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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  H04N
審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1346772
異議申立番号 異議2017-700531  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-29 
確定日 2018-11-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6036904号発明「WEBサーバ装置、方法、WEBアプリケーションプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6036904号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?4〕、5、〔6?9〕について訂正することを認める。 特許第6036904号の請求項1?9に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
本件特許第6036904号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?請求項9に係る特許についての出願は、平成18年5月2日(優先権主張 平成17年5月20日)に出願した特願2006-128554号の一部を数次の分割を経て平成27年4月6日に新たな特許出願としたものであって、平成28年11月11日付けでその特許権の設定登録(特許公報発行日 平成28年11月30日)がされた。
これに対して、平成29年5月29日に特許異議申立人小林幸男より請求項1?9に対して特許異議の申立てがされたものであり、その後の手続の経緯は、以下のとおりである。

平成29年 7月28日 取消理由通知
平成29年10月 2日 意見書提出及び訂正請求(特許権者)
平成29年12月 7日 意見書提出(特許異議申立人)
平成30年 2月14日 取消理由<決定の予告>通知
平成30年 4月23日 意見書提出及び訂正請求(特許権者)
平成30年 6月15日 意見書提出(特許異議申立人)

2 訂正の適否
2.1 平成29年10月2日付けの訂正請求について
平成29年10月2日付けの訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。

2.2 平成30年4月23日付けの訂正請求の趣旨
平成30年4月23日付けの訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?4、5、6?9について訂正することを求めるというものである。

2.3 訂正事項
2.3.1 一群の請求項1?4に係る訂正
(1)訂正事項1-1
特許請求の範囲の請求項1に、
「条件設定画面に係るHTMLデータを、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と」とあるのを、
「条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と」に訂正する。(下線は、訂正箇所である。以下同様。)

(2)訂正事項1-2
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示された前記条件設定画面を介して入力された前記条件設定」とあるのを、
「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定」に訂正する。

(3)訂正事項1-3
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から受信する受信手段と」とあるのを、
「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信して記憶手段に保持する受信手段と」に訂正する。

(4)訂正事項1-4
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記受信手段で受信した前記条件設定に基づいてスキャン処理を実行するための実行指示データ」とあるのを、
「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データ」に訂正する。

(5)訂正事項1-5
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と」とあるのを、
「前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と」に訂正する。

(6)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に、
「前記実行指示データは、HTML形式のデータであることを特徴とする」とあるのを、
「前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータであることを特徴とする」に訂正する。

2.3.2 請求項5に係る訂正
(1)訂正事項3-1
特許請求の範囲の請求項5に、
「送信手段が、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと」とあるのを、
「送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと」に訂正する。

(2)訂正事項3-2
特許請求の範囲の請求項5に、
「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示された前記条件設定画面を介して入力された前記条件設定を」とあるのを、
「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を」に訂正する。

(3)訂正事項3-3
特許請求の範囲の請求項5に、
「受信手段が、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から受信するステップと」とあるのを、
「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに、受信手段が前記WEBアプリケーションにより前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から受信して記憶手段に保持するステップと」に訂正する。

(4)訂正事項3-4
特許請求の範囲の請求項5に、
「前記受信手段で受信した前記条件設定に基づいてスキャン処理を実行するための実行指示データを」とあるのを、
「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを」に訂正する。

(5)訂正事項3-5
特許請求の範囲の請求項5に、
「第2の送信手段が、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと」とあるのを、
「第2の送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと」に訂正する。

2.3.3 一群の請求項6?9に係る訂正
(1)訂正事項4-1
特許請求の範囲の請求項6に、
「WEBサーバ装置を」とあるのを、
「WEBアプリケーションプログラムであって、WEBサーバ装置を」に訂正する。

(2)訂正事項4-2
特許請求の範囲の請求項6に、
「条件設定画面に係るHTMLデータを、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と」とあるのを、
「条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションプログラムが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と」に訂正する。

(3)訂正事項4-3
特許請求の範囲の請求項6に、
「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示された前記条件設定画面を介して入力された前記条件設定」とあるのを、
「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定」に訂正する。

(4)訂正事項4-4
特許請求の範囲の請求項6に、
「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から受信する受信手段と」とあるのを、
「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションプログラムが受信して記憶手段に保持する受信手段と」に訂正する。

(5)訂正事項4-5
特許請求の範囲の請求項6に、
「前記受信手段で受信した前記条件設定に基づいてスキャン処理を実行するための実行指示データ」とあるのを、
「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データ」に訂正する。

(6)訂正事項4-6
特許請求の範囲の請求項6に、
「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と」とあるのを、
「前記WEBアプリケーションプログラムが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と」に訂正する。

(7)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項9に、
「前記実行指示データは、HTML形式のデータであることを特徴とする」とあるのを、
「前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータであることを特徴とする」に訂正する。

2.4 訂正の適否の判断
2.4.1 請求項1?4に係る訂正
(1)一群の請求項について
訂正事項1-1?1-5、2に係る訂正前の請求項1?4について、請求項2?4は、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1-1?1-5によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1?4に対応する訂正後の請求項1?4は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正の目的
ア 訂正事項1-1
訂正事項1-1は、「送信手段」が、訂正前の請求項1の「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段」であったのを、「前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段」であることに限定している。
したがって、訂正事項1-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 訂正事項1-2
訂正事項1-2は、「条件設定」が、訂正前の請求項1の「前記条件設定画面を介して入力された前記条件設定」であったのを、「前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定」であることに限定している。
したがって、訂正事項1-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

ウ 訂正事項1-3
訂正事項1-3は、「受信手段」が、訂正前の請求項1の「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から受信する受信手段」であったのを、「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信して記憶手段に保持する受信手段」であることに限定している。
したがって、訂正事項1-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

エ 訂正事項1-4
訂正事項1-4は、「実行指示データ」が、訂正前の請求項1の「条件設定に基づいてスキャン処理を実行するための実行指示データ」であったのを、「前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データ」であることに限定している。
したがって、訂正事項1-4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

オ 訂正事項1-5
訂正事項1-5は、「第2の送信手段」が、訂正前の請求項1の「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段」であったのを、「前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段」であることに限定している。
したがって、訂正事項1-5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

カ 訂正事項2
訂正事項2は、「HTML形式のデータ」が、訂正前の請求項4の「HTML形式のデータ」であったのを、「前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータ」であることに限定している。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
ア 訂正事項1-1
「送信手段」が、「HTMLデータを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段」であることは、明細書の段落0014の「Webサーバ102には、画像形成制御アプリ1021がWebアプリケーションとして実装されている。画像形成制御アプリ1021は、複合機101におけるMFPブラウザからのHTTPリクエストに応じ、複合機101のオペレーションパネルに表示させる操作画面としてのHTMLデータを生成し、返信する。」との記載、段落0043の「Webサーバ102の画像形成制御アプリ1021は、当該URLに対応したHTMLデータをMFPブラウザに対して返信する(S102)。」との記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1-1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

イ 訂正事項1-2
「条件設定」が、「前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された」「条件設定」であることは、明細書の段落0044?0046の「図7において、スキャン条件設定画面601には、解像度ボタン6011、原稿種類ボタン6012、原稿サイズボタン6013、濃度ボタン6014、圧縮方法ボタン6015、及び配信先ボタン6016等が表示されている。各ボタンは、各条件を設定させるための画面を表示させるためのボタンである。具体的には、スキャン条件設定ページにおいて、各ボタンには、当該ボタンに対応する条件を設定させるためのHTMLデータのURLがリンクとして関連付けられている。
したがって、例えば、解像度ボタン6011が押下(タッチ)されると(S103)、MFPブラウザ1021は、解像度ボタン6011にリンクされているURLに係るHTTPリクエストをWebサーバ102に送信する(S104)。画像形成制御アプリ1021は、当該URLに基づいて、解像度設定画面を表示させるHTMLデータ(以下「解像度設定ページ」という。)を生成し、当該解像度設定ページをMFPブラウザ181に返信する(S105)。MFPブラウザ181は、解像度設定ページの定義を解釈し、解像度設定画面をタッチパネル311に表示させる。
図8は、解像度設定画面の表示例を示す図である。図8に示されるように、解像度設定画面602では、解像度ごとにボタンが表示されている。解像度設定ページには、OKボタン6021が押下された際の振る舞いが定義されている。したがって、解像度設定画面602において解像度が選択され、OKボタン6021が押下されると(S106)、MFPブラウザ181は、解像度設定ページにおける定義に基づき選択された解像度を通知するPOSTメッセージをWebサーバ102に送信する(S107)。」との記載、段落0048の「以下、ユーザは、解像度の設定と同様の手順で、他の条件の設定画面を表示させ、条件の設定を行う。」との記載に基づくものである。
また、訂正前の請求項1には、「条件設定」について、「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定」との記載がある。
したがって、訂正事項1-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 訂正事項1-3
「受信手段」が、「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信して記憶手段に保持する受信手段」であることは、明細書の段落0046?0048の「MFPブラウザ181は、解像度設定ページにおける定義に基づき選択された解像度を通知するPOSTメッセージをWebサーバ102に送信する(S107)。
POSTメッセージが受信されると、画像形成制御アプリ1021は、当該POSTメッセージに含まれている解像度をWebサーバ102のメモリ上に記録(保持)し、スキャン条件設定ページをMFPブラウザ181に返信する(S108)。したがって、タッチパネル311の表示画面は、再びスキャン条件設定画面601(図7)に戻る。
以下、ユーザは、解像度の設定と同様の手順で、他の条件の設定画面を表示させ、条件の設定を行う。この間のMFPブラウザ181とWebサーバ102とのやりとりは、解像度の設定の場合と同様に行われる。当該設定操作によって、例えば、原稿種類(モノクロ2値)、原稿サイズ(A4)、濃度(濃い)、圧縮方法(MF)、配信先(配信先のメールアドレス)等がWebサーバ102にPOSTされ、画像形成制御アプリ1021によってそれぞれの値がメモリ上に保持される(S109?S113)。」との記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1-3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

エ 訂正事項1-4
「実行指示データ」が、「前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データ」であることは、上記ウに記載した明細書の段落0046?0048の記載、明細書の段落0055の「スタートボタン313の押下イベントはMFPブラウザ181に通知される。MFPブラウザ181は、当該イベントに応じて、スキャンの実行指示内容が定義されているデータ(以下「スキャン実行指示データ」という。)を要求するHTTPリクエストを要求するHTTPリクエストをWebサーバ102に送信する(S117)。画像形成制御アプリ1021は、スキャン実行指示データを生成し(S118)、当該スキャン実行指示データをMFPブラウザ181に返信する(S119)。」との記載、段落0058の「図11は、スキャン実行指示データにおけるスクリプトの定義例を示す図である。図11に示されるスクリプト6041において、記述6041b(「System.LocalCGI.doScan(<URL>,・・・)」)は、スキャンの実行関数(以下「doScan()」という。)であり、その定義は、エンジン部502等に実装されている。doScan()内では、スキャンの実行処理及びスキャン画像の配信処理が定義されている。一方、記述6041aは、ユーザによって指定されたスキャン条件をdoScan()内で参照可能とするための定義である。図中では、解像度に関する設定のみが記述されており、他の条件については便宜上省略されている。」との記載、段落0068の「エンジン部502は、スキャン実行指示データ604におけるスクリプト6041においてdoScan()の呼び出しを検出すると、スクリプト処理部503の関数を呼び出すことによりスキャンの実行指示を行う(S201)。当関数の引数として、図11の記述6041aにおいて設定されているスキャン条件が指定される。スクリプト処理部503は、イメージライブラリ504の関数を呼び出すことによりスキャンの実行指示を行う(S202)。当該関数の引数にはスキャン条件が指定される。」との記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1-4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

オ 訂正事項1-5
「第2の送信手段」が、「前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段」であることは、明細書の段落0055の「画像形成制御アプリ1021は、スキャン実行指示データを生成し(S118)、当該スキャン実行指示データをMFPブラウザ181に返信する(S119)。」との記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1-5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

カ 訂正事項2
「HTML形式のデータ」が、「前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータ」であることは、明細書の段落0056の「スキャン実行指示データ604は、他のHTMLデータと同様、HTML形式のデータであり、スクリプト6041、設定情報6042、画像埋め込み領域6043等を含むように構成されている。」との記載、段落0058の「図11に示されるスクリプト6041において、記述6041b(「System.LocalCGI.doScan(<URL>,・・・)」)は、スキャンの実行関数(以下「doScan()」という。)であり、その定義は、エンジン部502等に実装されている。」との記載に基づくものである。
したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

(4)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
ア 訂正事項1-1
訂正事項1-1は、「送信手段」を限定的に減縮するものであり、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
訂正事項1-1は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2?4の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記のように、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。また、訂正事項1-1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?4の記載について何ら訂正するものではなく、訂正前の請求項2?4に係る発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1-1は、訂正前の請求項2?4との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

イ 訂正事項1-2
訂正事項1-2は、「条件設定」を限定的に減縮するものであり、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
訂正事項1-2は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2?4の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記のように、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。また、訂正事項1-2は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?4の記載について何ら訂正するものではなく、訂正前の請求項2?4に係る発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1-2は、訂正前の請求項2?4との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

ウ 訂正事項1-3
訂正事項1-3は、「受信手段」を限定的に減縮するものであり、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
訂正事項1-3は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2?4の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記のように、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。また、訂正事項1-3は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?4の記載について何ら訂正するものではなく、訂正前の請求項2?4に係る発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1-3は、訂正前の請求項2?4との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

エ 訂正事項1-4
訂正事項1-4は、「実行指示データ」を限定的に減縮するものであり、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
訂正事項1-4は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2?4の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記のように、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。また、訂正事項1-4は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?4の記載について何ら訂正するものではなく、訂正前の請求項2?4に係る発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1-4は、訂正前の請求項2?4との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

オ 訂正事項1-5
訂正事項1-5は、「第2の送信手段」を限定的に減縮するものであり、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
訂正事項1-5は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2?4の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記のように、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。また、訂正事項1-5は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?4の記載について何ら訂正するものではなく、訂正前の請求項2?4に係る発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1-5は、訂正前の請求項2?4との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

カ 訂正事項2
訂正事項2は、「HTML形式のデータ」を限定的に減縮するものであり、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

(5)独立特許要件について
請求項1?4は、本件特許異議申立事件において特許異議の申立てがされている請求項であるから、訂正事項1-1?1-5、2については、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項に基づき、独立特許要件は課されない。

2.4.2 請求項5に係る訂正
訂正前の請求項5に係る発明は、訂正前の請求項1に係る発明とカテゴリーが異なる発明であり、訂正事項3-1?3-5は、訂正事項1-1?1-5と同様の訂正事項である。
したがって、上記2.4.1(2)ア?オにおける検討と同様に、訂正事項3-1?3-5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記2.4.1(3)ア?オにおける検討と同様に、訂正事項3-1?3-5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
さらに、上記2.4.1(4)ア?オにおける検討と同様に、訂正事項3-1?3-5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
そして、請求項5は、本件特許異議申立事件において特許異議の申立てがされている請求項であるから、訂正事項3-1?3-5については、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項に基づき、独立特許要件は課されない。

2.4.3 請求項6?9に係る訂正
(1)一群の請求項について
訂正事項4-1?4-6、5に係る訂正前の請求項6?9について、請求項7?9は、請求項6を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項4-1?4-6によって記載が訂正される請求項6に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項6?9に対応する訂正後の請求項6?9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正の目的
ア 訂正事項4-1
訂正事項4-1は、請求項6とカテゴリーが異なる発明である請求項1、5が、それぞれ、「WEBアプリケーションが搭載されたWEBサーバ装置であって、・・・WEBサーバ装置。」、「WEBアプリケーションが搭載されたWEBサーバ装置が行う方法であって、・・・方法。」と記載されていることに伴い、記載を合わせたものである。
したがって、特許請求の範囲の他の記載との関係において不合理を生じている記載を正すものといえる。

よって、訂正事項4-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 訂正事項4-2、4-6
訂正事項4-2は、請求項6とカテゴリーが異なる発明である請求項1、5が、それぞれ、「条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段」(訂正事項1-1)、「送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと」(訂正事項3-1)に訂正されたことに伴い、記載を合わせたものである。
同様に、訂正事項4-6は、請求項6とカテゴリーが異なる発明である請求項1、5が、それぞれ、「前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と」(訂正事項1-5)、「第2の送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと」(訂正事項3-5)に訂正されたことに伴い、記載を合わせたものである。
したがって、訂正事項4-2、4-6は、特許請求の範囲の他の記載との関係において不合理を生じている記載を正すものといえる。

