• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1346962
審判番号 不服2017-18834  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-19 
確定日 2019-01-07 
事件の表示 特願2016-529776「共有に基づくコンテンツアイテム同期の優先付け」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月29日国際公開,WO2015/013015,平成28年 9月 8日国内公表,特表2016-527635,請求項の数(12)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2014年(平成26年)7月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年7月25日(以下,「優先日」という。),アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

平成28年 3月18日 :手続補正書の提出
平成29年 4月14日付け:拒絶理由通知書
平成29年 7月20日 :意見書,手続補正書の提出
平成29年 8月30日付け:拒絶査定(原査定)
平成29年12月19日 :審判請求書,手続補正書の提出
平成30年11月 9日付け:拒絶理由通知書
平成30年11月13日 :意見書,手続補正書の提出


第2 本願発明
本願請求項1-12に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は,平成30年11月13日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
コンピュータで実施される方法であって,
クライアントデバイスによって,第1同期順序にしたがうコンテンツ管理システムとの同期のために並べられた複数のコンテンツアイテムを特定することであって,前記第1同期順序は前記複数のコンテンツアイテムの共有ステータスに基づく同期を規定し,前記複数のコンテンツアイテムの部分集合は前記共有ステータスを有し,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期されることと,
前記クライアントデバイスによって,第1コンテンツアイテムおよび少なくともひとつの第2コンテンツアイテムについてのサブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定することと,
前記クライアントデバイスによって,前記第1および第2同期順序にしたがって前記複数のコンテンツアイテムを前記コンテンツ管理システムと同期することと,を含み,
前記第2同期順序は前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムを前記クライアントデバイスから前記コンテンツ管理システムへアップロードすることを含み,次いで前記第1同期順序は共有ステータスを伴わない前記コンテンツアイテムをアップロードすることを含むコンピュータで実施される方法。」

なお,本願発明2-12の概要は以下のとおりである。

本願発明2-6は,本願発明1を減縮した発明である。
本願発明7-9は,本願発明1,3,5に対応するクライアントデバイスの発明であり,本願発明1,3,5とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
また,本願発明10は,本願発明1に対応するコンピュータプログラムの発明であり,本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
そして,本願発明11-12は,本願発明10を減縮した発明である。


第3 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,国際公開第2012/177253号(2012年12月27日出願公開。以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに,次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。

「[0001] The disclosed embodiments relate generally to sharing of data over a network. In particular, the disclosed embodiments are directed to sharing of user files via user-generated links. 」
(当審仮訳:[0001] 開示される実施例は,ネットワーク越しにデータを共有することに一般に関連するものである。特に,開示される実施例は,ユーザが生成したリンクを通じてユーザファイルを共有することに向けられている。)

「[0010] FIG. 1 illustrates a file access server 100 in accordance with one embodiment. File access server 100 includes a sharing module 105 and file server 103. Sharing module 105 provides functionality for sharable file links as described below. File server 103 provides network file storage for clients 110A and 110B of a file access service that includes file access server 100. For example, a first client 110A may store one or more files 111 on file server 103; a second client 110B may store one or more files 112 on file server 103. In some embodiments, software executing on the client 110 integrates the network-stored files with the client's local file system to enable a user to manipulate the network-stored files through the same user interface (UI) as is used to manipulate files on the local file system, e.g., via a file explorer. In FIG. 1, file sets 111 and 112 are illustrated within clients 110A and 110B with dotted lines to illustrate this integration; the files in the set are understood to reside on file server 103. Note that in some embodiments, clients 110 may additionally maintain a cache of the file sets stored on the network file server 103, to improve speed and reliability. Those of skill in the art will recognize that various methods exist to maintain synchronization between local and network based files. In other embodiments, clients 110 access file sets via a web interface, or through a custom-designed client installed on a client device. Devices might include, for example, a desktop or laptop computer, a tablet computing device, or a handheld computing device such as a personal digital assistant or a smart phone (e.g., an IPHONE or BLACKBERRY, or a SYMBIAN or ANDROID-based smart phone). One provider of a suitable file access service is Dropbox Inc., of San Francisco, California. 」
(当審仮訳:[0010] 図1は,一実施例に沿ったファイルアクセスサーバ100について説明する。ファイルアクセスサーバ100は,共有モジュール105とファイルサーバ103を含む。共有モジュール105は,以下に記すとおり,共有可能なファイルリンクのための機能を提供する。ファイルサーバ103は,ファイルアクセスサーバ100を含むファイルアクセスサービスのクライアント110Aとクライアント110Bにネットワークファイルストレージを提供する。例えば,第1のクライアント110Aは,一つまたはそれ以上のファイル111ファイルサー103に保存してよい;第2のクライアント110Bは,一つまたはそれ以上のファイル112をファイルサーバ103に保存してよい。ある実施例では,クライアント110上で実行されるソフトウェアは,ネットワーク保存されたファイルをクライアントのローカルファイルシステムと統合し,ローカルファイルシステム上のファイルを操作するために使用されるのと同じユーザインターフェイス(UI)を通じて,例えばファイルエクスプローラを通じてユーザがネットワーク保存ファイルを操作できるようにする。図1において,この統合を説明するために,ファイルの集合111及び112は,クライアント110A及び110B内にドット線で示されている;この集合のファイルは,ファイルサーバ103上に存在すると理解される。ある実施例においては,速度と信頼性を改善するために,クライアント110は,ネットワークファイルサーバ103上に保存されたファイル集合のキャッシュを追加的に維持してよいことに留意されたい。当業者は,ローカルファイルとネットワークベースのファイルの間の同期を維持するために様々な方法が存在することを認識するであろう。他の実施例においては,クライアント110は,ウェブインターフェイスを通じて,またはクライアントデバイスにインストールされた特注設計のクライアントにより,ファイル集合にアクセスする。デバイスは,例えば,デスクトップコンピュータ,ラップトップコンピュータ,タブレット計算デバイス,またはパーソナルデジタルアシスタントまたはスマートフォン(例えば,IPHONEまたはBLACKBERRY,あるいはSYMBIANまたはANDROIDベースのスマートフォン)といった手持ち計算デバイスを含むかもしれない。ファイルアクセスサービスに適した一つのプロバイダは,カリフォルニア州,サンフランシスコのDropbox Inc.である。)

