temperature ranging from between about 170℃. and about 225℃., for a duration ranging from a period of about 0.5 hour to about 4 hours, and a pressure up to about 2.41 MPa, for example. However, such pressure is not applied externally to the system but is, rather, what is self-generated or autogenous and primarily due to the vapor pressure of water at the reaction temperature.」
当審仮訳:本発明は、発酵残渣由来の合成炭を調整する方法であって、前記方法は、次の工程を含む:水性成分を含む発酵残渣を含む初期発酵残渣物質を得ること;前記初期物質を水熱炭化処理すること;その結果得られた物質をろ過し、水性懸濁媒体から固体合成炭を分離すること;発酵残渣由来の合成炭と水溶液製品を別々に得ること。・・・水熱炭化処理は、例えば約170℃?約225℃の温度範囲、約0.5時間?約4時間の範囲、および約2.41MPaまでの圧力を使用して実行されるであろう。しかしながら、このような圧力は、システムの外部から与えられるものでなく、むしろ自己生成または自家発生的であり、主として反応温度における水の蒸気圧によるものである。

(エ)「Example 23
[0092]An experiment was conducted to illustrate the efficient transformation of another fermentation residue, condensed distillers solubles (CDS). The transformation occurred employing as-received CDS having 32.72% solids at 200℃. for a period of 1.25 hrs. An aliquot of CDS (232.1 g), received from AL-Corn Clean Fuels (Claremont, Minn.), was transferred into a 450 mL Parr reactor. The reactor was heated to a temperature of 200℃. using an induction heating system, with the initial reaction pressure at 1.72 MPa. After a period of 1.25 hours, heating was discontinued and the unit was cooled employing a fan to expedite the process. At ambient temperature, the reaction product was filtered, and the char product was washed well with water. The freeze-dried char product weighed 20.3 g (26.7% mass yield based on starting CDS). As this point the char was thoroughly washed with acetone to remove sorbed fatty acids from the char, and the resultant acetone-extracted, dried char weighed 11.8 g. This was followed by washing with 3.0 N HCl to remove metal salts and other ash-contributing components. The mass of the final solvent- and acid-treated char was 8.2 g when freeze-dried.」
当審仮訳:実施例23 別の発酵残渣である凝縮した蒸留可溶物(CDS)の効率的な変換を説明するために実験が行われた。32.72%の固形分を持つ未処理のCDSは、200℃、1.25時間で変換が起こった。AL-Corn Clean Fuels (Claremont, Minn.)から入手したCDS(232.1g)試料は、450mlのparr反応器に移送された。反応器は、誘導加熱システムによって200℃、初期反応圧力1.72MPaで加熱された。1.25時間後、加熱は中断され、工程を速めるため、ファンで冷却された。反応物は常温でろ過され、チャーはよく水洗いされる。凍結乾燥チャーは20.3g(初期CDSの26.7%歩留まり)と計測された。この時点で、吸収された脂肪酸を除去するために、チャーは徹底的にアセトンで洗われ、結果得られたアセトン抽出された乾燥チャーは11.8gと計測された。続いて、金属塩と灰分を除去するために、3.0NHClによる洗浄が行われた。溶媒と酸による処理がなされた最終的なチャーの凍結乾燥重量は8.2gであった。

(オ)「[0094]These examples teach that acid treatment of CDS hydrochars can provide essentially a metal salt-free hydrochar. This is important for post-thermal treatment operations that are greatly affected by the presence of various metal salts. ・・・Example 25 discloses the metal content of starting CDS. Example 26 discloses the metal content of the acetone-extracted hydrochar (free of sorbed fatty acids) in Example 23. Example 27 discloses the metal content of the final solvent- and acid-extracted hydrochar of Example 23.」
当審仮訳:これらの実施例は、発酵残渣である凝縮した蒸留可溶物(CDS)の酸処理により、本質的に金属塩を含まない水性チャーが得られることを教示している。これは熱処理後の操作として重要であり、種々の金属塩の存在に大きな影響を及ぼす。・・・実施例25は、初期CDSの金属成分含有量を開示している。実施例26は、実施例23におけるアセトン抽出された水性チャー(吸収された脂肪酸のない)の金属成分の含有量を開示している。実施例27は、実施例23における溶媒と酸による抽出がなされた最終的な水性チャーの金属成分の含有量を開示している。