よって、訂正事項4-2、4-6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

ウ 訂正事項4-3?4-5、5
訂正前の請求項6?9に係る発明は、訂正前の請求項1?4に係る発明とカテゴリーが異なる発明であり、訂正事項4-3?4-5、5は、訂正事項1-2?1-4、2と同様の訂正事項である。
したがって、上記2.4.1(2)イ?エ、カにおける検討と同様に、訂正事項4-3?4-5、5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること、及び、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
ア 訂正事項4-1、4-2、4-6
上記(2)ア、イで述べたように、訂正事項4-1、4-2、4-6は、特許請求の範囲の他の記載との関係において不合理を生じている記載を正すものといえ、実質的な変更はないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。また、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項4-1、4-2、4-6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

訂正事項4-1、4-2、4-6は、訂正前の請求項6の記載を引用する訂正前の請求項7?9の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記のように、訂正後の請求項6の記載は、訂正前の請求項6との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。また、訂正事項4-1、4-2、4-6は、訂正前の請求項6の記載以外に、訂正前の請求項7?9の記載について何ら訂正するものではなく、訂正前の請求項7?9に係る発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項4-1、4-2、4-6は、訂正前の請求項7?9との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

イ 訂正事項4-3?4-5、5
上記(2)ウで述べたように、訂正事項4-3?4-5、5は、訂正事項1-2?1-4、2と同様の訂正事項である。
したがって、上記2.4.1(3)イ?エ、カ、上記2.4.1(4)イ?エ、カにおける検討と同様に、訂正事項4-3?4-5、5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。また、発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項4-3?4-5、5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

訂正事項4-3?4-5は、訂正前の請求項6の記載を引用する訂正前の請求項7?9の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記のように、訂正後の請求項6の記載は、訂正前の請求項6との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。また、訂正事項4-3?4-5は、訂正前の請求項6の記載以外に、訂正前の請求項7?9の記載について何ら訂正するものではなく、訂正前の請求項7?9に係る発明のカテゴリーや発明の対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項4-3?4-5は、訂正前の請求項7?9との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

(4)独立特許要件について
請求項6?9は、本件特許異議申立事件において特許異議の申立てがされている請求項であるから、訂正事項4-1?4-6、5については、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項に基づき、独立特許要件は課されない。

2.5 むすび
以上のとおり、本件訂正請求は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的としており、かつ、同条第4項及び同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合している。

したがって、訂正後の請求項〔1?4〕、5、〔6?9〕について訂正することを認める。

3 特許異議の申立てについて
3.1 本件訂正発明
本件訂正請求により訂正された本件特許請求の範囲の請求項1?9に係る発明(以下、項番にしたがい「本件訂正発明1」?「本件訂正発明9」といい、これらを総称して「本件訂正発明」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
なお、説明のために、本件訂正発明1については、(A)?(D)の記号を当審において付与した。以下、構成A?構成Dと称することにする。

【請求項1】
(A)WEBアプリケーションが搭載されたWEBサーバ装置であって、
(B)WEBブラウザを有する画像取扱装置から第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信すると、該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータであって、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と、
(C)前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信して記憶手段に保持する受信手段と、
(D)前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と、
(A’)を有することを特徴とするWEBサーバ装置。
【請求項2】
前記受信手段で受信した前記条件設定に基づいて、前記実行指示データを生成する生成手段をさらに有する請求項1に記載のWEBサーバ装置。
【請求項3】
前記条件設定は、解像度及び原稿サイズに係る設定のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のWEBサーバ装置。
【請求項4】
前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のWEBサーバ装置。
【請求項5】
WEBアプリケーションが搭載されたWEBサーバ装置が行う方法であって、
WEBブラウザを有する画像取扱装置から第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信すると、該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータであって、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと、
前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに、受信手段が前記WEBアプリケーションにより前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から受信して記憶手段に保持するステップと、
前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、第2の送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
WEBアプリケーションプログラムであって、
WEBサーバ装置を、
WEBブラウザを有する画像取扱装置から第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信すると、該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータであって、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションプログラムが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と、
前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションプログラムが受信して記憶手段に保持する受信手段と、
前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、前記WEBアプリケーションプログラムが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段、
として機能させることを特徴とするWEBアプリケーションプログラム。
【請求項7】
前記WEBサーバ装置を、さらに、
前記受信手段で受信した前記条件設定に基づいて、前記実行指示データを生成する生成手段として機能させることを特徴とする請求項6に記載のWEBアプリケーションプログラム。
【請求項8】
前記条件設定は、解像度及び原稿サイズに係る設定のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のWEBアプリケーションプログラム。
【請求項9】
前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のWEBアプリケーションプログラム。

3.2 取消理由の概要
3.2.1 平成29年7月28日付け取消理由の概要
訂正前の請求項1?9に係る特許発明に対して平成29年7月28日付けで通知した取消理由の概要は次のとおりである。

(1)訂正前の請求項1?9に係る特許発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
(2)訂正前の請求項1?9に係る特許発明は、甲第2号証(特開2001-345983号公報)、甲第3号証(特開2004-112514号公報)に記載された発明、及び、周知技術(甲第4号証(特開2004-171178号公報)、甲第5号証(特開2003-189039号公報)、甲第6号証(特開平11-275299号公報)、甲第7号証(特開平11-203365号公報)、甲第8号証(特開2004-30640号公報))に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

3.2.2 平成30年2月14日付け取消理由<決定の予告>の概要
平成29年10月2日付けで訂正された請求項1?9に係る特許発明に対して、平成30年2月14日付けで通知した取消理由<決定の予告>の概要は次のとおりである。

(1)平成29年10月2日付けで訂正された請求項1?9に係る特許発明は、甲第2号証、甲第3号証(甲第2号証、甲第3号証の刊行物名については、上記3.2.1(2)を参照のこと。)に記載された発明、及び、周知技術(参考文献1(特開2005-80019号公報)、参考文献2(特開2004-120180号公報)、参考文献3(特開2002-366344号公報))に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(2)平成29年10月2日付けで訂正された請求項1?9に係る特許発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
(3)平成29年10月2日付けで訂正された請求項4、9に係る特許発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

3.3 異議申立人が、新規性進歩性欠如に基づく異議申立理由の証拠として提示した甲第1号証?甲第8号証、参考文献1?9について
3.3.1 甲第1号証(特表2004-536513号公報)
(1)甲第1号証に記載された事項
甲第1号証には、「多機能周辺装置」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0011】
図1には、上述したように、通常、ユーザインターフェースディスプレイタッチパネルTPを制御するMFP内部コンピュータMFP-Cと、本発明の方法にしたがって利用されるリモートすなわち外部のネットワーク接続されたコンピュータPCとの間に接続された双方向ネットワークNによって実施されるものとして本発明を概略的に示す。

【0015】
本発明は、また、他のタイプのディスプレイ情報の使用形態(例えば、HTML、バイナリデータ(二進データ)、またはテキスト(または文字データ))を、外部またはリモートのネットワークコンピュータPCと内部複写機コンピュータMFP-Cとの間で送信することができる。

【0022】
複写機のユーザが所望のサービスを選択する(MFPのステップ1)と、それが、ネットワークNを介してXMLデータとしてリモートネットワークPCに(すなわち右側に向かって)伝達される。この場合、MFP複写機からの初期XMLデータは、ネットワークコンピュータPCを起動してMFP UIを初期化する(PCのステップ1)。次に、PCは、選択されたサポートされている企業用アプリケーションにアクセスするためのUI及び処理ルールを記述したXMLデータをMFP複写機に(すなわち左側に向けて)送る(「状態1」)。MFPのステップ2で、UI表示(TP)及びUI処理ルールを提供するXMLデータを受け取る。ユーザが、次に、UI上で「スキャンボタン(Scan Button)」を選択する(ステップ3)と、ユーザによる「スキャンボタン」の選択を示す対応するXMLデータが、リモートネットワークコンピュータPCに(すなわち右側に向けて)送られる(ステップ4)。ネットワークコンピュータPCは、それのステップ2で、「スキャンボタン」が選択されたことを示すこのXMLデータを受け取り、PCにおいてXMLデータを生成する(ステップ3)。このXMLデータは、MFP複写機がスキャンニングを開始するために、また、TPにおける次のUI表示のための処理ルール及びディスプレイTPにおけるUIを記述するために、MFP複写機に(すなわち左側に向けて)送り戻される(「状態2」)。複写機はそれのステップ5において、スキャンニングを開始し、また、UIを更新して、ユーザが、UI制御を選択するのを待つ(ステップ6)。そのようなUI制御の選択がなされる(ステップ7)と、そのことを示すXMLデータがネットワークPCに伝達される。この伝達及びPCの現在の状態に基づいて、「Scan More(さらなるスキャン)」、または、企業用アプリケーション用の開始処理のいずれかが開始する(PCのステップ4)。PCのステップ5に示されているように、これは、複写機のユーザからさらなるデータを取得することを必要とする場合がある。その場合は、XMLデータを送り及び受け取る上記プロセスが、必要に応じて継続されることになる。


(2)甲第1号証に記載された発明
上記甲第1号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第1号証に記載された発明を認定する。

ア 段落0011の記載によれば、甲第1号証には、ネットワークPCについての記載がある。

イ 段落0022及び図4には、MFPでユーザが所望のサービスを選択すると、ユーザが選択したサービスが、ネットワークを介してXMLデータとしてネットワークPCに伝達され、ネットワークPCは、UI表示のXMLデータをMFPに送り、MFPがUI表示のXMLデータを受け取り、ユーザによりUI上で「スキャンボタン」が選択されると、「スキャンボタン」の選択を示す対応するXMLデータデータがネットワークPCに送られ、ネットワークPCは、「スキャンボタン」が選択されたことを示すXMLデータを受け取り、MFPがスキャニングを開始するためのXMLデータをMFPに送り、MFPはスキャニングを開始することが記載されている。
また、段落0015には、ネットワークPCとMFPの間で、ディスプレイ情報の使用形態として、HTMLを送信することについて記載されているので、段落0022及び図4に記載された構成においては、XMLデータの代わりにHTMLでも可能であるといえる。

したがって、甲第1号証のネットワークPCは、MFPから、ユーザが所望のサービスを選択する旨のHTMLをネットワークを介して受信すると、UI表示のHTMLをMFPに送り、MFPのUI上で「スキャンボタン」が選択されると、「スキャンボタン」が選択されたことを示すHTMLを受け取り、MFPがスキャニングを開始するためのHTMLをMFPに送るものといえる。

ウ まとめ
以上より、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

(甲1発明)
ネットワークPCであって、
MFPから、ユーザが所望のサービスを選択する旨のHTMLをネットワークを介して受信すると、UI表示のHTMLをMFPに送り、
MFPのUI上で「スキャンボタン」が選択されると、「スキャンボタン」が選択されたことを示すHTMLを受け取り、MFPがスキャニングを開始するためのHTMLをMFPに送る
ネットワークPC。

3.3.2 甲第2号証(特開2001-345983号公報)
(1)甲第2号証に記載された事項
甲第2号証には、「画像読取装置およびその制御方法」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0025】図1は、この発明を適用したスキャナを含むネットワークシステムの構成例を示した図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、管理サーバ1とスキャナ2(2-1乃至2-n)、スキャナ2に接続された表示装置3(3-1乃至3-n)、スキャナ4、クライアント5(5-1乃至5-m)、プリンタ6(6-1乃至6-l)を具備して構成される。なお、スキャナ4は、スキャナ2と表示装置3を併せたものと同様の構成であり、実質的な差異はない。
【0026】図2は、スキャナ2および表示装置3の構成を示すブロック図である。同図に示すように、表示制御部21と画像処理部22、画像読取部23、ネットワーク接続部24、Webサーバ25、記憶装置26を具備して構成され、表示装置3は、表示部31と指示部32を具備して構成される。
【0027】スキャナ2は、画像読取部23で原稿を読み取って得た画像データに対して、画像処理部22が所定の処理を施し、記憶装置26に保存する。なお、画像データの保存先は、記憶装置26に限らずネットワーク接続部24を介してネットワークに接続された管理サーバ1やクライアント5であってもよく、画像データを直接プリンタ6に転送して印刷出力を行ってもよい。
【0028】また、表示部31は、Webブラウザとして動作し、Webサーバ25若しくは管理サーバ1が提供するWebページを表示制御部21を介して取得して表示し、指示部32からの情報、指示の入力にも対応する。
【0029】ところで、このスキャナ2は、指示部32からの操作指示に応じて直接動作するのはもちろんのこと、図3に示すように管理サーバ1からの指示により動作し、画像データをクライアント5やプリンタ6に出力することができる。したがって、管理サーバ1をWebサーバとして動作させた場合、Webブラウザである表示部31との間で情報の授受を行い、指示部32からの操作指示を管理サーバ1を介してスキャナ2に伝達することができる。そして、この構成により、表示部31に表示する操作指示画面(ユーザインタフェイス)を複数のスキャナ2で共用として、管理サーバ1から提供することができる。
【0030】表示部31へ表示する表示画面は、全て管理サーバ1から提供してもよいが、Webサーバ25から提供することも可能である。例えば、図4(a)に示すように、表示画面の左半分を全てのスキャナ2ー1乃至2-nで共通の設定として管理サーバ1から提供し、右半分をあるスキャナ2に固有の設定としてWebサーバ25から提供する。また、スキャナ2が原稿の読み取りを開始した場合には、図4(b)に示すように、原稿の読み取りの処理状況をWebサーバ25により提供して表示することもできる。
【0031】なお、表示部31へ表示する操作指示画面は、Webページとして構成するため、容易に作成、変更が可能であり、例えば、図5に示すように、同一の原稿を複数のパラメータで読み取る設定を行う操作指示画面を作成することも容易である。

【0033】図6は、表示部31が操作指示画面を表示する際の動作の流れを示すフローチャートである。表示部31は、管理サーバ1へアクセスための初期設定がなされている状態では(ステップ100でYES)、管理サーバ1へアクセスし(ステップ101)、操作表示画面の取得に成功すると(ステップ102でYES)、管理サーバ1から提供された操作指示画面を表示する(ステップ103)。

【0036】このように、スキャナ2は、通常、表示部31と管理サーバ1、Webサーバ25の間で情報や指示の授受を行うことで動作するが、この間の通信は、基本的にhttp(hypertext transport protocol)により行い、必要に応じてCGI(Common Gateway Interface)を利用して所定のプログラムを起動させることもある。また、表示部31は、記憶装置26に記憶されている画像データの表示等を行う場合もあるが、両者間の通信にもhttpを用いることで、表示部31は、ファイルアクセスのための機能を有する必要が無くなる。

【0038】図7は、表示部31での設定にエラーがあった場合の動作例を示した図である。まず、表示部31が設定画面を表示し(ステップ110)、ユーザが設定を確定すると(ステップ111)、その設定内容が管理サーバ1に送信される。

【0044】図10は、原稿の読み取り時の動作例を示した図である。まず、表示部31に読取指示画面が表示され(ステップ140)、ユーザの操作により、指示内容が管理サーバ1に送信されると(ステップ141)、管理サーバ1は、スキャナ2に対して原稿の読み取り指示を発する(ステップ11)。


(2)甲第2号証に記載された発明
上記甲第2号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第2号証に記載された発明を認定する。

ア 段落0029の記載によれば、甲第2号証には、Webサーバとして動作する管理サーバについての記載がある。

イ 段落0025、0027、0036の記載によれば、スキャナ2と表示部と管理サーバの間での通信は、ネットワークに接続され、httpにより行われるものである。
段落0025の記載によれば、スキャナ2と表示装置3を併せたものと同様の構成であるスキャナ4も設けられているものである。
段落0026、0028の記載によれば、表示装置3は、Webブラウザである表示部を具備している。
そして、段落0033の記載によれば、表示部は、管理サーバへアクセスし、管理サーバから提供された操作指示画面を表示するものであり、段落0028、0031の記載によれば、操作指示画面はWebページとして構成され、図4によれば、操作指示画面では、原稿サイズ設定と解像度選択を行うものである。
ここで、段落0026以降の記載では、スキャナ2と表示装置3についての制御が記載されているものであるが、スキャナ2とWebブラウザである表示部を具備した表示装置3を併せたものと同様の構成であるスキャナ4についても、同様の制御が行われることは当然のことであり、そのような場合には、表示部は、Webブラウザである表示部を具備した表示装置が含まれたスキャナの表示部であるといえる。

以上をまとめると、管理サーバは、ネットワークに接続され、httpを用いて、Webブラウザである表示部を具備した表示装置が含まれたスキャナにおける表示部からのアクセスにより、原稿サイズや解像度の選択を行う操作指示画面を構成するWebページをスキャナの表示部に提供するものである。

ウ 段落0038の記載によれば、管理サーバは、スキャナの表示部に表示された設定画面にてユーザが設定を確定した設定内容を受信するものである。
ここで、「設定画面」は、何らかの設定を行う画面であり、段落0031には、「同一の原稿を複数のパラメータで読み取る設定を行う操作指示画面を作成することも容易である。」との記載があることから、当該「設定画面」は、「操作指示画面」を指すといえる。