「[0014] Clients 110 add files to file server 103 either through a manual upload process, or by synchronization with the local file system. In the embodiment using synchronization, each client 110 executes a synchronization client application through which files 111 of that client are specified for synchronization. The synchronization client application then provides the specified files to the file access server 100. The specified files 111 are then provided to other ones of the clients 110, either by "push" in which the file access server 100 provides the files to the clients associated with a user who provided the files, or by "pull" in which the clients request the files from the file access server. The synchronization client applications and the file access server 100 also ensure that changes to the synchronized files are likewise reflected across all associated clients 110. 」
(当審仮訳:[0014] クライアント110は,手動アップロードの処理を通じて,あるいは,ローカルファイルシステムとの同期により,ファイルサーバ103にファイルを追加する。同期を使用する実施例においては,各クライアント110は,同期クライアントアプリケーションを実行し,これにより,そのクライアントのファイル111を同期のために特定する。同期クライアントアプリケーションは,次に,特定されたファイルをファイルアクセスサーバ100に提供する。そして,特定されたファイル111は,ファイルアクセスサーバ100が当該ファイルを提供したユーザに関連付けられたクライアントに当該ファイルを提供する「プッシュ」,または,クライアントがファイルアクセスサーバ100から当該ファイルを要求する「プル」により,他のクライアント110に提供される。同期クライアントアプリケーションとファイルアクセスサーバ100はまた,同期されたファイルへの変更が同様に全ての関連付けられたクライアントにわたって反映されることを確保する。)

「[0019] Sharing module 105 comprises a sharing database 220 specifying sets of files to be shared and the links used to share them. The sharing module 105 further comprises a link generation module 230 for generating links and specifying corresponding file sets to be shared, a link distribution module 240 for facilitating distribution of the links to other users, a link management module 250 for viewing and removing previously generated links, and a file access module 260 for accessing the files via the generated links.」
(当審仮訳:[0019] 共有モジュール105は,共有されるべきファイルの集合及びそれらを共有するためのリンクを特定する共有データベース220を含む。共有モジュール105は,さらに,リンクを生成し,対応する共有されるべきファイルを特定するためのリンク生成モジュール230,他のユーザへのリンクの頒布を容易にするためのリンク頒布モジュール240,以前に生成されたリンクを見る及び削除するためのリンク管理モジュール250,及び,生成されたリンクを通じてファイルにアクセスするためのファイルアクセスモジュール260を含む。)