(カ)「



(4)取消理由1)、2)(特許法第29条第1項第3号第29条第2項)について
ア.本件発明1について
記載事項(ア)、(エ)によれば、甲3には、「発酵残渣である凝縮した蒸留可溶物(CDS)は、parr反応器に移送され、200℃、初期反応圧力1.72MPaで加熱され、1.25時間後、加熱は中断され、冷却された後、反応物はろ過され、チャーがよく水洗いされた後、チャーは徹底的にアセトンで洗われ、続いて、金属塩と灰分を除去するために、3.0N HClによる乾燥チャーの洗浄が行われ、そして、合成炭の除去/分離後に残った水性残留物を肥料として使用する」実施例23が記載されている。
ここで、チャーを水で洗浄した後に別の液体であるアセトンで洗浄する際や、アセトンで洗浄した後に別の液体である3.0N HClで洗浄する際には、チャー(固形)と洗浄に用いた液体を分離した後、次の洗浄を行うのが普通であるというべきである。
また、記載事項(ウ)によれば、水熱炭化処理は、約2.41MPaまでの圧力を使用して実行され、このような圧力は、主として反応温度における水の蒸気圧によるものであるから、甲3における水熱炭化処理は、蒸気による処理であるといえる。
さらに、記載事項(オ)、(カ)によれば、実施例23における溶媒と酸による抽出がなされた最終的な水性チャーの金属成分の含有量を示す実施例27は、カリウムの濃度が354ppm(0.0354%)であることが記載されている。
よって、甲3には、
「発酵残渣を含む原料を水熱炭化処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、
前記原料を蒸気により水熱炭化処理する水熱炭化処理工程であって、反応器の圧力を2.41MPaまでとする水熱炭化処理工程と、
処理された反応物であるチャーを水で洗浄する洗浄工程と、
洗浄されたチャーを固形分と液体分とに分離するろ過工程と、
チャーをアセトンで洗浄する工程と、乾燥チャーを3.0N HClで洗浄する工程と、を含み、
前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とするとともに、
溶媒と酸による抽出がなされた最終的なチャーのカリウムの濃度が0.0354%であり、
前記固形分から、合成炭(最終的なチャー)を製造し、
前記液体分から、肥料(水性残留物)を製造する生成物の製造方法。」(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。

ここで、本件発明1と甲3発明を対比すると、甲3発明の「反応器」は、本件発明1の「処理容器」に相当し、以下同様に、「処理された反応物であるチャー」は「処理された前記原料」に、「洗浄されたチャー」は「洗浄された前記原料」に、「ろ過」は「固液分離」に、「合成炭」は「バイオマス燃料」に、それぞれ相当する。
よって、本件発明1と甲3発明とは、「原料を処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、前記原料を蒸気により処理する処理工程であって、処理容器の内部圧力を2.41MPaまでとする処理工程と、処理された前記原料を水で洗浄する洗浄工程と、洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程と、を含み、前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とするとともに、前記固形分から、バイオマス燃料を製造する生成物の製造方法。」である点で一致し、下記(相違点1)?(相違点4)で相違している。

(相違点1)
本件発明1は、植物性廃棄物を含む原料であるのに対し、甲3発明は、発酵残渣を含む原料である点。

(相違点2)
本件発明1は、原料を蒸気により加水分解処理しているのに対し、甲3発明は、原料を蒸気により水熱炭化処理している点。

(相違点3)
本件発明1は、水のみで原料を洗浄しているのに対し、甲3発明は、水、アセトン、HClの3種類の洗浄液で原料を洗浄している点。

(相違点4)
本件発明1は、洗浄された原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程直後の固形分中のカリウムの濃度を0.2%DM以下としているのに対し、甲3発明は、洗浄された原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程後の最終的なチャーのカリウムの濃度が0.0354%である点。

事案に鑑み、相違点3から検討する。
本件発明1は、原料を水のみで洗浄しているものの、甲3発明は、原料を、水、アセトン、HClの3種類の洗浄液で洗浄するものであるから、相違点3は実質的なものである。
したがって、本件発明1は、甲3に記載された発明とはいえない。
また、記載事項(オ)によれば、甲3発明は、原料を、水による洗浄に加え、アセトン及びHClの洗浄液で洗浄することによって、本質的に金属塩を含まない水性チャーを得ることを目的とするものであるから、甲3発明の洗浄工程において、水のみで洗浄することには、阻害要因があるものといえる。
よって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲3に記載された発明に基いて、当業者であれば容易に発明をすることができたものともいえない。