以上をまとめると、管理サーバは、スキャナの表示部に表示された操作指示画面にてユーザが設定を確定した設定内容を受信するものである。

エ 段落0044の記載によれば、管理サーバは、スキャナの表示部に表示された読取指示画面でユーザが操作した指示内容を受信すると、原稿の読み取り指示を、スキャナに対して送信するものである。

オ まとめ
以上より、甲第2号証には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。なお、説明のために、(2a)?(2d)の記号を当審において付与した。以下、構成2a?構成2dと称することにする。

(甲2発明)
(2a)Webサーバとして動作する管理サーバであって、
(2b)ネットワークに接続され、httpを用いて、Webブラウザである表示部を具備した表示装置が含まれたスキャナにおける表示部からのアクセスにより、原稿サイズや解像度の選択を行う操作指示画面を構成するWebページを表示部に提供し、
(2c)表示部に表示された前記操作指示画面にてユーザが設定を確定した設定内容を受信し、
(2d)表示部に表示された読取指示画面でユーザが操作した指示内容を受信すると、原稿の読み取り指示を、スキャナに対して送信する
(2a’)管理サーバ。

3.3.3 甲第3号証(特開2004-112514号公報)
(1)甲第3号証に記載された事項
甲第3号証には、「画像処理方法および装置」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0021】
指示書作成部11は、スキャナ2に対して、ユーザが指示書を作成するためのユーザインタフェイスを提供する。ただし、指示書を作成するためのユーザインタフェイスは、スキャナ2自体が有する場合もあり、必ずしも指示書作成部11がユーザインタフェイスを提供するとは限らない。指示書は、スキャナ2で、どのような解像度、どのような色空間、どのような圧縮フォーマット、どのようなイメージスキャンエリアでスキャンを実行するか等のスキャナ2への指示を含み、スキャンした画像データをどのような電子フォーマットで、どのような色空間で、どのような圧縮フォーマットで、どのような解像度で、どこへ保存するかの指示を含む。また、スキャンした画像データをプリンタ3で、何部をどのように印刷するかといった指示をも含む。

【0040】
文書管理システムでは、まず、文書管理装置1がスキャナ2にユーザインタフェイスの表示情報を提供する(ステップ201)。このユーザインタフェイス情報は、例えば、HTML等によって記述されたものとなる。
【0041】
続いて、スキャナ2でユーザが入力した情報が文書管理装置1に通知されると(ステップ202)、文書管理装置1は、指示書作成部11が指示書を作成して、作成した指示書をスキャナ2に送信する(ステップ203)。
【0042】
そして、スキャナ2が指示書に基づいて原稿を読み取り、指示の続きを実行するために、当該指示書が文書管理装置1に送信される(ステップ204)。文書管理装置1は、その指示書に記述されている画像データの保存場所からデータを取得するべきかどうかを判断する。取得する必要がある場合には、ファイルサーバ6から画像データを取得する(ステップ205)。
【0043】
続いて、文書管理装置1は、指示書の記述に従って、ジョブを実行し、指定された出力先であるプリンタ3-1、プリンタ3-2に画像データ若しくは、画像データの位置情報(URL)を送出し(ステップ206、ステップ207)、処理を終了する。
【0044】
ところで、上述の例では、指示書に記述される内容は、スキャナ2から入力されるものの、指示書自体は、文書管理装置1で作成している。文書管理装置1が指示書を作成した場合には、指示書全体をスキャナ2に送る必要はなく、スキャナ2の制御に関する情報のみを送信し、他の部分(画像データ生成後の指示部分)は、文書管理装置1の指示書作成部11から指示書解析部12に渡すようにしてもよい。

【0050】
また、画面300で、ユーザがボタン302を押下すると、スキャナ2には、図8に示すような画面320が表示される。この画面320では、画像データのファイルとしての保存先を指定する保存先指定欄321と保存条件を指定するための保存条件指定欄322が表示されており、ユーザは、所望の条件を入力することができる。


(2)甲第3号証に記載された技術
上記甲第3号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第3号証に記載された技術を認定する。

ア 段落0040、0050の記載によれば、文書管理装置は、スキャナにHTML等によって記述された保存条件を指定するユーザインタフェイスの表示情報を提供するものである。また、図8をみると、保存条件を指定することの例として、解像度等の指定を行っているものである。

イ 段落0041の記載によれば、文書管理装置は、ユーザがスキャナで入力した情報を受信するものであり、段落0040、図8の記載と併せるに、その情報は、解像度等の情報である。

ウ 段落0044の記載によれば、指示書に記載される内容は、スキャナから入力されるものであり、段落0040、0041、図8の記載と併せるに、指示書には、受信されたスキャナで入力した解像度等の情報が記載されるものといえる。
段落0041の記載によれば、文書管理装置は、指示書を作成し、作成した指示書をスキャナに送信するものである。
そして、段落0021の記載によれば、指示書は、スキャナで、どのような解像度等でスキャンを実行するかというスキャナへの指示を含むものである。
また、段落0042の記載によれば、スキャナは指示書に基づいて原稿を読み取るものである。

すなわち、文書管理装置は、受信されたスキャナで入力した解像度等の情報が記載され、どのような解像度等でスキャンを実行するかというスキャナへの指示を含む指示書を作成し、指示書に基づいて原稿を読み取らせるために、スキャナに作成した指示書を送信するものである。

エ まとめ
以上より、甲第3号証には、次の技術(以下、「甲3技術」という。)が記載されていると認められる。

(甲3技術)
文書管理装置において、
スキャナにHTML等によって記述された解像度等の指定を行うユーザインタフェイスの表示情報を提供し、
ユーザがスキャナで入力した解像度等の情報を受信し、
受信されたスキャナで入力した解像度等の情報が記載され、どのような解像度等でスキャンを実行するかというスキャナへの指示を含む指示書を作成し、
指示書に基づいて原稿を読み取らせるために、スキャナに作成した指示書を送信する技術。

3.3.4 甲第4号証(特開2004-171178号公報)
(1)甲第4号証に記載された事項
甲第4号証には、「画像処理システム及び可読記憶媒体」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0025】
この実施例では画像処理装置にPC(100)を用いて画像処理システムを実現する。そして画像処理システムは、ハード・ディスク(108)に格納されたプログラムを実行することで、本発明に関わる機能を実現している。
【0026】
本発明の特許請求の範囲で示した、画像読取装置へ読み取りを指示する指示手順、PC(100)側のインターフェースで画像読取装置から画像などのデータを入力する入力手順と、受信画像を変換保存する画像保存手順、その画像の情報を関連づけたテキストを保存するテキスト保存手順は本実施例においては、可読記憶媒体であるフロッピーディスク(110B)に格納しており、それをPC(100)で読み取り諸手順をハードディスク(108)に格納し実行することによって実現する。

【0029】
まず読取指示手順では、GUI(図4)によって、利用者の指示によって画像読取手段に原稿の読み取りを開始させる。読取指示手順では利用者が、色数・解像度・読取サイズなどの原稿の読み取りの設定を各タブで(401)指定できるようになっており、保存形式のタブ(403)で読み取った画像の圧縮保存形式を指定できるが、この際にHTMLを指定することのよって本発明の手順が実行される。
【0030】
このHTMLタブ(403)が選択されている際にスキャンのボタン(402)をマウスカーソル(404)によってクリックすると、読取指示手順からイメージスキャナ(200)に原稿の読み取りを読取り設定とともに指示する。同様にテキスト保存手順へも読取り設定を渡す。

(2)甲第4号証に記載された技術
上記甲第4号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第4号証に記載された技術を認定する。

ア 段落0025、0026の記載によれば、PCは、画像読取装置へ読み取りを指示する指示手順を格納した可読記憶媒体を読み取り、当該指示手順を実行するものである。
すなわち、PCは、画像読取装置へ読み取りを指示するものといえる。

イ 段落0029、0030の記載によれば、読み取り指示手順は、GUIによって、解像度、読取サイズなどの原稿の読み取りの設定を指定し、スキャンのボタンをクリックすると、原稿の読み取りを読取り設定とともに指示するものである。

ウ まとめ
以上より、甲第4号証には、次の技術(以下、「甲4技術」という。)が記載されていると認められる。

(甲4技術)
PCにおいて、画像読取装置へ読み取りを指示する際に、GUIによって、解像度、読取サイズなどの原稿の読み取りの設定を指定し、スキャンのボタンをクリックすると、原稿の読み取りを読取り設定とともに指示する技術。

3.3.5 甲第5号証(特開2003-189039号公報)
(1)甲第5号証に記載された事項
甲第5号証には、「ネットワークスキャナ装置」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0007】《形態例の動作》次に、図1に示すブロック図を参照しながら、この形態例の動作について詳細に説明する。
<パラメータ設定動作>まず、ネットワーク2を介して、WWWのブラウザがネットワークスキャナサーバ部3に接続されると、図2に示すようなフォームのパラメータ設定画面6が表示される。この状態で、マウスなどのポインティングデバイスが操作されて、解像度、紙サイズ、画像フォーマット、イメージデータを蓄積する/しない、クリッカブルマップの使用有無などの各種パラメータが設定された後、スキャンボタンが押されると、上記パラメータ設定画面6で設定されたパラメータ内容に基づき、ネットワークスキャナ装置1が動作する。
<イメージを蓄積しないときの動作>パラメータ設定画面6によってイメージを蓄積しないことが選択されていれば、スキャンボタンが押されたとき、スキャナ制御部4によってスキャナ機構が制御されて、原稿がスキャンされ、これによって得られたイメージデータがパラメータ設定画面6によって指定された画像フォーマットでネットワーク2上に送出されて、WWWのブラウザに転送され、このブラウザまたはヘルパーによってイメージデータが画面表示されたり、ファイルとしてセーブされたりする。


(2)甲第5号証に記載された技術
上記甲第5号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第5号証に記載された技術を認定する。

段落0007の記載によれば、ネットワークスキャナ装置にパラメータ設定画面が表示され、解像度、紙サイズが設定され、スキャンボタンが押されると、ネットワークスキャナ装置が動作するものである。
また、図2から、パラメータ設定画面に、解像度や紙サイズの設定とともに、スキャンボタンを有していることが見て取れる。

以上より、甲第5号証には、次の技術(以下、「甲5技術」という。)が記載されていると認められる。

(甲5技術)
ネットワークスキャナ装置が、解像度や紙サイズの設定と、スキャンの指示を行うパラメータ設定画面を有する技術。

3.3.6 甲第6号証(特開平11-275299号公報)
(1)甲第6号証に記載された事項
甲第6号証には、「画像読取装置及び画像読取装置における動作指示通知方法」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0120】図7?図9は複写機1をスキャナとして使用する場合の操作の流れの例を示すフローチャートであり、複写機1の操作部6内の液晶表示部24に表示されるメッセージの流れである。先ず、複写機1の操作部6内のスキャン設定開始キー21が押下されると、最初に、ステップS31の画面が表示され、スキャンした画像を送る送り先のコンピュータを選択する。この画面では、予め登録されているコンピュータを1?4にリスト表示し、その中から選択する。例えば1のAは上記図2のコンピュータAに対応する。

【0123】スキャンした画像を送る送り先のコンピュータが決定すると、次に、ステップS33の画面に移り、デジタイザ7を用いて原稿上の読み込みたいエリア指定を行う。図8には図示していないが、デジタイザ7を使わずに原稿台全面を読むようにしたり、A4やA3等の定形サイズを読むようにしてもよい。次に、ステップS34の画面では、読み込みたい画像タイプを指定する。本実施形態の場合、画像タイプには、フルカラーであるRGB24ビットタイプ、1画素が白黒8ビットで構成される白黒多値、1画素が白黒1ビットで構成される白黒2値の3種類がある。
【0124】次に、ステップS35の画面では、読み取り画像の解像度を指定する。本実施形態の画像読取部は例えば400dpi(dot per inch)の読み取り解像度を持ち、ステップS35の画面では400dpi以下の解像度を指定することができる。400dpi未満の解像度を指定した場合は、400dpiで読み取った画像を画像処理部14で間引き縮小することにより、その解像度を実現する。この画面では、画像サイズも表示される。表示されるのは、画像の縦サイズ、横サイズ、及びトータル容量である。
【0125】これらのサイズは上記ステップS33の画面で指定したエリアのサイズや、上記ステップS34の画面で指定した画像タイプや、ステップS35の画面で指定した解像度に応じて変化する。ステップS35の画面では例えば72dpiで1024×1024画素のエリアをRGBタイプで読み取り、3Mバイト(1024×1024×3)になることを示している。解像度を大きくすると高解像度の画像が得られるが画像サイズも増加し、保存する場合のディスク容量も増え、転送時間もかかる。
【0126】次に、ステップS36の画面では、読み込んだ後、コンピュータに保存する場合に、どのようなフォーマットで保存するかを選択する。図中、生データは、読み込んだデータをそのままヘッダ等を付けずに保存することを意味する。図中、TIFF(Tagged Image File Format:モノクロ階調からカラーまでの画像データを保存するためのフォーマット)形式やPICT(PICTure file format:Macintoshの標準グラフィックス・データ・フォーマット)形式は、コンピュータの世界でよく使われているフォーマットであり、画像サイズ等の情報をヘッダ等の形で内包したフォーマットで保存することを意味する。
【0127】図中、JPEG(Joint Photographic Expert Group:同組織による画像圧縮方式)圧縮は、標準的な圧縮方式の1つであるJPEG圧縮を行ってからコンピュータに保存することを意味する。図中、UNIX(タイムシェアリングシステム用オペレーティングシステム)圧縮は、UNIXで標準的な圧縮方法で圧縮を行ってからコンピュータに保存することを意味する。画像のフォーマットにはこの他にも各種存在し説明は省略するが、要するに、この画面では各種のフォーマットのうちの1つを選択する。
【0128】次に、ステップS37の画面では、読み込んだ後、コンピュータに保存する場合に、どこのディレクトリに保存するかを選択する。ステップS37の画面では画像を説明の簡略化のため、5つのディレクトリの中から選ぶ例を示しているが、スクロールすることにより多くのディレクトリの中から選んだり、或いは階層的に選ぶようにしてもよい。
【0129】次に、ステップS38の画面では、保存するファイル名が表示され、スキャンを行うか否かの最終指示画面となる。原稿を原稿台(図示略)に置いてスキャンを指示することで画像の読み取りが開始され、指示した領域、指示した画像タイプ、指示した解像度の画像データが、指示したコンピュータに送られ、コンピュータ中の指示したディレクトリに指示したファイルフォーマットで保存される。本実施形態ではファイル名は自動的に生成され、接頭語「IMG」の後にスキャンした順番にシリアル番号が付けられ、最後にファイルフォーマットが生データであることを示す「.raw」が付けられる。
【0130】以上のステップS31の画面?ステップS38の画面のうち、ステップS36の画面とステップS37の画面はスキャンした画像を受け取るコンピュータ側での処理を指示するものである。各コンピュータには、生のラスタ画像データが送られ、コンピュータ側で任意のフォーマットに変換されて、コンピュータ側の任意のディレクトリに保存される。各コンピュータがどのような画像フォーマットを扱いうるかは、各コンピュータによって変化する。また、どのようなディレクトリ構成かも、各コンピュータによって変化する。
【0131】よって、本実施形態では、ステップS36の画面とステップS37の画面の操作手順情報を、各コンピュータから得ることによって、各コンピュータ毎に異なる処理を複写機(画像読取装置)側の操作部6で指示可能としている。また、受信するコンピュータによっては、これら以外にも指定すべき項目を必要とするものもありえるし、逆に、上記の一部の項目が不要なものもありえる。よって、コンピュータ側での処理を指示する画面は幾つでもよく、また、その内容も後述するスクリプトで記述できる範囲内であれば任意でよい。

【0158】図4?図6は本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク複写機の制御の流れを示すフローチャートである。先ず、複写機の電源を投入した後、ステップS11では、ローカルコピー用の操作手順情報をスクリプト形式で、内部のプリンタ部15から内部通信線(図示略)を経由して入手する。画像読取部と内部のプリンタ部15とは電源投入後は固定的に一対一に接続されるため、ローカルコピー用の操作手順情報は、電源投入時に1回だけ入手すればよい。次に、ステップS12で、上記図3の操作部6中のスキャン設定開始キー21が押下されたか否かをチェックし、押下されている場合はステップS13からステップS18でスキャン処理を行う。
【0159】先ず、ステップS13では、上記図7?図8で説明したステップS31?ステップS35に基づいて、操作者が宛先である送り先コンピュータを指定し、デジタイザ7を使って読み込みたいエリアを指定し、複写機(画像読取装置)側で行われる処理のパラメータ(画像タイプと解像度)を指定する。次いで、ステップS14で、送り先コンピュータからスキャン用の操作手順情報をスクリプト形式で、ネットワーク3を経由して入手する。入手するためのネットワークプロトコルは何でもよく、例えば一般的に使われているftp(file transfer protocol)プロトコル等でもよい。
【0160】次いで、ステップS15では、ステップS14で入手した操作手順情報に基づき、例えば上記図9で説明したステップS36?ステップS37に従って、操作者が送り先コンピュータ側で行われる処理の動作モード(例えば保存ファイルフォーマットと保存ディレクトリ)を指定する。次いで、上記図9のステップS38の画面でスキャン開始が指示されると、ステップS16で、原稿台上の、上記図8のステップS35の画面で指示された領域の画像を読み込んで画像メモリ9に書き込む。