「[0036] FIG. 4 is a flowchart illustrating the actions involved in creating a link to files or other content and accessing that content via the link, according to one embodiment.
[0037] The file access server 100 stores 410 a file within the file repository 210. As discussed above, the file could be manually uploaded by one of the clients 110, or it could be stored as a result of file synchronization resulting from coordination of the file access server 100 and synchronization client applications installed on the clients 110, for example.
[0038] The sharing module 105 receives 420 an instruction from a user of a client 110 to share a particular file set that includes the stored file, such as one or more individual files, one or more folders of files, or meaningful portions of files or other content. The request might be, for example, the result of one of the user interface actions depicted in FIGS. 3A-3C.
[0039] Responsive to receiving the request, the sharing module 105 generates 430 a link specifying the file set, as discussed above with respect to the link generation module 230. The link may then be displayed to the user via a user interface such as that of FIGS. 3D or 3F. A user may manually distribute the link to others with whom the associated file is to be shared, or may use the optional link distribution module 240 to facilitate the distribution.
[0040] The sharing module 105 receives 440, from a second client (e.g., client 110B of FIG. 1) located remotely from the first client (e.g., client 110A) that made the request to share the file set, an access request via the link. The file access module 260 then provides 450 a representation of the file set, as described above.」
(当審仮訳:[0036] 図4は,ファイルや他のコンテンツへのリンクを生成し,当該リンクを通じてそのコンテンツにアクセスする際に伴う行為を,ある実施例に沿って説明するフローチャートである。
[0037] ファイルアクセスサーバ100は,ファイルレポジトリ210内にファイルを保存する410。前述で論じたとおり,ファイルは,例えば,クライアント110の一つにより手動でアップロードされるか,または,ファイルアクセスサーバ100とクライアント110にインストールされた同期クライアントアプリケーションの協調によりなされる同期の結果として保存されることができる。
[0038] 共有モジュール150は,一つまたはそれ以上の個々のファイル,一つまたはそれ以上のファイルのフォルダ,ファイルや他のコンテンツの有意な部分といった,保存されたファイルを含む特定のファイル集合を共有する指示を,クライアント110のユーザから受信する420。この要求は,例えば,図3A-3Cに記載したユーザインターフェイスによる行為の一つの結果であるかもしれない。
[0039] 要求の受信に応答して,共有モジュール105は,リンク生成モジュール230に関し前述で論じたとおり,当該ファイル集合を特定するリンクを生成する430。このリンクは,図3Dまたは3Fのユーザインターフェイスのようなユーザインターフェイスを通じてユーザに表示されるかもしれない。ユーザは,関連付けられたファイルが共有されるべき他者に当該リンクを手動で頒布してもよいし,あるいは,頒布を容易にするために任意のリンク頒布モジュール240を用いてもよい。
[0040] 共有モジュール105は,ファイル集合の共有を要求した第1のクライアント(例えば,クライアント110A)から離れて所在する第2のクライアント(例えば,図1のクライアント110B)から,リンクを通じてのアクセス要求を受信する440。すると,ファイルアクセスモジュール260は,前述のとおり,ファイル集合の提示を提供する450。)

(2)上記記載から,引用文献1には,次の技術事項が記載されているものと認められる。

ア 引用文献1は,ユーザのファイルをリンクを通じて共有する技術に関するものである([0001])。

イ クライアントは,ファイルアクセスサーバに一つまたはそれ以上のファイル,すなわち,複数のファイルを保存するが,その際,クライアントは,同期クライアントアプリケーションを実行し,同期される複数のファイルを特定し,特定されたファイルをファイルアクセスサーバに提供する([0010] ,[0014],[0037])。

ウ クライアントは,デスクトップコンピュータ,ラップトップコンピュータ,タブレット,手持ち計算デバイス等のデバイスにより構成され得る([0010])。

エ ファイルアクセスサーバに含まれる共有モジュールは,保存されたファイルを含むファイルの集合の共有の指示をクライアントのユーザから受信すると,当該ファイルの集合を特定するリンクを生成する([0039])。
また,当該生成されたリンクは,ユーザの手動により,または,当該共有モジュールを構成するリンク頒布モジュールを利用することにより,他のユーザに頒布される([0019],[0040])。

オ ファイルアクセスサーバに保存されたファイルは,前記生成及び頒布されたリンクを通じて,他のユーザに共有される([0040])。

(3)上記(1),(2)から,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「デスクトップコンピュータ等のクライアントデバイスにより構成されるクライアントは,当該クライアントが実行する同期アプリケーションによって,ファイルアクセスサーバとの同期のための複数のファイルを特定し,当該特定された複数のファイルを,ファイルアクセスサーバと同期し,
クライアントデバイスから当該複数のファイルをファイルアクセスサーバに保存する方法であって,
前記保存されたファイルは,クライアントのユーザから共有の指示を受けて生成され,また頒布されたリンクを通じて,他のユーザと共有され得る,方法。」

2 引用文献2について
(1)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,米国特許出願公開第2005/0147130号明細書(2005年7月7日出願公開。以下,「引用文献2」という。)には,図面とともに,次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。