イ.申立人の主張について
この点について、申立人は、意見書において、本件特許明細書や、甲5にも記載されているように、加水分解によって破壊された植物系バイオマスの細胞から、水溶性のカリウムが前記加水分解で使用された水側に溶け出して、固体バイオマス側のカリウム含有量が減ることは、当技術分野では良く知られた事項であり、甲3発明においても、反応物をろ過後、チャー製品を水で洗浄してることから、加水分解後に溶け残った水溶性カリウムが水洗によって溶け出して、チャー製品におけるカリウム含有量がさらに低減していることは明白であること、甲3発明では、水洗浄の後にアセトンや酸でも洗浄を行っているものの、これはカリウムのみならず、他の多様な不純物を低減させるために行っているものである旨主張している。
しかしながら、ア.で検討したとおり、甲3発明は、原料を、水による洗浄に加え、アセトン及びHClの洗浄液で洗浄する点で、本件発明1とは異なるものであって、甲3発明において、水のみで洗浄することには、阻害要因があるものといえる。
したがって、申立人の主張は採用できない。

ウ.本件発明2?8について
本件発明2?8は、本件発明1の相違点3に係る事項を発明特定事項にするので、本件発明1と同じく、甲3に記載された発明ではなく、甲3に記載された発明に基いて、当業者であれば容易に発明をすることができたものともいえない。

エ.小括
ア.?ウ.に記載したように、本件発明1?4,6,7は、甲3に記載された発明とはいえず、また、本件発明5,8は、甲3に記載された発明に基いて、当業者であれば容易に発明をすることができたものとはいえないから、その特許は特許法第29条第1項及び第2項の規定に違反してされたものではない。

5.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)特許法第29条第2項について(特許異議申立書第10頁第11行?第16頁第16行)
申立人は、訂正前の請求項1?8に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2?4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、その発明に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

ア.甲1発明の認定
甲1には、以下の事項が記載されている。

(ア)「1 . A method for biogenic waste treatment, characterized in the following steps:
Step 1: The biogenic waste is evenly mixed with water vapor so that the temperature reaches 130-190℃. and the pressure reaches 1.5-1.9 MPa after being mixed, and this state is maintained for 1-25 minutes;
Step 2: The pressure of the mixture of said biogenic waste and water vapor is reduced to normal pressure so as to conducting low-molecularization of the biogenic waste and obtain a low-molecularized mixture wherein the time for reducing the pressure of the mixture of said biogenic waste and water vapor to normal pressure as specified in Step 2 is 30-60 seconds;
Step 3: The low-molecularized mixture is separated so as to obtain the final product.」
当審仮訳:請求項1 生物起源の廃棄物処理方法であって、次の工程で特徴づけられる方法:
工程1:生物起源の廃棄物が均等に水蒸気と混合され、混合後、温度が130-190℃、圧力が1.5-1.9MPaに達し、その状態が1-25分間維持される。
工程2:前記生物起源の廃棄物と水蒸気の混合物の圧力が常圧まで減圧され、生物起源の廃棄物が低分子化され、低分子化された混合物が得られる方法であって、前記生物起源の廃棄物と水蒸気の混合物の圧力が、工程2に記載される常圧までに減圧される時間が30-60秒であることを特徴とする。
工程3:低分子化された混合物が分離され、最終製品が得られる。

(イ)「7 . The method for biogenic waste treatment according to claim 1 , wherein when separating the low-molecularized mixture as specified in Step 3, liquid solid separation method is firstly adopted to perform liquid solid separation for said low-molecularized mixture, and then low-molecularized liquid constituents and solid constituents are collected.」
当審仮訳:請求項7 工程3に記載の低分子化された混合物が分離される時、第一に固液分離方法が採用され、前記低分子化された混合物の固液分離が実行され、低分子化された液体成分と固体成分が収集されることを特徴とする請求項1に記載の生物起源の廃棄物処理方法。