【0196】[3]第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態とは、操作手順情報の形態と、そのやり取りのタイミングのみが異なっている。従って、本発明の第3の実施の形態では上記第1の実施の形態との差異部分のみを説明する。
【0197】本発明の第3の実施の形態に係る画像読取装置としての複数台のネットワーク複写機及び複数台のコンピュータからなるシステムは、上記第1の実施の形態と同様に、例えば、従来のスタンドアロン複写機としてのローカルコピー機能の他に、スキャナとしての機能、プリンタとしての機能、ネットワーク接続されたネットワーク複写機間でリモートコピー機能を持つ複合機であるネットワーク複写機1-1?ネットワーク複写機1-3と、コンピュータ2-1?コンピュータ2-4とがネットワーク3を介して接続された構成となっている(上記図2参照)。また、ネットワーク複写機内部の構成も上記第1の実施の形態と同様である(上記図1参照)。これらの構成については上記第1の実施の形態で詳述したので説明を省略する。
(中略)
【0201】図25?図28は本発明の第3の実施の形態に係る操作手順情報の形態を説明するための図である。上記第1の実施の形態においては、操作手順情報はスクリプト形式で記述され、実際の操作部表示を行う前に一括して送り先のコンピュータやネットワーク複写機から入手していた。換言すればバッチ処理的に行っていた。この方式は、一括して入手できるため処理が簡単であり、また、上記第2の実施の形態で行っているように操作手順情報を保持し易いという特徴がある。
【0202】これに対し、本発明の第3の実施の形態では、実際の操作部表示を行うのに伴って、操作手順情報を操作部リモート制御コマンド(以下、コマンドと略称する)の形で逐次的に入手する構成となっている。即ち、画面遷移に応じて必要な情報のみをコマンドの形式で対話的に入手する方式であり、必要な部分の操作手順情報のみをネットワーク経由で流せばよく、ネットワークの通信量を減らせるという特徴がある。
(中略)
【0208】図29?図31は本発明の第3の実施の形態に係るネットワーク複写機の制御の流れを示すフローチャートである。図29?図31に示す第3の実施の形態に係る制御フローは、上記図4?図6に示した第1の実施の形態に係る制御フローと類似しているため、相違点のみを説明する。
【0209】先ず、上記第1の実施の形態では、電源オン時にローカルコピー用の操作手順情報をプリンタ部15から入手していたが、第3の実施の形態では、後述する如くローカルコピー関連の操作画面表示を行う時に入手する。
【0210】次に、スキャン関連の設定において、上記第1の実施の形態では、上記図5のステップS14で予め操作手順情報を一括して入手し、それに基づいて動作モードの設定を行っていたが、第3の実施の形態では、ステップS83で相手先コンピュータから操作部リモート制御コマンドを受信し、それに基づいてステップS84で動作モードの設定を行い、それを操作部のリモート制御を終えるまで繰り返すようにしている。
【0211】リモートコピー関連の設定においても、ステップS90で相手先ネットワーク複写機から操作部リモート制御コマンドを受信し、それに基づいてステップS91で動作モードの設定を行い、それを操作部のリモート制御を終えるまで繰り返すようにしている。また、ローカルコピー関連の設定においても、ステップS96で内部のプリンタ部15から操作部リモート制御コマンドを受信し、それに基づいてステップS97で動作モードの設定を行い、それを操作部のリモート制御を終えるまで繰り返すようにしている。
【0212】次に、上記第1の実施の形態では、入手した操作手順情報を用いて設定された送り先のコンピュータや送り先のネットワーク複写機側の動作モードを、動作モードの設定後に上記6図のステップS17やステップS24で一括して送り先のコンピュータや送り先のネットワーク複写機に送付していたが、第3の実施の形態では、ステップS84やステップS91における操作部リモート制御コマンドの処理時に、数値入力コマンドに対する応答の形で逐次的に送付している点が異なる。
【0213】以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、ネットワーク複写機は、画像を読み取るスキャナ部12と、複数の外部装置のうち所望の外部装置の指定、入手した操作手順情報に基づく外部装置の動作モードの設定が可能な操作部6と、指定した外部装置からの操作手順情報の入手、設定した外部装置の動作モードを指定した外部装置への通知、スキャナ部12で読み取った画像データを指定した外部装置への出力を外部通信回路4及びネットワーク3を介して行う制御部5とを有するため、下記のような効果を奏する。


(2)甲第6号証に記載された技術
上記甲第6号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第6号証に記載された技術を認定する。

甲第6号証の段落0196?0213には、ネットワーク複写機に関する第3の実施の形態が説明されている。ここで、段落0208に、「図29?図31に示す第3の実施の形態に係る制御フローは、上記図4?図6に示した第1の実施の形態に係る制御フローと類似しているため、相違点のみを説明する。」と記載され、図4?図6を説明している段落0158?0160に、「図4?図6は本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク複写機の制御の流れを示すフローチャートである。先ず、複写機の電源を投入した後、(中略)スキャン設定開始キー21が押下されたか否かをチェックし、押下されている場合はステップS13からステップS18でスキャン処理を行う。先ず、ステップS13では、上記図7?図8で説明したステップS31?ステップS35に基づいて、操作者が宛先である送り先コンピュータを指定し、デジタイザ7を使って読み込みたいエリアを指定し、複写機(画像読取装置)側で行われる処理のパラメータ(画像タイプと解像度)を指定する。(中略)次いで、ステップS15では、ステップS14で入手した操作手順情報に基づき、例えば上記図9で説明したステップS36?ステップS37に従って、操作者が送り先コンピュータ側で行われる処理の動作モード(例えば保存ファイルフォーマットと保存ディレクトリ)を指定する。」と記載されていることから、第3の実施の形態に記載された技術を認定するに当たっては、段落0196?0213だけでなく、図4?図6の記載、図4?図6を説明している段落0158?0160の記載、図7、図8の記載、図7、図8を説明している段落0120、0123?0131の記載も併せて検討する。

図29及び図30の記載によれば、甲第6号証に記載されたネットワーク複写機は、電源オン時にスキャン?(S81)がYESであると、宛先と内部動作モードを指定し(S82)、操作部リモート制御コマンドを受信すると(S83)、操作部リモート制御コマンドに基づき、スキャン外部動作モードを設定する(S84)ことが見て取れる。
そして、段落0210、0212の記載から、スキャン外部動作モードの設定後に、設定されたスキャン外部動作モードを送り先のコンピュータに送付しており、操作部リモート制御コマンドの受信とスキャン外部動作モードの設定及び送付は、操作部のリモート制御を終えるまで繰り返すものである。
また、段落0202の記載から、操作部リモート制御コマンドは、操作手順情報を含むものである。

ここで、段落0158の記載から、電源オン時にスキャン?(S81)がYESであると、宛先を指定することは、電源オン時に、スキャン設定開始キーが押下されると、宛先である送り先コンピュータを指定することであるといえる。
そして、図7及び図8のS31?S35の記載、図7及び図8を説明している段落0120、0123?0125の記載、図4のS13の記載、図4を説明している段落0159の記載から、ステップS82の内部動作モードを指定することは、スキャンを行うために、読み込みたいエリアを指定し、ネットワーク複写機側で行われる処理のパラメータ(画像タイプ、解像度)を指定することといえる。
また、図9のS36、37の記載、図9を説明している段落0126?0128の記載、図5のS15の記載、図5を説明している段落0160の記載から、ステップS84のスキャン外部動作モードを指定することは、スキャンされた画像を送り先コンピュータに送付するための送り先コンピュータ側で行われる処理の動作モード(保存ファイルフォーマット、保存ディレクトリ)を指定することといえる。
さらに、段落0130、0131の記載から、操作手順情報は、各コンピュータ毎に異なる処理を操作部で指示可能とするために、各コンピュータから得るすなわち受信するものであるといえる。

以上より、甲6号証には、次の技術(以下、「甲6技術」という。)が記載されていると認められる。

(甲6技術)
ネットワーク複写機において、
電源オン時にスキャン設定開始キーが押下されると、宛先である送り先コンピュータを指定し、
スキャンを行うために、読み込みたいエリアを指定し、ネットワーク複写機側で行われる処理のパラメータ(画像タイプ、解像度)を指定し、
更に、各コンピュータ毎に異なる処理を操作部で指示可能とするために、送り先コンピュータから操作手順情報を受信して、スキャンされた画像を送り先コンピュータに送付するための送り先コンピュータ側で行われる処理の動作モード(保存ファイルフォーマット、保存ディレクトリ)を指定し、当該動作モードを送り先のコンピュータに送付し、操作手順情報の受信と当該動作モードの指定及び送付を繰り返す技術。

3.3.7 甲第7号証(特開平11-203365号公報)
(1)甲第7号証に記載された事項
甲第7号証には、「Web-POS方式」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0022】図1のWeb-POSクライアント装置において、CPU101、メモリ102、HDDインタフェース部103、可搬型記録媒体インタフェース部105、ネットワークインタフェース部107、表示インタフェース部108、タッチパネルインタフェース部110、キーボードインタフェース部112、スキャナインタフェース部114、汎用プリンタインタフェース部116、及びレシートジャーナルプリンタインタフェース部118は、バスにより相互に接続される。
【0023】CPU101は、MO(光磁気ディスク装置)等の可搬型記録媒体106から可搬型記録媒体インタフェース部105を介して、又はHDD104からHDDインタフェース部103を介してメモリ102に読み込まれたWebブラウザプログラムと、そのプログラムによって図2のWeb-POSサーバ装置からネットワークインタフェース部107を介してメモリ102にダウンロードされる後述する各種制御クライアントプログラムを実行する。

【0043】(前略)
<カテゴリーリスト表示制御クライアントプログラムの動作>図4は、前述した図3のステップ301において、Web-POSサーバ装置からダウンロードされWeb-POSクライアント装置において第1フレームをターゲットとして実行されるカテゴリーリスト表示制御クライアントプログラムの動作を示す動作フローチャートである。
【0044】このプログラムの実行により、図18に示されるように、表示画面の第1フレームに、見出し“商品カテゴリー”と、カテゴリーリストが表示されると共に、カテゴリーリストの選択状態の変化に応答して第2フレームのPLUリストの表示状態の制御処理が実行される。
【0045】なお、このプログラムは、例えば、ネットスケープコミュニケーションズコーポレーションが開発したJavaScript言語による記述を含むHTMLファイルとして記述することができる。

【0062】(前略)
<PLUリスト表示制御クライアントプログラムの動作>図6は、上述の送信処理に基づいて、Web-POSサーバ装置からダウンロードされWeb-POSクライアント装置において実行されるPLUリスト表示制御クライアントプログラムの動作を示す動作フローチャートである。
【0063】なお、このプログラムは、例えば、JavaScript言語による記述を含むHTMLファイルとして記述することができる。図3のステップ302の説明で前述したように、このプログラムは、表示画面のWebブラウザウインドウ上の第2フレームをターゲットとして実行される。この結果、図18に示されるように、表示画面の第2フレームに、見出し“注文商品”と、PLUリストと、見出し“数量”と、それに続く数量入力フィールドが表示されると共に、PLUリストの選択状態と数量入力フィールドの入力状態の監視と、スキャナ装置115の入力状態の監視と、それらの監視結果に基づく後述する第3フレームの明細フォームの記入状態の制御処理が実行される。

(2)甲第7号証に記載された技術
上記甲第7号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第7号証に記載された技術を認定する。

段落0022、0023の記載によれば、Web-POSクライアント装置は、Web-POSサーバ装置からネットワークインタフェース部を介してダウンロードされる制御クライアントプログラムを実行するものであり、段落0043?0045、0062?0063の記載によれば、表示制御クライアントプログラムは、JavaScript言語による記述を含むHTMLファイルとして記述されるものである。

以上より、甲7号証には、次の技術(以下、「甲7技術」という。)が記載されていると認められる。

(甲7技術)
Web-POSクライアント装置において、Web-POSサーバ装置からネットワークインタフェース部を介してダウンロードされ、JavaScript言語による記述を含むHTMLファイルとして記述される表示制御クライアントプログラムを実行する技術。

3.3.8 甲第8号証(特開2004-30640号公報)
(1)甲第8号証に記載された事項
甲第8号証には、「コンピュータ・ネットワークに接続されたキオスク装置およびキオスク装置の構成方法」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0016】
したがって、好ましい実施形態では、キオスク・システムは1つまたは複数のネットワーク、たとえばインターネット、企業または政府のイントラネットなどに接続することができる。キオスクは、1つまたは複数の入力/出力装置(たとえば表示装置、キーボード、ペーパー・プリンタ、電話など)と、各入力/出力装置のための1つまたは複数のドライバ・プログラム(ローカルAPI)を有する。表示装置は、キオスクのユーザに1つまたは複数のグラフィカル・ユーザ・インタフェースとビデオ画像を提示するために使用される。インタフェースのうちのいくつかはアプリケーション固有のものである。(アプリケーションとは、キオスクがそのために構成または再構成される用途である。)キオスクは、ネットワーク上の1つまたは複数のサーバから、(構成セットにおける)1つまたは複数のアプリケーション・ファイルを取り出すブラウザを有する。アプリケーション・ファイル(構成セット)は、キオスクのブラウザによって(アプリケーションによって決定される)シーケンスで提示される1組のHTMLファイルを含む。これらのHTMLファイルのうちの1つまたは複数のHTMLファイルは、キオスク上の装置のうちの1つまたは複数の装置のローカルAPIを制御するために使用される組込み(制御)プログラムを含む。ファイルのうちの1つまたは複数のファイルは、他のHTMLファイル、(画像や音声のような)マルチメディア構成要素ファイル、または他のHTMLファイル、マルチメディア構成要素ファイル、組込みプログラムまたは他のアプリケーション・ファイルへのハイパーリンクあるいはそれらの組合せも含むことができる。キオスクにおける選択機能(たとえば音声、ソフト・ボタン、ハイパーリンクなど)によってサーバから第1のアプリケーション・ファイルが選択される。この選択項目(選択機能)に関連づけられたアプリケーション・ファイル(構成セット)が、キオスクをそれに応じて構成する。したがって、キオスクは、アプリケーション・ファイルによって定義された様々なアプリケーションを実行するように構成および再構成することができる。

(2)甲第8号証に記載された技術
上記甲第8号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第8号証に記載された技術を認定する。

段落0016の記載によれば、キオスクは、サーバからアプリケーション・ファイルを取り出すブラウザを有し、アプリケーション・ファイルは、HTMLファイルを含み、HTMLファイルは、キオスク上の装置のうちの装置のローカルAPIを制御するために使用される組込み(制御)プログラムを含むものである。

以上より、甲8号証には、次の技術(以下、「甲8技術」という。)が記載されていると認められる。

(甲8技術)
キオスクが、装置のローカルAPIを制御するために使用される組込み(制御)プログラムを含むHTMLファイルを含むアプリケーション・ファイルをサーバから取り出すブラウザを有する技術。

3.3.9 参考文献1(特開2005-80019号公報)
(1)参考文献1に記載された事項
参考文献1には、「画像処理装置」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0011】
以下、本発明に係る画像処理装置としてのMFPの実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(1)MFPの構成
図1は、MFP1のシステム構成を示す図である。
同図に示すように、MFP1は、最下位層に位置するデバイス(ハードウエア資源)10と、デバイス10を直接制御する制御層20と、制御層20の上位に位置するアプリケーション層30と、アプリケーション層30の上に位置(実質的には、制御層20とアプリケーション層30の間に位置)する外部API部40が階層構造的に体系化されたアーキテクチュアからなり、上記スキャンジョブ、コピージョブ、プリントジョブ、FAXジョブなどの画像処理ジョブを実行する複数の機能を有するデジタル複合機である。また、外部機器、ここではPC(パーソナルコンピュータ)50とLAN等のネットワーク(不図示)を介して接続されており、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて互いに各種データのやりとりが可能になっている。