「[0009] An exemplary embodiment of the present invention may include a system, method, and computer program product for priority-based synchronization of personal information manager (PIM) items that may be user-defined. The system may allow the user to assign the order in which PIM items may be synchronized. The system may further allow a synchronization process to be interrupted before all synchronization tasks have been completed. The process of synchronizing data may include, e.g., updating data to or replicating from a common database, and/or merging data from two sources including resolving any conflicts.
[0010] FIG. 1 depicts an exemplary embodiment of a diagram 100 illustrating a prioritized synchronization system including a mobile device 102 in use by a user 101 to synchronize data on the mobile device 102 with a base device 104 in an exemplary embodiment of the present invention. Using the exemplary prioritized synchronization system may include, e.g., (but not limited to) receiving one or more synchronization priority assignments at the mobile device 102, the base device 104, or another device (not shown). Mobile device 102 as shown may be coupled to base device 104 over an exemplary wireless communication link 103. In an exemplary embodiment, the mobile device 102 may be wirelessly communicating with base device 104. ・・・(中略)・・・」
(当審仮訳:[0009] 現行発明の一つの例示的な実施例は,ユーザによって定義されることができる個人情報マネージャ(PIM)項目の,優先度に基づく同期のためのシステム,方法,コンピュータプログラム製品を含んでよい。システムは,PIM項目が同期される順序を割り当てることをユーザに許してもよい。システムは,さらに,すべての同期が完了する前に,同期処理が中断されることを許してもよい。データ同期の処理は,例えば,共通データベースへのデータの更新又は共通データベースからの複製,及び/又は不一致を解消する二つのソースからデータを統合することを含んでもよい。
[0010] 図1は,現行発明の例示的実施例における,モバイルデバイス102上のデータを基地デバイス104と同期するためにユーザ101により使用中のモバイルデバイス102を含む優先付け同期システムを説明する図表100の例示的な実施例を表している。例示的な優先付け同期システムを用いることは,例えば(しかし限定するのではなく),モバイルデバイス102,基地デバイス,または(図示されない)他のデバイスにおいて一つまたは複数の同期優先度割当てを受信することを含んでよい。図示されたモバイルデバイス102は,例示的な無線通信リンク103により基地デバイス104と結合されてもよい。ある例示的な実施例において,モバイルデバイス102は,無線により基地デバイス104と通信をしてもよい。・・・(中略)・・・」

「[0012] Synchronization tasks 110 in an exemplary embodiment may include, e.g., (but not limited to) the individual synchronization transactions between applications on separate mobile and base devices 102, 104. For example, (but not limited to) coordinating data between a calendar application on an exemplary wireless PDA mobile device 102 and a calendar application on an exemplary desktop base device 104 is an example of a synchronization task 110. Synchronization tasks 110 may be defined or created at different levels of granularity. ・・・(中略)・・・
[0014] The synchronization policy manager 108 may assign synchronization priorities to the synchronization tasks 110. In an exemplary embodiment, the synchronization priorities may be assigned according to implicit, or explicit factors. Briefly, an exemplary, but not limiting, implicit factor may include prioritization based on application usage frequency. An exemplary, but not limiting explicit factor might include a user specified order of priority. Of course other factors may be used. Generally, exemplary explicit factors may include a factor that may specify a priority directly, i.e., a specified priority. Exemplary implicit factors may include a factor that may derive a priority indirectly from, e.g., other factors. Of course, a combination of implicit and explicit factors may also be used to assign synchronization priorities to synchronization tasks 110. The synchronization policy manager 108 may execute on the mobile device 102, base device 104, or another device (not shown).
・・・(中略)・・・
[0019] In an exemplary embodiment, the synchronization policy manager 108 may order a queue of synchronization tasks 110 in order ranked by synchronization priorities.」
(当審仮訳:[0012] 一つの例示的な実施例における同期タスク110は,例えば(しかし限定されない)別個のモバイルデバイス102と基地デバイス104の間の個々の同期処理を含んでよい。例えば(しかし限定されない),例示的な無線PDAモバイルデバイス102上のカレンダーアプリケーションと例示的なデスクトップ基地デバイス104との間でデータを連係させることは,同期タスク110の一例である。同期タスク110は,異なるレベルの粒度で定義または生成されてよい。
・・・(中略)・・・
[0014] 同期ポリシーマネージャ108は,同期タスク110に同期優先度を割り当ててよい。一つの例示的な実施例においては,同期優先度は,黙示的な,又は明示的な要素に従って割り当てられてよい。簡潔には,例示的な,しかし限定的でない,黙示的要素は,アプリケーションの使用頻度に基づく優先度付けであってよい。例示的な,しかし限定的でない,明示的要素は,ユーザが特定した優先順序を含むかもしれない。もちろん,他の要素を使用してもよい。一般的に,例示的な明示的要素は,優先度を直接に特定する要素,すなわち,特定された優先度を含んでよい。例示的な黙示的要素は,例えば他の要素から間接的に優先度を導き出す要素を含んでよい。もちろん,黙示的及び明示的要素の組合せもまた,同期タスク110に同期優先度を割り当てるために使用されてよい。同期ポリシーマネージャ108は,モバイルデバイス102,基地デバイス104,又は(図示されない)他のデバイス上で実行されてよい。
・・・(中略)・・・
[0019] 一つの例示的な実施例において,同期ポリシーマネージャ108は,同期優先度によりランク付けられた順序で同期タスクのキューイングを命令してもよい。)