(ウ)「[0037]Said biogenic wastes concerned in the present invention include different kinds of wastes generated from agriculture, forestry, industry, stock raising, fishery and daily life. The examples of said biogenic wastes generated from agriculture include soil, rice husk, straw, crop stalk, garlic, sweet potato and sunflower etc.; the examples of said biogenic wastes generated from forestry include bamboos, fir plants and maidenhair tree etc.; the examples of said biogenic wastes from industry include the residue from granulated sugar manufacturing, soybean residue and lees・・・」
当審仮訳:本発明に関わる前記生物起源の廃棄物は、農業・林業・工業・畜産業・漁業・日常生活から発生する種々の廃棄物を含む。前記農業から発生する生物起源の廃棄物例は、土壌・もみ殻・藁・作物の茎・にんにく・スイートポテト・ヒマワリなどを含み、前記林業から発生する前記生物起源の廃棄物例は、竹・もみ・ホウライシダなどを含み、前記工業から発生する生物起源の廃棄物例は、グラニュー糖製造残渣・大豆残渣・粕を含む・・・

(エ)「[0038]The method and device provided by the present invention can be used to treat different kinds of biogenic wastes, featuring convenient operations, low energy consumption, moderate and simple operating conditions and good treatment effect. High added value products can be obtained after treatment. For example, some products can be directly used as fuel, fertilizer and feedstuff, and some others can be used as the raw materials for medicines, cosmetics, flavoring and nutritious health products.」
当審仮訳:本発明によって提供される方法や装置は、種々の生物起源の廃棄物処理に使用することができ、簡便な操作・低エネルギー消費・適度で簡単な操作条件・良好な処理効果を特徴とする。処理後は高付加価値製品が得られる。例えば、いくつかの製品は直接的に燃料・肥料・飼料として使われ、また、その他いくつかの製品は薬・化粧品・香料・栄養健康製品として使われる。

(オ)「[0063] The pressure and temperature in the reaction vessel are regulated by regulating the input quantity of water vapor, so that the pressure and temperature in the reaction vessel reach the given values and maintain for a period of time. Generally, the given value of the pressure in the reaction vessel is 1.5-1.9 MPa, the given value of the temperature is 130-190℃., both of which shall be kept for 1-25 minutes. Said range of values varies according to different kinds of treated wastes and final products. ・・・For those carbohydrate type biogenic wastes that are easily converted into low-molecularized substances, such as rice husk, straw, sunflower, bamboos, seaweed and flowers, lower temperature and pressure and shorter reaction time, for example temperature of 130-150℃. and below, pressure of 1.50 Mpa-1.60 Mpa and below and reaction time of 3-10 minutes, are needed to convert these wastes into low-molecularized substances.」
当審仮訳:反応器の圧力と温度は水蒸気供給量を制御することによって制御され、反応器の圧力と温度は与えられた値に達し、ある時間維持される。一般的に、与えられた反応器の圧力は1.5-1.9MPa、温度は130-190℃であって、どちらも1-25分間維持される。前記値の範囲は処理される廃棄物と最終製品によって変わる。・・・もみ殻、藁、ヒマワリ、竹、海藻および花などの炭水化物タイプの生物廃棄物に関しては、低分子化物質に容易に変換されるが、これらの廃棄物を低分子化物質に転化するためには、低温および低圧、より短い反応時間、例えば、温度は130-150℃であって、圧力は1.50-1.60MPa以下、反応時間は3-10分必要である。

よって、記載事項(ア)、(イ)、(エ)によれば、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。

「生物起源の廃棄物を含む原料を処理し、高付加価値製品を製造する高付加価値製品の製造方法であって、
前記原料が均等に水蒸気と混合され、混合後、温度が130-190℃、圧力が1.5-1.9MPaに達し、その状態が1-25分間維持され、原料が低分子化され、低分子化された混合物が得られる工程と、
低分子化された混合物が固液分離方法によって分離され、低分子化された液体成分と固体成分が収集される工程と、
最終製品として、燃料または肥料を得る高付加価値製品の製造方法。」

イ.対比・判断
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「高付加価値製品」は本件発明1の「生成物」に相当し、甲1発明の「原料が均等に水蒸気と混合され」「原料が低分子化され」る工程は、本件発明1の「前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程」に相当し、以下同様に、「低分子化された混合物」は「加水分解処理された前記原料」に、「液体成分」は「液体分」に、「固体成分」は「固体分」に、それぞれ相当する。

してみれば、本件発明1と甲1発明は、
「原料を加水分解処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、
前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程と、
前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程と、を含み、
前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とする
生成物の製造方法。」で一致し、少なくとも以下の点で相違する。

(相違点4)
本件発明1は、「加水分解処理された前記原料を水のみで洗浄する洗浄工程」を有し、「水のみで洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程と、を含み」、「前記固液分離工程直後の前記固形分中のカリウムの濃度を、0.2%DM以下とし」ているのに対し、甲1発明は、加水分解処理された原料を洗浄しておらず、固体成分中のカリウム濃度も明らかでない点。