【0017】
具体的には、外部ユーザは、公開されたAPIから、MFP1のデバイス制御のために、どのようなコマンドやパラメータ類(例えば、実行させるべきジョブの指定、ジョブ開始の指示等を示すコマンド、スキャンジョブの場合の読み取りサイズ、送信宛先等、コピージョブの場合のコピー枚数等のジョブ実行条件を示すパラメータ等)が用意されており、そのコマンド等をどのような構文で記述すれば良いのかを知ることができる。
【0018】
外部ユーザは、当該コマンド等を当該構文に基づいて記述したデータ(ここでは、XML(Extensible Markup Language)形式のデータ。図2参照)を画像処理に関する処理要求を含むデータとしてMFP1に送信させるためのソフトウエアを開発し、当該ソフトウエアを用いて上記XMLデータをMFP1に送信させるようにすることで、所望のデバイスに所望の動作をさせることができるものである。
【0019】
外部API42は、IO/IJC API24で定義されている関数群の中の、所定の複数のものを一つにまとめた形態、例えばデバイスのある動作が、IO/IJC API24で関数A、B、Cにより定義されている場合、関数A、B、Cをまとめた関数D(すなわち、関数Dは、関数A、B、Cを実行させるための関数ということになる。)で構成されている。
【0020】
このようにまとまったある動作を一の関数で表すことにより、外部ユーザは、例えばデバイスに当該ある動作を実行させたい場合、PC50から関数Dを呼び出すようにすれば、実質的に関数A、B、Cを呼び出したことになり、複数のコマンドを用いる必要がなくなって扱い易く、上記ソフトウエアも開発し易くなる。なお、一の動作を一の関数で表したものについては、その関数が用いられる。

【0028】
以下、図2、3を用いて当該スキャンジョブを実行する場合の具体例を説明する。
図2は、公開されたAPIに基づいて外部ユーザにより作成された、上記スキャンジョブを実行させるためのコマンド等を含むXMLデータが、PC50からMFP1の外部API部40を介してスキャンアプリ33および制御層20に渡されるまでに変換されて行く様子を例示した模式図である。
【0029】
ここでは、画像読み取り条件として原稿枚数「1枚」、原稿サイズ「A4」、原稿のセット方向「ポートレート(たて長)」、「カラー原稿」、読み取り解像度「600(dpi)」、「Jpeg高圧縮」、ファイル名「testfile」、読み取った画像データの電子メールによる送信宛先として「abc@minolta.co.jp」のジョブを実行させる場合の例を示している。なお、同図はXMLデータの構成を解り易いように説明に必要な部分だけを簡素化して示した例であって、実際には一のジョブを実行させるために必要となるコマンド等の数、種類はこれよりも多くなり、また通信データとしてはヘッダ等の各種情報が付加されることになる。
【0030】
同図のブロック1に示すように、PC50からは、上記スキャンジョブの原稿サイズ等の各項目の内容が所定のタグで挟まれた状態で記述されたXMLデータが出力される。ここでは、「message ID」タグに挟まれた「scan」がコマンドに相当し、「parameter」タグに挟まれた「destination」等が当該コマンドに対応するパラメータとなる。
このXMLデータは、MFP1のIO23を介して外部API部40のXML変換部43に送られ、ブロック2に示すデータに変換される。
【0031】
具体的には、XML変換部43において、入力されたXMLデータからコマンド等に相当する部分と、それに対応するパラメータとが処理要求を示す情報として抽出される。この意味で、ブロック2に示すデータが、外部API42として公開された関数「scan」がPC50により呼び出された場合のデータ構成例となる。
ブロック2のデータは、API変換部41に送られ、制御層20で直接実行できる形態(すなわちIO/IJC API24に対応するコマンド)に変換される(ブロック3)。
【0032】
ブロック3のデータの「do_scan」「scan_destination」は、制御層20で実際にスキャン動作を実行するための関数を示しており、その後の括弧内のパラメータは、その関数の引数になっている。ここで、変換されたコマンドは、制御層20に対応するものなので、各アプリ31?35でも実行できるものである。
外部API部40は、ブロック3のデータをどのアプリまたは制御層20のモジュールに渡すのかをその内容に応じて決める(渡すべき先を選ぶ。)。具体的には、アプリで実行できるコマンドについては、直接(制御層20を介さないで)アプリに渡す。
【0033】
ここでは、当該データを、スキャン動作のための部分(ブロック4a)とE-mail送信のための部分(ブロック4b)に分け、ブロック4aのデータをスキャンアプリ33に、ブロック4bのデータをScan to E-mail送信を受け持つ制御層20に渡す。なお、どのコマンドをどのアプリに渡すかについては、予め決められている。
スキャンアプリ33は、ブロック4aのデータに基づく関数を呼び出してスキャン動作を実行させ、具体的には設定された読み取り条件(原稿A4サイズ等)に基づいてスキャナ11に原稿画像の読み取り動作を実行させる。

【0052】
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、画像処理に関する処理要求をXMLを用いて表す構成としたが、これに限られることはなく、例えばHTML(Hypertext Markup Language)等を用いることもできる。この場合、PC50からMFP1に送られる画像処理に関する処理要求を示すデータが、その言語で記述されたデータになるので、外部API部40は、そのデータを制御層20が理解できるデータに変換可能なように構成されることになる。

(2)参考文献1に記載された技術
上記参考文献1の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献1に記載された技術を認定する。

ア 段落0011の記載によれば、MFPとPCは、ネットワークを介して接続されているものである。

イ 段落0017?0020、0029、0031、0052の記載によれば、PCは、XMLやHTML等を用いて、公開されたAPIで定義されている関数を読み出して、ジョブ開始の指示等を示すコマンドや読み取りサイズ及び解像度を含む画像処理に関する処理要求を示すデータを、MFPに送信するものである。

ウ 段落0030、0032、0033の記載によれば、PCからXMLデータが出力される場合には、PCは、「message ID」タグに挟まれた「scan」というコマンドと、当該コマンドに対応する読み取りサイズ及び解像度等のパラメータを出力し、MFPは、 「do_scan」という実際にスキャン動作を実行するための関数と、その関数の引数に変換し、読み取り動作が実行されるものである。

エ まとめ
以上より、参考文献1には、次の技術(以下、「参考1技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考1技術)
PCは、ネットワークを介して接続されたMFPに、XMLやHTML等を用いて、公開されたAPIで定義されている関数を読み出して、「scan」というコマンドと、当該コマンドに対応する読み取りサイズ及び解像度等のパラメータを出力し、MFPは、実際にスキャン動作を実行するための関数と、その関数の引数に変換し、読み取り動作を実行する技術。

3.3.10 参考文献2(特開2004-120180号公報)
(1)参考文献2に記載された事項
参考文献2には、「画像データ転送システム、画像読取装置、及びプログラム」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。 なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0022】
ネットワークシステム1は、図1に示すように、デスクトップ型パーソナルコンピュータ2と、少なくともスキャナ機能を備えた複合機(Multifunction Peripheral:MFP)3と、ファクシミリ4と、ラップトップ型パーソナルコンピュータ5と、ルータ6とを備えており、夫々、ネットワークの一形態である、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)7のLANケーブルに接続されている。尚、本実施の形態では、パーソナルコンピュータ2が端末装置に対応し、MFP3が画像読取装置に対応する。また、階層構造のデータ格納システムに従って格納されるデータ及び当該データの位置を示すパス名を指定することによって当該指定されたデータの転送を行う通信プロトコル(HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、NetBIOSなどを用いて、パーソナルコンピュータ2の要求に応じて、MFP3からパーソナルコンピュータ2へデータが転送される。

【0027】
ユーザは、MFP3に対して、MFP3に載置された原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データをパーソナルコンピュータ2へ送信するように要求する場合、操作部25を利用して、“http://<host>:<port>/scanimage/<resolution>/<color mono>/<sheet>/<filetype>”( 以下、読取要求用URL(Uniform Resource Locator)と称す。)を入力する。ここで、“scanimage”は、画像の読み取り要求であることを示す。“<resolution>”(解像度パラメータ)は、ユーザなどが希望する解像度(本実施の形態では、200dpi/300dpi/400dpi)を入力する箇所である。“<color mono>”(色パラメータ)は、ユーザなどが希望する色(カラー/モノクロ)を入力する箇所である。“<sheet>”(ページ枚数パラメータ)は、ユーザなどが希望するMFP3に読み取らせる原稿などの枚数(例えば、1、2、…、ALLなど)を入力する箇所である。但し、ユーザがMFP3に載置された原稿の全てをMFP3に読み取らせる場合には、ページ枚数パラメータに、“ALL”が指定される。“<filetype>”(ファイルタイプパラメータ)は、ユーザが希望するファイルフォーマット(JPEG、PNG、GIF、TIFF)に関する内容(image.jpg、image.png、image.gif、image.tif)を入力する箇所である。但し、ファイルフォーマットがJPEG、PNG、GIFの場合、ページ枚数パラメータには、“1”と“ALL”のみ指定でき、ファイルフォーマットがTIFFの場合、ページ枚数パラメータには、“1”、“2”などと“ALL”とを指定できる。例えば、ホストのIPアドレスが10.134.43.14、ポート番号が80、解像度が400dpi、色がカラー、読取枚数が1枚、ファイルフォーマットがJPEGの場合、ユーザは、“http://10.134.43.14:80/scanimage/400dpi/color/1/image.jpg”を入力する。また、ホストのIPアドレスが10.134.43.14、ポート番号が80、解像度が400dpi、色がモノクロ、MFP3に載置された原稿全ての読み取り、ファイルフォーマットがTIFFの場合、ユーザは、“http://10.134.43.14:80/scanimage/400dpi/mono/ALL/image.tif”を入力する。尚、各パラメータの指定可能な値は、MFP3の性能に応じたものである。

(2)参考文献2に記載された技術
上記参考文献2の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献2に記載された技術を認定する。

ア 段落0022の記載によれば、MFPとパーソナルコンピュータは、ネットワークに接続されているものである。

イ 段落0027の記載によれば、MFPに載置された原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データをパーソナルコンピュータへ送信するように要求する場合、画像の読み取り要求であることを示し、解像度パラメータ等を含む読み取り要求用URLを送信するものである。

ウ まとめ
以上より、参考文献2には、次の技術(以下、「参考2技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考2技術)
パーソナルコンピュータにおいて、ネットワークを介して接続されたMFPに、MFPに載置された原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データをパーソナルコンピュータへ送信するように要求する場合、画像の読み取り要求であることを示し、解像度パラメータ等を含む読み取り要求用URLを送信する技術。

3.3.11 参考文献3(特開2002-366344号公報)
(1)参考文献3に記載された事項
参考文献3には、「音声命令システム、音声命令装置、音声命令方法および音声命令プログラム」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る音声命令システムについて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る音声命令システムの概略構成を示すブロック図である。図1において、クライアント1およびサーバ2a、2bは、ネットワーク5を介して接続されている。なお、ネットワーク5は、電話回線、LAN、インターネット、携帯電話網、衛星通信網、近距離無線データ通信技術「Bluetooth」など用いることができる。また、クライアント1とサーバ2a、2bが通信を行うためのプロトコルとして、例えば、HTTP(hypertext transfer protocol)を用いることができる。

【0044】サーバ2a、2bが、音声入力対応アプリケーション3a、3bをネットワーク5上で構築する場合、音声入力対応アプリケーション3a、3bに音声命令4a、4bを組み込み、サーバ2a、2b上に保持する。なお、音声入力対応アプリケーション3a、3bは、例えば、HTML(hypertext makeup language)で作成することができ、音声命令4a、4bは、例えば、Java(登録商標)スクリプトで作成することができる。

【0046】例えば、音声命令4a、4bとして、例えば、音声認識命令が音声入力対応アプリケーション3a、3bに組み込まれているとする。この場合、音声入力対応アプリケーション3a、3bがクライアント1に送信されると、ブラウザ14は、音声命令実行プログラム15を起動し、音声入力対応アプリケーション3a、3bに組み込まれている音声認識命令を音声命令実行プログラム15に実行させる。

【0055】ここで、index.htmlファイル21およびarea1.htmlファイル22、・・・、area20.htmlファイル24は、例えば、HTMLで記述され、このHTML文書には、例えば、Java(登録商標)スクリプトで記述された音声命令4bが組み込まれる。また、この音声命令4bとしては、例えば、音声認識命令または音声合成命令が用いられる。そして、Java(登録商標)スクリプトのように、配列に命令が送られる場合、音声認識命令が送られる配列の要素として、発音対象とされる単語列を設定することができる。また、音声合成命令の関数の引数として、発音対象とされる文章を設定することができる。
【0056】例えば、音声合成命令として、以下のような関数を定義することができる。
speak(string)
このspeak命令では、文字列stringに対応した発声信号を音声合成させることができる。また、音声認識命令として、例えば、以下のような関数を定義することができる。
【0057】Array1.voicereq(timeout)
このvoicereq命令では、選択したい単語列Array1とタイムアウト時間timeoutがvoicereq命令に渡されると、認識された単語配列の項目番号を戻すことができる。そして、タイムアウト時間timeoutを過ぎても音声入力が行われない場合、もう一度speak命令を実行させることができる。
【0058】図3、4は、本発明の一実施形態に係る音声命令が組み込まれたHTMLプログラムの一例を示す図である。図3、4において、図2のindex.htmlファイル21には、例えば、図3のHTML文書が保存され、図2のarea1.htmlファイル22?area20.htmlファイル24には、例えば、図4のHTML文書が各都道府県に対応して保存される。
【0059】ここで、図3のHTML文書には、Java(登録商標)スクリプトで記述されたspeak命令とvoicereq命令が組み込まれ、図4の各HTML文書には、Java(登録商標)スクリプトで記述されたspeak命令が組み込まれている。ここで、speak命令には、その命令の関数の引数として、発音対象とされる単語または文章(テキストデータ)を設定することができる。例えば、図3のHTML文書の例では、“てんきをしりたいとどうふけんは”という文章がspeak命令の関数の引数として設定されている。
【0060】また、図4(a)のHTML文書のarea1.htmlファイル22では、“ほっかいどうのほんじつのてんきははれ”という文章がspeak命令の関数の引数として設定され、図4(b)のHTML文書のarea2.htmlファイル23では、“あおもりけんのほんじつのてんきはあめ”という文章がspeak命令の関数の引数として設定されている。

(2)参考文献3に記載された技術
上記参考文献3の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献3に記載された技術を認定する。

ア 段落0041の記載によれば、クライアントとサーバは、ネットワークに接続されているものである。

イ 段落0041、0044、0055?0060の記載によれば、クライアントとサーバは、HTTPを用いて通信を行い、サーバは、HTMLで作成されたアプリケーションにJavaスクリプトで作成された命令を組み込み、命令の関数を定義し、その命令の関数の引数を設定し、命令が組み込まれたアプリケーションがサーバからクライアントに送信されると、クライアントのブラウザは、命令を実行するものである。

ウ まとめ
以上より、参考文献3には、次の技術(以下、「参考3技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考3技術)
サーバは、HTMLで作成されたアプリケーションにJavaスクリプトで作成された命令を組み込み、命令の関数を定義し、その命令の関数の引数を設定し、ネットワークに接続されているクライアントとHTTPを用いて通信を行い、命令が組み込まれたアプリケーションがサーバからクライアントに送信されると、クライアントは、命令を実行する技術。

3.3.12 参考文献4(特開2004-172903号公報)
(1)参考文献4に記載された事項
参考文献4には、「ネットワークスキャニングシステム」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0072】
以上の結果、スキャナ/ネットワーク接続装置100が有するLCD106は図12の画面から図13に示す画面に更新されることになる。
【0073】
以下、スキャナ制御用PC500とスキャナ/ネットワーク接続装置100との通信が同様に行われるものとし、簡潔に説明することとする。
【0074】
図13の画面において、ログオンボタンがタッチされると、図14に示す画面がLCD106に表示される。同図は、スキャナ200にセットした(する)原稿画像を読取った際に、その出力先を設定する画面である。基本的に、この画面が表示されると、送信先を決めるため、「宛先表」をタッチすることで、宛て先一覧を表示させ、必要な分だけ順次選択することになる。
【0075】
ただし、図14において、「200dpi」と表示されていることからも分かるように、デフォルトで読取り解像度を200dpiであることが示されている。この解像度を変更したい場合には、同箇所をタッチすることで、図15のような画面が表示される(手前に位置するウインドウイメージを描画し、その位置とサイズ及びビットマップを転送することになる)。
【0076】
また、図14において、「グレー(モノクロ256階調)」ボタンをタッチすると、図16に示す読取りモード指定の画面を表示し、「A4」ボタンをタッチすると、図17に示す読取る原稿サイズの指定用ウインドウが表示される。また、「片面」ボタンがタッチされると図18に示す片面、両面の選択ウインドウが表示される。図15乃至図18のウインドウで所望とする項目をタッチし、それぞれのウインドウでOKをタッチすると、その結果が反映された図14と同様の画面が表示されることになる。