(2)上記記載から,引用文献2には,次の技術事項が記載されているものと認められる。

ア モバイルデバイスは,基地デバイスとの間で,PIMデータの同期を行う([0012])。

イ 同期ポリシーマネージャ108は,アプリケーションの使用頻度やユーザが特定した優先順序等に基づいて,PIMデータの同期を行う同期タスクに同期優先度を割り当てる。
また,同期ポリシーマネージャ108は,モバイルデバイス上で実行される([0014])。

(3)上記(1),(2)から,引用文献2には,次の技術事項が記載されていると認められる。

「モバイルデバイスと基地デバイス間でのPIMデータの同期を行う方法において,モバイルデバイスにおいて,アプリケーションの使用頻度やユーザが特定した優先順序等に応じて,PIMデータの同期を行う同期タスクに同期優先度を割り当てること。」

3 引用文献3について
(1)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,特表2009-524889号公報(平成21年7月2日出願公表。以下,「引用文献3」という。)には,図面とともに,次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。

「【0042】
図4は,混成されたピアツーピアとクライアント/サーバアーキテクチャを用いて,コンテンツを共用し,かつ同期化するためのシステム400を示す概略図である。システム400では,図2の方法200と同様な方法でサーバ106を用いて,コンテンツを,クライアントA102,クライアントB104,およびクライアントC406の間でやはり共用することができる。システム400のピアツーピア態様は,クライアント102,104,および406の間でコンテンツを直接共用することを追加することであり,したがって,サーバ106は迂回される。同位クライアント間で直接コンテンツを共用することは,クライアントにおける利用可能な資源容量を利用することができ,したがって,サーバ106における帯域幅トラフィックが低減される。サーバ106は,任意のクライアント102,104,または406から生成されるクライアントXコンテンツ410を一時的に(または恒久的に)記憶するためのドロップボックスとしても働くことができる。例えば,新しいコンテンツを特定のクライアントに送達するための最初の試みがなされたとき,その特定のクライアントがオフラインである場合,サーバ106のドロップボックスまたは記憶装置機能を使用することができる。図4は,クライアントC406とサーバ106の間に明示的な矢印を示していないが,クライアントC406は,クライアントAまたはBにより使用される方法と同様な方法で,サーバ106と通信することができる。」

「【0049】
システム400は,様々な同位クライアントの間で,コンテンツを同期化するために必要な資源の使用を最適化するために,いくつかのアルゴリズムまたはルールを使用することができる。サーバ106ならびにクライアント102および104上の帯域幅は限定されており,またユーザのアクションが一度に大量のデータを送信し,または要求することができるので,コンテンツの共用が要求に追いつかない可能性がある。例えば,ユーザが,クライアントA102に非常に大容量の文書(例えば,メンテナンスマニュアル)を記憶することができ,その後すぐに,同じユーザが,クライアントB104上のデジタルカメラを空にする。同じ日に,ユーザは,仕事に出かけて,クライアントC406上の小容量のオフィスメモを更新することがあり得る。サーバ106は,3つのデータアイテムのすべてに対するコンテンツを,ユーザがアクセスした順番に受信することができるが,サーバ106はまた,それに優先順位を割り当てることにより,そのデータアイテムを処理することもできる。サーバ106は,まず,より高い優先順位のデータアイテムを処理し,低い優先順位のデータアイテムを後のためにセーブすることができる。一実施形態では,優先順位は,それぞれがスコアと関連付けられたそのサイズ,タイプ,または年代などの属性に基づく。より低く組まれたスコアは,より高い優先順位に割り当てることができる。例えば,小容量の文書(例えば,オフィスメモ)は,サイズに基づいて低いスコアを受けるはずであり,したがって,より高い優先順位が与えられる。同様に,大容量の文書(例えば,メンテナンスマニュアル)およびデジタル写真は,より高いスコア(またより低い優先順位)を受けるはずである。データアイテムの年代もまた,その優先順位に影響を与えるはずであり,より高い優先順位が,より新しいデータアイテムに割り当てられる。例えば,オフィス環境では,Microsoft Word(商標)により生成された文書など,仕事に関連するデータアイテムに対して高い優先順位を与えることができるので,データアイテムのタイプもまた,その優先順位を計算するために使用することができる。いくつかの実施形態では,優先順位アルゴリズムは,そのクライアントから,サーバまたは他のクライアントにコンテンツをいつ送信すべきかを決定するために,各クライアントにより使用される。
・・・(中略)・・・
【0051】
システム400は,どのようにコンテンツがクライアントの間で共用されるかを決定するために,この優先順位の式を使用することができる。例えば,クライアント102,104,406,およびサーバ106で利用可能な帯域幅,ならびに共用されるデータと関連付けられた優先順位に応じて,システム400は,クライアントの組合せに対して,共用する負荷を分配することができる。例えば,図4を参照すると,クライアントA102は,クライアントB104およびクライアントC406の両方に直接クライアントXコンテンツ410を送ることができる。代替的には,クライアントA102は,コンテンツをクライアントB104にだけ送り,クライアントB104に,それを複製してクライアントC406に送るように要求することができる。いずれの方法であっても,サーバ106は,特にそれが利用可能な帯域幅を有していない場合,このピアツーピアのコンテンツ共用プロセスで迂回され得る。」