相違点4について検討する。
上記4.(4)ア.で検討したとおり、甲3に記載された技術的事項は、処理された原料を、水、アセトン、HClの3種類の洗浄液で洗浄するものであって、水のみで洗浄し、固液分離工程直後の固形分中のカリウムの濃度を0.2%DMとすることは記載されていない。
また、甲2,4のいずれにおいても、加水分解処理された原料を、水のみで洗浄する工程は記載されていない。
さらに、甲5には、加水分解処理された原料を、水のみで洗浄することが記載されているものの、水のみで洗浄することによって、固液分離工程直後の固形分中のカリウムの濃度を0.2%DMとすることは記載されていない。
よって、本件発明1は、甲1に記載された発明及び甲2?5に記載された技術的事項に基いて、当業者であれば容易に発明をすることができたものとはいえない。
本件発明2?8についても同様である。

(2)特許法第36条第6項第1号について(特許異議申立書第16頁第17行?第17頁第15行)
申立人は特許異議申立書において、本件の請求項1及び3では、加水分解処理の処理容器内部圧力として1.8MPaから3.0MPaと、広範な範囲で規定されているものの、その範囲全てにおいて本発明の効果が得られるかどうかは明細書の記載や技術常識を参酌しても理解できないこと、また、どのような条件で各工程を実施した場合に、固液分離工程後の固形分中のカリウムの濃度を、0.2%DM以下とできるのか理解できないことから、請求項1及び3に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない旨主張している。
しかしながら、本件明細書の段落【0020】?【0030】の記載によれば、処理容器内部圧力が0.8MPaから3.0MPaの範囲である加水分解処理工程、水のみで洗浄する洗浄工程及び、固液分離工程を経ることで、原料は、加水分解処理により、セルロースなどの高分子が低分子化され、植物細胞中のカリウムが液体分中に溶出することで、水洗浄だけで固形分中のカリウムの濃度が0.2%DM以下になり、本件発明の課題が解決できるものと当業者が認識できる。
したがって、請求項1及び3に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できる。

6.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1?8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性廃棄物を含む原料を加水分解処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、
前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程であって、処理容器の内部圧力を1.8MPaから3.0MPaとする加水分解処理工程と、
加水分解処理された前記原料を水のみで洗浄する洗浄工程と、
水のみで洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程と、を含み、
前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とするとともに、
前記固液分離工程直後の前記固形分中のカリウムの濃度を、0.2%DM以下とし、
前記固形分から、バイオマス燃料を製造する
ことを特徴とする生成物の製造方法。
【請求項2】
前記液体分から、液体肥料を製造する
ことを特徴とする請求項1に記載の生成物の製造方法。
【請求項3】
植物性廃棄物を含む原料を加水分解処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、
前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程であって、処理容器の内部圧力を1.8MPaから3.0MPaとする加水分解処理工程と、
加水分解処理された前記原料を水のみで洗浄する洗浄工程と、
水のみで洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する固液分離工程と、を含み、
前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とするとともに、
前記固液分離工程直後の前記固形分中のカリウムの濃度を、0.2%DM以下とし、
前記液体分から、液体肥料を製造する
ことを特徴とする生成物の製造方法。
【請求項4】
前記固形分から、バイオマス燃料を製造する
ことを特徴とする請求項3に記載の生成物の製造方法。
【請求項5】
前記固液分離工程の後、前記洗浄工程に戻し、前記固液分離工程及び前記洗浄工程を複数回繰り返す
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。
【請求項6】
前記洗浄工程は、前記原料の体積の5倍以上の体積の水のみを用いて洗浄する
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。
【請求項7】
前記固形分を乾燥する乾燥工程を、含む
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。
【請求項8】
前記固形分をペレット化する成形工程を、含む
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の生成物の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-10-19 
出願番号 特願2016-575717(P2016-575717)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (B09B)
P 1 651・ 851- YAA (B09B)
P 1 651・ 113- YAA (B09B)
P 1 651・ 121- YAA (B09B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 河野 隆一朗  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 山崎 直也
宮澤 尚之
登録日 2017-08-10 
登録番号 特許第6190082号(P6190082)
権利者 株式会社伸光テクノス
発明の名称 生成物の製造方法  
代理人 坂本 智弘  
代理人 坂本 智弘  

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