(2)参考文献4に記載された技術
上記参考文献4の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献4に記載された技術を認定する。

段落0072?0076の記載によれば、スキャナ/ネットワーク接続装置が有するLCDは、スキャナにセットした原稿画像を読取った際に、その出力先を設定する図14のような画面において、「200dpi」をタッチすると、図15のような解像度を変更する画面が表示され、「グレー(モノクロ256階調)」ボタンをタッチすると、図16のような読取りモード指定の画面を表示し、「A4」ボタンをタッチすると、図17に示す読取る原稿サイズの指定用ウインドウが表示され、それぞれのウインドウで所望とする項目をタッチし、OKをタッチすると、その結果が反映された図14と同様の画面が表示されるものである。

以上より、参考文献4には、次の技術(以下、「参考4技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考4技術)
スキャナ/ネットワーク接続装置において、スキャナにセットした原稿画像を読取った際に、その出力先を設定する画面において、画面内の何れかをタッチすることにより、解像度を入力する画面、読取りモードを入力する画面、読取る原稿サイズを入力する画面のいずれかに遷移し、それぞれの画面にてスキャナの設定入力を行う技術。

3.3.13 参考文献5(特開2002-202870号公報)
(1)参考文献5に記載された事項
参考文献5には、「デジタル複合機」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0156】次に、スキャン機能を利用する場合について説明する。図29は、上記ユーザメニュー画面280においてスキャン設定部284の設定変更ボタン290をタッチした場合のスキャナ機能の設定画面310の表示例である。
【0157】図29に示すスキャン機能の設定画面310には、用紙サイズボタン311、拡大・縮小ボタン312、片面・両面ボタン313、濃度ボタン314、色調整ボタン315、解像度ボタン316、スキャンボタン317、戻るボタン318などが表示される。
(中略)
【0160】上記用紙サイズボタン311にタッチすると、表示部93には、原稿サイズを選択する画面(図示しない)が表示され、原稿サイズの選択が可能となる。上記拡大・縮小ボタン312にタッチすると、表示部93には、拡大倍率及び縮小倍率を入力する画面(図示しない)が表示され、倍率の設定が可能となる。上記片面・両面ボタン313にタッチすると、表示部93には、自動原稿送り装置(図示しない)で原稿を片面送りするか両面をスキャンするように送るのかを選択する画面(図示しない)が表示され、原稿送りの選択が可能となる。
【0161】上記濃度ボタン314にタッチすると、表示部93には、濃度を設定する画面(図示しない)が表示され、原稿をスキャンし終えた時の画像データの濃度を選択できる。上記色調整ボタン315にタッチすると、表示部93には、色を調整する画面(図示しない)が表示され、原稿をスキャンし終えた時の画像データの色の調整を設定できる。この色の調整では、例えば、レッド、グリーン、ブルー毎に色の調整ができるようになっている。上記解像度ボタン316にタッチすると、表示部93には、解像度を設定する画面(図示しない)が表示され、原稿をスキャンする時の解像度を選択できる。

(2)参考文献5に記載された技術
上記参考文献5の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献5に記載された技術を認定する。

段落0156?0161の記載によれば、デジタル複合機のスキャン機能の設定画面には、用紙サイズボタン、拡大・縮小ボタン、片面・両面ボタン、濃度ボタン、色調整ボタン、解像度ボタン、スキャンボタン、戻るボタンなどが表示され、用紙サイズボタン、拡大・縮小ボタン、片面・両面ボタン、濃度ボタン、色調整ボタン、解像度ボタンにタッチすると、表示部には、それぞれ、原稿サイズを選択する画面、拡大倍率及び縮小倍率を入力する画面、自動原稿送り装置で原稿を片面送りするか両面をスキャンするように送るのかを選択する画面、濃度を設定する画面、色を調整する画面、解像度を設定する画面が表示され、原稿サイズの選択、倍率の設定、原稿送りの選択、原稿をスキャンし終えた時の画像データの濃度の選択、原稿をスキャンし終えた時の画像データの色の調整の設定、原稿をスキャンする時の解像度が選択できるものである。

以上より、参考文献5には、次の技術(以下、「参考5技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考5技術)
デジタル複合機において、スキャン機能の設定画面に用紙サイズボタン、拡大・縮小ボタン、片面・両面ボタン、濃度ボタン、色調整ボタン、解像度ボタン、スキャンボタン、戻るボタンなどが表示され、用紙サイズボタン、拡大・縮小ボタン、片面・両面ボタン、濃度ボタン、色調整ボタン、解像度ボタンにタッチすると、表示部には、それぞれ、原稿サイズを選択する画面、拡大倍率及び縮小倍率を入力する画面、自動原稿送り装置で原稿を片面送りするか両面をスキャンするように送るのかを選択する画面、濃度を設定する画面、色を調整する画面、解像度を設定する画面が表示され、原稿サイズの選択、倍率の設定、原稿送りの選択、原稿をスキャンし終えた時の画像データの濃度の選択、原稿をスキャンし終えた時の画像データの色の調整の設定、原稿をスキャンする時の解像度が選択できる技術。

3.3.14 参考文献6(特開2002-41734号公報)
(1)参考文献6に記載された事項
参考文献6には、「イベント管理システム,イベント管理方法およびそのプログラム記録媒体」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、説明のために、下線を当審において付与した。

【0017】携帯電話21は,i-mode(登録商標)携帯電話のようなブラウザ付きの電話であって,インターネット20への接続機能を持つ。作業員(フィールド・エンジニア)は,携帯電話21を持ち歩き,インターネット20を介してイベント管理用Webサーバ23にアクセスすることにより,作業指示データを携帯電話21のブラウザ画面に表示させることができる。また,作業状況の入力を携帯電話21からイベント管理用Webサーバ23に対して行うことができるようになっている。

【0038】図13は,作業結果データの送信時の処理フローチャートである。作業員は,携帯電話21を利用し,イベント管理用Webサーバ23に接続して当日行う作業のスケジュールを確認する。イベント管理用Webサーバ23は,作業確認の要求によって(ステップS20),該当する作業指示データを携帯電話21がブラウジングできる形式で送信し,携帯電話21ではそれを表示する(ステップS21)。携帯電話21において,作業員から作業のステータスごとに時刻や作業状況のデータの入力があると(ステップS22),イベント管理用Webサーバ23は,その入力データをもとに図3に示すような作業結果データを送受信バッファ26に作成する(ステップS23)。

(2)参考文献6に記載された技術
上記参考文献6の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献6に記載された技術を認定する。

段落0017、0038の記載によれば、携帯電話がインターネットを介してイベント管理用Webサーバにアクセスすることにより、イベント管理用Webサーバは、作業指示データを携帯電話に送信し、携帯電話において作業のステータスごとに時刻や作業状況のデータの入力があると、イベント管理用Webサーバは、作業結果データを作成するものである。

以上より、参考文献6には、次の技術(以下、「参考6技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考6技術)
携帯電話がインターネットを介してイベント管理用Webサーバにアクセスすることにより、イベント管理用Webサーバは、作業指示データを携帯電話に送信し、携帯電話において作業のステータスごとに時刻や作業状況のデータの入力があると、イベント管理用Webサーバは、作業結果データを作成する技術。

3.3.15 参考文献7(特開2004-135194号公報)
(1)参考文献7に記載された事項
参考文献7には、「電子機器操作システム」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。

【0056】
(5-1)新規録画テレビ番組確認操作時におけるパーソナルビデオレコーダ画面表示処理
例えば、パーソナルビデオレコーダ2が自動録画機能等によってこれまで録画した複数種類のテレビ番組のうち、本日新たに録画したテレビ番組(以下、これを新規録画テレビ番組と呼ぶ)のタイトルを確認するための操作(以下、これを新規録画テレビ番組確認操作と呼ぶ)がユーザによりリモートコントローラ3を介して行われる場合にも、パーソナルビデオレコーダ2及びリモートコントローラ3によってパーソナルビデオレコーダ画面表示処理を実行するようになされている。
【0057】
ここでは最初に、新規録画テレビ番組確認操作時におけるパーソナルビデオレコーダ画面表示処理について、図8に示すシーケンスチャートを用いて以下に説明する。
【0058】
ステップSP1においてリモートコントローラ3のCPU20は、例えばユーザによりメニューキー15が押下操作されたことを認識すると、ブラウザプログラムに従って、初期メニュー画面(後述する)のWebページを送信するようにパーソナルビデオレコーダ2に対して要求し、次のステップSP2へ移る。
【0059】
実際上、このときリモートコントローラ3のCPU20は、図9(A)に示すように、初期メニュー画面のWebページに対応するHTMLソースコードの送信を要求する旨(図9(A)において破線で示す)、パーソナルビデオレコーダ2のIPアドレス(図9(A)において一点鎖線で示す)及びリモートコントローラ3において起動されているブラウザプログラムの識別情報(図9(A)において二重線で示す)等が記されたリクエストメッセージMSG1を生成してこれを送信することにより、パーソナルビデオレコーダ2に対して初期メニュー画面のWebページの送信を要求するようになされている。
【0060】
ステップSP2においてパーソナルビデオレコーダ2のCPU30は、初期メニュー画面のWebページを送信するように要求されると、サーバプログラムに従って、ハードディスクドライブ34のパーソナルビデオレコーダ画面記憶領域から初期メニュー画面のWebページを読み出した後これをリモートコントローラ3に対して送信し、次のステップSP3へ移る。
【0061】
実際上、このときパーソナルビデオレコーダ2のCPU30は、初期メニュー画面のWebページの送信として、図9(B)に示すように、ハードディスクドライブ34のパーソナルビデオレコーダ画面記憶領域から読み出した初期メニュー画面のWebページに対応するHTMLソースコードSRC1に対してヘッダ情報HINFを付加することによりレスポンスメッセージMSG2を生成してこれをリモートコントローラ3に対して送信し、この後、当該HTMLソースコードSRC1に付随する画像データ等も送信するようになされている。
【0062】
ステップSP3においてリモートコントローラ3のCPU20は、パーソナルビデオレコーダ2から初期メニュー画面のWebページを受信すると、これに基づいて例えば図10に示すような初期メニュー画面70を表示部11に表示し、次のステップSP4へ移る。
【0063】
ここで初期メニュー画面70には、複数の選択項目がリスト表示されており、これら複数の選択項目のそれぞれはカーソル71によって選択されるようになされている。
【0064】
ステップSP4においてリモートコントローラ3のCPU20は、例えばユーザによって十字キー13を介してカーソル71が操作されることにより、初期メニュー画面70における選択項目「新規情報」が選択された後、この状態で決定キー14が押下されたことを認識すると、選択項目「新規情報」が選択決定されたことをパーソナルビデオレコーダ2に対して伝達し、次のステップSP5へ移る。
【0065】
ステップSP5においてパーソナルビデオレコーダ2のCPU30は、選択項目「新規情報」が選択決定されたことを認識すると、サーバプログラムに従って、ハードディスクドライブ34のパーソナルビデオレコーダ画面記憶領域から新規情報メニュー画面(後述する)のWebページを読み出した後これをリモートコントローラ3に対して送信し、次のステップSP6へ移る。
【0066】
ステップSP6においてリモートコントローラ3のCPU20は、パーソナルビデオレコーダ2から新規情報メニュー画面のWebページを受信すると、これに基づいて例えば図10に示すような、3つの選択項目がリスト表示されており当該3つの選択項目のそれぞれがカーソル71によって選択されるようになされた新規情報メニュー画面80を表示部11に表示し、次のステップSP7へ移る。
【0067】
ステップSP7においてリモートコントローラ3のCPU20は、例えばユーザによって十字キー13を介してカーソル71が操作されることにより、新規情報メニュー画面80における選択項目「新規録画テレビ番組」が選択された後、この状態で決定キー14が押下されたことを認識すると、選択項目「新規録画テレビ番組」が選択決定されたことをパーソナルビデオレコーダ2に対して伝達し、次のステップSP8へ移る
【0068】
ステップSP8においてパーソナルビデオレコーダ2のCPU30は、選択項目「新規録画テレビ番組」が選択決定されたことを認識すると、基本機能提供プログラムに従ってハードディスクドライブ34を参照することにより、例えば本日付のタイムスタンプを有する複数種類のテレビ番組のテレビ番組データを認識した後、当該認識した複数種類のテレビ番組データのそれぞれのデータ名に基づいて、本日新たに録画した複数種類のテレビ番組(すなわち、新規録画テレビ番組)のタイトルが羅列されてなる新規録画テレビ番組タイトル情報を生成する。
【0069】
そしてパーソナルビデオレコーダ2のCPU30は操作画面生成プログラムに従い、かかる新規録画テレビ番組タイトル情報に基づいて新規録画テレビ番組タイトル一覧画面(後述する)のWebページを生成した後、これをリモートコントローラ3に対して送信し、次のステップSP9へ移る。
【0070】
ステップSP9においてリモートコントローラ3のCPU20は、パーソナルビデオレコーダ2から新規録画テレビ番組タイトル一覧画面のWebページを受信すると、これに基づいて例えば図11に示すような、複数種類の新規録画テレビ番組のタイトルが羅列されてなる新規録画テレビ番組タイトル一覧画面90を表示部11に表示することにより、本日新たに録画したテレビ番組のタイトルをユーザに確認させた後、次のステップSP10に移って新規録画テレビ番組確認操作時におけるパーソナルビデオレコーダ画面表示処理を終了する。
【0071】
このようにパーソナルビデオレコーダ操作システム1においては、パーソナルビデオレコーダ2に対して新規録画テレビ番組確認操作が行われる際、当該新規録画テレビ番組確認操作に応じた種々のパーソナルビデオレコーダ画面、すなわち初期メニュー画面70、新規情報メニュー画面80及び新規録画テレビ番組タイトル一覧画面90をリモートコントローラ3の表示部11に順次表示するようになされている。


(2)参考文献7に記載された技術
上記参考文献7の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献7に記載された技術を認定する。

段落0056?0071、図8の記載によれば、リモートコントローラが、初期メニュー画面を送信するようにパーソナルビデオレコーダに対して要求すると、パーソナルビデオレコーダは、初期メニュー画面をリモートコントローラに対して送信し、リモートコントローラが、選択項目「新規情報」が選択決定されたことを伝達すると、パーソナルビデオレコーダは、新規情報メニュー画面をリモートコントローラに対して送信し、更に、リモートコントローラが、選択項目「新規録画番組」が選択決定されたことを伝達すると、パーソナルビデオレコーダは、新記録がテレビ番組タイトル一覧画面をリモートコントローラに対して送信するものである。

以上より、参考文献7には、次の技術(以下、「参考7技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考7技術)
リモートコントローラが、初期メニュー画面を送信するようにパーソナルビデオレコーダに対して要求すると、パーソナルビデオレコーダは、初期メニュー画面をリモートコントローラに対して送信し、リモートコントローラが、選択項目「新規情報」が選択決定されたことを伝達すると、パーソナルビデオレコーダは、新規情報メニュー画面をリモートコントローラに対して送信し、更に、リモートコントローラが、選択項目「新規録画番組」が選択決定されたことを伝達すると、パーソナルビデオレコーダは、新記録がテレビ番組タイトル一覧画面をリモートコントローラに対して送信する技術。

3.3.16 参考文献8(特開2004-214719号公報)
(1)参考文献8に記載された事項
参考文献8には、「画像入力システム」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。

【0009】
図8に、この実施例の制御フローを示す。以下、その制御フローを説明する。まず、複写機1側で、利用者(ユーザー)の操作に従い、画像転送先のクライアントPC2をリモート操作端末装置として接続する。これにより、クライアントPC内の操作情報送信手段は操作情報としてそのクライアントPC2の操作画面(制御画面)の画面データを複写機1へ送る。
続いて、この画面データを取得した複写機1では、表示制御モジュール28に従って動作するCPU13(以下、表示制御モジュール28と略す、他のモジュールについても同様)がその画面データに従った画面を表示し、それを元に利用者が操作を開始する。これにより、転送プロトコル制御モジュール24は、利用者の操作により発生した操作情報を取得し、その操作情報をそのまま接続先のクライアントPC2へ転送する。そして、クライアントPC2では、転送されてきた操作情報を処理する。
こうして、利用者はクライアントPC上で操作する場合と同様な操作をネットワークスキャナ(この実施例では複写機1)からおこなってクライアントPC2へ画像データを入力することができる。つまり、ネットワークTWAIN方式の操作をおこなうことができるのである。また、この際、利用者は入力した画像データを格納するディレクトリおよびファイルを前記操作画面(送られてきた操作画面)を用いて複写機側(ネットワークスキャナ側)で指定する。これにより、転送プロトコル制御モジュール24はそのディレクトリおよびファイル名をクライアントPC2へ転送する。
そして、複写機1において、前記操作画面(送られてきた操作画面)を用いて最終的に読み取り指示が利用者によりなされたとき、クライアントPC2はTWAINプロトコルを用いて複写機1に対して読み取り要求をおこない、複写機1ではそれに応じて画像を読み取り、クライアントPC2へ画像データを転送する。これにより、クライアントPC2では、転送されてきた画像データを指定されたディレクトリの指定のファイルに格納する。さらに、格納した結果を複写機側の利用者へ表示情報として返す。
こうして、この実施例によれば、画像データを取り込む情報処理装置の位置がネットワークスキャナの近くでなくてはならないという位置の制約がなく、且つ、読み取った画像データの整理を読み取った時点でおこなうことができる。