「【0062】
代替的には,クライアントにより指定される時間範囲は任意のものとすることができる。例えば,クライアントCは,クライアントCが最後にログオンした時とは関係なく,まだ記憶していないコンテンツに基づいて時間範囲の開始点と終了点を指定することができる。これは,上記で論じた優先順位の式と組み合わせて使用することもできる。例えば,クライアントは,サーバにログオンできるが,コンテンツに低い優先順位が与えられているので,一定の時間期間は,そのコンテンツをダウンロードすることができない。後に,クライアントは,その低い優先順位のコンテンツの時間範囲の後に生じた時間範囲と関連付けられたコンテンツをダウンロードしていた場合であっても,このコンテンツをダウンロードするためにこの時間範囲を指定することができる。」

(2)上記記載から,引用文献3には,次の技術事項が記載されているものと認められる。

ア クライアントは,サーバを用いてコンテンツを共用し,クライアント間でコンテンツを同期する(【0042】)。

イ データアイテムの優先順位は,スコアと関連付けられたそのサイズ,タイプ,または年代などの属性に基づくものである(【0049】)。

ウ クライアントは,優先順位アルゴリズムを使用して,サーバまたは他のクライアントにコンテンツをいつ送信すべきかを決定する(【0049】)。

(3)上記(1),(2)から,引用文献3には,次の技術事項が記載されていると認められる。

「サーバを用いてクライアントの間でコンテンツを共用及び同期する方法において,コンテンツのサイズ,タイプ,年代などの属性に応じて優先順位をコンテンツに割り当て,当該優先順位を使用して,当該クライアントからサーバまたは他のクライアントにコンテンツをいつ送信すべきかを決定すること。」

4 引用文献4について
(1)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,特表2012-510094号公報(平成24年4月26日出願公開。以下,「引用文献4」という。)には,図面とともに,次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。

「【0016】
[0040] 本発明は,クライアント‐サーバシステムと,クライアントとサーバ間でのアイテムの,対応する同期方法およびシステムに関する。以下の開示には,クライアントキャッシュのプライミングと,クライアントとサーバ間のデータ交換が並列に生じて,同期済みデータがアクセス可能となる前にローカルキャッシュのプライミングが完了する必要性を解決することを可能にする同期方法およびシステムが記載される。記載される方法およびシステムは,データ同期を伴う任意のクライアント‐サーバアプリケーションに適用可能である。」

「【0029】・・・(中略)・・・
【0058】
[0082] 幾つかの実施形態では,データ同期は,1つ以上の独立した同期機構を含む。ダウンヒル同期は,サーバが,サーバにおける同期されていない変更をクライアントに送信する同期であり,アップヒル同期は,クライアントが,同期されていないデータ変更をクライアントからサーバに送信する同期である。幾つかの実施形態では,ダウンヒル同期は,逆方向同期および順方向同期を含む。逆方向同期は,クライアントと今までに同期されたことのないデータ(すなわち,クライアントに反映されていないサーバにおけるデータアイテム)を同期させる一方で,順方向同期は,変更オペレーション(すなわち,先の同期オペレーション以降に生じた進行中のデータ変更)を同期させる。これらの同期機構のそれぞれは,別個で,互いから独立していてよく,また,これらの同期機構は,必要に応じて直列にまたは同時に動作しうる。前にも述べたように,このデータ同期の概念は,電子メール会話,各電子メール会話に含まれる個々のメッセージ,および関連するデータのセット(例えば,イメージ,ドキュメント)に関する同期にも同様に適用可能である。
・・・(中略)・・・
【0060】
[0084] 図5は,クライアントのローカル履歴テーブルに含まれる情報を示す図である。ローカル/クライアント履歴テーブル501は,クライアントにおけるデータへの変更を含み,アップヒル同期に用いられる。各クライアントデータ変更502は,クライアント履歴オペレーション識別情報(CHO ID)として知られる一意の識別情報を有する。一実施形態では,クライアントデータ変更502A?D(1番目からn番目のクライアントデータ変更に対応する)は,最も新しい変更がテーブルの最上位で最も古い変更が最下位にあって時系列に順序付けられうる。サーバにおける対応グローバル履歴テーブル401と同様に,クライアント履歴テーブルにおけるアイテムの順序付けは,変更オペレーションの関連性,優先度,およびカテゴリ等に基づいてといったように異なって並べられうる。アップヒル同期時,クライアントは,オペレーションが並べられた順序でクライアントに新しい変更を送信する。
・・・(中略)・・・
【0125】
[00149] 図12Cは,サーバにおける例示的な逆方向同期方法を説明するフローチャートである。・・・(中略)・・・」

(2)上記記載から,引用文献4には,次の技術事項が記載されているものと認められる。

ア 引用文献4は,クライアントとサーバ間でデータを同期する方法に関する(【0016】)。

イ クライアントは,アップヒル同期により,同期されていないクライアントでのデータ変更をサーバに送信する(【0058】,【0060】)。

ウ クライアントは,クライアント履歴テーブルにおけるアイテムを,変更オペレーションの関連性,優先度,およびカテゴリ等に基づいて,時系列とは異なる順序で並べ,アップヒル同期時,当該並べられた順序でデータ変更を送信する(【0060】。

(3)上記(1),(2)から,引用文献4には,次の技術事項が記載されていると認められる。

「クライアントとサーバ間でアイテムの同期を行う方法において,クライアントが同期されていないデータ変更をサーバに送信する同期であるアップヒル同期において,クライアントは,変更オペレーションの関連性,優先度,およびカテゴリ等に基づいて時系列とは異なって並べられた順序でデータ変更を送信すること。」


第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明は,デスクトップコンピュータ等のクライアントデバイスで実行されるものであるから,本願発明1の「コンピュータで実施される方法」に対応するものである。

(イ)引用発明の「クライアント」は,クライアントデバイスにより構成されるものであるから,本願発明1の「クライアントデバイス」に相当する。

(ウ)引用発明の「ファイル」は,本願発明1の「コンテンツアイテム」に相当する。
また,引用発明の「ファイルアクセスサーバ」は,クライアントによって複数のファイルが同期され,当該複数のファイルがクライアントデバイスから保存されるものであるから,引用発明の「ファイルアクセスサーバ」と本願発明1の「コンテンツ管理システム」とは,「前記クライアントデバイスによって,」「前記複数のコンテンツアイテム」が同期され,「前記複数のコンテンツアイテムを前記クライアントデバイスから」「アップロード」されるものである点において,一致する。

(エ)そして,引用発明では,クライアントは同期アプリケーションによって,ファイルアクセスサーバとの同期のための複数のファイルを特定しており,また,当該同期のための複数ファイルは同期される順番で並べられることが通常であるから,引用発明と本願発明1は,「クライアントデバイスによって,コンテンツ管理システムとの同期のために並べられた複数のコンテンツアイテムを特定する」ものである点において,一致する。

イ 以上のことから,本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。

(一致点)
「コンピュータで実施される方法であって,
クライアントデバイスによって,コンテンツ管理システムとの同期のために並べられた複数のコンテンツアイテムを特定することと,
前記クライアントデバイスによって,前記複数のコンテンツアイテムを前記コンテンツ管理システムと同期することと,を含み,
前記複数のコンテンツアイテムを前記クライアントデバイスから前記コンテンツ管理システムへアップロードすることを含むコンピュータで実施される方法。」

(相違点)
(相違点1)
「コンテンツアイテム」の同期に関して,本願発明1では,「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期される」ものであるのに対し,引用発明では,「ファイル」の同期についてそのような特定がなされていない点。

(相違点2)
本願発明1では,「サブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定」し,当該第2同期順序により「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムを前記クライアントデバイスから前記コンテンツ管理システムへアップロードする」のに対し,引用発明では,そのような特定がなされていない点。

(2)相違点についての判断
以下,上記相違点について検討する。

ア 相違点1について
上記相違点1に係る本願発明1の「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期される」という構成は,上記引用文献2-4のいずれにも記載されておらず,また,当業者にとって自明な事項でもない。