(2)参考文献8に記載された技術
上記参考文献8の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献8に記載された技術を認定する。

段落0009、図8の記載によれば、複写機側で、PCを接続すると、PCは操作画面の画面データを複写機へ送り、画面データを取得した複写機では、画面データを元に、利用者の操作により発生した操作情報をそのまま接続先のPCへ転送し、PCでは、転送されてきた操作情報を処理し、操作画面を複写機へ送り、利用者は入力した画像データを格納するディレクトリおよびファイルを送られてきた操作画面を用いて複写機側で指定することにより、ディレクトリおよびファイル名をPCへ転送し、複写機において、前記操作画面(送られてきた操作画面)を用いて最終的に読み取り指示が利用者によりなされると、PCは複写機に対して読み取り要求をおこない、複写機ではそれに応じて画像を読み取り、PCへ画像データを転送し、PCでは、転送されてきた画像データを指定されたディレクトリの指定のファイルに格納するものである。

以上より、参考文献8には、次の技術(以下、「参考8技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考8技術)
複写機側でPCを接続すると、PCは操作画面の画面データを複写機へ送信し、複写機は操作情報をPCへ転送し、PCは操作画面を複写機へ送信し、複写機は画像データを格納するディレクトリおよびファイル名を転送し、複写機において読み取り指示がなされると、PCは複写機に対して読み取り要求をおこない、複写機は画像を読み取り転送し、PCは転送された画像を指定されたディレクトリの指定のファイルに格納する技術。

3.3.17 参考文献9(特開平11-175214号公報)
(1)参考文献9に記載された事項
参考文献9には、「データ処理装置および周辺機器およびデータ処理システムおよびデータ処理システムのデータ処理方法およびコンピュータが読み出し可能なプログラムを格納した記憶媒体」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。

【0034】第4に、操作画面の遷移を辿っていき、前以って遷移に定義されている周辺機器21を動作させる状態に移った場合、今までの操作画面の遷移で集めた設定情報を用いて、周辺機器管理サーバ202に周辺機器21の制御を依頼する。

【0043】〔ユーザによる選択操作orシステムによるイベントによる動作〕まず、ユーザによる選択操作orシステムによるイベントが起こると(35)、ユーザインタフェース制御装置204が操作画面の選択情報orシステムによるイベントを判断して(36)、ユーザインタフェースサーバ201に次の操作画面を送ってもらう必要があるか判断し、送ってもらう必要があると判断した場合は、現在までに収集できた選択データと、周辺機器登録ID,操作画面IDを含むデータD313をユーザインタフェースサーバ201に送り、収集した選択データを破棄する。
【0044】例えば、操作画面のチェックボックスをユーザがチェックするような選択操作が発生した場合、プリミティブなユーザインタフェース制御装置204はチェックされたチェックボックスのインタフェースハンドルを記録する。そして、OKボタンやCancelボタンが押された場合のみ、それまで格納されたインスタンスハンドルをまとめてユーザインタフェースオペレーションデータ2004(データD313として)にし、ユーザインタフェースサーバ201に送ることになる。
【0045】次に、ユーザインタフェースサーバ201は、転送されるデータD313を解析して操作画面上で選択された位置やGUI部品のインスタンスハンドルでどのような選択をされたのか判断し記録する(37)。
【0046】次に、ユーザインタフェースサーバ201は、遷移データから次にプリミティブなユーザインタフェース制御装置204に転送すべきユーザインタフェースディスプレイデータ2003(データD314として)を選択し、プリミティブなユーザインタフェース制御装置204に転送する(38)。
【0047】次に、プリミティブなユーザインタフェース制御装置204は、ユーザインタフェースディスプレイデータ2003(データD314)を受けて、操作画面を作成しGUI入出力装置203に表示するとともに、そのとき操作画面のIDを次の手順(36)の動作に備えて保存する(39)。
【0048】そして、上記手順(35)?(39)の処理を繰り返すことにより、周辺機器21を駆動する状態になった場合、それまでのユーザが選択した情報を用いて周辺機器管理サーバ202に周辺機器の駆動を依頼する。


(2)参考文献9に記載された技術
上記参考文献9の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して参考文献9に記載された技術を認定する。

段落0034、0043?0048、図2の記載によれば、参考文献9には、周辺機器のプリミティブなユーザインタフェース制御装置において、ユーザによる選択操作が起こると、ホストのユーザインタフェースサーバに次の操作画面を送ってもらう必要があるか判断し、送ってもらう必要があると判断した場合は、現在までに収集できた選択データを含むデータDをユーザインタフェースサーバに送ること、ユーザインタフェースサーバは、データDを解析して、次にプリミティブなユーザインタフェース制御装置に転送すべきユーザインタフェースディスプレイデータを選択し、プリミティブなユーザインタフェース制御装置に転送すること、プリミティブなユーザインタフェース制御装置は、ユーザインタフェースディスプレイデータを受けて、操作画面を作成し表示すること。上記手順の処理を繰り返し、周辺機器を駆動する状態になった場合、それまでのユーザが選択した情報を用いてホストの周辺機器管理サーバに周辺機器の駆動を依頼することが記載されている。

以上より、参考文献9には、次の技術(以下、「参考9技術」という。)が記載されていると認められる。

(参考9技術)
周辺機器のプリミティブなユーザインタフェース制御装置は、ユーザによる選択操作が起こると、ホストのユーザインタフェースサーバに次の操作画面を送ってもらう必要があるか判断し、送ってもらう必要があると判断した場合は、現在までに収集できた選択データを含むデータDをユーザインタフェースサーバに送り、
ユーザインタフェースサーバは、データDを解析して、次にプリミティブなユーザインタフェース制御装置に転送すべきユーザインタフェースディスプレイデータを選択し、プリミティブなユーザインタフェース制御装置に転送し、
プリミティブなユーザインタフェース制御装置は、ユーザインタフェースディスプレイデータを受けて、操作画面を作成し表示し、
上記手順の処理を繰り返し、
周辺機器を駆動する状態になった場合、それまでのユーザが選択した情報を用いてホストの周辺機器管理サーバに周辺機器の駆動を依頼する技術。

3.4 判断
3.4.1 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)特許法第29条第2項について
ア 本件訂正発明1について
(ア)対比
本件訂正発明1と甲2発明とを対比する。

(a)本件訂正発明1の構成A、A’と、甲2発明の構成2a、2a’との対比
甲2発明の「Webサーバとして動作する管理サーバ」は、本件訂正発明1の「WEBサーバ装置」に相当する。
また、甲2発明の「管理サーバ」は、構成2bのように、httpを用いて、Webブラウザである表示部からのアクセスにより、Webページとして構成された原稿サイズや解像度の選択を行う操作指示画面を表示部に提供するものであり、Webページとして構成される操作指示画面を提供するものであるから、WEBアプリケーションが搭載されているといえる。

したがって、本件訂正発明1の構成A、A’と、甲2発明の構成2a、2a’は、一致する。

(b)本件訂正発明1の構成Bと、甲2発明の構成2bとの対比
甲2発明の「Webブラウザである表示部を具備した表示装置が含まれたスキャナ」は、本件訂正発明1の「WEBブラウザを有する画像取扱装置」に相当する。

甲2発明の「ネットワークに接続され、httpを用いて、Webブラウザである表示部を具備した表示装置が含まれたスキャナの表示部からのアクセス」に関して、「スキャナの表示部からのアクセス」は、「httpを用いて」おり、管理サーバは、当該アクセスを受信することにより、操作表示画面を提供するものであるから、当該「アクセス」は、操作表示画面を要求する信号であり、「ネットワークに接続」されているので、本件訂正発明1の「第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信する」ことに相当する。

甲2発明の「原稿サイズや解像度の選択を行う操作指示画面を構成するWebページ」は、httpを用いて提供されるものであり、「原稿サイズや解像度の選択」は、スキャナでの読み取りを行うために設定するものである。また、WebページをHTMLデータで構成することは、普通に行われていることである。したがって、甲2発明の「原稿サイズや解像度の選択を行う操作指示画面を構成するWebページ」は、本件訂正発明1の「該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータ」に相当し、「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータ」に相当する。

甲2発明の「表示部に提供」することは、表示部がスキャナに含まれるものであり、上記(a)で検討したように、甲2発明の「管理サーバ」は、WEBアプリケーションが搭載されているといえるから、本件訂正発明1の「前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する」ことに相当する。

したがって、本件訂正発明1の構成Bと、甲2発明の構成2bは、一致する。

(c)本件訂正発明1の構成Cと、甲2発明の構成2cとの対比
甲2発明の「表示部」は、スキャナの表示部であり、構成2bより、表示部はWebブラウザであるから、本件訂正発明1の「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ」に相当する。
上記(b)で検討したことを踏まえるに、甲2発明の「前記操作指示画面」は、本件訂正発明1の「前記条件設定画面」に相当する。

甲2発明の「ユーザが設定を確定した設定内容」は、「原稿サイズや解像度の選択を行う」ことにより設定された内容であり、本件訂正発明1の「入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定」に相当する。

甲2発明の「設定内容を受信」することは、表示部すなわちスキャナから受信するものであり、構成2bのように「ネットワークに接続され」ており、上記(a)で検討したように、甲2発明の「管理サーバ」は、WEBアプリケーションが搭載されているといえるから、本件訂正発明1の「前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信」することに相当する。

したがって、本件訂正発明1の構成Cと、甲2発明の構成2cは、「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信する受信手段」を有する点で共通する。

しかしながら、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定が入力されることに関して、甲2発明は、「前記操作指示画面」を介して入力されるのに対し、本件訂正発明1は、「前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面」を介して入力される点で相違する。
また、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定をWEBアプリケーションが受信することに関して、甲2発明は、本件訂正発明1のように、「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに」受信することに限定されていない点で相違する。
さらに、WEBアプリケーションが受信した条件設定に関して、甲2発明は、本件訂正発明1のように、「記憶手段に保持する」ことに限定されていない点で相違する。

(d)本件訂正発明1の構成Dと、甲2発明の構成2dとの対比
甲2発明の「表示部に表示された読取指示画面でユーザが操作した指示内容を受信する」ことは、読み取りの指示を受信するものである。また、表示部すなわちスキャナから受信しており、構成2bより、表示部と管理サーバは、「httpを用いて」通信することから、本件訂正発明1の「前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信する」ことに相当する。
甲2発明の「原稿の読み取り指示を、スキャナに対して送信する」ことは、『スキャナでの読み取り指示をさせるためのデータを、スキャナに送信する』ことであるから、本件訂正発明1の「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する」こととは、「実行指示データを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する」点で共通する。

したがって、本件訂正発明1の構成Dと、甲2発明の構成2dは、「前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、実行指示データを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段」を有する点で共通する。

しかしながら、実行指示データに関して、甲2発明は、本件訂正発明1のように、「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる」データに限定されていない点で相違する。

(e)まとめ
上記(a)?(d)から、本件訂正発明1と甲2発明は、以下の点で一致ないし相違する。

<一致点>
WEBアプリケーションが搭載されたWEBサーバ装置であって、
WEBブラウザを有する画像取扱装置から第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信すると、該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータであって、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と、
前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信する受信手段と、
前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、実行指示データを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と、
を有することを特徴とするWEBサーバ装置。

<相違点>
(相違点1)
前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定が入力されることに関して、本件訂正発明1は、「前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面」を介して入力されるのに対し、甲2発明は、「前記操作指示画面」を介して入力される点。

(相違点2)
前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定をWEBアプリケーションが受信することに関して、本件訂正発明1は、「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに」「受信して記憶手段に保持する」のに対し、甲2発明は、そのような限定がない点。

(相違点3)
実行指示データに関して、本件訂正発明1は、「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる」データであるのに対し、甲2発明は、そのような限定がない点。

(イ)判断
相違点2について検討する。
甲2発明には、管理サーバが「表示部に表示された前記(原稿サイズや解像度の選択を行う)操作指示画面にてユーザが設定を確定した設定内容を受信」すること、すなわち、スキャナでスキャン処理を実行するための条件設定が入力され、条件設定が確定されると、管理サーバが条件設定を受信することについては開示されているものの、本件訂正発明1のような「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに」、該条件設定を「受信して記憶手段に保持する」ことは開示されていない。

相違点2について、異議申立人は、平成30年6月15日付け意見書において、「Webサーバが入力画面のHTMLデータを送信し、ブラウザ上で表示される入力画面を介して入力された情報を、入力画面から入力されるたびにWebサーバが受信すること自体は、当該Web技術分野において周知技術である。」と主張し、周知技術に関する文献として、甲第6号証及び参考文献6?9を提示しているので、まず、これらの文献について、以下で検討する。

(a)甲第6号証について
ネットワーク複写機が、ユーザが指定した動作モードを送り先コンピュータに送付する構成に関して、甲6技術には、ネットワーク複写機が「スキャンされた画像を送り先コンピュータに送付するための送り先コンピュータ側で行われる処理の動作モード(保存ファイルフォーマット、保存ディレクトリ)を指定し、当該動作モードを送り先のコンピュータに送付し、」「当該動作モードの指定及び送付を繰り返す」ことが開示されている。

しかし、甲6技術は、ネットワーク複写機が、「スキャンを行うために、」「ネットワーク複写機側で行われる処理のパラメータ(画像タイプ、解像度)を指定」するものであるが、ネットワーク複写機側で行われる処理のパラメータ(画像タイプ、解像度)を送り先のコンピュータに送付するものでなく、ネットワーク複写機側で行われる処理のパラメータ(画像タイプ、解像度)の指定及び送付を繰り返すものでない。

そうすると、甲2発明に甲6技術を組み合わせたとしても、本件訂正発明1のような「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信」する構成が容易に想到し得るものとはいえない。

(b)参考文献6?9について
参考6技術や参考7技術は、画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定に関する技術ではない。

参考8技術は、「複写機から転送されてきた操作情報を受信し、操作画面を複写機へ送信し、複写機から転送されてきた画像データを格納するディレクトリおよびファイル名を受信」するものである。ここで、「ディレクトリおよびファイル名」は、PCに関連する構成であり、本件訂正発明1の「スキャン処理を実行するための条件設定」に相当するものではない。
また、参考8技術の「操作情報」が、本件訂正発明1の「スキャン処理を実行するための条件設定」に相当するものであるとしても、参考8技術には、「操作情報」をどのようなタイミングで受信するかについての限定はなく、条件設定が入力されるたびに受信するものとはいえない。

参考9技術は、「現在までに収集できた選択データを含むデータDをユーザインタフェースサーバに送」るものであるから、参考9技術の「選択データ」が、本件訂正発明1の「スキャン処理を実行するための条件設定」に相当するものであるとしても、「現在までに収集できた選択データ」という記載から、参考9技術のユーザインタフェースサーバは、選択データをまとめて受信するものであり、条件設定が入力されるたびに受信するものとはいえない。

したがって、甲2発明に参考6技術?参考9技術のいずれを組み合わせたとしても、本件訂正発明1のような「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信」する構成が容易に想到し得るものとはいえない。

(c)その他の文献について
さらに、甲1発明、甲3技術?甲5技術、甲7技術、甲8技術、参考1技術?参考5技術にも、上記「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信」する構成は記載も示唆もなく、当業者であっても、容易に想到し得るものではない。

したがって、相違点1、3について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、甲2発明、甲1発明、甲3技術?甲8技術、参考1技術?参考9技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

イ 本件訂正発明2?4について
本件訂正発明2?4は、本件訂正発明1を直接または間接的に引用していることから、上記相違点2に係る構成を有している。ここで、相違点2に対する判断は、上記ア(イ)で検討したとおりであるから、本件訂正発明2?4も、甲2発明、甲1発明、甲3技術?甲8技術、参考1技術?参考9技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

ウ 本件訂正発明5、6について
本件訂正発明5、6は、本件訂正発明1とカテゴリーが異なるだけの発明であり、上記相違点2に係る構成と同様の構成を有している。ここで、相違点2に対する判断は、上記ア(イ)で検討したとおりであるから、本件訂正発明5、6も、甲2発明、甲1発明、甲3技術?甲8技術、参考1技術?参考9技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

エ 本件訂正発明7?9について
本件訂正発明7?9は、本件訂正発明6を直接または間接的に引用していることから、上記相違点2に係る構成と同様の構成を有している。ここで、相違点2に対する判断は、上記ア(イ)で検討したとおりであるから、本件訂正発明7?9も、甲2発明、甲1発明、甲3技術?甲8技術、参考1技術?参考9技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

オ 小括
以上のとおり、本件訂正発明1?9は、甲2発明、甲1発明、甲3技術?甲8技術、参考1技術?参考9技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

(2)特許法第36条第6項第1号について
ア 取消理由の記載
(ア)平成29年7月28日付け取消理由の記載
平成29年7月28日付けで通知した取消理由において、請求項1?9に係る特許発明(以下、項番にしたがい「本件特許発明1」?「本件特許発明9」といい、これらを総称して「本件特許発明」という。)は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨の通知をした。

その概要は、以下のとおりである。

本件特許発明1、5、6、及び、1を引用する2-4、6を引用する7-9は、Webサーバは、順次送られてくるスキャン条件に応じて最低限設定される必要がある情報が揃ったかを判断し、揃ったと判断されるとスタートボタンの押下を可能にする点、及び、MFPブラウザで解釈可能な複合機のハードウェアを制御するための拡張スクリプトを含むHTML形式の条件設定に基づいた実行指示データを送信する点を特定しなければ、本願発明の課題は解決できない。

本件特許発明3、8、及び、3を引用する4、8を引用する9は、「前記条件設定は、解像度及び原稿サイズに係る設定のうち、少なくとも一つを含む」という記載における、「前記条件設定は、解像度及び原稿サイズに係る設定」の場合が、発明の詳細な説明に記載も示唆もされていない。

(イ)平成30年2月14日付け取消理由<決定の予告>の記載
平成30年2月14日付けで通知した取消理由<決定の予告>において、平成29年10月2日付けで訂正された請求項1?9(以下、項番にしたがい「本件第1訂正発明1」?「本件第1訂正発明9」といい、これらを総称して「本件第1訂正発明」という。)に係る発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨の通知をした。

その概要は、以下のとおりである。

本件第1訂正発明1は、実行指示データが、HTML形式のデータであり、スクリプトにスキャンの実行指示が定義されていることの限定がなく、「前記受信手段で受信した前記条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定した実行指示データ」との構成が記載されているのみであり、当該関数の指定によりどのようにしてハードウェアを制御するのかについて、発明の詳細な説明には記載がなく、「HTMLデータを操作パネルの表示に利用しただけでは画像の生成に用いる特有のハードウェアを制御するということはできない。」(段落0006)という課題を解決した発明であるといえない。
したがって、本件第1訂正発明1は、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものになる。

イ 判断
(ア)上記ア(ア)のうちの「MFPブラウザで解釈可能な複合機のハードウェアを制御するための拡張スクリプトを含むHTML形式の条件設定に基づいた実行指示データを送信する点」に特定すること、及び、上記ア(イ)について

本件訂正請求による訂正により、本件訂正発明1、5、6の実行指示データは、「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データ」となった。

発明の詳細な説明には、以下のような記載がある。

「【0002】
近年におけるプリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリ、又はこれらの機能を一台の筐体で実現する複合機等の画像形成装置では、メモリ等の制限は厳しいものの、汎用的なコンピュータと同様にCPUを備え、各機能はアプリケーションの制御によって実現されるようになっている。
【0003】
このような画像形成装置の中には、アプリケーションを実装するためのAPI(Application Program Interface)が公開され、その出荷後にユーザの利用環境に適したアプリケーションの実装により、カスタマイズが可能とされているものもある(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、画像形成装置の操作パネルへの表示を外部サーバからのHTML(Hyper Text Markup Language)データを用いているという技術もある(例えば、特許文献2又は特許文献3)。」

「【0005】
しかしながら、公開されているAPIに基づいて新たにアプリケーションを実装するためには、C言語やJava(登録商標)言語等に精通している必要があるところ、その習得は必ずしも容易なものではない上に、これらの新たなアプリケーション開発の実行環境の整備や開発自体も画像形成装置側で行なう必要がある。
【0006】
また外部サーバのアプリケーションにより、HTMLデータを画像形成装置の操作パネルに表示させる場合には、サーバ側でアプリケーションの開発や管理ができるため画面開発の効率化にはなり得るが、HTMLデータは基本的には表示用データであるため、HTMLデータを操作パネルの表示に利用しただけでは画像の生成に用いる特有のハードウェアを制御するということはできない。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、画面開発の効率化を維持するとともに、画像形成装置が有する特有のハードウェアの制御も可能なインタフェースを提供する画像取扱装置、画像取扱方法及びプログラムの提供を目的とする。」

「【0058】
図11は、スキャン実行指示データにおけるスクリプトの定義例を示す図である。図11に示されるスクリプト6041において、記述6041b(「System.LocalCGI.doScan(<URL>,・・・)」)は、スキャンの実行関数(以下「doScan()」という。)であり、その定義は、エンジン部502等に実装されている。doScan()内では、スキャンの実行処理及びスキャン画像の配信処理が定義されている。一方、記述6041aは、ユーザによって指定されたスキャン条件をdoScan()内で参照可能とするための定義である。図中では、解像度に関する設定のみが記述されており、他の条件については便宜上省略されている。」

ここで、段落0002、0003、0005には、画像形成装置の各機能はアプリケーションの制御によって実現され、APIが公開されることにより、その出荷後にユーザの利用環境に適したアプリケーションの実装により、カスタマイズが可能であるが、公開されているAPIに基づいて新たにアプリケーションを実装するための言語を習得するのは容易でなく、実行環境の整備や開発自体を画像形成装置側で行う必要があることが記載されている。
また、段落0004、0006には、操作パネルへの表示を外部サーバからのHTMLデータを用いるが、HTMLデータを操作パネルの表示に利用しただけでは画像の生成に用いる特有のハードウェアを制御するということはできないことが記載され、段落0007において、画面開発の効率化を維持するとともに、画像形成装置が有する特有のハードウェアの制御も可能なインタフェースを提供する画像取扱装置、画像取扱方法及びプログラムの提供を目的とすることが記載されているものである。

すなわち、本願発明の課題としては、「公開されているAPIに基づいて新たにアプリケーションを実装するための言語を習得するのは容易でなく、HTMLデータを操作パネルの表示に利用しただけでは画像の生成に用いる特有のハードウェアを制御するということはできない」ことが記載されている。そして、段落0058より、スキャンの実行関数であれば、課題を解決することが可能である。したがって、実行指示データについて「前記受信手段で受信した前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データ」と訂正されたので、「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数」により、スキャナでスキャン処理を実行する、すなわち、画像の生成に用いる特有のハードウェアを制御することとなり、本件訂正発明1、5、6、及び、1を引用する2-4、6を引用する7-9は、課題を解決するための手段が反映された発明といえる。

(イ)上記ア(ア)のうちの「Webサーバは、順次送られてくるスキャン条件に応じて最低限設定される必要がある情報が揃ったかを判断し、揃ったと判断されるとスタートボタンの押下を可能にする点」に特定することについて

当該構成は、「公開されているAPIに基づいて新たにアプリケーションを実装するための言語を習得するのは容易でなく、HTMLデータを操作パネルの表示に利用しただけでは画像の生成に用いる特有のハードウェアを制御するということはできない」という課題を解決するための手段に対応する構成ではないことから、本件訂正発明1、5、6、及び、1を引用する2-4、6を引用する7-9は、発明の課題を解決するための手段が反映されていないということはできない。

(ウ)上記ア(ア)の「前記条件設定は、解像度及び原稿サイズに係る設定のうち、少なくとも一つを含む」という記載について

発明の詳細な説明の段落0045?0048には、
「【0045】
したがって、例えば、解像度ボタン6011が押下(タッチ)されると(S103)、MFPブラウザ1021は、解像度ボタン6011にリンクされているURLに係るHTTPリクエストをWebサーバ102に送信する(S104)。画像形成制御アプリ1021は、当該URLに基づいて、解像度設定画面を表示させるHTMLデータ(以下「解像度設定ページ」という。)を生成し、当該解像度設定ページをMFPブラウザ181に返信する(S105)。MFPブラウザ181は、解像度設定ページの定義を解釈し、解像度設定画面をタッチパネル311に表示させる。
【0046】
図8は、解像度設定画面の表示例を示す図である。図8に示されるように、解像度設定画面602では、解像度ごとにボタンが表示されている。解像度設定ページには、OKボタン6021が押下された際の振る舞いが定義されている。したがって、解像度設定画面602において解像度が選択され、OKボタン6021が押下されると(S106)、MFPブラウザ181は、解像度設定ページにおける定義に基づき選択された解像度を通知するPOSTメッセージをWebサーバ102に送信する(S107)。
【0047】
POSTメッセージが受信されると、画像形成制御アプリ1021は、当該POSTメッセージに含まれている解像度をWebサーバ102のメモリ上に記録(保持)し、スキャン条件設定ページをMFPブラウザ181に返信する(S108)。したがって、タッチパネル311の表示画面は、再びスキャン条件設定画面601(図7)に戻る。
【0048】
以下、ユーザは、解像度の設定と同様の手順で、他の条件の設定画面を表示させ、条件の設定を行う。この間のMFPブラウザ181とWebサーバ102とのやりとりは、解像度の設定の場合と同様に行われる。当該設定操作によって、例えば、原稿種類(モノクロ2値)、原稿サイズ(A4)、濃度(濃い)、圧縮方法(MF)、配信先(配信先のメールアドレス)等がWebサーバ102にPOSTされ、画像形成制御アプリ1021によってそれぞれの値がメモリ上に保持される(S109?S113)。」
と記載されていることから、段落0045?0047で、解像度の設定について詳細に記載され、段落0048で、原稿サイズの設定についても、解像度の設定と同様の手順で設定することが記載されているといえる。

そして、本件訂正発明3、8が直接又は間接に引用する本件訂正発明1、6には、条件設定に関して、「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに」と記載されていることから、複数の条件設定画面のうちの一の条件設定画面から、解像度についての条件設定を入力し、別の条件設定画面から原稿サイズについての条件設定を入力するものであり、本件訂正発明3、8、及び、3を引用する4、8を引用する9は、段落0045?0048に記載されているといえる。

(エ)まとめ
したがって、本件訂正発明1?9は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。

(3)特許法第36条第6項第2号について
ア 取消理由の記載
平成30年2月14日付けで通知した取消理由<決定の予告>において、本件第1訂正発明4、9は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない旨の通知をした。

その概要は、以下のとおりである。

(ア)「前記画像取扱装置のハードウェアを呼び出す拡張されたスクリプト」とは、どのような意味であるのか明確でなく、発明を理解することができない。
(イ)スクリプトについての限定がない本件第1訂正発明1の「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数」と、本件第1訂正発明4の「前記画像取扱装置のハードウェアを呼び出す拡張されたスクリプトを含むHTML形式のデータ」の関係が不明確であるため、本件訂正発明4の「実行指示データ」がどのような構成であるのか理解することができない。

イ 判断
上記ア(ア)について、本件訂正発明4では、「前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータ」に訂正されているので、その記載は明確になった。

上記ア(イ)について、本件訂正発明4では、「前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータ」に訂正され、また、本件訂正発明1は、「前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データ」に訂正されたことから、本件訂正発明4の実行指示データは、本件訂正発明1の「前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数」を記述するためのスクリプトを含むこととなり、その記載は明確になった。

同様に、本件訂正発明9についての記載も明確になった。

したがって、本件訂正発明4、9は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。

3.4.2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について

(1)特許法第29条第2項について
異議申立人は、本件特許発明1が、甲第1号証及び甲第4号証?甲第6号証に記載された周知技術より当業者が容易になし得たことを主張しているので、この点について検討する。

上記3.3.1(2)において認定した甲1発明を再掲する。
(甲1発明)
ネットワークPCであって、
MFPから、ユーザが所望のサービスを選択する旨のHTMLをネットワークを介して受信すると、UI表示のHTMLをMFPに送り、
MFPのUI上で「スキャンボタン」が選択されると、「スキャンボタン」が選択されたことを示すHTMLを受け取り、MFPがスキャニングを開始するためのHTMLをMFPに送る
ネットワークPC。

本件訂正発明1と甲1発明を対比検討するに、少なくとも、下記の相違点を有するものである。

<相違点>
(相違点1)
甲1発明は、「画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する」構成を有していない点。

(相違点2)
甲1発明は、「前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信して記憶手段に保持する」構成を有していない点。

(相違点3)
甲1発明は、「前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する」構成を有していない点。

相違点2について検討する。
スキャン処理を実行するための条件設定を行うことが甲4技術?甲6技術のように周知であるとし、更に、甲2発明、甲3技術、甲7技術、甲8技術、参考1技術?参考9技術を勘案しても、上記3.4.1(1)ア(イ)で検討したように、「前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに」該条件設定を「受信して記憶手段に保持する」構成は、当業者であっても、容易に想到し得るものではない。

したがって、本件訂正発明1は、甲1発明、甲2発明、甲3技術?甲8技術、参考1技術?参考9技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。
本件訂正発明2?9も、同様に、甲1発明、甲2発明、甲3技術?甲8技術、参考1技術?参考9技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

よって、異議申立人の主張を認めることはできない。

4.むすび
したがって、訂正後の請求項1?9に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に訂正後の請求項1?9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WEBアプリケーションが搭載されたWEBサーバ装置であって、
WEBブラウザを有する画像取扱装置から第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信すると、該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータであって、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と、
前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションが受信して記憶手段に保持する受信手段と、
前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、前記WEBアプリケーションが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段と、
を有することを特徴とするWEBサーバ装置。
【請求項2】
前記受信手段で受信した前記条件設定に基づいて、前記実行指示データを生成する生成手段をさらに有する請求項1に記載のWEBサーバ装置。
【請求項3】
前記条件設定は、解像度及び原稿サイズに係る設定のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のWEBサーバ装置。
【請求項4】
前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のWEBサーバ装置。
【請求項5】
WEBアプリケーションが搭載されたWEBサーバ装置が行う方法であって、
WEBブラウザを有する画像取扱装置から第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信すると、該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータであって、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと、
前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに、受信手段が前記WEBアプリケーションにより前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から受信して記憶手段に保持するステップと、
前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、第2の送信手段が前記WEBアプリケーションにより、前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
WEBアプリケーションプログラムであって、
WEBサーバ装置を、
WEBブラウザを有する画像取扱装置から第1のHTTPリクエストをネットワークを介して受信すると、該第1のHTTPリクエストで指定されているURLに基づくHTMLデータであって、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を入力させる条件設定画面に係るHTMLデータを、前記WEBアプリケーションプログラムが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する送信手段と、
前記画像取扱装置の前記WEBブラウザ上に表示される前記条件設定画面への入力に応じて表示される複数の条件設定画面を介して入力された前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための条件設定を、前記複数の条件設定画面のうち一の条件設定画面から該条件設定が入力されるたびに前記ネットワークを介して前記画像取扱装置から前記WEBアプリケーションプログラムが受信して記憶手段に保持する受信手段と、
前記画像取扱装置からスキャン処理の実行に係る指示を含む第2のHTTPリクエストを前記ネットワークを介して受信すると、前記受信手段で受信された前記条件設定であって、前記第2のHTTPリクエストを受信したときに前記記憶手段に保持されている条件設定と、前記画像取扱装置のスキャナでスキャン処理を実行するための関数とを指定することで、前記条件設定に基づくスキャン処理を実行させる実行指示データを、前記WEBアプリケーションプログラムが前記ネットワークを介して前記画像取扱装置に送信する第2の送信手段、
として機能させることを特徴とするWEBアプリケーションプログラム。
【請求項7】
前記WEBサーバ装置を、さらに、
前記受信手段で受信した前記条件設定に基づいて、前記実行指示データを生成する生成手段として機能させることを特徴とする請求項6に記載のWEBアプリケーションプログラム。
【請求項8】
前記条件設定は、解像度及び原稿サイズに係る設定のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のWEBアプリケーションプログラム。
【請求項9】
前記実行指示データは、前記関数を記述するためのスクリプトを含むHTML形式のデータであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のWEBアプリケーションプログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-10-23 
出願番号 特願2015-77968(P2015-77968)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (H04N)
P 1 651・ 851- YAA (H04N)
P 1 651・ 121- YAA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 橋爪 正樹  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 渡辺 努
樫本 剛
登録日 2016-11-11 
登録番号 特許第6036904号(P6036904)
権利者 株式会社リコー
発明の名称 WEBサーバ装置、方法、WEBアプリケーションプログラム  
復代理人 坂井 樹弘  
代理人 伊東 忠重  
代理人 伊東 忠重  
復代理人 坂井 樹弘  

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