イ 相違点2について
上記相違点2に係る本願発明1の「サブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定する」という構成に関し,引用文献2に記載された「アプリケーションの使用頻度やユーザが特定した優先順序等」,引用文献3に記載された「コンテンツのサイズ,タイプ,年代などの属性」,引用文献4に記載された「変更オペレーションの関連性,優先度,およびカテゴリ等」が本願発明1の「サブ優先付け基準」にそれぞれ相当すると解されなくはないものの,共有ステータスを伴う複数のコンテンツアイテム部分集合のみについて,当該サブ優先付け基準に基づいて第2同期順序を決定することまでは,上記引用文献2-4のいずれにも記載されておらず,また,当業者にとって自明な事項でもない。

ウ 上記ア,イで検討したとおり,本願発明1は,当業者であっても引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2-6について
本願発明2-6も,本願発明1の「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期される」構成及び「サブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定する」構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明7-9について
本願発明7-9は,本願発明1,3,5に対応するクライアントデバイスの発明であり,本願発明1の「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期される」構成及び「サブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定する」構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明10について
本願発明10は,本願発明1に対応するコンピュータプログラムの発明であり,本願発明1の「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期される」構成及び「サブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定する」構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明11-12について
本願発明11-12は,本願発明10を減縮した発明であり,よって,本願発明1の「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期される」構成及び「サブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定する」構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。


第5 原査定の概要及び原査定についての判断
1 特許法第36条第6項第1号について
原査定は,請求項1-16について,請求項1に係る発明の「前記クライアントデバイスによって前記第1コンテンツアイテムへの共有リンクが要求されたことを示す第1共有ステータスを前記第1コンテンツアイテムが有することと,前記コンテンツ管理システムによって前記少なくともひとつの第2コンテンツアイテムへの共有リンクが要求されたことを示す第2共有ステータスを前記第2コンテンツアイテムが有することと,に基づいて,前記第1コンテンツアイテムおよび前記少なくともひとつの第2コンテンツアイテムの同期の優先付けを行う」との構成は,発明の詳細な説明に記載されたものであるとは認められず,請求項2-16についても同様であるから,特許法第36条第6項第1号の規定により特許を受けることができないとしたものである。
しかしながら,平成29年12月19日付け手続補正による補正の結果,この拒絶の理由は解消した。

2 特許法第36条第6項第2号について
原査定は,請求項1-16について,請求項1の「前記クライアントデバイスによって前記第1コンテンツアイテムへの共有リンクが要求されたことを示す第1共有ステータスを前記第1コンテンツアイテムが有することと,前記コンテンツ管理システムによって前記少なくともひとつの第2コンテンツアイテムへの共有リンクが要求されたことを示す第2共有ステータスを前記第2コンテンツアイテムが有することと,に基づいて,前記第1コンテンツアイテムおよび前記少なくともひとつの第2コンテンツアイテムの同期の優先付けを行う」との記載は不明確であり,請求項2-16についても同様であるから,特許法第36条第6項第2号の規定により特許を受けることができないとしたものである。
しかしながら,平成29年12月19日付け手続補正による補正の結果,この拒絶の理由は解消した。

3 特許法第29条2項について
原査定は,請求項1-16について上記引用文献1-4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとしたものである。
しかしながら,平成30年11月13日付け手続補正により補正された請求項1,7,10は,それぞれ「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合は共有ステータスを伴わないコンテンツアイテムよりも前に同期される」構成及び「サブ優先付け基準に基づいて,前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテムの前記部分集合内における第2同期順序を決定する」構成を有するものとなっており,上記のとおり,本願発明1-12は,上記引用発明及び上記引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。


第6 当審拒絶理由について
(特許法第36条第6項第2号について)
当審では,請求項1-12の「前記第2同期順序は前記第1コンテンツアイテムおよび前記少なくともひとつの第2コンテンツアイテムを前記クライアントデバイスから前記コンテンツ管理システムへアップロードすることを含み,」との記載について,「前記第1コンテンツアイテムおよび前記少なくともひとつの第2コンテンツアイテム」とその余のコンテンツとの関係が明確でないとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月13日付け手続補正により,「前記共有ステータスを伴う前記複数のコンテンツアイテム」と補正された結果,この拒絶の理由は解消した。


第7 むすび
以上のとおり,本願発明1-12は,当業者が引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-12-18 
出願番号 特願2016-529776(P2016-529776)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 月野 洋一郎  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 須田 勝巳
▲はま▼中 信行
発明の名称 共有に基づくコンテンツアイテム同期の優先付け  
代理人 永川 行光  
代理人 高柳 司郎  
代理人 下山 治  
代理人 西守 有人  
代理人 大塚 康弘  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康徳  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